JP3513685B2 - エステル樹脂組成物及び成形品の製造法 - Google Patents

エステル樹脂組成物及び成形品の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステル樹脂組成
物及び成形品び製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾンガスまたは、オゾン水溶液
の利用が、殺菌システム、脱臭システム、脱色システ
ム、酸化システムなどの水処理分野を中心に盛んに行わ
れている。オゾンの持つ強力な酸化作用が、これら利用
の目的とされるが、一方では装置を強烈に劣化させてし
まうという弊害もある。一例として、オゾン殺菌を利用
した24時間風呂システムは、近年のライフスタイルに
対応するものとして注目されるが、人造大理石浴槽やF
RP浴槽のマトリックス樹脂として用いられてきた従来
の不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂は、オ
ゾンにより酸化されるため耐久性に難があった。すなわ
ち、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂に耐
オゾン性が望まれている。耐オゾン性に優れる材料とし
て水素化ビスフェノールAを原料の一部に使用して得ら
れる不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂が考
えられるが、従来の樹脂は急激に硬化させると、成形ク
ラックが発生し、成形サイクルを長くしなければならな
いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の欠点を解消し、耐オゾン性に優れ、急激に硬化さ
せても成形クラックが発生せず、成形サイクルを短く
(ハイサイクル)できるエステル樹脂組成物及びこのエ
ステル樹脂組成物を使用する成型品の製造法を提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)水素化
ビスフェノールA系エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを
反応させて得られるビニルエステル樹脂15〜65重量
部並びに(B)水素化ビスフェノールAを含むアルコー
ル成分と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びα−
β不飽和多塩基酸若しくはその反応性酸誘導体を含む酸
成分とを反応させて得られる不飽和ポリエステル樹脂1
5〜65重量部を(C)アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル誘導体15〜60重量部に総量が100重量部
となるように溶解してなるエステル樹脂組成物に関す
る。また、本発明は、このエステル樹脂組成物を成形す
ることを特徴とする成形品の製造法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるエステル樹脂組成
物では、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を、そ
れぞれ、15〜65重量部、15〜65重量部及び15
〜60重量部の範囲で配合する。(A)ビニルエステル
樹脂又は(B)不飽和ポリエステル樹脂が、各々15重
量部を下まわると、硬化させたときに成形クラックが発
生し易くなる。逆にこれらが各々65重量部を越える
と、また、(C)アクリル酸又はメタクリル酸のエステ
ル誘導体が15重量部を下まわると、エステル樹脂組成
物の粘度が高くなり取り扱い作業性を悪化させる。
(C)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル誘導体が
60重量部を越えるとエステル樹脂組成物に十分な硬化
度が得られなくなる。これらの理由から、より好ましい
配合割合は(A)ビニルエステル樹脂20〜45重量
部、(B)不飽和ポリエステル樹脂20〜45重量部及
び(C)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル誘導体
30〜50重量部の範囲であり、これらの総量が100
重量部になるようにされる。
【0006】(A)ビニルエステル樹脂に用いられる水
素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂は、水素化ビスフ
ェノールAとエピクロロヒドリンを反応させて製造され
るものが使用できる。このときの水素化ビスフェノール
Aはビスフェノールの水素化率が80%以上のものが好
ましく、水素化率100%のものが最も好ましい。この
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、目的とする成形品の特
性に応じて選択され、特に制限はないが、(A)ビニル
エステル樹脂と(B)不飽和ポリエステル樹脂及び
(C)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル誘導体と
の相溶性を考慮して、好ましくは190〜700g/eq、
