JP2005182966A - 磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2005182966A
JP2005182966A JP2003426290A JP2003426290A JP2005182966A JP 2005182966 A JP2005182966 A JP 2005182966A JP 2003426290 A JP2003426290 A JP 2003426290A JP 2003426290 A JP2003426290 A JP 2003426290A JP 2005182966 A JP2005182966 A JP 2005182966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
tape
layer
magnetic layer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003426290A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsutaro Inoue
鉄太郎 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2003426290A priority Critical patent/JP2005182966A/ja
Publication of JP2005182966A publication Critical patent/JP2005182966A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】磁気記録テープであるとともに、両面に記録する。
【解決手段】両磁性層の保磁力の差が4kA/m以下、中心線平均粗さが測定視野5μm×5μmで2〜6nm、1250μm×1250μmで8〜14nmであることを特徴とする磁気記録媒体を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、非磁性支持体上に磁性層を形成することにより得られる磁気記録テープに関し、記録容量、アクセス速度、転送速度が高く、長期保存性に優れた磁気記録テープに関する。
磁気記録媒体の一つの磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピユーターテープなど種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープの分野ではバックアップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数百GB以上の記憶容量のものが商品化されており、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、バックアップテープの高容量化は不可欠である。
磁気記録テープの高容量化のためには、記録面積を多くすることが常套手段である。これを実現するために、テープの薄手化とともに有効な方法は、テープの両面を磁気記録層として用いて両面磁気記録テープを実現することである。これまでも特開昭64−70916、特開平5−67325、特開平7−6551、特開2002−269719、特開2003−331401などに両面磁気テープの記載があり、高容量化がはかられていた。
しかしこれらで提案されている両面記録の磁気テープに関しては、転写及び整巻性に関しての検討がされておらずデータの保存性・テープ走行性などの信頼性という点では不利である。
また特開2002−269719における両面磁気テープの発明において表面性の記述があり、高密度化をはかっている。しかしこの範囲の表面性においては、高密度化と、転写が起きず走行性が安定するという両者を同時に満たすことは困難である、
一方、両面磁気層とするテープでも片面をデータ記録層、逆面をサーボトラック層とする磁気記録テープについても、特開平11−126327、特開2000−315312、特開2001−43525、特開2003−331415等で提案されている。
しかしこれらの両面磁気記録テープにおいては、表裏両面に異なった機能を持たせているため、両方の面に同一のデータを記録して高容量化をはかることはできない。特に両面の磁気特性が異なっており、サーボ記録用の低保磁力面では高密度記録は期待できないといった問題点があった。また表面性に関する検討もされていないので、データの保存性・テープ走行性などの点では不利である。
両面磁気記録テープを保存している間におきる転写を防ぐためには、テープが巻き取られて両面が接触したとき、なるべく記録層同士が離れさせることが必要である。このため両面の表面平滑性は粗い方が有利である。また残留磁束密度を下げ、両者から出てくるもれ磁界が小さくする方が、保存に関しては有利である。しかし高記録密度のテープを作成ためにはテープの表面性を平滑にし、磁性層の飽和磁束密度を高めることが必須であり、保存性と高記録密度を両立することは困難であった。
また保存性が保たれる範囲で表面を平滑にした場合、従来の磁気テープで使用しているような走行安定用のバックコート面に比べると、極端に平滑な表面になってしまう。このような場合転写はおこらずとも、ドライブ中でテープ走行不安定を引き起こして、幅方向のテープ変動(LTM)が大きくなることがある。またカートリッジやドライブのテイクアップリール、さらには製造時におけるパンケーキの巻きが悪化、巻きずれがおき、保存時やテープ走行時にエッジダメージを引き起こしてしまう。このように平滑両面テープにおいてはLTM不良やエッジダメージといった品質の劣化および、巻きずれにより取り扱いが難しくなり、生産効率の低下といった問題点が出てくる。
