JP5646184B2 - 締結用アンカー部材 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじ締結の困難な例えばコンクリート躯体、樹脂部材及び軽金属等の固定部材に対して、自動販売機、空調機、照明器具及び軽量天井等の対象物を固定するための締結用アンカー部材に関する。
この種の締結用アンカー部材としては、例えばコンクリート躯体に対して空調機、照明器具及び軽量天井等の対象物を固定するためのアンカーボルトが知られている。
前記アンカーボルトとしては各種のものが開発されているが、主に金属拡張アンカーと接着系アンカーに大別される。前記金属拡張アンカーには、アンカー本体の末端部を拡開させる方法として、打込み方式と締付け方式の二種が知られている(非特許文献1参照)。この打込み式のアンカーボルトとしては、例えば実開平3-75305号公報に開示されているものが知られている一方、締付け方式のアンカーボルトとしては、例えば特開昭48-44657号公報に開示されているものが知られている。
実開平3-75305号公報に開示されているアンカーボルトは、当該アンカーボルトの一部材である打込みピンをハンマー等の押圧治具を用いて打撃することにより前記アンカーボルトの先端部に設けられた拡開部を拡開させ、当該アンカーボルトをコンクリート躯体に形成された取付け孔に食い込ませて固定させている。
一方、特開昭48-44657号公報に開示されているアンカーボルトは、先端にテーパ部を有するアンカー本体と、このアンカー本体に螺合するナットと、複数のスリットを有して前記テーパ部の基部に巻付き嵌合されると共に均一の肉厚で形成されるスリーブ部材とから構成されており、前記ナットを締付けると、前記スリーブ部材が前記テーパ部の外周面に倣って塑性変形し、この塑性変形したスリーブ部材の先端が前記取付け孔の内周面に食い込むことで、前記アンカーボルトが前記取付け孔に固定される。
実開平3-75305号公報 特開昭48-44657号公報
1999年5月20日 株式会社技術書院発行の「あと施工アンカー・設計と施工」第33頁記載の表2.4 金属拡張アンカーの打込み方法、締付け方式
しかし、実開平3-75305号公報に開示されているアンカーボルトの場合、当該アンカーボルトを前記取付け孔に対して固定させるためにはハンマー等の押圧治具を用いて打込みピンを打撃する必要があり、アンカーボルトの固定作業に手間が掛かってしまうといった問題があった。
一方、特開昭48-44657号公報に開示されているアンカーボルトの場合、前記アンカー本体に対してスリーブ部材が巻付き嵌合されているため、前記ナットの締付けに連動してアンカー本体が回転すると、その回転につられて前記スリーブ部材が回転してしまう恐れがある。この課題を解決するため、当該アンカーボルトでは前記スリーブ部材の外周面に突部を設けている。この突部の外径は取付け孔の内径よりも大きく設定されているので、前記スリーブ部材がアンカー本体の回転につられて回転することがない。
しかし、このような構成からなる特開昭48-44657号公報のアンカーボルトの場合、前記スリーブ部材の外周面に上記構成からなる突部を設けているため、前記アンカー本体を取付け孔に挿入する際、ハンマー等の押圧治具を用いて前記アンカー本体を前記取付け孔に強引に押し込む必要があり、アンカー本体の挿入作業に手間が掛かってしまうといった問題があった。
また、特開昭48-44657号公報のアンカーボルトの場合、前記アンカーボルトを前記取付け孔に固定させるために、前記スリーブ部材の先端が前記取付け孔の内周面に食い込むまで当該スリーブ部材を塑性変形させる必要があり、その分大きなトルクでナットを締付けることが必要となる。それ故、アンカーボルトの固定作業に手間が掛かってしまうといった問題もあった。
更に、従来のアンカーボルトでは上述したように、アンカーボルトの施工にハンマー等の押圧治具を必要とするため、特に、天井に設けられた取付け孔への施工に手間が掛かってしまうといった問題もあった。
