JP3198055B2 - 簡易屋根 - Google Patents

簡易屋根

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JP3198055B2
JP3198055B2 JP21671196A JP21671196A JP3198055B2 JP 3198055 B2 JP3198055 B2 JP 3198055B2 JP 21671196 A JP21671196 A JP 21671196A JP 21671196 A JP21671196 A JP 21671196A JP 3198055 B2 JP3198055 B2 JP 3198055B2
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roofing
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博 田中
剛 工藤
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ワイケイケイアーキテクチュラルプロダクツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルコニー屋根、
テラス、カーポート等の簡易屋根に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の簡易屋根として、例えば
実公平2−48574号公報に記載のものが知られてい
る。この簡易屋根では、隣接する垂木の相互間にパネル
状の屋根葺き材が設けられており、屋根葺き材は上側か
ら垂木上に載置されると共に、上側から垂木に沿って配
設された屋根葺き材押えにより、押さえられるようにし
て葺かれている。この場合、屋根葺き材押えの下面には
先付けタイプの上シール部材が、同様に垂木の上面には
先付けタイプの下シール部材が取り付けられており、屋
根葺き材の端部は、上下両シール部材により、垂木およ
び屋根葺き材押えに水密に取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の簡易
屋根では、垂木と、垂木の上側にこれに沿って配設され
た屋根葺き材押えとが2部材で構成されているため、そ
の分、部品点数が増すと共に、屋根葺き材押えの組付け
(一般的にはビス止め)に手間がかかる問題があった。
また、屋根葺き材および屋根葺き材押えを簡易屋根の上
側から施工するようになっているため、高い足場が必要
になると共に、施工がし難く組立に手間がかかる不具合
があった。
【0004】本発明は、部品点数の削減と組立工数の削
減とを達成することができると共に、屋根葺き材を下側
から施工可能な簡易屋根を提供することをその目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の簡易屋根は、
屋根葺き材を支持する垂木部と、屋根葺き材を垂木部側
に押さえる屋根葺き材押え部とが一体に成形された垂木
部材を備え、垂木部材の軒側端部が前枠に突き当てた状
態で取り付けられている簡易屋根において、垂木部と屋
根葺き材押え部との間には、シール部材および屋根葺き
材の端部を装着するための呑込み溝が形成され、軒側端
部は、屋根葺き材押え部の端部と呑込み溝の底面を構成
する垂木部の上板の端部とで構成された上部が、下部に
対して突出していることを特徴とする。
【0006】この構成によれば、垂木部と屋根葺き材押
え部とが一体に成形されているため、従来2部品であっ
たものを1部品にすることができると共に、屋根葺き材
押え部の垂木部への取り付ける手間を省くことができ
る。また、垂木部と屋根葺き材押え部との間に、シール
部材および屋根葺き材の端部を装着するための呑込み溝
が形成されているため、屋根葺き材を、垂木部および屋
根葺き材押え部に対して、その小口側から或いは下側か
ら取付可能となり、かつ水密に取り付けることが可能と
なる。ところで、この種の簡易屋根においては、垂木部
材の前端(軒側端)の幅方向の中間部分と前枠との突き
当て部分には、屋根葺き材およびシール部材が無いた
め、この部分から雨水が侵入する可能性がある(図11
参照)。この場合、垂木部材の軒側の端部において、上
部が下部に対して突出形成されているため、屋根葺き材
押え部の上を流れてきた雨水は、垂木部材の上部の下端
