JP3599597B2 - 乗用型田植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は稲用等の乗用型田植機において、植付条間隔が通常の植付条間隔(例えば300mm程度)よりも狭い植付条間隔で苗を圃場に植付ける密植型の苗植付装置を備えたものや、ペースト状の肥料を用いた施肥装置を機体後端部に備えたもの等を合理的に構成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば北海道のように平均気温が比較的低い地域では、苗の植付後の生育を良いものして収穫量を確保する為に、圃場に肥料を多く散布する傾向にある。しかしながら、圃場に肥料を多く散布し過ぎると、穀粒に含まれるタンパク質が多くなって、穀粒の食味の落ちることが指摘され始めている。そこで、食味が落ちないよう、散布する肥料の量を抑えると、今度は苗の生育が落ちてしまう。
【0003】
これにより、近年では肥料の量を抑えたために苗の生育が落ちる分を見越して、狭い植付条間隔で通常よりも多くの苗を圃場に植付けることにより、収穫量を確保しようと考えられている。言い換えると一つの苗の収穫量が少なくなっても、狭い植付条間隔で苗を圃場に多数植付けることにより、一つの圃場としての収穫量を確保しようとする考え方(少肥密植)である。
【0004】
密植型の苗植付装置の一例が、特開平9‐205839号公報に開示されている。この密植型の苗植付装置では、複数の植付ケース(前記公報の図2及び図3中の3)、及び支持フレーム(前記公報の図2及び図3中の7)を、互いに平行に交互に配置して、植付ケースと支持フレームとの間に、植付機構(前記公報の図2及び図3中の6,11)を配置し、植付ケースと支持フレームの両方に植付機構を支持させて、植付機構を回転駆動するように構成されている。この場合、隣接する植付機構の間隔(植付条間隔)が、通常の植付条間隔(例えば300mm程度)よりも狭い間隔(例えば210〜240mm)に設定されている。
【0005】
前述の密植型の苗植付装置においても通常の苗植付装置と同様に、マット状の苗を苗載台に載置して、植付機構により苗載台の苗取出し口から苗を取出して圃場に植付けるように構成されており、前述のように隣接する植付機構の間隔が狭いものに設定されているのと同様に、苗載台における苗のせ面の幅(苗のせ面に載置されるマット状の苗の幅)も狭いものに設定されている。
この場合、幅広の縦送りベルトを使用した縦送り機構が苗のせ面の各々に配置されており、縦送りベルトを回転駆動することによって、載置された苗を苗取出し口側に送るように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の密植型の苗植付装置では、植付機構を回転駆動する伝動系を備えた植付ケース、及び植付機構を回転自在に支持する支持機能のみを備えた支持フレームの2種類が備えられているので、構造の簡素化の点では改善の余地がある。加えて、植付ケースと支持フレームの両方に植付機構が両持ち状に支持されているので、メンテナンス作業の為に植付機構を取外す場合、植付機構において植付ケース側の部分、及び支持フレーム側の部分の両方を取り外さなければならないので、作業が面倒なものとなっている。本発明は密植型の苗植付装置を装備した乗用型田植機において、全体の構造の簡素化及びメンテナンス性を向上させること等を目的とする。
【0007】
又、運転座席の後側における機体後端部に施肥装置を搭載した、所謂ミッド施肥構造の田植機(例えば、特開平11−89356号公報)では、苗植付け装置に施肥装置を装備するものに比べて後方バランンスが改善される大きな利点はあるが、反面、運転座席と苗載台との前後間に存在する施肥装置が邪魔となって、苗補給作業が行い難くなるとか、運転座席の横に配置された肥料タンクが邪魔になり、田植機への乗り降りがし難くなるといった点で改善の余地が残されていた。本発明は、ミッド施肥構造を採る乗用型田植機における苗補給作業性や乗降性を改善させることも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記課題を解決するために本発明は、請求項1〜6に記載した次の構成を採るものである。
【0009】
請求項1の発明は、後向きに延出された複数の植付ケースを、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケースに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置を構成し、ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズルを前記植付機構毎に備え、それら複数の施肥ノズルのうちの互いに隣合う2個の施肥ノズルが、苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置する状態となるように配置してある。
【0010】
請求項2の発明は、後向きに延出された複数の植付ケースを、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び該右側の植付ケースと同数の左側の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケー スに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置を構成し、全ての接地フロートを、左右方向で互いに隣合う前記植付機構どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字状のものに構成し、ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズルを前記植付機構毎に備え、それら複数の施肥ノズルのうちの互いに隣合う2個の施肥ノズルを苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置させることにより、それら隣合う2個の施肥ノズルが前記フロート後部の左右側脇に位置するように構成してある。
【0011】
請求項3の発明は、後向きに延出された複数の植付ケースを、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケースに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置を構成し、ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズルと、ペースト状の肥料を前記施肥ノズルに強制移送する施肥ポンプとを前記植付機構毎に備え、前記植付機構毎に装備された畦際クラッチを単独で入切り操作自在な各条操作具を設け、該各条操作具を入り操作すると、操作対象となる条の植付機構に対応する前記施肥ポンプが駆動され、前記各条操作具を切り操作すると、操作対象となる条の植付機構に対応する前記施肥ポンプが停止されるように、それら畦際クラッチと各条操作具と施肥ポンプとを連係してある。
【0012】
請求項4の発明は、後向きに延出された複数の植付ケースを、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケースに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置を構成し、ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズルを前記植付機構毎に備え、前記施肥ノズルへ肥料を送るための施肥ホースを、複数の前記植付ケースをそれらの前端において取付け支持する左右に長い植付フレームと、複数の前記植付ケースに亘って左右に延びる植付部駆動軸との間を通してある。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1の要件に加えて、互いに隣合う苗植付箇所どうしの間である条間のうち、前記施肥ノズルが存在する条間に前輪の左右方向位置が合致し、かつ、前記施肥ノズルが存在しない条間に後輪の左右方向位置が合致するように構成してある。
【0014】
請求項6の発明は、後向きに延出された複数の植付ケースを、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び該右側の植付ケースと同数の左側の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケースに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置を構成し、全ての接地フロートを、左右方向で互いに隣合う前記植付機構どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字状であり、かつ、左右対称のものに構成し、右側の接地フロートの左右中心は条間中心よりも右側に偏って位置し、かつ、左側の接地フロートの左右中心は条間中心よりも左側に偏って位置させてある。
【0015】
〔作用と効果〕
−請求項1の構成による作用と効果−
(イ)後向きに延出された複数の植付ケースを左右方向に沿って互いに平行に配置し、 側の複数の植付ケースの各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケースの各々における右側の部分に、回転ケースとこの回転ケースに備えられた植付爪から構成された苗載台の苗を取出して圃場に植付ける植付機構を、植付爪が回転ケースに対して植付ケースから離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持したことにより、従来のように植付ケース及び支持フレームの2種類を備えて植付機構を支持する必要が無くなり、1種類の植付ケースで植付機構を支持することができるようになる。従って、植付機構の構造簡素化を行うことができ、部品点数及び金型の削減、組立行程の簡素化を図ることができるようになって、密植型の苗植付装置の生産コストの低減を行うことができた。
【0016】
(ロ)後向きに延出された複数の植付ケースを左右方向に沿って互いに平行に配置した場合、右側の複数の植付ケースにおいて左側に植付機構を支持し、左側の複数の植付ケースにおいて右側に植付機構を支持している。これにより、右側の複数の植付ケースと左側の複数の植付ケースとの間を、苗植付装置の左右中央付近に設定してれば(苗植付装置の左右中央付近から右側の複数の植付ケース、及び左側の植付ケースを設定してやれば)、植付ケース及び植付機構の配置を左右対称又はそれに近い状態に設定することができ、苗植付装置の全体の左右バランスが良いものとなる。その結果、密植型の苗植付装置における苗の植付けの安定化及び植付精度の向上を図ることができた。
【0017】
(ハ)植付ケースに植付機構を片持ち状に回転駆動自在に支持させているので、メンテナンス作業の為に植付機構を取外す場合、植付機構が植付ケースに支持される部分を取外せば、植付機構を取外すことができるのであり、従来のように植付機構において植付ケース側の部分、及び支持フレーム側の部分の両方を取外すと言うようなことを行う必要がない。よって、密植型の苗植付装置のメンテナンス性を向上させることができた。
【0018】
(ニ)植付ケースの1種類により植付機構を支持するように構成している点、並びに、植付ケースに植付機構を片持ち状に回転駆動自在に支持させている点により、植付ケース及び植付機構を一つのユニットとすることができ、植付ケース及び植付機構のユニットの数を任意に設定して苗植付装置を構成することができるようになる。従って、植付条数の異なる多種類の密植型の苗植付装置の設定及び生産が容易に行えるようになって、密植型の苗植付装置の生産性を向上させることができた。
【0019】
(ホ)各植付機構毎に備えられるペースト肥料用の施肥ノズルを、互いに隣合う2個の施肥ノズルが、苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置するように配置したので、苗植付箇所の左(右)に施肥ノズルが位置する植付機構の横の植付機構では、苗植付箇所の右(左)に施肥ノズルが位置することになる。つまり、互いに隣合う一対の施肥ノズルが、それらに対応した一対の植付機構どうしの間に位置する状態を左右並設する状態が実現できる(図3参照)ので、植付爪を支持する回転ケースの移動軌跡に、側面視において施肥ノズル先端を干渉する迄近接させながらも、それら一対の施肥ノズルを単一の支持部材で支持することが可能になる。これは、全ての施肥ノズルを苗植付箇所の同じ側に配置して、各施肥ノズル毎にその支持部材を設ける手段に比べて、明確に経済的でかつ合理的である。
【0020】
−請求項2の構成による作用と効果−
請求項1の構成による作用と効果(イ)〜(ホ)を備えるとともに、以下の作用と効果も備えている。
【0021】
(ヘ)後向きに延出された複数の植付ケースを左右方向に沿って互いに平行に配置した場合、右側複数の植付ケースにおいて左側に植付機構を支持し、右側の植付ケースと同数の左側の植付ケースにおいて右側に植付機構を支持している。従って、左右両端の植付条において植付ケースに対して機体左右中央側(内側)に、植付機構が位置する状態となるので、畦際での旋回時に苗植付装置の横外側部を畦に接触させたとしても、固定部分である植付ケースが畦に接触することになり、この植付ケースの機体左右中央側(内側)の植付機構が、畦に接触するようなことは少ない。従って、密植型の苗植付装置における植付機構の破損を、未然に防止することができるようになった。
【0022】
全ての接地フロートを、左右方向で互いに隣合う植付機構どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字状のものに構成し、隣合う2個の施肥ノズルがフロート後部の左右側脇に位置するように構成したので、一対の施肥ノズルの間の部分は丁度接地フロートの上に位置する関係となる。故に、左右一対の施肥ノズルを支持する単一の部材を接地フロート自体、或いはフロート支持部材に支持させるとか、接地フロート自身で2個の施肥ノズルを支持する構造を採ることが可能になり、施肥ノズル専用の支持部材を無くす又は少なくすることができて、構造の簡素化や経済化を図ることができた。
【0023】
−請求項3の構成による作用と効果−
請求項1の構成による作用と効果(イ)〜(ニ)を備えるとともに、以下の作用と効果も備えている。
【0024】
苗植付箇所の側方近傍に配置される施肥ノズルと、これにペースト状の肥料を送る施肥ポンプとを植付機構毎に備え、植付機構毎に装備された畦際クラッチを単独で入切り操作自在な各条操作具の操作で施肥ポンプの入切りも行えるようにしたので、1個の各条操作具の操作で、それに対応した1個の畦際クラッチと1個の施肥ポンプ双方の入り及び切り操作が行える。例えば10条用田植機では、10個の各条操作具が存在する。
【0025】
故に、畦際における端数条植え作業の条数を1条〜9条の任意のものに設定できて便利であるとともに、対応する畦際クラッチと施肥ポンプとを別々の操作具で操作するに比べて、操作具数が少ない分、操作が簡単で便利になる。又、肥料の試し出しや畦際クラッチの試し作動等が各条毎に行えるので、故障時の修理やメンテナンスが行い易くなる点で有利である。
【0026】
−請求項4の構成による作用と効果−
請求項1の構成による作用と効果(イ)〜(ニ)を備えるとともに、以下の作用と効果も備えている。
【0027】
苗植付箇所の側方近傍に配置される施肥ノズルを植付機構毎に備え、施肥ノズルへペースト状の肥料を送るための施肥ホースを、複数の植付ケースをそれらの前端において取付け支持する左右に長い植付フレームと、複数の植付ケースに亘って左右に延びる植付部駆動軸との間を通したので、左右中央部の施肥ホース、或いは左右端部の施肥ホースを除いた施肥ホースを、植付けフレーム、植付部駆動軸、及び左右の植付けケースで囲まれた空間部分に単独配置することができる。
【0028】
従って、隣合う施肥ホースが絡み合いとか、無理な曲げ配策を行うということがなく、滑らかで整然な状態で各施肥ホースを引回し配置できて、ペースト肥料を良好に圃場供給することに寄与できるようになるとともに、植付けフレーム、植付部駆動軸、及び左右の植付けケースが、施肥ホースに他物を及び難くするガード部材として機能させることが可能であり、施肥装置の信頼性を向上させることができる。
【0029】
−請求項5の構成による作用と効果−
請求項1の構成による作用と効果(イ)〜(ホ)を備えるとともに、以下の作用と効果も備えている。
【0030】
田植機のおける植付け条数が8条や10条以上といった具合に多くなると、左右バランスを良くするために機体も横に大きくする必要があり、それには轍間距離(トレッド)を広くして対処するのが有効である。ところが、轍間距離を大きくすると、旋回外側の前輪の旋回半径が大きくなり過ぎる不都合があり、畦際等で小回りできるという田植機の重要な性能が損なわれるので、単に轍間距離を増大させる訳にはいかない。そこで現実には、後輪は6条跨ぎの轍間距離に、かつ、前輪は4条跨ぎの轍間距離に夫々設定する、といった具合に、後輪の轍間距離は左右の安定化を図るべく十分に大きくし、前輪の轍間距離は旋回外側前輪の旋回外側への張出しを抑えるべく後輪の轍間距離よりも小さくする、という手段を採ることが多い。
【0031】
