JP3461880B2 - 外壁構造 - Google Patents

外壁構造

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JP3461880B2 JP31541293A JP31541293A JP3461880B2 JP 3461880 B2 JP3461880 B2 JP 3461880B2 JP 31541293 A JP31541293 A JP 31541293A JP 31541293 A JP31541293 A JP 31541293A JP 3461880 B2 JP3461880 B2 JP 3461880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、木質系の壁パネルと無機質系サ
イディング材とを一体化した複合外壁パネルを用いた外
壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の構築についてはその工業化
が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工
場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを
組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル
工法が一部に採用されている。このようなパネル工法に
用いられるパネルとして、例えば壁パネルとしては、図
4に示すように縦芯材1a、1aと横芯材1b、1bと
が矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内
部に補強芯材2が縦横に組み込まれて枠体3とされ、さ
らにこの枠体3内にグラスウール等の断熱材(図示略)
が充填された状態で枠体3の表裏両面に合板等の面材4
が貼着されたものが一般的である。
【0003】また、このような木質の壁パネルを用いて
外壁を形成するには、通常、該壁パネルの外面側にルー
フィング等の防水シートを貼着し、さらにこの上に横方
向あるいは縦方向に複数枚の胴縁を釘打ちによって取り
付け、その後これら胴縁の上に軽量気泡コンクリートな
どからなるサイディング材を釘打ちによって取り付け固
定して完成させている。ところが、前述したような外壁
の施工法では、胴縁の取り付けやサイディング材の取り
付けなどが現場施工となってしまうことから、これが工
業化を損なうといった問題があった。
【0004】このような問題を解決してより工業化を促
進した外壁パネルとして、近年図5に示すような外壁パ
ネル5が提案されている。この外壁パネル5は、図4に
示した壁パネルの一方の面材4上に予め工場等にて防水
シート6が貼着され、さらにその上にサイディング材7
が貼着されたものである。防水シート6は、面材4のほ
ぼ全面を覆うようにしてその中央部が接着により面材4
に貼られたもので、その両側端部が接着されておらず、
またこれら接着されていない両側端部がやや側方に張り
出して形成されたものである。サイディング材7は、そ
の幅が面材4に比べ短めに形成されたもので、これによ
り前記防水シート6の接着されていない両側端部を覆わ
ないで防水シート6上に接着によって貼られたものであ
る。
【0005】このような外壁パネルを5を用いて外壁を
形成するには、図6に示すように外壁パネル5、5を所
定位置に配置してその側端面同士を突き合わせ、釘打ち
等によってこれらを連結した後、防水シート6の接着さ
れていない側端部6a、6a部分を互いに側方に引っ張
って重ね合わせ、その上に予め用意したサイディング材
8を貼着している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した外壁パネル5にあっても以下に述べる不都合があ
る。これら外壁パネル5、5では、図6に示すようにそ
の防水シート6、6の側端部6a、6aを重ね合わせる
ことによって外壁パネル6a、6a間の目地部の止水処
理を行っているが、そのため側端部6a上にまでサイデ
ィング材7を延ばすことができず、したがって該側端部
6a、6aの重なり部分を覆うため別にサイディング材
8を用意しておいてこれを施工現場にて貼着しなくては
ならない。しかし、このようにサイディング材8を別に
用意してこれを現場で貼着するのでは、せっかく外壁パ
ネル5として予めサイディング材7を貼着した意味が、
すなわち工業化促進の効果が半減してしまう。
【0007】また、防水シート6、6の側端部6a、6
aが接着されていないため、輸送や運搬に際して切れ等
の破損を受けやすくなり、また施工時においてもこれら
を引っ張って重ね合わせるため破れやすくなる。本発明
は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とすると
