JP3502049B2 - カラーの固定方法及び該カラーの固定方法を用いたカラー付きパイプ - Google Patents

カラーの固定方法及び該カラーの固定方法を用いたカラー付きパイプ

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JP3502049B2 JP2001029832A JP2001029832A JP3502049B2 JP 3502049 B2 JP3502049 B2 JP 3502049B2 JP 2001029832 A JP2001029832 A JP 2001029832A JP 2001029832 A JP2001029832 A JP 2001029832A JP 3502049 B2 JP3502049 B2 JP 3502049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネジ穴を有する円
筒状のカラーを一端の外周に固定したパイプと、軸方向
にスライド可能に嵌入された可動パイプとを前記ネジ穴
に固定ネジをねじ込んで固定するパイプ固定機構におけ
る前記カラーを、前記パイプに強固に固定することがで
きるカラーの固定方法及び該固定方法を用いたカラー付
きパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパイプ固定機構を図7及び図8を
参照して説明する。図7はパイプ固定機構の実用例とし
て、洋服が掛かったハンガーをまとめて掛けるためのハ
ンガーラックを示す図であり、図中の1がパイプ固定機
構を示している。また、図8は前記ハンガーラックにお
けるパイプ固定機構の拡大図である。
【0003】<従来のパイプ固定機構の説明>従来のパ
イプ固定機構1は、図7に示す如く、パイプ2と、その
パイプ2中に軸方向にスライド可能に嵌入された、前記
パイプ2より小径の可動パイプ13と、固定ネジ20
と、前記パイプ2の一端の外周に取り付けられ、両端の
内径が異なる、断面が図8に示されるような円筒状のカ
ラー3とから構成される。
【0004】前記固定ネジ20は、図8に示すように、
ネジ部(ボルト)201と、そのネジ部201の一端に
インサート成形等によって一体に固定されたダイキャス
ト製の撮み部202とから成る。また前記カラー3は、
両端のうち内径が大きい方の大径円筒孔部31と、内径
が小さい方の小径円筒孔部32と、小径円筒孔部32寄
りの外周に径方向に設けたネジ穴33とから成る。ここ
で、前記カラー3の大径円筒孔部31の内径は、前記パ
イプ2の外径とほぼ同一もしくは若干小さく、また、小
径円筒孔部32の内径は前記可動パイプ13の外径より
若干大である。従来のパイプ固定機構1では、前記カラ
ー3の大径円筒孔部31が前記パイプ2の一端に嵌合固
定され、前記カラー3のネジ穴33に前記固定ネジ20
のネジ部201がねじ込まれている。
【0005】上述のように構成された従来のパイプ固定
機構1における、可動パイプ13の固定方法を図8を参
照して説明する。まず、カラー3のネジ穴33に固定ネ
ジ20が弛くねじ込まれた状態でパイプ2に可動パイプ
13がはめ込まれ、次に、そのはめ込みが完了したとこ
ろで固定ネジ20がねじ込まれる。この結果、固定ネジ
20のネジ部201の先端が可動パイプ13に押圧さ
れ、固定ネジ20とカラー3とによって、両者の間で可
動パイプ13が挟持される、すなわち固定ネジ20とカ
ラー3とを介して可動パイプ13がパイプ2に対して固
定される。
【0006】このように、従来のパイプ固定機構1は、
カラー3のネジ穴33に固定ネジ20をねじ込むことに
よって、ネジ部201の先端が可動パイプ13を押圧し
て摩擦力を発生し、カラー3を介して可動パイプ13を
パイプ2に固定するため、可動パイプ13をパイプ2に
対して任意の位置で固定することができる。
【0007】<ハンガーラックへの応用>この従来のパ
イプ固定機構1を前記ハンガーラックに利用すると、ハ
ンガーを掛けるパイプの高さを無段階に調整できる機能
がハンガーラックに備わる。ここで、可動パイプ13の
固定する位置を無段階に調整でき、かつ固定ネジ20に
よってパイプ2と可動パイプ13とを強固に固定するに
は、パイプ2とカラー3とが確実に固定されていること
が望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パイプ固定機構ではカラーをパイプに打ち込んで嵌合、