従って、互いに隣合う苗植付箇所どうしの間である条間のうち、施肥ノズルが存在する条間に前輪の左右方向位置が合致し、かつ、施肥ノズルが存在しない条間に後輪の左右方向位置が合致するように構成すれば、車輪幅が比較的広く、田面を荒らす範囲の広い後輪が位置する条間には肥料が供給されず、車輪幅が比較的狭く、田面を荒らす範囲の狭い前輪が位置する条間に肥料が供給されるようになり、前述した旋回のし易さと左右の安定化との両立を図る前後輪の配置手段を採りながら、比較的田面の荒れの少ない箇所に肥料を供給して確実な施肥効果を得ることが可能になる。特に、田面の荒れが顕著になる旋回時には上記作用と効果が有効に発揮される。
【0032】
−請求項6の構成による作用と効果−
請求項1の構成による作用と効果(イ)〜(ニ)、及び請求項2の構成による作用と効果(ヘ)を備えるとともに、以下の作用と効果も備えている。
【0033】
近年の苗植付装置においては、回転駆動される回転ケースに複数の植付爪を片持ち状に支持して植付機構を構成し、一つの植付条において複数の植付爪により苗を交互に圃場に植付けていくように構成されたものが多くある(特開平8−205644号公報等)。又、接地フロートを、左右方向で互いに隣合う植付爪どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字形状のものとしたものも多い(特開平5−130803号公報等)。
【0034】
そこで、回転ケースを備えた植付機構とT字型接地フロートとを組み合わせる場合、実開昭63−92519号公報に示されるように、左右夫々に回転ケースを支持した植付ケースを、その左右中心が接地フロートの左右中心に合致する状態で該接地フロートの上方に配置するとともに、フロート後部の左右には、回転ケースとの干渉防止用として下方に凹入した逃がし部を形成してあり、回転ケース及びT字型接地フロートは、共に左右対称の形状に形成されている。
【0035】
これに対して、1個の植付ケースに1個の回転ケースのみ支持させる密植型の苗植付装置では、T字型接地フロートのフロート後部の上には、植付ケースと回転ケースとが位置する状態となる(図9参照)ため、回転ケースとフロート後部の逃がし部との相対左右位置が所期された状態から左右にずれた関係になってしまう。つまり、一対の苗植付箇所に対する左右中央に接地フロートを配置する従来の配置関係を踏襲すると、回転ケースが植付ケースの左側で支持される右側の植付機構では、回転ケースに対して接地フロートが左にずれた関係に、かつ、回転ケースが植付ケースの右側で支持される左側の植付機構では、回転ケースに対して接地フロートが右にずれた関係となり、いずれの側においても、フロート後部と回転ケースとが干渉するおそれが生じる。
【0036】
故に、右側の接地フロートの左右中心は条間中心よりも右側に偏って位置し、かつ、左側の接地フロートの左右中心は条間中心よりも左側に偏って位置させるようにすれば、回転ケースとフロート後部との干渉を避けることができ、密植型の苗植付装置を採用しながら、従来通りの左右対称形状のT字型接地フロートをそのまま使用することが可能になり、経済的かつ合理的なものにできた。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すように、左右一対の前輪1及び後輪2で支持された機体の前部にエンジン3及びミッションケース4が配置され、機体の中央に運転部5が形成されて、機体の後部に油圧シリンダ6により昇降操作自在に支持されたリンク機構7に、10条植用で密植型の苗植付装置8が連結されるとともに、施肥装置Aを機体後部に搭載して、密植型の乗用型田植機が構成されている。
【0038】
図1及び図5に示すように機体の前部において、エンジン3の支持フレーム9の下部に、パイプ状の支持フレーム10が左右方向に沿って固定され、支持フレーム10の左右両端にボス部材11が固定されており、機体の前部における左右のステップ部12とボス部材11とに亘って、支持フレーム13が接続されている。ボス部材11に隣接マーカー14が備えられており、前回の植付行程で圃場に植え付けられた苗において、端部の植付条の苗の上方に隣接マーカー14が位置するように機体を走行させることによって、前回の植付行程の植付条に対し同じ植付条間隔で隣接するように、圃場に苗を植え付けることができる。
【0039】
側面視で縦長のループ状(図1参照)の予備苗台フレーム15がボス部材11に支持されて、予備苗台16が予備苗台フレーム15の左右両側に固定されており、機体の右及び左側の予備苗台フレーム15の上部に亘り、バックミラー18を備えた正面視コ字状のフレーム17が架設されている。つまり、機体前部のボンネット71の左右両側脇に、予備苗台16が配置されている。
【0040】
フレーム17に対して予備苗台フレーム15の上部が、その前部に設けた上下軸心Pで回動移動自在に嵌合され、予備苗台フレーム15が機体前後方向に沿った基準姿勢(図2の姿勢)から、図16に示される右側の予備苗台16のように、外側に大きく回動させた乗降姿勢と、図16に示される左側の予備苗台16のように、内側に若干回動させた苗引出し姿勢等に姿勢変更自在である。又、予備苗台フレーム15を乗降及び苗引出し姿勢で保持及び保持解除自在な手動式の操作レバー19を備えてある。
【0041】
つまり、予備苗台16が基準姿勢では、該予備苗台16と後述の肥料タンク23との前後間隔が狭いので、機体への乗り降りの際には予備苗台16を乗降姿勢に操作して乗降用空間を大きくする。又、苗載台36に苗補給するべく、予備苗台16に搭載された苗を取出す際には、予備苗台16を引出し姿勢にして、運転座席21部位での立ち姿勢による苗の引出し操作が行い易いようにする。
【0042】
図1、図3、図4、図10に示すように、施肥装置Aは、苗植付装置8における10組の植付機構a毎に備えた施肥ノズル(請求項7及び8の肥料供給具の一例)20と、施肥ノズル20にペースト状の肥料を強制移送するために運転座席21の後側となる機体後端部に搭載された施肥ポンプ(請求項7及び8の肥料供給機構の一例)22と、ペースト状の肥料を貯留すべく施肥ポンプ22の横側方となる機体右側脇に配備された肥料タンク23とを備えて構成されている。
【0043】