本発明はこのような課題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ハンマー等の押圧治具を用いずに前記コンクリート躯体、樹脂材料や軽金属等の固定部材に係る取付け孔に容易に挿入することが可能であり、また、ハンマー等の押圧治具等を用いずに、且つ、小さなトルクで前記取付け孔に固定することが可能な締結用アンカー部材を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の締結用アンカー部材は、軸部及びこの軸部の前記取付け孔への挿入端に設けられたテーパ部からなるアンカー本体と、このアンカー本体の軸部に螺合するナットと、前記アンカー本体のテーパ部に被さると共に外径が前記取付け孔の内径よりも小径に形成される圧着スリーブとから構成されている。
前記アンカー本体のテーパ部は、前記軸部の外径よりも小径に形成される大径端部と、この大径端部の径よりも小径に形成されて前記軸部と接続する小径端部とを有し、その外周面は略円錐状のテーパ面に形成されており、前記圧着スリーブは、周方向に連続する環状に形成されると共に前記テーパ部の大径端部に被さるリング部と、周方向に沿って複数に分割されると共に一端が前記リング部によって互いに結合され、他端が半径方向に拡開自在な自由端として形成された複数の圧着部とから構成されている。
そして、圧着部は、前記アンカー本体のテーパ部とテーパーギブを構成するようにその肉厚が前記リング部側では薄く、前記自由端側では厚く形成されている。また、各圧着部の自由端は前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて付勢され、当該付勢された自由端の外径は前記取付け孔の内径よりも大きく設定されている。
また、本発明の締結用アンカー部材は、前記アンカー本体の軸部及びテーパ部に対して雌ねじ穴を形成し、この雌ねじ穴に対してボルトを螺合させることによって前記取付け孔に固定される構成であっても良い。
このような本発明の締結用アンカー部材によれば、固定部材の取付け孔に対してアンカー本体を挿入する際、前記圧着スリーブが付勢力に抗して、前記取付け孔の内周面に倣って半径方向内側にすぼまることになる。それ故、ハンマー等の押圧治具を用いずに前記取付け孔に対して締結用アンカー部材を挿入することが可能となる。
また、本発明の締結用アンカー部材では前記アンカー本体のテーパ部と前記圧着スリーブの各圧着部がテーパーギブを構成しているため、前記アンカー本体に螺合するナット又はボルトの締付けにより前記圧着部が前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて押圧されることになる。この押圧された圧着部は前記取付け孔の内周面に圧着され、前記締結用アンカー部材は前記取付け孔に固定される。このように、前記ナット又はボルトの締付けだけで前記締結用アンカー部材を取付け孔に固定することが可能となる。更には、アンカー本体のテーパ部と前記圧着スリーブの各圧着部とからなるテーパーギブの構成を設けて当該圧着部を取付け孔に圧着させているため、小さな締結トルクで前記ナット又はボルトを締付けるだけで前記締結用アンカー部材を取付け孔に固定することが可能となる。
また、本発明の締結用アンカー部材では、前記圧着スリーブを取付け孔の内周面に圧着させることで当該締結用アンカー部材を取付け孔に対して固定させているため、本発明の締結用アンカー部材は前記取付け孔が形成された固定部材が樹脂材料や軽金属といった硬度が比較的低い部材であったとしても使用することが可能である。従って、固定部材が樹脂材料や軽金属等であったとしても、これらに対して容易にねじ溝を具備させることが可能となる。