本発明は、主として、磁気記録媒体における上記のような問題に対処するもので、その目的は、高容量化に対応した高記録密度特性を有しながら転写が起こらず、整巻性の良い両面磁気記録テープを提供する。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、両面平滑性と磁気特性の範囲を的確に調節することで、高記録密度とテープの転写を防ぐことの両者が両立されることを見出した。
本発明は、以上の知見をもとにして、完成されたものである。すなわち、本発明は可撓性支持体の片面上に磁性層を有し、反対面上にも磁性層を有し、巻き取られて保存される磁気記録テープにおいて、該両磁性層の保磁力の差が4kA/m(50Oe)以下であり、該両磁性層の中心線平均粗さRaがともに、測定視野5μm×5μmでは2〜6nmの範囲であり、測定視野1250μm×1250μmでは8〜14nmであることを特徴とする磁気記録テープ。(請求項1)と、前記磁気記録媒体の両磁性層の厚みが、ともに120nm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録テープ(請求項2)と、前記磁気記録媒体の両磁性層の保磁力が、ともに175kA/m(2200Oe)以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録テープ(請求項3)に関わるものである。
以上のように、本発明の請求項1に係る磁気記録媒体によれば、高容量化に対応した高記録密度特性を有する両面磁気記録テープを得ることができる。
以下、本発明の磁気記録媒体の好ましい実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。磁気記録媒体はデジタル記録用であり、可撓性非磁性支持体の両面上に、少なくとも上層磁性層がそれぞれ設けられている。特に薄層上層磁性層が必要である場合には、支持体の前記上層磁性層との間に下層非磁性層を設けることができる。以下に本発明を実施するための、可撓性非磁性支持体、下層非磁性層、上層磁性層について詳述する。
本発明においては、テープ状の可撓性支持体を使用する。可撓性支持体としては、通常、非磁性の支持体、すなわち非磁性支持体を使用するが、磁性粉を含有させた支持体を排除するものではない。可撓性非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.9GPa(600kg/mm)以上で、且つ幅方向のヤング率が3.9GPa(400kg/mm)以上であることが好ましく、さらに長手方向のヤング率が9.9GPa(1000kg/mm)以上、且つ幅方向のヤング率が7.9GPa(800kg/mm)以上がより好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率が5.9GPa(600kg/mm)以上がよいのは、長手方向のヤング率が5.9GPa(600kg/mm)未満では、テープ走行が不安定になるためである。非磁性支持体の幅方向のヤング率が3.9GPa(400kg/mm)以上がよいのは、幅方向のヤング率が3.9GPa(400kg/mm)未満では、テープのエッジダメージが発生しやすくなるためである。
このような特性を満足する非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、二軸延伸の芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等がある。なお、非磁性支持体の厚さは、用途によって異なるが、通常2〜7μmのものが使用される。より好ましくは2.5〜5.5μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、7μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記憶容量が小さくなるためである。また、非磁性支持体の磁性層形成面の表面中心線平均粗さ(Ra)は2.5nm以上20nm以下がより好ましい。20nm以下がより好ましいのは、20nm以下であれば、下層非磁性層を薄くしても下層非磁性層表面及び磁性層表面の凹凸が小さくなるためである。
下層非磁性層には、強度を高める目的で非磁性の無機質粉末を含み、この無機質粉末としては、金属酸化物、アルカリ土類金属塩等であることが好ましい。更に下層非磁性層に添加する無機質粉末としては、酸化鉄が好ましく、その粒径は50〜400nmがより好ましく、添加量は、全無機質粉体の重量を基準にして35〜83重量%が好ましい。この範囲の粒径が好ましいのは、粒径50nm未満では均一分散が難しく、400nmを越えると下層非磁性層とその直上の層との界面の凹凸が増加するためである。また、この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えると反って塗膜強度が低下するためである。
下層非磁性層にはアルミナを添加することが好ましい。アルミナの添加量は、全非磁性粉体の重量を基準にして2〜30重量%がより好ましく、8〜20重量%がさらに好ましく、11〜20重量%が一層好ましい。添加するアルミナの粒径は、100nm以下が好ましく、10〜100nmのアルミナ添加がより好ましく、30〜90nmがさらに好ましく、50〜90nmが一層好ましい。また、下層非磁性層のアルミナはコランダム相を主体とするアルミナが特に好ましい。上記範囲のアルミナ添加量が好ましいのは、2重量%未満では塗料流動性が不充分となり、30重量%を越えると下層非磁性層とその直上の層との凹凸が大きくなるためである。また、100nm以下のアルミナが良いのは、磁性層形成面の表面粗さが2.5nm以上の平滑度が低い非磁性支持体を使用し、下層非磁性層が1.5μm以下と薄い場合に、アルミナの粒径が100nmを越えると、下塗層表面の平滑効果が不充分になるためである。コランダム相を主体とするアルミナ(α化率:30%以上)が特に良いのは、σ、θやγアルミナ等を使用した場合に比べて少量で下塗層のヤング率が高くなり、テープ強度が増すためである。また、テープ強度も高くなることで、テープエッジの波打ち(エッジウィーブ)による出力のばらつきも改善される。
