JP3831408B2 - ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法 - Google Patents
ハイブリドーマおよび抗kc−4ヒト化モノクローナル抗体ならびにこの抗体を暗号化するdnaおよびrna、キットならびに診断方法および治療方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、ヒトKC-4抗原に選択的に結合する特異的に標的化したヒト化マウスモノクローナル抗体による、ガン腫のインビトロおよびインビボ診断ならびに治療に関連する。ヒト化抗KC-4マウス抗体には、ヒトと同一の特異性を有するマウス抗体の可変領域の相補性決定領域(CDR)、および所定の方法で置換された特異的アミノ酸を有するマウスのフレームワーク領域、およびヒト抗体の不変領域が含まれる。本発明のヒト化抗KC-4マウス抗体は、ヒトにおける免疫応答を完全なマウス抗体よりも少なくさせると考えられ、従って、ヒトへのインビボ投与に適切であると考えられる。ヒト化抗体を暗号化するポリヌクレオチドセグメント、ハイブリッドベクターおよびヒト化抗体を暗号化するDNAセグメントを有するトランスフェクションした宿主細胞は、本明細書に開示されたペプチドを調製するのに有用である。
背景の説明
ガン腫は、種々の上皮細胞の発ガン性形質転換から生じる。ガン腫の最も有害な特性のうち、2つは、それらが制御不能に増殖し、宿主、特にヒト宿主の離れた部位に転移することができることである。通常、宿主に深刻な結果をもたらすのは、これらの遠くの転移である。その理由は、ほとんどの場合、最初のガン腫は外科手術により除去できることが多いからである。転移ガン腫の処置は、めったに除去できず、光線療法および異なる性質の系統的療法による。系統的療法には目下、すべてが含まれるわけではないが、化学療法、放射線、ホルモン療法、種々の免疫ブースト薬および方法、高熱および系統的モノクローナル抗体処理が含まれる。後者の系統的モノクローナル抗体処理は、放射性元素、免疫毒素および化学療法医薬を用いて標識することができる。
放射線で標識化したモノクローナル抗体をリンパ腫、白血病、およびいくつかのガン腫に用いた。標識した抗体の使用の基調となる概念は、標識した抗体がガン腫を特異的に求め、これに結合し、さらに放射性元素が、その崩壊により、インシトゥで腫瘍を照射することである。放射線は腫瘍中でいくらか離れた距離を通過するため、すべてのガン腫細胞が標識抗体に結合する必要はない。モノクローナル抗体の特異性により、腫瘍を選択的に処置することができるとともに、投与量が制限されることがある、悪性でない傍観者のような正常組織の照射を避けることができる。ガン腫の化学療法は正常組織に深刻な毒性作用を及ぼす。この作用は、全く望ましくなく、放射性物質で標識したモノクローナル抗体の使用を妥当な代案とする。
ヒトエピトープに対して生じた非ヒト抗体を、従来技術で知られているようにして、ガン腫の診断および治療に用いた。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を調製するための方法も知られている。後者のモノクローナル抗体の例は、BrE-2、BrE-3およびKC-4(例えば、米国特許第5,077,220号;第5,075,219号および第4,708,930号)である。KC-4ネズミモノクローナル抗体は、特有の抗原決定基、”抗原”に特異的であり、および新生物のガン腫細胞には選択的に強く結合するが、正常なヒト組織には結合しない(クールターへの米国特許第4,708,930号)。この抗原は2つの形態でガン腫細胞に現れる。これらの形態のうち小さい方だけがその細胞膜中に発現される。一層大きな形態のものは細胞質中にだけ現れ、約490キロダルトンの分子量(480,000〜510,000の範囲)を有する。第2の形態のものは、高密度の発現で発生し、ガン腫細胞の細胞質および膜で見出され、既知の分子量のマーカータンパク質を用いたゲル電気泳動により決定した約438キロダルトンの分子量(390,000〜450,000の範囲)を有する。標識したKC-4を、種々のガン腫、特に起源のヒト器官部位によらず、腺ガンおよび扁平上皮細胞ガン腫の診断および医療処置に適用された。
BrE-3抗体(Peterson et al.、「Hybridoma 9:221(1990)」;米国特許第5,075,219号)には、ヒト胸部上皮組織ムチンのポリペプチドコアのタンデム(双頭)リピート(繰り返し)に結合することが示されている。このムチンを脱グリコシル化する場合、一層多くのタンデムリピートエピトープの存在があらわになり、抗体の結合が増加する。したがって、BrE-3のような抗体は、新生物のガン腫の腫瘍に選択的に結合する。その理由は、これらの腫瘍が、正常な上皮組織に発現されない、グリコシル化されていない形態の胸部上皮組織ムチンを発現するからである。ガン腫患者、例えば胸部ガン患者の循環系中の、これらの抗体に対する、観察された低濃度のエピトープに結合するこの選択的結合は、ムチンエピトープに対する特異性を有する抗体に、極めて効果的なガン腫の放射免疫療法を構成させる。90Y-BrE-3放射免疫結合体は、ヌードマウスに移植されたヒト胸部ガン腫に対して極めて効果的であることが証明された。ヒトの臨床研究は、90Y-BrE-3放射免疫結合体が、何らの急性の毒性副作用を生じずに、胸部腫瘍転移の大きさを著しく減少させることが示された。さらに、111In-BrE-3放射免疫結合体は、15名の胸部ガン患者を画像化するために用いるのに都合がよく、15名中13名の患者に優れた腫瘍ターゲッティングを提供した。他の研究において発生するすべての胸部腫瘍移転のうち、86%が111In-BrE-3により検出された。不運にも、これらの患者は、処置後2〜3週間で、この放射免疫結合体をさらに投与することが妨げられる、強いヒト抗ネズミ抗体(HAMA)応答を発現した。多数のネズミモノクローナル抗体について観察されたこの応答は、ヒト患者に対しこれらのネズミモノクローナル抗体の長期間投与を排除する。他の異種抗体を、ヒトに投与した場合、同様の抗体応答が導かれる。このことは、抗異種ヒト応答が、治療剤としての異種抗体の好結果をもたらす使用を妨げる、実質的な制限因子であることを示す。
キメラ抗体を、ある種の可変領域と他の種の不変領域との間で直接に融合する。ネズミ/ヒトキメラ抗体を他の種類の抗原決定基に結合する他の種類のB細胞から調製する。このキメラ抗体は、ヒトにおいて、完全なネズミ抗体よりも免疫原性が少ないことが示された。これらのことは、免疫原性が少ないことを証明する。しかし、いくつかの場合には、免疫応答がげっし動物の可変領域のフレームワーク領域(FR)に固定されている。キメラ抗体の”外来の”特性をさらに減少させることは、げっし動物モノクローナルから、ヒトの支持フレームワークへ、適切な不変ドメインとその後に融合するのに先立ち、CDRだけを移植することにより達成することができる、(Winterへの欧州特許出願、公開第239,400号;Riechmann、et al.、「Nature 332:323〜327(1988)」)。しかし、CDR移植を行うのに用いる方法は、不完全な”ヒト化”抗体を生じることが多い。すなわち、得られた抗体は親和性を失う(通常、せいぜい2〜3倍)。
抗体結合部位の配位子結合特性は、CDRの構造および相対的配置により本質的に決まる。しかし、また、いくつかの隣接する残基は、抗原の結合に関与することが見出された(Davies、et al.、「Ann.Rev.Biochem.59:439〜473(1990)」)。
分子生物学の技術は、クラス切替え分子の創作を可能にすることにより、多くの抗体の有用性をさらに拡げた。これらの分子の機能性は、補体結合の取得または損失により改良された。また、生物活性分子の大きさを減少させ、IgMからIgGへのクラス変え、または、ほとんどのH鎖およびL鎖の不変領域を除去し、Fv抗体を形成することにより、この抗体の組織標的有効性を増加させることができる。これらの潜在的な治療上の形態の抗体のすべてに共通するものは、要求される相補性決定領域(CDR)であり、この領域は、分子をその配位子に導き、およびこれらのCDRを支持し、それらの相互の相対的配置を指図するフレームワーク領域(FR)である。多数の抗体構造の結晶学的な分析は、この抗原結合部位が、制限された数のループモチーフ中に配置されたほぼ完全なCDR領域を含むことを示した。これらの構造を形成するためのCDRの必要性は、認められるそれらの一次配列の超変化性と組合わされ、抗原結合部位に著しい多様性をもたらす。しかし、有限の数の可能性を有する。このように、各CDRについての超可変性および制限された一次配列レパートリーは、ある種の動物からの所定の抗原について誘導されたCDRが、他の種から誘導したものと同一であることを示唆する。したがって、それらの抗体は、受容生物に与える場合、あったとしても、ごくわずかの免疫原性しか有していない必要がある。
したがって、高い親和性、およびガン腫抗原のための特異性のいずれか一方、または双方を有し、この特異性がガン腫の検出および治療に適切である生成物についての必要性がなお存在する。この生成物は、完全な非ヒト抗体もしくは、例えば非ヒト可変領域全体を含むキメラ抗体よりも少ない抗体応答を導き出す。
発明の開示
本発明は、ヒト化マウスモノクローナル抗体およびその抗体のグリコシル化した誘導体、この誘導体は、ヒトKC-4抗原に特異的におよび選択的に結合し、この抗体は、ATCC寄託番号HB 8710またはHB 8709を有する抗KC-4マウス抗体のL鎖およびH鎖の可変領域、この領域中では、FR中の特異的なアミノ酸は、他の種の抗体中の同等の位置に存在するアミノ酸と鎖により置換され、およびヒト抗体の不変領域から本質的に構成される。
また、モノクローナル抗体を暗号化する対応のDNAおよびRNAセグメント、このDNAを含むハイブリッドベクター、およびそのベクターでトランスフェクションした宿主を提供する。
なお、本発明の一部は、ガンをインビトロで診断する方法、および組織スライスの免疫組織化学的アッセイを行う方法、新生物細胞を除去する半ビボでの方法、ならびにガン患者の画像化および治療のためのインビボでの方法である。
本発明の他の目的、利点および特徴は、以下の説明から当業者に明らかとなる。
好適例の説明
本発明は、診断および治療上の適用、特にインビボ投与について用いるのに適切な抗体技術を改良するため、本発明者等による要求から生じた。現在までに得られた有用なモノクローナル抗体は、不死化した細胞系をマウスまたは他の動物起源のB細胞と融合することにより調製した。しかし、一般に、異種抗体は、これらが引き起こす有害な免疫学的作用のため、ヒトに一回だけしか投与することができない。このことは、投与されたほとんどの異種抗体についても当てはまる。例えば、患者にネズミ抗体を繰り返し投与することで、強いヒト抗ネズミ抗体(HAMA)応答が引き起こされる。この応答は、ヒトにおける治療薬としてのこれら抗体のさらなる利用を妨げる。これらの異種抗体は多くのヒト患者に即時の不利な反応を起こし、したがって、治療薬としてのさらなる投与を無効にする。他方、ヒトのモノクローナルハイブリドーマ細胞系はあまり安定でなく、したがって、モノクローナル抗体の大規模な繰り返し製造に適切でない。
したがって、本発明者は、ヒトと同一の特異性を有するマウス抗体の全CDRおよびヒト不変領域を保持し、また、H鎖中の7個のアミノ酸およびL鎖中の12個のアミノ酸を置換し、これらの置換したアミノ酸は、フレームワーク領域(FR)に位置し、他のヒト抗体中で同等の位置に存在するものから選択し、およびヒト抗体の不変領域を保持する抗KC-4ヒト化モノクローナル抗体の調製を行った。本発明のハイブリドーマは、ヒトKC-4抗原についての、所望の高い親和性、特異性および選択性を有する大量のモノクローナル抗体を生産することができる。
