JP3472112B2 - 異形断面混繊糸 - Google Patents
異形断面混繊糸Info
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Description
腰感とを合わせ持った繊度及び横断面形状の異なる複数
の繊維群からなる混繊糸に関する。
繊度糸によるソフトタッチ感と、太繊度糸による張り腰
感とを得ようする試みがなされている。例えば、特開平
2−300330号公報には、繊度及び熱収縮率の異な
る糸条を混繊してなり、熱処理により収縮したマルチフ
ィラメントで芯部を構成する複合マルチフィラメントが
記載されている。また、特開平4−316624号公報
には、断面形状が放射状の3〜8葉からなる異形捲縮糸
条と細繊度捲縮糸条とを混繊交絡してなる特殊嵩高加工
糸が記載されている。
2−300330号公報に記載された発明では、単に熱
伸長糸と熱収縮糸とを混繊させたものであるため、熱処
理後に両成分が完全に分離した構造となり、張り腰感が
不足したものとなる問題点がある。また、特開平4−3
16624号公報に記載された発明では、異形捲縮糸と
細繊度捲縮糸とが均一に分散した構造をなすため、細繊
度糸の風合いが顕著には現れず、ソフト感に乏しく、ド
レープ性にも劣るという問題点がある。本発明はかかる
問題点を解決するものであって、その目的は、異形断面
糸と細繊度糸とを、特定の構造を有した混繊糸となすこ
とにより、張り腰感、ソフト感、膨らみ感の総てに優れ
た異形断面混繊糸を提供することにある。
なる複数の繊維群からなる異収縮混繊糸であって、一方
の繊維群は、単糸繊度が0.6デニール以下の細繊度糸
からなり、他方の繊維群は、単糸繊度が2.5デニール
以上、偏平度が3〜6の偏平糸であって、単糸横断面の
両長軸に2個以上の凸状部を有する異形断面糸からなる
ものであって、集束した偏平糸の単糸の周囲を細繊度糸
の単糸が包囲した構造を実質的になすことを特徴とする
異形断面混繊糸及び、単糸繊度の異なる複数の繊維群か
らなる異収縮混繊糸であって、一方の繊維群は、単糸繊
度が0.6デニール以下の細繊度糸であり、他方の繊維
群は、単糸繊度が2.5デニール以上、偏平度が3〜6
の偏平糸であって、単糸横断面の両長軸に2個以上の凸
状部を有し、偏平糸の沸水収縮率が細繊度糸の沸水収縮
率より20%以上大きいことを特徴とする異形断面混繊
糸である。
の繊維群が、後述する特定の構造をもって混繊されたも
のであるが、かかる構造を呈するために、以下の如き特
定の横断面をもった異形断面糸を含むことが必要であ
る。
あることが必要であり、図3に示す如く、その横断面に
おいて、短軸の長さ(A)と長軸の長さ(B)との比
(B/A)によって示される偏平率が3〜6であること
が必要である。偏平率が3未満では、通常の丸断面に近
似したものとなって、後述する偏平糸の単糸の集束が生
じずシャリ感が劣る。また、6を超えると偏平形状の破
損等が生じて工業的生産が困難となる。
以上の凸状部(1・・・)を有することが必要である。
凸状部(1・・・)の形状は偏平糸間に空隙を設けるこ
とができるものであれば特に限定されないが、各凸状部
(1・・・)の形状は同一乃至近似したものが均等に配
されたものとすることが好ましい。また、凸状部(1・
・・)の個数は各長軸において2〜6個であることが好
ましく、凸状部(1・・・)の高さ(h)は短軸の長さ
(A)の0.2〜0.7倍であることが好ましい。
成されるもので、特に限定されないが、ポリエステル
系、ポリアミド系重合体等から形成されるものが好まし
く用いられ、用途に応じて異成分を共重合、混合、複合
等したものであっても良い。
ることが張り腰感のある製品を得るために必要である
が、一般には30デニール以上のものは衣料用途には適
さない。
風合いに関与するものであるため、ソフトな風合いを得
る本発明にあっては、0.6デニール以下とすることが
必要である。但し、0.3デニール以下となると繊維強
度が著しく低下するため実際上は用いることが困難であ
る。
ら形成されるもので良く、また、公知の複合紡糸法によ
り得られた複合繊維を割繊して得られたものであっても
好ましい。
が、丸断面形状のものが抱合性の観点から好ましい。
偏平糸と細繊度糸の配置構造にある。かかる構造を、本
発明の混繊糸の横断面を模式的に表した図1に基づいて
説明する。
した偏平糸の単糸(2・・・)の周囲を細繊度糸の単糸
