JP3503061B2 - カートリッジ式クリーニングテープ - Google Patents

カートリッジ式クリーニングテープ

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JP3503061B2 JP2001277364A JP2001277364A JP3503061B2 JP 3503061 B2 JP3503061 B2 JP 3503061B2 JP 2001277364 A JP2001277364 A JP 2001277364A JP 2001277364 A JP2001277364 A JP 2001277364A JP 3503061 B2 JP3503061 B2 JP 3503061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置
に備えられる主として磁気ヘッドをクリーニングするた
めのカートリッジ式クリーニングテープに関する。
【0002】
【従来の技術】オーデイオ用、ビデオ用あるいはコンピ
ューター用などの磁気記録再生装置において磁気テープ
を繰り返し走行させていると、磁気ヘッド(以下、単に
「ヘッド」ともいう)の表面(磁気テープとの接触面)
やガイドロールなどのテープ走行系に汚れが付着する。
この種の汚れを放置しておくと、例えば正確なテープの
走行が阻害されたり再生出力が低下したりするなど、種
々の問題を誘発する原因となる。そこで、このような不
具合を回避し、磁気記録再生装置の信頼性を維持すべ
く、定期的にヘッドやテープ走行系をクリーニングする
必要がある。
【0003】このような場合に使用されるクリーニング
テープ(ここでは、有機溶剤を使用しない乾式クリーニ
ングテープをいう、以下同じ)は、一般に非磁性支持体
上の一方の面に、磁性粉末と研磨剤とカーボンブラック
(帯電防止剤)と潤滑剤と結合剤を含有するクリーニン
グ層を設けた構成である。そして、使用に際しては磁気
ヘッド等の表面にクリーニング層を接触させた状態で当
該クリーニングテープを走行させる。このようにする
と、クリーニング層における研磨剤によって磁気ヘッド
等の表面が研磨され、その結果、当該磁気ヘッド等の表
面に付着している汚れが削り落とされて除去される。こ
のとき、磁気ヘッドの表面を傷付けたり、磁気ヘッドと
磁気テープの接触状態(いわゆるヘッドあたり)を変化
させてしまったりしないように、磁気ヘッドの表面にク
リーニングテープを磁気テープと同じような状態で接触
させて摺動させなければならない。すなわち、クリーニ
ングテープにおいても磁気テープと同じヘッドあたりを
再現する必要がある。このような要請は、感度の高いM
Rヘッド(磁気抵抗素子を用いた磁気ヘッド)の採用に
伴って近年、よりいっそう厳しくなる傾向にある(これ
については後述する)。感度の高いMRヘッドを使用す
るシステムには図1に示すような1リールカセットが主
に使用される。本発明のクリーニングテープはMRヘッ
ドを使用した1リールカセットのヘッドシステムのクリ
ーニングに特に好適である。ここで、図1に示した1リ
ールカセットの構造について説明すると、この1リール
カセットは、上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に接合
してなる角箱状のケース本体1を有し、ケース本体1の
内部に配置した1個のリール2にクリーニングテープ3
を巻装している。ケース本体1の前壁6の一側端には、
テープ引出口4が開口されている。テープ引出口4は、
スライド開閉可能なドア5で開閉できるようになってい
る。リール2に巻装したクリーニングテープ3をケース
外へ引き出し操作するために、クリーニングテープ3の
繰り出し端にテープ引出具7が連結されている。符号2
0は、ドア5を閉じ勝手に移動付勢するためのドアばね
を示す。
【0004】ところで、上記のようなクリーニングテー
プは、主に製造コスト上の理由から、クリーニングテー
プ専用のラインで製造されるのではなく、磁気テープの
製造ラインを用いて製造されるのが通例である(例え
ば、特開2000−57541公報参照)。すなわち、
磁気テープで用いられているものとほぼ同じ材料を使用
し、磁気テープとほぼ同様の工程を経て製造される。こ
のため、クリーニングテープにおいても、磁気テープの
場合と同様、例えば、非磁性支持体とクリーニング層
(磁気テープの場合は磁性層)との間に下塗層を設けた
り、非磁性支持体の裏面に(クリーニング層が形成され
る面とは反対側の面)にバックコート層を形成したりす
る場合がある。クリーニングテープと磁気テープとの主
たる相違点としては前者では所要のクリーニング効果を
得るためにクリーニング層中に研磨剤が比較的多く含有
されていることや、例えば製造工程におけるカレンダー
処理の省略あるいは設定変更によって表面が比較的粗い
状態とされていること、さらには、テープの長さ寸法が
磁気テープよりも短い場合があるといった点があげられ
る。
【0005】また、従来においては、磁気ヘッドの過剰
なクリーニングを防止する目的で、あらかじめクリーニ
ング層の表層部にモニタリング用のデータを記録してお
き、クリーニング時に磁気ヘッドによって読み取られる
前記データの出力変化から、磁気ヘッドが適正にクリー
ニングされたか否かを判断できるようにしたクリーニン
グテープが知られている(例えば、特開平6−2748
39号公報や特開2000−11340公報参照)。ま
た、クリーニングテープの使用した領域に信号を記録し
ておき、常に未使用の領域でクリーニングできるように
したクリーニングテープがある。上述の1リールカセッ
トのクリーニングシステムでは、このようなクリーニン