各施肥ノズル20毎に装備されて計10個の施肥ポンプ22は、軸受部22aとポンプ部22bとを軸上に直列配置して構成される公知構造であり、機体左右中心に対して右寄りの位置にて左右方向で一列に並設されている。これらポンプ群の左横には、施肥ポンプ22からポンプ部22bが外された軸受部22a部分のみを2個左右に並設し、かつ、その左横に施肥変速部26を配置してある。
【0044】
図10〜図12に示すように、施肥変速部26は、変速ケース26aに内装された高低複数段のギヤ変速機構の2組を直列に組合わせて構成され、2本の変速レバー24,25の操作で多数段(9段や16段)の変速が行える公知のものである。2個の軸受部22aは、施肥変速部26の出力回転を所定比率で減速して施肥ポンプ22にチェーン伝動するためのものであり、各施肥ポンプ22は、チェーン連動されて全て同速度で同方向に回転駆動されるようになっている。
【0045】
施肥変速部26には、第1チェーン機構27、軸連動機構28、及び第2チェーン機構29を介して、苗植付装置8を駆動するために機体下腹部に前後配置されたPTO伝動軸30から動力が伝達されている。第1チェーン機構27で左斜め下に動力を取出し、一対の自在継手28a,28aを備えた軸連動機構28で動力を後方上方に持上げ、第2チェーン機構29によって機体上部に配置された施肥変速部26に動力を揚送する。これにより、植付けクラッチ(図示せず)の入りに伴って施肥装置Aも駆動され、クラッチ切りに伴って施肥装置Aも停止されるのである。
【0046】
10個の施肥ポンプ22、2個の軸受部22a、及び施肥変速部26で成る肥料供給機構bは、機体フレームFから立設支持された左右一対の外縦フレーム39,39と内縦フレーム40,40で支持される支持フレーム55上に装備されている。支持フレーム55は、左右に長い受け皿状の基盤55aと、着脱自在に外縦フレーム39に取付けられた一対の外縦部材55b,55bと、着脱自在に内縦フレーム40に取付けられた一対の内縦部材55c,55cとを備えて構成されている。尚、図示しないが、施肥ポンプ22の上方を覆うカバー板を基盤55aに取付けてある。
【0047】
図1、図10に示すように、内外の縦部材55c,55bの上端部に亘って、肥料供給機構bの上側を被う状態の左右に長い後部ステップ57をボルトを用いて装着してある。そして、後部ステップ57には、その後方側をカバーするパイプ製の縁枠部材61と、前方側の左右中央部に配置された上広がりループ状の手すり62とを固定してあり、後部ステップ57に片足を載せての苗載台36への苗補給作業が行い易いとか、比較的高い位置となる後部ステップ57上を歩くことで、機体の左から右へ、又は右から左への横切り移動が安定して行える等の利点が得られるようにしてある。
【0048】
上述の田植機は施肥装置Aを装備した施肥仕様であるが、施肥装置Aを装備しない標準仕様の場合には、後部ステップ57を直接車体に装備することができる。すなわち、図14に示すように、後部ステップ57は、その板材製の取付片57aを用いて内外の縦フレーム40,39の上端部に直接ボルト止めできるようになっており、肥料供給機構bに代えて後部ステップ57を装備することができる。つまり、支持フレーム55を内外の縦フレーム40,39の上端部にボルト止めするための取付片55dと、後部ステップ57の取付片57aとを互いに同じ位置となるように設定することで、自在に付け替えできるのである。従って、施肥仕様でも標準仕様でも、1種類の後部ステップ57を用意すれば良い。
【0049】
図10に示すように、肥料タンク23は合成樹脂製で前後に長い略円筒形のものであり、外縦フレーム39に支持された第1パイプ63と、補助ステップ64に支持された第2パイプ65との双方で支持された湾曲板66に位置固定状態に搭載されている。平面視において、肥料タンク23の後端位置と後部ステップ57こ後端位置とは、前後方向でほぼ同じとなるように配設されている。
【0050】
苗植付装置8について説明する。
図1〜図4に示すように、苗植付装置8は10条植型式で密植型式に構成されており、10個の植付ケース31、植付ケース31の後部の左側(右側)に回転駆動自在に支持された回転ケース32、回転ケース32の両端に備えられた一対の植付爪33、1個のセンサフロート(接地フロートでもある)34、4個の接地フロート35及び苗載台36等により構成されている。
【0051】
植付ケース31に関する構造について説明する。
図3及び図4に示すように、上下方向の割面を備えた半割状の角パイプを溶接により連結して角パイプ状の植付フレーム37が構成されて左右方向に配置されている。植付フレーム37には、機体からの動力が伝達されるフィードケース38も取付け支持されている。
【0052】
図3、図8、図9に示すように、10個の植付ケース31が後向きで片持ち状に植付フレーム37に連結されており、右側5個の植付ケース31が同じ間隔で植付フレーム37に連結され、左側5個の植付ケース31が同じ間隔で植付フレーム37に連結されて、10個の植付ケース31が左右方向に沿って互いに平行に配置されている。
【0053】
10個の植付ケース31は全て同じものであり、図4、図15に示すように右側5個の植付ケース31において、植付ケース31の後部に支持された駆動軸41が左側(苗植付装置8の左右中央C側)に突出され、駆動軸41に回転ケース32が片持ち状に取り付けられており、回転ケース32の両端における左側(苗植付装置8の左右中央C側)に、植付爪33が支持されている。右側5個の植付ケース31において後部の右側(機体外側)に、平板状のカバー42がボルト43により取り付けられて、右側5個の植付ケース31の後部の右側(機体外側)の開孔が塞がれている(図4参照)。
【0054】
