JP3426485B2 - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ装置や複
写機等の電子写真記録の印刷機能を備えた複数の静電記
録ユニットによる異なるカラー画像の重ね合せ転写によ
りカラーの画像を印刷する印刷装置に関し、特に、着脱
自在な複数の静電記録ユニットの相互間のカラー画像の
位置ずれを検出して補正する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真記録を用いたカラー印刷
装置は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及び
イエロー(Y)の4色の静電記録ユニットを、記録紙の
搬送方向にタンデム配置している。4色の静電記録ユニ
ットは、感光ドラムを画像データに基づいて光学的に走
査して潜像を形成し、この潜像を現像器のカラートナー
によって現像した後に、一定速度で搬送される記録紙上
に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及
び黒(K)の順番に重ね合せて転写し、最終的に定着器
を通して加熱定着等を行う。
【0003】イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)及び黒(K)の静電記録ユニットは、カラートナ
ーがなくなった場合に、ユニット全体又はユニットの一
部を交換する必要がある。このため静電記録ユニット
は、装置カバーを開いた状態で簡単に着脱できる構造を
備えている。一方、YMCKの静電記録ユニットを記録
紙の搬送方向にタンデム配置した構造のカラー印刷装置
にあっては、カラー印刷の品質を高めるためには、移動
する記録紙上に各静電記録ユニットで転写するトナー像
の位置ずれを低減して色合せの精度を高めなければなら
ない。
【0004】例えば記録紙上での主走査方向(搬送方向
に直交する方向)及び副走査方向(記録紙搬送方向)の
解像度を、それぞれ600dpiとすると、画素ピッチ
は約42μmとなり、例えば位置ずれを42μm以下に
抑える必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
タンデム型のカラー印刷装置にあっては、YMCKの静
電記録ユニットを着脱自在に設けているため、固定設置
した場合に比べ位置ずれが大きく、機械的な加工精度や
組付け精度によって位置ずれを42μm以下に抑えた色
合せ精度を実現することは困難であった。
【0006】この問題を解決するため例えば特開平8−
85236号にあっては、転写ベルト上の矩形コーナの
4箇所にテストパターンのレジストマークを転写し、こ
のレジストマークをCCDで読み取り、予め設定した装
置の絶対基準座標に対するレジストマークの検出座標に
位置ずれ量を検出し、レーザ走査装置に対する画像デー
タの出力時に、出力座標位置を検出したずれ量に基づい
て補正している。
【0007】しかし、このような従来の位置ずれ検出と
位置ずれ補正にあっては、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)及び黒(K)の全ての静電記録ユ
ニットについて、絶対座標に対するレジストマークの位
置ずれの検出を必要とし、しかもレジストマークの検出
にCCDを使用しているために、位置ずれ検出の処理に
時間がかかると共にハードウェア量が増加し、コストア
ップを招いている。
【0008】また発光アレイを機械的に調整可能とする
ことで位置ずれを補正することも考えられるが、位置ず
れを42μm以下に抑えるような調整は機械的に困難で
ある。このため発光アレイを用いたカラー印刷装置にあ
っては、例えば300μmといった大きな位置ずれを起
しており、カラー成分の重ね合わせによる十分な印刷品
質が実現できない問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、静電記録ユニットに発光アレイを用
いた印刷装置について、簡単な位置ずれ検出によって高
精度の位置ずれ補正が実現できるようにした印刷装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。本発明の印刷装置は、一定速度で搬送される
ベルト上に記録紙を吸着して搬送する搬送機構、記録紙
搬送方向に配列され感光ドラムの光学的な走査で画像デ
ータに応じた潜像を形成して異なるカラーのトナー成分
で現像した後にベルト上の記録紙に転写する複数の静電
記録ユニットを備える。
【0011】このようなタンデム型の印刷装置につき本
発明にあっては、図1(A)のように、位置ずれ検出部
116と位置ずれ補正部124を設ける。位置ずれ検出
部116は、複数の静電記録ユニットによりベルト12
上に各カラーのトナーによる複数本のレジストマークを
所定ピッチで転写した後にセンサ30により光学的に検
出し、センサ検出信号をフーリエ変換して得た位相差φ
によりレジストマークの位置を検出し、いずれか1つの
カラー画像を基準画像とした基準レジストマークに対す
る他のカラー成分のレジストマークの位置ずれを検出す
る。
【0012】位置ずれ補正部124は、基準画像の静電
記録ユニットを除く他の複数の静電記録ユニットに対
し、位置ずれ検出部116で検出された位置ずれ検出情
報に基づいて、基準画像に対し他のカラー成分の画像の
位置ずれをなくすように相対的に補正する。位置ずれ検
出部116は、例えば図1(B)のように、レジストマ
ーク150として複数本の横線154と複数本の斜線1
58をカラー成分毎に転写し、センサの検出信号をフー
リエ変換して得た位相差φにより横線位置及び斜線位置
を検出する。
【0013】位置ずれ検出部116による位置ずれ検出
のためには、ベルト上に1本の横線または斜線を転写し
てセンサ30で検出すればよい。しかし、線上にトナー
が均一に乗っていなかったり、センサ検出信号にノイズ
が混入すると、線の位置とノイズを混同して正確に線の
位置を検出することができない。そこで本発明にあって
は、位置検出のための横線及び斜線を一定ピッチで複数
本転写することで一定周期で繰り返す縞模様を形成し、
センサ30で読み取った検出信号につきフーリエ変換を
適用する。このフーリエ変換は離散フーリエ変換であ
り、サンプリングした生データから余弦フーリエ係数a
と正弦フーリエ係数bが算出され、更に位相φと振幅c
が求まる。
【0014】この位相φは、規定のフーリエ変換開始位
置に対する横線または斜線の位置に対応しており、フー
リエ変換での1周期2πは線のピッチ間隔であるから、
位相φを線の位置に変換できる。この結果、センサ検出
信号にノイズが混入しても、ノイズの影響を受けること
なく正確に線の位置を検出できる。位置ずれ検出部11
6は、図1(C)に拡大するように、横線154として
副走査方向に直交する主走査方向に直線を複数本転写
し、斜線158として副走査方向に対し45°の傾斜角
の方向に直線を複数本転写する。このように斜線の角度
を45°にすると、ベルト搬送方向となる副走査方向で
検出した位置が、そのままベルト搬送方向に直交する主
走査方向の位置として利用できる。
【0015】位置ずれ検出部116は、複数本の横線1
54及び斜線158のピッチ間隔に対し、副走査方向と
なるフーリエ変換方向のレジストパターン150を転写
する範囲の長さを、ピッチ間隔の整数倍とする。位置ず
れ検出部116は、横線154と斜線158の各レジス
トマークの先頭側にプレマーク152,156を転写
し、センサ30によるプレマーク152,156の中心
位置から所定距離だけ離れた位置を読取開始位置(フー
リエ変換開始位置)として所定のフーリエ計算範囲に亘
り横線154と斜線158を読み取ってフーリエ変換す
る。
【0016】位置ずれ検出部116は、最もコントラス
トの強いカラーの静電記録ユニットにより基準レジスト
マーク150を印字して他のカラーの静電記録ユニット
によるレジストマークの位置ずれ情報を検出する。複数
の静電記録ユニットは、黒K、シアンC、マゼンタM、