で垂木部材から離れて前枠側に流下する。このため、雨
水は垂木部材の端部の上部の下端まで流れて来ると、屋
根の勾配を逆流して下部側に回り込むことがなく、すな
わち雨水は垂木部材の端部に沿ってその下部まで達する
ことがなく、雨仕舞の弱点となる屋根葺き材押え部の端
部および垂木部の端部からの雨水の侵入を、有効に防止
することができる。また、軒側端部の上部が、屋根葺き
材押え部の端部と呑込み溝の底面を構成する垂木部の上
板の端部とで構成されているため、上シール部材が劣化
してこの部分から呑込み溝に雨水が侵入することがあっ
ても、雨水は屋根勾配に従って呑込み溝の底面を流れ、
垂木部材の端部の下部側に回り込むことがない。これに
より、雨仕舞性をより良好なものにすることができる。
【0007】請求項1の簡易屋根において、屋根葺き材
は、隣接する一対の垂木部材のそれぞれの呑込み溝に対
し、やり返しにより下方から装着可能に構成されている
ことが、好ましい。
【0008】この構成によれば、屋根葺き材を、下方か
ら垂木部材に組み付けることができる。すなわち、屋根
葺き材を下側から支えてその一方の端部を、隣接する一
対の垂木部材の一方の呑込み溝に深く差し入れた後、他
方の端部を他方の呑込み溝に差し込むことにより、屋根
葺き材を垂木部材に仮置きすることがきる。これによ
り、屋根葺き材を単に下側から施工できるだけでなく、
その際に、屋根葺き材を支えておく治具なども必要とし
ない。
【0009】請求項1または2の簡易屋根において、シ
ール部材は、屋根葺き材押え部と屋根葺き材との間に介
在させた上シール部材と、屋根葺き材と垂木部との間に
介在させた下シール部材とを有し、上シール部材は屋根
葺き材押え部に先付けで取り付けられ、下シール部材は
屋根葺き材と垂木部との間に後付けで取り付けられてい
ることが、好ましい。
【0010】この構成によれば、上シール部材を先付け
タイプとし下シール部材を後付けタイプとしているた
め、呑込み溝に装着された屋根葺き材に対して、下シー
ル部材を装着することにより、屋根葺き材が上シール部
材と下シール部材との間に挟み込まれるようにして、呑
込み溝内に固定される。すなわち、一対の垂木部材間に
屋根葺き材を仮置きした後、下シール部材を下方から施
工することができると共に、この下シール部材により屋
根葺き材を水密に固定することができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】請求項1、2または3の簡易屋根におい
て、前枠は、突出した軒側端部の上部が載置される載置
面を有しており、載置面は、屋根勾配に倣って傾斜した
前部の傾斜面部と傾斜面部から略水平に延びる後部の水
平面部とで構成されていることが、好ましい。
【0016】この構成によれば、風圧などで、垂木部材
の上部の軒側端まで流れてきた雨水が、垂木部材の上部
の下面を屋根の勾配に抗して逆流することがあっても、
この部分では、傾斜面部と垂木部材の上部の下面とが接
触しているため、雨水の逆流が阻止される。具体的に
は、傾斜面部と垂木部材の上部の下面とが接触している
部分には、毛細管現象により雨水の層ができ、この雨水
の層の持つ表面張力により雨水の更なる侵入が阻止され
る。また、傾斜面部に連なる水平面部では、水平面部と
垂木部材の上部の下面とが離間しているため、毛細管現
象による雨水の侵入もこの水平面部で断つことができ
る。
【0017】請求項の簡易屋根において、水平面部の
後端には障壁部が立設されていることが、好ましい。
【0018】この構成によれば、強い風圧により、上記
の雨水の層を越えて水平面部に雨水が侵入することがあ
っても、障壁部により雨水の更なる侵入が阻止される。
また、障壁部により、水平面部に溜まった雨水は、風圧
が減圧したときに自然流下により傾斜面部側に流れ下る
ことになる。
【0019】請求項6の簡易屋根は、屋根葺き材を支持
する垂木部と、屋根葺き材を垂木部側に押さえる屋根葺
き材押え部とが一体に成形された垂木部材を備え、垂木
部材の軒側端部が前枠に突き当てた状態で取り付けられ
ている簡易屋根において、軒側端部には、前端面から屋
根勾配に倣って後方に延びる切欠き部が形成され、前枠
には、前端が前枠の排水路に連なると共に、屋根勾配に
倣って後方に延設され切欠き部に挿入される水切り片部
が形成されていることを特徴とする
【0020】この構成によれば、垂木部と屋根葺き材押
え部とが一体に成形されているため、従来2部品であっ
