JP3482964B2 - 苗移植機 - Google Patents
苗移植機Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜などの苗を圃場に
移植する苗移植機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の苗移植機は、苗の種類や栽培体
系の違いによって1畝当りの植付条数、畝幅が異なって
くる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、植付条数の
変更や、畝幅の相違に適宜対応できる苗移植機とするこ
とを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、左右に走行車輪を設け、苗を圃場に植付
ける植付装置を複数左右方向に設定間隔で並べて設けた
苗移植機において、左右複数の植付装置を互いの左右間
隔を変更することなく複数体同時に左右の走行車輪に対
して左右方向にシフトさせるシフト手段と、該シフト手
段により左右方向にシフトされる左右複数の植付装置の
左右間隔を変更する条間調節手段と、左右の走行車輪の
間隔を変更するトレッド調節手段とを設けたことを特徴
とする苗移植機としたものである。 【0005】 【作用】上記構成とした苗移植機は、同じ畝を往復移動
して植付装置の数よりも多い植付条数で植付けるとき、
シフト手段により左右複数の植付装置を互いの左右間隔
を変更することなく複数体同時に左右の走行車輪に対し
て左右方向にシフトでき、そのうえ、シフト手段により
左右方向にシフトされる左右複数の植付装置の左右間隔
を条間調節手段により変更できて、畝に対する苗の植付
位置を適正且つ容易に調節できる。また、トレッド調節
手段により畝巾に応じて左右の走行車輪の間隔を適宜変
更できる。 【0006】 【発明の効果】よって、本発明は、左右に走行車輪を設
け、苗を圃場に植付ける植付装置を複数左右方向に設定
間隔で並べて設けた苗移植機において、左右複数の植付
装置を互いの左右間隔を変更することなく複数体同時に
左右の走行車輪に対して左右方向にシフトさせるシフト
手段と、該シフト手段により左右方向にシフトされる左
右複数の植付装置の左右間隔を変更する条間調節手段
と、左右の走行車輪の間隔を変更するトレッド調節手段
とを設けたので、同じ畝を往復移動して植付装置の数よ
りも多い植付条数で植付けるとき、畝に対する苗の植付
位置を適正に調節できて、様々な植付状態が選択可能と
なり、尚且つ、畝幅の相違にも適宜対応できる。 【0007】また、前記シフト手段は左右複数の植付装
置を互いの左右間隔を変更することなく複数体同時に左
右の走行車輪に対して左右方向にシフトさせるので、条
間調節手段によって適 宜変更した苗植付条間がシフト手
段によって変更されることがなく、畝に対する苗の植付
位置を適正に且つ容易に行える。 【0008】 【実施例】図1乃至図12は本発明の1例を表すもので
あり、以下、この図示例について説明する。 【0009】この苗移植機1は歩行型野菜移植機であ
り、機体の前部中央にエンジン2とミッションケース3
が配され、該ミッションケースの左右側面部から外側に
突設したアクスルケース5,5の先端部に、走行動力と
植付動力を分配するファイナルケース6,6が一体に設
けられている。さらに、アクスルケース5,5の延長線
上にチエンケース7,7が上下に回動自在に設けられ、
その先端部に駆動輪である前輪8,8が軸支されてい
る。 【0010】左右のチエンケース7,7はねじ部7a,
7aでもってアクスルケース5,5に嵌合支持されてお
り、右側のファイナルケース6に設けたトレッド調節ハ
ンドル9を回転操作することにより、ねじ部7a,7a
が左右同量づつアクスルケース5,5に出入りし、前輪
8,8のトレッドが調節されるようになっている。 【0011】アクスルケース5,5の背面部に左右一対
の縦フレーム10,10が平行に固着され、これら縦フ
レームの後端部に、後方に開口する平面視コ形の植付部
フレーム11が固着されている。そして、植付部フレー
ム11の左右後端部には、平面視ロ形の操縦ハンドル1
2が取り付けられている。この操縦ハンドル12は後部
が上位となり、グリップ部分12aが適正高さになって
いる。 【0012】植付部フレーム11の前端下側には後輪支
持軸15が左右に支持されており、この後輪支持軸15
の両端部に摺動自在かつ回動自在に設けた後輪支持部材
16,16の後端部に後輪17,17がそれぞれ軸支さ
れている。 【0013】前輪8,8および後輪17,17は油圧で
上下動させられる。その機構は次のように構成されてい
る。ミッションケース3の背面部に油圧シリンダ20が
後向きに固定して設けられ、そのピストン20aに左右
方向の水平杆21が取り付けられている。そして、この
水平杆21の左右両端部に、チエンケース7,7の基部
に固着したアーム22,22と後輪支持具16,16の
基部に固着したアーム23,23とを結ぶ連結ロッド2
4,24の中間部に取り付けた連結部材25,25が連
結されている。油圧シリンダ20が伸縮すると、連結ロ
ッド24,24を介して前後のアーム22,22,2
3,23が回動させられ、前輪8,8および後輪17,
17が上下動する。 【0014】連結部材25,25は水平杆21に摺動自
在に嵌合し、長穴21a,21aの範囲内で左右にスラ
イド可能であるので、トレッド調節によってアーム2
2,22,23,23の左右位置がずれても、これに対
応できるようになっている。なお、前輪8,8のトレッ
ドを調節すると、アーム22、連結ロッド24、アーム
23を介して、後輪17,17のトレッドも連係して調