及びイエローYのカラー画像を印刷するユニットであ
り、黒Kの静電記録ユニットのレジストマークを基準レ
ジストマーク150−1として、シアンC、マゼンタ
M、及びイエローCの静電記録ユニットによるレジスト
マーク150−2〜150−4の位置ずれを検出する。
【0017】位置ずれ検出部116は、ベルト12上の
記録紙搬送方向に直交する主走査方向の走査始端側と走
査終端側の2ケ所に複数本の横線154と複数本の斜線
158のレジストマークを転写し、レジストマークのセ
ンサ検出信号をフーリエ変換して各カラー成分KCMY
毎に左右2ケ所の横線位置P1,P2と左右2ケ所の斜
線位置P3,P4を検出し、4つの検出位置P1〜P4
に基づいて黒Kを基準として他のカラー成分CMYの主
走査方向補正値Δx、副走査方向補正値Δy及びスキュ
ー補正値ΔZを検出する。
【0018】位置ずれ検出部116は、黒Kの主走査方
向絶対位置Xkを、左右の斜線位置に対する左右の横線
位置の差の平均値に、副走査方向のサンプリングピッチ
Lsに対する主走査方向の補正単位量Lnの変換比率
(Ln/Ls)を乗算した値として算出する。即ち、 (主走査方向絶対位置Xk)=[{(左斜線位置P3)−
左横線位置P1)+(右斜線位置P4)−(右横線位置
P2)}/2]×(補正単位量Ln/サンプリングピッ
チLs) とする。次に、他のカラー分CMYの主走査方向補正値
Δxを、各カラーの左右の斜線位置に対する左右の横線
位置の差の平均値に、副走査方向のサンプリングピッチ
Lsに対する主走査方向の補正単位量Lnの変換比率
(Ln/Ls)を乗算した値から黒Kの主走査方向絶対
位置Xkを減算した値として算出する。即ち、カラーC
MYの各々について 主走査方向補正値Δx=[{(左斜線位置P3)−左横
線位置P1)+(右斜線位置P4)−(右横線位置P
2)}/2]×(補正単位量Ln/サンプリングピッチ
Ls)−(主走査方向絶対位置Xk) として求める。
【0019】位置ずれ検出部116は、黒K以外のカラ
ーCMYの副走査方向補正値Δyを、各カラーCMYの
横線位置から黒Kの横線位置を減算すると共に、更に予
め定めた黒Kと他のカラーCMYとの転写間隔をベルト
速度で割った値を減算して算出する。即ち、 CMY副走査方向補正値Δy=(CMY横線位置P1)
−(K横線位置P1)−(K−CMY転写間距離)/
(ベルト速度Vb) 位置ずれ検出部116は、黒Kのスキュー絶対値Zk
を、右横線位置P2と左横線位置P1の差(P2−P
1)として求め、次に他のカラーCMYのスキュー補正
値Δzを、各カラーCMYの左右の横線位置の差(P2
−P1)から黒Kのスキュー絶対値Zkを減算した値と
して算出する。即ち、 CMY スキュー補正値Δz=(CMY 右横線位置P2)−
(CMY 左横線位置P1)−(スキュー絶対値Zk) とする。
【0020】位置ずれ補正部124は、上位装置から転
送された画像データを画素データに展開して画像メモリ
に展開する際に、位置ずれ検出部116からの位置ずれ
補正値に基づいて、印刷時に対象画像の基準画像に対す
るずれを補正するように、書込アドレスを修正する。位
置ずれ補正部124は、位置ずれ検出部116で検出し
た主走査方向補正値Δx、副走査方向補正値Δy、スキ
ュー補正値Δzから、主走査線上の各画素位置における
副走査方向のずれ量を演算し、このずれ量を相殺する逆
方向の位置に静電記録ユニット対する副走査方向の書込
アドレスを補正して画像メモリに画素データを書き込
む。
【0021】レジストマーク150−1〜150−4を
読み取るセンサ30は、レーザダイオードからの光を集
光レンズで絞り、ベルト面に対し数ミクロンオーダのス
ポット光を所定の入射角で照射し、ベルト面に転写した
トナー成分のスポット光の照射による散乱光を所定の出
射角の方向に配置した受光素子で受光してセンサ検出信
号を出力する。センサ30は、レーザダイオードからの
スポット光が照射されるベルト面の背後を空洞とし、ベ
ルト裏側からの散乱光を抑止し、ノイズを低減する。
【0022】
【発明の実施の形態】<目 次> 1.装置の構造 2.ハードウェア構成と機能 3.位置ずれ検出 4.位置ずれ補正 1.装置の構造 図2は本発明の印刷装置の内部構造である。装置本体1
0の内部には記録媒体例えば記録用紙を搬送させるため
の搬送ベルトユニット11が設けられ、搬送ベルトユニ
ット11には過透性の誘電体材料、例えば適当な合成樹
脂材料から作られた無端ベルト12を回動自在に備え
る。無端ベルト12は4つのローラ22−1,22−
2,22−3,22−4の回りに掛け渡される。搬送ベ
ルトユニット11は装置本体10に対し着脱自在に装着
されている。
【0023】ローラ22−1は駆動ローラとして機能
し、駆動ローラ22−1は駆動機構(図示せず)により
無端ベルト12を矢印で示す時計回りに一定速度で走
行駆動する。また駆動ローラ22−1は、無端ベルト1
2から電荷を除去するAC除去ローラとしても機能す
る。ローラ22−2は従動ローラとして機能し、従動ロ
ーラ22−2は無端ベルト12に電荷を与える帯電ロー
ラとしても機能する。
【0024】ローラ22−3,22−4は共にガイドロ
ーラとして機能し、駆動ローラ22−1及び従動ローラ
22−2に近接して配置される。従動ローラ22−2と
駆動ローラ22−1の間の無端ベルト12の上側走行部
は、記録紙の移動経路を形成する。記録紙はホッパ14
に蓄積されており、ピックアップローラ16によりホッ
パ14の最上部の記録紙から1枚ずつ繰り出され、記録
紙ガイド通路18を通って一対の記録紙送りローラ20
により無端ベルト12の従動ローラ22−2側からベル
トA側の記録紙移動経路に導入され、記録紙移動経路を
通過した記録紙は駆動ローラ22−1から排出される。
【0025】無端ベルト12は従動ローラ22−2によ
り帯電されるため、記録紙が従動ローラ22−2側から
記録紙移動経路に導入されたとき無端ベルト12に静電
的に吸着され、移動中の記録紙の位置ずれが防止され
る。一方、排出側の駆動ローラ22−1は除電ローラと
して機能するため、無端ベルト12は駆動ローラ22−
1に接する部分において電荷が除去される。このため記
録紙は駆動ローラ22−1を通過する際に電荷が除去さ
れ、ベルト下部に巻き込まれることなく無端ベルト12
から容易に剥離されて排出される。
【0026】装置本体10内にはY,M,C,Kの4台
の静電記録ユニット24−1,24−2,24−3,2
4−4が設けられ、無端ベルト12の従動ローラ22−
2と駆動ローラ22−1との間に規定されるベルト上側
の記録紙移動経路に沿って、上流から下流側に向かって
Y,M,C,Kの順番に直列に配置されたタンデム構造
を有する。
【0027】静電記録ユニット24−1〜24−4は、
現像剤としてイエロートナー成分(Y)、マゼンタトナ
ー成分(M)、シアントナー成分(C)、及びブラック
トナー成分(K)を使用する点が相違し、それ以外の構
造は同じである。このため静電記録ユニット24−1〜
24−4は、無端ベルト12の上側の記録紙移動経路に
沿って移動する記録紙上にイエロートナー像、マゼンタ
トナー像、シアントナー像及びブラックトナー像を順次
重ねて転写記録し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0028】図3は図2の静電記録ユニット24−1〜
24−4の1つを取り出している。静電記録ユニット2
4は感光ドラム32を備え、記録動作時に感光ドラム3
2は時計回りに回転駆動される。感光ドラム32の上方
には例えばコロナ帯電器あるいはスコロトロン帯電器等
として構成された前帯電器34が配置され、前帯電器3
4により感光ドラム32の回転表面は一様な電荷で帯電
される。
【0029】感光ドラム32の帯電領域には光学書込ユ
ニットとして機能するLEDアレイ36が配置され、L
EDアレイ36のスキャニングで出射された光によって
静電潜像が書き込まれる。即ち、LEDアレイ36の主
走査方向に配列された発光素子は、コンピュータやワー
ドプロセッサ等から印刷情報として提供される画像デー
タから展開した画素データ(ドットデータ)の階調値に