本発明の締結用アンカー部材の第一実施形態を示す斜視図である。 本発明の締結用アンカー部材の第一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す圧着スリーブを圧着部側から観察した斜視図である。 図1に示す圧着スリーブをリング部側から観察した斜視図である。 図1に示す締結用アンカー部材を取付け孔に挿入する状態を示す施工図である。 取付け孔に挿入された第一実施形態の締結用アンカー部材のナットを締結した状態を示す施工図である。 本発明の締結用アンカー部材の第二実施形態を示す斜視図である。 取付け孔に挿入された第二実施形態の締結用アンカー部材に対してボルトを締結した状態を示す施行図である。 図1に示す圧着スリーブの一例を示す斜視図である。 図2に示す付勢スリーブの一例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の締結用アンカー部材を詳細に説明する。
図1は本発明の締結用アンカー部材の第一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示す締結用アンカー部材の分解斜視図である。この締結用アンカー部材(以下、「アンカー部材」という)1は、外径が前記取付け孔の内径よりも小径に形成されたアンカー本体2と、このアンカー本体2の一端部に被さる圧着スリーブ3と、この圧着スリーブ3と前記アンカー本体2との間に配置される付勢スリーブ4と、前記アンカー本体2に螺合するナット5と、前記アンカー本体2が貫通する貫通孔を有して略ドーナッツ状に形成されたワッシャ6とから構成されている。
前記アンカー本体2は、略円柱状に形成された軸部21と、この軸部21の前記取付け孔への挿入端に設けられたテーパ部22とから構成されている。かかる軸部21の外周面には前記ナット5が螺合するためのねじ溝23が形成されている。
また、前記テーパ部22は前記軸部21の外径よりも小径に形成された大径端部24と、この大径端部24の外径よりも小径に形成された小径端部25とから構成されており、かかる小径端部25は前記軸部21の挿入端と接続している。この構成からなる前記テーパ部22の外周面は図2に示すように、前記小径端部25から大径端部24に架けて徐々に勾配する円錐状のテーパ面26を構成している。
上記構成からなるアンカー本体2のテーパ部22には、前記圧着スリーブ3が被さる。この圧着スリーブ3は固定部材の取付け孔の内径よりも小径に形成され、図3及び図4に示すように、周方向に連続して環状に形成されたリング部31と、一端が前記リング部31によって互いに結合される複数の圧着部32とから構成されている。かかるリング部31は前記テーパ部22の大径端部24に嵌合するようになっている。
各圧着部32の他端は前記リング部31側を基端として半径方向に拡開自在な自由端33として形成され、当該圧着部32の肉厚は前記リング部31側で薄く形成され、前記自由端33側で厚く形成されている。すなわち、各圧着部32の内周面は前記リング部31側から前記自由端33側に架けて徐々に勾配するテーパ内周面34を構成しており、このテーパ内周面34は前記テーパ部22のテーパ面26と対向している。
一方、前記アンカー本体2のテーパ部22と前記圧着スリーブ3との間には前記付勢スリーブ4が配置されている。この付勢スリーブ4は均一の厚さで形成され、前記圧着スリーブ3のリング部31と重なって前記テーパ部22の大径端部24に嵌合する基端部41と、一端が前記基端部41によって互いに結合される複数の付勢部42とから構成されている。各付勢部42の他端は半径方向に拡開自在な自由端として構成されている。
以上のように構成された圧着スリーブ3と付勢スリーブ4を前記アンカー本体2のテーパ部22に被せると、前記テーパ部22のテーパ面26と前記圧着部32のテーパ内周面34は互いに対向しているため、これらテーパ部22と圧着部32は協働してテーパーギブを構成する。
また、前記テーパ部22と圧着部32とが協働してテーパーギブを構成しているため、前記付勢スリーブ4はその半径方向内側に向かって押し込まれて変形しながら前記アンカー本体2のテーパ部22と前記圧着スリーブ3との間に収容されることになる。この状態では前記付勢スリーブ4の付勢部42に対して元の形状に戻ろうとする弾性力が作用し、この弾性力の作用により当該付勢スリーブ4は前記圧着スリーブ3の圧着部32を半径方向外側に向けて付勢している。