驚くべきことに、本発明者は、これらのモノクローナル抗体がすべての対応マウス抗体の結合、特異性および選択性を実質的に保有し、これらの抗体が深刻な免疫応答をわずかにしか導かないと考えられることを見出した。しかし、抗体の結合領域のそのままの保存は、抗体の結合特性が維持されることを、それ自体によっては保証しない。抗体は、所定のコンフォメーションに折り畳まれたグリコポリペプチドである。分子のグリコシド部分またはアミノ酸配列の一部が不安定になるか、または削られる場合、この分子の折り畳みパターンは不安定になることがある。したがって、抗体の配列の欠失または変更は、折り畳みが実質的に影響を及ぼされ場合、たとえ抗原の結合に関連するアミノ酸配列が保存されていようが、特性に依存するその折り畳みが、縮小されるか、または抹消されることもあることを考慮しなければならない。
本発明者は、本発明の抗体の調製および製造のための次の戦略を選定した。抗体の可変鎖を暗号化するcDNAは、ハイブリドーマ細胞からmRNAを単離し、これらのmRNAを逆転写することにより得ことができる。このようにして得たcDNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、得られたDNAをベクター中に挿入することができ、また、随意に配列決定し、制限酵素で切断することができる。このように、ヒトKC-4抗原に対する親和性および特異性を有する抗体のL(VL)鎖およびH(VH)鎖の可変鎖(FV)領域を暗号化するcDNAを、単離したmRNAから逆転写することができる。次いで、可変領域のcDNAを、cDNAをPCR増幅するのに用いる予め設計したプライマを用いるか、または改めて合成して、変更し、ヒト不変領域を暗号化するDNA配列を随意に有するベクター中にクローニングし、随意に配列決定し、さらに次いで、ヒト化抗LC-4抗体の発現のための宿主細胞にトランスフェクションすることができる。次いで、ヒト化抗体の結合特異性および結合定数を測定し、完全なマウス抗体の性質と比較することができる。
X線結晶学上の研究は、種々の抗体のFVのフレームワーク構造が、起源である種、アミノ酸配列、または配位子の特異性にかかわらず、標準構造を呈することを示す。このことは、一般に、抗体結合部位の配位子結合特性がCDRの構造および相対配置により本質的に決定されることの証拠となるが、また、いくつかの隣接フレームワーク残基が抗原結合に関連することがある。したがって、抗体の優れた特異性が保持されるべきである場合、その抗体のCDR構造、および一部の隣接残基、相互とのおよび可変ドメインの残部との相互作用も維持されなければならない。これらの結晶学上の研究は、ほとんどの、すべてではないが、多くの内部および中間ドメイン接触残基を保持するための起こりうる要求を示す。その理由は、これらの残基のわずかだけを置換することの構造的作用を、予測することができないからである。
まず、これらのアミノ酸を保持する必要性は、”ヒト化”により免疫原性を減少させる目的を無効にすると考えることができるが、保持されなければならない実際のアミノ酸の数は、本発明者により少ないことが測定された。この理由は、ヒトとネズミの可変領域の間に著しい類似性があるからである。さらに、多くの、ほとんどではないが、保持されたアミノ酸は、分子の表面上に現れない側鎖を有し、したがって、その抗原性に寄与することはない。明らかに、ほとんどの露出したアミノ酸が置換のための良好な候補となる。その理由は、これらのアミノ酸が、哺乳動物の免疫学的環境に曝され、免疫原性の増加したエピトープを形式することができるからである。
したがって、抗KC-4マウス抗体の可変領域をヒト化する試験は、”重要な”異種アミノ酸の確認に始まる。”重要な”アミノ酸は、本明細書で定義する。例えば、抗原結合に関連し、CDRおよび反対の鎖に接触し、さらに側鎖が埋め込まれたものである。理想的には、これらの残基は、よく特徴付けられた三次元構造から確認することができる。しかし、本発明の場合のように、直接的な構造データが利用できない場合、本発明者は、幸運にも、他の関連する抗体構造、特に、この構造の可変L鎖およびH鎖領域が同じクラスに属する構造を、分析することにより、これらの重要なアミノ酸の位置を予測することができるようにした。可変領域のクラスは、それらのアミノ酸配列から決定することができる。
これらの重要なアミノ酸を確認することができる1つの方法は、Padlan,E.A.により、埋め込まれた側鎖を有するアミノ酸の場合について、説明されている〔Padlan,E.A.の"A Possible Procedure for Reducing the Immunogenicity of Antibody Variable Domains While Preserving Their Ligand-Binding Properties"、「Molecular Immunology、28:489〜494(1991)」〕。本発明の場合、種々の抗体の可変領域構造を、コンピュータ化したプログラムを用いて比較した。このプログラムは、Padlan,E.A.(1991)の上述の文献に記載されているように、フレームワーク残基の溶媒アクセシビリティ、ならびに反対のドメインとの接触を測定する。驚くべきことに、分別溶媒アクセシビリティの精密な試験は、VHドメインおよびVLドメインの露出パターンに極めて密接な類似性があることを明らかにする。問題の所定の抗体にかかわらず、そのアミノ酸配列を挿入することにより、本発明者は、これらの埋め込まれた残基が、ほとんどの抗体中で、類似した相対的位置を占めることを見出した。
同様の分析は、コンピュータモデリングにより行い、アミノ酸がCDRに接触し、反対のドメインに接触することを測定することができる。この点については、タンパク質データバンク〔Bernstein,F.C.、et al.の、「J.Mol.Biol.112:535〜542(1977)」〕に目下記載されているFab構造を、試験して、FRが結合部位の構造を維持するのに重要であるかもしれないことを測定することができる。したがって、可変領域の多くの高解像度三次元構造を精密に検査した後、すべての重要なフレームワークアミノ酸の位置、すなわち、CDR、反対のドメインに接触するもの、および側鎖が内部に向けられるものを表に示すことができる。配位子結合に関連することがあるこれらのアミノ酸、ならびにCDRからのアミノ酸、および最終的なこれらのFRアミノ酸は、大部分の親和性を保存することが保証されるべきである。配位子結合に関連するFRアミノ酸の正確な確認を一般化することはできない。その理由は、このアミノ酸が種々の抗体について変化するからである。やはり、保存性の決定は、抗原と接触する高い能力を有する、FR中に位置するアミノ酸を保存させることができる。一般に、これらの領域は、CDRのすぐ近くに隣接して、両鎖のN末端に位置する。その理由は、これらの領域の表面がCDR表面と接触するからである。
驚くべきことに、異種のヒト化抗体中のこれらの重要なアミノ酸のすべてを保持し、ヒトのコンセンサス配列との類似性をさらに劇的に増加させることができる。すなわち、保持されているヒトのアイデンティティと異なるネズミのアイデンティティを有する最終的な数のアミノ酸は、代表的に小さい。この理由は、ネズミのフレームワークに類似したヒトのフレームワークを、特に重要なアミノ酸の位置で見出すことができるからであると思われる。この理由は、多くの重要なアミノ酸が、ネズミの抗体とヒトの抗体との両者で同一のアイデンティティを有するからである。
上述した方法により重要でないと測定されたすべてのアミノ酸は、それらの対応するヒトの相対物により置換することができる。最終的にヒト化した抗体の表面は、抗原結合表面を除き、ヒト抗体の表面と非常に似ているように見える必要がある。しかし、これらの結合表面の最初の形を、無傷の抗体の内部組成物を放出させ、中間ドメイン接触を保存し、およびCDRと接触する極めて少ない要所のアミノ酸を保持することにより、維持する。
a)抗体の構造が既知の場合に、抗体の”ヒト化”に用いるための、最良のヒトフレームワークの選択
目下、原子配位が知られており、次の表1に示すようなタンパク質データバンクに配列された11種、ヒト抗体からの2種およびネズミ抗体からの9種のFab構造がある。
11種のFabの可変ドメイン中の側鎖間の接触物を、収集して次の表2〜4に示す。CDRと接触するVLドメイン中のフレームワーク(FR)アミノ酸を、次の表2に示す。
CDRと接触するVHドメイン中のこれらのFRを、次の表3に示す。
FRアミノ酸、これは反対のドメインと接触し、おそらく主として、FVドメインの四次構造の原因であるものを、次の表4に示す。
埋め込まれた、VLドメイン中の内部へ向かうFRアミノ酸、すなわち、ドメイン内部に位置するものを、次の表5に示す。
VHドメイン中のものを次の表6に示す。
上記のことから、次のことが考えられる。
(1)CDRもしくは反対のドメインのいずれかと接触するか、またはドメイン内部に見出される多くのFRアミノ酸がある。
(2)これらのFRアミノ酸は、結合部位の構造、したがって抗体の抗原結合特性に影響を及ぼすことができ、抗原ごとに異なる。
これらの結果から、ある種の構造は、すべてのヒト化プロトコルの完全な、しかも唯一の基礎としてはたらくことができないことが明らかである。実際、上記表1に示す9種のネズミ抗体を、その配位子結合特性を保持する目的でCDR移植することにより、”ヒト化”するために、上記表2〜6に示したFRアミノ酸を維持する必要がある。
免疫グロブリン配列の表〔Kabat et al.、"Sequences of Proteins of Immunological Interest"、5版、米国保健社会福祉省編、NIH出版番号91-3242(1991)〕による検索は、ヒト可変ドメイン配列が、次の表7に示すような、保存されるのに必要な、ほとんどのFRアミノ酸をすでに有していることが知られていることを示す。
これらのヒト配列は、ネズミ抗体に、すべて、またはフレームワーク領域においてだけ、最も似ている抗体である必要はない。しかし、共通の最大数の重要アミノ酸を有する抗体である必要がある。この後者の配列は、上記表7に含まれている。
上記表7に示すような、ネズミ抗体の”ヒト化”版中の重要なFRアミノ酸のすべてを有するように、さらに、保持する必要があるネズミアミノ酸の数は、21(HyHEL-5のための:VH中の12個およびVL中の9個)〜5(B1312のための:VH中の2個およびVL中の3個)である。これらのアミノ酸の数は、あまり多くなく、おそらく、得られるヒト化分子は、ほとんど、またはすべてのそれらの配位子結合特性を保持すると考えられる。Kobat,et al.の上記文献(1991)の編集物に含まれない、これらのネズミのドメインに、なお一層類似する他のヒト配列が存在する可能性がある。より一層多くの配列が入手できる場合、これらの配列も組み入れて、抗体をヒト化するのに使用する、有効な基礎データの集積を改良することができる。
b)抗体の構造が既知でない場合に、抗体の”ヒト化”に用いるための最良のヒトフレームワークの選択
三次元構造がない状態で、結合部位構造を維持するのに重要なFRアミノ酸の確認は、容易には行えない。しかし、いくつかの提案を、次の表8および9においてVLドメインおよびVHドメインについて収集した、上記表2〜6に示したデータから行うことができる。