基づいて駆動され、このため静電潜像はドットイメージ
として書き込まれる。
【0030】感光ドラム32に書き込まれた静電潜像
は、感光ドラム20の上方に配置されている現像器40
により所定の色トナーによる帯電トナー像として静電的
に現像される。感光ドラム32の帯電トナー像は、下方
に位置した導電性転写ローラ42によって記録紙に静電
的に転写される。即ち静電性転写ローラ42は、無端ベ
ルト12を介して感光ドラム32との間に微小な隙間を
介して配置され、無端ベルト12により搬送される記録
紙に帯電トナー像とは逆極性の電荷を与え、これにより
感光ドラム32上の帯電トナー像は記録紙上に静電的に
転写される。
【0031】転写プロセスを経て感光ドラム32の表面
には、記録紙に転写されずに残った残留トナーが付着し
ている。この残留トナーは感光ドラム32に対し、記録
紙移動経路の下流側に設けられたトナー清浄器43によ
り除去される。除去された残留トナーはスクリューコン
ベア38により現像器40に戻され、再度現像トナーと
して使用される。
【0032】再び図2を参照するに、記録紙は無端ベル
ト12の従動ローラ22−2から駆動ローラ22−1の
間の記録紙移動経路を通過する際に、静電記録ユニット
24−1〜24−4によってY,M,C,Kの4色のト
ナー像の重ね合せによる転写を受けてフルカラー像が形
成され、駆動ローラ22−1側からヒートローラ型熱定
着装置26に向かって送り出され、フルカラー像の記録
用紙に対する熱定着が行われる。熱定着が済んだ記録用
紙は、ガイドローラを通過して装置本体の上部に設けら
れたスタッカ28に配置されて集積される。
【0033】搬送ベルト11の無端ベルト12の下側の
ベルト面に対しては、ベルト移動方向に直交する方向に
一対のセンサ30−1,30−2が設置されており、図
2の状態では手前のセンサ30−1のみが見える。この
センサ30−1,30−2は、本発明による位置ずれ検
出の際に無端ベルト12上に転写した位置ずれ検出のた
めのレジストマークを光学的に読み取るために使用され
る。
【0034】図4は図2の装置本体10の内部に設けて
いる搬送ベルトユニット11の取出状態と、搬送ベルト
ユニット11に設けている静電記録ユニット24−1〜
24−4の着脱構造である。まず装置本体10の上部に
は、左側を支点に開閉自在なカバー54が設けられてい
る。装置本体10内にはフレーム55が配置され、フレ
ーム55の上部2箇所にピン56を配置している。
【0035】これに対し上部に取り出して示している搬
送ベルトユニット11の側面には、装置本体10側のフ
レーム55に相対するフレーム58が設けられ、フレー
ム58のピン56に相対する位置にはピン穴が開けられ
ている。このため、カバー54を開いて搬送ベルトユニ
ット11を上方に引き上げることで、装置本体10側の
ピン56から上方に抜き出すことができる。
【0036】搬送ベルトユニット11に装着された静電
記録ユニット24−1〜24−4は、側面両側に配置し
ている取付板51の上部に開いた取付溝52に対し、静
電記録ユニット24−1〜24−4の側面に装着したピ
ン50を嵌め入れることで取り付けている。取付溝52
は、上部のV字型に開いた部分に続いて下側にピン50
と同程度の幅を持つストレート溝を形成しており、ピン
50を取付溝52に合わせて下側に押し込むことで、搬
送ベルトユニット11上の所定位置に正確に位置決めで
きる。また現像記録ユニット24−1〜24−4にトナ
ーを補給したり保守を行いたい場合には、例えば静電記
録ユニット24−3のように、上方に引き上げることで
容易に外すことができる。 2.ハードウェア構成と機能 図5は本発明の印刷装置のハードウェア構成のブロック
図である。本発明のハードウェアは、エンジン部60と
コントローラ部62で構成される。エンジン部60に
は、図2に示した搬送ベルトユニット11、静電記録ユ
ニット24−1〜24−4等の印刷機構部の制御動作を
行うメカニカルコントローラ64が設けられている。
【0037】メカニカルコントローラ64に対しては、
本発明による位置ずれ検出処理を実行するセンサ処理用
MPU66が設けられる。センサ処理用MPU66に対
しては、無端ベルト12の下部に設置している一対のセ
ンサ30−1,30−2からの検出信号が入力されてい
る。メカニカルコントローラ64は、エンジン部コネク
タ70を介してコントローラ62側と接続される。な
お、エンジン部60に設けた印刷機構は、無端ベルト1
2とY,M,C,Kの各静電記録ユニットに設けている
LEDアレイ36−1,36−2,36−3,36−4
を取り出して示している。
【0038】コントローラ部62にはコントロール用M
PU72が設けられる。コントローラ用MPU72に対
しては、インタフェース処理部74及びコントロール部
コネクタ76を介して上位装置としての例えばパーソナ
ルコンピュータ92が接続される。パーソナルコンピュ
ータ92は、任意のアプリケーションプログラム94か
ら提供されるカラー画像データを印刷処理するためのド
ライバ96を備え、ドライバ96をパソコン部コネクタ
98を介してコントローラ部62のコントロール部コネ
クタ76に接続している。
【0039】コントローラ部62のコントロール用MP
U72には、パーソナルコンピュータ92から転送され
たY,M,C,Kの各画像データを画素データ(ドット
データ)に展開して格納する画像メモリ82−1,82
−2,82−3,82−4が設けられる。一方、コント
ローラ用MPU72は、インタフェース処理部78及び
コントローラ部コネクタ80を介してエンジン部60に
接続され、エンジン部60側で検出された位置ずれ情報
をインタフェース処理部78で受信し、画像メモリ82
−1〜82−4に展開された各画像の画素データを対象
に位置ずれ補正を行うことができる。
【0040】コントローラ用MPU72は、画像メモリ
82−1〜82−4に各カラー画素データを展開する際
に、アドレス指定を行うためアドレス指定部84を備え
る。アドレス指定部84に続いては、アドレス変換部8
6が設けられる。アドレス変換部86は、インタフェー
ス処理部78を介してエンジン部60側から提供された
位置ずれ情報に基づき、位置ずれ補正のためのアドレス
変換を行う。
【0041】図6は図5のエンジン部60側に設けてい
るセンサ30−1,30−2の配置構造と駆動回路部
を、無端ベルト12の搬送方向に直交する横方向で切断
して表わしている。図6において、無端ベルト12の下
側には、ベルト搬送方向に直交する方向に並べて2つの
センサ30−1,30−2が設置されている。センサ3
0−1,30−2は、波長780nmのレーザダイオー
ド100−1,100−2とフォトダイオード106−
1,106−2を備えている。レーザダイオード100
−1,100−2はドライバ110により発光駆動され
る。
【0042】フォトダイオード106−1,106−2
からの受光信号はアンプ108−1,108−2で増幅
された後、AD変換器68によりセンサ処理用MPU6
6に取り込まれている。またドライバ110はセンサ処
理用MPU66に設けているDAコンバータ69からの
信号により動作して、レーザダイオード100−1,1
00−2の発光駆動を行う。
【0043】図7は図6のセンサ30−1を例にとって
具体的構造を表わしている。図7において、ハウジング
105の右側にはレーザダイオード100−1が設置さ
れ、レーザダイオード100−1の前方にはコリメータ
付きの結像レンズ102が設置され、レーザダイオード
100−1からのビーム光を結像レンズ102で集光し
て、入射角θ1によりベルト12の表面の結像位置10
1に微小なビームスポットを結像している。
【0044】この結像位置101に照射するレーザビー
ムのビームスポットの径は、例えば数十μm程度に絞ら
れている。ベルト12の結像位置101からの出射角θ
2となる光軸方向には、集光レンズ104を介してフォ
トダイオード106−1が配置される。本発明の位置ず
れ検出にあっては、ベルト12の表面に位置検出のため