なお、上記粒径のアルミナと共に、全無機質粉体の重量を基準にして3重量%未満の100〜800nmのαアルミナを添加することを排除するものではない。
下層非磁性層には、導電性向上を目的にカーボンブラック(CB)を添加する。添加するCBとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、CBがストラクチャーを持っているため、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では平滑性が悪くなるためである。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、全非磁性粉末に対して15〜40重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、40重量%を越えると効果が飽和するためである。粒径15nm〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量のCBを添加することにより電気抵抗が低減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが小さくなる。
下層非磁性層の厚みは、通常0.5〜3μmのものが使用される。より好ましくは1〜2μmである。この範囲の厚さの下層非磁性層が使用されるのは、0.5μm未満では塗布が難しく、生産性が悪いためであり、3μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記憶容量が小さくなるためである。また、非磁性支持体と下層の間に密着性向上のために、公知の下塗り層を設けてもかまわない。この厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。
上層磁性層に添加する磁性粉には、強磁性鉄系金属粉が使用される。保磁力は、135kA/m〜280kA/m(1700〜3500Oe)が好ましく、175kA/m〜240kA/m(2200〜3000Oe)がより好ましい。飽和磁化量は、100〜200A・m/kg(100〜200emu/g)が好ましく、120〜180A・m/kg(120〜180emu/g)がより好ましい。磁性粉の飽和磁束の劣化率Δσsは16%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、7%以下が最も好ましい。なお、この強磁性鉄系金属粉の磁気特性と、以下に述べる磁性層の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1.28MA/m (16kOe)での測定値をいうものである。
また、本発明の強磁性鉄系金属粉の平均長軸長としては、150nm以下が好ましく、20〜80nmがより好ましい。この範囲が好ましいのは、150nmより大きいと粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなり、C/N特性を向上させることが困難になる。また、平均長軸長が10nm未満となると保磁力が低下し、同時に磁性粉の凝集力が増大するため塗料中への分散が困難になるためである。なお、上記の平均長軸長は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真の粒子サイズを実測し、100個あたりの平均値により求めたものである。また、この強磁性鉄系金属粉のBET比表面積は、35〜85m2/gが好ましく、40〜80m2/gがより好ましく、50〜70m2/gが最も好ましい。
磁性層の厚みは1nm以上250nm以下が好ましく、40nm以上150nm以下がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁性層が1nm未満では、これからの漏れ磁界が小さいためにヘッド出力が小さくなり、250nmを越えると、厚み損失によりヘッド出力が小さくなるためである。
上層磁性層の磁気記録媒体としての保磁力は、ヘッド走行方向で135kA/m〜280kA/m(1700〜3500Oe)が好ましく、175kA/m〜240kA/m(2200〜3000Oe)がより好ましい。残留磁束密度はテープ長手方向で0.3T(3000G)以上が好ましく、0.35T〜0.5T(3500〜5000G)のものはより好ましい。この範囲が好ましいのは、保磁力が135kA/m未満では、反磁界によって出力が減少し、また両面磁気テープにした場合に転写によるデータの劣化が引き起こされる可能性があるからである。280kA/mを越えるとヘッドによる書き込みが困難になるためであり、また280kA/m以上の保磁力を得るための磁性粉は製造が困難であり、実際の磁気テープに使用する為にはコストがかかりすぎるからである。残留磁束密度が0.3T以上が好ましいのは、0.3T未満では出力が低下するためである。
上層磁性層の磁気記録媒体としてのSFDは0.5以下が好ましく、0.1から0.4の範囲が更に好ましく、0.1から0.35の範囲がより好ましい。SFDが0.5以下が好ましいのは0.5を超えると、短波長記録において1bitの分解能が極端に悪くなり、エラーレイトが急激に上昇するからである。また0.1から0.4の範囲がより好ましいのは、SFDを0.1以下にすることは、磁性粉を改良する必要があるが、このレベルは技術的に非常に困難であり、実現した場合のコストが上がってしまうからである。また0.4以下がより好ましいのは、0.4を超えた場合、耐食が起こってSFDが劣化した場合のマージンが小さくなってしまうからである。