ころは、外壁を構築するに際しての現場施工部分を少な
くして工業化を推し進めるとともに、目地部の止水処理
をも簡略化した複合外壁パネルを用いた外壁構造を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の外壁構造は、矩形枠状に組まれてなる枠体とこの
枠体の表裏両面に貼設された面材とからなる壁パネル
と、この壁パネルの一方の側の面材表面に該面材のほぼ
全面を覆って貼着された防水シートと、該防水シートの
表面に取付けられかつ前記面材のほぼ全面を覆って配設
された無機質系サイディング材とからなり、前記防水シ
ートが壁パネルの側方に張り出して設けられ、かつ該張
り出し部分が、壁パネルの小口面側に折曲されて該小口
面の防水シートを貼着した側を覆って貼着され着され
複合外壁パネルを用いた外壁構造であって、前記複合外
壁パネル同士を互いにそれぞれの小口面が突き合わされ
るようにして隣合わせて連結固定することにより、前記
複合外壁パネル同士のそれぞれの小口面に折曲されて貼
着された防水シートの張り出し部分を二重に重ね合わせ
て、前記複合外壁パネル間に挟持させ、これら張り出し
部分がパッキンとして機能することを前記課題の解決手
段とした。
【0009】請求項2記載の外壁構造は、矩形枠状に組
まれてなる枠体とこの枠体の一方面に貼設された面材と
からなる壁パネルと、この壁パネルの面材を貼設してい
ない側の枠体表面に該枠体内のほぼ全域を覆って貼着さ
れた防水シートと、該防水シートの表面に取付けられか
つ前記枠体内のほぼ全域を覆って配設された無機質系サ
イディング材とからなり、前記防水シートが壁パネルの
側方に張り出して設けられ、かつ該張り出し部分が、壁
パネルの小口面側に折曲されて該小口面の防水シートを
貼着した側を覆って貼着され着された複合外壁パネルを
用いた外壁構造であって、前記複合外壁パネル同士を互
いにそれぞれの小口面が突き合わされるようにして隣合
わせて連結固定することにより、前記複合外壁パネル同
士のそれぞれの小口面に折曲されて貼着された防水シー
トの張り出し部分を二重に重ね合わせて、前記複合外壁
パネル間に挟持させ、これら張り出し部分がパッキンと
して機能することを前記課題の解決手段とした。
【0010】
【作用】本発明における請求項1記載の外壁構造の複合
外壁パネルによれば、無機質系サイディング材が面材の
ほぼ全面を覆って取付けられているので、これを予め工
場で組み立てておくことにより、施工現場では単にこれ
を位置決め固定するだけで新たに別のサイディング材を
貼着する必要がなくなる。また、防水シートが、壁パネ
ルの小口面の防水シートを貼着した側を覆って貼着され
ているので、外壁を構築するに際し、これら複合外壁パ
ネルの小口面が単に突き合わされることによって該複合
外壁パネル間に防水シートが挾持され、これにより複合
外壁パネル間の目地部が止水される。
【0011】請求項2記載の外壁構造の複合外壁パネル
によれば、請求項1記載のものと同様に、施工に際し現
場で新たにサイディング材を貼着する必要がなくなり、
また該複合外壁パネルを連結するだけでその目地部が止
水される。さらに、面材が枠体の一方にのみしか貼着さ
れていないものの、他方にサイディング材が貼着されて
いることから、このサイディング材が構造強度を担うこ
とにより、該複合外壁パネルは何等支障なく構造材とし
ての外壁パネルとして機能するものとなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。図1、図2
は本発明の複合外壁パネルを用いた外壁構造の一実施例
を示す図であり、これらの図において符号10は複合外
壁パネルである。この複合外壁パネル10は、図4に示
した壁パネルの一方の面材4表面に防水シート11を貼
着し、さらにその上に無機質系サイディング材12を貼
着したものである。
【0013】防水シート11は、ルーフィング等の薄厚
のゴムあるいは軟質樹脂からなるもので、面材4の全面
を覆うとともにその両側部がそれぞれ面材4の側方に張
り出して形成されたものであり、これら張り出し部分1
1a、11aがパネル側部の小口面10a、10a側に
折曲され、さらに該小口面10a、10aの一部を覆っ
て貼着されたものである。なお、防水シート11の面材
4への貼着方法は接着法が好適に採用され、張り出し部
分11aの小口面11aへの貼着方法も接着法がされる
が、特に張り出し部分11aについてはホットメルトを
用いた接着法も好適に採用される。
【0014】サイディング材12は、パネルの面材4の
両側縁部上を目地処理部として僅かに残し、他の部分の
面材4上を全て覆って防水シート11上に接着や釘打ち
等により取付けられた矩形板状のもので、軽量気泡コン
クリート等の無機質系の材料からなるものである。ま
た、このサイディング材12は、内部に配筋してその強