(3・・・)が包囲した構造を有する。偏平糸の単糸
(2・・・)は、数本の単糸が積層して、いくつかの単
糸群を形成しながら、これら各群は混繊糸の内部に位置
している。一方、細繊度糸の単糸(3・・・)は、偏平
糸の単糸(2・・・)のかかる単糸群の周囲に位置し、
これを包囲する構造をとる。したがって、混繊糸の外部
からは、殆ど偏平糸の単糸(2・・・)が現れない。も
ちろん、かかる構造は、典型的な構造について説明した
ものであり、本混繊糸は、繊維の長手方向について、そ
の大部分がかかる構造を呈していれば良いのであり、こ
の点で実質的にかかる構造をとれば良い。本混繊糸のか
かる構造に対し、単なる通常偏平糸を含む混繊糸の場合
は、図2に示す如く通常偏平糸の単糸R(4・・・)が
積層した単糸群を形成せず、そのため、細繊度糸(3・
・・)がその周囲を包囲した構造をとることができな
い。
の横断面形状に因るものと考えられる。すなわち、本発
明の混繊糸に含まれる偏平糸の単糸(2・・・)は、凸
状部(1・・・)を有するが、かかる凸状部(1・・
・)は偏平糸の単糸(2・・・)が互いに接触した際、
各単糸の動きを止め、互いに嵌合する如く結合せしめる
作用を奏する。したがって、各偏平糸の単糸(2・・
・)はいくつかが集まって積層体を形成する。これに対
し、細繊度糸の単糸(3・・・)は、偏平糸の単糸(2
・・・)に比べてはるかに移動し易く、そのため、両単
糸は自然と、前記の構造を呈するものと考えられる。
いわゆるインターレース処理が施されていることが好ま
しく、その交絡数は、10〜40個/m程度が好まし
い。交絡を付与しない場合は、適度な撚を付与すること
が好ましく、その撚数は600〜2000T/M程度が
好ましい。
には、前記した横断面形状を有する偏平糸を含む他に、
偏平糸と細繊度糸の熱収縮率を異ならしめて異収縮混繊
糸となし、これを熱処理して前記構造とすることが工業
的には簡便である。
収縮率を高くすることにより、より混繊糸の中心部に位
置することになり、両糸の熱収縮率の差異は20%以
上、好ましくは15〜30%とすると良い。但し、30
%を超えると両糸の分離程度が大きくなり、張り腰感が
低下する。
の手法を用いることができ、例えば、両糸の熱履歴に差
異を設ける方法や異なったポリマーを用いて紡糸を行う
方法等があり、高収縮糸を製造する方法としては、延撚
工程での熱セット率や延伸倍率を低く設定したり、ポリ
エステルの場合、イソフタル酸やビスフェノール等の共
重合成分を添加する方法等がある。また、低収縮糸を得
る方法としては、延撚工程等での熱セット率を高めた
り、多段延伸法により十分に延伸を行ったり、更にはそ
の際のフィード率を多くして自己伸長性を付与する方法
等がある。
合は、本混繊糸を用いて編織等を行った後、リラックス
工程等で熱処理を行い熱収縮率差を発現せしめることが
好ましい。
いることができ、その組織も特に限定されないが、本混
繊糸の有するソフトタッチ感や張り腰感を十分に発揮せ
しめるためには、織物の場合、経又は緯二重織のような
組織の細繊度糸が布帛表面に多く出るような織物等に用
いることが好ましく、編物の場合は、ダブルトリコット
等に用いることが好ましい。
施しても良いことは勿論であり、例えば、制電加工、抗
菌加工等を挙げることができる。
テレフタレートを、孔数12の長辺に夫々3個の凸状部
を有する偏平状の異形断面口金を用いて、紡糸温度29
0℃、速度1400m/分で溶融紡糸後引取り、未延伸
糸を得、この未延伸糸を.80℃の熱ローラを使用しド
ラフト2.60で延伸し30d/12fの延伸糸糸条を
得た。
長辺に3個の凸状部を有しその高さは、短辺の0.3倍
であり、沸水収縮率は24%であった。一方、極限粘度
0.63のポリエチレンテレフタレートを孔数144の
丸断面口金を用いて、紡糸温度298℃、速度1400
m/分で引取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸を多段
延伸機を用いて85d/144fの沸水収縮率0.8%
の低熱収糸糸条を得た。
ラを接合した段付きローラ装置を用いて、低熱収縮糸を
径の小さなローラに、異形断面糸を径の大きなローラに
巻き付けて、低熱収縮糸が過剰に供給されるようにして
合糸し、インターレース装置により28個/mの交絡を
付与して115d/156fの混繊糸を得た。かかる混
繊糸の横断面形状を、電子顕微鏡(800倍)により確