グテープが使用されている。このようなクリーニングテ
ープでは、読み取られたデータからクリーニング状態、
あるいは使用領域を的確に判断できるように所定の出力
特性および電磁変換特性を有していることが望ましいか
ら、これらの点からも磁気テープで用いられているもの
とほぼ同様の材料が採用される。
【0006】一方、近年の磁気記録再生装置および磁気
記録媒体の分野では、記録密度の向上などを図るため、
短記録波長化と媒体であるテープの薄手長尺化が進んで
いる。このため、これまで以上に磁気テープのヘッドあ
たりが適正な状態(磁気ヘッドの表面に磁気テープが所
定の密接した状態)に維持されなければ、十分な再生出
力を得ることができない。
【0007】加えて、最近では再生用の磁気ヘッドとし
て先に述べたMRヘッドを備えた磁気テープ記録再生装
置が実用されるに至っているが、MRヘッドは、これに
帯電の大きいものが接触した場合に静電破壊を引き起こ
す一方、過度に導電性の良いものが接触すると磁気ヘッ
ドからテープに流れる電流による磁界でテープからの磁
界が乱れてMRヘッドにノイズが発生し、正常に機能し
ないという特徴がある。このため、MRヘッドをクリー
ニングするクリーニングテープにおいても、テープの導
電性に対する要求が特に厳しくなっている。また、磁気
ヘッドの表面に付着した汚れについても従来のMIGヘ
ッド(メタル・イン・ギャップ方式磁気ヘッド)などに
対する以上に厳しい管理が必要とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、先に述べた
ように近年の磁気記録の分野において記録波長の短波長
化や媒体であるテープの薄手長尺化が進んでいるにもか
かわらず、従来のクリーニングテープでは、このような
技術的な変化に十分対応しきれていないのが実情であ
る。
【0009】具体的には例えば上述したテープの導電性
の問題があげられる。すなわち、MRヘッドをクリーニ
ングするクリーニングテープでは、接触による静電破壊
を防止するために帯電を抑える必要がある一方で、磁気
ヘッドとの接触による電流を発生させないために導電性
を高くしすぎてもいけないが、従来のクリーニングテー
プ(表面固有抵抗:1010Ω/cm2 台〜1013Ω/cm2
台)では、このような点について何ら考慮されていなか
ったため、MRヘッドとの接触によりヘッドの静電破壊
を引き起こす可能性があった。
【0010】また、従来のクリーニングテープでは、テ
ープの薄手化に伴うヘッドあたりの悪化のため、これを
用いて磁気ヘッドをクリーニングした場合に磁気ヘッド
を偏磨耗させる可能性があった。すなわち、テープ厚み
とヘッドあたりは密接な関係があることから、磁気テー
プが薄手化されれば、その薄手化された磁気テープと同
じヘッドあたりが得られるよう、クリーニングテープを
薄手化する必要がある。しかし、クリーニングテープは
磁気テープよりも研磨性が高いので、単にクリーニング
テープを薄手化しただけでは、当該テープの薄手化に伴
うヘッドあたりの悪化によって磁気ヘッドを偏磨耗させ
る可能性がある。
【0011】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、MRヘッド等の高感度磁気ヘッドをクリーニ
ングするのに適したクリーニングテープとして、磁気ヘ
ッドの静電破壊や電流の発生による動作不良を防止でき
るクリーニングテープを実現することを目的とする。即
ち、上記のように従来のクリーニングテープの表面固有
抵抗は1010Ω/cm2 台〜1013Ω/cm2 台であり、従
来のクリーニングテープではヘッドの静電破壊を引き起
こす場合があった。本発明は、表面固有抵抗が高すぎる
場合の静電破壊と表面固有抵抗が低すぎる場合の電流の
発生という問題の解決を目的とする。また、本発明は、
このようなクリーニングテープにおいて、良好なヘッド
あたりが得られるようにし、ひいては磁気ヘッドの偏磨
耗を生じさせないことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
の一方の面に、磁性粉末、研磨剤、カーボンブラック、
潤滑剤および結合剤を含有するクリーニング層が形成さ
れたクリーニングテープを有し、かつこのクリーニング
テープが1リールのカートリッジに組み込まれているカ
ートリッジ式クリーニングテープにおいて、磁気ヘッド
(MRヘッド)との接触による当該ヘッドの静電破壊や
電流の発生による動作不良を生じさせないために、前記
クリーニング層の表面固有抵抗(JIS C6240−
1970/7頁に準拠)を3×103 〜5×108 Ω/
cm2 としたことを特徴とする(請求項1)。クリーニン
グ層の表面固有抵抗を3×103 〜5×108 Ω/cm2
としたのは、この表面固有抵抗が3×103 Ω/cm2
満たないと、クリーニングテープがMRヘッド等の磁気
ヘッドに接触したときに当該ヘッドから電流が流れて動
作不良を引き起こす可能性が高くなり、5×108 Ω/
cm2 を超えると、帯電性が高まるために磁気ヘッドとの
接触により当該ヘッドの静電破壊を引き起こす可能性が
あるからである。磁気ヘッドの静電破壊と磁気ヘッドか
らの電流の発生を防止するのにさらに好ましい範囲は5
×103 〜1×108 Ω/cm2 で、1×104 〜1×1
8 Ω/cm2 が特に好ましい。
【0013】クリーニング層の中心線平均表面粗さは、
良好な研磨効果(つまりクリーニング効果)を得るた
め、通常の磁気テープにおける磁性層の中心線平均表面
粗さよりも粗くする。具体的には5nm〜30nmに設
定する。10nm〜30nmがより好ましく、12nm
〜25nmがさらに好ましい。クリーニング層の中心線