このように、前記付勢スリーブ4により圧着スリーブ3の圧着部32を半径方向外側に向けて付勢したのは以下の二つの理由による。第一の理由としては本発明のアンカー部材1を前記固定部材の取付け孔に挿入する際、前記圧着スリーブ3が前記付勢スリーブ4の付勢力に抗して、前記取付け孔の内周面に倣って半径方向内側にすぼまることを可能とするためである。
第二の理由としては、本発明のアンカー部材1を前記取付け孔に挿入した際に、前記テーパ部22のテーパ面26と前記圧着スリーブ3のテーパ内周面34との間で、前記付勢スリーブ4がこれらテーパ部22と前記テーパ内周面34を強固に押圧して、これら両者が一体化するように構成し、前記ナット5を締付けた際に前記アンカー本体2が前記ナット5の回転に連れ回されないようにするためである。
以上のように構成された本発明のアンカー部材1において、例えば前記アンカー本体2の外径を10mm、前記取付け孔の内径を10.5mm、前記圧着部3の外径を10mmから10.5mmの間の値とした場合、図1に示すようにアンカー部材1を完成させた状態では前記圧着スリーブ3の圧着部32は前記付勢スリーブ4の付勢部42によって付勢されているため、前記圧着部32の自由端33の外径が前記取付け孔の内径と同一の10.5mm又は10.5mmよりも大きくなる。
尚、本実施形態では前記付勢スリーブ4が均一の厚さで形成されているが、前記圧着スリーブ3のテーパ内周面34と合わせて、前記アンカー本体2のテーパ部22とテーパーギブに構成されるような肉厚に形成されていれば良い。
次に、上記構成からなるアンカー部材1の施工手順について説明する。図5はアンカー部材1を固定部材10に形成された取付け孔11に挿入する状態を示すものであり、図6は前記取付け孔11に挿入されたアンカー部材1のナット5を締付けた状態を示すものである。尚、図5及び図6では前記圧着部32の圧着状態を見易くするため、前記付勢スリーブ4を取り除いて図示している。
先ず、前記取付け孔11に対して前記アンカーボルト1を前記圧着スリーブ3側から挿入していく。かかる状態では前記付勢スリーブ4の付勢力により前記圧着部32の自由端33の外径が前記取付け孔11の内径よりも大きく設定されているため、当該自由端33が前記取付け孔11の内周面12に当接しながら挿入されていく。
所定の位置まで前記アンカーボルト1を挿入させた後、前記軸部21のねじ溝23に螺合するナット5を所定のトルクTで締付けると、前記圧着部32の自由端33が前記取付け孔11の内周面12と当接しているため、前記アンカー本体2のテーパ部22は圧着スリーブ3に対して引き抜かれる方向に移動していく。
このとき、アンカー部材1では前記付勢スリーブ4が前記テーパ部22のテーパ面26と圧着部32のテーパ内周面34との間でこれらテーパ面26及びテーパ内周面34を押圧して、これら両者が一体化するように構成され、且つ、前記圧着部3の自由端33が前記取付け孔11の内周面12と当接しているため、前記ナット5を締付けたとしても、前記アンカー本体2がナット5に連れ回されることはない。
このように前記ナット5を締付けると、前記テーパ部22のテーパ面26と前記圧着部32のテーパ内周面34とが協働してテーパーギブを構成しているため、前記テーパ部22の軸方向への移動に伴って前記圧着部32に対して押圧力Pが作用し、当該圧着部32は半径方向外側に向かって押圧される。すなわち、前記ナット5の締付けに伴って前記圧着スリーブ3の外径が次第に大きくなっていき、それによって当該圧着部32は取付け孔11の内周面12に圧着することになる。その結果前記アンカー部材1は取付け孔11に固定されることになる。
尚、図6では前記圧着部32の取付け孔11の内周面12に対する圧着状態を顕著に示すため、前記圧着部32の外周面全面が前記内周面12に接触した状態を描いているが、前記圧着スリーブ3のリング部31の外径は前記内周面12よりも小径に形成されているため、実際には前記リング部31と圧着部32との境界部分が前記テーパ部22の移動により塑性変形し当該圧着部32のみが前記取付け孔11の内周面12に圧着している状態となる。