上記表8および9から、多くの重要なFRアミノ酸がCDRの側面に位置することがわかる。これらの側面位置の中には、上記の表4にしめすような反対のドメインとの接触に関連するFRアミノ酸のほとんど、および上記表2および3に示すようなCDRと接触する多くのアミノ酸がある。さらに、抗原への結合に関係することが観察されたほとんどすべてのFRアミノ酸〔Amit,A.G.、et al.、「Science」233:747〜753(1986);Sheriff、et al.、「P.N.A.S.(USA)」82:1104〜1107(1987);Padlan,E.A.、et al.、「P.N.A.S.(USA)」86:5938〜5942(1989);Tulip、et al.、「Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.」54:257〜263(1989);Bentley、et al.、「Nature(London)」348:254〜257(1990)〕は、これらのフランキング領域中にある。したがって、ヒト化中に、CDRだけでなく、CDRのすぐ近くに隣接するいくつかの残基が保持される。このことは、一層多くの最初の抗体の配位子結合特性を保持する良好な機会を提供する。また、両方の鎖のNH2-末端中の最初のわずかなアミノ酸も保持される場合、マウス抗体の抗原結合特性を保持する見込みは、なお一層大きい。この理由は、それらのアミノ酸のいくつかが、上記表2および3に示されているようにCDRと接触することが見出されるからである。さらに、上記表8および9には、本明細書で試験したすべての例において構造的に重要であると考えられる、他の多くのフレームワーク位置が示されている。これらの位置のネズミ残基は、おそらく良好に保持される必要がある。
あるいはまた、ヒト抗体中に通常見出される残基とは異なる、フレームワーク領域中のこれらの露出した残基を、簡単に置換することにより、抗原結合特性を保持しながら、免疫原性を減少させることができる〔Padlan,E.A.(1991)、上記文献〕。このことにより、内部の、抗原結合特性に影響を及ぼす接触残基を保持しながら、抗KC-4ネズミ抗体の表面をヒト化する。外部残基の賢明なる置換は、これらのドメインの内部に、または中間ドメイン接触にほとんど、または全く影響を及ぼさない必要がある。例えば、J539、ネズミIgA(κ)およびKOLのFV sの溶媒アクセシビリティパターンは、極めて類似していることが見出された〔Padlan,E.A.(1991)、上記文献〕。
目下、35種以上の異なるFab構造を、X線回折分析により解明した。しかし、11種の原子配位だけが、一般に上記表1に示すようなタンパク質データバンクに示されている。ほとんどの有効な構造は、培地分解能(medium resolution)について分析し、いくつかの構造は、限定した範囲についてだけ詳細に論じた。結局、一層多くの、しかも一層良好に詳細に論じられた構造に関する原子配位が有用になり、結果として、”重要な”FRをなお容易に評価することができる。このことにより、ヒト化抗体の配列を決定するための、本発明の方法の理論的に予測される記録が改良される。
ヒト化抗KC-4ネズミ抗体の設計を、次に示す段階において達成する。
1−既知の構造のネズミモデルの選定
2−ヒトFRの選定
3−ネズミ/ヒト抗体の相違点の確認
4−重要なネズミアミノ酸の確認
(1)既知構造の異種モデルの選定
所望の特異性を有する抗体のVHドメインおよびVLドメインを、Kabat et al.(1991)の、上記文献に従って分類する。次いで、他のヒト抗体を選定することができる。このヒト抗体の構造は決定されたもので、この抗体の可変領域は、同一のクラスおよびサブクラスに属する。問題のネズミ抗体を、かかる構造に関してモデリングすることは、最大の成功の機会を保証する。しかし、このことは絶対に必要なことではない。その理由は、重要なアミノ酸の相対的位置が、異なるクラスの可変領域でも著しく変化するからである。したがって、完全に適合させないで、この方法を適用して、本発明のヒト化抗KC-4抗体を設計する。ネズミのモデルを選定すれば、このモデルを適用して、ヒト化すべきネズミ抗体中の重要な残基の位置を確認することができる。表2、3、4、5、6、8および9には、構造が高解像度レベルまで測定された、種々の抗体中の重要なアミノ酸の位置が示されている。
(2)標的種のFRの選定
理論的に、標的種のフレームワークは、コンセンサスフレームワークであるべきである。すなわち、このフレームワークは、同一クラスのすべてのヒトフレームワークと共通な最大数のアミノ酸を有する。このことは、ヒト化の目的が、設計したヒト化抗KC-4抗体に対する免疫応答の発生を防止することであるため、重要である。
選定された標的種のフレームワークは、最初のネズミ抗体と最大数の重要なアミノ酸を共有する。したがって、ヒトFRの選定において、重要なアミノ酸の間の類似性は、全体の類似性より重要である。
実際、ネズミの可変鎖の配列は、抗KC-4ネズミ抗体のすべての可変領域クラスからのコンセンサス配列と直線状に並び、ネズミ抗体から保持されなければならないアミノ酸中の相違点の数が評価された。次いで、最小の数の相違点が評価されたヒトのコンセンサス配列を選択する。これらの配列は最良の抗体候補である。相違点が少ないが、上記の配列よりも多い他の配列も適切であることがあり、これらの配列を保存プール等に入れる。選定したフレームワークに余りに多くの相違点がある場合(例えば、16以上)、次に、表にしたすべてのヒトのフレームワークを用いて同一の配列方法を繰り返して、ネズミ配列との類似性が、重要なアミノ酸の位置で最大にされる所定のヒトフレームワークを見出すことができる。したがって、最も好ましくは、標的種のFRは、コンセンサス配列である必要がある。次に好ましくは、共通のヒト抗体のフレームワークであり、最後に、任意のヒト抗体のフレームワークである。
(3)ネズミ/ヒト抗体の相違点の確認
次いで、ネズミ配列をヒトの配列と並べ、ネズミのフレームワークとヒトのフレームワークとで異なる、すべてのアミノ酸の位置を表に示す。かかる表には、抗KC-4ネズミ抗体のヒト化のために変更することができる最大数のアミノ酸が含まれる(以下に示す表19を参照)。これらのすべての変更を行うべき場合、いわゆるCDR移植抗体が得られる。すなわち、最初のCDRが、抗KC-4ネズミ抗体から保持されるにすぎない。CDR移植抗体のそれ自体による親和性は、最初の抗KC-4ネズミ抗体の親和性より著しく小さい。最初の親和性を維持するための見込みを最大にするために、すべての重要なアミノ酸の同一性を保存しなければならない。
(4)重要なネズミのアミノ酸の確認
抗体をヒト化するための最初の工程において、工程1で選定した抗KC-4ネズミ抗体中で、相応じて重要なアミノ酸を保持する。しかし、次の工程で、他のネズミ抗体またはヒト抗体中で重要な位置を占めることが示されたアミノ酸も保持し、したがって、変異させる候補の群から取り出すことができる。第2の工程は、問題のアミノ酸がCDRまたはその反対の鎖と接触することになるすべての可能性を避ける場合、特に適切である。重要なネズミのアミノ酸を確認すると、DNA配列を突然変異させて、他のすべてのアミノ酸を変更することができる。これらのアミノ酸のほとんどの部分は、露出した位置を占有する。
本発明の方法は、本明細書の以下に示す具体的な開示で、抗KC-4マウス可変領域とヒト不変領域とからなるキメラ抗体から始める、抗KC-4ネズミ抗体のヒト化に用いられる。ネズミおよびヒト抗体は、その三次元構造が高解像度で予測され、このネズミ抗体をヒト化するために、置換すべきアミノ酸の選定において、案内として用いられた。データバンクからの他のネズミ抗体についての情報を、以下に示す具体的な開示で使用し、ヒトのアミノ酸を用いて抗KC-4ネズミ−ヒトキメラ抗体を変化させた。
次いで、抗KC-4ヒト化可変領域を暗号化するcDNAを、同一プロモータ下に配置したヒト抗体の不変領域を暗号化する配列を含むベクター中にクローニングした。これが、本発明の具体的な開示において使用したクローニング戦略であるが、この技術分野で知られている他の方法を、同時発現等のように用いることができる。本明細書に示した具体的な開示において、抗KC-4ネズミ−ヒトキメラ抗体を、抗KC-4ネズミ可変ドメインのDNAをハイブリッドベクターにクローニングしたヒトの不変ドメイン(エフェクター剤)に結合することにより構成し、さらにこのベクターをミエローマ細胞にトランスフェクションすることにより、生成物を発現させた。次いで、キメラ抗体の可変領域をDNAレベルで変更し、ヒト化キメラ抗体を得た。これらのペプチドの可変領域に対する変更は、通常のように調整するプライマを用いるPCR増幅によるか、またはDNA合成により行い、所望の突然変異を起こすことができる。
以下に例示した抗KC-4ヒト化抗体には、抗KC-4ネズミ/ヒトキメラ抗体のヒト化した可変領域(クールター社への米国特許第4,708,930号に、抗KC-4マウス抗体技術が開示されている)と、ヒト抗体のカッパおよびガンマ1不変領域が含まれる。これらのヒト化抗体を、それらの分子量および結合特性により特徴付け、これらのヒト化抗体は、KC-4抗原についての対応するネズミおよびキメラ抗体と十分に競合するか、またはこれら抗体より良好であることが示された。これらのヒト化抗体は、ABC免疫ペルオキシダーゼ法により、正常な胸部、肺、結腸および子宮内膜への結合が弱く、ガン腫組織部分には強く結合することが示された。未変更ペプチドのCDRおよびFR領域(ネズミFV領域)ならびにエフェクター剤(ヒトFC領域)の部分は、いずれの場合においても、それらが得られたネズミおよびヒト抗体のものと実質的に同一であることが示された。任意の非ヒト不変領域配列を欠く、本発明の抗KC-4ヒト化抗体は、全部のネズミ抗体またはこれらネズミ抗体から誘導したキメラ抗体よりも少ない外来抗原性エピトープを有する。したがって、これらの抗体は、対応する全部のネズミ抗体よりも、およびネズミ/ヒトキメラ抗体よりもなお少ない、ヒトにおける複雑な免疫原性応答しか引き出さないと考えられる。しかし、本発明に先立ち、どの範囲の部分のネズミFRアミノ酸が、CDRの結合特性を変更させずに、置換することができるかは、予測できなかった。その理由は、CDRと抗原の結合に影響する、内部領域の実質的なコンフォメーション変化がアミノ酸配列の変更の際に発生するからである。
このように、本発明の、実質的に純粋な、単離した抗KC-4ヒト化抗体は、米国特許第4,708,930号に記載されているヒトKC-4抗原に、特異的に、しかも選択的に結合する。この抗体は、L鎖およびH鎖を含む。これらの鎖は、抗KC-4ネズミ抗体のL鎖およびH鎖の可変領域から基本的に構成され、これらの鎖は、他の種の抗体中の同等の位置に存在する、L鎖についての7個のアミノ酸を置換し、およびH鎖について12個のアミノ酸を置換したものである。さらに、この抗体はヒト抗体の不変領域を含む。
本明細書に記載したヒト化法を設定し、導入したアミノ酸から得られる抗原結合親和性の潜在的な損失を最小にする。本明細書に記載した抗KC-4ヒト化抗体の場合には、7個のアミノ酸の変更をL鎖の可変領域に導入し、12個のアミノ酸の変更をH鎖の可変領域で行った。さらに、ヒト化抗体に対する免疫応答を最小にするため、適切なヒト可変領域のすべてのコンセンサス配列を含む、標的ヒトアミノ酸配列を用いた。本発明の特に好ましい1つの例では、抗KC-4ヒト化抗体は、表24のアミノ酸配列番号50、および表25の配列番号51のいずれか一方または双方から本質的になる。
本発明のヒト化モノクローナル抗体は、ペプチドそのもの、またはグリコシル化した形態のいずれかとして提供する。グリコシル化した形態で提供する場合、グリコシル残基を結合したこれらの抗体を、真核細胞で発現させることにより提供した。原核細胞中でクローニングして発現させる場合、ペプチドそのものが提供され、その後、例えば、従来技術として知られているような、グリコシルトランスフェラーゼを用いて、グリコシル残基を付加することができる。