MRヘッドを再生ヘッドとして用いるシステムに供する場合、上層磁性層の長手方向の残留磁束密度と磁性層膜厚との積であるMrt値が72Tnm(6.0memu/cm)以下であり、角形比が0.85以上であることが好ましい。Mrtが72Tnm以下が好ましいのは、72Tnm以上ではほとんどのMRヘッドを飽和させてしまうからである。角形比が0.85以上であることが好ましいのは、0.85以下であると熱擾乱による記録減磁が起こるからである。Mrtは2〜24Tnm(0.2〜2.0memu/cm)の範囲がより好ましく、角形比は0.90〜0.97の範囲がより好ましい。また両磁性層は同様の記録再生システムを用いて使用されることから、両者の保磁力の差は実質的に等しいことが好ましく、4kA/m(50Oe)以下が好ましい。
上層磁性層添加する研磨材としては、数平均粒子径が5〜150nm、粒度分布が標準偏差で10nm以下であり、主としてモース硬度6以上のα−アルミナ、β−アルミナが単独または組み合わせで使用される。これらの中でもコランダム型のアルミナ(α化率:30%以上)が特に良いのは、σ、θやγアルミナ等を使用した場合に比べては高硬度で、少量の添加量でヘッドクリーニング効果に優れるため特に好ましい。アルミナ研磨材の粒径としては、磁性層厚さにもよるが、通常平均粒径で20〜100nmとすることがより好ましく、粒径30〜90nmがさらに好ましい。添加量は強磁性鉄系金属粉100重量部に対して5〜20重量部が好ましい。より好ましくは8〜18重量部である。
さらに、本発明の上層磁性層には導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボンブラック(CB)を添加することができるが、これらのCBとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、等を使用できる。粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁性鉄系金属粉100重量部に対して0.2〜5重量部が好ましい。より好ましくは0.5〜4重量部である。
下層非磁性層と上層磁性層に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下層非磁性層には、全無機質粉体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープと回転シリンダまたはヘッドアイランドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われる。また、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるため、テープと回転シリンダまたはヘッドアイランドが貼り付く等の副作用があるためである。
上層磁性層には強磁性鉄系金属粉に対して0.5〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープと回転シリンダとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の脂肪酸アミドが好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッド/磁性層界面での直接接触が起りやすく焼付き防止効果が小さく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生する。脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸、ステアリン酸等のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えるとテープと回転シリンダが貼り付く等の副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下層非磁性層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
下層非磁性層と上層磁性層に使用される結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂、ニトロセルロースなどの中から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂との組み合わせがある。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどがある。これらの結合剤は、磁性層では強磁性鉄系金属粉、下層非磁性層では全非磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。特に、結合剤として、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
官能基としてCOOH、SOM、OSOM、P=O(OM)、O−P=O(OM)、[Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、OH、NR、N[R、R、R、R、R は水素または炭化水素基]、エポキシ基を有する、高分子からなる結合剤が使用される。このような結合剤を使用するのは、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SOM基同士の組み合わせが好ましい。
これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好ましくは15〜35重量部である。
上層磁性層には、磁性粉の表面処理をし、耐食性を向上させる分散剤を含有させることが望ましい。この分散剤としては、リン酸エステル、シランカップリング剤などが好ましい。これらの分散剤は磁性粉100重量部に対して、通常1〜6重量部の割合で用いられる。より好ましくは1.5〜5重量部である。
両層に用いられる有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等が単独、もしくは任意の比率で混合して使用できる。
上層磁性層の平均乾燥厚みを1nm〜150nmの任意の厚みで精度良く生産性良く塗布することは、前記上層磁性層の直下に下層非磁性層を、前記下層非磁性層が湿潤状態のうちに、前記上層磁性層を重畳して塗布する、ウェットオンウェット同時重層塗布方式を用いて設けることによって実現できる。塗布には塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つのダイ塗布ヘッドにより、下層非磁性層と上層磁性層をほぼ同時に塗布する。塗布の安定性をあげるために、下層非磁性層に用いる溶媒の表面張力が、上層磁性層に用いる溶媒の表面張力より高いことが好ましい。表面張力の高い溶媒としてはシクロヘキサノン、ジオキサンなどがある。塗布した磁性層は適当な磁場配向、乾燥を施し、溶剤成分を十分除去したのち巻き取られる。
ついで同様に裏面の磁性層を塗布する。裏面の磁性層は表面の磁性層と同様の工程で塗布することができる。また表層を塗布、配向、乾燥、巻き取りした原反を再び巻きだして塗布することもできる。さらに表層の塗布、配向、乾燥と裏層の塗布、配向、乾燥を巻きだし、巻き取りは同じという意味での同時に塗布することもできる。
両面の磁気記録層を塗布した後に、金属ロール同志でカレンダー処理することで、本発明の効果を引き上げることができる。また、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールをカレンダーロールとして使用することもできる。処理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm、さらに好ましくは300kg/cm以上、その速度は20m/分〜700m/分の範囲である。本発明の効果は80℃以上の温度で300kg/cm以上の線圧でより一層効果を上げることができる。本発明のように下層非磁性層を設けることで、同一のカレンダー条件でも上層磁性層の飽和磁束密度を高くし、表層塗布層の表面粗さを制御することができる。また表層と裏層の両層の塗布、カレンダー処理の後、両塗布層の硬化を促進するために、40℃〜80℃のエージング処理を施してもかまわない。
前記下層非磁性層と上層磁性層からなる表層塗布層のヤング率は、ともに非磁性支持体の長手方向と幅方向のヤング率の平均値の40〜100%であることが好ましい。この範囲に塗布層のヤング率がすると、テープの耐久性が大きく、且つテープ-ヘッド間のタッチがよくなる。50〜100%の範囲がより好ましく、60〜90%の範囲がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは40%未満では塗布膜の耐久性が小さくなり、100%を越えるとテープ-ヘッド間のタッチが悪くなるためである。なお、本発明では下層非磁性層と上層磁性層からなる塗布層のヤング率を制御する方法の一つとしてカレンダー条件による制御法を用いた。
さらに、下層非磁性層のヤング率は、上層磁性層のヤング率の80〜99%が好ましい。下層非磁性層のヤング率が磁性層のそれより低い方がよいのは、下層非磁性層が、カレンダー処理時に一種のクッションの作用をするためである。
本発明の磁気記録媒体の表層及び裏層の塗布層面のステンレス鋼に対する摩擦係数は、0.5以下、さらに0.3以下が好ましい。摩擦係数の測定は直径12.7mmのステンレス綱SS-310を用いて、ISO 8295に従って行った。また両塗布層の表面固有抵抗は104 〜1011オーム/sq が好ましい。前記の要領で作成した媒体をテープに組み込んだカセットテープは、1巻当たりの容量が大きく、走行信頼性も高く、データバックアップ用テープとして、特に優れている。
本発明の磁気記録媒体の表層及び裏層の塗布層面の表面粗さは、測定視野5μm×5μmでは2〜6nmの範囲であることが好ましく、2.5〜4.0nmの範囲であることがより好ましい。また測定視野1250μm×1250μmでは8〜14nmであることが好ましく、10〜12nmであることがより好ましい。測定視野5μm×5μmでの表面性がこの範囲が好ましいのは、両面のRaが2nmより平滑になると、カレンダーや乾燥の条件が製造において耐えられないほど厳しいものになり、生産性を極端に落とすからである。また6nmより大きいと十分な出力を得ることができないからである。また測定視野1250μm×1250μmでの表面性がこの範囲が好ましいのは、両面のRaが8nmより平滑になると巻き取られたときに磁気転写をおこし、保存されたデータを損なうこと、また整巻性およびLTMが悪化するからである。また14nmより大きいと表面性起因の変調ノイズが増加するからである。
狭い測定視野と広い測定視野の表面性を上記範囲に制御することが本発明の特徴であるが、これは両塗布層を塗布後乾燥する工程を高精度で制御することで実現できる。特に表面塗布時の最終乾燥ゾーンの温度Tfと風速Wf、及び裏面塗布時の初期乾燥ゾーンの温度Tbと風速Wbを適切に組み合わせることによって、上記のような表面性の制御が可能になる。0.75<Tb/Tf<0.95かつ0.6<Wb/Wf<0.8とすることが好ましい。Tfの温度範囲は80℃〜120℃が好ましく、90℃〜100℃がより好ましい。Wfの風速範囲は5m/s〜25m/sが好ましい。