のK,C,M,Yのトナーを用いたレジストマークが転
写され、このレジストマークをセンサ30−1,30−
2で検出する。この場合、ベルト12の表面に転写され
たレジストマークは未定着のトナーであり、光沢はほと
んどないことから、反射による光学的な検出はできな
い。
【0045】そこで本発明のセンサ30−1,30−2
にあっては、図7のようにレーザダイオード100−1
から照射した微小なビームスポットを未定着の転写トナ
ーに照射して、その散乱光をフォトダイオード106−
1で受光するようにしている。無端ベルト12は裏側に
位置するガイドプレート107に沿ってガイドされてい
る。しかし、レーザダイオード100−1からのビーム
スポットが結像される検出位置101の背後にガイドプ
レート107が位置すると、半透明なベルト12に照射
されたビームスポットが裏側に位置するガイドプレート
107で反射して、散乱光をフォトダイオード106−
1に入射させ、ノイズ光となる。
【0046】そこで、無端ベルト12の背後に位置する
ガイドプレート107について、検出位置101を中心
としたノイズ的な散乱光を発生する部分について、透過
穴109を設け、ガイドプレート107の反射によるノ
イズ光を防いでいる。図8は図5のハードウェアで構成
される本発明の印刷装置の機能ブロック図であり、位置
ずれ検出部116と位置ずれ補正部124の2つの機能
を基本的に有する。位置ずれ検出部116の機能は、図
5のエンジン部60に設けたセンサ処理用MPU66で
実現される。また位置ずれ補正部124としての機能
は、図5のコントローラ部62に設けたMPU72によ
り実現される。
【0047】位置ずれ検出部116に対しては、図5の
エンジン部60の無端ベルト12の下側に設けているセ
ンサ30−1,30−2の検出信号が与えられている。
位置ずれ検出部116には、レジストパターン書込部1
18、フーリエ変換部120及び位置ずれ演算部122
が設けられる。レジストパターン書込部118は、位置
ずれ検出の際にLED駆動部130を経由して、Y,
M,C,Kの各LEDアレイ36−1,36−4により
無端ベルト12上に位置ずれ検出のためのレジストパタ
ーンの書込みを行わせる。
【0048】この位置ずれ検出のためのレジストパター
ンは、無端ベルト12の搬送方向に直交する主走査方向
における走査範囲の始端と終端側の2か所に転写され、
それぞれセンサ30−1,30−2で検出される。本発
明の位置ずれ検出にあっては、Y,M,C,Kの4色の
うち、最もコントラストが強いKの印刷画像を基準画像
とし、このK基準画像に対する残りのY,M,Cの各印
刷画像の位置ずれを検出する。
【0049】具体的には、レジストパターン書込部11
8には後の説明で明らかにするパターン形状を持ったレ
ジストマークの印字情報が保持されており、このレジス
トマーク印字情報を使用して例えばY,M,C,Kの4
色のLEDアレイ36−1〜36−4の並列駆動で、無
端ベルト12上にレジストマークを転写する。レジスト
マーク書込部118で保持するレジストマークの情報は
ビットマップパターンで持ってもよいが、ベクトル情報
として持ち、LED駆動部130でビットマップデータ
に展開して印字することが望ましい。
【0050】フーリエ変換部120は、センサ30−
1,30−2により検出されたY,M,C,Kの4色の
レジストマークの検出情報に基づき、フーリエ変換を行
ってフーリエ係数a,bを求め、このフーリエ係数a,
bから位相φを検出し、位相φに基づきレジストマーク
の位置を検出する。位置ずれ演算部122は、コントラ
ストが最も強い黒Kレジストマークを基準とした他のカ
ラーY,M,Cのレジストマークの位置ずれから補正値
を演算する。
【0051】位置ずれ演算部122で求める補正値とし
ては、黒Kの主走査方向の絶対位置を基準とした他のカ
ラーC,M,Yの主走査方向補正値Δx、Kを基準とし
た副走査方向補正値Δy、黒Kの絶対スキュー値Xkを
基準とした他のカラーC,M,Yの副走査方向の傾きを
表わすスキュー補正値Δzである。位置ずれ演算部12
2で算出された各補正値は、例えば図9のように、シア
ン用テーブル122C、マゼンタ用テーブル122M、
及びイエロー用テーブル122Yとして格納される。
【0052】図8の位置ずれ補正部124は、位置ずれ
補正情報格納部126とアドレス変換部128を備え
る。位置ずれ補正情報格納部126には、位置ずれ検出
116で検出された図9の位置ずれ補正値に基づく補正
情報が格納される。アドレス変換部128は、位置ずれ
補正情報格納部126に格納された位置ずれ補正情報に
基づき、画像メモリ82−1〜82−4の画素データを
展開する際の位置ずれ補正のためのアドレス変換を行
う。このアドレス変換部128の機能について、図5の
コントローラ部62にあっては、専用のアドレス変換部
86を設けている。
【0053】図10は図8の機能を備えた本発明の印刷
装置における印刷処理動作の全体的なフローチャートで
ある。まず装置の電源を投入すると、ステップS1で予
め定めた初期化処理が行われ、この初期化処理の中にス
テップS2の位置ずれ検出処理がある。ステップS2の
位置ずれ検出処理が済むと、ステップS3で上位のパー
ソナルコンピュータからの印刷要求の有無をチェックし
ている。
【0054】印刷要求があるとステップS4に進み、パ
ーソナルコンピュータから転送されてくる画像データを
画像メモリに展開する際にステップS4で位置ずれ補正
処理を実行する。続いてステップS5でエンジン部60
側の印刷準備完了を待って、ステップS6でエンジン部
60による印刷処理を実行する。また処理中にステップ
S7で色ずれ調整処理の指示があるか否かチェックして
おり、もし色ずれ調整処理の指示があれば、ステップS
2に戻って電源投入による立ち上げ時と同様な位置ずれ
検出処理を再度行う。
【0055】ステップS7の色ずれ調整指示としては、
オペレータによるマニュアル指示、あるいは上位のパー
ソナルコンピュータからのコマンドによる指示がある。
更に位置ずれは、エンジン部60に設けている静電記録
ユニットの機械的な要因に起因し、装置内の環境温度に
より変動する。そこで電源投入からの経過時間を監視
し、予め設定されたタイムスケジュールに従った時間に
達するごとに自動的にステップS2の位置ずれ検出処理
を行うこともできる。この場合のタイムスケジュール
は、電源投入直後は装置内の温度変動が大きいことから
位置ずれ検出の実行時間間隔を短くし、電源投入からの
経過時間が長くなるにつれて位置ずれ検出処理の実行時
間間隔を長くすればよい。 3.位置ずれ検出 図11は図8の位置ずれ検出部116によるコントラス
トの最も強い黒Kの画像を基準とした他のカラーY,
M,Cの各対象画像の位置ずれ検出の原理であり、対象
画像としたシアンCの位置ずれ検出を例にとっている。
【0056】図11において、用紙搬送方向に直交する
AT4用紙幅134をもつ黒Kの印刷ラインを基準印刷
ライン132とする。この基準印刷ライン132に対
し、印字されたシアンCの対象印刷ライン140は、黒
Kの静電記録ユニットに対するCの静電記録ユニットの
機械的な位置ずれ等に起因して、理想印刷ライン148
に対し位置ずれを起こしている。
【0057】この理想印刷ライン148に対する対象印
刷ライン140の位置ずれは、例えば基準ライン132
の始点位置をP11、終点位置をP12、対象印刷ライ
ン140の位置ずれを起こした始点位置をP21、終点
位置をP22とすると、始点位置P21の主走査方向の
位置ずれを示す位置ずれ補正値Δx、位置P21の副走
査方向の位置ずれを示す副走査方向位置ずれ補正値Δ
y、更に位置P21とP22の副走査方向の位置のずれ
量で定義されるラインの傾きを表わすスキュー補正値Δ
zの3つの要素で定義することができる。図11の位置
ずれ情報の検出は、図12のように、無端ベルト12の
主走査方向の始端側と終端側の2か所にレジストマーク
を転写し、これをセンサ30−1,30−2によって検
出することにより求める。即ち無端ベルト12には、ベ
ルト搬送方向となる副走査方向の4か所に分けてK用レ