また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体には、この技術分野における既知の方法によって、放射性同位元素を付けることができる。
最も好ましい例においては、抗KC−4ヒト化抗体は、1933年9月23日付けブタペスト条約に従って寄託されたATCC受託番号HB11,455(HuKC4V2)を有するハイブリドーマ細胞系によって発現されるヒト化抗体からなる。このハイブリドーマは発明者等の知っている本発明の最良モードとして寄託されている。
また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、インビトロ使用のための担体または希釈剤との組成物として、好ましくはインビボ使用および半ビボ使用のための医薬として受け入れることのできる担体または希釈剤との組成物として、提供される。本発明によって提供される抗KC−4ヒト化抗体は、組成物中に、約0.001〜99.999重量%、一層好ましくは約0.01〜20重量%、さらに一層好ましくは約1〜5重量%の量で存在させることができる。しかし、他の量も適当である。一般的に担体、特に医薬として許容することができる担体は、この技術分野において既知であるので、これ以上の説明は必要がないと考える。担体は、別個の無菌容器内に入れて、あるいは抗体との混合物として提供することができる。代表的な例として、塩水、アルコール性水溶液、アルブミン・塩水溶液、およびプロピレングリコール溶液が適当である。しかし、他のものも使用することができる。治療の目的に使用する場合には、前記タンパク質物質はヒトに投与するのに適した純度であることが必要であり、また組成物はこの技術分野において知られているような他の成分を含有することができる。これらの例としては、特に、アドリアマイシン、マイトマイシン、シトキサン(cytoxan)、PALAおよび/またはメトトレキセートのような他の抗腫瘍薬がある。しかし、他の治療薬、担体または希釈剤、免疫アジュバント等も添加することができる。上述の組成物をインビボ画像化(imaging)に使用する場合には、組成物は約0.001〜99.9重量%のヒト化抗体、一層好ましくは約0.01〜25重量%のヒト化抗体を含有することができる。組成物を治療目的に使用する場合には、代表的な例においては、組成物は約0.001〜99.9重量%のヒト化抗体、一層好ましくは約0.01〜30重量%のヒト化抗体を含有することができる。髄液のような体液から腫瘍細胞を半ビボ追放するのに使用する場合には、組成物は約0.001〜50重量%、好ましくは約0.01〜20重量%のヒト化抗体を含有することができる。ガン腫のインビトロ診断に適用する場合には、本発明の組成物は約0.001〜35重量%のヒト化抗体、一層好ましくは約0.01〜10重量%のヒト化抗体を含有することができる。しかし、他の量も適当である。
このような生成物は、ガンの治療、特に乳房、肺、卵巣、子宮内膜、膵臓、前立腺および結腸のガンの治療に有用である。抗KC−4ヒト化抗体はヒトのインビボ治療または診断に使用することができる。本発明の類似(analogue)ペプチドは、腫瘍の転移および/または再発のような、ヒトに繰り返し投与する場合、および長期間にわたる治療の場合に特に適している。
本発明において提供されるガン細胞診断用キッドは、本発明の抗KC−4ヒト化抗体を含有し、使用命令書を有し、さらに、所要に応じて、陽性対照標準、および抗体、プロティンGまたはプロティンAの不変領域に選択的に結合する異種免疫グロブリンを含有する。また、この診断キットには放射性同位元素またはケイ光標識を設けることができる。
放射標識した形態の本発明の抗KC−4ヒト化抗体を、ガンの遺伝子座に到達するのに有効な分量投与し、次いで腫瘍細胞に対する標識抗KC−4ヒト化抗体の局部的結合を、健康な組織を侵すことなく検出することにより、ガン患者をインビボ画像化および診断することができる。代表的な例においては、抗KC−4ヒト化抗体を、1回の処置当り約0.001〜5000mg/Kg体重、好ましくは1回の処置当り約0.01〜5000μg/Kg体重、一層好ましくは1回の処置当り約0.1〜5000μg/Kg体重の量で投与する。しかし、他の量も使用することができる。使用することができる放射標識は特に111In,125I,99mTc,および131Iである。これらの放射性同位元素は、使用した放射標識に応じて、PETスキャナーにより、また医療分野で広く使用されているNMR画像化装置および/または放射能カウント装置により検出することができる。
ガンは、生体試料を本発明の抗KC−4ヒト化抗体と接触させて、生体試料に存在するガンまたはガン関連細胞抗原との抗KC−4ヒト化抗体−ガン細胞抗原複合体を形成させ、次いで形成した複合体を検出することにより、インビトロ診断することができる。代表的な例においては、ガンにかかっていると思われるヒトから生体試料を採取する。適当な生体試料としては、特に、血清、血液、唾液、糞便、リンパ液、髄液、肺分泌物、および尿がある。体液、組織などのどのような供給源も、この技術分野においてよく知られているように、この方法で使用するために準備することができるのは、明らかである。
本発明の抗KC−4ヒト化抗体は抗KC−4ネズミ抗体のものと類似の組織特異性を持つことが分った。抗KC−4ヒト化モノクローナル抗体は肺、結腸、腎臓、乳房、胃、前立腺、膵臓、リンパ節導管およびリンパ腫における中実の腫瘍組織に特異的に強く結合すること、および乳房、腎臓および胃の正常な組織に非特異的に弱く結合することが分った。また、抗KC−4マウス抗体は、脊髄、子宮、甲状腺、舌、前立腺、脾臓、副腎、肺、胆嚢、心臓、リンパ節、結腸、肝臓、脳、睾丸、胸腺、および胎盤を包含する正常組織に若干弱く結合することが分った(米国特許第4,708,930号)。
また、本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、体液試料または組織試料のような生体試料からのガンの追放に適用することができる。体液試料からの腫瘍性細胞の追放は本発明の一部であり、これは、腫瘍性細胞を含んでいる疑いのある体液を本発明の抗KC−4ヒト化抗体と接触させ、該抗体を腫瘍性細胞に存在するKC−4関連抗体に結合させて、次いで生成した抗KC−4ヒト化抗体−細胞複合体を体液の残部から分離することによって、実施することができる。
この方法は、患者から生体試料を採取し、次いで抗KC−4ヒト化抗体−細胞複合体を分離することによって、あるいは腫瘍性細胞に作用することができる補体または毒素または放射性ラベルのような作動因子をさらに添加することによって、前記生体試料から腫瘍性細胞を消滅させ、その後追放処理された試料を患者に戻すことによって、好ましくない細胞を半ビボ追放するために使用することができる。この方法は、例えば、脊髄穿刺を使用して髄液からガン腫細胞を除去し、その後再注入するのに適している。また、他の流体もこのように処理することができる。
また、本発明のヒト化抗体は、本発明のモノクローナル抗体を適用できるようにするために、組織スライスを調製し、固体基体に固定するようなこの技術分野において標準となっている方法を実施し、次いで抗KC−4ヒト化抗体と腫瘍性細胞に選択的に結合している抗原との間における複合体の形成によって示されるような、試料中の腫瘍性細胞に対する結合を評価することによって、ガンにかかっている疑いのある被検者から得た組織におけるガン細胞の存在を組織化学的に評価するのに適用することができる。
一次ガンまたは転移ガンの成長または大きさは、処置を必要とする被検者に、放射標識した形態の本発明の抗KC−4ヒト化抗体を有効量投与することにより、抑制または縮小することができる。代表的な例においては、本発明のモノクローナル抗体を1回の服用量当り約0.001〜2000mg/Kg体重、一層好ましくは1回の服用量当り約0.01〜500mg/Kg体重の量で投与することができる。処置をする医師による指示に従って、1回の服用量を繰り返えし投与することができる。しかし、他の量も適当である。一般的に、本発明の抗体の投与は、有害な作用を生じることがある放射標識の存在量を、投与速度を変えることによって制御下に維持できるように、注入することによって実施される。代表的な例においては、1回の服用量の注入を数時間続けることができる。しかし、血清中の本発明の抗体レベルを一定に維持できるように、治療用服用量を絶えず注入することができる。本発明のモノクローナル抗体の注入は、次のように行うことができる。静脈内注入用管系を、例えば、0.9%NaClおよび5%ヒト血清アルブミンによって、予備処理し、静脈内投与するために設置する。指示服用量の類似ペプチドを次のようにして注入することができる。最初、未標識類似ペプチドを注入することができる。未標識抗体を注入してから30分後に、111In標識抗体および90Y標識抗体を同時に注入することができる。静脈内注入液は、全容積が250mlの0.9%NaClおよび5%ヒト血清アルブミンを含有することができ、観察される速度依存性副反応に応じて約2時間の期間にわたって注入することができる。注入中に、例えば15分毎に、また安定になるまで注入後1時毎に、生体微候を観察する必要がある。注入前および注入終了時に、徹底的な心肺の物理的検査を行うことができる。アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、エピネフリンおよびコルチコステロイドを包含する薬剤を、アレルギー反応が起った場合の処置のために手元に置いておくことができる。本発明のハイブリッド類似ペプチドの投与は、実施者が望ましいと考える場合には、繰り返すことができる。代表的な例においては、一次腫瘍であれ転移腫瘍であれ、第1回服用量を投与し、画像化が腫瘍の大きさの縮小を示した後に、約1〜100日毎に、一層好ましくは約2〜60日毎に、処理を繰り返し実施することができる。この処理の繰り返しを約2年間までの期間、ある状況では一層長い期間にわたって、あるいは腫瘍が完全に消失するまで、継続することができる。代表的な例においては、本発明の放射標識した抗体の投与は、一次腫瘍を切除した場合に、治療目的に一層有用である。従って、これは主として外科手術を行った後の「仕上げ」の治療を行うため、あるいはガンが転移している場合に適用するためのものである。本発明方法が最も有用であるのは、このような場合である。
本発明の抗KC−4ヒト化抗体を暗号化する純粋な単離されたポリデオキシリボヌクレオチドは、本発明のモノクローナル抗体の製造に適用することができる。1つの好適例において、本発明のポリデオキシリボヌクレオチドは、本質的に、表21および22に示されているDNA配列番号:48および49からなる群から選択した少なくとも1種のDNA配列からなる。これらのDNA配列は同一プロモータの存在下に発現させるためにクローン化することができる。
また、本発明は、本発明のポリデオキシリボヌクレオチドを含み、これに作動的に結合しているベクターを含有するハイブリッドベクターを提供する。代表的な例では、真核細胞および原核細胞の両者において複製可能なベクターが適当である。グリコシル化類似ペプチドの調製が望ましい場合には、ベクターは真核宿主細胞のトランスフェクションに適している必要がある。
また、本発明は、上述のハイブリッドベクターによってトランスフェクションした宿主細胞を包含する。適当な宿主は、特に、細菌、酵母、および哺乳動物細胞、例えば、昆虫細胞および非生産ハイブリドーマ細胞のような原核宿主および真核宿主である。これらのタイプの宿主のそれぞれをトランスフエクションするのに適当なベクターおよび/またはプラスミドは、この技術分野において既知であるので、これ以上の説明は不必要であると考える。また、この技術分野において、これらのタイプのベクターのそれぞれにDNA配列をクローン化する方法、および異なるタイプの宿主をトランスフェクションする方法は既知である。特に好ましいのはATCC受託番号:HB11,455(HuKC4V2)を有する細胞系である。