固定しているため、例えばハンガーを掛けるためのパイ
プを持って、可動パイプが固定された状態のハンガーラ
ックを持ち上げるといった場合には、カラーが嵌合方向
と反対の方向に力を受けることになり、その結果パイプ
とカラーとの嵌合が緩くなったり、カラーがパイプから
外れてしまうといった不都合があった。
【0009】また、パイプとカラーとを接着しても、接
着剤の経年劣化によって上述の打ち込んだ場合と殆ど変
わらない状態となり、いずれにせよカラーがパイプから
半永久的に外れないように両者を確実に固定するのは難
しい。よってカラーがパイプに確実に固定していないた
め、固定ネジを用いて可動パイプをパイプに対して強固
に固定できない、という不具合があった。
【0010】 本発明の目的は、前記の従来技術による
不具合を解決することであり、可動パイプをパイプに対
して固定する位置を無段階に調整でき、かつ固定ネジを
用いて可動パイプを強固に固定するパイプ固定機構を実
現すべく、カラーをパイプに強固に固定することができ
るカラーの固定方法及び該固定方法を用いたカラー付き
パイプを提供することある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、一端寄りの外周面には段差部
分を有し且つ他端寄りの外周面には軸方向に設けられた
棒材側面溝を有する硬質棒材と、孔を有するスライドパ
イプと、前記孔の中に備わる球部材とから成り、前記球
部材を前記硬質棒材の径方向にのみ移動可能となるよう
に前記孔の中に予め組み込んだ状態で、前記スライドパ
イプを前記硬質棒材に他端側から嵌入させ、前記段差部
分でスライドパイプのスライドが停止するように組み合
わせたパイプ加工具を用い、前記硬質棒材の他端側から
前記パイプ加工具に、パイプと、内周面にカラー内面溝
を有する円筒状のカラーとを嵌め込む工程と、前記嵌め
込み工程後に、前記硬質棒材の段差部分に向かって前記
スライドパイプと前記パイプ及びカラーとを一体にして
押し込んで前記段差部分にて前記棒材側面溝から前記球
部材を押し出し、この球部材により前記パイプを変形且
つ突出させ、形成された突出部を前記カラー内壁溝に押
し込むことにより、前記パイプに前記カラーを固定させ
る工程と、前記固定工程後に、前記カラーが固定された
前記パイプを前記パイプ加工具から引き抜く工程とを有
している。
【0012】 請求項2の発明では、請求項1に記載の
カラーの固定方法により、前記パイプと前記カラーと
が、前記カラーの内周面にて固定されてなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカラーの固定方法
及びカラー付きパイプを用いたパイプ固定機構の一実施
形態を図1から図5を参照して詳細に説明する。図1は
本実施形態のパイプと前記カラーとが確実に固定されて
いるパイプ固定機構を示している。本パイプ固定機構
は、パイプの外周に設けた突起と、カラーの内側に予め
設けられているカラー内壁溝とを嵌合させることによ
り、パイプとカラーとを確実に固定する構造である。ま
た、図2は前記のようにパイプとカラーとを確実に固定
するためのパイプの突起を加工するためのパイプ加工具
を示す。さらに図3は本実施形態においてパイプ加工具
にパイプとカラーとをセットしただけの状態で、固定前
の抜脱可能であることを示し、図4はパイプ加工具とパ
イプとカラーとをロックした状態を示す図であり、図5
はロックした状態のパイプ加工具を示している。
【0014】<パイプ加工具の内部構造>まず、パイプ
2とカラー3との固定に使用するパイプ加工具4は、図
2に示すように、硬質棒材5と、孔6を有するスライド
パイプ7と、前記孔6の中に備わる球部材8とから成
る。このパイプ加工具4の内部構造を図3の断面図を用
いて説明すると、硬質棒材5は一端寄りの外周面には段
差部分9を有し、反対側の一端寄りの外周面には軸方向
に棒材側面溝10を有する。ここで、孔6を有するスラ
イドパイプ7を硬質棒材5に、棒材側面溝10のある一
端側から嵌入させ、前記段差部分9でスライドパイプ7
のスライドが停止するように組み合わせる。また、前記
孔6の中には前記棒材側面溝10の深さより半径が大き
い球部材8が、硬質棒材5の径方向にのみ移動可能な状
態で予め組み込まれており、スライドパイプ7のスライ