節される。 【0015】この車輪上下動機構は、畝Uの表土面高さ
の変動に応じて後部が上下に回動する接地センサ27の
動作に基づいて制御される。すなわち、畝Uが高くなっ
て接地センサ27の後部が押し上げられると、油圧シリ
ンダ20が伸ばされて前輪8,8および後輪17,17
が同時に下動し、機体が上昇する。逆に、畝Uが低くな
って接地センサ27の後部が落ち込むと、前輪8,8お
よび後輪17,17が同時に上動し、機体が下降する。
このように、畝の表土面高さの変化に応じて機体を適宜
昇降させることにより、後記植付装置33による苗の植
付深さを常に一定に保つのである。 【0016】この野菜移植機1は、伝動ケース30、苗
載台31、灌水装置32、植付装置33、作溝体34等
からなる植付部ユニットをA,B2組有する。 【0017】両植付部ユニットA,Bは、植付部フレー
ム11の前部に支架した条間調節軸36と前記操縦ハン
ドル12の基軸部12bに支持されている。条間調節軸
36にはねじ37A,37Bが切られており、植付部ユ
ニットA,Bの前端部がこれらねじ部にそれぞれ螺合し
ている。両ねじ37A,37Bの向きは逆向きで、その
ピッチの比率はp(A):p(B)=1:3になってい
る。したがって、条間調節ハンドル38を用いて条間調
節軸36を回転させると、植付部ユニットA,Bが互い
に反対方向に1:3の割合で移動し、両者の間隔が拡縮
調節させられる。この機構が条間調節手段である。 【0018】さらに、一定方向に等ピッチでねじ40が
切られたシフト軸41が縦フレーム10,10の後端部
に支架されており、このシフト軸41に一端部を螺合さ
せた連結フレーム42の他端部が前記条間調節軸36に
一体に連結されている。シフトハンドル43を用いてシ
フト軸41を回転させると、連結フレーム42がシフト
軸41に沿って左右に移動し、これと一体の条間調節軸
36も左右に移動し、植付部ユニットA,Bが同方向に
同量づつずらされる。この機構がシフト手段である。 【0019】連結フレーム42が機体の左右中心線CL
上に位置する時、左右中心線CLから左の植付装置33
Aまでの距離l(A)と左右中心線CLから右の植付装
置33Bまでの距離l(B)の比は、l(A):l
(B)=l:3になっている。 【0020】ファイナルケース6から伝動ケース30へ
は、伝動軸45を介して伝動される。この伝動軸45
は、それ自身が伸縮自在で、かつその両端部がファイナ
ルケースの出力軸46および伝動ケース30の入力軸4
7にユニバーサルジョイント48,48によって伝動連
結されている。 【0021】伝動ケース30には植付部ミッション(図
示せず)、植付クラッチ50等が内蔵され、伝動パイプ
51内の伝動手段(図示せず)を介して植付装置33に
伝動されるとともに、チエンケース52内のチエン(図
示せず)を介して苗載台横移動用のリードカム軸53に
伝動される。また、伝動ケース30の側面部には、苗送
りカム54,54が取り付けられた苗送りカム軸55が
突出している。 【0022】植付クラッチ50は伝動ケース30の上面
に突出するクラッチピン50aで操作を行い、このクラ
ッチを切りにすると、その植付部ユニットの各部が所定
の位置で停止するようになっている。 【0023】苗載台31は、前側が上位となるよう若干
傾斜した状態に設けられ、その後部底面が伝動ケース3
0の上に設けた支持部材60に摺動自在に支持され、か
つその前部底面に取り付けたローラ61がミッションケ
ース3の上に設けたレール62に支架されている。前記
リードカム軸53は外周面に螺旋状の溝が形成された軸
で、該溝に苗載台31の底面部に取り付けた金具63の
爪が係合しており、リードカム軸53が回転すると、溝
に沿って爪が移動することにより、苗載台31が左右往
復動させられる。 【0024】苗載台31は底面部が開口し、そこに台上
の苗を後方に移送する苗送りベルト65が組み付けられ
ている。この苗送りベルト65は、苗載台31が左右行
程の端部に到達した時に前記苗送りカム54によって駆
動され、間歇的に所定方向に循環移動するようになって
いる。 【0025】また、苗載台31の後端部に隣接する位置
に、苗載台31上の最後列の苗を受ける苗受板67が前
記支持部材60と一体に設けられている。この苗受板6
7の中央部には平面視でコ字形に切り欠かれた苗取出口
68(図3〜図6に表示)が形成されている。さらに、
苗載台31の後端部には、苗載台31上の最後列の苗が
苗受板から落下しないように保持する櫛状の苗ホルダ6
9が設けられている。 【0026】苗を苗載台31の上に載置して各部を起動
すると、苗載台31が横移動して苗受板67の上に位置
する最後列の苗を順次苗取出口68に供給する。苗載台
31が左右行程の端部に到達して最後列の苗を全て苗取
出口68に供給し終えると、苗送りベルト65が適当量
移動し、苗載台31上の苗群を1列分だけ後方に移送す
る。 【0027】灌水装置32は移植する直前の苗に灌水を
施す装置で、苗送りベルト65よりも後方の位置に左右
一対のノズル71L,71Rが苗取出口68の上方に向
けて設けられている。これら一対のノズル71L,71
Rへは共通の給水管72から水が供給されるが、その給
水方向はロッド73、アーム74等を介して苗載台31
の横移動に連動するスロットルバルブ75によって切り
替わり、苗載台31が右方向に移動する時は右側のノズ
ルから水が噴霧され(図5参照)、苗載台31が左側に
移動する時は左側のノズルから水が噴霧される(図6参
照)。すなわち、苗載台31に残っている苗N,…と噴
霧された水とが干渉しないように、常に苗が空になった