この技術分野において既知であるように、上述のポリデオキシリボヌクレオチドを転写することにより、ポリリボヌクレオチドを得ることができる。本発明は、本質的に、抗KC−4ヒト化抗体の可変領域およびヒト化抗体の不変領域を暗号化するオリゴリボヌクレオチドからなるポリリボヌクレオチドを提供する。このポリリボヌクレオチドは、所望のDNAセグメントをクローン化し、次いでこのようにして得たハイブリッドポリデオキシリボヌクレオチドを対応するRNA配列に転写することによって、製造することができる。
本発明の抗KC−4ヒト化抗体は、この本発明の抗体を暗号化するポリデオキシリボヌクレオチドをベクターにクローン化してハイブリッドベクターを形成し、このハイブリッドベクターによって宿主細胞をトランスフェクションして抗KC−4ヒト化抗体を発現させ、次いで細胞培養混合物からこの抗体を単離することによって、製造することができる。抗KC−4ヒト化抗体を暗号化するDNAセグメントは、化学合成によって、あるいはこの技術分野においてよく知られているように特別に設計されたプライマーを使用して抗KC−4ネズミまたはネズミ−ヒトキメラ抗体の可変領域を暗号化するDNA配列をPCR増幅により部異特異的に変性することによって、得ることができる。クローン化工程およびトランスフェクション工程は、抗KC−4ネズミ抗体のH鎖またはL鎖の可変領域を暗号化するポリデオキシリボヌクレオチドを、ヒト不変領域のための遺伝子を含むDNAセグメントにクローン化し、次いで抗体鎖を発現させることによって、実施するのが好ましい。次いで、発現された抗体鎖を互に相互作用させて、上述のように変性された二重鎖抗体を形成することができる。
本発明を全般的に説明してきたが、一層良く理解できるようにいくつかの特定例について本発明を説明する。これらの例は、単に例示のためのものであって、特記しない限り、本発明またはその具体例を限定するものではない。
実施例
実施例1;用いた方法
ここで用いる、可変領域を暗号化するRNAの逆転写(RT)およびその後のポリメラーゼ鎖反応(PCR)によるcDNAの増幅のための方法を記載した(Orlandi,R.,等「Cloning Innumoglobulin Variable Domains for Expression by the Polymerase Chain Reaction」,PNAS(USA)86:3833-3837(1989);Coloma,M.J.,等、「Primer Design for the Cloning of Immunoglobulin Heavy-Chain Leader-FVS from Murine Hybridoma Cells Using the PCR」,Bio.Techniques 11:152-156(1991);Gavilondo-Cowley,J.V.,等、「Specific Amplification of Rearranged Immunoglobulin FV Genes from Murine Hybridoma Cells」,Hybridoma 9:407-417(1990))。
全体のRNAは、RT−PCRに対する適切な基質である。しかしここではポリアデニル化RNAを用いた。その理由は、これが、汚染リボソームRNAを少量含むのみであり、DNAをほとんど含まないからである。ポリアデニル化RNAを、Fast Track mRNA分離キット(米国カリフォルニア州 サンディエゴ所在のInvitrogen Corporation)を用いて分離した。
オリゴヌクレオチドをPCR−mate Ep DNAシンセサイザー モデル391(米国カリフォルニア州 フォスターシティ所在のApplied Biosystems)において合成した。PCRマウスIgプライマーセットをNovagen(米国ウィスコンシン州 マジソン所在)から購入し、相補的DNA(cDNA)を、RNA PCRキット(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,CT)を用いて調製した。
PCR DNAフラグメントを、TAクローン化キット(米国 カリフォルニア州 サンディエゴ所在のInvitrogen Corporation)を用いて、直接pCR1000にクローン化した。プラスミドDNAを、Qiagen(米国 カリフォルニア州 チャップスワース所在)から購入したキットを用いて分離し、DNA配列決定を、水性5′α−35Sd ATPを600mCi/ミリモル(米国 イリノイ州 アーリントン ハイツ所在のAmersham Corporation)において用いて、Sequenase 2.0DNA シークエンシングキット(米国 オハイオ州 クリーブランド所在のUnited States Biochemical)で実施した。
配列分析を、プログラムGeneWorks(米国 カリフォルニア州 マウンテンビュー所在のIntelliGenetics Inc.)を用いて、マッキントッシュコンピューターにおいて実施した。
実施例2:抗KC−4 cDNAの第1分離において用いたPCRプライマー
PCRプライマーを、Novagen(米国 ウイスコンシン州マジソン所在)から購入した。Novagenにより提供された小冊子から再現したこれらの配列を以下の表10に示す。
実施例3:抗KC−4抗体FV領域を暗号化するcDNAの増幅
抗KC−4マウス イムノグロブリンVHおよびVLを暗号化するcDNAを、1億個のKC−4ハイブリドーマ細胞から分離したポリアデニル化RNAからのPCRにより調製した。すべてのクローンを、別個のPCRから得た。プライマーの配列を、上記の実施例2に示した。プライマーは、リーダーペプチド領域または不変領域のいずれかに特異的である。ここで用いたプライマーの組み合わせを、以下の表11に示す。
実施例4:増幅した抗KC−4VLおよびVH cDNAの分離並びに配列決定
PCR生成物を、予め精製することなく、pCR1000(Invitrogen)にクローン化し、両方の方向に配列決定した。VHおよびVL DNA配列およびこれらの由来するタンパク質配列を、以下の表12,13,14および15に示す。
これらのcDNA配列は、両方の場合において、これらが、個別の逆転写反応から調製されたクローンに関して同一であったため、正確であった。誘導されたタンパク質配列を以下の表14および15に示す。
この配列を、Kabat等(1991)、前記により記載されたように解読した。タンパク質配列中、下線を付した残基は、PCRプライマーに対応する。成熟VLおよびVH鎖は、それぞれフレームワーク1(FR1)のアミノ酸DおよびEにおいて開始する。
フレームワークおよびCDRタンパク質断片を、Kabat等(1991)、前記に従って識別した。VLは、II群κ鎖であった。CDR3の一部およびフレームワーク4(FR4)の全体は、JK2により暗号化されていた。VHは、IIId群に所属していた。CDR3およびFR4は、ミニジーン(minigene)D9およびJH3を含むゲノム組換えから生じた。FR3中のライト鎖中にアスパラギングリコシル化部位が存在していた。この部位は、NIS(Asn Ile Ser)であった。
実施例5:cDNA由来アミノ酸配列と、直接決定されたN末端フラグメント配列との比較
cDNA由来ポリペプチド配列と精製した抗KC−4モノクローナル抗体上に直接決定したアミノ配列とを比較した。この結果を以下の表16に示す。
抗KC−4キメラ抗体(約190μg)の試料を、5%のβ−メルカプトエタノールで還元し(65℃で15分間)、10%SDSポリアクリルアミドゲル上に3つのレーンに分離し、90%の30mM CAPS,pH11,10%メタノール中でプロブロット膜(米国 カリフォルニア州 フォスター所在のApplied Biosystems)上に1時間、25Vで、4℃でエレクトロブロットした(electroblotted)。解読したタンパク質種をクマジーブリリアントブルーで染色した。各レーンに3つのバンドが見出され、この2つはヘビーおよびライト鎖と予測されるように移動した。第3のバンドは上記のライト鎖へ移動した。アミノ酸配列決定をBiotechnology Instrumentation Facility,University of California,Riversideにより、固定化されたバンドにおいて直接実施した。与えられたアミノ酸配列は、配列決定者による最良の推定結果であった。
誘導体化したアミノ酸配列と直接決定したアミノ末端配列との密接な整合は、クローン化したcDNAが、真正抗KC−4KC−4 FV領域を暗号化していることを示す。
実施例6:マウス−ヒトキメラ抗KC−4抗体を発現するベクターの構成
Coloma等(Coloma,M.J.,等「Novel Vectors for the Expression of Antibody Molecules Using Variable Regions Generated by PCR」、J.Immunol.Methods 152-89-104(1992))に記載されている2種の発現ベクターpAG4622およびpAH4604。これらは、S.L.Morrison(Dept.of microbiologyand molecular Genetics,UCLA)、米国特許出願第07/798,696号明細書;PCT/US91/10207号明細書に十分に記載されている。キメラ遺伝子の構成および発現を、Coloma等、前記に記載されているように実施した。
合成しPCRにおいて用いてpAG4622およびpAH4604発現ベクターに挿入するための正確な末端を有するVHおよびVLフラグメントを形成したオリゴヌクレオチドを以下の表17に示す。
最初のpCR1000クローンは、PCRの出発鋳型である。新たなPCR生成物をpCR1000にクローン化し戻し、これらの配列を確認した。正確に修飾し、増幅したフラグメントを、ECOR VおよびSal 1(VLに関して)またはECOR VおよびNhel(VHに関して)のいずれかで切除した。これらのフラグメントを、それぞれのベクターにつなぎ、これを適切な制限酵素で切断した。ベクターおよび挿入断片の両方は、つなぐ前にアガロース ゲルでBio 101 Gene Cleanキット(ガラスビーズ)(La Jolla,CA)で精製した。
実施例7:抗KC−4キメラ抗体遺伝子の発現
pAG4622及びpAG4604に挿入した後、抗KC−4マウス−ヒトキメラ抗体構成中のVHおよびVL暗号化領域を再び配列決定してこれらの正確さを確認した。非生産ミエローマ細胞系列SP2/O Ag14(ATCC No.CRL 1581)のトランスフェクションおよびポリペブチドの分離を、Coloma等(1992)、前記に記載されたように実施した。
実施例8:トランスフェクトしたホストにおけるキメラ抗体の形成
10日後、安定なトランスフェクタントコロニーを、約1/10,000の頻度で明確に確認した。トランスフェクトした細胞を、Dulbeccoの変性させたEagleの培地(DME):胎児ウシ血清(FBS)、90:10(v/v)またはDME:RPMI:FBS 45:45:10(v/v/v)またはRPMI:FBS90:10(v/v)の混合物中で培養した。ペニシリンおよびストレプトマイシンを加えて、細菌の増殖を防止した。ヒスチジノールを培地に5mMで加えて、トランスフェクションを選択した。コロニーを通常の培地(ヒスチジノールなし)にトランスフェクトし、安定なトランスフェクタントからの上清を、マウスーヒト キメラ抗KC−4抗体の存在に関してアッセイした。これを行うのに、プレートに結合したヤギ抗ヒト−κ抗体を有する分泌されたマウス−ヒト キメラ抗KC−4抗体を捕獲し、Coloma等により記載されたように、以下の修正でヤギ抗ヒトγ抗体を発生した。ここで用いた二次抗体を125Iで標識した。