度を高めたもので、図1に示すようにその外面側に目地
様の溝を形成し、これにより外観的にメリハリを付けて
質感を持たせ、意匠性を高めたものである。
【0015】このような構成の複合外壁パネル10…を
用いて外壁構造を組み立てるには、これら複合外壁パネ
ル10…のうちの一つを、基礎上に載置された図示しな
い半土台、床パネルの上の所定位置に立てて固定する。
次に、図2に示すようにこの複合外壁パネル10の隣に
別の複合外壁パネル10を配置する。そして、複合外壁
パネル10、10同士を互いにその側端面(小口面10
a、10a)が突き合わされるようにして隣合わせ、こ
れによりそれぞれの小口面10aに折曲され貼着された
防水シート11の張り出し部分11aを挾み込み、この
状態で複合外壁パネル10、10間を釘打ち等によって
連結固定する。このようにして小口面10a、10a同
士を突き合わせると、小口面10aに貼着された防水シ
ート11の張り出し部分11aが二重に重ね合わされ、
その状態でパネル間に挟まれるものの、該張り出し部分
11a、11aが押圧されつぶされることにより、複合
外壁パネル10、10間は大きな隙間がつくられること
なく、しかも張り出し部分11a、11aのパッキン効
果により十分な水密性が確保されたものとなる。
【0016】さらに、同様の方法によって外壁部を形成
する複合外壁パネル10…を全て連結固定し、その後、
連結された複合外壁パネル10、10間の目地部、すな
わちそれぞれのパネル10、10のサイディング材1
2、12間にコーキング材13を充填し、これにより複
合外壁パネル10、10間の目地処理を完了して外壁構
造を得る。
【0017】このような複合外壁パネル10にあって
は、無機質系サイディング材12が面材4のほぼ全面を
覆って取付けられているので、これを予め工場で組み立
てておくことにより、施工現場では単にこれを位置決め
固定するだけで新たに別のサイディング材を貼着する必
要がなくなり、工業化が一層促進される。また、防水シ
ート11の張り出し部分11aがパネルの小口面10a
の一部を覆って貼着されているので、外壁構造を構築す
るに際し、これら複合外壁パネル10、10の小口面1
0a、10a同士を単に突き合わされるだけで、該複合
外壁パネル10、10間に張り出し部分11a、11a
が挾持され、これら張り出し部分11a、11aがパッ
キンとして機能することにより目地部の止水がなされ
る。さらに、従来のごとく防水シートに予め面材4に貼
着させない部分をつくらず、全面を壁パネルに貼着して
いることから、輸送や運搬に際して防水シート12に切
れ等の破損を生じる恐れがなくなり、また、当然防水シ
ートを引っ張って重ね合わせるといった操作もなくなる
ことから、施工時における破損の心配もなくなる。
【0018】図3は本発明の複合外壁パネルの他の実施
例を示すもので、この図において符号20は複合外壁パ
ネルである。複合外壁パネル20が図1に示した複合外
壁パネル10と異なるところは、サイディング材12を
貼着した側に面材4が設けられていない点である。すな
わち、図3に示した複合外壁パネル20は、矩形枠状に
組まれた枠体3とこの枠体3の一方の面に貼設された面
材4とからなる壁パネルに、この壁パネルの面材4を貼
設していない側の枠体3表面に該枠体3内のほぼ全域を
覆って防水シート11が貼着され、さらにこの防水シー
ト11の表面に、前記枠体3内のほぼ全域を覆って無機
質系サイディング材12が取付けられたものである。な
お、この複合外壁パネル20においても、図1に示した
複合外壁パネル20と同様にその防水シート11が側方
に張り出し、この張り出し部分11a、11aがパネル
の小口面10a、10aの一部を覆っているのはもちろ
んである。
【0019】このような複合外壁パネル20にあって
も、図1に示した複合外壁パネル10と同様に、施工に
際し現場で新たにサイディング材を貼着する必要がな
く、また該複合外壁パネル20、20を連結するだけで
その目地部を止水することができる。さらに、枠体3の
一方にのみしか面材4が貼着されていないものの、他方
にサイディング材12が貼着されていることから、この
サイディング材12が構造強度を担うことにより、該複
合外壁パネル20は何等支障なく構造材としての外壁パ
ネルとして機能するものとなる。
【0020】なお、前記実施例では、防水シート11の
張り出し部分11a、11aとして小口面10a、10
aの一部を覆う程度としたが、小口面10a全面を覆う
ようにして形成してもよいのはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求
項1記載の外壁構造の複合外壁パネルは、無機質系サイ
ディング材を面材のほぼ全面を覆って取付け、これによ
って該複合外壁パネルを予め工場で組み立てておくこと
