JP3488956B2 - デッキ状構造物 - Google Patents

デッキ状構造物

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JP3488956B2
JP3488956B2 JP21547996A JP21547996A JP3488956B2 JP 3488956 B2 JP3488956 B2 JP 3488956B2 JP 21547996 A JP21547996 A JP 21547996A JP 21547996 A JP21547996 A JP 21547996A JP 3488956 B2 JP3488956 B2 JP 3488956B2
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栄治 山鹿
護 桑本
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Ykk Ap株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバルコニ
ー、デッキ、外廊下などの建物の外壁に固定されるデッ
キ状構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のバルコニーとして、例えば実公昭
57−53764号公報に記載ものが知られている。こ
のバルコニーでは、建物の外壁に、バルコニーの幅に亘
って水平に延びる根太掛けと、根太掛けの両端から鉛直
上方に延びる左右一対の縦枠とが固定されており、バル
コニー本体の後部は、この根太掛けおよび一対の縦枠に
より支持されている。この場合、根太掛けは、墨出し線
に基づいて水平を出しながら、コーチねじにより外壁に
固定され、また縦枠も、墨出し線に基づいて鉛直を出し
ながら、コーチねじにより外壁に固定される。
【0003】また、従来の外廊下として、例えば実公平
7−2802号公報に記載ものが知られている。この外
廊下は、建物側の後桁とこれに平行に配設した前桁との
間に床材が掛け渡されると共に、スパンピッチで支柱お
よび根太が設けられている。前桁は、1スパンの長さの
定尺ものを支柱の部分で連結して構成され、各前桁には
床材上に降った雨を受け、これを左右方向に導く横樋部
が形成されている。この横樋部に流入した雨水は支柱の
位置まで流れ、支柱の内側に配設した集水ホッパーから
縦樋を流れて、地表に導かれる。したがって、集水ホッ
パーには、左右の前桁から流入する雨水が合流する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような前者のバル
コニーでは、バルコニー本体との関係で、根太掛けと縦
枠とを相互に精度良く設ける必要がある。しかし、これ
らは個別に外壁に固定される構成になっているため、基
準となる墨出し線がそれぞれに必要になると共に、相互
間の位置決め精度が出し難くく、また墨出し線に狂いが
あってもそれに気付かず誤った施工を行うおそれがあっ
た。さらに、縦枠では、根太掛けとの位置合わせおよび
鉛直を出した状態で、これを外壁に押し当てたままコー
チねじを締結する必要があり、コーチねじを締結する際
に縦枠がずれ易く、施工がし難い問題があった。
【0005】また、後者のバルコニーでは、集水ホッパ
ーの部分で多量の雨水が合流するときに、左右から流入
してくる雨水同士が衝突し、雨水が飛散したり、相互に
流れを阻害するなどして、雨水が集水ホッパーからオー
バーフローする不具合があった。もっとも、集水ホッパ
ーの流入側の開口を大きくすると共に、集水ホッパーを
深く形成すれば、かかる不具合は解消される。しかし、
大きな集水ホッパーを設けると外部から見え、意匠上好
ましくない。
【0006】本発明は、横方向構造材と縦方向構造材と
の間で現場合せ的な位置合せが可能になると共に、施工
が容易なデッキ状構造物を、また多量の降雨があっても
集水ホッパーから雨水がオーバーフローすることのない
デッキ状構造物を提供することをその目的としている。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のデッキ状構造
物は、床材上に降った雨水を、床材を支持する第1の構
造材および第2の構造材に導くと共に、第1の構造材と
第2の構造材とが交わるコーナー部分に設けた集水ホッ
