JP3480210B2 - 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金 - Google Patents

電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金

Info

Publication number
JP3480210B2
JP3480210B2 JP35644096A JP35644096A JP3480210B2 JP 3480210 B2 JP3480210 B2 JP 3480210B2 JP 35644096 A JP35644096 A JP 35644096A JP 35644096 A JP35644096 A JP 35644096A JP 3480210 B2 JP3480210 B2 JP 3480210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ppm
foil
electrolytic capacitor
aluminum alloy
capacitor anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35644096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10189396A (ja
Inventor
雅彦 片野
博 望月
雄志 井上
遵 清水
善也 足高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA, Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP35644096A priority Critical patent/JP3480210B2/ja
Publication of JPH10189396A publication Critical patent/JPH10189396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3480210B2 publication Critical patent/JP3480210B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサ陽極
用アルミニウム合金に係り、電解コンデンサ用アルミニ
ウム箔における最終焼鈍後に高い(100)面方位占有
率[以後単に方位ともいう]を有する電解コンデンサ陽
極用アルミニウム合金を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム箔は、陽極酸化により表面
に耐電圧性の緻密な酸化皮膜が形成され誘電体として利
用できること、そしてさらに電気化学的にエッチングす
ることにより表面積を拡大できることを活用してコンデ
ンサとして利用されている。このコンデンサに利用され
るアルミニウムは陽極用箔においては純度99.97%以
上、好ましくは99.98%以上のアルミニウムをベース
とし、これにその他の有意または不純物元素を必要範囲
内において配合または規制して溶製し、脱ガスやフィル
ターなどによる不純物除去等の処理を施したのち、上下
が開放した水冷式鋳型を用いるDC鋳造法で厚さ約50
0mmのスラブを鋳造し、次いで溶体化処理、熱間圧延、
冷間圧延して厚さ約0.1mm程度の電解コンデンサ用箔と
される。
【0003】上記のようにして得られた箔のうち、高圧
用電解コンデンサ陽極箔はエッチングすることにより表
面積を拡大し易くするために加熱焼鈍して箔面に平行な
(100)面方位を形成し、尓後エッチング工程で電気
化学的に穿孔し表面積が拡大される。さらに次の化成工
程で処理液、処理条件を変えて、誘電体酸化皮膜を電気
化学的に形成させる。次いで製品幅に切断し、リードを
取付け、セパレート紙を挟み、捲き取って電解液を含浸
させてケースに入れ、封口材で封口する。その後電圧を
印加し、加工中につけた誘電体酸化皮膜の傷を修復して
完成品とされる。
【0004】然して、近年においては、化成電圧250
V以上のアルミニウム電解コンデンサ陽極に使用する
箔、いわゆる高圧用箔に対する材料特性への利用上の特
性の要求が次第に厳しいものとなっており、即ち、箔に
おいて拡面処理として直流エッチングされる高圧用箔
は、そのエッチング方式の特性上、安定して高い静電容
量を得るためには箔面に平行な(100)面方位占有率
が常に90%以上であることを要求され、合金組成や熱
間圧延条件を特定の範囲に規制することが行われて来
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し上記したような従
来技術においてはそうした努力にも拘わらず90%以上
の方位を有する箔を提供することが困難であって、安定
して高い静電容量を得ることができない不利を有してい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記したよ
うな従来技術における課題を解決することについて検討
を重ね、ある特定の不可避不純物レベルを規制し、更
に、特定の微量成分を積極的に添加すれば、高くかつ安
定な(100)面方位占有率を有し、さらに静電容量の
高い箔が得られることを見いだしたものであって、以下
の如くである。
【0007】即ち、第1の発明は、Al純度が99.98
wt%以上であり、Siを5〜40ppm 、Feを5〜40
ppm 、Cuを15〜70ppm 含有し、かつ、不可避不純
物としてのSが0.1ppm 以下に規制されてなることを特
徴とする電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金であ
り、また第2の発明は、CrおよびCeのうち少なくと
も1元素について、その含有量を0.1〜3ppm とするこ
とを特徴とする電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金
であり、また第3の発明はさらにPbを2ppm 以下含有
していることを特徴とする電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム合金である。
【0008】
【発明の実施の形態】上記したような本発明について、
更にその仔細を説明すると、高い(100)方位を有す
る箔を得るためには先ずAl純度が99.98wt%以上で
あって、SiおよびFeがそれぞれ5〜40ppm 、Cu
が15〜70ppm に規制されねばならない。即ちAl純
度が99.98wt%未満であったり、Si、Fe、Cuが
上記の上限を超えると、亜粒界上に偏析した金属間化合
物量が増加することによって再結晶の進行が遅れ、結果
的に立方体方位の成長が阻害されて方位が低下する。ま
た、Si、FeおよびCuが下限値未満であると、逆に
再結晶阻止作用が少なすぎるために、焼鈍工程によって
(100)方位以外の方位を有する結晶粒が粗大化する
ので好ましくない。
【0009】S、CrおよびCeの作用効果は、これら
それぞれの元素の存在状態が方位の低下や向上に寄与し
ているものと推定されるが、透過型電子顕微鏡等を用い
た観察では方位との関係を確認することができなかっ
た。しかし、実験の結果、90%以上の方位を安定して
得るためには、上記組成であって、Sが0.1ppm 以下に
規制されていればよいもので、このSの混入源は、返り
材または溶解炉、保持炉の重油の燃焼生成物と推定さ
れ、このSが0.1ppm 以下であって、また、Crを0.1
〜3ppm 、好ましくは0.2〜1ppm 、または、Ceを0.