より好ましくは190〜550g/eqの範囲とされる。
【0007】ビニルエステル樹脂の製造に用いられる不
飽和一塩基酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、ク
ロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタ
クリレートマレート、ヒドロキシエチルアクリレートマ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレートマレート、
ヒドロキシプロピルアクリレートマレートなどが挙げら
れ、これらは1種または2種以上を使用することができ
る。好ましくは硬化性及び成型品の耐オゾン性、機械強
度特性と低コスト性からメタクリル酸またはアクリル酸
が挙げられる。
【0008】ビニルエステル樹脂の製造に際し、(A)
ビニルエステル樹脂100重量部に対し、グリシジルメ
タアクリレート又はグリシジルアクリレート等のエポキ
シ基を有するメタクリレート若しくはアクリレート又は
α,β−不飽和多塩基酸等の変性成分を0〜30重量部
の割合で使用しても良い。
【0009】本発明に用いる(A)ビニルエステル樹脂
の合成法は、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂と
不飽和一塩基酸を同時に仕込み、反応させる1段合成
法、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂と不飽和1
塩基酸を反応させ、途中でグリシジルメタクリレート、
グリシジルアクリレート等のエポキシ基を有するメタク
リレート又はアクリレートを仕込んで反応させる2段合
成法等により行うことができる。このとき、エポキシ化
合物と酸は、エポキシ基1当量に対してカルボキシル基
が0.5〜1.5当量となるように配合することが好ま
しく、反応温度は80〜150℃とすることが好まし
い。また、触媒として、塩化ベンザルコニウム等を用い
ることができる。
【0010】(A)ビニルエステル樹脂の酸価は、目的
とする成形品の特性に応じて選択されるもので、特に制
限はないが、成形品の機械強度等を考慮して、好ましく
は1〜50、より好ましくは1〜20の範囲とされる。
【0011】(B)不飽和ポリエステル樹脂の製造に用
いられる水素化ビスフェノールは、成形品に耐オゾン性
を与えるため、好ましくはアルコール成分全体に対して
10〜100モル%、より好ましくは10〜40モル%
とされる。このときの水素化ビスフェノールAはビスフ
ェノールの水素化率が80%以上のものが好ましく、水
素化率100%のものが最も好ましい。
【0012】水素化ビスフェノールA以外の必要に応じ
て使用できるアルコール成分としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオー
ル、1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオ
ール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、2,3−ヘキサンジオール等の脂肪族グリコー
ル、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール
等の脂環式ジオール、ペンタエリスリットジアリルエー
テル等のエーテル類、グリセリン、トリメチロールプロ
パン等の多価アルコールがあり、これらのうち1種又は
2種以上を用いることができる。
【0013】(B)不飽和ポリエステル樹脂の製造に用
いられる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、成形
品に耐オゾン性を与えるため、酸成分全体に対して好ま
しくは10〜70モル%、より好ましくは30〜70モ
ル%と使用される。一方、(B)不飽和ポリエステル樹
脂の製造に用いられるα,β−不飽和多塩基酸は、適当
な硬化性を与えるため、酸成分全体に対して好ましくは
30〜90モル%、より好ましくは30〜70モル%と
される。
【0014】(B)不飽和ポリエステル樹脂の製造に用
いられるα,β−不飽和多塩基酸としては、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸等及びこれ
らの酸無水物等の反応性誘導体などが挙げられ、これら
のうち1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0015】必要に応じて、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸及びα,β−不飽和多塩基酸以外の酸成分と
して、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、テトラブロ
ム無水フタル酸等の飽和酸及びこれらの誘導体等のう
ち、1種又は2種以上を酸成分全体に対して0〜60モ
ル%の範囲で用いることができる。
【0016】また、必要に応じて、グリシジルメタアク
リレート又はグリシジルアクリレート等のエポキシ基を
有するメタクリレート若しくはアクリレート等の変性成
分を(B)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対