又、左側5個の植付ケース31において、植付ケース31の後部に支持された駆動軸41が右側(苗植付装置8の左右中央C側)に突出され、駆動軸41に回転ケース32が片持ち状に取り付けられており、回転ケース32の両端における右側(苗植付装置8の左右中央C側)に、植付爪33が支持されている。左側5個の植付ケース31において後部の左側(機体外側)に、平板状のカバー42がボルト43により取り付けられて、左側5個の植付ケース31の後部の左側(機体外側)の開孔が塞がれている。
【0055】
以上の構成により、図8に示すように苗植付装置8の左右中央Cに対して、植付フレーム37、右側5個及び左側5個の植付ケース31、回転ケース32及び植付爪33等が、略左右対称な状態に配置されている。互いに隣接する植付爪33の間隔が植付条間隔Wとなるのであり、この植付条間隔Wが通常の植付条間隔(例えば300mm程度)よりも、狭い値(例えば210〜240mm)に設定されている。
【0056】
図1、図15に示すように、フィードケース38から前方突出した入力軸に自在継手連動されたPTO中継軸44に、ミッションケース4の動力をPTO伝動軸30を介して伝達してあり、フィードケース38から各植付ケース31に動力が伝達される。すなわち、10個の植付ケース31各々の前端部分を左右に貫通する状態で同芯状の植付部駆動軸49が備えられ(右側端の植付ケース31では左側にのみ植付部駆動軸49が突出し、左側端の植付ケース31では右側にのみ植付部駆動軸49が突出)、この植付部駆動軸49にはフィードケース38からの出力が入力され、チェン機構54を介して駆動軸41に動力伝達する。又、植付部駆動軸49は、隣合う植付ケース31どうしの間においては、円筒カバー52によって覆われている。
【0057】
図15に示すように、10個の植付ケース31の植付部駆動軸49の各々に畦際クラッチ53が備えられており、縦送り機構95の2条分に対応した縦送りクラッチ107と、施肥ポンプ22のポンプ部22bに備えられた切換弁50と連係操作されるように構成されている。すなわち、2条一体構造の縦送り機構95の縦送りクラッチ107と、隣合う一対の畦際クラッチ53,53と、これらに対応する一対の切換弁50,50とに対して1本の畦際レバー116が設けられた組合わせが5つあり、計5本の畦際レバー116が苗載台36の裏面側に装備されている。
【0058】
苗載台36の裏面側に5本の畦際レバー116が揺動操作自在に支持されており、1つの畦際レバー116に対して、1つの縦送りクラッチ107と、この縦送りクラッチ107の縦送り機構95に対応した2つの畦際クラッチ53,53と、2つの施肥ポンプ22,22とが、計5本のワイヤ117を介して接続されている。
【0059】
これにより、例えば図15において紙面右端の畦際レバー116を切り位置に操作すると、5本のワイヤ117が畦際レバー116側に引き操作されて、紙面右端の縦送りクラッチ107が切り操作され(この縦送りクラッチ107に対応する2つの縦送り機構95が停止)、紙面右端の2つの施肥ポンプ22が切り操作され(対応する2つの切換弁50の肥料供給停止)、紙面右端の2つの植付条の畦際クラッチ53が切り操作される(この畦際クラッチ53に対応する2つの回転ケース32が停止)。
【0060】
図6及び図7に示すように、苗植付装置8の左右中央Cの位置に1つのセンサフロート34が配置され、センサフロート34の右側及び左側の各々に接地フロート35が2個ずつ配置されている。10個の植付伝動ケース31に亘り操作軸118が回転操作自在に支持されて、操作軸118から5組の支持アーム118a対が後向きに延出されており、支持アーム118aの後端の左右軸芯X周りに、センサフロート34の後部及び接地フロート35の後部が揺動自在に支持されている。
【0061】
各フロート34,35は、これにボルト止めされた上向きコ字状の取付けプレート67を、左右軸芯Xで支持アーム118aに枢支してあるとともに、該取付けプレート67に固着された左右向きのパイプ部材69の両端夫々に施肥ノズル20,20を取付けてある。すなわち、金属パイプで成る施肥ノズル20に固着された板材製の取付片20aを、2本のボルト70,70を用いてパイプ部材69両端に固着された支持板69aに固定してある。そして、取付片20aの後側のボルト孔を長孔(又は円弧孔)に形成してあり、前側のボルト70を支点にしての施肥ノズル20の揺動移動が可能に構成してあり、肥料供給高さ位置を所定範囲で調節可能としてある。
【0062】
図4、図6に示すように、施肥ポンプ22と施肥ノズル20とは合成樹脂製で比較的径の細い施肥ホース48で連通されており、各施肥ホース48は、10個の植付ケース31をそれらの前端において取付け支持する左右に長い植付フレーム37と、10個の植付ケース31に亘って左右に延びる植付部植付部駆動軸49、すなわち、円筒カバー52との前後間を通して配策されている。
【0063】
図8、図9に示すように、センサフロート34及び4個の接地フロート35の全ては、左右方向で互いに隣合う植付機構aどうしの左右間に位置するフロート後部34a,35aを備えた2条用の平面視で略T字状で、かつ、左右対称のものに構成されている。そして、植付機構a毎に備えられる施肥ノズル20は、それら10個の施肥ノズル20のうちの互いに隣合う2個の施肥ノズル20,20を苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置させることにより、それら隣合う2個の施肥ノズル20,20が各フロート後部34a,35aの左右側脇に位置するように構成してある。つまり、各フロート後部34a,35a部分では、一対の施肥ノズル20,20の横外側近傍に各植付爪33,33が存在するものが5組左右に並設された配置関係となっている。
【0064】
そして、右側2個の接地フロート35の左右中心cは条間中心(互いに隣合う植付け爪33,33の左右中心)dよりも若干右側に偏って位置し、かつ、左側2個の接地フロート35の左右中心cは条間中心dよりも若干左側に偏って位置させてある。尚、センサフロート34の左右中心eは、条間中心d、及び車体中心Cに一致している。