ジストマーク150−1、C用レジストマーク150−
2、M用レジストマーク150−3及びY用レジストマ
ーク150−4が転写される。
【0058】K,C,M,Y用のレジストマーク150
−1〜150−4のそれぞれは、例えばセンサ30−1
側のK用レジストマーク150−1を例にとると、先頭
から順番に色基準プレマーク152−11,横線レジス
トマーク154−11,斜線プレマーク156−11,
斜線レジストマーク158−11で構成されている。図
13は図12の155の部分を取り出している。色基準
プレマーク152−11は、次に続く横線レジストマー
ク154−11の読取り開始位置の基準位置を与える。
センサ30−1により色基準プレマーク152−11を
読み取り、その読取信号によって色基準プレマーク15
2−11の副走査方向の中心位置164を検出する。
【0059】横線レジストマーク154−11は、主走
査方向に所定長の長さを持った横線160−1〜160
−10の10本を一定ピッチ間隔で転写している。この
横線レジストマーク154−11の横線160−1〜1
60−10は、センサ30−1により読取られ、フーリ
エ変換を行うために用いられる。横線レジストマーク1
54−11におけるフーリエ計算範囲165は、先頭と
差後の横線160−1,160−10を除いた間に位置
する8本の横線160−2〜160−9の読取信号を用
いる。このフーリエ計算範囲165の先頭となるフーリ
エ計算開始位置166は、色基準プレマーク152−1
1から検出した中心位置164に対し、予め設定したノ
ミナン距離C1に設定されている。
【0060】横線レジストマーク154−11に続いて
は斜線プレマーク156−11が設けられる。斜線プレ
マーク156−11も色基準プレマーク152−11と
同様、センサ30−1による読取信号から副走査方向の
中心位置170を検出する。斜線プレマーク156−1
1に続いては、横線レジストマーク154−11と同
様、フーリエ変換を行うための斜線レジストマーク15
8−11が設けられている。
【0061】斜線レジストマーク158−11は10本
の斜線162−1〜162−10を一定ピッチで並べて
おり、副走査方向に対するセンサ読取中心線に対する傾
斜角θは例えばθ=45°に設定されている。この斜線
レジストマーク158−11についても、先頭と最後の
斜線162−1,162−10を除く間の8本の斜線1
62−2〜162−9の範囲をフーリエ計算範囲175
に設定している。
【0062】このフーリエ計算範囲175の先頭位置
は、斜線プレマーク156−11から検出した中心位置
170を起点とした所定のノミナン距離C2に設定され
ている。ここでセンサ30−1の中心線35−1と横線
レジストマーク154−11の先頭の横線160−1の
交点をP1、斜線レジストマーク158−11の斜線1
62−1との交点をP13、横線160−1と斜線16
2−1の左側への延長線の交点をO11とした場合、三
角形O11P11P13は、θ=45°であることから
直角二等辺三角形を形成している。
【0063】このため、センサ30−1によって中心線
35−1上の交点P11と交点P13の位置検出から、
その間の距離が分かると、この距離は位置P11と交点
O11の距離に等しい関係にある。センサ30−1の中
心線35−1に対しレジストマークが直交する主走査方
向に位置ずれを起こすと、主走査方向の位置ずれに応じ
て二等辺三角形O11P11P13の大きさが変化す
る。
【0064】即ち、主走査方向の位置ずれに対し、横線
160−1の中心線35−1を通る位置P11は副走査
方向に変化しないが、横線162−1が中心線35−1
を通る位置P13は副走査方向で変化する。位置P13
の副走査方向の変化は、θ=45°の直角二等辺三角形
であることから、主走査方向での交点O11の変化に等
しい。
【0065】したがって主走査方向の位置ずれについて
は、副走査方向における位置P11とP13の間の位置
ずれを検出してそのまま適用することができる。もちろ
ん、θ=45°以外の場合については副走査方向の位置
ずれを tanθ=(線分長O11−0P11)/(線分長P11−P
13) となる関係式から副走査方向について検出して、これを
主走査方向に変換すればよい。θ=45°とした場合に
は、主走査方向及び副走査方向が同じ位置ずれであるこ
とから、このようなタンジェント変換が不要にできる。
【0066】図13に示すレジストマークの構成は、図
12の他の部分のレジストマークについても同様であ
る。図14は図12のセンサ30−1でK用レジストマ
ーク150−1の155の部分のレジストマークを読み
取ったときの図6に示したADコンバータ68による読
取結果である。図14にあっては、横軸にADコンバー
タ68のサンプルパルスの数を時間軸情報として示し、
縦軸に8ビットの振幅値を10進で表わしている。
【0067】この読取波形は、先頭から色基準プレマー
ク読取波形176、横線レジストマーク読取波形17
8、斜線プレマーク読取波形180及び斜線レジストマ
ーク読取波形182となる。この読取波形から明らかな
ように、例えばフーリエ変換に使用する横線レジストマ
ーク読取波形178に含まれる10個の波につき、その
振幅成分に様々なノイズ成分が含まれている。このた
め、一本の横線レジストマークではノイズ分によって正
確な位置を検出することができない。本発明にあって
は、読取波形に含まれるノイズの影響を除去するためフ
ーリエ変換を利用している。
【0068】図15は図13に示した横線レジストマー
ク154−11及び斜線レジストマーク158−11の
読取波形に基づく位置検出のためのフーリエ変換処理で
あり、離散フーリエ変換を適用している。まずステップ
S1で、全データから1周期分の波形データの平均値を
算出する。ここでフーリエ変換するデータの総数をNd
個とし、生データを D(0),D(1),D(2)・・・D(Nd−1) (1) とする。またフーリエ変換する周期をNmとする。ここ
で周期Nmは浮動小数点で表現する。次に1周期分の波
形データの平均を算出する。線間でのサンプル数をNt
とすると、 Nt=Int(Nm) (2) となる。ここで、Int( )は、カッコ内の浮動小数
点の値を整数に変換することを意味する。またNd個の
全データに含まれる波数をNsとすると Ns=Int(Nd/Nm) (3) となる。次に1周期分の波形データの平均値Da(m)
を次式で算出する。
【0069】
【数1】
【0070】ここで、mは先頭の1周期内の各データの
番号であり、m=0,1,2,・・・・Nt−1の値を
とる。またnはNs個の各周期におけるm番目のデータ
の全データ中の位置(番号)であり、 n=(i×Nm)+m (5) の値をとる。例えば、1周期の先頭位置m=0の平均D
a(0)の算出を説明する。平均計算に用いるNs個の
各周期での先頭位置となるデータの各周期の中での位置
nは、周期番号iがi=0,1,2,・・・Ns−1で
あるから、(5)式より、 n=0,Nm,2Nm,・・・(Ns−1)Nm となる。そこで(1)式の全データの中から D(0),D(Nm),D(Nm),・・・D{(Ns
−1)Nm} のデータを選択して和を求め、周期総数Nsで割ればよ
い。即ち、 Da(0)=[D(0)+D(Nm)+D(Nm)+・・・ +・D{(Ns−1)Nm}]/Ns (6) とする。以下同様にして1周期内の残りのm=1,2,
・・・,(Nt−1)番目の各々について平均値Da
(1),Da(2),・・・Da(Nt−1)を算出す
る。
【0071】ステップS2では余弦のフーリエ係数aを
求めるため、平均波形データDa(m)のデータ数を1
/4周期に分割する。 Dc(i) =Da(i) −Da(Nt/2-1-i)−Da(Nt/2+i)+Da(Nt-1-i) (7) 但し、i=0,1,2,・・・Nt/4−1 ステップS3では正弦のフーリエ係数bを求めるため、
平均波形データDa(m)のデータ数を1/4周期に分
割する。 Ds(i) =Da(i) +Da(Nt/2-1-i)−Da(Nt/2+i)−Da(Nt-1-i) (8) 但し、i=0,1,2,・・・Nt/4−1 続いてステップS4でフーリエ係数a,b係数を次式で
算出する。
【0072】
【数2】
【0073】ここでW(i) は、 W(i) =cos(2πi/Nt) (11) となる。続いてステップS5で位相φを次式で求める。 φ=ArcTan(B/A) (12) 次に、ステップS6〜S10でに位相差φの範囲を±π
/2から±πに拡大するために補正する。ステップS6
でa≧0であれば、ステップS8に進み、そのままφ=
φとする。ステップS6でa<0であれば、ステップS
7でb≧0を判定する。b≧0であれば、ステップS9
でφ=φ+πと補正し、b<0であれば、ステップS1
0でφ=φ−πと補正する。
【0074】ステップS11では振幅cを次式で求め
る。 c=√(a2 +b2 ) (13) 最終的にステップS12で位相φと振幅cを出力する。
【0075】尚、この説明では、(4)式で1周期分の
波形データの平均値Da(m)を計算しているが、演算
精度を高めるために(4)式で波数Nsによる平均計算
をせずに次式としてもよい。
【0076】
【数3】
【0077】この場合には、(9)及び(10)につい
て次式のようにして平均を計算する。
【0078】
【数4】
【0079】図16は図15のフーリエ変換処理の様子
を概略的に表わしている。即ち、センサ30−1により
横線レジストマーク154−11を読み取ることで、A
D変換によるサンプルデータとして読取波形184を得
ることができる。この読取波形184は、10本の横線
160−1〜160−10に対応して波数が10となっ
ているが、前後の横線160−1,160−10を除い
た間の8本の横線160−2〜160−9の読取波形を
対象に、フーリエ計算範囲165についてフーリエ変換
を行う。このフーリエ計算範囲165におけるサンプル
データの数がNd個であり、また波数Nsがこの場合N
s=8となっている。
【0080】このようなフーリエ計算範囲165に含ま
れる8サイクル分の読取波形184を対象に、前記
(4)式によって演算部168に示すように平均波形を
算出し、1周期分の平均波形188を得る。この平均波
形188について、4分の1周期となるように分けて
(7)式、(8)式を算出する。この4分の1周期に分
けた波形について、前記(9)式、(10)式からフー
リエ係数a,bを算出し、位置ずれ情報となる位相φを
前記(12)式で求め、更に(13)式から振幅cを求
める。
【0081】図17は、図15のフーリエ変換処理を図
12のK,C,M,Y用レジストマーク150−1〜1
50−4について行った場合の各信号波形の1周期を示
している。即ち、図17(A)がK用レジストマークの
信号波形184−1であり、位相φkを持っており、こ
の位相φkは波形184−1の点186−1であり、こ
れが他のカラー成分に対する位相基準となる。
【0082】図17(B)はC用信号波形184−2で
あり、位相φcを持っている。また図17(C)はM用
信号波形184−3であり、点186−3によって位相
φmを持っている。更に図17(D)はY用信号波形1
84−4であり、点186−4によって位相φyを持っ
ている。このため、基準となるK信号波形184−1に
対する残りのカラー成分C,M,Yの位相φc,φm,
φyが位置ずれを表わしている。この位置ずれを表わす
位相φc,φm,φyについては、1周期のサンプル数
がNmと分かっていることから、この1周期の値Nmに
(φ/2π)を掛け合わせることで、位相φを位置ずれ
を示すサンプル数に換算することができる。
【0083】図18は図15に示したフーリエ変換処理
に基づくレジストマークの位置検出を使用した本発明に
よる位置ずれ検出処理のフローチャートである。まずス
テップS1で、K,C,M,Yの4色につき、図12の
ように、それぞれのレジストマーク150−1,150
−2,150−3,150−4を始端側と終端側の2か
所に転写する。
【0084】続いてステップS2で、図19に取り出し
て示す最初のK用レジストマーク150−1につき、先
頭に位置する横線プレマーク154−11,154−1
2の中心位置164−1,164−2を検出する。続い
てステップS3で、横線プレマーク中心位置164−
1,164−2から予め規定したノミナル距離C1を離
れたフーリエ変換読取開始位置を検出して、横線レジス
トマーク154−11,154−12の読取りを行う。
【0085】この横線レジストマーク154−11,1
54−12の読取波形について、図15のフーリエ変換
処理によりそれぞれの位相φ1,φ2を検出し、横線位
置Pn1,Pn2を次式で算出する。ここで、でnは
K,C,M,Yの色番号であり、Kでn=1、Cでn=
2、Mでn=3、Yでn=4となる。 Pn1=C1+φn1(Nm/2π) Pn2=C1+φn2(Nm/2π) 次にステップS5で、次の斜線プレマーク156−1
1,156−12の中心位置170−1,170−2を
検出し、ステップS6で規定のノミナル距離C2離れた
フーリエ変換読取開始位置を検出して、斜線レジストマ
ーク158−11,158−12を読み取る。そしてス
テップS7で、図15のフーリエ変換処理によって位相
φ13,φ14を検出し、斜線位置Pn3,Pn4を次
式で検出する。 Pn3=C2+φn3(Nm/2π) Pn4=C2+φn4(Nm/2π) 続いてステップS8で、K,C,M,Yの4色について
ステップS2〜S7の処理が終了したか否かチェック
し、終了していなければステップS2に戻って、残りの
カラー成分について同様な位置検出処理を繰り返す。
【0086】ステップS2〜S8によるK,C,M,Y
の4色についての位置検出が済むと、ステップS9でK
の主走査方向全体位置Xkを次式で算出する。 (主走査方向絶対位置Xk)=[{(左斜線位置P13−左横線位置P11) +(右斜線位置P14)−(右横線位置P12)}/2] ×(Ln/Ls) ・・・(14) ここで、(Ln/Ls)は、主走査方向の補正単位量L
nとサンプルピッチLsの比率であり、(14)式の右
辺 {(P13−P11)+(P14−P12)}/2 (15) で求めた副走査方向の距離を示すサンプル数を、主走査
方向の補正単位量Lnの数に変換する変換係数である。
例えばサンプリングピッチLsは、 Ls=ベルト速度Vb×サンプル周期ts =57,000μm/s×100μs =5.7μm となる。また主走査方向の補正単位Lnは、LEDアレ
イにおけるLEDチップのピッチ間隔で決まるLn=1
4.111μmとなる。この場合、変換比率は (Ln/Ls)=14.111μm/5.7μm =2.475614 となる。ここで(15)式で算出したサンプル数が16
00個であったとすると、(14)式から主走査方向絶
対位置Xkは、 Xk=3960 となる。この主走査方向絶対位置Xk=3960は、補
正単位Ln=14.111μmが3960個であること
を意味し、主走査方向の距離に換算すると Xk=3960×14.111μm =55879.56μm となる。
【0087】次にステップS10で、Kのスキュー絶対
値Zkを次式で算出する。 Kスキュー絶対値Zk=(K右横線位置P12)−(K左横線位置P11) ・・・(16) 続いてステップS11で、Kの主走査方向絶対位置Xk
を基準としてC,M,Yの主走査方向補正値Δxを次式
で算出する。ここで、Pn1〜Pn4のみは、シアンC
でn=2、でn=3,イエローYでn=4となる。 主走査方向補正値Δx=[{(左斜線位置Pn3)−左横線位置Pn1) +(右斜線位置Pn4)−(右横線位置Pn2)}/2] ×(Ln/Ls) −(主走査方向絶対位置Xk) ・・・(17) 次にステップS12で、Kを基準にC,M,Yの副走査
方向補正値Δyを次式で算出する。 CMY副走査方向補正値Δy=(CMY横線位置Pn1)−(K左横線位置P11) −(K−CMY転写間距離)/(ベルト速度Vb) ・・・(18) そして最終的にステップS13で、ステップS10で求
めたKのスキュー絶対値Zkを基準にC,M,Yのスキ