し、0〜30重量部の割合で加えても良い。
【0017】本発明に用いる(B)不飽和ポリエステル
樹脂の合成法は、酸成分とアルコール成分を同時に仕込
み、縮合反応させる1段合成法と、一部の酸成分とアル
コール成分を縮合反応させ、途中で、残りの酸成分及び
/又はアルコール成分を仕込んで反応させる2段合成法
等により行うことができる。このとき、酸成分1当量に
対してアルコール成分がが0.95〜1.3当量となる
ように配合することが好ましく、反応温度は180〜2
40℃とすることが好ましい。
【0018】また、(B)不飽和ポリエステル樹脂の酸
価は、目的とする成形品の特性に応じて選択されるもの
で、特に制限は無が、成形品の機械強度等を考慮して、
好ましくは1〜80、より好ましくは5〜30の範囲と
される。
【0019】(C)アクリル酸又はメタクリル酸のエス
テル誘導体としては、メチルメタクリレート、、メチル
アクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルメタクリレー、ブチルアクリレート、1,
6ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサン
ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレートなどが挙げられ、これらのう
ち1種若しくは2種以上を使用することができる。
【0020】本発明のエステル樹脂組成物の成形方法と
しては、ハンドレイアップ法、スプレイアップ法、注型
法、RTM法 レジンインジェクション法、コールドプ
レス法、バック法等の従来の不飽和ポリエステル樹脂の
FRP成形方法が適用される。またエステル樹脂組成物
をマトリックスとしてシートモールディングコンパウン
ド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(B
MC)等のプリプレグを作成しこれを加熱、加圧成形す
る方法も挙げられる。
【0021】上述の成形法で成形する場合の硬化触媒と
しては有機過酸化物が挙げられるが、この種類は成形方
法及び成形温度により選択され、例えば、ハンドレイア
ップ法、スプレイアップ法等で室温で成形する場合に
は、メチルエチルケトンパーオキシド等が、注型法で5
0〜120℃で成形する場合には、ビス(4−t−ブチ
ルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が、R
TM法 レジンインジェクション法、コールドプレス
法、バック法等で室温で成形する場合には、アセチルア
セトンパーオキシド等が、SMC、BMC等には、ター
シャリブチルパーベンゾエイト等が挙げられる。これら
の添加量は、良好な硬化度を得るために、好ましくはエ
ステル樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜3重
量部の範囲とされる。
【0022】また硬化温度、硬化時間等の硬化条件は、
使用する有機過酸化物の種類と量により選択される。こ
こで硬化性を調整するために、例えば2,6−ジターシ
ャリブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−ターシ
ャリブチルフェノール、2,6−ジターシャリブチル−
4−メチルフェノール等のフェノール類、パラベンゾキ
ノン、トルキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノ
ン、2,5−ジフェニルパラベンゾキノン等のキノン
類、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ターシャリ
ブチルカテコール、モノターシャリブチルハイドロキノ
ン、2,5ジターシャリブチルハイドロキノン等のハイ
ドロキノン類、ナフテン酸等の有機銅塩等の公知の各種
重合禁止剤、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバル
ト、オクテン酸マンガン等の金属石鹸類、ジメチルアニ
リン、ジエチルアニリン等のアミン類等の硬化促進剤及
び硬化助促進剤を必要に応じて用いても良い。
【0023】また、成形品には必要に応じて、ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維基材、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル等の熱可塑性樹脂低収縮剤、顔料、染料等の着
色剤、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー、炭酸カル
シウム等の充填材、及び消泡剤、粘度調整剤、紫外線吸
収剤、内部離型剤などの添加成分を加えても良い。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。 実施例1 (1)還流管、不活性ガス導入管、温度計、撹拌機を取
り付けた2リットル四口フラスコにエポキシ当量235
g/eqの水素化ビスフェノール系エポキシ樹脂673g、
エポキシ当量600g/eqの水素化ビスフェノール系エポ