平均表面粗さが5nmに満たないと、クリーニング効果
が小さく、30nmを超えると、研磨面が悪くなった
り、ヘッドの寿命が短くなる。クリーニング層の中心線
平均表面粗さを上記の範囲(5nm〜30nm)に設定
するには通常カレンダ処理条件の設定により行う。キュ
ア前にカレンダ処理を行う場合には、温度40〜75
℃、カレンダ線圧50〜150kg/cmが好ましく、キュ
ア後にカレンダ処理を行う場合にはクリーニング層が硬
化しているので、キュア前よりも強いカレンダ条件に設
定される。具体的には、温度50〜80℃、カレンダ線
圧50〜150kg/cmが好ましい。
【0014】 クリーニング層は単層で構成してもよい
し、2層以上の層で構成してもよい。クリーニング層を
2層以上で構成する場合、そのうちの下側の層の成分を
調節(例えばカーボンブラックの量を多くするなど)し
て当該下側の層に所要の導電性を付与しておけば、磁気
ヘッドと接触する上層側で生じる静電気の一部を下側の
層に逃がすことができ、したがって上層側における帯電
量の増大を防止することができる。また、クリーニング
層と非磁性支持体との間に非磁性の下塗層を設けること
がMR対応クリーニングテープとして好ましい。
【0015】本発明のクリーニングテープにおいて、テ
ープ長手方向のヤング率(MD)は7GPa〜15GP
aであることが好ましい。クリーニングテープの長手方
向のヤング率が7GPaに満たないと、クリーニング効
果が小さく、15GPaを超えるとヘッドあたりがきつ
くなり、傷、偏磨耗の原因になるためである。
【0016】 また、クリーニングテープの全厚をT、
テープ長手方向のヤング率をEとした時(MD=E)の
ET3 が、4×10-7Pa・m3 〜1.1×10-5Pa・
3 の範囲となるように、テープ全厚とテープ長手方向
のヤング率とを設定することによっても、良好なヘッド
あたりを確保することができる。この場合、ET3 が4
×10-7Pa・m3 に満たないと、テープが切れやす
く、1.1×10-5Pa・m3 を超えるとヘッドが偏磨耗
する可能性がある。
【0017】クリーニングテープの全厚は3μm〜9μ
mとする(請求項)。全厚が3μmに満たないと製膜
が難しく、9μmを超えると1巻あたりのテープ長さが
短くなるからである。
【0018】なお、クリーニングテープの走行性の向上
等を図るため、非磁性支持体上におけるクリーニング層
とは反対側の面にバックコート層を設けておくことがで
きる。この種のバックコート層については後述する。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明のクリーニングテー
プを実施する際に採用しうる材料などについて更に詳細
に説明する。
【0020】<非磁性支持体>非磁性支持体には、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドなどを用
いることができる。非磁性支持体の厚さは、通常2.0μ
m〜8μm、より好ましくは2.5μm〜6μmである。
非磁性支持体の厚さが2μm未満では製膜が難しく、ま
たテープ強度が小さくなるからであり、8μmを超える
とテープ全厚が厚くなり、良好なヘッドあたりを確保し
にくくなるからである。なお、磁気テープにおいて8μ
mを超える非磁性支持体を使用すると、テープ全厚が厚
くなり、テープ1巻あたりの記憶容量が小さくなるの
で、これ以下の厚みの非磁性支持体を使用するのが望ま
しいが、本発明のクリーニングテープを磁気テープの製
造ラインを用いて製造する場合には、磁気テープに用い
る素材と同じ素材を用いるのが一般的であるから、磁気
テープ用の非磁性支持体の厚さとして望ましいという意
味でもクリーニングテープ用の非磁性支持体の厚さを前
記の範囲に設定するのがよい。このような事情は、磁気
テープとクリーニングテープとで相違する点、すなわち
研磨剤の量や、最上層の表面の粗さ等を除き、以下の素
材等についても同様である。
【0021】また、薄手クリーニングテープ(3μm〜
7μm未満)に使用する非磁性支持体は、その長手方向
のヤング率が10.13GPa以上で、かつ長手方向のヤ
ング率/幅方向のヤング率が、0.4〜0.8であるものが
好ましい。より好ましくは、長手方向のヤング率が11.
14GPa以上、長手方向のヤング率/幅方向のヤング
率が、0.55〜0.75の範囲がよい。非磁性支持体のヤ
ング率10.13GPa以上がよいのは、長手方向のヤン
グ率が10.13GPa未満では、E・T3 が小さくテー
プが弱くなり、また、走行が不安定になるためである。
長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が、0.4〜0.8
の特異的範囲がよいのは、0.4未満または0.8を超える
と、メカニズムは現在のところ不明であるが、薄手クリ
ーニングテープにおいて、前記特異的範囲から外れる
と、クリーニングテープ自身の特性、およびクリーニン
グ後に走行させる磁気テープの特性、トラックの入り側
から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が悪くな
るためである。このばらつきは長手方向のヤング率/幅
方向のヤング率が0.70付近で最小になる。このような
特性を満足する非磁性支持体には二軸延伸の芳香族ポリ
アミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等がある。
【0022】<クリーニング層>クリーニング層の厚さ
は、下塗層がある場合はこれも含めて1.0μm〜5.0μ
mが好ましく、2μm〜3μmがより好ましい。この範
囲が好ましいのは1.0μm未満では、製膜が難しく、5.