たものを1部品にすることができると共に、屋根葺き材
押え部の垂木部への取り付ける手間を省くことができ
る。また、垂木部と屋根葺き材押え部との間に、シール
部材および屋根葺き材の端部を装着するための呑込み溝
が形成されているため、屋根葺き材を、垂木部および屋
根葺き材押え部に対して、その小口側から或いは下側か
ら取付可能となり、かつ水密に取り付けることが可能と
なる。また、屋根葺き材押え部の上を流れてきた雨水
は、垂木部材の軒側端と前枠との突き当て部分から侵入
し、垂木部材の前端に添って流下してくるが、切欠き部
のところで、これに挿入した水切り片部の上に滴下する
ことになる。水切り片部に受けられた雨水は、水切り片
部の傾斜に従って、水切り片部から前枠の排水路に導か
れる。このため、雨水は垂木部材の前端に添って、垂木
部材の下面まで流下することがない。また、垂木部材に
切欠き部を形成すると共に、前枠に水切り片部を形成す
ることにより、垂木部材の軒側端部において、上部を突
出形成する必要がなく、垂木部材の軒側の端面は単純な
加工で済む。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基いて、本発
明の一実施形態に係る簡易屋根をバルコニー屋根に適用
した場合について説明する。図1に示すように、このバ
ルコニー屋根1は、バルコニーBの上側に設けた片流れ
屋根であり、後部を建物の壁面Wに支持され、前部をバ
ルコニーBの左右一対の通し柱P,Pに支持されてい
る。
【0022】バルコニー屋根1は、壁面Wに固定された
最後部の垂木掛け2と、垂木掛け2に平行に架設した最
前部の前枠3と、垂木掛け2および前枠3間に等間隔に
掛け渡した複数本の垂木部材4とで主構造部が構成され
ており、前枠3はその両外端部の近傍で、通し柱P,P
の上端に支持固定されている。この場合、左端および右
端に配設した垂木部材(端部垂木部材4a)4,4は、
それぞれバルコニー屋根1の側枠を兼ねており、中間部
の他の垂木部材(中間部垂木部材4b)4とは一部断面
形状が異なっている(図3参照)。
【0023】また、前枠3および垂木掛け2と、隣接す
る各垂木部材4,4とで区画され前後方向に長い領域に
は、アクリル板などの樹脂で構成された屋根葺き材5
が、それぞれ取り付けられている。なお、詳細は後述す
るが、前枠3は雨樋を兼ねており、図中の符号6は、バ
ルコニー屋根1の降雨を前枠3を介して地表に導く縦樋
である。
【0024】次に、図2の縦断面図および図3の横断面
図を参照して、バルコニー屋根1の構造を更に詳細に説
明する。両図に示すように、垂木掛け2は、それぞれが
前側に突出する上片11と中間片12と下片13とを有
する形材で構成されており、上片11と中間片12との
間には第1凹部14が、中間片12と下片13との間に
は第2凹部15がそれぞれ形成されている。第1凹部1
4は、屋根葺き材5の上端部が挿入される部位であり、
屋根葺き材5の上側には上片11との間に先付けタイプ
の棟側上シール部材16が介設され、下側には中間片1
2との間に後付けタイプの棟側下シール部材17が介設
されている。
【0025】第2凹部15は、コーチねじ18を収容す
る部位であり、この部分から壁面Wにねじ込んだコーチ
ねじ18により、垂木掛け2が壁面Wに固定されてい
る。また、中間片12と下片13との間には、第2凹部
15を閉塞するようにシール板19が設けれられてお
り、このシール板19に前面には、垂木部材4の後端が
突き当てられている。すなわち、垂木部材4は、シール
板19を挟み込んだ状態で垂木掛け2にねじ止めされて
おり、雨仕舞を考慮した連結構造になっている。なお、
図中の符号19aは、各垂木部材4,4間において、垂
木掛け2の第2凹部15を覆うようにこれを装着される
カバーである。
【0026】垂木部材4は、上部の屋根葺き材押え部2
1と下部の垂木部22とで一体に成形され、いわゆる屋
根葺き材押えと垂木とが一体化された構造になってい
る。垂木部材4のうち中間部垂木部材4bは、屋根葺き
材押え部21と垂木部22との間に左右対称形状の一対
の呑込み溝23,23を有し、端部垂木部材4aは、屋
根葺き材押え部21と垂木部22との間に左右片側に単
一の呑込み溝23を有している。この呑込み溝23は、
後述するシール部材と屋根葺き材5とを装着するための
部位であり、隣接する垂木部材4,4の相互間におい
て、屋根葺き材5がやり返してにより装着できるよう