図7は、本発明の締結用アンカー部材の第二実施形態を示すものである。この締結用アンカー部材(以下、「アンカー部材」)100は、外径が前記取付け孔11の内径よりも小径に形成されたアンカー本体200と、このアンカー本体200の一端部に被さる圧着スリーブ3と、この圧着スリーブ3と前記アンカー本体200との間に配置される付勢スリーブ4とから構成されている。前記アンカー本体200にはボルト500を螺合させることが可能となっている。尚、本実施形態と上記第一実施形態において、同一の構成を有する部材に関しては、同一の符号を付すと共にその説明は省略する。
前記アンカー本体200は、略円筒状に形成された軸部210と、この軸部210の前記取付け孔への挿入端に設けられたテーパ部220とから構成されている。かかる軸部210及びテーパ部220は、前記ボルト500が螺合する雌ねじ穴230が形成されている。すなわち、前記ボルト500は前記アンカー本体200に対して螺合するようになっている。
上記構成からなるアンカー部材100の施工手順について説明する。図8は前記取付け孔11に挿入されたアンカー部材100に対してボルト500を締付けた状態を示すものである。尚、図8では前記圧着部32の圧着状態を見易くするため、前記付勢スリーブ4を取り除いて図示している。
先ず、前記取付け孔11に対して前記アンカー本体200を前記圧着スリーブ3側から挿入していく。かかる状態では前記付勢スリーブ4の付勢力により前記圧着部32の自由端33の外径が前記取付け孔11の内径よりも大きく設定されているため、当該自由端33が前記取付け孔11の内周面12に当接しながら挿入されていく。この際、前記ボルト500の締結によって前記アンカー本体200が取付け孔11から引き抜かれないようにするため、前記アンカー本体200の軸部210を固定部材10から突出しないよう前記取付け孔11内まで挿入する必要がある。
所定の位置まで前記アンカー本体200を挿入させた後、アンカー本体200に形成された雌ねじ穴230に対してボルト500を螺合させ、所定の締結トルクTで当該ボルト500を締付けると、前記圧着部32の自由端33が前記取付け孔11の内周面12と当接しているため、前記アンカー本体200のテーパ部220は圧着スリーブ3に対して引き抜かれる方向に移動していく。前記ボルト500は前記固定部材10に対して被固定物600を固定させるものである。
このとき、アンカー部材100では前記付勢スリーブ4が前記テーパ部220のテーパ面26と圧着部32のテーパ内周面34との間でこれらテーパ面26及びテーパ内周面34を押圧して、これら両者が一体化するように構成され、且つ、前記圧着部3の自由端33が前記取付け孔11の内周面12と当接しているため、前記ボルト500を締付けたとしても、前記アンカー本体200がボルト500に連れ回されることはない。
このように前記ボルト500を締付けると、前記テーパ部220のテーパ面26と前記圧着部32のテーパ内周面34とが協働してテーパーギブを構成しているため、前記テーパ部220の軸方向への移動に伴って前記圧着部32に対して押圧力Pが作用し、当該圧着部32は半径方向外側に向かって押圧される。すなわち、前記ボルト500の締付けに伴って前記圧着スリーブ3の外径が次第に大きくなっていき、それによって当該圧着部32は取付け孔11の内周面12に圧着することになる。その結果前記アンカー部材100は取付け孔11に固定されることになる。
以上のように構成された本発明の締結用アンカー部材によれば、前記圧着スリーブの圧着部が内側から付勢されて半径方向外側に向けて拡開しているので、固定部材の取付け孔に対して締結用アンカー部材を挿入する際、当該圧着部の自由端が前記取付け孔の径に倣って半径方向内側にすぼまることが可能となる。それ故、前記付勢部により付勢された前記自由端の外径が前記取付け孔の内径よりも大きく設定されていたとしても、ハンマー等の押圧治具を用いずに前記取付け孔に対して締結用アンカー部材を挿入することが可能となる。
また、本発明の締結用アンカー部材では、前記アンカー本体のテーパ部のテーパ面と前記圧着部のテーパ内周面とからなるテーパーギブの構成を設けて前記圧着スリーブの圧着部を前記取付け孔の内周面に圧着させており、従来のアンカーボルトの如く、拡開部材を塑性変形させ、その拡開部材の先端を前記取付け孔の内周面に食い込ませたり、固定部材の取付け孔に強引に押し込んでいるわけではない。