ュー補正値Δzを次式で算出する。 CMYスキュー補正値Δz=(CMY右横線位置Pn2) −(CMY左横線位置Pn1) −(Kスキュー絶対値Zk) ・・・(19) 図20は図18のステップS12におけるKを基準とし
たC,M,Yの副走査方向補正値Δyの算出における
(18)式での(K−CMY転写間距離)を与える規定
のノミナル距離C3を表わしている。
【0088】具体的にはK,C,M,Y用レジストマー
ク150−1〜150−4の色基準プレマーク152−
11〜152−21,152−12〜152−42の中
心位置の間のノミナル距離C3c,C3m,C3yとし
て与えられる。また、それぞれのレジストマーク150
−1〜150−4における横線レジストマークと斜線レ
ジストマークの延長線の交点O11〜O24の関係も併
せて表わしている。
【0089】図21は図8の位置ずれ補正部124にお
ける位置ずれ検出部116から得られた位置ずれ補正値
に基づいた画素データの補正と印字を表わしている。図
11のレジストマークに基づくKを基準とした対象印刷
ライン140の位置ずれ検出結果は、図21(A)のよ
うな主走査方向xと副走査方向yにつき、1画素ピッチ
で仕切られたビットマップメモリ空間194での位置ず
れに変換される。
【0090】図21(A)のビットマップメモリ空間1
94にあっては、まず理想印刷ライン148が決まって
いることから、これに対する実際の転写による対象印刷
ライン140を設定する。即ち、Kを基準とした主走査
方向位置ずれ補正値Δx、副走査方向位置ずれ補正値Δ
y、及びスキュー補正値Δzを用いて、対象印刷ライン
140をビットマップメモリ空間194に設定できる。
この対象印刷ライン140を画素データに変換すると、
図21(B)のような位置ずれデータ196−1〜19
6−3が生成できる。
【0091】この図21(B)の位置ずれ補正データ1
96−1〜196−3に対し、図21(C)のような補
正データ198−1〜198−3、即ち図21(A)の
検出対象ライン140を理想印刷ライン148に対し線
対称にマイナス側に反転し、且つ主走査方向のマイナス
側(左側)に主走査方向の位置ずれ補正値Δxだけシフ
トした直線をビットマップメモリ空間194で補正デー
タ198−1〜198−3に変換したものである。
【0092】この図21(C)の補正データを読み出し
てLEDアレイを発光駆動すると、図21(D)のよう
に、図21(B)の位置ずれが補正されて図21(A)
の理想印刷ライン148に対応する印刷結果200を得
ることができる。図22は図21(C)の補正データか
ら生成したC,M,Y用補正テーブル126C,126
M,126Yであり、このテーブル内容が図8の位置ず
れ補正部124に設けている位置ずれ補正情報格納部1
26に格納されることとなる。
【0093】尚、本発明はワードプロセッサやパーソナ
ルコンピュータに接続されて使用される印刷装置を例に
とるものであったが、複数のカラートナーをタンデム配
置した静電記録ユニットを使用して用紙上に転写する多
色静電記録装置であれば、適宜の装置につき、そのまま
適用することができる。また本発明は、実施形態に示し
た数値による限定は受けない。
【0094】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、記録用紙の搬送方向に配置された複数の静電記録ユ
ニットのいずれかのカラー画像を基準画像として、他の
静電記録ユニットのカラー画像の位置ずれの検出につき
ベルト面に横線及び斜め線を一定ピッチで複数本転写し
て一定周期で繰り返す縞模様を形成し、この縞模様をセ
ンサで読み取った検出信号について、フーリエ変換を適
用して位相から位置を正確に検出し、ベルトに転写した
横線、斜線等のレジストマークにトナーが均一に乗らな
かったり、センサ検出信号にノイズが混入しても、ノイ
ズの混入による誤差の影響を受けることなく、正確にレ
ジストマークに基づく一致検出ができ、その結果、正確
な位置ずれ補正を可能にして、高精度の色合せを実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の装置本体内部構造の説明図
【図3】図2の静電記録ユニットの断面図
【図4】図2の搬送ベルトユニット及び静電記録ユニッ
トの取外し状態の説明図
【図5】本発明のハードウェア構成のブロック図
【図6】ベルト転写のレジストマークを検出するセンサ
配置の説明図
【図7】図6のセンサ構造の説明図
【図8】本発明の処理機能のブロック図
【図9】位置ずれ補正量を格納したテーブルの説明図
【図10】本発明による全体的な印刷処理のフローチャ
ート
【図11】位置ずれ検出の原理説明図
【図12】位置ずれ検出に使用するベルト転写のレジス
トマークの説明図
【図13】図12の一部を拡大して取り出したレジスト
マークの説明図
【図14】センサによるレジストマーク読取データの説
明図
【図15】位置検出を行うフーリエ変換処理のフローチ
ャート
【図16】フーリエ変換における波形処理の説明図
【図17】フーリエ変換で求めたK,C,M,Yレジス
トマークの位相の説明図
【図18】図8の位置ずれ検出部による位置ずれ検出処
理のフローチャート
【図19】K用レジストマークにおける位置検出の説明
【図20】K,C,M,Yレジストマークの位置関係の
説明図
【図21】本発明の位置ずれ検出結果に基づく補正処理
の原理説明図
【図22】本発明の位置ずれ検出情報から生成された位
置ずれ補正テーブルの説明図
【符号の説明】
10:装置本体 11:搬送ベルトユニット 12:無端ベルト 14:ホッパ 16:ピックアップローラ 18:記録紙ガイド通路 20:記録紙送りローラ 22−1〜22−4:ローラ 24,24−1〜24−4:静電記録ユニット 26:ヒートローラ型定着装置 28:スタッカ 30,30−1,30−2:センサ 32:感光ドラム 34:前帯電器 36:LEDアレイ 38:スクリューコンベア 40:現像器 42:導電性転写ローラ 44:現像剤保持容器 48:パドルローラ 50,56:ピン 51:固定板 52:取付溝 55,58:フレーム 60:エンジン部 62:コントローラ部 64:メカニカルコントローラ 66:センサ処理用MPU 68−1,68−2:ADコンバータ 70:エンジン部コネクタ 72:コントローラ用MPU 74,78:インタフェース処理部 76,80:コントローラ部コネクタ 82,82−1〜82−4:画像メモリ 84:アドスレ指定部 86:アドレス変換部 90,90−1〜90−4:バッファメモリ 92:パーソナルコンピュータ 94:アプリケーションプログラム 96:ドライバ 98:パソコン部コネクタ 100−1,100−2:レーザダイオード 102:結像レンズ 104:集光レンズ 105:ハウジング 106:フォトダイオード 107:結像位置(検出位置) 108−1,108−2:アンプ 109:ガイドプレート 110:ドライバ 111:透過穴 116:位置ずれ検出部 118:レジストパターン書込部 120:位置ずれ演算部 122:位置ずれ情報格納部 124:位置ずれ補正部 126:位置ずれ補正情報格納部 128:アドレス変換部 130:LED駆動部 132:黒基準印刷ライン 134:A4T用紙幅 140:対象印刷ライン 148:理想印刷ライン 1501〜150−4:レジストマーク 152−11〜152−42:色基準プレマーク 154−11〜154−42:横線プレマーク 156−11〜156−42:斜線プレマーク 158−1〜158−42:斜線レジストマーク 160−1〜160−10:横線 162−1〜162−10:斜線 164,170プレマーク中心位置 166,172:フーリエ計算開始位置 165,175:フーリエ計算範囲 168,174:フーリエ計算終了位置 175:横線プレマーク読取波形 178:横線レジストマーク読取波形 180:斜線レジストマーク中心位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−286460(JP,A) 特開 平4−131872(JP,A) 特開 平8−278680(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/44 - 2/455 B41J 2/525 G03G 15/00 G03G 15/01 G03G 15/04 H04N 1/04 H04N 1/40

