JPH05222281A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料及び成形物 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料及び成形物

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JPH05222281A
JPH05222281A JP32240792A JP32240792A JPH05222281A JP H05222281 A JPH05222281 A JP H05222281A JP 32240792 A JP32240792 A JP 32240792A JP 32240792 A JP32240792 A JP 32240792A JP H05222281 A JPH05222281 A JP H05222281A
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浩一 秋山
Koji Shibata
孝司 柴田
Hiroshi Miyashita
弘 宮下
Sanji Aoki
三次 青木
Takeshi Hatta
健 八田
Takashi Inao
隆嗣 稲生
Yasuhiro Mishima
康博 三島
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高面品質性、速硬化性及び優れた保
存安定性を具有する不飽和ポリエステル樹脂組成物及び
成形材料、並びに該成形材料を硬化させた成形物を提供
するものである。 【構成】本発明に係る不飽和ポリエステル樹脂組成物は
不飽和ポリエステル樹脂、ビニル単量体、BHT、熱可
塑性樹脂、反応開始剤として少なくとも1種の有機過酸
化物及び100℃以上の温度において重合禁止作用を示
す化合物を含有することを特徴としており、また成形材
料は該不飽和ポリエステル樹脂組成物をガラス繊維に含
浸させたことを特徴としていて、更に成形物は該成形材
料を硬化させたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用外板、外装部
品等として有用な保存安定性に優れる高面品質速硬化性
の不飽和ポリエステル樹脂組成物、該不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物をガラス繊維に含浸させたシート状或はバ
ルク状の成形材料及び該成形材料を硬化させた成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた
繊維強化プラスチック(FRP)は、優れた機械的強
度、耐熱性、耐水性、耐薬品性を有する上に生産性が高
く、例えば浴槽、水タンクパネル、洗面ボウル等に広く
使用されている。近年、不飽和ポリエステル系シートモ
ールディングコンパウンド(SMC)或はバルクモール
ディングコンパウンド(BMC)が、自動車外板用プラ
スチック素材として脚光を浴び、例えばエンジンフー
ド、ルーフ、トランクリッド等の主要外板の他にスポイ
ラー、エアインテイク、ロッカーパネル等の外装部品に
も使用されるに至っている。
【0003】自動車外板に用いられるSMC或はBMC
は、特に高面品質性、速硬化性、高生産性が要求されて
いる。SMC、BMCの硬化速度を秒単位でも速めるこ
とができれば、生産性が著しく向上するため、速硬化性
触媒に関して、種々の提案がなされている(例えばUS
P4278558)。しかしながら、一般にSMC、B
MCの硬化性を速めると、その表面平滑性及び保存安定
性が損なわれる傾向にある。SMC、BMCの表面平滑
性については、従来から熱可塑性樹脂、例えばポリメタ
クリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン
ブロック共重合体等を低収縮剤として配合することで表
面平滑性が改善されることが知られており、また硬化速
度を速めた場合には、アルカンポリオールポリアクリレ
ート、アルカンポリオールポリメタクリレートを配合す
ることで表面平滑性が改善されることが報告されている
(特開平01−315458)。一方、保存安定性につ
いては、硬化速度を速めるほど著しく損なわれ、PBQ
(パラベンゾキノン)のような重合禁止剤の多量の添加
は、保存安定性は高めるが、硬化反応の開始を著しく遅
らせ、速硬化を逆に阻害する結果となるとともに、著し
い表面平滑性の悪化を招く。このように保存安定性の確
保は、速硬化性と高面品質性を併せ持つ成形材料の開発
の大きな障壁の一つとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、成形材料に高面品質性、速硬化性及び優れ
た保存安定性を具有させる処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、1)
不飽和ポリエステル樹脂、ビニル単量体、BHT(ジタ
−シャリ−ブチルヒドロキシトルエン)、熱可塑性樹
脂、反応開始剤として少なくとも1種の有機過酸化物及
び100℃以上の温度において重合禁止作用を示す化合
物を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、2)該不
飽和ポリエステル樹脂組成物をガラス繊維に含浸させた
成形材料、3)該成形材料を硬化させた成形物に係る。
【0006】上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物1)
は、優れた機械的強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性を示
すうえに、特に自動車外板への適用に必要な高面品質性
(表面平滑性、塗装性)及び速硬化性(生産性)を有
し、併せて非常に良好な保存安定性を示す。またこの不
飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部をフィラー
(例えば炭酸カルシウム)100〜250重量部と共に
ガラス繊維(例えば1/2〜4インチの長さのもの)が
全組成物当り10〜40重量%となるようにガラス繊維
に含浸させて得られるシート状或はバルク状の成形材料
2)は、自動車外板、外装部品を製造する際の成形材料
として有用である。更にこの成形材料は、速硬化性を有
する上に、保存安定性が非常に良好で、極めて優れた表
面平滑性(リブ、ボス部のヒケ、或は波打ちが極めて少
ない)を有する成形品を与える。
【0007】本発明で用いる不飽和ポリエステル樹脂
は、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と2価の
グリコールとの縮合で合成されるもので従来から汎用さ
れている。該不飽和ポリエステル樹脂の合成には、これ
ら2成分の他に飽和ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸
或はカルボン酸と反応するジシクロペンタジエン等も併
用することができる。
【0008】α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸
の例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸及びこれらジカルボン酸の無水物が挙げられ
る。これらα,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と
併用されるジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セ
バシン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸無水物、o
−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、テトラクロロフタル酸等が挙げられる。
【0009】2価のグリコールの例としては、アルカン
ジオール、オキサアルカンジオール、ビスフェノールA
にエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加したジ
オール等が挙げられる。これに加えてモノオールや3価
のトリオールを用いてもよい。アルカンジオールの例と
しては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
オキサアルカンジオールの例としては、ジオキシエチレ
ングリコール、トリオキシエチレングリコール等が挙げ
られる。これらグリコールと併用される1価或は3価の
アルコールの例としては、オクチルアルコール、オレイ
ルアルコール、トリメチロールプロパン等が挙げられ
る。
【0010】不飽和ポリエステル樹脂の合成は、一般に
加熱下で実施され、副生する水を除去しながら反応を進
める。本発明では、通常平均分子量が800〜400
0、酸価が20〜60のものを用いる。
【0011】本発明で用いるビニル単量体としては、モ
ノビニル単量体、例えばスチレン、p−クロルスチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族系モノビニル単量体、ア
クリル酸、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸、
メタクリル酸メチルエステル、アクリロニトリル等のア
クリル系モノビニル単量体を挙げることができる。これ
らのビニル単量体は通常、希釈剤として前述した不飽和
ポリエステル樹脂や後述する熱可塑性樹脂に配合されて
いる。
【0012】本発明で用いるBHT(ジタ−シャリ−ブ
チルヒドロキシトルエン又は2,6−ジタ−シャリ−ブ
チル−4−メチルフェノール)は工業用又は食品添加用
のものを用いることができる。BHTは、室温(25
℃)からSMCの熟成温度(40℃)程度では、重合開
始剤として添加されている有機過酸化物から微量生じる
ラジカルの補足作用が非常に強く、SMCの保存安定性
を顕著に改善する。一方、SMCの成形温度付近(12
0〜160℃)では、ラジカルの補足作用は非常に弱
く、硬化反応の遅延を引き起こさない。また表面平滑性
に対しては全く悪影響を及ぼさない。100℃以上の温
度において重合禁止作用を示す化合物としては、重合禁
止剤として知られている例えばp−ベンゾキノン、ナフ
トキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p
−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフ
ェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p
−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキ
ノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン等のキ
ノン類、また例えばハイドロキノン、p−t−ブチルカ
テコール、2,5−t−ブチルハイドロキノン、モノ−
t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハ
イドロキノン等のハイドロキノン類が挙げられる。なか
でもPBQが好ましい。これらの使用量は、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニル単量体、BHT及び熱可塑性樹脂
の合計100重量部に対し0.001〜0.1重量部、
好ましくは0.005〜0.05重量部である。
【0013】本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、従