0μmを超えると、コストが高くなるばかりでなく、テ
ープ剛性が高くなりすぎるからである。また、クリーニ
ングテープに信号を記録し、MRヘッドで再生する場合
は、クリーニング層の残留磁束密度(Br)と厚さ
(δ)との積(Br・δ)を0.005〜0.08μTmと
するのが好ましい。0.005μTm未満では、再生出力
が小さく、0.08μTmを超えると、MR素子の感度を
超えており、再生歪の原因になる。0.01〜0.07μT
mが好ましく、0.01〜0.065μTmがさらに好まし
い。
【0023】<磁性粉末> クリーニング層に含有させる磁性粉末には強磁性鉄系金
属粉、板状六方晶フェライト系粉末を用いることができ
る。強磁性鉄系金属粉の平均軸長としては、0.03〜0.
30μmが好ましく、0.03〜0.25μmがより好まし
く、0.03〜0.20μmがさらに好ましい。この範囲が
好ましいのは、平均軸長が0.03μm未満であると、ク
リーニング層形成用塗料を調製する際に磁性粉末の凝集
力が増大するために塗料中への分散が困難になり、0.3
μmより大きくなると、保磁力が低下し、粒子の大きさ
に基づく粒子ノイズが大きくなるからである。板状六方
晶フェライト系粉末を用いる場合には同様の理由で、板
径が0.001〜0.5μmが好ましい。なお、上記の平均
軸長は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真
から粒子サイズを実測し、100個の平均値により求め
たものである。また、この強磁性鉄系金属粉のBET比
表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g
以上がより好ましく、50m2 /g以上がもっとも好ま
しい。
【0024】なお、磁性粉末として、本発明クリーニン
グテープのクリーニング層と磁気テープの磁性層とで同
じ強磁性鉄系金属粉末を使用する場合には、強磁性鉄系
金属粉末の保磁力は、120kA/m〜280kA/m
(1,500〜3,500Oe)が好ましく、140k
A/m〜240kA/mがさらに好ましい。飽和磁化量
は、120〜200A・m2 /kg(120〜200em
u/g)が好ましい。板状六方晶フェライト系粉末で
は、保磁力の好ましい範囲は上記と同様で、飽和磁化量
は、50〜65A・m2 /kg(50〜65emu/g)
が好ましい。なお、これらの値は、試料振動形磁束計を
用いて外部磁場1.28MA/m(16kOe)の条件で
測定した場合のものである。
【0025】<研磨剤>クリーニング層に含有させる研
磨剤としては、α−アルミナ、β−アルミナ、溶融アル
ミナ、クロムグリーン、炭化ケイ素、酸化セリウム、α
−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化ケイ
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ素、窒
化ホウ素など、主としてモース硬度6以上のものを使用
することができる。これらは単独でも使用できるが、優
れたクリーニング効果を得るには2種以上を組み合わせ
て使用するのがよい。なかでも、アルミナ、クロムグリ
ーンは、高硬度であり、少量の添加でヘッドクリーニン
グ効果に優れるため、これらを組み合わせて使用するの
が好ましい。研磨剤の粒径としては、通常平均粒径で0.
02〜0.7μmとすることが好ましく、粒径0.05〜0.
6μmがより好ましい。研磨剤の添加量は、強磁性鉄系
金属粉(磁性粉末)に対して、10〜30重量%が好ま
しく、15〜25重量%がさらに好ましい。
【0026】<カーボンブラック>クリーニング層には
導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボ
ンブラック(以下、CBとも言う)を添加することがで
きる。これらのCBとしては、アセチレンブラック、フ
ァーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。
粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒
径10nm〜100nmのものが好ましい。この範囲が
好ましいのは、粒径が10nm以下になるとCBの分散
が難しく、100nm以上では多量のCBを添加するこ
とが必要になり、クリーニング層が脆弱になってしまう
からである。DBP吸油量は、70〜600cc/100
gが好ましい。より好ましくは、100〜600cc/1
00gで、100〜500cc/100gがさらに好まし
い。添加量は強磁性粉末に対して1〜20重量%が好ま
しい。より好ましくは1〜15重量%で、2〜10重量
%がさらに好ましい。
【0027】<結合剤>クリーニング層(後述する下塗
層においても同様)に含有させる結合剤としては、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化
ビニル−ビニルアルコ―ル共重合樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコ―ル共重合樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−
水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、ニトロセ
ルロースなどの中から選ばれる少なくとも1種とポリウ
レタン樹脂との組み合わせがある。中でも、塩化ビニル
−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウ
レタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂
には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウ
レタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリ
カーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネ
ートポリウレタンなどがある。
【0028】官能基としてCOOH,SO3 M、OSO
2 M,P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 ,[M
は水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、OH、
NR' R''、N+ R''' R''''R''''' [R' 、R''、
R''' 、R''''、R''''' は水素または炭化水素基]、
エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の結
合剤が使用される。このような結合剤を使用するのは、
上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。
2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一
致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうしの組
み合わせが好ましい。
【0029】これらの結合剤は、強磁性粉末100重量
部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重
量部の範囲で用いられる。特に、結合剤として、塩化ビ
ニル系樹脂5〜30重量部とポリウレタン樹脂2〜20
重量部とを複合して用いるのが最も好ましい。