従って、前記圧着スリーブの圧着部が前記取付け孔の内周面に圧着さえすれば締結用アンカー部材の固定が完了するため、従来のアンカーボルトに比べて小さな締結トルクで前記アンカー本体に螺合するナット又はボルトを締付けるだけで前記締結用アンカー部材を取付け孔に対し固定することが可能となる。
また、本発明の締結用アンカー部材によれば、従来のアンカーボルトの如く、拡開部材の先端を前記取付け孔の内周面に強引に食い込ませることなく、前記圧着スリーブの圧着部を前記取付け孔の内周面に圧着させて締結用アンカー部材を固定しているため、たとえ前記取付け孔が形成される固定部材が強高度のものであったとしても、かかる強高度固定部材の硬度を逆に利用して締結用アンカー部材を前記取付け孔に対してより強く固定させることが可能となる。
更に、前記圧着スリーブの圧着部と取付け孔の内周面との圧着状態をよくするため、すなわち、当該圧着部の摩擦係数の増加を図るため、図9に示すように、前記圧着部の外周面に対してメッキ加工等の表面処理を行うことも可能である。加えて、前記圧着部の外周面に対してディンプルや周方向溝等の凹凸加工を行っても良く、あるいは前記圧着部の外周面をテーパ面としても良い。
また、上記第一実施形態及び第二実施形態では前記付勢スリーブが均一の厚さで形成されているが、図10に示すように、前記付勢部に係る基端部側の厚さを自由端側の厚さよりも薄く形成することが好ましい。この構成によれば、前記アンカー本体のテーパ部に対して付勢スリーブを被せた状態において、当該テーパ部の大径端部と付勢スリーブの付勢部との間には僅かな隙間が形成されるようなる。これにより、前記テーパ部に対する圧着スリーブ及び付勢スリーブの軸方向への移動が容易となり、その結果小さな締結トルクで前記圧着部への押圧力を増加させることが可能となる。
更に、取付け孔に対して締結用アンカー部材をより強固に固定する必要がある使用環境下では、前記圧着スリーブの圧着部及びアンカー本体のテーパ部からなるテーパーギブの構成を前記締結用アンカー部材の軸方向に複数繰り返し設けても差し支えない。
上記構成からなる本発明の締結用アンカー部材では、前記圧着スリーブを取付け孔の内周面に圧着させることで当該締結用アンカー部材を取付け孔に対して固定させているため、前記固定部材がコンクリート躯体等の硬度が比較的高い部材である場合や樹脂材料や軽金属等の硬度が比較的低い部材である場合にも適用することが可能である。
前記固定部材がコンクリート躯体等の硬度が比較的高い材料である場合には、前記圧着スリーブの圧着部の摩擦抵抗が大きいため、アンカー本体に螺合するナット又はボルトの締付けによって前記アンカー本体が取付け孔から引き抜かれてしまうといったことが想定しにくい。
この観点から、固定部材がコンクリート躯体等の硬度が比較的高い部材である場合、上記第一実施形態のように、前記固定部材に形成された取付け孔の内径を前記圧着スリーブの外径よりも僅かに大きく設定し、当該取付け孔に対してアンカー本体を挿入しやすくすることが可能である。
一方、前記固定部材が樹脂材料や軽金属等の硬度が比較的低い部材である場合には、前記圧着スリーブの圧着部の摩擦抵抗が小さいため、前記ナット又はボルトの締付けによって前記アンカー本体が取付け孔から引き抜かれてしまう恐れがある。このため、前記固定部材が樹脂材料や軽金属等といった硬度が比較的低い部材である場合には、前記圧着スリーブが取付け孔の内周面に圧接するよう、前記取付け孔の内径を前記圧着スリーブの外径と略同一に設定し、当該取付け孔に対してアンカー本体を若干圧入することが好ましい。
1…締結用アンカー部材、11…取付け孔、12…内周面、2…アンカー本体、21…軸部、22…テーパ部、24…大径端部、25…小径端部、26…テーパ面、3…圧着スリーブ、31…リング部、32…圧着部、34…テーパ内周面、4…付勢スリーブ、41…基端部、42…付勢部、5…ナット

Claims (2)