ドに応じて、前記球部材8が前記棒材側面溝10から出
し入れ自在の状態に構成されている。ここで、球部材8
の直径は5mm程度である。また、パイプ加工具4の設
計の際、硬質棒材5は、硬度が球部材8以上であり、同
様に球部材8の硬度はパイプ2の硬度以上であるような
材料を選定している。
【0015】<工具へのセット:第1段階>前記のよう
に構成されたパイプ加工具4を用いたパイプ2とカラー
3との固定方法を図3と図4とを用いて以下説明する。
まず前記パイプ加工具4に棒材側面溝10を備える一端
の側から、パイプ2と、内周面にカラー内面溝11を有
する円筒状のカラー3とをはめ込んで、図3のような状
態にする。この状態からパイプ2を硬質棒材5の段差部
分9に向かって押し込むと、これは即ち、スライドパイ
プ7とパイプ2とカラー3とを一体に押し込むこととな
り、この結果、球部材8が棒材側面溝10の一端に到達
する。しかる後に、更にパイプ2を硬質棒材5の段差部
分9に向かって押し込むことにより、球部材8が棒材側
面溝10から押し出される。
【0016】<ロック、パイプにカラーが固定される:
第2段階>上述のように球部材8を有するスライドパイ
プ7とカラー3とをパイプ2と共に更に押し込むと、パ
イプ2は図4に示すように棒材側面溝10より押し出さ
れた球部材8によって押圧されると共に、このパイプ2
と球部材8との硬度の違いによってパイプ2が変形且つ
突出し、この突出部がカラー内壁溝11に押し込まれ
る。このようにしてパイプ加工具4にパイプ2とカラー
3とがロックされた状態となる。
【0017】<パイプ・カラーセットを工具からはず
す:最終段階>以上のようにパイプ加工具4にパイプ2
とカラー3とをロックした後、パイプ2とカラー3とを
パイプ加工具4から引き抜くと、スライドパイプ7が棒
材側面溝10の方向に動き、球部材8が棒材側面溝10
中に入り込む。この結果、上述のパイプ2の変形により
カラー3が固定されたままの状態でパイプ加工具4から
取り外すことができ、カラー3が確実に固定されたパイ
プ2が得られる。
【0018】<先端球部材付固定ネジの構造>更に本実
施形態において、上記のようにカラーを固定したパイプ
と可動パイプとを嵌合且つ固定するために図6のような
固定ネジを使用することにより、可動パイプとパイプと
をより強固に固定できる。以下に図6に示される先端球
部材付固定ネジの構造について説明する。
【0019】図6において、30は先端球部材付固定ネ
ジである。この固定ネジ30は、ネジ部(ボルト)30
1と、そのネジ部301の基礎部305にインサート成
形等により一体に固定されたダイキャスト製の撮み部3
02と、ネジ部301の先端の球凹部306に回転可能
に設けられた先端球部材303とから成る。また、この
先端球部材303には、可動パイプに当接する平面食い
込む部分304が形成されている。
【0020】<先端球部材付固定ネジによる可動パイプ
の固定>上記のような構造の固定ネジ30のネジ部30
1をカラーのネジ穴にねじ込んで、そのネジ部301の
先端球部材303を可動パイプに当接させ、その状態で
更にネジ部301をねじ込むことにより、回転側のネジ
部の先端と静止側の先端球部材303との回転作用で、
先端球部材303と可動パイプとの回転方向の摩擦力が
減少し、ネジ部を更にねじ込むことができる。つまり従
来のネジと比べて、先端球部材付固定ネジ30はより多
くねじ込むことができる。その結果、このネジ部のねじ
込みによる押圧力が先端球部材303に働き、先端球部
材303が可動パイプに食い込むこととなる。このよう
に先端球部材303が可動パイプに食い込むことで、ネ
ジ部先端が可動パイプに当接する力及び押圧する力等の
摩擦力によって大きな固定力が得られ、従来の固定ネジ
に比べてパイプと可動パイプとをより強固に固定でき
る。
【0021】<他の実施形態の説明>ここで、上述の実
施形態では、カラー内壁溝11ならびにパイプ加工具4
に備わる球部材8が一組の場合を示しているが、複数の
組み合わせであっても良い。即ち、図8のように球部材
8とカラー内壁溝11とを二組設け、固定部分を増加す
ることにより、上述の第一の実施形態の場合と比べて、
パイプ2とカラー3とがより確実に固定することができ
る。さらに両者の組み合わせを複数組備えるものを設計
し、上述のパイプ2とカラー3との固定作業と同様の作