に、十分な深さを有している。
【0027】呑込み溝23には、屋根葺き材5を挟んで
上側に上シール部材24が、下側に下シール部材25が
それぞれ介在している。上シール部材24は、屋根葺き
材押え部21の端部に先付け形式で下向きに装着されて
おり、屋根葺き材5の端部に上側から押し当てられてい
る。また、下シール部材25は、屋根葺き材5と垂木部
22との間に、後付け形式で装着されており、屋根葺き
材5の端部に下側から押し当てられている。この場合、
呑込み溝23を構成する垂木部22の肩部26は傾斜面
を有して上方に突出しており、下シール部材25の装着
をガイドしている。また、この突出した肩部26によ
り、その内側には凹部27が形成され、上シール部材2
4の劣化などにより呑込み溝23内に雨水が侵入して
も、この凹部27が樋として機能し、雨水を屋根勾配に
沿って前枠3側に導く。
【0028】垂木部材4の前端部(軒側端部)は、屋根
葺き材押え部21と呑込み溝23の底面を構成する垂木
部22の上板とを残して、他の部分が所定の寸法に亘っ
て切り欠かれている。すなわち図4に示すように、端部
垂木部材4aの前端部および中間部垂木部材4bの前端
部のいずれも、上部28が下部29に対して突出形成さ
れており、この状態で前枠3に突き当てられている。
【0029】一方、前枠3は、中空に形成された前枠本
体31と、前枠本体31から前方に円弧状に延設した雨
樋部32とで構成されている。前枠本体31の後部の中
間位置には、垂木部材4の前端部を下側から支持する突
片33が延設され、垂木部材4の前端部はこの部分で前
枠3にねじ止めされている。前枠本体31の突片33か
ら上側の部分は、屋根勾配に直交する突当て面34とな
っており、この部分に、垂木部材4の前端部の下部29
が突き当てられている。
【0030】また、前枠本体31の上部には、屋根葺き
材5の前端が挿入される深溝35が形成され、この深溝
35を構成する上片部36の先端には、垂木部材4の前
端部の上部28が突き当てられると共に、その溝側には
屋根葺き材5の前部上面を横断方向にシールする軒側上
シール部材37が取り付けられている。さらに、この軒
側上シール部材37に対応して、屋根葺き材5の前部下
面には、これを横断方向にシールする軒側下シール部材
38が配設されている。軒側下シール部材38は、軒側
上シール部材37より上流側に位置して取付部材39の
上端に取り付けられており、取付部材39は上記の突当
て面34にねじ止めされている。すなわち、軒側下シー
ル部材38は取付部材39を介して、後付け形式で取り
付けられるようになっている。
【0031】一方、前枠本体31の下部中央には、前枠
3を通し柱Pの上端に固定するボルト用のボルト溝40
が下向き形成されており、ボルト溝40には、固定ボル
ト41の頭部が抜止め状態で、かつ前枠3の長手方向に
スライド可能に挿入されている。これにより、通し柱P
に対する前枠3の左右方向の取付位置を微調整できるよ
うになっている。
【0032】ここで、実施形態に係るバルコニー屋根1
の組立方法について、順を追って説明する。先ず、墨だ
し線を基準に水平を出しながら垂木掛け2を壁面Wに固
定すると共に、左右の通し柱P,Pの上端に前枠3を固
定する。次に、複数本の垂木部材4を、それぞれ垂木掛
け2および前枠3に固定する。その際、例えば垂木部材
4には上シール部材24を、垂木掛け2には棟側上シー
ル部材16を、また前枠3には軒側上シール部材37を
予め装着しておく。次に、各屋根葺き材5を下側から支
え、やり返しにより、隣接する垂木部材(呑込み溝)
4,4間に装着する。
【0033】最後に、隣接する垂木部材(呑込み溝)
4,4間に装着した各屋根葺き材5を正確に位置決めし
た後、棟側下シール部材17、軒側下シール部材38、
さらに下シール部材25の順で、これらを取り付ける。
【0034】このように本実施形態のバルコニー屋根1
によれば、垂木部材4が、屋根葺き材押え部21と垂木
部22とで一体に成形されているので、部品点数が削減
されると共に組立工数が削減され、コストを削減するこ
とができる。また、屋根葺き材5が垂木部材4にやり返
しで取り付けられると共に、下シール部材25が後付け
で取り付けられるため、バルコニー屋根1全体を、その
屋根面に対して下側から組み上げることができる。した
がって、バルコニー屋根1を、安全にかつ簡単に組み立
てることができる。