パーに集水し、集水ホッパーから縦樋に導くデッキ状構
造物において、第1の構造材および第2の構造材は、
端を面一に配設されると共に、雨水を導く第1横樋部お
よび第2横樋部をそれぞれ有し、集水ホッパーは、第1
横樋部の端部に形成した切欠き開口からの雨水および第
2横樋部の端部に形成した切欠き開口からの雨水を別々
に受ける集水桝部と、集水桝部と縦樋を連通する縦樋接
続部とを有し、集水桝部には、第1横樋部の切欠き開口
から縦樋接続部に至る雨水の流路と、第2横樋部の切欠
き開口から縦樋接続部に至る雨水の流路とを仕切る隔板
が設けられ、集水ホッパーは、第1の構造材、第2の
構造材および床材で構成されるコーナー部空間に納まる
ように第1の構造材に取り付けられ、且つ集水桝部の下
面が、第1の構造材および第2の構造材の下端と面一に
配設されることを特徴とする。
【0016】この構成によれば、デッキ状構造物の床材
上に降った雨水は、床材から第1の構造材の第1横樋部
および第2の構造材の第2横樋部に流入し、第1横樋部
および第2横樋部を流れて集水ホッパーで合流し、集水
ホッパーから縦樋に導かれる。この場合、集水ホッパー
の集水桝部には、第1横樋部から縦樋接続部に至る雨水
の流路と第2横樋部から縦樋接続部に至る雨水の流路と
を仕切る隔板部が設けられているため、第1横樋部から
流入する雨水と第2横樋部から流入する雨水とは、それ
ぞれ隔板部に案内されて縦樋接続部に至り、主に縦樋接
続部で合流する。縦樋接続部に達した雨水は、隔板部
より、その流れの方向が縦樋接続部から縦樋に向かう方
向に矯正されるため、雨水の合流は円滑に行われる。こ
のことは、第1横樋部からの雨水と第2横樋部からの雨
水の流入レベルが異なる場合、また雨水の流入量が大き
く異なる場合に、特に有効に機能する。したがって、集
水ホッパーの集水桝部を大きく形成しなくても、また深
く形成しなくても、雨水が集水桝部からオーバーフロー
することがない。また、集水ホッパーは、第1の構造
材、第2の構造材および床材で構成されるコーナー部空
間に納まるように配設されているため、集水ホッパーを
目立たないように設置することができ、デッキ状構造物
の意匠性を損なうことがない。
【0017】
【0018】
【0019】請求項1のデッキ状構造物において、隔板
は、集水桝部を2つの領域に仕切っていることが、好
ましい。
【0020】この構成によれば、隔板部により集水桝部
が2つの領域に仕切られるため、第1横樋部からの雨水
と第2横樋部からの雨水とは、縦樋接続部において初め
て合流することになり、両雨水の相互の干渉を極力少な
くすることができる。また、隔板部は、集水桝部に対し
補強リブとして機能するため、集水桝部の剛性を高める
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基いて、本発
明の一実施形態に係るデッキ状構造物をバルコニーに適
用した場合について説明する。図1(a)、(b)およ
び(c)に示すように、このバルコニー1は、建物の外
壁Wから前方に延びる左右一対の妻梁2,2間に、前桁
3と建物側の根太掛け4とが前後にそれぞれ掛け渡され
ており、各妻梁2と前桁3との接合部分に設けた左右一
対の支柱5,5により前部が支持されている。各支柱5
の下端には、つか受け部材6が高さ調節可能に設けられ
ており、バルコニー1は、このつか受け部材6を介して
建物の屋根Rに支持されている。
【0022】一方、各妻梁2の建物側の端部には、外壁
Wに添わせて縦枠7が立設され、この左右の縦枠7,7
の上端と左右の支柱5,5の上端とを結ぶように、笠木
8が水平に配設されている。そして、この笠木8と前桁
3との間、および笠木8と各妻梁2との間には、多数の
縦格子9が組み込まれている。また、前桁3と根太掛け
4との間には複数本の根太10が掛け渡され、根太10
の上にはデッキ材11が布設されている。さらに、バル
コニー1のコーナー部分、すなわち各妻梁2と前桁3と
の連結部分には、デッキ材11に降った雨水を集水する
集水ホッパー12が、それぞれ設けられている。
【0023】図2および図3は、縦方向構造材である縦
枠7と横方向構造材である根太掛け4の接合部分の構造
を表している。縦枠7は、中間部に2枚の鰭片31,3
1を突設して「C」字状の断面形状に形成され、鰭片3
1側を外壁に向けてこれに固定されている。また、根太