側のノズルが作動するようになっているのである。 【0028】このように苗取出の直前で苗に灌水する
と、苗のポットおよび床土が軟弱化することがなく、苗
分離時や植込動作中に苗が壊れるのを防止できる。ま
た、水圧で葉を上向きに揃えることにより、分離される
苗とそれに隣接する苗との葉の絡み付くのを防止でき、
苗分離が良好に行える。さらに、噴霧された水によって
植込爪に付着している泥が洗い流されるので、後記植込
爪83,83の泥詰まりを防止できるという効果もあ
る。 【0029】なお、葉の絡み付き防止や、植込爪の洗浄
のためだけであるならば、水の代わりにエアをノズルか
ら吐出させるようにしてもよい。 【0030】植付装置33は、伝動パイプ51に取り付
けた第一回転ケース80と、該第一回転ケースの先端部
に取り付けた第二回転ケース81と、該第二回転ケース
の先端部に取り付けた移植ケース82とを備え、移植ケ
ース82に一対の植込爪83,83と苗押出体84が設
けられている。各ケースには複数の軸、ギヤ等が内蔵さ
れており、第一回転ケース80および第二回転ケース8
1が互いに逆向きに所定方向に回転することにより、移
植ケース82が一定姿勢に保持されたまま所定の軌跡を
描いて上下に閉ループ運動を行なう。軌跡の上部で植込
爪83,83が閉じて前記苗取出口68に供給された苗
を挟持し、軌跡の下部で植込爪83,83が開くととも
に苗押出体84が突出して苗を畝の表土面に植え付ける
ように構成されている。 【0031】作溝体34は、圃場面に苗移植用の溝を形
成するためのもので、図7に示す形状をしている。すな
わち、概略的には、左右一対の側板90,90を前端部
で結合させ、平面視で前端が鋭利で、上下および後部が
開放した空洞状になっている。さらに説明を加えると、
前端部は下側ほど前方に張り出し、また左右の側板の間
隔は下部ほど広くなっている。そして、前部上面に固着
した支持棒91によって伝動ケース30に着脱自在に取
り付けられている。 【0032】機体の進行に伴って下半部が土中に埋もれ
た状態で作溝体34が移動し、前記植込爪83,83に
よる苗植付位置の前方の土を左右両側に掻き分ける。作
溝体34の前端部が前記形状をしているので、土をすく
い上げるようにして掻き分けるようになり、草の根等の
きょう雑物が作溝体34の前端部に引っ掛かりにくい。
作溝体34によって形成された溝Mに苗Nが植え付けら
れる(図8参照)。そして、作溝体34が通過後、溝M
の壁面が崩落して植え付けられた苗Nのポット部が土に
埋もれる。苗移植用の溝Mは正面視で下部ほど幅の広い
「ハ」形であるので、上記壁面の崩落が確実に行われ、
苗の覆土効果が良好である。 【0033】この野菜移植機1は以下の方法で植付を行
う。 【0034】4条植の場合(図9参照)は、連結フレー
ム42を機体の左右中心に位置させ、両植付装置33
(A),(B)の間隔が条間幅wの2倍になるようにす
る。なお、条間wは畝幅dの1/4とする。この時、機
体の左右中心線CLから左の植付装置33(A)までの
距離はw/2、左右中心線CLから右の植付装置33
(B)までの間隔は3w/2である。この状態で往復し
てひとつの畝Uに植付を行うと、往路では植付装置33
(A)がロ条、植付装置33(B)がニ条にそれぞれ苗
Nを植え付け、また復路では植付装置33(A)がハ
条、植付装置33(B)がイ条にそれぞれ苗Nを植え付
ける。 【0035】上記よりも畝幅が広い場合(図10参照)
は、トレッド調節ハンドル9を所定方向に回してトレッ
ドを広げるとともに、連結フレーム42は機体の左右中
心に位置させたままにして、条間調節ハンドル38を所
定方向に回して両植付装置33(A),(B)の間隔を
広くする。畝幅がΔd広いとすれば、条間距離の拡張分
はΔw=Δd/4で、新たな条間距離はw+△d/4に
なる。 【0036】3条植の場合(図11参照)は、両植付装
置33(A),(B)の間隔を条間幅wと等しくし、左
の植付装置33(A)を機体の左右中心に位置させる。
条間wは畝幅dの1/3とする。そして、往路では両方
の植付装置33(A),(B)を作動させ、植付装置3
3(A)でロ条を、植付装置33(B)でハ条に苗Nを
植え付ける。また、復路では植付装置33(A)を停止
させ、植付装置33(B)でイ条に苗Nを植え付ける。
各植付部ユニットごとに植付クラッチ50が設けられて
いるので、所望の植付部ユニットの作動を停止させるこ
とが可能である。勿論、往路でハ条だけに苗Nを植え付
け、復路でイ条とロ条に苗Nを植え付けるようにしても
よいのは言うまでもない。 【0037】なお、特定の条にだけ苗を植え付けないよ
うにするには、その条の苗載台31を空にして植付装置
33を空駆動させてもよいが、そのようにすると、畝面
や、あるいは畝面にマルチが被覆されている場合にはそ
のマルチに不必要な孔を開けることとなり、好ましくな
い。 【0038】2条植の場合(図12参照)は、両植付装
置33(A),(B)の間隔を条間幅wと等しくし、左
右中心軸CLから両植付装置33(A),(B)までの
距離を等しくする。そして、両方の植付装置33を作動
させて1方向にだけ植付を行う。 【0039】この図示例の苗移植機(野菜移植機)は、
2個の植付装置33を備え、1畝あたり2条植、3条植
および4条植の3通りの植付を行える。植付装置の数を
2よりも大きい偶数個にすれば、さらに上記の植付条数
よりも多い奇数を含む多数条植を行うことが可能であ
る。 【0040】 【補足説明】野菜が植え付けられる圃場では、収穫時期
をずらすために、図13に示すように畝立てした圃場H
を幾つかのブロックH−1〜nに分け、そのブロックご
とに時期をずらせて植付を行う。このため、連続する畝