【0035】一方、垂木部材4の前端部において、上部
28が下部29に対して突出形成されているので、垂木
部材4の上面を流下してくる雨水が、この上部28の端
から前枠3の深溝35内に導かれ、下部29側に流下す
ることがない。このため、垂木部材4と前枠3との連結
部分の雨仕舞性を構造的に良好なものとすることができ
る。
【0036】ここで、図11を参照して、上記連結部分
の雨仕舞性について更に詳細に説明する。同図に示すよ
うに、垂木部材4と前枠3との連結部分において、屋根
葺き材5がある部分には、垂木部材4側の上シール部材
24(および下シール部材25)と、前枠3側の軒側上
シール部材37(および軒側下シール部材38)が設け
られていて、シールが適切に為されているが、垂木部材
4の前端の中央部分と前枠3との突当て部分(図示のS
部分)には、シール部材が無く、この部分から雨水が侵
入する。しかし、図示のS部分から侵入し垂木部材4の
前端に沿って流下してきた雨水は、垂木部材4の上部2
8の下面から下部29側に逆流することなく深溝35内
に滴下し、前枠3の前部に導かれる。なお、図中の符号
35aは、前枠3の深溝35に流下した雨水を雨樋部3
2に導くための排水孔であり、前枠3の長手方向の複数
箇所に形成されている。
【0037】次に、図5を参照して垂木部材4の変形例
について説明する。この垂木部材4の前端部は、屋根葺
き材押え部21のみが突出形成されている。また、軒側
下シール部材38が他の下シール部材17,25と同様
に、後付けタイプのもので構成され、屋根葺き材5と前
枠3との間に直接装着されている。したがって、上記と
同様に、垂木部材4と前枠3との連結部分の雨仕舞性が
良好になると共に、軒側下シール部材38用の取付部材
39が省略でき、部品点数を削減することができる。
【0038】次に、図6を参照してバルコニー屋根1の
他の実施形態について説明する。バルコニー屋根1は、
屋根面が湾曲形状を有するRタイプのものであり、各垂
木部材4および各屋根葺き材5が前方に向かって湾曲し
ている。この場合、各構成部材の基本構造は、第1実施
形態の構成部材と同様であるが、前枠3の上片部36の
形状が一部異なっている。すなわち、上片部36の先端
には、更に先方に「L」字状に突出した堰片部42が形
成されており、この堰片部42は垂木部材(屋根葺き材
押え部)4や屋根葺き材5から浮き上がるように形成さ
れている。
【0039】このバルコニー屋根1では、前方に向かっ
て徐々に屋根勾配が急になっており、流下する雨水は徐
々に流速を増す。このため、雨水は前枠3の雨樋部32
の内側に勢い良く流入し、飛散し易くなる。ところが、
上記の実施形態では、屋根面を流下してきた雨水は、上
記の堰片部42を乗り越え流速を減じてから雨樋部32
に流入する。このため、雨水は雨樋部32にゆっくり流
れ込むことになる。したがって、前枠3から雨水が滴下
するのを有効に防止することができる。
【0040】次に、図7および図8を参照して、前枠3
と垂木部材4の連結部分の他の実施形態について説明す
る。この実施形態では、前枠3と垂木部材4とが垂木ブ
ラケット50を介して連結されている。垂木ブラケット
50は、図8に示すように、垂木部材4の中空部内に嵌
合する一対のリブ部51,51と、一対のリブ部51,
51を保持するフランジ部52とで一体に形成されてい
る。垂木ブラケット50は、一対のリブ部51,51を
垂木部材4の中空部内に差し込んだ状態で、両側から垂
木部材4にねじ止めされる一方、フランジ部52を前枠
3の突当て面34に押し当てた状態で、前枠3にねじ止
めされている。この状態では、垂木ブラケット50のフ
ランジ部52が前枠3と垂木部材4との間に強く挟み込
まれており、前枠3と垂木部材4との間を雨水が簡単に
流下するのを、阻止している。
【0041】一方、図7に示すように、上記の深溝35
を構成する前枠本体31の天板部60において、その後
端に障壁部61が立設されている。この障壁部61は、
上部が前方に湾曲して水返しの形状に形成されている。
もっとも、障壁部61の上部において、垂木部材4の位
置する部位は切り欠かれており、この切り欠かれた部分
に垂木部材4が嵌合している。
【0042】また、天板部60は屋根勾配に倣った傾斜
を有しており、その後半部の上面は、垂木部材4の前端
部の上部28が載置される載置面62となっている。ま
た、この載置面62は、垂木部材4の前端部の上部28