以下に実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部は重量部を示す。
<<磁性層用塗料成分>>
(1)強磁性鉄系金属粉 100部
(Co/Fe:30at%、Y/(Fe+Co):8at%、
Al/(Fe+Co):5wt%、σs:125A・m/kg、
SFD:0.48、Δσs:10%
Hc:157kA/m、pH:9.5、長軸長:110nm)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 10部
(含有−SONa基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4部
(含有−SONa基:1.0×10-4当量/g)
α−アルミナ 15部
(α化率:50%、平均粒径:120nm)
カ−ボンブラック 2部
(平均粒径:75nm、DBP吸油量:72cc/100g)
メチルアシッドホスフェート 2部
パルミチン酸アミド 1.5部
ステアリン酸n-ブチル 1.0部
テトラヒドロフラン 65部
メチルエチルケトン 245部
トルエン 85部
(2)ポリイソシアネート 4部
シクロヘキサノン 30部
<<下層非磁性層用塗料成分>>
(1)酸化鉄粉末(粒径:0.11×0.02μm) 68部
アルミナ(α化率:50%、粒径:70nm) 8部
カ−ボンブラック(粒径:25nm) 24部
ステアリン酸 2部
塩化ビニル共重合体 10部
(含有−SONa基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部
(Tg:40℃、含有−SONa基:1×10-4当量/g)
シクロヘキサノン 25部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 10部
(2)ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 70部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 20部
(3)ポリイソシアネート 4.5部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 15部
トルエン 10部
上記の磁性層用塗料成分(1)をニーダで混練したのち、サンドミルでビーズ径0.5mmのジルコニアビーズを用いて滞留時間を45分として分散し、これに磁性層用塗料成分(2)を加え撹拌、濾過後、磁性層用塗料とした。更にこれらとは別に、上記の下層非磁性層用塗料成分において(1)をニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下層非磁性層用塗料とした。
上記の磁性層用塗料と下層非磁性層塗料を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ6μm、MD=5.9GPa、TD=3.9GPa、東レ製)からなる支持体上に、磁場配向処理、乾燥、カレンダー後の磁性層の厚さが250nm、上層磁性層と下層非磁性層とを足し合わせた表層塗布層の厚さが1.1μmとなるように同時重層塗布し、磁場配向処理後、乾燥し、巻き取り磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(0.5T)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(0.5T)を2基50cm間隔で設置して行った。また乾燥条件は最終ゾーンの温度100℃、風速13m/sとした。塗布速度は100m/分とした。
上記で作製した磁気シ−トの磁性層の反対面に、磁場配向、乾燥、カレンダー後の磁性層の厚さが250nm、上層磁性層と下層非磁性層とを足し合わせた表層塗布層の厚さが1.1μmとなるように、上記磁性層塗料と下層非磁性層塗料とを同時重層塗布し、磁場配向、乾燥し、巻き取った。磁場配向の条件は上記表面層塗布時と同一にした。乾燥条件は初期乾燥ゾーンの温度を80℃、風速を10m/sとした。このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダーで、温度100℃、線圧150kg/cmの条件でカレンダー処理し、磁気シ−トをコアに巻いた状態で70℃で72時間エージングした。こののち、1/2インチ幅に裁断し、これを200m/分で走行させながら両磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そして表面拭き取りの後処理を行い、磁気テ−プを作製した。この時、ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りにはトレシーを用い、走行テンション30gで処理を行った。上記のようにして得られた磁気テープをカートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。
表裏両層に使用した磁性粉をσs:125A・m/kg、Hc:186kA/mの強磁性鉄系金属粉に変更したことを除き、実施例1と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
表裏両面の磁性層膜厚を100nmに変更したことを除き、実施例2と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
表裏両総の乾燥条件をTf=90℃、Wf=12m/s、Tb=75℃、Wb=9m/sに変更したことを除き、実施例3と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