実施例9:抗KC−4マウスヒトキメラ抗体発現の確認
上清を、Ceriani等(Ceriani R.L.,等「Diagnostic Ability of Different Human Milk Fat Globule Antigens in Breast Cancer」,Breast Cancer Res.Treat.15:161-174(1990))に記載されたように、ヒト乳脂肪小球体(HMFG)への結合に関してアッセイした。HMFGを、前に記載されたように(Ceriani R.L.,「Solid Phase Identification and Modecular Weight Determination of Cell Membrane Antigens with Monoclonal Antibodies」,in:Monoclonal antibodies and functional cell lines.Progress and application,Bechtol,K.B.,McKern,T.J.,及びKennett,R.,編、Plenum Press,New York,第398-402頁(1984))マイクロタイタープレート(microtiter plate)に結合させた。(κ鎖に)結合した抗KC−4キメラ抗体の結合を、125Iに結合したヤギ抗ヒトγ鎖またはヤギ抗ヒトκ鎖ポリクローナル抗体で検出した。ほとんどのコロニー上清は、両方のアッセイにより陽性であった。これらのアッセイにより測定した上清において最高レベルのキメラ抗体を分泌したコロニーをサブクローンした(subcloned)。
実施例10:ウエスタンブロット
75μlの培養液上清を、20μlの4x Laemmli緩衝液および5μlのβ−メルカプトエタノールに加え、この混合物を、65℃で15分間加熱して、抗体ジスルフィド結合を減少させ、これによりライト鎖からヘビー鎖を分離した。20μlの処理した試料を、10%SDSポリアクリルアミドゲル上に2つのレーン上に、同様に処理し、比較のために入れた他の抗体とともにクロマトグラフ分離した。予め染色したサイズマーカー(BioRad,米国 カリフォルニア州 リッチモンド所在)もまた入れた。
クロマトグラフ分離したタンパク質を、90%,30mM CAPS,pH11,10%メタノール中で、1時間25Vで4℃で、ProBlott膜(Applied Biosystems,米国 カリフォルニア州 フォスターシティ所在)上でエレクトロブロットした。これらの膜を、別個の抗体試料を含む2つの部分に切断した。2枚の膜を、PBS中の20%ウシ胎児血清中に浸漬し、室温で1時間35分振った。125Iで標識したヤギ抗ヒトκ鎖抗体を1つの膜に加え、125Iで標識したヤギ抗ヒトγ鎖抗体を他の膜に加えた。抗体を約10mCi/mgの比活性で、Ceriani R.L.およびBlank,E.W.(1988)により記載されたようにクロラミンT方法を用いて標識し、標識抗体を、RIA緩衝液で、4000cpm/μlに希釈した。
室温で3時間インキュベートしたあと、ブロットをTBSで10分間ずつ2回、TBST(50mM TRIS pH7.5,3mM EDTA 25mM NaCl)で1回10分間およびもう一度TBS(0.5%トウイーン20を含むTBS)で10分間洗浄した。この膜を乾燥し、コダックXARフィルムに露光した。
培養液上清のウエスタンブロット分析により、3種の抗体鎖が、最初の抗KC−4マウス抗体に見出される3種の抗体鎖に対応して発現したことが明らかになった。これらは、ヤギ抗ヒトγ鎖125I標識抗体で染色したヘビー鎖およびヤギ抗ヒトκ鎖125I標識抗体で染色した2つのライト鎖であった(図示せず)。
最初の抗KC−4マウス抗体のN−グリコシダーゼF(Boehringer Mannheim GmbH Germany)次に製造者の推奨する処理により、「最上の」ライト鎖の強度が顕著に減少し、底部ライト鎖の強度において汚染が顕著に増加した(図示せず)。
エキストラライト鎖の存在の証明は、この鎖がグリコシル化されている。3線の結果はこれを証明する。第1に、ライト鎖のアミノ酸配列のアスパラギン結合グリコシル化の検出。これはフレームワーク3のtriad NIS(Asn−Ile−Ser)である。第2に、N−グリコシダーゼFでの処理後の推定のグリコシル化バンドの強度が低下し、これに付随して非グリコシル化バンドの強度が上昇した。最後に、2つの対応するライト鎖バンドは、キメラ抗体の形態において見出される。
キメラ形態のエキストラライト鎖は、汚染されていない。その理由は、これが、ヤギ抗ヒトκ鎖抗体により特異的に染色されたからである。これは、pAG4622によってのみ形成した。従って、両方のライト鎖は、同一のVLアミノ酸配列および同一のヒト不変領域を有しなければならない。これらの観察は、抗KC−4マウスおよびキメラ抗体の両方のライト鎖の約半分がアスパラギン結合グリコシル化部位によりグリコシル化されたことを示す。
実施例11:組織結合研究
安定なトランスフェクタントからの上清を、ベクタスティンABC法(米国 カリフォルニア州 バーリンガム所在のVector Labs)を用いて記載されているように、抗体KC−4マウス ヒトキメラ体の存在に関してアッセイした。
上清中に分泌されたキメラ抗体は、HMFGおよびBEMの両方に極めて強力に結合した。さらに、抗KC−4マウス ヒトキメラ抗体を含む上清を用いて、イムノペルオキシダーゼ免疫組織化学染色手法を用いることにより、ヒト胸癌組織切片を染色した。染色の強度は、最初のマウス モノクローナル抗体に関して得られたものに匹敵する。抗KC−4モノクローナル抗体は、ヒト乳脂肪小球体及び胸上皮ムチンに結合することが知られている。抗KC−4マウス モノクローナル抗体のこの結合特異性は、組み換え方法の後にも維持される。抗KC−4キメラ抗体は、ラジオアッセイ(Ceriani等、「Breast Cancer Res.Trent」15:161(1990)により測定されたように、HMFGおよびBEMに極めて強力に結合した。さらに、抗KC−4キメラ抗体は、いくつかのヒト胸腫瘍に、組織治療学的部分に、抗KC−4マウス モノクローナル抗体と同様の方法で結合し、これは、ベクタステインABC法(前記)を用いた免疫染色により検出された。この結果の特異性は、ヒトFcフラグメントに結合した際に、本発明のポリペプチドによる抗KC−4マウス抗体の可変領域の結合反応性を維持したことを示した。
実施例12:抗体の人間化への方法
この人間化方法は、Padlanp E.A.,「Choosing the Best Framework to Use in the Humanization of an Antibody by CDR-Grafting:Suggestions from 3-D Structural Data」,Antibody Engineering 2nd.Annual Conf.米国 カリフォルニア州 サンディエゴ(1991年12月16〜17日)に基づいている。
良好な特異性は、CDR構造、これらの相互作用およびこれらの残りの可変領域との相互作用が維持される場合にのみ、「人間化された」抗体中に保存される。(Padlan,E.A.(1991)前記)。これには、CDRと接触するFRアミノ酸の残基の保存が必要であり、これらは、VL−VH接触中に含まれ、包埋され、全体の領域構造および組み合わせ部位の構造に影響を与える。
原子配置がわかるマウスFab構造の試験により、組み合わせ部位の構造を維持するのに「重要」であると考えられるFRアミノ酸は、決定することができる(Padlan,E.A.,8th International Congress of Immunol.,Budapest,Hungary,Abstracts P.19(1992年8月2〜28日))。
抗体の特異性は、CDR構造および場合によってはその隣接する残基にも依存する。次にこれらのCDR構造は、フレームワークアミノ酸との接触およびVLとVHとの相互作用に依存する。従って、結合親和性の維持を確実にするためには、CDR残基のみならず、CDRまたはこれらの反対の領域のいずれかと接触するFR残基および種々の領域に形状を与える埋もれた残基をも保存しなければならない。埋もれたアミノ酸は、ヒトおよびマウスフレームワークにおいて、ちょうど同一の位置にある(Padlan,E.A.,「A Possible Procedure for Reducing the Immunogenicity of Antibody Variable Domains While Preserving Their Ligand-Binding Properties」,Molecular Immunology 28:489-498(1991))。
この方法を用いて、本発明のマウス抗体の可変領域の人間化された類似体を設計した。人間化または例示的な類似ペプチドの設計は、以下のようにした。組み合わせ部位構造を保存するのに最も「重要」であると考えられる残基の識別により、既知の構造の各キメラ体の「人間化」または本発明の類似ペプチドにおいて用いる最良のヒトFR配列を選択することができる。分析の結果を用いて、3次元構造のデータがわからない際にいずれのFRアミノ酸が維持されなければならないかを予測することができる。
本方法を、キメラ誘導体またはそのフラグメントを抗原結合特性を保存しながら製造することにより、異種の抗体の免疫性を低下させるために計画した。一般に、抗体の抗原結合性は、主にそのCDRにより決定される。従って、マウス抗体のCDRは完全に維持される。さらに、結み合わせ部位構造を維持するのに重要であると判定されたマウス抗体中のFRアミノ酸を、人間化した分子中で維持した。残りのFRアミノ酸を変化させて、選択されたヒトFRと整合させた。
実施例13:抗KC−4抗体の人間化に用いる既知の構造のマウスモデルの選択
抗体、例えば抗KC−4抗体のVHおよびVL領域の分類を、Kabat等(Kabat,E.A.,等「Sequences of Proteins of Immunological Interest」NIH(1991)に従って実施した。KC−4G3カッパ鎖VL領域は、II群に属し、VH領域は、IIId群に属する。次に、構造が決定されており、可変領域が同一の群に属するマウス抗体を見出した。抗ミオヘミエリトリンペプチド抗体B1312は、これらの要求を満たす。その理由は、抗KC−4マウス抗体と同様に、これが、IIおよびIIId群に属するVLおよびVH領域を有するからである(Stanfield,R.L.,等「Crystal Structures of an Antibody to a Peptide and its complex with Peptide Antigen at 2.8Å」,Science 248:712-719(1990))。従って、抗体抗KC−4およびB1312抗体の3次元構造は類似していなければならず、抗KC−4抗体の人間化は、B1312の後にモデルされる。
実施例14:キメラ抗KC−4抗体の人間化に用いる標的ヒトフレームワークの選択
標的ヒトフレームワークの選択は、B1312モデルに従って構造的に重要であると判定された残基の類似性に厳密に基づいた。それは、反対鎖のCDRと接触するアミノ酸または側鎖が内方に向くと予測されるアミノ酸である。これらのアミノ酸の位置を以下の表18に示す。
計数システムは、従来から受け入れられており(Kabat等、(1991)前記)、上記表10および11に示した。この場合において、すべてのヒトFV領域の共通配列は、ヒトフレームワークの標的として選択して、生成物の免疫性を最小にした。