により、施工現場では単にこれを位置決め固定するだけ
で新たに別のサイディング材を貼着しないですむように
したものであるから、施工現場での作業を少なくして工
期の短縮化を図ることができ、従来に比べ一層工業化を
促進することができる。また、壁パネルの小口面の防水
シートを貼着した側を覆って防水シートを貼着したもの
であるから、外壁を構築するに際し、これら複合外壁パ
ネルの小口面を単に突き合わせることによって該複合外
壁パネル間に防水シートを挾持させることができ、これ
により挾持された部分をパッキンとして機能させること
によって複合外壁パネル間の目地部を確実にしかも簡略
に止水することができる。さらに、従来のごとく防水シ
ートに予め面材に貼着させない部分をつくらず、全面を
壁パネルに貼着していることから、輸送や運搬に際して
防水シートに切れ等の破損を生じる恐れがなくなり、ま
た、当然防水シートを引っ張って重ね合わせるといった
操作もなくなることから、施工時における破損の心配も
なくなる。
【0022】請求項2記載の外壁構造の複合外壁パネル
は、請求項1記載のものと同様に、施工に際し現場で新
たにサイディング材を貼着する必要がなくなることから
工業化を一層促進するものとなり、また該複合外壁パネ
ルを連結するだけでその目地部を簡略に止水することが
できるものとなる。さらに、面材が枠体の一方にのみし
か貼着されていないものの、他方にサイディング材が貼
着されていることから、このサイディング材が構造強度
を担うことにより、該複合外壁パネルは何等支障なく構
造材としての外壁パネルとして機能するものとなり、し
たがって面材1枚分のコストダウンを図り得るととも
に、製造においても面材貼着工程を省略することがで
き、全体として大幅なコスト低減を可能にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合外壁パネルの一実施例を示す斜視
図。
【図2】図1に示した複合外壁パネルを連結した状態を
示す平面図。
【図3】本発明の複合外壁パネルの他の実施例を示す斜
視図。
【図4】従来の壁パネルの一例を示す斜視図。
【図5】従来の外壁パネルの他の例を示す斜視図。
【図6】図5に示した外壁パネルを用いた外壁の構築法
を説明するための平面図。
【符号の説明】
1a 縦芯材 1b 横芯材 3 枠体 4 面材 10、20 複合外壁パネル 10a 小口面 11 防水シート 11a 張り出し部分 12 サイディング材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形枠状に組まれてなる枠体とこの枠体
    の表裏両面に貼設された面材とからなる壁パネルと、こ
    の壁パネルの一方の側の面材表面に該面材のほぼ全面を
    覆って貼着された防水シートと、該防水シートの表面に
    取付けられかつ前記面材のほぼ全面を覆って配設された
    無機質系サイディング材とからなり、前記防水シートが
    壁パネルの側方に張り出して設けられ、かつ該張り出し
    部分が、壁パネルの小口面側に折曲されて該小口面の防
    水シートを貼着した側を覆って貼着された複合外壁パネ
    ルを用いた外壁構造であって、 前記複合外壁パネル同士を互いにそれぞれの小口面が突
    き合わされるようにして隣合わせて連結固定することに
    より、前記複合外壁パネル同士のそれぞれの小口面に折
    曲されて貼着された防水シートの張り出し部分を二重に
    重ね合わせて、前記複合外壁パネル間に挟持させ、これ
    ら張り出し部分がパッキンとして機能することを特徴と
    する外壁構造
  2. 【請求項2】 矩形枠状に組まれてなる枠体とこの枠体
    の一方の面に貼設された面材とからなる壁パネルと、こ
    の壁パネルの面材を貼設していない側の枠体表面に該枠
    体内のほぼ全域を覆って貼着された防水シートと、該防
    水シートの表面に取付けられかつ前記枠体内のほぼ全域
    を覆って配設された無機質系サイディング材とからな
    り、前記防水シートが壁パネルの側方に張り出して設け
    られ、かつ該張り出し部分が、壁パネルの小口面側に折
    曲されて該小口面の防水シートを貼着した側を覆って貼
    着された複合外壁パネルを用いた外壁構造であって、 前記複合外壁パネル同士を互いにそれぞれの小口面が突
    き合わされるようにして隣合わせて連結固定することに
    より、前記複合外壁パネル同士のそれぞれの小口面に折
    曲されて貼着された防水シートの張り出し部分を二重に
    重ね合わせて、前記複合外壁パネル間に挟持させ、これ
    ら張り出し部分がパッキンとして機能することを特徴と
    する外壁構造
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