掛け4は、「L」字状の断面形状に形成されると共に、
その短辺部41の先端が「C」字状に形成されており、
この短辺部41を前方に突き出すようにして長辺部42
で外壁Wに固定されている。
【0024】縦枠7の端部と根太掛け4の端部とは、縦
枠7の左右の半部を根太掛け4の短辺部41に載せ、且
つ根太掛け4の長辺部42に重ねるようにして接合され
ている。この場合、縦枠7の端部には、長辺部42の重
ね代に合わせて、その端部片32および一方の鰭片31
に切欠き部33が形成されている。また、縦枠7の小口
には、左右の他方の半部に対応するように小口キャップ
34が装着されている。
【0025】すなわち、縦枠(の端部)7と根太掛け
(の端部)4とは、根太掛け4の短辺部41と縦枠7の
下端との間、および根太掛け4の長辺部42の上端と縦
枠7の切欠き部33との間の相互の突き当てにより、上
下方向の相互の位置決めが行われている。同様に、縦枠
7と根太掛け4とは、小口キャップ34の側面と縦枠7
の小口端との相互の突き当てにより、左右方向の相互の
位置決めが行われている。なお、妻梁2は、図2に示す
ように、縦枠7にねじ止めした(一部コーチねじを用い
る)妻梁ブラケット13を介して、縦枠7に取り付けら
れる。また、図中の符号43は、短辺部41の前端部
に、下側に突出するように形成した排水溝部である。
【0026】縦枠7および根太掛け4の外壁Wへの組み
付けは、先ず根太掛け4を墨出し線に合わせて外壁Wに
押し当てかつ水平を出してから、下穴の位置を確定す
る。下穴の位置が決まったら、いったん根太掛け4を外
して下穴を開け、再度根太掛け4を外壁Wに当てがって
ねじ止め(コーチねじ)する。次に、切欠き部33を形
成し且つ小口キャップ34を装着した縦枠7を用意し、
下端を根太掛け4に載せると共に小口キャップ34の部
分を根太掛け4の端に突き当てるようにして、縦枠7を
外壁Wに押し当てる。この状態で、縦枠7の鉛直を出し
下穴の位置を確定する。下穴の位置が決まったら下穴を
開け、再度縦枠7を上記と同様に根太掛け4に当てがっ
ておいて、外壁Wにねじ止め(コーチねじ)する。
【0027】このように、外壁Wに固定した根太掛け4
に対し、端部を当てがうようにして縦枠7の外壁Wへの
固定を行うようにしているため、縦枠7の下端部を簡単
に位置決めすることができる。すなわち、根太掛け4と
縦枠7との相互の位置決めを簡単かつ迅速に行うことが
できる。また、縦枠7を施工する際に、縦枠7を根太掛
け4に仮置きする状態になるため、縦枠7がずれ難く、
縦枠7を簡単に施工することができる。
【0028】図4は、上記のバルコニー1を連棟にした
場合の連結部分を表している。バルコニー1の連結部分
には、中間柱14が配設されると共にこれに対応してつ
か受け部材6が配設されている。また、この部分には、
通常の根太10に代えて梁の機能を有する中間根太15
が配設されている。
【0029】中間根太15は、図5に示すように、逆
「T」字状の中空部51を有すると共に、両側部にデッ
キ材11が載置される一対の載置片52,52を有して
おり、外壁W側の端部が根太ブラケット16を介して根
太掛け4,4の連結部分に取り付けられている。根太ブ
ラケット16は、「コ」字状に形成され、そのリブ片6
1で根太掛け4を共締めした状態で外壁Wに固定されて
いる。また、根太ブラケット16の左右のフランジ片6
2,62には、中間根太15が固定されている。この場
合、リブ片61は2本のコーチねじ63,63で固定さ
れているが、一方のコーチねじ63は左側の根太掛け4
の端部に締結され、他方のコーチねじ63は右側の根太
掛け4の端部に締結されている。また、左右のフランジ
片62,62は中間根太15の中空部51の下部に挿入
され、中間根太15の側方から螺合する固定ねじ64,
64により、中間根太15を固定している。
【0030】このように、中間根太15を支持する根太
ブラケット16は、左右の根太掛け4の連結部材として
も機能し、また根太ブラケット16を取り付けるコーチ
ねじ63は、根太ブラケット16および根太掛け4の固
定用のねじを兼ねている。すなわち、根太ブラケットが
根太掛けに固定され、根太掛けが外壁に固定される従来
のものと異なり、実施形態の構造では、中間根太15が
このコーチねじ63により直接建物の外壁Wに固定され
ている。したがって、中間根太15を根太ブラケット1