第1に、マウス可変領域の配列を、すべての既知のヒト可変領域群からの共通配列と並べた(Herron,J.N.(1989)前記)、マウスから維持されなければならないアミノ酸の差異の数を記録した。これらのアミノ酸の位置を、B1312マウスモノクローナル抗体から得、これを、抗KC−4抗体の人間化のモデルとして選択した。
これらの記録に基づいて、ヒトVkIIおよびV1-1IIIに属するヒトフレームワークの共通配列を選択して、抗KC−4マウス抗体CDRおよび他の重要なアミノ酸を受けた。
実施例15:マウス−ヒト抗KC−4抗体差異の識別
最初のマウス配列(抗KC−4VkまたはVH)を、最も近いヒト(ヒトKIIまたはHIII)相対と並べ(上記実施例14参照)、FRアミノ酸の差異を記録した。本実施例において、マウスから人間化された可変共通領域へと移動し、実施例14および16に記載するように、重要なアミノ酸を不変のままとする、可能な限り多くのアミノ酸を置換することを意図する。保存されるために選択されるアミノ酸は、上記したサブセットである。これらは、B1312配列と同様に選択した。唯一の例外は、マウスカッパ領域の可変領域の最初のフレームワークのグリシン(100)残基であり、これは、上記の表18に含まれないにもかかわらず維持された。その理由は、これが、ヘビー鎖の可変領域と接触すると考えられているからである。このような接触は、この位置にglyがない少なくとも3つのFabにおいて観察された。
実施例16:重要なマウス抗KC−4抗体アミノ酸の識別
「重要な」マウスアミノ酸を、特定のアミノ酸のCDRおよび反対の鎖との接触および/またはこれらの側鎖が内方に向いているか外方に向いているかを基準として、保存用に選択した。これらの「重要な」アミノ酸の位置を、抗体の既知の構造の試験に基づいて決定した。
ほとんどの「重要な」アミノ酸を、抗体B1312の構造を基準に上記表2,3,4,5,6,8および9に従って選択した。
実際の突然変異に関するアミノ酸の位置の最終的な選択を、「重要」であり、保存されるべき突然変異体に対する候補であるすべてのアミノ酸の位置を比較することにより達成した。すべての「重要な」アミノ酸位置を、候補のリストから除外した。以下の表19に、例示的な類似体の存在下で人間化された配列を維持するマウス配列における変化のために選択したアミノ酸を示す。
知られているように、可変ライト鎖中の位置74のN→Kの変化は、N結合グリコシル化部位を除去し、これは最初のマウスモノクローナル抗体に存在する。
実施例17:抗KC−4抗体の人間化のアミノ酸配列における変化の導入
アミノ配列における変化の導入を、以下のように実施した。各ヒト可変領域を暗号化するDNAを、Ye等(Ye,Q-Z,Jonhson,L,L.,およびBaragi,V.,「Gene Synthesis and Expression in E.coli for PUMP,a Human Matrix Metalloproteinase」BBRC 186(1):143−149(1992))より記載されている方法に従って、重複するオリゴヌクレオチドを用いて、単一ポリメラーゼ鎖反応(PCR)において合成した。オリゴヌクレオチドの配列を、以下の表20に示す。
実施例18:抗KC−4抗体の人間化用のプライマーの合成
すべてのプライマーを、PCR−Mate EP DNAシンセサイザーモデル391(Applied Biosystems,米国カリフォルニア州 フォスターシティ所在)において、40ナノモルのカラム、サイクル1:63を用いて、Tmityl offで合成した。使用前にいずれも精製しなかった。これらの配列を、上記の表20に示す。
実施例19:抗KC−4人間化ヘビー鎖可変領域の合成
PCRプライマーの混合物を調製し、ここで各プライマーは、水中に10ピコモル/μlの濃度で存在していた。
4つの101′merオリゴヌクレオチド(JO61,JO62,JO63およびJO64)、1つの50′mer(JO59)並びに1つの49′mer(JO60)を、人間化可変ヘビー鎖の合成に用いた。オリゴヌクレオチド濃度を、次式
c=〔(A260)/30〕μg/μl
を用いて推計した。
PCR増幅条件は以下の通りであった。すべての試薬およびGeneAmp PCRシステム9600を、Perkin Elmer Cetusから購入した。最適PCR条件を、各対の突然変異誘発性プライマーに関して、経験的に決定した。MgCl2の濃度を変化させるマトリックス、突然変異誘発性プライマーおよび鋳型プラスミドDNAを、以下のように設定した。しかし、PCR中の伸長温度(extension temperature)およびアニーリングを変化させた。
2μMプライマーJO59 プライマーJO61,62,63および64それぞれに関して150nM
2μMプライマーJO60 dGTP,dATP,TTPおよびdCTPそれぞれに関して200μM
10mM KCl 20mMトリス−HClpH8.8
10mM(NH4)2SO4 100μlの反応Vent DANあたり2単位
0.1%トライトンX−100 ポリメラーゼ(New England Biolabs)
6mM MgSO4
実施例20:抗KC−4抗体の人間化への高温出発PCR
Vent DNAポリメラーゼを除くすべてのPCR混合物の成分を、混合した。次に、この混合物を、5つのPCR管中に19μlのアリコートに分配した。5つの独立した反応を行う理由は、不所望な突然変異が、PCR中のヌクレオチド誤配合の結果分離する余りを減少させるためである。管を95℃で5分間加熱し、次に72℃まで冷却した。この温度の間、1x緩衝液で希釈した適切なVent DNAポリメラーゼを1μl、反応混合物に加えた(高温出発)。温度循環を、以下のようにして進めた。
〔(96℃、6秒)(55℃、10秒)(72℃、30秒)〕3サイクル
〔(96℃、5秒)(60℃、10秒)(72℃、30秒)〕29サイクル
72℃、10分。
実施例21:人間化した抗KC−4抗体VHDNAのためのエキストラ最終伸長
温度循環の後、1回のエキストラ最終伸長反応を実施した。エキストラデオキシリボヌクレオチド三リン酸(125μM)および1単位のVent DNAポリメラーゼを加え、混合物を72℃に10分間加熱した。
形成した合成DNAフラグメントを、DralおよびNhelで消化し、実施例23〜25に記載するように、対応するマウスヘビー鎖可変領域を暗号化する中間プラスミド構造体と同一の制限部位に挿入した。
実施例22:抗KC−4人間化ライト鎖可変領域の合成
ライト鎖可変領域(VL)遺伝子を、ヘビー鎖シグナルペプチド可変領域に関して、上記実施例22〜24と同様にして合成した。しかし、この場合において、完全なシグナルペプチドおよびDNAを暗号化するVLを、Ero RVとSallとの間に含ませた。このDNAを、実施例23〜25に記載したように、pBlueSriptllKS+(Stratagene)中に挿入した(つないだ)。
実施例23:人間化した抗KC−4PCR生成物の精製
次に、PCR生成物を、1XTAE緩衝液および0.5μg/mlのエチジウムブロミドに溶解した0.8%アガロースゲルで分離した。ゲルから切除し、Gene Cleanキット(Bio 110,米国カリフォルニア州 ラジョラ所在)で抽出した正確なDNAバンドは、紫外線(366nm)で観察可能であった。
実施例24:人間化した抗KC−4DNAのプラスミドへの結合(プラスミドの再閉鎖(reclosure))
結合混合物は、5μlの抽出したDNA、2μlの10x結合緩衝液(NEB)1μlのT4 DNAポリメラーゼ(NEB)、12μlの水から成っていた。プラスミドDNAの量は、ゲルから抽出したバンドの強度に依存して変化させることができる。結合を室温で2時間または14℃で一夜を通じて実施した。
実施例25:人間化した抗KC−4DNAの形質転換および配列決定
次に、再閉鎖したプラスミドを、米国カリフォルニア州 サンディエゴ所在のInvitrogen Corporationから購入したInv alpha P′競合細胞を用いて、E.coliに形質転換した。次に、プラスミドDNAを、いくつかの形質転換体から調製し、配列決定して、突然変異が成功したことを確認した。
実施例26:ハイブリッドプラミスドの調製および配列決定
次に、プラスミドDNAを調製し、配列決定して、遺伝子合成が成功したことを確認した。VH及びVL断片に関する抗KC−4人間化DNA配列を、以下の表21および22に示す。
実施例27:抗KC−4人間化抗体の発現
S.L.Morison(Dept.of Microbiology and Molecualar Genetics,UCLA)により発現供給された2種の発現ベクターpAG4622およびpAH4604(Coloma,M.J.等(1992)前記)を用いた。シグナルペプチドを暗号化するすべてのcDNAおよび可変ヘビー鎖または可変ライト鎖を、実際に、これらのベクターに挿入し、ヒト不変領域を有するIgGl,K抗体を暗号化する構造を形成しうる。合成DNAフラグメントを、pAG4622へ挿入されるEcoRVおよびSal(ライト鎖ベクター)またはpAH4604へ挿入されるEcoRvおよびNhEl(ヘビー鎖ベクター)のいずれかを用いて、これらの中間プラスミドから切除した(実施例21および22参照)。これらの操作を達成するのに必要な制限および結合反応を、酵素製造者(New England Biolabs,米国マサチューセッツ州 ベバリー所在)により規定された条件下で実施した。ベクターと挿入体の両方を、つなぐ前に、Bio101(米国カリフォルニア ラジョラ)GeneClean キット(ガラスビーズ)を用いてアガロースゲルから精製した。最終的な構造体中のVHおよびVL領域をもう一度配列決定して、これらが正確であることを確認した。非生産ミエローマ細胞系SP2/0−Ag14,ATCC:CRL1581(Shulman M.等(1978),前記)を両方のプラスミド構造体でトランスフェクトし、抗体生産体を、Coloma等(Coloma,M.J.等(1992),前記)に概説された推奨に従って分離したが、選択は、hisDを取り出すためだけに用いた(5mMのヒスチジノールを培地に加え、pHをNaOHで7.4に再調整することにより)。通常10日後、安定なトランスフェクタントコロニーが約10-5〜10-4の頻度で確立された。次に、このコロニーを、通常の培地(ヒスチジノールなし)に移動した。培地は、Dulbecoの変性Eagle培地(DME):胎児ウシ血清(FBS),90:10,v/vまたはDME:RPMI:FBS,45:45:10,v/v/vの混合物のいずれかであった。ペニシリンおよびストレプトマイシンを加えて、細菌の増殖を防止した。
安定なトランスフェクタントからの上清を、抗体の存在に関してアッセイした。これは、分泌された抗体を、プレートに結合したヤギ抗ヒトカッパ鎖抗体で捕獲し、二次抗体を125Iで放射標識した以外は前に記載されたように(Coloma,M.J.等(1992)前記)ヤギ抗ヒトガンマ鎖抗体で発現させることにより行った。また、上清を、以前に記載されたように(Ceriani R.L.,「Diagnostic Abilityof Different Human Milk Fat Globule Antigens in Breast Cancer」,Breast Cancer Res.Treat.,15:161-174(1990))ヒト乳脂肪小球体(HMFG)への結合に関してアッセイした。HMFGは、前記したように(Ceriani,R,I.(1984),前記)マイクロタイクープレートに結合する。通常ほとんどのコロニー上清が両方のアッセイで陽性であった。