の途中で機体を旋回させる必要が生じる。このような場
合に、以下に示すような旋回台を用いると、畝を壊すこ
となく機体を円滑に旋回させることができる。 【0041】図14に示す旋回台100は、畝と畝の間
の溝に嵌合する断面形状をし、嵌合状態で上面が畝の上
面とほぼ同じ高さになり、少なくとも一方の端部にはス
ロープ部100aが形成されている。この旋回台は3個
で1組として使用される。図のように、現在植付中の畝
U−1の両側の溝M−1,M−2と次回植え付ける畝U
−2の横の溝M−3に3個の旋回台100−1〜3を嵌
合させる。その際、各旋回台100のスロープ部100
aが現在の植付方向に対向するようにし、スロープ部1
00aの先端を植付け最終ラインFLから所定距離に位
置させる。植付終了ラインFLまで植付をしたならば、
植付部を停止させ、スロープ部100a−1,100a
−2を伝わらせて野菜移植機1を旋回台100−1,1
00−2の上に乗り上げさせる。そして、中央の旋回台
100−2の上に乗っている右の前輪8Rを支点にして
機体を180度旋回させ、旋回台100−1の上にあっ
た左の前輪8Lを旋回台100−3の上に移し替える。
旋回が完了したならば、そのまま野菜移植機1を前進さ
せ、スロープ100a−2,100a−3を伝わらせて
溝M−2,M−3の上に下ろす。 【0042】布、ゴム等で作られた所定形状の袋の中に
ペレット状の充填物を詰め込んで旋回台を形成すると、
溝や畝の形状に応じて旋回台が変形するので、使用中に
旋回台がぐらつくことがなく、またマルチを破ることも
ない。袋の中に詰める充填物は、ある程度の剛性を必要
とし、かつ持ち運びのためには比較的軽いものが好まし
く、例えば比重0.5程度の樹脂ペレットが適してい
る。 【0043】図15に示す旋回台101は、旋回支点と
なる前輪の乗る部分が水平面内で回転自在な回転テーブ
ル101bになっている。図16に示すように、3個の
旋回台のうちの中央の旋回台にこの構成の旋回台を用い
ると、前輪8をずらし回すことなく機体を旋回させられ
るので、旋回操作を容易に行える。 【0044】図17に示す旋回台102は、畝の上面に
載せられる半円形の旋回プレート102aと、3枚のス
ロープ部材102b−1〜3とが一体に組み付けられて
いる。スロープ部材102b−1,2を伝わらせて機体
を旋回プレート102aの上に乗り上げさせ、旋回プレ
ート102aのO点を中心にして機体を旋回させ、スロ
ープ部材102b−2,3を伝わらせて溝の中に下ろ
す。なお、図中の102cは持ち運び用の把手である。 【0045】図18および図19に示す旋回台は前記旋
回台の改良形であり、この旋回台103は、旋回プレー
ト103aが樹脂等で一体成型され、回転中心O点の周
囲に円形の凹部103dが形成されているとともに、移
動側車輪の軌道に沿ってガイド溝103eが形成されて
いる。このため、旋回時に車輪の位置がずれることがな
く、安全に旋回を行える。なお、凹部103dに少量の
砂Sを入れておくと、旋回台103と車輪8との摩擦抵
抗が小さくなるので、旋回操作が容易になる。旋回プレ
ート103aの適所に持ち運び用の穴103c,103
cが形成されている。また、スロープ部材103b,…
は支持軸103f,…に沿って畝幅方向に若干ずらせら
れるようになっているので、畝や溝の寸法誤差を吸収す
ることができる。
移植する苗移植機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の苗移植機は、苗の種類や栽培体
系の違いによって1畝当りの植付条数、畝幅が異なって
くる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、植付条数の
変更や、畝幅の相違に適宜対応できる苗移植機とするこ
とを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、左右に走行車輪を設け、苗を圃場に植付
ける植付装置を複数左右方向に設定間隔で並べて設けた
苗移植機において、左右複数の植付装置を互いの左右間
隔を変更することなく複数体同時に左右の走行車輪に対
して左右方向にシフトさせるシフト手段と、該シフト手
段により左右方向にシフトされる左右複数の植付装置の
左右間隔を変更する条間調節手段と、左右の走行車輪の
間隔を変更するトレッド調節手段とを設けたことを特徴
とする苗移植機としたものである。 【0005】 【作用】上記構成とした苗移植機は、同じ畝を往復移動
して植付装置の数よりも多い植付条数で植付けるとき、
シフト手段により左右複数の植付装置を互いの左右間隔
を変更することなく複数体同時に左右の走行車輪に対し
て左右方向にシフトでき、そのうえ、シフト手段により
左右方向にシフトされる左右複数の植付装置の左右間隔
を条間調節手段により変更できて、畝に対する苗の植付
位置を適正且つ容易に調節できる。また、トレッド調節
手段により畝巾に応じて左右の走行車輪の間隔を適宜変
更できる。 【0006】 【発明の効果】よって、本発明は、左右に走行車輪を設
け、苗を圃場に植付ける植付装置を複数左右方向に設定
間隔で並べて設けた苗移植機において、左右複数の植付
装置を互いの左右間隔を変更することなく複数体同時に
左右の走行車輪に対して左右方向にシフトさせるシフト
手段と、該シフト手段により左右方向にシフトされる左
右複数の植付装置の左右間隔を変更する条間調節手段
と、左右の走行車輪の間隔を変更するトレッド調節手段
とを設けたので、同じ畝を往復移動して植付装置の数よ
りも多い植付条数で植付けるとき、畝に対する苗の植付
位置を適正に調節できて、様々な植付状態が選択可能と