が直接接触する前側の傾斜面部62aと、前端部の上部
28が非接触状態で対峙する後側の水平面部62bとで
構成されている。すなわち、載置面62の傾斜面部62
aは屋根勾配に倣って傾斜し、水平面部62bは、傾斜
面部62aの端から障壁部61に向かってほぼ水平に延
びている。
【0043】この場合、垂木部材4の前端部の上部28
において、その前端を回り込んで前枠本体31の載置面
62に達した雨水(図11参照)は、傾斜面部62aに
接触している垂木部材4の前端部により、後方への逆流
を阻止される。具体的には、傾斜面部62aと垂木部材
4の前端部との間では、毛細管現象により、雨水が層に
なって定位する。このため、雨水の層が持つ表面張力に
より、雨水の更なる逆流が阻止される。もっとも、強い
風圧などにより、雨水が水平面部62bまで流れ込む可
能性があるが、かかる場合に雨水は、障壁部61に阻止
されて水平面部62bに溜まることになる。そして、水
平面部62bに溜まった雨水は、風圧が減圧したときに
自然流下により排水孔35aに向かって前方に流れ出
す。
【0044】したがって、垂木部材4と前枠3との連結
部分の雨仕舞性を構造的に良好なものとすることができ
る。なお、屋根勾配にもよるが、水平面部62bがわず
かに前方に下り傾斜となっていることが、より好まし
い。
【0045】次に、図9および図10を参照して、前枠
3と垂木部材4の連結部分の更に他の実施形態について
説明する。この実施形態はRタイプの屋根に適用される
ものであり、この場合も、図10に示す垂木ブラケット
50を介して、前枠3と垂木部材4とが連結されてい
る。また、上記の実施形態と異なり、垂木部材4の前端
面(小口)は直角に切断され、且つ垂木部材4の前端部
には、その前端面から屋根勾配に倣って後方に延びる切
欠き部71が形成されている。この切欠き部71は、図
10に示すように、垂木部材4の呑込み溝23の下側で
あって、且つ取り付けた垂木ブラケット50の上側に位
置し、垂木部材4の両側板部を長方形に切り欠くことに
より、形成されている。
【0046】一方、図9に示すように、前枠の天板部6
0の後端には、シール取付片72が突設され、さらにシ
ール取付片72の後部には、上記の切欠き部71に挿入
される水切り片73が延設されている。水切り片73
は、内側に溝部を形成すべく、シール取付片72の後端
から一旦下方に延び更に屋根勾配に倣って後方に延びて
いる。また、同図(b)に示すように、水切り片73
は、その後端のレベルがシール取付片72の頂部より高
い位置になるように延設されている。すなわち、水切り
片73の後端とシール取付片72の頂部との間には、図
示「h」のレベル差を設けている。
【0047】このような構成において、垂木部材4の前
端面を伝わって侵入してくる雨水(主に図11のS部分
からの雨水)は、垂木部材4の切欠き部71に達したと
ころで、水切り片73上に流下しここに溜まる。水切り
片73に溜まった雨水は、同図(b)に示すように、レ
ベル差hにより前側からシール取付片72上をオーバー
フローし、前方の排水孔35aに向かって流れ出す。し
たがって、この実施形態によっても、垂木部材4と前枠
3との連結部分の雨仕舞性を構造的に良好なものとする
ことができる。また、垂木部材4の前端部は、上記の各
実施形態と異なり複雑な加工を必要としない。
【0048】なお、シール取付片72とは別に、水切り
片73を天板部60の後端から延設するようにしてもよ
い。この場合には、シール取付片72の基部に水抜き孔
を形成して、水切り片73で受けた雨水を水抜き孔を介
して、天板部60の上面に流すようにする。
【0049】以上、上記の各実施形態では、パネル状の
屋根葺き材を用いた場合について説明したが、波板など
の屋根葺き材を用いた場合にも、適用できることはいう
までもない。また、本発明の簡易屋根は、バルコニー屋
根の他、テラス、カーポート等にも適用可能である。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の簡易屋根によれ
ば、部品点数および組立工数を削減することができ、か
つ屋根葺き材などの構成部材の下側からの施工を可能に
する。したがって、低コストで、かつ施工性を向上させ
ることができると共に、施工の安全性を向上させること
ができる。また、構造上、雨仕舞性を良好なものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るバルコニー屋根を備