業を行うことにより、パイプ2とカラー3との固定部分
がさらに増加するので、パイプ2とカラー3との固定が
一層確実とすることができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のカラーの内
壁には円周状にカラー内壁溝が設けられており、該カラ
ー内壁溝と、円筒状のパイプが変形して形成された外周
面上の突起とを嵌合することで、前記パイプと前記カラ
ーとを確実に固定できる。また、上述のように先端球部
材付固定ネジを使用することにより、可動パイプとパイ
プとをより強固に固定できる。この結果、可動パイプを
パイプに対して固定する位置を無段階に調整でき、かつ
先端球部材付固定ネジを用いて可動パイプを強固に固定
するパイプ固定機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイプ固定機構を説明するための断面
図である。
【図2】同じく本発明のパイプ加工具の斜視図である。
【図3】同じく本発明のパイプ加工具にパイプとカラー
とをセットしただけの状態を説明するための断面図であ
る。
【図4】同じく本発明のパイプ加工具にパイプとカラー
とをロックした状態を説明するための断面図である。
【図5】同じく本発明のパイプ加工具にパイプとカラー
とをロックした時のパイプ加工具の状態を説明するため
の図である。
【図6】同じく本実施形態の先端球部材付固定ネジの断
面図である。
【図7】従来のパイプ固定機構における、パイプ固定機
構が一対の支柱であるディスプレイ用のハンガーラック
の斜視図である。
【図8】同じく従来のハンガーラックにおけるパイプ固
定機構の一部拡大断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態によるパイプ加工具を説
明するための断面図である。
【符号の説明】
1・・・パイプ固定機構、2・・・パイプ、3・・・カラー、3
1・・・大径円筒孔部、32・・・小径円筒孔部、33・・・ネ
ジ穴、4・・・パイプ加工具、5・・・硬質棒材、6・・・孔、
7・・・スライドパイプ、8,8a,8b・・・球部材、9・・
・段差部分、10・・・棒材側面溝、11,11a,11b
・・・カラー内壁溝、12・・・スライドパイプ回転止め、1
3・・・可動パイプ、20・・・固定ネジ、30・・・先端球部
材付固定ネジ、201,301・・・ネジ部、202,3
02・・・撮み部、303・・・先端球部材、304・・・平面
食い込み部分、305・・・ネジ部の基礎部、306・・・球
凹部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端寄りの外周面には段差部分を有し且
    つ他端寄りの外周面には軸方向に設けられた棒材側面溝
    を有する硬質棒材と、孔を有するスライドパイプと、前
    記孔の中に備わる球部材とから成り、前記球部材を前記
    硬質棒材の径方向にのみ移動可能となるように前記孔の
    中に予め組み込んだ状態で、前記スライドパイプを前記
    硬質棒材に他端側から嵌入させ、前記段差部分でスライ
    ドパイプのスライドが停止するように組み合わせたパイ
    プ加工具を用い、 前記硬質棒材の他端側から前記パイプ加工具に、パイプ
    と、内周面にカラー内面溝を有する円筒状のカラーとを
    嵌め込む工程と、 前記嵌め込み工程後に、前記硬質棒材の段差部分に向か
    って前記スライドパイプと前記パイプ及びカラーとを一
    体にして押し込んで前記段差部分にて前記棒材側面溝か
    ら前記球部材を押し出し、この球部材により前記パイプ
    を変形且つ突出させ、形成された突出部を前記カラー内
    壁溝に押し込むことにより、前記パイプに前記カラーを
    固定させる工程と、 前記固定工程後に、前記カラーが固定された前記パイプ
    を前記パイプ加工具から引き抜く工程と、 を有することを特徴とするカラーの固定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカラーの固定方法によ
    り、前記パイプと前記カラーとが、前記カラーの内周面
    にて固定されてなることを特徴とするカラー付きパイ
    プ。
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