なり、尚且つ、畝幅の相違にも適宜対応できる。 【0007】また、前記シフト手段は左右複数の植付装
置を互いの左右間隔を変更することなく複数体同時に左
右の走行車輪に対して左右方向にシフトさせるので、条
間調節手段によって適 宜変更した苗植付条間がシフト手
段によって変更されることがなく、畝に対する苗の植付
位置を適正に且つ容易に行える。 【0008】 【実施例】図1乃至図12は本発明の1例を表すもので
あり、以下、この図示例について説明する。 【0009】この苗移植機1は歩行型野菜移植機であ
り、機体の前部中央にエンジン2とミッションケース3
が配され、該ミッションケースの左右側面部から外側に
突設したアクスルケース5,5の先端部に、走行動力と
植付動力を分配するファイナルケース6,6が一体に設
けられている。さらに、アクスルケース5,5の延長線
上にチエンケース7,7が上下に回動自在に設けられ、
その先端部に駆動輪である前輪8,8が軸支されてい
る。 【0010】左右のチエンケース7,7はねじ部7a,
7aでもってアクスルケース5,5に嵌合支持されてお
り、右側のファイナルケース6に設けたトレッド調節ハ
ンドル9を回転操作することにより、ねじ部7a,7a
が左右同量づつアクスルケース5,5に出入りし、前輪
8,8のトレッドが調節されるようになっている。 【0011】アクスルケース5,5の背面部に左右一対
の縦フレーム10,10が平行に固着され、これら縦フ
レームの後端部に、後方に開口する平面視コ形の植付部
フレーム11が固着されている。そして、植付部フレー
ム11の左右後端部には、平面視ロ形の操縦ハンドル1
2が取り付けられている。この操縦ハンドル12は後部
が上位となり、グリップ部分12aが適正高さになって
いる。 【0012】植付部フレーム11の前端下側には後輪支
持軸15が左右に支持されており、この後輪支持軸15
の両端部に摺動自在かつ回動自在に設けた後輪支持部材
16,16の後端部に後輪17,17がそれぞれ軸支さ
れている。 【0013】前輪8,8および後輪17,17は油圧で
上下動させられる。その機構は次のように構成されてい
る。ミッションケース3の背面部に油圧シリンダ20が
後向きに固定して設けられ、そのピストン20aに左右
方向の水平杆21が取り付けられている。そして、この
水平杆21の左右両端部に、チエンケース7,7の基部
に固着したアーム22,22と後輪支持具16,16の
基部に固着したアーム23,23とを結ぶ連結ロッド2
4,24の中間部に取り付けた連結部材25,25が連
結されている。油圧シリンダ20が伸縮すると、連結ロ
ッド24,24を介して前後のアーム22,22,2
3,23が回動させられ、前輪8,8および後輪17,
17が上下動する。 【0014】連結部材25,25は水平杆21に摺動自
在に嵌合し、長穴21a,21aの範囲内で左右にスラ
イド可能であるので、トレッド調節によってアーム2
2,22,23,23の左右位置がずれても、これに対
応できるようになっている。なお、前輪8,8のトレッ
ドを調節すると、アーム22、連結ロッド24、アーム
23を介して、後輪17,17のトレッドも連係して調
節される。 【0015】この車輪上下動機構は、畝Uの表土面高さ
の変動に応じて後部が上下に回動する接地センサ27の
動作に基づいて制御される。すなわち、畝Uが高くなっ
て接地センサ27の後部が押し上げられると、油圧シリ
ンダ20が伸ばされて前輪8,8および後輪17,17
が同時に下動し、機体が上昇する。逆に、畝Uが低くな
って接地センサ27の後部が落ち込むと、前輪8,8お
よび後輪17,17が同時に上動し、機体が下降する。
このように、畝の表土面高さの変化に応じて機体を適宜
昇降させることにより、後記植付装置33による苗の植
付深さを常に一定に保つのである。 【0016】この野菜移植機1は、伝動ケース30、苗
載台31、灌水装置32、植付装置33、作溝体34等
からなる植付部ユニットをA,B2組有する。 【0017】両植付部ユニットA,Bは、植付部フレー
ム11の前部に支架した条間調節軸36と前記操縦ハン
ドル12の基軸部12bに支持されている。条間調節軸
36にはねじ37A,37Bが切られており、植付部ユ
ニットA,Bの前端部がこれらねじ部にそれぞれ螺合し
ている。両ねじ37A,37Bの向きは逆向きで、その
ピッチの比率はp(A):p(B)=1:3になってい
る。したがって、条間調節ハンドル38を用いて条間調
節軸36を回転させると、植付部ユニットA,Bが互い
に反対方向に1:3の割合で移動し、両者の間隔が拡縮
調節させられる。この機構が条間調節手段である。 【0018】さらに、一定方向に等ピッチでねじ40が
切られたシフト軸41が縦フレーム10,10の後端部
に支架されており、このシフト軸41に一端部を螺合さ
せた連結フレーム42の他端部が前記条間調節軸36に
一体に連結されている。シフトハンドル43を用いてシ
フト軸41を回転させると、連結フレーム42がシフト
軸41に沿って左右に移動し、これと一体の条間調節軸
36も左右に移動し、植付部ユニットA,Bが同方向に
同量づつずらされる。この機構がシフト手段である。 【0019】連結フレーム42が機体の左右中心線CL
上に位置する時、左右中心線CLから左の植付装置33
Aまでの距離l(A)と左右中心線CLから右の植付装
置33Bまでの距離l(B)の比は、l(A):l
(B)=l:3になっている。 【0020】ファイナルケース6から伝動ケース30へ
は、伝動軸45を介して伝動される。この伝動軸45
は、それ自身が伸縮自在で、かつその両端部がファイナ
ルケースの出力軸46および伝動ケース30の入力軸4