6に固定するためのねじを省略することができ、かつ根
太ブラケット16に取り付けられる中間根太15の取付
強度をアップすることができる。さらに、左右の根太掛
け4,4同士は、単に突き合わせることにより、また根
太ブラケット16の連結機能により相互に位置決めされ
るため、従来のもののような型紙ゲージを必要とするこ
となく、簡単に取り付けることができる。
【0031】図6は、バルコニー1に戸袋逃げ柱17を
設けた場合を表している。戸袋逃げ柱17は、縦枠7を
施工する部分に戸袋Aがある場合に、縦枠7の代わりに
設けられるものであり、一端が妻梁2に他端が外壁Wに
固定され、全体として逆「L」字状に形成されている。
図7は、戸袋逃げ柱17の妻梁2側の接続部分を表して
おり、戸袋逃げ柱17の下端部は、支柱ブラケット18
を介して妻梁2に固定されている。
【0032】支柱ブラケット18は、「U」字状に形成
されたブラケット本体71と、ブラケット本体71の端
部から下方に延設された垂下片72とで構成されてい
る。支柱ブラケット18は、このブラケット本体71を
上向きにして妻梁2の上面に載置すると共に、垂下片7
2を妻梁2の内側の側面に当てがうようにし、ブラケッ
ト本体71および垂下片72に設けた各2本の取付ねじ
73,73により、妻梁2に固定されている。一方、戸
袋逃げ柱17は中空形状を有し、ブラケット本体71を
隠ぺいするようにこれに上側から嵌合され、下端部でブ
ラケット本体71にねじ止めされている。
【0033】なお、図中の符号19は、デッキ材11に
対して幅木様に設けたカバー部材である。また、符号2
0は、カバー部材19のうちの支柱ブラケット18に対
応する部分に設けたブラケットカバーであり、このブラ
ケットカバー20は、戸袋逃げ柱17の下端に当接し且
つ戸袋逃げ柱17の側面と面一になるように配設されて
いる。これにより、戸袋逃げ柱17の小口が完全に覆わ
れて、小口の角部がデッキ材11側に突出しないように
なっている。
【0034】このような戸袋逃げ柱17の取付構造で
は、支柱ブラケット18に妻梁2の側面に当てがうため
の垂下片72が形成されているため、支柱ブラケット1
8を妻梁2の長手方向に直角にセットし且つ簡単に固定
することができる。すなわち、支柱ブラケット18を妻
梁2の上面に載せ、その垂下片72を妻梁2の側面に押
し当てれば、支柱ブラケット18は妻梁2に安定にセッ
トされる。このため、支柱ブラケット18をセットした
まま取付ねじ73用の下穴を開けることができ、従来の
ように下穴の位置をけがく必要がなくなり、正確に且つ
迅速に支柱ブラケット18を取り付けることができる。
また、支柱ブラケット18は取付ねじ73により、上方
と側方との2方向から妻梁2に固定されるため、これに
取り付けられる戸袋逃げ柱17の取付強度をアップする
ことができる。
【0035】次に、図8および図9を参照して、集水ホ
ッパー12について詳細に説明する。デッキ材11上に
降った雨水は、デッキ材11の排水勾配に従って主に両
妻梁(第1の構造材)2,2に受けられ、また一部は前
桁(第2の構造材)3に受けられ、更に妻梁2および前
桁3から集水ホッパー12に流下する。そして、集水ホ
ッパー12から縦樋21を介して建物の屋根Rに導かれ
る(図1参照)。なお、これらの実施形態では、屋根置
式のバルコニーについて説明しているが、柱建式バルコ
ニーにももちろん適用可能であり、かかる場合には、雨
水は、縦樋21を介して地表に導かれる。
【0036】図8および図9に示すように、妻梁2の側
面には、デッキ材11の端部が載置される載置片(第1
横樋部)81が突出形成され、同様に前桁3の側面には
根太10を支持する支持片(第2横樋部)91が突出形
成されている。これら載置片81および支持片91の突
出端は、上方にそれぞれ屈曲しており、デッキ材11か
らの雨水を受ける横樋として機能している。
【0037】一方、集水ホッパー12は樹脂などで構成
され、上記の載置片81および支持片91からの雨水を
それぞれ受ける集水桝部101と、集水桝部101と縦
樋21を連通する縦樋接続部102とを備えている。集
水桝部101は、縦樋接続部102に連なる開口103
aが形成された底板部103と、底板部103から立ち
上がった周板部104とを備えると共に、妻梁2側の雨
水の流路である第1流路105と前桁3側の雨水の流路