【0030】これらの結合剤とともに、結合剤中に含ま
れる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤
を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソ
シアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を
複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート
類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ま
しい。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対し
て、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好
ましくは15〜35重量部である。
【0031】<下塗層>本発明のクリーニングテープに
おいては、非磁性支持体とクリーニング層との間に下塗
層を設けてもよい。このような下塗層を有するクリーニ
ングテープは、例えば、下塗層を有する磁気テープを製
造するラインで下塗層上の磁性層に代えてクリーニング
層を形成することにより製造することができる。この種
のクリーニングテープにおいて、クリーニング層よりも
ヤング率の小さい下塗層にすると、クッション効果によ
り、MRヘッド等を過度に研磨することを防ぐことがで
きる。また、下塗層によって表面固有抵抗を低くするこ
とができる。
【0032】下塗層を有する磁気テープの磁性層のみを
クリーニング層に代えることでクリーニングテープを製
造する場合には、下塗層に特定の粒径以下のアルミナを
特定量含有させるのが望ましい。このようにすると、磁
気テープの場合では平滑度の低い非磁性支持体を使用し
た場合にも、短波長記録特性に優れ、広幅の原反を所定
幅のテープにスリットした際のテープエッジの波うちに
よる出力のばらつきを小さくすることとができる。この
ような特性は、クリーニングテープでは必ずしも必要で
はないが、磁気テープにとっては必要とされるものであ
るから、磁性層を形成する磁気テープの中間品と、クリ
ーニング層を形成する前のクリーニングテープの中間品
とを共通なものとする場合に有効である。
【0033】この場合において、下塗層に添加するアル
ミナの粒径は、0.1μm以下が好ましく、添加量は、下
塗層のカーボンブラックを含む全無機粉体の重量を基準
にして2〜30重量%が好ましい。0.1μm以下のアル
ミナがよいのは、粒径が0.1μmを超えると、下塗層表
面の平滑性が損なわれるためである。下塗層のアルミナ
は粒径0.01〜0.1μmがより好ましく、0.03〜0.0
9μmがさらに好ましく、0.05〜0.09μmが一層好
ましい。また、アルミナの添加量について、上記の範囲
が好ましいのは、2重量%未満では下塗層用塗料の流動
性が不十分であり、30重量%を超えると下塗層の剛性
が高くなりすぎて、テープを製造する場合に反りが大き
くなるからである。下塗層のアルミナの添加量は6〜2
5重量%がより好ましく、8〜20重量%がさらに好ま
しく、10〜20重量%が一層好ましい。なお、上記粒
径のアルミナと共に、3重量%未満の0.1〜0.8μmの
アルミナを添加することを排除するものではない。
【0034】このように、下塗層に上記アルミナを、上
記量含有させると、下塗層とクリーニング層界面の凹凸
が小さくなり、テープエッジの波うち(エッジウィー
ブ)が改善される。特に、コランダム相を主体とするア
ルミナを添加すると、その効果が大きい。上記粒径と量
のアルミナの他に、導電性の調節を目的にカーボンブラ
ックを、強度を調節する目的で非磁性の酸化鉄を添加す
る。
【0035】下塗層に添加するカーボンブラック(C
B)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラッ
ク、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5nm
〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100
nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、カー
ボンブラックがストラクチャーを持っているため、粒径
が10nm未満になるとCBの分散が難しく、100n
mを超えると平滑性が悪くなるためである。DBP吸油
量は、30〜300cc/100gが好ましい。より好ま
しくは、30〜200cc/100gで、50〜150cc
/100gがさらに好ましい。CB添加量は、CBの粒
子径によって異なるが、下塗層のCBを含む無機粉末の
うち、25〜50重量%が好ましい。この範囲が好まし
いのは、25重量%未満では導電性向上効果が乏しく、
50重量%を超えると効果が飽和するためである。粒径
15nm〜80nmのCBを15〜35重量%使用する
のがより好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを2
0〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような
粒径・量のカーボンブラックを添加することにより電気
抵抗が低減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが
小さくなる。
【0036】下塗層に添加する非磁性の酸化鉄として
は、粒径0.05〜0.40μmのものが好ましく、添加量
は、35〜83重量%が好ましい。この範囲の粒径が好
ましいのは、粒径0.05μm未満では均一分散が難し
く、0.40μmを超えると下塗層とクリーニング層の界
面の凹凸が増加するためである。また、上記範囲の添加
量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効
果が小さく、83重量%を超えるとかえって塗膜強度が
低下するためである。
【0037】また、前記した下塗層とクリーニング層か
らなる塗布層を形成した場合、塗布層のヤング率にも適
正範囲がある。すなわち、塗布層のヤング率を非磁性支
持体の長手方向と幅方向のヤング率の平均値の40〜1
00%の範囲にすると、テープの耐久性が大きく、かつ
テープ対ヘッド間のタッチ、つまりヘッドあたりがよく
なる(磁気テープの場合では、これによってヘリカルス
キャンタイプの磁気ヘッドのトラック入り側から出側間
の出力のばらつき(フラットネス)が小さくなる)。5
0〜100%の範囲がより好ましく、60〜90%の範
囲がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、40%
未満では塗布層の耐久性が弱くなり、100%を超える
とヘッドあたりが悪くなるためである。なお、本発明で
は塗布層のヤング率を制御する方法の一つとしてカレン
ダ条件による制御法を用いた。
【0038】さらに、下塗層のヤング率は、クリーニン
グ層のヤング率の80〜99%が好ましい。このように
下塗層のヤング率がクリーニング層のそれより低い方が
よいのは、下塗層が一種のクッションの作用をするため
である。
【0039】下塗層とクリーニング層からなる塗布層
に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下塗層には全粉体
に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.