7にユニバーサルジョイント48,48によって伝動連
結されている。 【0021】伝動ケース30には植付部ミッション(図
示せず)、植付クラッチ50等が内蔵され、伝動パイプ
51内の伝動手段(図示せず)を介して植付装置33に
伝動されるとともに、チエンケース52内のチエン(図
示せず)を介して苗載台横移動用のリードカム軸53に
伝動される。また、伝動ケース30の側面部には、苗送
りカム54,54が取り付けられた苗送りカム軸55が
突出している。 【0022】植付クラッチ50は伝動ケース30の上面
に突出するクラッチピン50aで操作を行い、このクラ
ッチを切りにすると、その植付部ユニットの各部が所定
の位置で停止するようになっている。 【0023】苗載台31は、前側が上位となるよう若干
傾斜した状態に設けられ、その後部底面が伝動ケース3
0の上に設けた支持部材60に摺動自在に支持され、か
つその前部底面に取り付けたローラ61がミッションケ
ース3の上に設けたレール62に支架されている。前記
リードカム軸53は外周面に螺旋状の溝が形成された軸
で、該溝に苗載台31の底面部に取り付けた金具63の
爪が係合しており、リードカム軸53が回転すると、溝
に沿って爪が移動することにより、苗載台31が左右往
復動させられる。 【0024】苗載台31は底面部が開口し、そこに台上
の苗を後方に移送する苗送りベルト65が組み付けられ
ている。この苗送りベルト65は、苗載台31が左右行
程の端部に到達した時に前記苗送りカム54によって駆
動され、間歇的に所定方向に循環移動するようになって
いる。 【0025】また、苗載台31の後端部に隣接する位置
に、苗載台31上の最後列の苗を受ける苗受板67が前
記支持部材60と一体に設けられている。この苗受板6
7の中央部には平面視でコ字形に切り欠かれた苗取出口
68(図3〜図6に表示)が形成されている。さらに、
苗載台31の後端部には、苗載台31上の最後列の苗が
苗受板から落下しないように保持する櫛状の苗ホルダ6
9が設けられている。 【0026】苗を苗載台31の上に載置して各部を起動
すると、苗載台31が横移動して苗受板67の上に位置
する最後列の苗を順次苗取出口68に供給する。苗載台
31が左右行程の端部に到達して最後列の苗を全て苗取
出口68に供給し終えると、苗送りベルト65が適当量
移動し、苗載台31上の苗群を1列分だけ後方に移送す
る。 【0027】灌水装置32は移植する直前の苗に灌水を
施す装置で、苗送りベルト65よりも後方の位置に左右
一対のノズル71L,71Rが苗取出口68の上方に向
けて設けられている。これら一対のノズル71L,71
Rへは共通の給水管72から水が供給されるが、その給
水方向はロッド73、アーム74等を介して苗載台31
の横移動に連動するスロットルバルブ75によって切り
替わり、苗載台31が右方向に移動する時は右側のノズ
ルから水が噴霧され(図5参照)、苗載台31が左側に
移動する時は左側のノズルから水が噴霧される(図6参
照)。すなわち、苗載台31に残っている苗N,…と噴
霧された水とが干渉しないように、常に苗が空になった
側のノズルが作動するようになっているのである。 【0028】このように苗取出の直前で苗に灌水する
と、苗のポットおよび床土が軟弱化することがなく、苗
分離時や植込動作中に苗が壊れるのを防止できる。ま
た、水圧で葉を上向きに揃えることにより、分離される
苗とそれに隣接する苗との葉の絡み付くのを防止でき、
苗分離が良好に行える。さらに、噴霧された水によって
植込爪に付着している泥が洗い流されるので、後記植込
爪83,83の泥詰まりを防止できるという効果もあ
る。 【0029】なお、葉の絡み付き防止や、植込爪の洗浄
のためだけであるならば、水の代わりにエアをノズルか
ら吐出させるようにしてもよい。 【0030】植付装置33は、伝動パイプ51に取り付
けた第一回転ケース80と、該第一回転ケースの先端部
に取り付けた第二回転ケース81と、該第二回転ケース
の先端部に取り付けた移植ケース82とを備え、移植ケ
ース82に一対の植込爪83,83と苗押出体84が設
けられている。各ケースには複数の軸、ギヤ等が内蔵さ
れており、第一回転ケース80および第二回転ケース8
1が互いに逆向きに所定方向に回転することにより、移
植ケース82が一定姿勢に保持されたまま所定の軌跡を
描いて上下に閉ループ運動を行なう。軌跡の上部で植込
爪83,83が閉じて前記苗取出口68に供給された苗
を挟持し、軌跡の下部で植込爪83,83が開くととも
に苗押出体84が突出して苗を畝の表土面に植え付ける
ように構成されている。 【0031】作溝体34は、圃場面に苗移植用の溝を形
成するためのもので、図7に示す形状をしている。すな
わち、概略的には、左右一対の側板90,90を前端部
で結合させ、平面視で前端が鋭利で、上下および後部が
開放した空洞状になっている。さらに説明を加えると、
前端部は下側ほど前方に張り出し、また左右の側板の間
隔は下部ほど広くなっている。そして、前部上面に固着
した支持棒91によって伝動ケース30に着脱自在に取
り付けられている。 【0032】機体の進行に伴って下半部が土中に埋もれ
た状態で作溝体34が移動し、前記植込爪83,83に
よる苗植付位置の前方の土を左右両側に掻き分ける。作
溝体34の前端部が前記形状をしているので、土をすく
い上げるようにして掻き分けるようになり、草の根等の
きょう雑物が作溝体34の前端部に引っ掛かりにくい。
作溝体34によって形成された溝Mに苗Nが植え付けら
れる(図8参照)。そして、作溝体34が通過後、溝M
の壁面が崩落して植え付けられた苗Nのポット部が土に
埋もれる。苗移植用の溝Mは正面視で下部ほど幅の広い