表裏両総の乾燥条件をTf=110℃、Wf=13.5m/s、Tb=95℃、Wb=11m/sに変更したことを除き、実施例3と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
(比較例1)
表裏両総の乾燥条件をTf=120℃、Wf=14m/s、Tb=110℃、Wb=13m/sに変更したことを除き、実施例1と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
(比較例2)
表面層に使用した磁性粉のみをσs:125A・m/kg、Hc:148kA/mの強磁性鉄系金属粉に変更したことを除き、実施例1と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
(比較例3)
表裏両総の乾燥条件をTf=75℃、Wf=10m/s、Tb=75℃、Wb=8m/sに変更したことを除き、実施例1と同様にしてコンピュータ用テープを作成した。
評価の方法は、以下のように行った。結果を表1に示した。磁気特性は試料振動型磁束計で、最高磁場1.28MA/m(16kOe)の条件下で測定した。ヒステリシスループを書かせた上で、これからMrt、Hc、SFD等の特性値を求めた。
表面及び裏面の磁性層の中心線平均粗さRaは、光学式表面粗さ計(Zygo社製、型式Maxim・3D5700)、及びAFM(Digital Instruments社製、型式Dimension 3000)を用いて行った。測定視野1250μm×1250μmの測定には光学式表面粗さ計を使用し、ミラウレンズを用いて10点測定し、平均線中心粗さRa、ピークバレー値PVなどの特性値を求めその平均値を採用した。測定視野5μm×5μmの測定にはAFMを使用し、測定条件はタッピングモードとして同様にて10点測定し、平均線中心粗さRa、ピークバレー値PVなどの特性値を求めその平均値を採用した。
テープの電磁変換特性測定には、ドラムテスターを用いた。ドラムテスターには電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.2ミクロン)とMRヘッド(トラック幅8μm、ギャップ0.2ミクロン)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MRヘッドで再生を行った。両ヘッドは回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができる。テープはカートリッジシールから適切な量引き出して廃棄し、更に60cmを切り出してドラム外周に巻き付けて測定を行う。出力及びノイズは、ファンクションジェネレータにより電流発生器に入力し、波長0.2μmの矩形波信号を書き込む。その後MRヘッドで再生を行い、この出力をプリアンプで増幅後、スペクトラムアナライザーに読み込んだ。0.2μmのキャリア値を媒体出力Cとした。また0.2μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.2μm以上に相当するスペクトルの成分から、出力及びシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。更に両者の比をとってC/Nとし、C、C/Nともにリファレンスとして用いているLTO2テープの値との相対値を求めた。
転写の確認は以下のような測定から判定した。まず表裏両面に短波長の記録信号を書き込む。書き込みは1/2インチ−2リールテスターに薄膜のインダクティブヘッドを専用ジグによって装着して行った。薄膜ヘッドのトラック幅は250μm、ギャップ長は0.3μmである。実際の測定ではまず表面に対して、波長0.4μmの矩形波をテープの先端から20mの地点より130mにわたって書き込む。その後書き込みヘッドの位置をずらしてテープのエッジから1mmの範囲を除き幅方向には全面に書き込み、トラックの本数は100本とした。その後専用ジグを取り付け直し、テープ裏面が書き込めるように設定する。裏面に対しては波長0.8μmの矩形波をテープ先端から30mの地点より60mにわたって書き込む。表面と同様にしてテープのほぼ全幅方向に100本のトラックを形成した。
続いて保存後の再生出力を、ドラムテスター装着のMRヘッドで測定した。上記両面記録した磁気記録テープを、リール状のまま60℃90%RHの環境下で7日間保存し、そののちテープの表面の出力を測定した。保存後のサンプルから適切な量引き出して廃棄し、テープ先端から40mから50mの地点の任意の60cmを切り出して、上記と同様にしてMRヘッドによる出力Cdを測定した。またテープ先端から80mから100mの地点の任意の60cmを切り出し、同様に出力Cmを測定した。上記のように測定した出力から、Cd/Cmの値を持って転写OW値とした。
テープのLTMも1/2インチ−2リールテスターを用いて行った。テープの上エッジ部分に裏面側からLED光源による単色光を当て、テープ表面側に設置した受光器により光量を測定する。テープのエッジ位置が変化することで受光量が変化するので、受光量とエッジ位置の検量線を作成し、エッジ位置を検出できるようにする。次にテープを2.54m/sで走行させ、エッジ位置を400mの範囲にわたってサンプリングする。全長にわたって得られたサンプリングデータの標準偏差σを求め、3σをもってLTM値とした。
テープの整巻性は、カートリッジ巻き取り後のリールを観察して判定した。テープ巻きに明確な段差がなければ○、明確な段差があるもの×とした。
Figure 2005182966
表1に示す結果から明らかなように、実施例の磁気テープ(本発明品)は、比較例の磁気テープに比して、両面記録テープとして適切な性能を有していることが分かる。

Claims (3)

  1. 可撓性支持体の片面上に磁性層を有し、反対面上にも磁性層を有し、巻き取られて保存される磁気記録テープにおいて、該両磁性層の保磁力の差が4kA/m(50Oe)以下であり、該両磁性層の中心線平均粗さRaがともに、測定視野5μm×5μmでは2〜6nmの範囲であり、測定視野1250μm×1250μmでは8〜14nmであることを特徴とする磁気記録テープ。
  2. 前記磁気記録媒体の両磁性層の厚みが、各々120nm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録テープ。
  3. 前記磁気記録媒体の両磁性層の保磁力が、各々175kA/m(2200Oe)以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録テープ。
JP2003426290A 2003-12-24 2003-12-24 磁気記録テープ Withdrawn JP2005182966A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003426290A JP2005182966A (ja) 2003-12-24 2003-12-24 磁気記録テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003426290A JP2005182966A (ja) 2003-12-24 2003-12-24 磁気記録テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005182966A true JP2005182966A (ja) 2005-07-07

Family

ID=34785863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003426290A Withdrawn JP2005182966A (ja) 2003-12-24 2003-12-24 磁気記録テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005182966A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7595950B2 (en) 2006-03-27 2009-09-29 Imation Corp. Robust data storage techniques for two-sided data storage tape

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7595950B2 (en) 2006-03-27 2009-09-29 Imation Corp. Robust data storage techniques for two-sided data storage tape

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6737415B2 (ja) 磁気記録テープとその製造方法、磁気記録テープカートリッジ
US8124256B2 (en) Magnetic recording medium
JP2005228377A (ja) 磁気テープ
US20100143751A1 (en) Magnetic recording media having low broadband noise
US6723415B2 (en) Magnetic recording medium
US7517598B2 (en) Magnetic recording medium utilizing specified non-magnetic particles in the magnetic layer
US20060141140A1 (en) Magnetic recording medium
US7259935B2 (en) Magnetic tape including an intermediate layer consisting essentially of a binder
JP3864339B2 (ja) 磁気テープ
JP2004103217A (ja) 磁気記録媒体
JP2005182966A (ja) 磁気記録テープ
JP4383316B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気テープカートリッジ
JPH097159A (ja) 磁気記録ディスク及び磁気記録再生方法
JP3963327B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4335093B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4683403B2 (ja) カートリッジ式クリーニングテープ
JP3448386B2 (ja) 磁気テ―プ
JP2004014038A (ja) 磁気記録媒体
JP4532341B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001006151A (ja) 磁気記録媒体
JPH1186270A (ja) 磁気記録媒体
JP2006286098A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2007133939A (ja) 磁気記録媒体
JP2003091807A (ja) 磁気記録媒体
JP2007193920A (ja) 磁気テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070306