認し模式化したものを図1に示す。また、得られた混繊
糸を用いて、筒編地を製造した。その結果を表1に示
す。
ンテレフタレートを孔数12からなる偏平断面口金を用
いて、紡糸温度294℃、速度1400m/分で引取
り、偏平未延伸糸を得た。一方、極限粘度0.63のポ
リエチレンテレフタレートを孔数144の丸断面口金を
用いて、紡糸温度298℃、速度1400m/分で引取
り、75デニールの細繊度未延伸糸を得た。
い80℃の熱ローラ51に導きフリーローラ52には細
繊度未延伸糸を通し、偏平未延伸糸は137℃のプレー
トヒーターに導き、ローラ53上で両未延伸糸を合わせ
ドラフト2.50で延伸した後、交絡を付与し105d
/156fの混繊糸を得た。得られた混繊糸を用いて実
施例と同様に筒編地を得た。結果を表1に示す。
ものはソフト性、シヤリ感、フクラミ感等に優れたもの
であつた。
フト性に優れた繊維製品を得ることができ、特に婦人衣
料用途、ブラウス、ジャケット、ボトム等の用途に用い
ると好適である。
る。
図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 単糸繊度の異なる複数の繊維群からなる
異収縮混繊糸であって、一方の繊維群は、単糸繊度が
0.6デニール以下の細繊度糸からなり、他方の繊維群
は、単糸繊度が2.5デニール以上、偏平度が3〜6の
偏平糸であって、単糸横断面の両長軸に2個以上の凸状
部を有する異形断面糸からなるものであって、集束した
偏平糸の単糸の周囲を細繊度糸の単糸が包囲した構造を
実質的になすことを特徴とする異形断面混繊糸。 - 【請求項2】 単糸繊度の異なる複数の繊維群からなる
異収縮混繊糸であって、一方の繊維群は、単糸繊度が
0.6デニール以下の細繊度糸からなり、他方の繊維群
は、単糸繊度が2.5デニール以上、偏平度が3〜6の
偏平糸であって、単糸横断面の両長軸に2個以上の凸状
部を有し、偏平糸の沸水収縮率が細繊度糸の沸水収縮率
より20%以上大きいことを特徴とする異形断面混繊
糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32046797A JP3472112B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 異形断面混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32046797A JP3472112B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 異形断面混繊糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140735A JPH11140735A (ja) | 1999-05-25 |
JP3472112B2 true JP3472112B2 (ja) | 2003-12-02 |
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ID=18121785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32046797A Expired - Fee Related JP3472112B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 異形断面混繊糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3472112B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5254708B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2013-08-07 | 日本エステル株式会社 | 異形異繊度混繊糸 |
-
1997
- 1997-11-05 JP JP32046797A patent/JP3472112B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11140735A (ja) | 1999-05-25 |
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