【0065】
4個の接地フロート35は同一のものであり、そのフロート後部35aには、元々回転ケースとの干渉を避けるために下方に大きく凹ませた凹入部45を左右夫々に形成してあり、その結果、左右中央に前後方向のリブ46が形成された状態になっている。つまり、左右に回転ケースを支持した単一の植付ケースを、接地フロートの真上に配置する従来構造に適するようにフロート形状が形成されていたのである。
【0066】
そこで、その従来品の接地フロート35を密植型の苗植付装置8に適用する場合、フロート中心cと条間中心dとを一致させて配置すると、回転ケースの移動軌跡とフロート後部のリブ46とが干渉してしまう、又は干渉のおそれがあるので、これを避けるべく接地フロート35を左又は右にずらして配置してあり、それによって新たなフロートを作成することなく、従来の接地フロートの使用を可能としてある。
【0067】
図3に示すように、前輪1,1は4条跨ぎのトレッドに、かつ、後輪2,2は6条跨ぎのトレッドに夫々設定されている。前輪1,1は、中央寄りの接地フロート35の通過予定範囲で、かつ、一対の施肥ノズル20,20が存在する条間に左右方向で合致するとともに、後輪2,2は、接地フロート35,35どうしの間であり、かつ、一対の施肥ノズル20,20が存在しない条間に左右方向で合致するようになっている。
【0068】
隣接する接地フロート35の間の前方に後輪2が位置するので、後輪2の通過跡を消す整地部材134が、後輪2の後方に位置するように植付フレーム37に固定されており、後輪2が後方に飛ばす泥が接地フロート35に乗らないようにする板状のカバー135が、接地フロート35の前方に位置するように植付フレーム37に固定されている。尚、後輪2に補助車輪(図示せず)を付設する場合には、補助車輪が前輪と同じトレッドとなるように、後輪2の内側に装備するようになる。
【0069】
〔別実施形態〕
図3に示す構成においてフィードケース38を苗植付装置8の左右中央Cから右側又は左側に離れた位置に配置した場合、右側4個の植付ケース31から駆動軸41を左側に突出させて、駆動軸41に回転ケース32を片持ち状に取り付け、左側6個の植付ケース31から駆動軸41を右側に突出させて、駆動軸41に回転ケース32を片持ち状に取り付けるように構成してもよい。逆に右側6個の植付ケース31から駆動軸41を左側に突出させて、駆動軸41に回転ケース32を片持ち状に取り付け、左側4個の植付ケース31から駆動軸41を右側に突出させて、駆動軸41に回転ケース32を片持ち状に取り付けるように構成してもよい。
【0070】
図17に示すように、植付機構a毎に装備された畦際クラッチ53を単独で入切り操作自在な各条レバー(請求項3の各条操作具の一例)116を10個設け、各条レバー116を入り操作すると、操作対象となる条の植付機構aに対応する施肥ポンプ22の肥料圧送作用が生じるとともに、対象となる縦送り機構95の縦送りクラッチ107が入りになり、各条レバー116を切り操作すると、操作対象となる条の植付機構aに対応する施肥ポンプ22の肥料圧送作用が生じなくなるとともに、対象となる縦送り機構95の縦送りクラッチ107が切りになるように、それら畦際クラッチ53と縦送りクラッチ107と施肥ポンプと各条レバー116とを3本のワイヤー117で連係しても良い。
【0071】
この構造によれば、8条や6条といった偶数条植え作業に加えて、9条植えや7条植えといった奇数の端数条植え作業を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】苗植付装置と車輪との関係を示す平面図
【図4】植付機構部分の側面図
【図5】予備苗台の構造を示す正面図
【図6】施肥ノズルの取付構造を示す側面図
【図7】施肥ノズルの取付構造を示す平面図
【図8】接地フロートと植付爪と施肥ノズルとの位置関係を示す平面図
【図9】接地フロート後部と植付機構との関係を示す要部の背面図
【図10】施肥仕様における肥料供給機構の支持構造を示す背面図
【図11】肥料供給機構の平面図
【図12】施肥ポンプへの動力伝達経路を示す側面図
【図13】施肥ポンプに内部構造を示す断面図
【図14】標準仕様における後部ステップの支持構造を示す背面図
【図15】2条一体型の縦送りクラッチや畦際クラッチ等の操作系統図
【図16】予備苗台の姿勢変更状態を示す平面図
【図17】各条毎の縦送りクラッチや畦際クラッチ等の操作系統図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
8 苗植付装置
16 予備苗台
20 肥料供給具、施肥ノズル
21 運転座席
22 施肥ポンプ
23 肥料タンク
31 植付ケース
32 回転ケース
33 植付爪
34,35 接地フロート
34a,35a フロート後部
36 苗載台
37 植付フレーム
48 施肥ホース
49 植付部駆動軸
51 各条操作具
53 畦際クラッチ
55 支持フレーム
57 後部ステップ
71 ボンネット
a 植付機構
b 肥料供給機構
c フロート中心
d 条間中心
A 施肥装置
P 上下軸心

Claims (6)

  1. 後向きに延出された複数の植付ケース(31)を、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケース(31)の各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケース(31)の各々における右側の部分に、回転ケース(32)とこの回転ケース(32)に備えられた植付爪(33)から構成された苗載台(36)の苗を取出して圃場に植付ける植付機構(a)を、植付爪(33)が回転ケース(32)に対して植付ケース(32)から離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置(8)を構成し、
    ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズル(20)を前記植付機構(a)毎に備え、
    それら複数の施肥ノズル(20)のうちの互いに隣合う2個の施肥ノズル(20)が、苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置する状態となるように配置してある乗用型田植機。
  2. 後向きに延出された複数の植付ケース(31)を、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケース(31)の各々における左側の部分、及び該右側の植付ケース(31)と同数の左側の植付ケース(31)の各々における右側の部分に、回転ケース(32)とこの回転ケース(32)に備えられた植付爪(33)から構成された苗載台(36)の苗を取出して圃場に植付ける植付機構(a)を、植付爪(33)が回転ケース(32)に対して植付ケース(31)から離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置(8)を構成し、
    全ての接地フロート(34)(35)を、左右方向で互いに隣合う前記植付機構(a)どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字状のものに構成し、
    ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズル(20)を前記植付機構(a)毎に備え、それら複数の施肥ノズル(20)のうちの互いに隣合う2個の施肥ノズル(20)を苗植付箇所に対する左右方向で互いに反対側に位置させることにより、それら隣合う2個の施肥ノズル(20)が前記フロート後部の左右側脇に位置するように構成してある乗用型田植機。
  3. 後向きに延出された複数の植付ケース(31)を、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケース(31)の各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケース(31)の各々における右側の部分に、回転ケース(32)とこの回転ケース(32)に備えられた植付爪(33)から構成された苗載台(36)の苗を取出して圃場に植付ける植付機構(a)を、植付爪(33)が回転ケース(32)に対して植付ケース(32)から離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置(8)を構成し、
    ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズル(20)と、ペースト状の肥料を前記施肥ノズル(20)に強制移送する施肥ポンプ(22)とを前記植付機構(a)毎に備え、
    前記植付機構(a)毎に装備された畦際クラッチ(53)を単独で入切り操作自在な各条操作具(51)を設け、該各条操作具(51)を入り操作すると、操作対象となる条の植付機構(a)に対応する前記施肥ポンプ(22)が駆動され、前記各条操作具(51)を切り操作すると、操作対象となる条の植付機構(a)に対応する前記施肥ポンプ(22)が停止されるように、それら畦際クラッチ(53)と各条操作具(51)と施肥ポンプ(22)とを連係してある乗用型田植機。
  4. 後向きに延出された複数の植付ケース(31)を、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケース(31)の各々における左側の部分、及び左側の複数の植付ケース(31)の各々における右側の部分に、回転ケース(32)とこの回転ケース(32)に備えられた植付爪(33)から構成された苗載台(36)の苗を取出して圃場に植付ける植付機構(a)を、植付爪(33)が回転ケース(32)に対して植付ケース(32)から離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置(8)を構成し、
    ペースト状の肥料を苗植付箇所の側方近傍の圃場に供給するための施肥ノズル(20)を前記植付機構(a)毎に備え、前記施肥ノズル(20)へ肥料を送るための施肥ホース(48)を、複数の前記植付ケース(31)をそれらの前端において取付け支持する左右に長い植付フレーム(37)と、複数の前記植付ケース(31)に亘って左右に延びる植付部駆動軸(49)との間を通してある乗用型田植機。
  5. 互いに隣合う苗植付箇所どうしの間である条間のうち、前記施肥ノズル(20)が存在する条間に前輪(1)の左右方向位置が合致し、かつ、前記施肥ノズル(20)が存在しない条間に後輪(2)の左右方向位置が合致するように構成してある請求項1記載の乗用型田植機。
  6. 後向きに延出された複数の植付ケース(31)を、左右方向に沿って互いに平行に配置し、右側の複数の植付ケース(31)の各々における左側の部分、及び該右側の植付ケース(31)と同数の左側の植付ケース(31)の各々における右側の部分に、回転ケース(32)とこの回転ケース(32)に備えられた植付爪(33)から構成された苗載台(36)の苗を取出して圃場に植付ける植付機構(a)を、植付爪(33)が回転ケース(32)に対して植付ケース(31)から離れた配置状態で片持ち状に回転駆動自在に支持して密植型の苗植付装置(8)を構成し、
    全ての接地フロート(34)(35)を、左右方向で互いに隣合う前記植付機構(a)どうしの左右間に位置するフロート後部を備えた2条用の平面視で略T字状であり、かつ、左右対称のものに構成し、
    右側の接地フロート(35)の左右中心は条間中心よりも右側に偏って位置し、かつ、左側の接地フロート(35)の左右中心は条間中心よりも左側に偏って位置させてある密植型の田植機。
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