  1. 固定部材に形成された取付け孔に挿入されて固定される締結用アンカー部材であって、
    前記締結用アンカー部材は、軸部及びこの軸部の前記取付け孔への挿入端に設けられたテーパ部からなるアンカー本体と、このアンカー本体の軸部に螺合するナットと、前記アンカー本体のテーパ部に被さると共に外径が前記取付け孔の内径よりも小径に形成される圧着スリーブと、から構成され、
    前記アンカー本体のテーパ部は、前記軸部の外径よりも小径に形成される大径端部と、この大径端部の径よりも小径に形成されて前記軸部と接続する小径端部とを有し、その外周面は略円錐状のテーパ面に形成され、
    前記圧着スリーブは、周方向に連続する環状に形成されると共に前記テーパ部の大径端部に被さるリング部と、周方向に沿って複数に分割されると共に一端が前記リング部によって互いに結合される一方、他端が半径方向に拡開自在な自由端として形成されて前記テーパ部を覆う複数の圧着部と、から構成され、
    各圧着部は、前記アンカー本体のテーパ部とテーパーギブを構成するようにその肉厚が前記リング部側では薄く、前記自由端側では厚く形成され、
    各圧着部の自由端は前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて付勢され、当該付勢された自由端の外径は前記取付け孔の内径よりも大きく設定され、
    前記アンカー本体のテーパ部と圧着スリーブとの間には付勢スリーブが配置され、
    かかる付勢スリーブは、周方向に連続する環状に形成されると共に前記圧着スリーブのリング部と重なる基端部と、周方向に沿って複数に分割されると共に一端が前記基端部によって互いに結合され、他端が半径方向に拡開自在な自由端として形成された複数の付勢部と、から構成され、
    各付勢部は前記圧着スリーブの圧着部を前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて付勢することを特徴とする締結用アンカー部材。
  2. 固定部材に形成された取付け孔に挿入されて固定される締結用アンカー部材であって、
    前記締結用アンカー部材は、ボルトが螺合可能な雌ねじ穴を有すると共に、軸部及びこの軸部の前記取付け孔への挿入端に設けられたテーパ部からなるアンカー本体と、このアンカー本体のテーパ部に被さると共に外径が前記取付け孔の内径よりも小径に形成される圧着スリーブと、から構成され、
    前記アンカー本体のテーパ部は、前記軸部の外径よりも小径に形成される大径端部と、この大径端部の径よりも小径に形成されて前記軸部と接続する小径端部とを有し、その外周面は略円錐状のテーパ面に形成され、
    前記圧着スリーブは、周方向に連続する環状に形成されると共に前記テーパ部の大径端部に被さるリング部と、周方向に沿って複数に分割されると共に一端が前記リング部によって互いに結合される一方、他端が半径方向に拡開自在な自由端として形成されて前記テーパ部を覆う複数の圧着部と、から構成され、
    各圧着部は、前記アンカー本体のテーパ部とテーパーギブを構成するようにその肉厚が前記リング部側では薄く、前記自由端側では厚く形成され、
    各圧着部の自由端は前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて付勢され、当該付勢された自由端の外径は前記取付け孔の内径よりも大きく設定され、
    前記アンカー本体のテーパ部と圧着スリーブとの間には付勢スリーブが配置され、
    かかる付勢スリーブは、周方向に連続する環状に形成されると共に前記圧着スリーブのリング部と重なる基端部と、周方向に沿って複数に分割されると共に一端が前記基端部によって互いに結合され、他端が半径方向に拡開自在な自由端として形成された複数の付勢部と、から構成され、
    各付勢部は前記圧着スリーブの圧着部を前記軸部の外周面から半径方向外側に向けて付勢することを特徴とする締結用アンカー部材。
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