「ハ」形であるので、上記壁面の崩落が確実に行われ、
苗の覆土効果が良好である。 【0033】この野菜移植機1は以下の方法で植付を行
う。 【0034】4条植の場合(図9参照)は、連結フレー
ム42を機体の左右中心に位置させ、両植付装置33
(A),(B)の間隔が条間幅wの2倍になるようにす
る。なお、条間wは畝幅dの1/4とする。この時、機
体の左右中心線CLから左の植付装置33(A)までの
距離はw/2、左右中心線CLから右の植付装置33
(B)までの間隔は3w/2である。この状態で往復し
てひとつの畝Uに植付を行うと、往路では植付装置33
(A)がロ条、植付装置33(B)がニ条にそれぞれ苗
Nを植え付け、また復路では植付装置33(A)がハ
条、植付装置33(B)がイ条にそれぞれ苗Nを植え付
ける。 【0035】上記よりも畝幅が広い場合(図10参照)
は、トレッド調節ハンドル9を所定方向に回してトレッ
ドを広げるとともに、連結フレーム42は機体の左右中
心に位置させたままにして、条間調節ハンドル38を所
定方向に回して両植付装置33(A),(B)の間隔を
広くする。畝幅がΔd広いとすれば、条間距離の拡張分
はΔw=Δd/4で、新たな条間距離はw+△d/4に
なる。 【0036】3条植の場合(図11参照)は、両植付装
置33(A),(B)の間隔を条間幅wと等しくし、左
の植付装置33(A)を機体の左右中心に位置させる。
条間wは畝幅dの1/3とする。そして、往路では両方
の植付装置33(A),(B)を作動させ、植付装置3
3(A)でロ条を、植付装置33(B)でハ条に苗Nを
植え付ける。また、復路では植付装置33(A)を停止
させ、植付装置33(B)でイ条に苗Nを植え付ける。
各植付部ユニットごとに植付クラッチ50が設けられて
いるので、所望の植付部ユニットの作動を停止させるこ
とが可能である。勿論、往路でハ条だけに苗Nを植え付
け、復路でイ条とロ条に苗Nを植え付けるようにしても
よいのは言うまでもない。 【0037】なお、特定の条にだけ苗を植え付けないよ
うにするには、その条の苗載台31を空にして植付装置
33を空駆動させてもよいが、そのようにすると、畝面
や、あるいは畝面にマルチが被覆されている場合にはそ
のマルチに不必要な孔を開けることとなり、好ましくな
い。 【0038】2条植の場合(図12参照)は、両植付装
置33(A),(B)の間隔を条間幅wと等しくし、左
右中心軸CLから両植付装置33(A),(B)までの
距離を等しくする。そして、両方の植付装置33を作動
させて1方向にだけ植付を行う。 【0039】この図示例の苗移植機(野菜移植機)は、
2個の植付装置33を備え、1畝あたり2条植、3条植
および4条植の3通りの植付を行える。植付装置の数を
2よりも大きい偶数個にすれば、さらに上記の植付条数
よりも多い奇数を含む多数条植を行うことが可能であ
る。 【0040】 【補足説明】野菜が植え付けられる圃場では、収穫時期
をずらすために、図13に示すように畝立てした圃場H
を幾つかのブロックH−1〜nに分け、そのブロックご
とに時期をずらせて植付を行う。このため、連続する畝
の途中で機体を旋回させる必要が生じる。このような場
合に、以下に示すような旋回台を用いると、畝を壊すこ
となく機体を円滑に旋回させることができる。 【0041】図14に示す旋回台100は、畝と畝の間
の溝に嵌合する断面形状をし、嵌合状態で上面が畝の上
面とほぼ同じ高さになり、少なくとも一方の端部にはス
ロープ部100aが形成されている。この旋回台は3個
で1組として使用される。図のように、現在植付中の畝
U−1の両側の溝M−1,M−2と次回植え付ける畝U
−2の横の溝M−3に3個の旋回台100−1〜3を嵌
合させる。その際、各旋回台100のスロープ部100
aが現在の植付方向に対向するようにし、スロープ部1
00aの先端を植付け最終ラインFLから所定距離に位
置させる。植付終了ラインFLまで植付をしたならば、
植付部を停止させ、スロープ部100a−1,100a
−2を伝わらせて野菜移植機1を旋回台100−1,1
00−2の上に乗り上げさせる。そして、中央の旋回台
100−2の上に乗っている右の前輪8Rを支点にして
機体を180度旋回させ、旋回台100−1の上にあっ
た左の前輪8Lを旋回台100−3の上に移し替える。
旋回が完了したならば、そのまま野菜移植機1を前進さ
せ、スロープ100a−2,100a−3を伝わらせて
溝M−2,M−3の上に下ろす。 【0042】布、ゴム等で作られた所定形状の袋の中に
ペレット状の充填物を詰め込んで旋回台を形成すると、
溝や畝の形状に応じて旋回台が変形するので、使用中に
旋回台がぐらつくことがなく、またマルチを破ることも
ない。袋の中に詰める充填物は、ある程度の剛性を必要
とし、かつ持ち運びのためには比較的軽いものが好まし
く、例えば比重0.5程度の樹脂ペレットが適してい
る。 【0043】図15に示す旋回台101は、旋回支点と
なる前輪の乗る部分が水平面内で回転自在な回転テーブ
ル101bになっている。図16に示すように、3個の
旋回台のうちの中央の旋回台にこの構成の旋回台を用い
ると、前輪8をずらし回すことなく機体を旋回させられ
るので、旋回操作を容易に行える。 【0044】図17に示す旋回台102は、畝の上面に
載せられる半円形の旋回プレート102aと、3枚のス
ロープ部材102b−1〜3とが一体に組み付けられて
いる。スロープ部材102b−1,2を伝わらせて機体
を旋回プレート102aの上に乗り上げさせ、旋回プレ
ート102aのO点を中心にして機体を旋回させ、スロ
ープ部材102b−2,3を伝わらせて溝の中に下ろ