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定速度で搬送されるベルト上に記録紙を
    吸着して搬送する搬送機構と、 記録紙搬送方向に配列され、感光ドラムの光学的な走査
    で画像データに応じた潜像を形成して異なるカラーのト
    ナー成分で現像した後に前記ベルト上の記録紙に転写す
    る複数の静電記録ユニットと、 前記複数の静電記録ユニットにより前記ベルト上に複数
    本の横線と複数本の斜線からなるレジストマークを所定
    ピッチで転写した後にセンサにより光学的に検出し、該
    センサ検出信号をフーリエ変換して得た位相差により前
    記レジストマークの位置を検出し、いずれか1つのカラ
    ーを基準とした基準レジストマークに対する他のカラー
    のレジストマークの位置ずれを検出する位置ずれ検出部
    と、予め決めた 基準画像の静電記録ユニットを除く他の複数
    の静電記録ユニットに対し、前記位置ずれ検出部で検出
    された位置ずれ検出情報に基づいて、前記基準画像に対
    し他のカラーの画像の位置ずれをなくすように相対的に
    補正する位置ずれ補正部と、 を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、前記横線として前記ベルト上の記録紙
    搬送方向である副走査方向に直交する方向に直線を複数
    本転写し、前記斜線として前記副走査方向に対し45°
    の傾斜角の方向に直線を複数本転写することを特徴とす
    る印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、前記複数本のレジストパターンのピッ
    チ間隔に対し、前記副走査方向となるフーリエ変換方向
    でレジストパターンを転写する範囲の長さを、前記ピッ
    チ間隔の整数倍としたことを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、前記横線と斜線の各レジストマークの
    先頭側にプレマークを転写し、前記センサによるプレマ
    ークの中心位置から所定距離だけ離れた位置を読取開始
    位置として所定のフーリエ計算範囲に亘り前記横線と斜
    線の各レジストマークを読み取ってフーリエ変換するこ
    とを特徴とする印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、最もコントラストの強いカラーの前記
    静電記録ユニットにより前記基準レジストマークを転写
    して他のカラーの前記静電記録ユニットにより転写した
    レジストマークの前記基準レジスタマークに対する位置
    ずれ情報を検出することを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の印刷装置に於いて、前記複
    数の静電記録ユニットは黒、シアン、マゼンタ、及びイ
    エローのカラー画像を印刷するユニットであり、前記黒
    用の静電記録ユニットの黒色レジストマークを前記基準
    レジストマークとして、シアン、マゼンタ、及びイエロ
    ーの前記静電記録ユニットによるレジストマークの位置
    ずれを検出することを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】請求項記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、 前記ベルト上の記録紙搬送方向に直交する主走査方向の
    走査始端側と走査終端側の2ケ所に前記複数本の横線と
    複数本の斜線のレジストマークを転写し、前記レジスト
    マークのセンサ検出信号をフーリエ変換して前記各カラ
    ー成分毎に左右2ケ所の横線位置と左右2ケ所の斜線位
    置を検出し、該4つの検出位置に基づいて黒色を基準と
    して他のカラー成分の主走査方向補正値Δx、副走査方
    向補正値Δy及びスキュー補正値ΔZを検出することを
    特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】請求項記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、 前記黒成分の主走査方向絶対位置Xkを、左右の斜線位
    置に対する左右の横線位置の差の平均値に、副走査方向
    のサンプリングピッチLsに対する主走査方向の補正単
    位量Lnの変換比率(Ln/Ls)を乗算した値として
    算出し、 前記他のカラー成分の主走査方向補正値Δxを、各カラ
    ー成分の左右の斜線位置に対する左右の横線位置の差の
    平均値に、副走査方向のサンプリングピッチLsに対す
    る主走査方向の補正単位量Lnの変換比率(Ln/L
    s)を乗算した値から前記黒成分の主走査方向絶対位置
    Xkを減算した値として算出することを特徴とする印刷
    装置。
  9. 【請求項9】請求項記載の印刷装置に於いて、前記位
    置ずれ検出部は、前記黒成分以外のカラーの副走査方向
    補正値Δyを、各カラーの横線位置から黒の横線位置を
    減算すると共に、更に黒の横線と他のカラーの横線との
    転写間隔をベルト搬送速度で割った値を減算して算出す
    ることを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項記載の印刷装置に於いて、前記
    位置ずれ検出部は、 黒の基準画像のスキュー絶対値Zkを、黒の左右の横線
    位置の差として算出し、 前記他のカラー画像のスキュー補正値Δzを、各カラー
    の左右の横線位置の差から前記黒のスキュー絶対値Zk
    を減算した値として算出することを特徴とする印刷装
    置。
  11. 【請求項11】請求項記載の印刷装置に於いて、前記
    位置ずれ補正部は、前記位置ずれ検出部で検出した前記
    主走査方向補正値Δx、副走査方向補正値Δy、スキュ
    ー補正値Δzから、主走査線上の各画素位置における副
    走査方向のずれ量を演算し、該ずれ量を相殺する逆方向
    の位置に前記静電記録ユニット対する副走査方向の書込
    アドレスを補正して画像メモリに画素データを書き込む
    ことを特徴とする印刷装置。
  12. 【請求項12】請求項記載の印刷装置に於いて、前記
    位置ずれ補正部は、前記位置ずれ検出部で検出した前記
    副走査方向補正値Δy、スキュ補正値Δzから、主走査
    線上の各画素位置における副走査方向のずれ量を演算
    し、該ずれ量を相殺する逆方向の位置に前記静電記録ユ
    ニット対する副走査方向の書込アドレスを補正して画像
    メモリに画素データを書き込むことを特徴とする印刷装
    置。
  13. 【請求項13】請求項1記載の印刷装置に於いて、前記
    センサは、ベルト転写面に対し所定のレーザダイオード
    からの光を集光レンズで絞って数十ミクロンオーダのス
    ポット光として照射し、ベルト面に転写したトナー成分
    に対するスポット光の照射による散乱光を所定の出射角
    の方向に配置した受光素子で受光してセンサ検出信号を
    出力することを特徴とする印刷装置。
  14. 【請求項14】請求項1記載の印刷装置に於いて、前記
    センサは、前記レーザダイオードからのスポット光が照
    射されるベルト面の背後を空洞とし、ベルト裏側からの
    散乱光を抑止したことを特徴とする印刷装置。
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