えたバルコニーの外観斜視図である。
【図2】実施形態に係るバルコニー屋根の拡大縦断面図
である。
【図3】実施形態に係るバルコニー屋根の拡大横断面図
である。
【図4】実施形態に係るバルコニー屋根の垂木部材廻り
の構造図である。
【図5】変形例に係る垂木部材廻りの構造図である。
【図6】他の実施形態に係るバルコニー屋根の拡大縦断
面である。
【図7】前枠と垂木部材の連結部分の他の実施形態の拡
大縦断面である。
【図8】前枠と垂木部材の連結部分の他の実施形態の分
解斜視図である。
【図9】前枠と垂木部材の連結部分の更に他の実施形態
の拡大縦断面である。
【図10】前枠と垂木部材の連結部分の更に他の実施形
態の分解斜視図である。
【図11】前枠と垂木部材の連結部分の雨仕舞性を説明
する説明用の斜視図である。
【符号の説明】
1 バルコニー屋根、3 前枠、4 垂木部材、5 屋
根葺き材、21 屋根葺き材押え部、22 垂木部、2
3 呑込み溝、24 上シール部材、25 下シール部
材、28 上部、29 下部、60 天板部、61 障
壁部、62 載置面、62a 傾斜面部、62b 水平
面部、71 切欠き部、73 水切り片
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 3/00 - 3/40 E04F 10/00 - 10/10 E04H 6/02 E04B 1/00 502

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根葺き材を支持する垂木部と、屋根葺
    き材を当該垂木部側に押さえる屋根葺き材押え部とが一
    体に成形された垂木部材を備え、前記垂木部材の軒側端部が前枠に突き当てた状態で取り
    付けられている簡易屋根において、 前記垂木部と前記屋根葺き材押え部との間には、シール
    部材および前記屋根葺き材の端部を装着するための呑込
    み溝が形成され 前記軒側端部は、前記屋根葺き材押え部の端部と前記呑
    込み溝の底面を構成する前記垂木部の上板の端部とで構
    成された上部が、下部に対して突出している ことを特徴
    とする簡易屋根。
  2. 【請求項2】 前記屋根葺き材は、隣接する一対の前記
    垂木部材のそれぞれの前記呑込み溝に対し、やり返しに
    より下方から装着可能に構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の簡易屋根。
  3. 【請求項3】 前記シール部材は、前記屋根葺き材押え
    部と前記屋根葺き材との間に介在させた上シール部材
    と、前記屋根葺き材と前記垂木部との間に介在させた下
    シール部材とを有し、 前記上シール部材は前記屋根葺き材押え部に先付けで取
    り付けられ、前記下シール部材は前記屋根葺き材と前記
    垂木部との間に後付けで取り付けられていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の簡易屋根。
  4. 【請求項4】 前記前枠は、突出した前記軒側端部の上
    部が載置される載置面を有しており、 当該載置面は、屋根勾配に倣って傾斜した前部の傾斜面
    部と傾斜面部から略水平に延びる後部の水平面部とで構
    成されていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の簡易屋根。
  5. 【請求項5】 前記水平面部の後端には障壁部が立設さ
    れていることを特徴とする請求項に記載の簡易屋根。
  6. 【請求項6】 屋根葺き材を支持する垂木部と、屋根葺
    き材を当該垂木部側に押さえる屋根葺き材押え部とが一
    体に成形された垂木部材を備え、 前記垂木部材の軒側端部が前枠に突き当てた状態で取り
    付けられている簡易屋 根において、 前記軒側端部には、前端面から屋根勾配に倣って後方に
    延びる切欠き部が形成され、 前記前枠には、前端が当該前枠の排水路に連なると共
    に、屋根勾配に倣って後方に延設され前記切欠き部に挿
    入される水切り片部が形成されていることを特徴とする
    簡易屋根。
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