キシ樹脂859g、ヒドロキノン2g、メタクリル酸4
68g及び反応触媒として塩化ベンザルコニウム4gを
仕込み、120℃で酸価43まで反応させてビニルエス
テル樹脂を合成した。得られたビニルエステル樹脂60
重量部をメチルメタクリレート40重量部に加え撹拌機
で撹拌しながら完全に溶解させてビニルエステル樹脂組
成物VE−1を得た。
【0025】(2)(1)と同様な装置に1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸692g、水素化ビスフェノー
ルA345g、プロピレングリコール278g、ネオペ
ンチルグリコール304gを仕込み、215℃で酸価2
0まで反応させた後、さらにフマル酸381g、ヒドロ
キノン0.4gを仕込み、215℃で酸価30まで反応
させて不飽和ポリエステル樹脂を合成した。得られた不
飽和ポリエステル樹脂60重量部をメチルメタクリレー
ト40重量部に加え撹拌機で撹拌しながら完全に溶解さ
せて不飽和ポリエステル樹脂組成物UP−1を得た。 (3)(1)で得たVE−1を60重量部と、(2)で
得たUP−1を40重量部とを撹拌機で撹拌しながら混
合し、エステル樹脂組成物R−1を得た。
【0026】(4)R−1を100重量部にビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート
1重量部を加え撹拌機で撹拌して溶解した後、740mm
Hgで3分間減圧脱泡した。ついで、得られた樹脂組成物
を300×300×3mmの平板状金型に注入した。これ
を60℃で1時間さらに80℃で2時間加熱硬化させ
て、注型成形品DC−1を得た。 (5)R−1を100重量部に水酸化アルミニウム20
0重量部、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート1重量部を加え撹拌機で撹拌して
混合させら後、740mmHgで3分間減圧脱泡した後、小
型浴槽注型用電鋳型に注入し、90℃で60分間硬化さ
せ、図1〜図3に示す形状(図中、数字の単位はmmであ
る)の小型浴槽成形品B−1を得た。得られた小型浴槽
成形品B−1の成形クラックの有無を目視観察し、結果
を表1に示した。図1は小型浴槽成型品の平面図、図2
は図1のa−a´断面図及び図3は図1のb−b´断面
図である。図1中の点線は図2及び図3において成型品
の縁からのR部分が終了した部分の輪郭を示す。
【0027】(6)(4)で得た注型成形品DC−1を
50mm×100mmに切り出して、また(5)で得た小型
浴槽成形品B−1の側面部を50mm×100mmに切り出
して耐オゾン性試験用試に供した。耐オゾン性試験装置
は、高さ200mm×幅290mm×奥行き190mmの密閉
水槽(撹拌機が備え付けられている)に、5510ml
(ミリリットル)のイオン交換水(深さ100mmとなる
量)を入れ、回転数200rpmで撹拌しながら、岡野製
作所製EO−301オゾン発生装置で発生させたオゾン
ガスとコンプレッサーによる空気の混合気体40ml/分
を散気用エアーストーンでイオン交換水にバブリングさ
せた。イオン交換水の温度は、22±1℃とした。試験
片は、長手方向(100mm)の半分をイオン交換水に浸
漬させ、もう半分は気層部に出るように、また試験片同
士が重ならないように配置した。気層部のオゾン濃度
は、オゾン発生装置からのオゾンガスとコンプレッサー
による空気の混合割合により調節し、1400ppmと6
00ppmで評価した。
【0028】評価項目は、下記の項目を評価し、結果を
表1に示した。 表面劣化発生時間 試験片の気層部を目視観察し、光沢低下または失透が発
生した時間、または指触してべとつきまたはぬめり感が
発生した時間を表面劣化発生時間とした。また表面劣化
発生時の劣化の状態も記録した。 質量変化率 任意の時間、耐オゾン性試験を行った注型成形品試験片
の質量を、耐オゾン性試験開始前の試験片の質量から引
いた値を、耐オゾン性試験開始前の試験片の質量で除
し、100を乗じた値(単位:重量%)を質量変化率と
した。
【0029】実施例2 (1)実施例1の(1)で得たVE−1を40重量部と
実施例1の(2)で得たUP−1を60重量部とを撹拌
機で撹拌しながら混合し、エステル樹脂組成物R−2を
得た。 (2)得られたエステル樹脂組成物R−2を実施例1に
おけるR−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の
(4)と全く同様にして、注型成形品DC−2を得た。 (3)エステル樹脂組成物R−2を実施例1におけるR
−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の(5)と
全く同様にして、小型浴槽成形品B−2を得た。得られ
た小型浴槽成形品B−2の成形クラックの有無を目視観
察し、結果を表1に示した。 (4)(2)、(3)で得られた注型成形品DC−2、
小型浴槽成形品B−2を用いて、実施例1の(6)と全
く同様にして耐オゾン性試験を行い、結果を表1に示し
た。
【0030】比較例1 (1)実施例1の(1)で得たVE−1を実施例1にお
けるR−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の