2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させる
と、回転ヘッドの場合では、テープと回転シリンダとの
摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂
肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係
数低減効果が小さく、4.0重量%を超えると下塗層が可
塑化してしまい強靭性が失われるからである。また、こ
の範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.
5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重
量%を超えるとクリーニング層への移入量が多すぎるた
め、テープと回転シリンダが貼り付く等の副作用がある
からである。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、リノール酸などが使用される。脂肪酸エステル
としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチ
ル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、
ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、
モノ- ステアリン酸無水ソルビタン、ジ- ステアリン酸
無水ソルビタン、トリ- ステアリン酸無水ソルビタンな
どが使用される。
【0040】クリーニング層には、強磁性粉末に対して
0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.
0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、回転
ヘッドの場合では、テープと回転シリンダとの摩擦係数
が小さくなるので好ましい。この範囲の脂肪酸アミドが
好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッド/クリーニン
グ層界面での直接接触が起りやすく焼付き防止効果が小
さく、3.0重量%を超えるとブリードアウトしてしま
い、テープの走行が不安定になるからである。脂肪酸ア
ミドとしてはパルミチン酸、ステアリン酸等のアミドが
使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステ
ル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低
減効果が小さく、3.0重量%を越えるとテープと回転シ
リンダが貼り付く等の副作用があるためである。下塗層
を設けないクリーニングテープでは、クリーニング層に
含有させる上記の潤滑剤に加えて、高級脂肪酸を添加す
ることができる。なお、クリーニング層の潤滑剤と下塗
層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
【0041】<バックコート層>本発明のクリーニング
テープにおいては、前述したごとく走行性向上を目的と
して非磁性支持体におけるクリーニング層とは反対側の
面にバックコート層を設けることができる。バックコー
ト層は、厚さ0.2〜0.8μmの従来公知のバックコート
を使用できる。この範囲が良いのは、0.2μm未満で
は、走行性向上効果が不充分で、0.8μmを超えるとテ
ープ全厚が厚くなり、1巻当たりのテープ長さが短くな
るためである。バックコート層にはカーボンブラック
(CB)を添加することができる。この場合のカーボン
ブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブ
ラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、小粒
径カーボンと大粒径カーボンを使用する。小粒径カーボ
ンには、粒子径が5nm〜200nmのものが使用され
るが、粒径10nm〜100nmのものがより好まし
い。この範囲がより好ましいのは、粒径が10nm未満
になるとCBの分散が難しく、粒径が100nmを超え
ると多量のCBを添加することが必要になり、何れの場
合も表面が粗くなって、バックコート層からの粉落ちが
多くなり、クリーニング層への転移や、テープ走行経路
の汚染が発生するためである。大粒径カーボンとして、
小粒径カーボンの5〜15重量%、粒径300〜400
nmの大粒径カーボンを使用すると、表面も粗くなら
ず、走行性向上効果も大きくなる。小粒径カーボンと大
粒径カーボン合計の添加量は無機粉体(α−Fe2
3 、BaSO 4 )の重量を基準にして60〜98重量%
が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。バック
コート層の表面粗さRaは3〜10nmが好ましく、4
〜9nmがより好ましい。
【0042】また、バックコート層には、強度向上を目
的に、粒子径が0.1μm〜0.6μmの酸化鉄を添加する
のが好ましく、0.2μm〜0.5μmがより好ましい。添
加量は前記無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が
好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
【0043】<有機溶剤>クリーニング層形成用塗料や
下塗層形成用塗料およびバックコート層形成用塗料の溶
剤には、従来公知の磁気テープの磁性層形成用塗料に使
用されるものを使用することができる。具体的には、例
えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラハイドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤などを単独または
混合して使用することができ、さらにトルエンなどと混
合して使用することができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例の部は重量部を示す。
【0045】 実施例1 ≪下塗層用塗料成分≫ (1) 酸化鉄粉末(粒径:0.11×0.02μm) 60部 アルミナ(α化率:50%、粒径:0.07μm) 10部 カーボンブラック(粒径:25nm、吸油量:50cc/100g) 30部 ステアリン酸 2.0部 塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 10部 (含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部 (Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g) シクロヘキサノン 25部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 10部 (2) ステアリン酸ブチル 1部 シクロヘキサノン 70部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 20部 (3) ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 4.5部 シクロヘキサノン 10部 メチルエチルケトン 15部 トルエン 10部