である第2流路106とを仕切る隔板部(流路画定部
材)107を備えている。隔板部107は、周板部10
4から縦樋接続部102に連なる開口103aの縁部分
まで延びている。また、周板部104の上端の2箇所に
は、集水ホッパー12を妻梁2に取り付けるための2つ
の取付片104a,104aが、折曲げ形成されてい
る。
【0038】この場合、集水ホッパー12は、上記の載
置片81の端部および支持片91の端部、すなわち載置
片81と支持片91とが交わる部分に下側から臨むと共
に、妻梁2と前桁3とが交わるコーナー部分に納まるよ
うに配設されている。具体的には、載置片81の端部お
よび支持片91の端部には、雨水が集水ホッパー12に
流下するための切欠き開口82,92がそれぞれ形成さ
れており、載置片81の切欠き開口82には下側から集
水ホッパー12の第1流路105が臨み、また支持片9
1の切欠き開口92には下側から集水ホッパー12の第
2流路106が臨んでいる。
【0039】すなわち、第1流路105を構成する周板
部104の上端と隔板部107の上端とが、切欠き開口
82を中心とする載置片81の下面に当接し、第2流路
106を構成する周板部104の上端と隔板部107の
側面とが、切欠き開口92を中心とする支持片91の下
面および側端が当接している。また、第1流路105と
第2流路106との合流部分に相当する周板部104の
上端は、妻梁2の本体部分の下面に当接している。また
この状態では、集水ホッパー12の集水桝部101の下
面が、妻梁2の下端および前桁3の下端と面一となって
おり、集水ホッパー12が妻梁2と前桁3とのコーナー
部分に納まり、この部分から縦樋21が下方に延びた状
態になっている。なお、雨水の流れを円滑にすべく、隔
板部107を湾曲させるようにしてもよい。
【0040】以上のような構成では、載置片81を流れ
てくる雨水はその切欠き開口82から集水ホッパー12
の第1流路105に流下し、また支持片91を流れてく
る雨水はその切欠き開口92から集水ホッパー12の第
2流路106に流下する。この場合、水量の多い第1流
路105では、勢いよく流下してくる雨水が隔壁部10
7に当たるため、その水勢が抑制されると共に、流れの
方向が縦樋接続部102に向かうように矯正される。し
たがって、直交方向から合流する妻梁2側の雨水と前桁
3側の雨水とが、直接衝突することがなく、雨水が飛散
して集水ホッパー12からオーバーフローするのを防止
することができる。また、集水ホッパー12が妻梁2と
前桁3とのコーナー部分に納まっているため、バルコニ
ー1の意匠が損なわれることがない。
【0041】次に、第2実施形態に係るバルコニー1に
ついて説明する。図10は、図2に対応する縦枠7と根
太掛け4の接合部分の構造を表している。縦枠7は、第
1実施形態と同様に、2枚の鰭片31,31、端部片3
2、切欠き部33および小口キャップ34を有してい
る。また、根太掛け4も、短辺部41および長辺部42
を有している。この場合、短辺部41の前端部には、上
側に突出するようにして第1排水溝部45が形成される
と共に、この第1排水溝部45と長辺部42との間に第
2排水溝部46が形成されている。
【0042】この第2実施形態では、縦枠(の端部)7
と根太掛け(の端部)4とは、根太掛け4の長辺部42
の上端と縦枠7の切欠き部33との間の相互の突き当て
により、上下方向の相互の位置決めが行われている。同
様に、縦枠7と根太掛け4とは、小口キャップ34の側
面と縦枠7の小口端との相互の突き当てにより、左右方
向の相互の位置決めが行われている。もっとも、後述す
る妻梁ブラケット13aは、その下端が根太掛け4の短
辺部(の第1排水溝部45)41の上端に突き当てられ
ており、縦枠(の端部)7と根太掛け(の端部)4と
は、この妻梁ブラケット13aを介することでも、上下
方向の相互の位置決めが行われている。
【0043】一方、妻梁2は、図7ないし図9に示すも
のと異なり、下側に突出する突出片が無く、代わりに載
置片81から下部が副広に形成されている。これに対応
して、縦枠7には左右に位置ずれした2枚の取付片を有
する妻梁ブラケット13aがねじ止めされており、妻梁
2はこの妻梁ブラケット13aを介して、縦枠7に取り
付けられる。そして、妻梁2の下部には、根太掛け4の
短辺部41が差し込まれる差込み部84が形成されてい