(4)と全く同様にして、注型成形品DC−3を得た。 (2)実施例1の(1)で得たVE−1を実施例1にお
けるR−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の
(5)と全く同様にして、小型浴槽成形品B−3を得
た。得られた小型浴槽成形品B−3の成形クラックの有
無を目視観察し、結果を表1に示した。 (3)(1)、(2)で得られた注型成形品DC−3、
小型浴槽成形品B−3を用いて、実施例1の(6)と全
く同様にして耐オゾン性試験を行い、結果を表1に示し
た。
【0031】比較例2 (1)実施例1の(2)で得たUP−1を実施例1にお
けるR−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の
(4)と全く同様にして、注型成形品DC−4を得た。 (2)実施例1の(2)で得たUP−1を実施例1にお
けるR−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の
(5)と全く同様にして、小型浴槽成形品B−4を得
た。得られた小型浴槽成形品B−4の成形クラックの有
無を目視観察し、結果を表1に示した。 (3)(1)、(2)で得られた注型成形品DC−4、
小型浴槽成形品B−4を用いて、実施例1の(6)と全
く同様にして耐オゾン性試験を行い、結果を表1に示し
た。
【0032】比較例3 (1)実施例1の(1)と同様な装置にエポキシ当量1
90g/eqのビスフェノール系エポキシ樹脂150g、エ
ポキシ当量480g/eqのビスフェノール系エポキシ樹脂
1525g、ヒドロキノン1g、メタクリル酸325
g、及び反応触媒として塩化ベンザルコニウム4gを仕
込み、110℃で酸価25まで反応させてビニルエステ
ル樹脂を合成した。得られたビニルエステル樹脂60重
量部をスチレン40重量部に加え撹拌機で撹拌しながら
完全に溶解させてビニルエステル樹脂組成物VE−2を
得た。
【0033】(2)実施例1の(1)と同様な装置にイ
ソフタル酸794g、プロピレングリコール371g、
ネオペンチルグリコール452gを仕込み、215℃で
酸価20まで反応させた後、さらにフマル酸383g、
ヒドロキノン0.4gを仕込み、215℃で酸価25ま
で反応させて不飽和ポリエステル樹脂を合成した。得ら
れた不飽和ポリエステル樹脂60量部をスチレン40重
量部に加え撹拌機で撹拌しながら完全に溶解させて不飽
和ポリエステル樹脂組成物UP−2を得た。 (3)(1)で得たVE−2を60重量部と、(2)で
得たUP−2を40重量部とを撹拌機で撹拌しながら混
合し、エステル樹脂組成物R−3を得た。
【0034】(4)得られたエステル樹脂組成物R−3
を実施例1におけるR−1の代わりに用いたこと以外
は、実施例1の(4)と全く同様にして、注型成形品D
C−5を得た。 (5)エステル樹脂組成物R−3を実施例1におけるR
−1の代わりに用いたこと以外は、実施例1の(5)と
全く同様にして、小型浴槽成形品B−5を得た。得られ
た小型浴槽成形品B−5の成形クラックの有無を目視観
察し、結果を表1に示した。 (6)(4)、(5)で得られた注型成形品DC−5、
小型浴槽成形品B−5を用いて、実施例1の(6)と全
く同様にして耐オゾン性試験を行い、結果を表1に示し
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】請求項1におけるエステル樹脂組成物
は、成形クラックの発生がなく、オゾンによる表面劣
化、質量低下が起こりにくく耐オゾン性に優れる。請求
項2における方法により、成形クラックの発生がなく、
オゾンによる表面劣化、質量低下が起こりにくく耐オゾ
ン性に優れる成型品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で得た小型浴槽成型品の平面
図である。
【図2】図1のa−a´断面図である。
【図3】図1のb−b´断面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水素化ビスフェノールA系エポキ
    シ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応させて得られるビニル
    エステル樹脂15〜65重量部並びに(B)水素化ビス
    フェノールAを含むアルコール成分と1,4−シクロヘ
    キサンジカルボン酸及びα−β不飽和多塩基酸若しくは
    その反応性酸誘導体を含む酸成分とを反応させて得られ
    る不飽和ポリエステル樹脂15〜65重量部を(C)ア
    クリル酸又はメタクリル酸のエステル誘導体15〜60
    重量部に総量が100重量部となるように溶解してなる
    エステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエステル樹脂組成物を成
    形することを特徴とする成形品の製造法。
JP33317895A 1995-12-21 1995-12-21 エステル樹脂組成物及び成形品の製造法 Expired - Fee Related JP3513685B2 (ja)

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