【0046】 ≪クリーニング層用塗料成分≫ (1) 強磁性鉄系金属粉 100部 (Al/Fe:5重量%、 Co/Fe:20重量%、 Y/Fe:2重量%、 σs :135A・m2 /kg(135emu/g)、 Hc:2300Oe、 長軸長:0.10μm) 塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 11部 (含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g) アルミナ(粒径:0.3μm) 10部 クロムグリーン(粒径:0.5μm) 10部 カーボンブラック 1.0部 (平均粒径:40nm、DBP吸油量:180cc/100g) メチルアシッドホスフェート 2部 パルミチン酸アミド 1.5部 ステアリン酸n−ブチル 1.5部 テトラヒドロフラン 65部 メチルエチルケトン 245部 トルエン 85部 (2) ポリイソシアネート 4部 シクロヘキサノン 167部
【0047】上記の下塗層用塗料成分において(1)を
ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンド
ミルで所定の時間で分散処理を行い、これに(3)を加
え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。これとは別
に、上記のクリーニング層用塗料成分(1)をニーダで
混練したのち、サンドミルで所定の時間で分散し、これ
にクリーニング層用塗料成分(2)を加え攪拌・濾過
後、クリーニング層用塗料とした。上記の下塗層用塗料
を、ポリエチレンナフタレートフイルム(厚さ6.0μ
m、MD=7.5GPa、TD=MD×0.8(−20
%)、商品名:テイジンテオネックス、帝人社製)から
なる支持体上に、乾燥後の厚さが1.8μmとなるように
塗布し、この下塗層上に、さらに上記のクリーニング層
用塗料を乾燥後のクリーニング層の厚さが0.2μmとな
るように塗布し、クリーニングシートを得た。塗布速度
は150m/分とした。クリーニング層の残留磁束密度
(Br)と厚さ(δ)との積(Br・δ)は0.060μ
Tmであった。
【0048】 ≪バックコート層用塗料成分≫ カーボンブラック(粒径:25nm) 80部 カーボンブラック(粒径:370nm) 10部 酸化鉄(粒径:0.4μm) 10部 ニトロセルロース 45部 ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 30部 シクロヘキサノン 260部 トルエン 260部 メチルエチルケトン 525部
【0049】上記バックコート層用塗料成分をサンドミ
ルで所定の時間で分散をした後、ポリイソシアネート1
5部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過後、上
記で作製したクリーニングシートのクリーニング層の反
対面に、乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、
乾燥した。
【0050】このようにして得られたクリーニングシー
トをコアに巻いた状態で60℃で48時間エージングし
たのち、カレンダ(金属ロール、温度70℃、線圧12
0kg/cm)を行い、DAT幅および1/2インチ幅に裁
断し、これを200m/分で走行させながらクリーニン
グ層表面をラッピングテープ研磨、表面拭き取りの後処
理を行い、クリーニングテープを作製した。この時、ラ
ッピングテープにはK20000、表面拭き取りにはト
レシーを用いて処理を行った。上記のようにして得られ
たクリーニングテープを、カートリッジに組み込み、カ
ートリッジ式クリーニングテープを作製した。
【0051】実施例2〜6 クリーニング層のCB量、厚み、非磁性支持体の種類お
よび下塗層の有無などを表1の条件に変更したことを除
き、実施例1と同様にして実施例2〜6のクリーニング
テープを作製した。
【0052】比較例1 一部条件を表1の条件に変更したことを除き、実施例1
と同様にして比較例1のクリーニングテープを作製し
た。
【0053】評価の方法は、以下のように行った。評価
結果を表1に示す。 <クリーニング層の表面固有抵抗>JIS C6240
−1970(7)9.4.1" 表面固有抵抗" に準拠して測
定した。
【0054】<クリーニング層の中心線平均表面粗さ
(Ra:単位はnm)>表面粗さ計SE−3FA(小坂
研究所社製)を用いて測定した。バックコート層塗布表
面を平滑な半円筒状ガラス上に張り付け、クリーニング
層塗布表面を触針5μmR、倍率縦10万倍、カットオ
フ0.08mmの条件で行った。
【0055】<クリーニングテープのヤング率>試料は
幅12.65mm、長さ150mmのテープを準備し、インス
トロンタイプ万能引張り試験機にて荷重−伸び曲線を測
定し、長手方向のヤング率(MD、GPa)および幅方
向のヤング率(TD、GPa)を求めた。チャック間隔
100mm、引張り速度20mm/minにて引張り、記録
されたチャートの0.3%伸びの荷重からヤング率を計算
した。
【0056】<DDS3ドライブ/ヘッドクリーニング
効果>ヘッドが初期状態のDDS3ドライブ(HP社
製)でDDS3テープ(日立マクセル社製HS−4/1
25S)の出力(100%)と、各実施例および比較例
のクリーニングテープの出力を測定する。次に同ドライ
ブに、ヘッドに目詰まりと汚れを発生させる試験用テー
プを任意の時間で走行させる。DDS3テープの出力が
40%以下であることを確認してから、前記のクリーニ
ングテープを、初期状態での出力が回復するまで走行さ
せる。出力が回復するまでの時間から、20秒以内
(○)、21秒〜45秒(△)、46秒以上(×)を評
価した。また、クリーニング後にDDS3、DDS2、
DDSテープを走行させて互換性を評価した。
【0057】<LTO(ultrium)ドライブ/ヘッドクリ
ーニング効果>ヘッドが初期状態のLTOドライブでL
TOテープ(日立マクセル社製)の出力(100%)
と、各実施例および比較例のクリーニングテープの出力
を測定する。次に同ドライブで、ヘッドに目詰まりと汚
れを発生させる試験用テープを走行させる。LTOテー