る。
【0044】ところで、この種のバルコニー1ではデッ
キ材11に設けた水切り部材により、建物の外壁Wとの
間の雨仕舞いが行われている。しかし、外壁W側の開口
部との関係によっては雨仕舞いが不十分となりがちとな
るため、この実施形態では、水切り部材から漏れた雨水
を根太掛け4で受けると共に、根太掛け4から妻梁2側
に排水できるようにしている。
【0045】図11は、このような雨水の排水経路を表
している。同図(a)に示すように、根太掛け4の各端
部には、第1排水溝部45を構成する後壁に第1切欠き
部45aが形成され、第1排水溝部45と第2排水溝部
46とが連通している。また、第1排水溝部45を構成
する前壁の端部に第2切欠き部45bが形成され、第1
排水溝部45と妻梁2の中空部(排水路)85とが連通
している。さらに、第2排水溝部46の各端部には、止
水ブロック47がそれぞれ取り付けられている。同図
(a)および同図(b)に示すように、根太掛け4に流
下した雨水は、第1切欠き部45aを介して第2排水溝
部46から第1排水溝部45に流れ、さらに第2切欠き
部45bを介して第1排水溝部45から妻梁2に流れ、
妻梁2内を前方に流れてゆく。妻梁2の前端部まで流れ
た雨水は、妻梁2に形成した排水孔86から集水ホッパ
ー12に流下する。
【0046】同様に図12は、上記のバルコニー1を連
棟にした場合の連結部分を表していおり、この連結部分
は、上記の構造を有する2つの根太掛け4を突き合わせ
た構造になっている。この場合も、妻梁2に代わる中間
根太15には、各根太掛け4の短辺部41が差し込まれ
る差込み部54が形成されている。そして、両根太掛け
4,4からの雨水は、それぞれ中間根太15の中空部5
1内を流れて、中間柱14の部位に設けた集水ホッパー
12に流下する。
【0047】このように、根太掛け4に達した雨水を、
根太掛け4から妻梁2または中間根太15を介して集水
ホッパー12まで導くようにしているので、窓の形態な
どにより、デッキ材11と外壁Wとの間の雨仕舞いが不
十分とならざるを得ない場合でも、雨水がバルコニー1
の下方に滴下(雨漏り)するのを、防止することができ
る。
【0048】次に、図13を参照して、第2実施形態の
集水ホッパー12について説明する。第2実施形態と第
1実施形態とでは、妻梁2および前桁3の断面形状が幾
分異なるため、集水ホッパー12もこれに合わせて細部
が異なる形状になっている。しかし、基本構造は同一で
あり、隔板部107の構造のみが明らかに異なるものと
なっている。すなわち、第1実施形態では、隔板部10
7の先端が底板部103の開口103aの縁部分まで延
びているが、第2実施形態では、これを更に延長して開
口103aを跨ぐようにし、集水桝部101において、
第1流路1055と第2流路106とを完全に仕切るよ
うにし、集水桝部101を2つの領域に区画している。
これにより、妻梁2側の雨水と前桁3側の雨水とは、縦
樋接続部102まで流下したところで、はじめて合流す
るため、両雨水が干渉し合うことがなく、雨水の流れが
円滑になる。また、隔板部107を集水ホッパー12の
補強リブとしても、機能させることができる。
【0049】つぎに、図14を参照して、連棟のバルコ
ニーにおける中間柱14の部位に設ける集水ホッパー1
2について説明する。この場合にも、中間根太15から
の雨水を受ける第1流路105と、前桁3からの雨水を
受ける第2流路106とが、開口103aを跨ぐように
設けた隔板部107により、完全に仕切られている。な
お、第1流路105には中間根太15の左右の2箇所
(両載置片)から雨水が流入し、第2流路106には左
右の前桁(2箇所)から雨水が流入するが、これら各2
箇所の雨水はほぼ同一の量となるため、第1流路105
および第2流路106をそれぞれ左右に仕切る構成には
なっていない。もちろん、これらをそれぞれ第2の隔板
部で仕切るようにしてもよい。
【0050】なお、本発明の排水構造は、バルコニーの
他、デッキや外廊下などの屋外に設置されるデッキ状構
造物に適用可能である。また、集水ホッパーは、実施形
態のように雨水が直角に合流する部位に設けるものの
他、雨水が左右から合流する部位に設けるものにも、適
用可能である。また、妻梁の端部と縦枠の端部との間に
おいて、相互の上下方向および左右方向の移動が規制で
きる限り、規制部(係合部)の形態は任意である。