来、不飽和ポリエステル樹脂の低収縮化剤として慣用さ
れている熱可塑性樹脂を挙げることができる。このよう
な熱可塑性樹脂の例としては、ポリブタジエン或はその
水素添加体、ポリイソプレン或はその水素添加体、芳香
族ビニル/共役ジエンブロック共重合体或はその水素添
加体、ポリスチレン、スチレン/酢酸ビニルブロック共
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレートが
あり、更には飽和ポリエステル(分子量300〜100
000)、ポリエーテル等を挙げることができる。なか
でも芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体、ポリ
酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート及び飽和ポリエ
ステルが好ましく、芳香族ビニル/共役ジエンブロック
共重合体及びポリ酢酸ビニルが特に好ましい。
【0014】芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合
体は、それ自体公知のブロック共重合体であって、例え
ばスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等の芳香
族ビニル単量体と、例えばブタジエン、イソプレン等の
共役ジエン単量体とを慣用の重合法によりブロック共重
合させることによって合成される。このようなブロック
共重合体の例としては、スチレン/イソプレンブロック
共重合体等を挙げることができる。かかるブロック共重
合体は、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とのモ
ル比がほぼ50:50〜5:95のもので、平均分子量
がほぼ30000〜200000のものが好ましい。
【0015】本発明で用いる熱可塑性樹脂は、上記のよ
うな重合体をカルボキシ変性したものであってもよい。
カルボキシル基が導入された重合体は、不飽和ポリエス
テル樹脂との相溶性が向上する上に、SMC、BMCを
調整する際に酸化マグネシウムの作用によりコンパウン
ドの増粘性を向上させることもできる。
【0016】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、以上説明したような不飽和ポリエステル樹脂、ビニ
ル単量体、BHT、熱可塑性樹脂及び100℃以上の温
度において重合禁止作用を示す化合物を、特定の割合で
配合することにより、更に保存安定性が良く、優れた高
面品質性を有するものとなる。すなわち、20〜40重
量部、好ましくは25〜35重量部の不飽和ポリエステ
ル樹脂、20〜60重量部、好ましくは30〜50重量
部のビニル単量体、0.01〜1.0重量部、好ましく
は0.08〜0.5重量部のBHT、10〜40重量
部、好ましくは15〜30重量部の熱可塑性樹脂が合計
100重量部となるように配合されており、更にこれら
の合計100重量部に対し0.001〜0.1重量部、
好ましくは0.005〜0.05重量部の100℃以上
の温度において重合禁止作用を示す化合物が配合されて
いる。配合割合が、これらの範囲を逸脱すると、保存安
定性及び高面品質性が劣るようになる。特にBHTの配
合量が0.01重量部未満であるか又は100℃以上の
温度において重合禁止作用を示す化合物の配合量が0.
001重量部未満であると得られる不飽和ポリエステル
樹脂組成物の保存安定性が不十分であり、逆にBHTの
配合量が1.0重量部超であるか又は100℃以上の温
度において重合禁止作用を示す化合物の配合量が0.1
重量部超であると硬化時の硬化速度を遅くするととも
に、架橋が不十分になり、速硬化性、高面品質性が損な
われる。
【0017】本発明で用いる反応開始剤は、タ−シャリ
−ブチルパ−オキシベンゾエート(TBPB)、タ−シ
ャリ−ブチルパ−オキシオクトエート(TBPO)、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ−オキ
シ)シクロヘキサン(DDBPH)、タ−シャリ−アミ
ルパ−オキシオクトエート(TAPO)、タ−シャリ−
ブチルイソプロピルカーボネート(TBIPC)等の有
機過酸化物の中から所望の硬化速度に応じて少なくとも
1種が選ばれる。これらの反応開始剤は、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニル単量体、BHT及び熱可塑性樹脂の
合計100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましく
は1.0〜3.0重量部使用する。
【0018】本発明では、上記の反応開始剤と共に硬化
促進剤を併用するのが望ましい。硬化促進剤の例として
は、コバルト、銅、マンガンの有機金属化合物、それぞ
れのオクトエート、ナフテネート、アセチルアセトネー
ト等が挙げられる。これらは単独で使用しても、混合し
て使用してもよい。これら有機金属化合物の配合量は、
不飽和ポリエステル樹脂組成物に対して金属として10
〜1000ppmである。
【0019】また本発明では、速硬化SMCにおける表
面性を改良するために、アルカンポリオールポリメタク
リレート、アルカンポリオールポリアクリレートを配合
するのが好ましい。これらには例えばエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、プ
ロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジ
オールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパンジメタクリレート、グリセリンジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパンジアクリレート等の、炭素数2〜1