す。なお、図中の102cは持ち運び用の把手である。 【0045】図18および図19に示す旋回台は前記旋
回台の改良形であり、この旋回台103は、旋回プレー
ト103aが樹脂等で一体成型され、回転中心O点の周
囲に円形の凹部103dが形成されているとともに、移
動側車輪の軌道に沿ってガイド溝103eが形成されて
いる。このため、旋回時に車輪の位置がずれることがな
く、安全に旋回を行える。なお、凹部103dに少量の
砂Sを入れておくと、旋回台103と車輪8との摩擦抵
抗が小さくなるので、旋回操作が容易になる。旋回プレ
ート103aの適所に持ち運び用の穴103c,103
cが形成されている。また、スロープ部材103b,…
は支持軸103f,…に沿って畝幅方向に若干ずらせら
れるようになっているので、畝や溝の寸法誤差を吸収す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例である野菜移植機の平面図で
ある。 【図2】図1に示す歩行型野菜移植機の側面図である。 【図3】灌水装置の側面図である。 【図4】灌水装置の背面図である。 【図5】灌水方法を説明する平面図である。 【図6】灌水方法を説明する平面図である。 【図7】作溝体の斜視図である。 【図8】作溝体の正面断面図である。 【図9】1畝4条の植付を行う場合の野菜移植機と畝の
関係を示す図である。 【図10】図9の状態より畝幅が広くなった場合の野菜
移植機と畝の関係を示す図である。 【図11】1畝3条の植付を行う場合の野菜移植機と畝
の関係を示す図である。 【図12】1畝2条の植付を行う場合の野菜移植機と畝
の関係を示す図である。 【図13】圃場のブロック分けの1例を表す説明図であ
る。 【図14】旋回台の第一例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図15】旋回台の第二例の側面図である。 【図16】旋回台の第二例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図17】旋回台の第三例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図18】旋回台の第四例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図19】旋回台の第四例の断面図である。 【符号の説明】 1 苗移植機(歩行型野菜移植機) 8 前輪 17 後輪 31 苗載台 33 植付装置 36 条間調節軸(条間調節手段) 38 条間調節ハンドル(条間調節手段) 41 シフト軸(シフト手段) 43 シフトハンドル(シフト手段) 50 植付クラッチ
ある。 【図2】図1に示す歩行型野菜移植機の側面図である。 【図3】灌水装置の側面図である。 【図4】灌水装置の背面図である。 【図5】灌水方法を説明する平面図である。 【図6】灌水方法を説明する平面図である。 【図7】作溝体の斜視図である。 【図8】作溝体の正面断面図である。 【図9】1畝4条の植付を行う場合の野菜移植機と畝の
関係を示す図である。 【図10】図9の状態より畝幅が広くなった場合の野菜
移植機と畝の関係を示す図である。 【図11】1畝3条の植付を行う場合の野菜移植機と畝
の関係を示す図である。 【図12】1畝2条の植付を行う場合の野菜移植機と畝
の関係を示す図である。 【図13】圃場のブロック分けの1例を表す説明図であ
る。 【図14】旋回台の第一例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図15】旋回台の第二例の側面図である。 【図16】旋回台の第二例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図17】旋回台の第三例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図18】旋回台の第四例の使用状態を表す斜視図であ
る。 【図19】旋回台の第四例の断面図である。 【符号の説明】 1 苗移植機(歩行型野菜移植機) 8 前輪 17 後輪 31 苗載台 33 植付装置 36 条間調節軸(条間調節手段) 38 条間調節ハンドル(条間調節手段) 41 シフト軸(シフト手段) 43 シフトハンドル(シフト手段) 50 植付クラッチ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】左右に走行車輪を設け、苗を圃場に植付け
る植付装置を複数左右方向に設定間隔で並べて設けた苗
移植機において、左右複数の植付装置を互いの左右間隔
を変更することなく複数体同時に左右の走行車輪に対し
て左右方向にシフトさせるシフト手段と、該シフト手段
により左右方向にシフトされる左右複数の植付装置の左
右間隔を変更する条間調節手段と、左右の走行車輪の間
隔を変更するトレッド調節手段とを設けたことを特徴と
する苗移植機。
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ID=19195254
Family Applications (1)
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-
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- 2002-06-17 JP JP2002176370A patent/JP3482964B2/ja not_active Expired - Lifetime
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