プの出力が40%以下になることを確認してから、前記
のクリーニングテープを初期状態での出力が回復するま
で走行させる。出力が回復するまでの時間から、20秒
以内(○)、21秒〜45秒(△)、46秒以上(×)
を評価した。また、クリーニング中のMRヘッドへの影
響について、異常なし(○)、静電気によるMR素子の
破壊、あるいはそれに準ずる不具合が発生した(×)、
を評価した。また、クリーニング後にLTOテープの出
力を測定した。
【0058】<ヘッド表面の観察>いずれのヘッドにお
いても、クリーニング前後でヘッド表面を観察した。市
販の光学顕微鏡を用いて、異常なし(○)、ほぼ異常な
し(△)、傷および偏磨耗等のクリーニング不良がある
(×)を評価した。
【0059】
【表1】
【0060】表1から、クリーニング層の表面固有抵抗
が3×103 〜5×108 Ω/cm2の範囲にある実施例
1〜6のクリーニングテープによれば、LTOドライブ
におけるMR素子に対して静電気による悪影響を全く及
ぼすことがなく、比較例1のクリーニングテープを用い
た場合に生じるような静電破壊によるMR素子の異常を
引き起こすことがないことがわかる。
【0061】LTOドライブのヘッドクリーニングにお
いて、実施例1・2・4・5のクリーニングテープを用
いた場合は、ヘッド表面に偏磨耗や傷を生じることが全
くなく、良好なヘッドあたりを確保できることもわか
る。これらの実施例に係るクリーニングテープの効果に
比べると実施例3・6のクリーニングテープのそれはや
や劣るものの、それでもヘッド表面における偏磨耗や傷
の発生は比較例1のクリーニングテープを用いた場合と
比べると僅かであり、ヘッドあたりの悪化を生じるまで
には至っていない。
【0062】LTOドライブのヘッドクリーニングにお
いて、比較例1のクリーニングテープを用いた場合は、
クリーニング後のLTOテープの出力が78%までしか
回復しなかったのに対して、実施例1〜6のクリーニン
グテープを用いた場合はクリーニング後のLTOテープ
の出力が最低でも90%にまで回復し(実施例6の場
合)、最高(実施例1の場合)では初期状態のヘッドに
よる出力を超えて112%にまで達していることがわか
る。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気ヘッ
ド等をクリーニングするためのカートリッジ式クリーニ
ングテープにおいて、クリーニング層の表面固有抵抗が
3×103 〜5×108 Ω/cm2 としたことにより、ク
リーニング層の帯電を少なくすることができるので、M
Rヘッド等の高感度ヘッドと接触しても静電破壊を生じ
ることがなく、しかも導電性が必要以上に高くなく適切
な範囲となるので、ヘッドからの電流による動作不良も
防止することができる。
【0064】また、クリーニングテープのヤング率およ
びET3 を特定範囲に設定したことにより、良好なヘッ
ドあたりを確保できるので、クリーニング時における磁
気ヘッドの偏磨耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングテープを装着した1リー
ルカセットの一般的な構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 1リールカセットのケース本体 2 リール 3 クリーニングテープ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の一方の面に、磁性粉末
    および結合剤を含有するクリーニング層が形成された、
    再生ヘッドに磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を用
    いるヘッドシステム用のクリーニングテープが、1リー
    ルのカートリッジに組み込まれているカートリッジ式ク
    リーニングテープにおいて、 当該クリーニングテープの全厚が3〜9μmであり、 前記クリーニング層の残留磁束密度と厚さの積(Br・
    δ)が0.005〜0.08μTmであり、 前記クリーニング層の表面固有抵抗3×103 〜5×
    108 Ω/cm2 とすることにより、前記MRヘッドの静
    電破壊と、前記MRヘッドから前記クリーニング層に電
    流が流れることによる前記MRヘッドの動作不良の発生
    とを防止することを特徴とするカートリッジ式クリーニ
    ングテープ。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上の一方の面に、磁性粉末
    および結合剤を含有するクリーニング層が形成された、
    再生ヘッドに磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)を用
    いるヘッドシステム用のクリーニングテープが、1リー
    ルのカートリッジに組み込まれているカートリッジ式ク
    リーニングテープにおいて、 当該クリーニングテープの全厚が3〜9μmであり、 当該クリーニングテープの全厚をT、長手方向のヤング
    率をEとした時のET3 が、4×10-7 Pa・m3
    1.1×10-5Pa・m3あり、 前記クリーニング層の表面固有抵抗3×103 〜5×
    108 Ω/cm2 とすることにより、前記MRヘッドの静
    電破壊と、前記MRヘッドから前記クリーニング層に電
    流が流れることによる前記MRヘッドの動作不良の発生
    とを防止することを特徴とするカートリッジ式クリーニ
    ングテープ。
  3. 【請求項3】 当該クリーニングテープの全厚が3〜7
    μmである請求項1または2記載のカートリッジ式クリ
    ーニングテープ。
  4. 【請求項4】 クリーニング層の表面固有抵抗が5×1
    3 〜1×108 Ω/cm2 である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のカートリッジ式クリーニングテープ。
  5. 【請求項5】 クリーニング層の表面固有抵抗が1×1
    4 〜1×108 Ω/cm2 である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のカートリッジ式クリーニングテープ。
  6. 【請求項6】 クリーニング層の表面固有抵抗が3×1
    5 〜1×107 Ω/cm2 である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のカートリッジ式クリーニングテープ。
  7. 【請求項7】 クリーニング層は、単層もしくは2層以
    上の層からなる請求項1ないし6のいずれかに記載のカ
    ートリッジ式クリーニングテープ。
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