2を有するアルカンポリオールのジメタクリレート或は
ジアクリレートを挙げることができる。
【0020】更に例えばトリメチロールプロパントリメ
タクリレート、グリセリントリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、グリセリントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサメタクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート等の、炭素数3〜12を有するアルカ
ンポリオールのポリメタクリレート或はポリアクリレー
トを挙げることができる。
【0021】このようなアルカンポリオールポリメタク
リレート、アルカンポリオールポリアクリレートは、成
形時、樹脂成分の弾性率を向上させ、これが成形品表面
の硬度及び平滑性に寄与しているものと考えられる。こ
れらは不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部に対
して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部配合さ
れる。
【0022】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、必要に応じて充填剤、顔料、増粘剤を配合すること
ができる。充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、
シリカ、クレー、ガラス粉、ガラスバルーン等が挙げら
れる。顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、
弁柄、フタロシアニンブルー等が挙げられる。増粘剤と
しては、マグネシウム、カルシウム等の酸化物又は水酸
化物が挙げられる。
【0023】このような各種配合物が配合された不飽和
ポリエステル樹脂組成物は、慣用の手段、装置を用いて
ガラス繊維(例えば直径約8〜20μで長さが1/2〜
4インチのもの)に含浸させることによりシート状のシ
ートモールディングコンパウンド(SMC)或はバルク
状のバルクモールディングコンパウンド(BMC)等の
成形材料とすることができる。ガラス繊維は、通常不飽
和ポリエステル樹脂組成物全量に対してほぼ10〜40
重量%程度配合される。本発明の成形材料は、金型中で
加熱圧縮(圧力50〜120kgf/cm2、温度110〜1
80℃)して硬化させることにより成形物を製造するこ
とができる。
【0024】
【実施例】表1及び表2に示す組成でシートモールディ
ングコンパウンド(SMC)を調整した。各SMCを加
圧流動時間9秒、圧力80kgf/cm2で所定の条件下に加
圧し、図1のような板状(500×1000×2mm)の
成形物を製造した。なお比較例1〜5は、本発明の必須
成分であるBHT又は100℃以上の温度において重合
禁止作用を示す化合物を含有しないものからの成形物を
示す。調整したSMCの硬化特性及び保存安定性、該S
MCから製造した成形物の表面特性及び硬度を測定し、
結果を表1及び表2に示した。
【0025】SMCの保存安定性は、SMCを23℃の
雰囲気温度で保存した場合に、SMCが図1に示した成
形物を成形できる流動性を保ち続ける日数である。成形
物の表面特性の測定は、3次元測定機(マイクロコード
FJ604;三豊(株)製)で行なった。まず図1のラ
イン1〜ライン4について1.0mmピッチで300点の
表面測定(X,Y,Z)を実施し、断面形状を知るため
各点のZ値から5次回帰曲線を求め、この曲線と各測定
点のZ値との平均偏差を算出した。また表面粗度は図1
のライン5を測定して求めた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表1及び表2において、 A−1:プロピレングリコールとマレイン酸とから合成
された不飽和ポリエステル樹脂。30%のスチレンを含
有し、25℃における粘度が820cps、酸価が1
6.5のものを用いた。表中数値は希釈剤としてのスチ
レンを除く不飽和ポリエステル樹脂の重量部である。 A−2:プロピレングリコール0.9モル、ジシクロペ
ンタジエン0.3モル及び無水マレイン酸1.0モルか
ら合成された不飽和ポリエステル樹脂。35%のスチレ
ンを含有し、25℃における粘度が650cps、酸価
が21のものを用いた。表中数値は希釈剤としてのスチ
レンを除く不飽和ポリエステル樹脂の重量部である。 B:スチレン。表中数値は不飽和ポリエステル樹脂やス
チレン/ブタジエン共重合体に希釈剤として用いたスチ
レンを含む重量部である。 C:BHT D−1:スチレン/ブタジエン共重合体。この共重合体
は平均分子量120000で、スチレン15重量%及び
ブタジエン85重量%からなり、0.5重量%のカルボ
キシル基を有する。この共重合体30重量部に対してス
チレン70重量部を含有し、25℃における粘度が28
000cpsのものを用いた。表中数値は希釈剤として
のスチレンを除くスチレン/ブタジエン共重合体の重量
部である。 D−2:ポリ酢酸ビニル E−1:t−ブチルパ−オキシオクトエート E−2:t−ブチルパ−オキシベンゾエート E−3:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
−オキシ)ヘキサン F:コバルトアセチルアセトネート G:p−ベンゾキノン H:トリメチロールプロパントリメタクリレート I:炭酸カルシウム J:ステアリン酸亜鉛 K:酸化マグネシウム L:ガラス繊維(直径13μ、長さ1インチ) 硬化特性:SMCの硬化特性(発熱法、140℃) 2)−1:ゲル化時間/キュアー時間(秒) 2)−2:△T(キュアー時間−ゲル化時間) 保存安定性:SMCの保存安定性(日) 表面特性:成形物の表面特性 4)−1:5次回帰からの平均偏差(μ) 4)−2:表面粗度(μ) 硬度:成形物の硬度(ロックウェル硬度、Mスケール)