【0051】
【0052】
【発明の効果】以上のようにデッキ状構造物の発明によ
れば、集水ホッパーに隔板部を設けることにより、雨水
の流れが円滑になり、多量の降雨があっても集水ホッパ
ーから雨水がオーバーフローすることない。また、雨
水の流れが円滑になる分、集水ホッパーを浅く形成する
ことがき、集水ホッパーをコンパクトに構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデッキ状構造物であ
るバルコニーの構造図である。
【図2】縦枠と根掛けの接合部分の斜視図である。
【図3】縦枠と根掛けの接合部分の正面図である。
【図4】連棟タイプとした場合のバルコニーの連結部分
の斜視図である。
【図5】中間根太の根太掛けへの取付構造を表した斜視
図である。
【図6】戸袋逃げ柱を設けた場合のバルコニーの側面図
である。
【図7】戸袋逃げ柱の妻梁への取付構造を表した斜視図
である。
【図8】集水ホッパーの取付状態を表した集水ホッパー
廻りの斜視図である。
【図9】集水ホッパーの取付状態を表した集水ホッパー
廻りの分解斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るバルコニーの縦
枠と根掛けの接合部分の斜視図である。
【図11】第2実施形態の根掛け廻りの排水経路を示す
斜視図である。
【図12】連棟タイプのバルコニーの連結部分におけ
る、中間根太の根太掛けへの取付構造および根掛け廻り
の排水経路を示す斜視図である。
【図13】第2実施形態の集水ホッパー廻りの分解斜視
図である。
【図14】連棟タイプのバルコニーの連結部分におけ
る、集水ホッパー廻りの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 バルコニー、2 妻梁、3 前桁、4 根太掛け、
7 縦枠、11 デッキ材、12 集水ホッパー、21
縦樋、33 切欠き部、34 小口キャップ、41
短辺部、45 第1排水溝部、46 第2排水溝部、8
1 載置片、85 中空部、91 支持片、101 集
水桝部、102 縦樋接続部、105第1流路、106
第2流路、107 隔板部、W 外壁、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−83101(JP,U) 実開 昭57−110229(JP,U) 実開 昭57−109104(JP,U) 実開 昭57−110230(JP,U) 実開 昭54−182941(JP,U) 実公 昭49−2580(JP,Y2) 実公 平7−2802(JP,Y2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床材上に降った雨水を、当該床材を支持
    する第1の構造材および第2の構造材に導くと共に、当
    該第1の構造材と当該第2の構造材とが交わるコーナー
    部分に設けた集水ホッパーに集水し、当該集水ホッパー
    から縦樋に導くデッキ状構造物において、 前記第1の構造材および前記第2の構造材は、下端を面
    一に配設されると共に、雨水を導く第1横樋部および第
    2横樋部をそれぞれ有し、 前記集水ホッパーは、前記第1横樋部の端部に形成した
    切欠き開口からの雨水および前記第2横樋部の端部に形
    成した切欠き開口からの雨水を別々に受ける集水桝部
    と、当該集水桝部と前記縦樋を連通する縦樋接続部とを
    有し、 前記集水桝部には、前記第1横樋部の切欠き開口から前
    記縦樋接続部に至る雨水の流路と、前記第2横樋部の切
    欠き開口から前記縦樋接続部に至る雨水の流路とを仕切
    隔板部が設けられ 前記集水ホッパーは、前記第1の構造材、前記第2の構
    造材および前記床材で構成されるコーナー部空間に納ま
    るように当該第1の構造材に取り付けられ、且つ前記集
    水桝部の下面が、前記第1の構造材および前記第2の構
    造材の下端と面一に配設される ことを特徴とするデッキ
    状構造物。
  2. 【請求項2】 前記隔板部は、前記集水桝部を2つの領
    域に仕切っていることを特徴とする請求項に記載のデ
    ッキ状構造物。
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