これらのアッセイにより測定されたように、上清中に最高のレベルで抗体を分泌するコロニーをサブクローンし、この後抗体の精製用に、血清のない培地に入れた。血清のない培地は、製造者(Ventrex Labs,米国メイン州 ポートランド所在)により示されたように、HL−1補体を含む。
実施例28:半人間化半キメラ抗体KC−4抗体
抗KC−4人間化ライト鎖を、抗KC−4非人間化キメラヘビー鎖と、SP2/0−Ag14ミエローマ細胞との同時トランスフェクション(co-transfection)により、それぞれのDNA配列およびヒトFcを有するハイブリッドプラスミドで対にした。形成した抗体を、「HuKC4V1」(ATCC 第HB 11454号)と命名した。さらに、抗KC−4人間体ヘビー鎖を、前記実施例27に記載したように、抗KC−4非人間化キメラライト鎖と対にした。形成した抗体を、「HuKC4V3」(ATCC 第HB 11456号)と命名した。
実施例29:完全に人間化した抗KC−4抗体
完全に人間化した抗KC−4抗体を、完全に人間化した抗KC−4ライト鎖とヘビー鎖とを、上記実施例27に記載したように、同時トランスフェクションにより調製した。完全に人間化した抗体を、「HuKC4V2」(ATCC 第HB 11455号)と命名した。
実施例30:完全に人間化した抗KC−4抗体に関する親和性定数の決定
分泌された完全に人間化した抗体(HuKC4V2)を培養液上清から、Ey等(Ey,P.L.等(1978)前記)により記載されたように、セファロース4B−プロテインAカラム(Bio−Rad,米国カリフォルニア州 リッチモンド所在)を用いて精製した。マイクロタイタープレート(米国バージニア州 キャントレー所在のDynatech)を、Ceriani等(Ceriani R.L.等(1992)前記)により記載されたように、メチル化BSA,グルタルアルデヒド,抗βガラクトシダーゼおよび細菌融合タンパク質11−2(β−ガラクトシダーゼとヒト哺乳類ムチンとのハイブリッド)の連続層を用いて調製した。各ウェルは、388ngの11−2融合タンパク質を含んでいた。各ウェルに、RIA緩衝液(10%ウシ胎児血清、0.3%トライトンX−100,0.05%アジ化ナトリウム、pH7.4をリン酸緩衝液に溶解したもの)中に溶解した25μmlの125I−KC−4を加え、130pM,850pM,1.3nM,4nMおよび13nMの最終濃度で、RIA緩衝液中の未標識マウスまたはキメラ抗体と競合させた。ヨウ素化を、125I(17Ci/mg,Nordion International)を用いて実施した。50μgの抗KC−4モノクローナル抗体(米国フロリダ州 ハイアレア所在のCoulter)を、前にCeriani等(Ceriani,R.L.等(1988),前記)により記載されたように、クロラミンT法を用いて、9.56mCi/mgの比活性において標識した。
抗体−抗原親和定数を、Sheldon等(Sheldon,K.等(1987)前記)により記載されたように、50%の結合を形成する競合未標識モノクローナル抗体の濃度の逆数をとることにより決定した。親和定数を決定するのに用いたプロトコルは、上記の通りであったが、それぞれの場合において、未標識抗体は、同一の放射標識抗体に対する抗原への結合と競合した。完全に人間化した抗体は、KC−4G3抗原との結合に関して、放射標識した抗KC−4マウス抗体に対する抗KC−4マウス抗体と同様に競合することが示された。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施して、抗体鎖が、予測されたように移動したことを確認した。マウス、キメラ、半人間化および人間化した抗体の親和結合定数は、独立の競合アッセイにより測定した。マウス抗KC−4およびHuKC4V2抗体のKC−4G3抗原に対する結合親和性は、類似であると測定された。
実施例31:完全に人間化した抗体の組織化学的特異性
連続的ヒト胸癌組織切片の免疫ペルオキシダーゼ手法を用いた免疫組織化学的染色を、試験に用いて、類似抗体がマウス抗体のKC−4G3癌抗原に対する親和性を維持したことを確認した。胸癌組織切片を、KC−4マウスの上清およびベクタステインABC法(米国カリフォルニア州 バーリンガム所在のVector Labs)を用いて完全に人間化したトランスフェクトした細胞で染色した。両方の抗原は、強力な染色パターンを示した。
以下の表23は、標準抗KC−4G3マウスまたは完全に人間化された抗体のいずれかでの5種のヒト胸癌の免疫ペルオキシダーゼ染色の結果を示すものである。両方とも、同等のレベルで、同一の組織を染色した。
実施例32:HMFGの、半人間化した、および完全に人間化した抗KC−4抗体への結合
人間化抗体の3種の抗KC−4変異体すべてのトランスフェクタントからの組織培養液上清は、ラジオイムノ検出により測定されたように、ヒト乳脂肪小球体(HMFG)に結合することが示された。
実施例33:半人間化および完全人間化抗KC−4抗体は、ヤギ抗ヒトκまたはγ抗体に結合する
抗KC−4人間化抗体の3種の変異体すべてのトランスフェクタントからの組織培養液上清は、マイクロタイターウエル(750ng/ウエル)および放射標識した125I標識ヤギ抗ヒトガンマ鎖抗体に結合した両方のヤギ抗ヒトカッパ鎖抗体にサンドイッチラジオイムノ検出で結合することが示された。
これらのサンドイッチアッセイの結果は、両方の人間化抗体が、実際に、ヒトカッパおよびガンマ不変領域を有することを示している。
実施例34:人間化抗KC−4可変ライト鎖およびヘビー鎖の誘導されたアミノ酸配列
類似人間化抗体のライトおよびヘビー鎖のアミノ酸配列を、以下の表24および25に示す。実際のアミノ酸配列は、抗原の親和性を増大させるかまたはヒトの免疫原性を低下させるように変化しうる。この配列の多くの変異体を、本発明に従って工作することができる。
実施例35:ハイブリドーマ細胞寄託
以下の細胞系列を、本発明の最良の形態の例として寄託した。抗KC−4マウスヒトキメラ抗体を発現するハイブリドーマ細胞系列をブダペスト条約に基づいて、1992年11月13日にATCCに寄託し、寄託番号第HB 11201号(キメラ抗KC−4IE8))として受領された。抗KC−4完全人間化抗体(huKC4V2)および半人間化抗KC−4抗体(huKC4V1およびhuKC4V3)を発現するハイブリドーマ細胞系列を、1993年9月23日にATCCに寄託し、寄託番号第HB 11455号(人間化HuKC−4V2),HB 11454号(半人間化HuKC4V1)およびHB 11456号(半人間化HuKC4V3)として受領された。
本発明を完全に記載したが、当業者には、多くの変法および修正が、本発明の本意を逸脱することなく可能であることは明らかである。
Claims (20)
- ヒトKC−4抗原に選択的に結合する純粋な単離されたモノクローナル抗体であって、前記抗体が、アミノ酸配列番号:50;アミノ酸配列番号:51;およびこれらの混合物からなる群から選択したアミノ酸配列を有することを特徴とする抗KC−4モノクローナル抗体。
- 請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体およびこれに結合した少なくとも1種のグリコシル残基を有することを特徴とするグリコシル化抗KC−4モノクローナル抗体。
- 請求の範囲第1項記載の抗KC−4モクローナル抗体および担体を含有することを特徴とする組成物。
- 医薬として受け入れることのできる形態の請求の範囲第3項記載の組成物を含有し、使用指令書を有することを特徴とするインビボガン診断治療用キット。
- 前記抗体がこれに結合している放射標識を有することを特徴とする請求の範囲第4項記載のインビボキット。
- 請求の範囲第3項記載の組成物および固体担体を含有し、その使用指令書を有することを特徴とするインビトロガン診断用キット。
- さらに、抗KC−4抗体の不変領域と選択的に結合することができる抗体を含有することを特徴とする請求の範囲第6項記載のインビトロキット。
- さらに、放射性同位元素、酵素、あるいは前記抗体または抗不変領域抗体に結合させるためのリン光分子またはケイ光分子を含有することを特徴とする請求の範囲第7項記載のインビトロキット。
- 被検者から切り取った組織におけるガン細胞の存在を測定するにあたり、
ガン細胞が存在する疑いのある組織を、請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体と接触させ、
前記抗KC−4モノクローナル抗体を、前記組織に存在するガン細胞と関連する抗原と結合させて抗KC−4抗体−細胞抗原複合体を形成させ、
次いで形成した前記複合体の存在を検出する組織におけるガン細胞の存在の測定方法において、放射標識した形態の有効量の抗KC−4抗体を含有する医薬として受け入れることのできる組成物であって、一次ガンまたは転移ガンの疑いのある被検者から切り取ったガン細胞に結合させた組成物の存在下;
ガン腫細胞における抗原に対する前記放射標識した抗KC−4抗体の結合を検出することを特徴とする被検者から切り取った組織におけるガン細胞の存在を測定する方法。 - 被検者から切り取った生体試料からガン細胞を追放するに当り、
前記被検者から切り取った組織におけるガン細胞の存在を測定するに当り、
ガン細胞が存在する疑いのある組織を、請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体と接触させ、
前記抗KC−4モノクローナル抗体を、前記組織に存在するガン細胞と関連する抗原と結合させて抗KC−4抗体−細胞抗原複合体を形成させ、
次いで形成した前記複合体の存在を検出する組織におけるガン細胞の存在の測定方法を実施し、存在する抗KC−4抗体−細胞複合体を前記試料の残部から分離することを特徴とする生体試料からのガン細胞追放方法。 - 被検者から得た生体試料からガン細胞をエクスビボ(ex vivo)で追放するに当り、
ガンの疑いのある被検者から採取した該生体試料を使用して請求の範囲第10項記載の方法を実施することを特徴とする生体試料からガン細胞をエクスビボで追放する方法。 - 組織におけるガン細胞の存在を組織化学的にインビトロ評価するに当り、
ガンの疑いのある患者から採取した組織試料から組織基体を調製し;
該組織基体を請求の範囲第1項記載の抗KC−4抗体と接触させて、該抗KC−4抗体を前記組織基体中に存在するガン細胞と結合させ;
形成した複合体の存在を検出することを特徴とする組織におけるガン細胞の存在を評価するインビトロ組織化学的方法。 - 請求の範囲第1項記載の抗KC-4モノクローナル抗体を発現することを特徴とするハイブリドーマ細胞。
- ATCC受託番号HB11455(HuKC4V2)を有することを特徴とする請求の範囲第13項記載のハイブリドーマ細胞。
- 請求の範囲第13項記載のハイブリドーマ細胞および希釈剤または担体を含有することを特徴とする組成物。
- 請求の範囲第1項記載の抗KC−4モノクローナル抗体を暗号化するオリゴデオキシリボヌクレオチドからなることを特徴とする純粋な単離されたポリデオキシヌクレオチド。
- 前記オリゴデオキシリボヌクレオチドが、DNA配列番号:48およびDNA配合番号:49からなる群から選択したDNA配列から構成されていることを特徴とする請求の範囲第16項記載のポリデオキシリボヌクレオチド。
- 請求の範囲第16項記載のポリデオキシリボヌクレオチドを含むベクターを含有することを特徴とするハイブリッドベクター。
- 請求の範囲第18項記載のハイブリッドベクターを含むことを特徴とするトランスフェクションした宿主細胞。
- 請求の範囲第1項記載の抗体を暗号化するオリゴリボヌクレオチドからなることを特徴とする純粋な単離されたポリリボヌクレオチド。
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