【0029】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
及びこれをガラス繊維に含浸させた成形材料は、速硬化
性を有するため生産性が高い上に、硬化時の作業性にも
優れている。しかも硬化後の成形物の表面は、極めて程
度の高い表面平滑性を有し、例えば自動車外板等として
極めて有用である。更に非常に保存安定性が良いため、
長期間の保存にも、不飽和ポリエステル樹脂組成物、成
形材料の硬化性、それを硬化させた成形物の表面平滑性
が変化せず、非常に使い勝手の良い成形材料が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形物を例示する平面図。
【符号の説明】
1〜5・・・ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 弘 大阪府吹田市山田西2丁目8番A8−712 号 (72)発明者 青木 三次 奈良県香芝市良福寺311番地の6 (72)発明者 八田 健 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 稲生 隆嗣 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 三島 康博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂、ビニル単量
    体、BHT(ジタ−シャリ−ブチルヒドロキシトルエ
    ン)、熱可塑性樹脂、反応開始剤として少なくとも1種
    の有機過酸化物及び100℃以上の温度において重合禁
    止作用を示す化合物を含有する不飽和ポリエステル樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 20〜40重量部の不飽和ポリエステル
    樹脂、20〜60重量部のビニル単量体、0.01〜
    1.0重量部のBHT(ジタ−シャリ−ブチルヒドロキ
    シトルエン)及び10〜40重量部の熱可塑性樹脂を、
    これらの合計が100重量部となるように配合し、更に
    これらの合計100重量部に対し0.001〜0.1重
    量部の100℃以上の温度において重合禁止作用を示す
    化合物を配合した請求項1記載の不飽和ポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和ポリエステル樹脂の分子量が80
    0〜4000、酸価が20〜60である請求項1記載の
    不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 100℃以上の温度において重合禁止作
    用を示す化合物がp−ベンゾキノン、ナフトキノン、フ
    ェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノ
    ン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p
    −ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキ
    ノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,
    5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ハイドロキノ
    ン、p−t−ブチルカテコール、2,5−t−ブチルハ
    イドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン又は
    2,5−ジ−t−アミルハイドロキノンである請求項1
    記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 100℃以上の温度において重合禁止作
    用を示す化合物がp−ベンゾキノン、ハイドロキノン又
    はp−t−ブチルカテコールである請求項4記載の不飽
    和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 100℃以上の温度において重合禁止作
    用を示す化合物の配合量が0.005〜0.05重量部
    である請求項2記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が芳香族ビニル/共役ジエ
    ンブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタ
    クリレート又は飽和ポリエステルである請求項1記載の
    不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 更にアルカンポリオールポリアクリレー
    ト又はアルカンポリオールポリメタクリレートを含有す
    る請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物をガラス繊維に含浸させた成形材料。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の不飽和ポリエステル樹
    脂組成物をガラス繊維に含浸させた成形材料。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の成形材料を硬化させた
    成形物。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の成形材料を硬化させ
    た成形物。
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