1〜3ppm 、好ましくは0.2〜1ppm に規制した場合に
は方位は更に向上し、CrおよびCeのそれぞれを0.1
〜3ppm 、好ましくは0.2〜1ppm に規制するとなお高
い方位が得られる。CrおよびCeの組成が0.1ppm ま
たは0.2ppm 未満であると添加の効果が見られず、また
1ppm または3ppm を超えると方位が低下する傾向が認
められる。また、Pbは必要に応じて添加させることがで
きる。Pbを含有させると、Pbが箔の製造過程で箔の表面
に集中し、エッチングに際して箔の表面溶解性を良好に
するので、本発明に係る高い(100)面占有率の効果
と相俟って、非常に高い静電容量の箔が得られる。Pbに
よる静電容量の向上は、Pbの含有量が0.2ppm 程度から
顕在化し、2ppm を超えるとエッチングに際し、過溶解
が生じ、逆に静電容量が低下しはじめる。箔の表面に集
中するPbの量は箔表面から0.1μm までの表面部分で4
0〜2000ppm 程度とすることが好ましい。
【0010】
【実施例】次の表1に示すようにS量を制御すると共に
組成の異なる400mm厚さのDCスラブを作製し、所定
量面削後、600℃×10時間の均質化処理を行った
後、常法に従った熱間圧延および冷間圧延によって厚さ
0.1mmの箔を得た。またそれぞれの箔を530℃×5時
間Ar雰囲気中で焼鈍し、冷却後、塩酸/硝酸/フッ酸
の混合液にてエッチングして(100)面方位占有率を
画像解析装置で測定した。スラブの組成はグロー放電質
量分析装置によって分析した。表面積を拡大するエッチ
ングは浴組成で濃塩酸12 vol%、濃硫酸6 vol%と
し、浴温80℃、直流電流密度30A/dm2 の条件下で
6分間行い、ついで380V化成し、静電容量を測っ
た。これらの結果は次の表1および表2にまとめて示
す。即ちこの表1はS量制御方法、組成分析結果および
(100)面方位占有率測定結果をまとめて示すもので
ある。ただし表1における合金番号1〜12の例はPbを
添加していないのでその含有量は略0である。
【0011】
【表1】
【0012】即ち、上記表1において明かなように本発
明の実施例である合金番号1〜7のものは何れも90%
以上の高方位が安定して得られていることが明かである
のに対し、何れかの成分組成が本発明の範囲を満足しな
い比較例のものは何れも90%に達しておらず、好まし
い(100)面方位占有率を有するものでないことは明
かである。表2は表1における合金番号6を基にPbを種
々の割合で添加し溶製して上記実施例と同様の方法で箔
としたものにおけるこれらの箔の(100)面方位占有
率と静電容量の測定結果を示すものである。表2の結果
より、(100)面方位占有率の高いもの(合金番号
6)でも、本発明の範囲のPb量を含有させることで(合
金番号13〜17)、静電容量がより改善されることが
判る。これに対してPb量が本発明の範囲を超えるもの
(合金番号18、19)は、(100)面方位占有率は
高いが、静電容量が低下しはじめることが判る。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
拡面処理として直流エッチングされる高圧用箔において
安定して高い静電容量を得るための(100)面方位占
有率を常に90%以上に確保することが可能で有用な電
解コンデンサ陽極用アルミニウム合金を提供することが
できるものであるから工業的にその効果の大きい発明で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 望月 博 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本 軽金属株式会社蒲原製造所内 (72)発明者 井上 雄志 静岡県庵原郡蒲原町蒲原161番地 日本 軽金属株式会社蒲原製造所内 (72)発明者 清水 遵 大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番 8号 東洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 足高 善也 大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番 8号 東洋アルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−95265(JP,A) 特開 昭54−98959(JP,A) 特開 平6−25780(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/042 C22C 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al純度が99.98wt%以上であって、
    Siを5〜40ppm、Feを5〜40ppm 、Cuを15
    〜70ppm 含有し、かつ不可避不純物としてのSが0.1
    ppm 以下に規制されてなることを特徴とする電解コンデ
    ンサ陽極用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 CrおよびCeのうち少なくとも1元素
    について、その含有量を0.1〜3ppm に規制したことを
    特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ陽極用アル
    ミニウム合金。
  3. 【請求項3】 Pbをさらに2ppm 以下含有しているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデン
    サ陽極用アルミニウム合金。
JP35644096A 1996-12-26 1996-12-26 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金 Expired - Fee Related JP3480210B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35644096A JP3480210B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35644096A JP3480210B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10189396A JPH10189396A (ja) 1998-07-21
JP3480210B2 true JP3480210B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=18449027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35644096A Expired - Fee Related JP3480210B2 (ja) 1996-12-26 1996-12-26 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3480210B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247023A (ja) 2006-03-17 2007-09-27 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ
JP2012255213A (ja) * 2012-07-25 2012-12-27 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4497595B2 (ja) * 1999-09-29 2010-07-07 東洋アルミニウム株式会社 電解コンデンサ用アルミニウム合金箔
JP2003071546A (ja) * 2001-08-30 2003-03-11 Nippon Light Metal Co Ltd アルミニウム鋳塊およびその連続鋳造方法ならびに前記アルミニウム鋳塊を用いた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔の製造方法
JP4539911B2 (ja) * 2004-11-29 2010-09-08 三菱アルミニウム株式会社 電極コンデンサ陽極用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4539912B2 (ja) * 2004-11-29 2010-09-08 三菱アルミニウム株式会社 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4493721B2 (ja) * 2009-02-03 2010-06-30 昭和電工株式会社 電解コンデンサ電極用アルミニウム材および電解コンデンサ
CN102471835B (zh) * 2009-07-07 2014-03-19 东洋铝株式会社 具有贯通孔的铝箔
JP5498750B2 (ja) * 2009-09-30 2014-05-21 東洋アルミニウム株式会社 アルミニウム貫通箔及びその製造方法
JP5663184B2 (ja) * 2010-03-30 2015-02-04 東洋アルミニウム株式会社 アルミニウム貫通箔及びその製造方法
KR101736042B1 (ko) * 2009-09-30 2017-05-16 도요 알루미늄 가부시키가이샤 알루미늄 관통박 및 그 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007247023A (ja) 2006-03-17 2007-09-27 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ
JP2012255213A (ja) * 2012-07-25 2012-12-27 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10189396A (ja) 1998-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3480210B2 (ja) 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金
JP4198584B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法
JP2666912B2 (ja) 電解コンデンサ電極箔用アルミニウム合金
JP5019371B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔材
JP2945298B2 (ja) 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔地の製造方法
JP6619173B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔
JP3480209B2 (ja) 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金
JP6752110B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔、電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法および電解コンデンサ用電極
JP3043029B2 (ja) Al電解コンデンサ陰極用Al合金箔
JP3306585B2 (ja) 晶出物および析出物が微細で、その分布割合が低いCu合金圧延薄板
JP4958464B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JPH08337833A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP3454485B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP4539911B2 (ja) 電極コンデンサ陽極用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4582627B2 (ja) 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔
JP2010100917A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JPH06330213A (ja) 表面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材
JP2007113098A (ja) 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP2007238994A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP3328796B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔
JPS63265416A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム合金箔の製造方法
JP3203678B2 (ja) 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔の製造方法
JP2006104542A (ja) 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔
JP2858909B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP2858910B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees