JP5187172B2 - モータ制御装置とそのトルクリップル補正方法及びモータ制御システム - Google Patents
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Description
図12は、特許文献1に開示されているリニアモータを備えた搬送装置用のモータ制御装置の制御構成を示す図である。図12において、1bはモータ制御装置、2aは搬送手段であるリニアモータ、3aは検出手段であるロータリーエンコーダ、20は搬送制御手段、5aは駆動手段、21は制御部、22は速度制御部、23は電流制御部、24はインバータ、25は電流検出器、6aは位置・速度検出部、8a(8b,8c)はFFT演算・補正部、14はメモリである。
駆動手段5aは、電流制御部23、インバータ24、電流検出器25から構成され、電流制御部23は電流検出器25で検出されたリニアモータ2aの駆動電流Imと速度制御部22からのトルク指令Trに基づいて演算した電流が一致するようにフィードバック制御する構成になっており、インバータ24はトルク指令Trに基づいたPWM制御信号に基づいてリニアモータ2aの電磁コイルに対し駆動用電流を出力し、電流検出器25はインバータ24が出力する駆動用電流Imを検出する。
また、搬送制御手段20には、位置・速度検出部6aからのリニアモータ2aの可動子に対する位置Pmと速度制御部22から出力されるトルク指令Trを入力とし、該トルク指令の補正値Thを出力するFFT演算・補正部8aを備える。
FFT演算・補正部8aは、内部にサンプリング部10a、FFT演算部11a、補正値演算部12aを備え、速度制御部22からのトルク指令Trと補正値演算部12aから出力される補正値Thを加算し、サンプリング部10aへ出力する。サンプリング部10aは、トルク指令Trと補正値Thの加算値を、位置・速度検出部6aの位置情報Pmに基づいて所定のサンプリング位置周期Ls毎にサンプリングする。FFT演算部11aは、サンプリングされた情報をFFT(高速フーリエ変換)演算して、補正を行う所望の位置周期Lでの振幅情報と位相情報を出力する。補正値演算部12aは、振幅情報と位相情報に基づいて、式(1)で算出される搬送手段の位置に応じた補正値Thを出力する。
まず、ユーザ等からの目標速度や目標位置の指定による搬送指示により、現在の可動子の位置や速度の状態の取得や原点センサに可動子を移動させて停止する等の初期化処理を行う(ステップS11)。次に、ユーザ等の指示により制御部21からの搬送指示と検出手段による可動子の状態を検出した情報とを元に、目標速度又は目標位置へ可動子を搬送するためのフィードバック制御演算が開始され(ステップS12)、FFT演算・補正部8aにおいて、所定の位置周期でサンプリングされて(ステップS13)、FFT演算処理により位置周期における補正量の振幅と位相が算出され(ステップS14)、測定位置における補正値Thが作成される(ステップS15)。ステップS15の後、作成された補正値Thに基づいてトルク指令Trが補正され(ステップS16)、目標位置への到達などの終了条件に達したか否かが判定され(ステップS17)、終了条件にないと判定された場合はステップS12へ戻る(ステップS17:NO)。
図13(b)において平均化処理部13aは、FFT演算部11aで演算された振幅と位相を平均化して補正値演算部12aへ出力する。平均化処理部13aの例としては、例えば、入力値と前回の出力値をそれぞれ1/2倍して加算したものを出力値とする構成があり、その他にも、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、帯域除去フィルタ等の様々なIIR(Infinite Impulse Response)型デジタルフィルタを適用することができる。なお、デジタルフィルタの遅延量としては、1往復毎でもよいし、補正を行う所望の位置周期毎でもよい。
ステップS24の後、算出された補正量の振幅と位相とが前回に平均化処理した値に対して所定の幅を持った範囲内であるかが判断される(ステップS25)。この処理により、補正量の変動が突発的なものであるか否かが判定される。そして、ステップS25において補正量に突発的な変動がないと判定された場合は、前述の平均化処理が平均化処理部13aで行われる(ステップS26)。また、突発的な変動であると判定された場合は、そのデータを削除して平均化処理を行わないのと同時に前回の平均化処理により得られたデータが補正量として代わりに代入される(ステップS27)。
請求項1に記載の発明は、モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、前記モータ位相θに対する補正後トルク指令Tr *をサンプリングするサンプリング部(10)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数(an,bn)を算出するFFT演算部(11)と、算出した前記フーリエ係数(an,bn)から前記モータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出する補正値演算部(12)とを備え、前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Thを加算して前記補正後トルク指令Tr *を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)とを備えたモータ制御装置において、前記トルクリップル補正値T h から前記補正後トルク指令T r * までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、前記サンプリング部(10)へサンプリング実行指令を出力するサンプリング判定部(9)と、複数箇所での前記モータ位置Pmでサンプリングした前記補正後トルク指令Tr *を使って求めた複数の前記フーリエ係数(an,bn)から、平均化処理した平均値フーリエ係数(an *,bn *)を算出する平均化処理部(13)とを備え、前記補正値演算部(12)は、設定した繰り返し回数だけ更新する前記フーリエ係数(an,bn)または前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモータ制御装置において、前記繰り返し回数が、前記モータ位置Pmによるトルクリップルのバラツキを平均化するために複数箇所での前記モータ位置Pmにおいて補正区間分のサンプリングを実行可能な回数と、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)は、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出するものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、前記FFT演算部(11)が、複数の次数までの前記フーリエ係数(an,bn)を算出するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)は、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出するものである。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10のいずれか一項に記載のモータ制御システムにおいて、前記繰り返し回数が、前記モータ位置Pmによるトルクリップルのバラツキを平均化するために複数箇所での前記モータ位置Pmにおいて補正区間分のサンプリングを実行可能な回数と、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定するものである。
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のモータ制御システムにおいて、前記モータ制御装置(1a)は、前記外部装置(15)から与えられた前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)が、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出するものである。
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載のモータ制御装置において、前記繰り返し回数が、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定するものである。
請求項16に記載の発明は、請求項13乃至15のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)が、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出するものである。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、前記FFT演算部(11)が、複数の次数までの前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出するものである。
請求項20に記載の発明は、請求項17乃至19のいずれか一項に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)が、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出するものである。
請求項23に記載の発明は、請求項21又は22に記載のモータ制御システムにおいて、前記繰り返し回数が、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定するものである。
請求項24に記載の発明は、請求項21乃至23のいずれか一項に記載のモータ制御システムにおいて、前記モータ制御装置(1d)が、前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)は、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出するものである。
請求項13,17,21に記載の発明によると、動作範囲に渡るモータ位置において複数箇所分のフーリエ係数を持っているため、モータ位置によるトルクリップルのばらつきに対応でき、より一層トルクリップルを低減できる。
請求項2,6,10に記載の発明によると、複数の周波数成分を含む高調波トルクリップルを補正し低減できる。
請求項3,7,11に記載の発明によると、コギング等のトルクリップルを正確に求めることができ、モータの回転角度または移動距離における動作範囲でのトルクリップルの低減が必要な動作区間において平均的にトルクリップルを低減できる。
請求項15,19,23に記載の発明によると、コギング等のトルクリップルを正確に求めることができる。
請求項4,8,12に記載の発明によると、一度、求めて記憶した平均値フーリエ係数を使用するため、常に再現性のあるトルクリップル補正を実現できる。
請求項16,20,24に記載の発明によると、一度、求めて記憶した複数箇所分のフーリエ係数を使用するため、常に再現性のあるトルクリップル補正を実現できる。
さらに、請求項9〜11及び請求項21〜23に記載の発明によると、モータ制御装置の演算処理負担を軽減できると共に、外部装置にサンプリングデータを取り込むため、そのデータを使った補正効果の解析等を行うツールとして外部装置を利用することも可能である。
電流制御部5は、入力された補正後トルク指令Tr *に基づいてモータ2を駆動するものであり、図示していないが、トルク指令に応じたモータ電流を制御するための電流制御ループを構成しており、ここでは、電力変換部(図示せず)も含めたものとする。
位置・速度演算部6は、位置検出器3のモータ位置検出信号からモータ位置Pmとモータ速度Vmを算出するものであり、その情報を位置・速度制御部4へ出力する。
位相演算部7は、モータ2のポールセンサ信号に基づいてモータに流す電流位相θ(以降、単に「モータ位相θ」と呼ぶ)を算出するものであり、その情報を電流制御部5とトルクリップル補正値演算部8へ出力する。
サンプリング部10は、FFT演算部11でFFT(高速フーリエ変換)演算するためのデータを採取するものであり、位相演算部7からのモータ位相θと電流制御部5へ出力する補正後トルク指令Tr *を所望の間隔でサンプリングし、この採取したデータθ,Tr *をFFT演算部11へ出力する。
FFT演算部11は、サンプリング部10で採取したモータ位相θと補正後トルク指令Tr *に基づいて、式(2)、(3)、(4)の演算を実施し、フーリエ係数an,bn(n=1,2,・・・,N)を求めるものである。また、式(5)のように、an,bnから振幅Cnと位相ψnを求めるものでもよい。nは、補正区間でのリップル成分の次数であり、モータの種類にもよるが、10次前後まで求めると十分な補正が可能である。また、式(2)、(3)、(4)の中のJは、補正区間のサンプリング数であり、十分な点数とする。例えば、10次までのリップル成分を求める場合ではモータ位相θの1周期で250点程度あれば、10次成分に対しても25点のデータが得られるため精度良いFFT演算が可能である。またサンプリングは、FFT演算する上で十分な点数であれば、所定のモータ位相間隔で実施しても良いし、所定の時間間隔で実施しても良い。
特許文献1の発明は、サンプリング判定部9を備えていないため、一定速度動作中以外でもサンプリングを実行する可能性がある。また、そのFFT演算の内容は、1つの周波数成分のトルクリップルのみを対象としている。また、最終的な補正値Thを決めるに必要な繰り返し回数Kの考え方については触れてない。本発明によれば、サンプリング判定部9を備えており、一定速度動作中のみのサンプリングデータでFFT演算を実施でき、最終的な補正値Thを決定するための平均化処理部13を備えているため、精度よくトルク外乱としてのトルクリップルを再現することができるという効果がある。また、複数の周波数成分を対象としたFFT演算を実施しているため、高次の周波数成分を含むトルクリップルを再現できるという効果がある。
まず、サンプリング判定部9は最終的な平均値フーリエ係数an *,bn *が算出済みかをメモリ14の情報Seで確認する(ステップS01)。算出済みの場合は(ステップS01:YES)、補正値演算部12でその最終的な平均値フーリエ係数an *,bn *を使ってモータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出し(ステップS02)、以降、演算周期毎にこのステップS02を繰り返す。一方、算出済みではない場合は(ステップS01:NO)、ユーザが、初期設定としてサンプリング条件やフーリエ係数an,bnの演算更新の繰り返し回数Kをパラメータとしてメモリ14に設定し、所定の一定速度運転を開始する(ステップS03)。運転を開始すると、まず、補正値演算部12では、現在のフーリエ係数an,bnを使ってモータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを求める(ステップS04)。次に、サンプリング判定部9では、設定されたサンプリング条件からサンプリング実行の可否Csを判定し(ステップS05)、サンプリングを行う場合は(ステップS05:YES)、サンプリング部10でモータ位相θと補正後トルク指令Tr *をサンプリングする(ステップS06)。ステップS05でサンプリングを実行しない場合は(ステップS05:NO)、ステップS04へ戻る。次に、サンプリング部10で、FFT演算するために必要な所定の回数Jのサンプリングを終了したかを判断する(ステップS07)。所定の回数Jのサンプリングを終了した場合は(ステップS07:YES)、FFT演算部11でFFT演算を行い、補正値演算部12のフーリエ係数an,bnを算出し更新する(ステップS08)。ステップS07で所定の回数Jのサンプリングを終えていない場合は(ステップS07:NO)、ステップS04へ戻る。次に、FFT演算によるフーリエ係数an,bnの演算更新回数がステップS03で設定された繰り返し回数Kに達したかを判断する(ステップS09)。ステップS09で繰り返し回数Kに達している場合は(ステップS09:YES)、平均化処理部13で平均値フーリエ係数an *,bn *を、繰り返し回数Kの平均値として求め、補正値演算部12のフーリエ係数an,bnをan *,bn *で更新し、不揮発性のメモリ14へ算出完了情報Seと共に保存する(ステップS10)。以降、演算周期毎に補正値演算部12でその平均値フーリエ係数an *,bn *を使ってモータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出する処理(ステップS02)を繰り返す。ステップS09で繰り返し回数Kに達していない場合は(ステップS09:NO)、ステップS04へ戻る。
図3はリニアモータに対するサンプリング条件の例を示したものである。図3に示すように、動作指令は、リニアモータ動作範囲に対してなるべく一定速度区間を持つ速度線図の指令とし、この指令に対し、基準速度Vb,待ち時間Tw,サンプリング実行時間Tsの3つのサンプリング条件をパラメータとして設定する。
次に、サンプリング判定部9が上記サンプリング条件に対して実施する手順を図4に示す。まず、モータ速度Vmが基準速度Vbよりも小さいかを判断し(ステップS051)、基準速度Vbよりも小さい場合は(ステップS051:YES)、タイマ1及びタイマ2の値をクリアしサンプリングを実行しない(ステップS052,S057)。ステップS051でモータ速度Vmが基準速度Vbよりも大きい場合は(ステップS051:NO)、タイマ1が待ち時間Twよりも小さいかを判断し(ステップS053)、待ち時間Twよりも小さい場合は(ステップS053:YES)、タイマ1をカウントしてタイマ2の値をクリアし、サンプリングを実行しない(ステップS054,S057)。ステップS053でタイマ1が待ち時間Twよりも大きい場合は(ステップS053:NO)、タイマ2がサンプリング実行時間Tsよりも小さいかを判断し(ステップS055)、サンプリング実行時間Tsよりも小さい場合は(ステップS055:YES)、タイマ2をカウントしてサンプリングを実行する(ステップS056)。ステップS055でタイマ2がサンプリング実行時間Tsよりも大きい場合は(ステップS055:NO)、サンプリングを実行しない(ステップS057)。
このように、モータ速度Vmと2つのタイマを監視して、サンプリング実行時間Tsの一定速度区間でサンプリングを実行する決定を行うのである。
図5は、図1において速度制御ゲインが40Hzの場合のトルクリップル補正値Thから補正後トルク指令Tr *までの周波数特性のシミュレーション結果である。なお、図1の外乱トルクTdは、コギングのように外部からモータへ加わる力をトルク指令と同じ次元で簡易的に示したものである。また、図5中の各プロットは周波数と動作速度の対応の一例で、ポールピッチが36mm/360度のリニアモータを対象として動作速度がそれぞれ 500mm/s, 1000mm/sの場合の、2次成分(1次成分の周期をモータ位相θの1周期とする)の推力リップルに対応する周波数を示したものである。同図より、Tr */Thのゲインは、28.75Hz以下では1以下となるが、28.75Hz以上になると1を超えるようになる。入出力のゲインが1を超えた閉ループ系は不安定系となるので、Tr */Thのゲインが1を超えた状態で、補正後トルク指令Tr *から求めたトルクリップル補正値Thを繰り返し補正すると、振動し不安定になる。よって、サンプリングを実行するために適する動作速度は、Tr */Thのゲインが1以下となる動作速度である。
Tr */Thのゲインが1以下となる周波数の上限値をf、モータ位相θの1周期分の回転角度または移動距離をp、補正区間をモータ位相θのm周期分としてn次成分までのトルクリップルを再現する場合に適当な動作速度Vxは、式(10)となる。
図6は、図3のリニアモータに対する動作指令で、補正区間をモータ位相θの1周期分(360度)として図2の処理を実行した場合の、ステップS06のサンプリング区間とステップS08のFFT演算区間を示した説明図である。図6において上の図(A)が往路、下の図(B)が復路の動作を示す。このように、サンプリング区間とFFT演算区間は交互に実行され、この例では、往復動作で10回のサンプリングとFFT演算を行う場合を示している。すなわち、繰り返し回数Kを10回に設定すると、往復動作でリニアモータの動作範囲に渡る10箇所の区間でのフーリエ係数an,bnが求められ、図2に示すステップS10で動作範囲に渡る平均値フーリエ係数an *,bn *が算出される。
また、サーボゲインが低く10回の補正では正確にトルクリップルを求められない場合は、繰り返し回数Kを10の倍数とすることで動作範囲に渡る平均値フーリエ係数an *,bn *を算出できるのである。通常、速度ループゲインが10Hzの場合では10回の補正により、トルクリップルを正確に求めることができる。
この平均化処理による平均値フーリエ係数an *,bn *を算出せずに、従来例のように、逐次算出されるフーリエ係数an,bnを使って補正する場合の効果は、フーリエ係数an,bnの算出に使用した補正区間でのトルクリップルと補正を実行する補正区間でのトルクリップルが類似している場合には効果があるが、類似していない場合には効果が低いことは明らかである。
まず、図3の往路の動作指令を与え、サンプリング実行時間Ts内ではサンプリングのみを実行し、動作範囲に渡る複数の補正区間でモータ位相θと補正後トルク指令Tr *のサンプリングを行う。次に、各補正区間のモータ位相θと補正後トルク指令Tr *を使ったFFT演算により、各補正区間のフーリエ係数an,bnを算出する。そして、これらの各補正区間のフーリエ係数an,bnから平均値フーリエ係数an *,bn *を算出し、補正値演算部12のフーリエ係数へ反映させる。補正値演算部12のフーリエ係数が更新した時点で、次の復路の動作指令を与え、同様の処理を繰り返す。以上のようにして、補正値演算部12のフーリエ係数を更新し、更新回数が繰り返し回数と等しくなった時点のフーリエ係数を、最終的な平均値フーリエ係数an *,bn *としてメモリに記憶する。なお、この更新回数である繰り返し回数Kは、サーボゲインによってのみ決定され、通常、速度ループゲインが10Hzの場合では10回の更新があれば十分である。
図1の第1実施例と異なる点は、サンプリング判定部9とサンプリング部10とFFT演算部11と平均化処理部13が外部装置15に存在し、トルクリップル補正係数演算部16を構成している点である。これら各構成要素は、第1実施例と同じ内容であり、詳細な説明は省略する。トルクリップル補正係数演算部16は、最終的な平均値フーリエ係数an *,bn *が算出されていない場合に使用するもので、モータ制御装置1aから与えられたモータ位相θと補正後トルク指令Tr *とモータ速度Vmとから、フーリエ係数an,bn及び平均値フーリエ係数an *,bn *を算出し、モータ制御装置1aへ出力するものである。出力されたフーリエ係数an,bnまたは平均値フーリエ係数an *,bn *は、補正値演算部12のフーリエ係数を更新し、繰り返し回数Kの更新が完了した最終的な平均値フーリエ係数an *,bn *の算出が完了すると、算出完了情報Seと共にメモリ14へ記憶される。
この外部装置15としては、例えば、モータ制御装置1aとの間でリアルタイムなデータ入出力が可能なパソコン等でよく、図8は一例として、モータ制御装置1aのサポートツールの一つとしてトルクリップル補正係数演算部16と指令生成部17が構成されている場合を示したものである。
図1の第1実施例と異なる点は、サンプリング部10cと補正値演算部12cがモータ位置Pmを認識しながら処理する点と平均化処理部13を備えていない点である。第1実施例では、動作範囲に渡る複数の補正区間において求めたフーリエ係数an,bnを平均化処理して平均値フーリエ係数an *,bn *を求め、これを最終的なフーリエ係数としたが、第3実施例では、動作範囲に渡る複数の補正区間のフーリエ係数を平均化処理せずに、実際の駆動系の位置情報と対応させた補正値を個別に持つものである。
次に、その動作について説明する。
まず、図3の往路の動作指令を与え、サンプリング部10cでは、サンプリング実行時間Ts内にサンプリングのみを実行し、動作範囲に渡る複数の補正区間でモータ位置Pmを認識しながらモータ位相θと補正後トルク指令Tr *のサンプリングを行う。往路動作のサンプリングが終了すると、FFT演算部11は、各補正区間のモータ位相θ(x)と補正後トルク指令Tr *(x)を使ったFFT演算により、各補正区間のフーリエ係数an(x),bn(x)を算出する。ここで、xはどの補正区間であるかを示す番号であり、例えば、図10に示すように動作範囲のサンプリング実行時間Ts内に7個の補正区間がある場合は、x=1,2,・・・7となり、その数値はモータ位置Pmとの対応から容易に判断できる。次に復路の動作指令を与え、補正値演算部12cでは、前述の往路のサンプリングから算出した各補正区間のフーリエ係数an(x),bn(x)をモータ位置Pmに応じて切り換えながら、モータ位置Pmに対応したトルクリップル補正値Th(x)を算出する。これと同時に、サンプリング部10cでは、往路動作と同様に、複数の補正区間でモータ位相θと補正後トルク指令Tr *のサンプリングを行い、復路動作のサンプリングが終了すると、FFT演算部11は、各補正区間のフーリエ係数an(x),bn(x)を算出する。そして、再び往路の動作指令を与え、復路動作と同様の処理を繰り返す。以上のようにして、各補正区間のフーリエ係数an(x),bn(x)を更新し、更新回数が繰り返し回数と等しくなった時点のフーリエ係数を、最終的なフーリエ係数としてメモリに記憶する。なお、この更新回数である繰り返し回数Kは、サーボゲインによってのみ決定され、通常、速度ループゲインが10Hzの場合では10回の更新があれば十分である。
2,2a モータ
3 位置検出器
3a ロータリーエンコーダ
4 位置・速度制御部
5 電流制御部
5a 駆動手段
6 位置・速度演算部
6a 位置・速度検出部
7 位相演算部
8,8d トルクリップル補正値演算部
8a,8b,8c FFT演算・補正部
9 サンプリング判定部
10,10a,10b,10c サンプリング部
11,11a,11b FFT演算部
12,12a,12b,12c 補正値演算部
13,13a 平均化処理部
14 メモリ
15,15a 外部装置
16,16a トルクリップル補正係数演算部
17 指令生成部
20 搬送制御手段
21 制御部
22 速度制御部
23 電流制御部
24 インバータ
25 電流検出器
26 加算器
Claims (24)
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、
前記モータ位相θに対する補正後トルク指令Tr *をサンプリングするサンプリング部(10)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数(an,bn)を算出するFFT演算部(11)と、算出した前記フーリエ係数(an,bn)から前記モータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出する補正値演算部(12)とを備え、
前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Thを加算して前記補正後トルク指令Tr *を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)とを備えたモータ制御装置において、
前記トルクリップル補正値T h から前記補正後トルク指令T r * までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、前記サンプリング部(10)へサンプリング実行指令を出力するサンプリング判定部(9)と、複数箇所での前記モータ位置Pmでサンプリングした前記補正後トルク指令Tr *を使って求めた複数の前記フーリエ係数(an,bn)から、平均化処理した平均値フーリエ係数(an *,bn *)を算出する平均化処理部(13)とを備え、
前記補正値演算部(12)は、設定した繰り返し回数だけ更新する前記フーリエ係数(an,bn)または前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出することを特徴とするモータ制御装置。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数(an,bn)を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記繰り返し回数は、前記モータ位置Pmによるトルクリップルのバラツキを平均化するために複数箇所での前記モータ位置Pmにおいて補正区間分のサンプリングを実行可能な回数と、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
- 前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)は、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、
前記モータ位相θに対する補正後トルク指令Tr *をサンプリングするサンプリング部(10)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数(an,bn)を算出するFFT演算部(11)と、算出した前記フーリエ係数(an,bn)から前記モータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出する補正値演算部(12)とを備え、
前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Thを加算して前記補正後トルク指令Tr *を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)とを備えたモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、
前記トルクリップル補正値T h から前記補正後トルク指令T r * までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、前記サンプリング部(10)へサンプリング実行を指令するステップと、
複数箇所での前記モータ位置Pmでサンプリングした前記補正後トルク指令Tr *を使って求めた複数の前記フーリエ係数(an,bn)から、平均化処理した平均値フーリエ係数(an *,bn *)を算出するステップと、
前記補正値演算部(12)は、設定した繰り返し回数だけ更新する前記フーリエ係数(an,bn)または前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出するステップと、を備えることを特徴とするモータ制御装置のトルクリップル補正方法。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数(an,bn)を算出することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- 前記繰り返し回数は、前記モータ位置Pmによるトルクリップルのバラツキを平均化するために複数箇所での前記モータ位置Pmにおいて補正区間分のサンプリングを実行可能な回数と、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項5又は6に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- 前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)は、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、フーリエ係数(an,bn)または平均化処理した平均値フーリエ係数(an *,bn *)から前記モータ位相θに対するトルクリップル補正値Thを算出する補正値演算部(12)と、前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Thを加算して補正後トルク指令Tr *を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)と、を備えたモータ制御装置(1a)と、
前記トルクリップル補正値T h から前記補正後トルク指令T r * までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、サンプリング実行指令を出力するサンプリング判定部(9)と、前記モータ位相θに対する前記補正後トルク指令Tr *をサンプリングするサンプリング部(10)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *をFFT(高速フーリエ変換)演算して、前記フーリエ係数(an,bn)を算出するFFT演算部(11)と、複数箇所での前記モータ位置Pmでサンプリングした前記補正後トルク指令Tr *を使って求めた複数の前記フーリエ係数(an,bn)から、平均化処理した平均値フーリエ係数(an *,bn *)を算出する平均化処理部(13)と、で構成されたトルクリップル補正係数演算部(16)を備えた外部装置(15)と、
から成るモータ制御システムであって、
前記外部装置(15)から前記モータ制御装置(1a)へ設定した繰り返し回数だけ更新される前記フーリエ係数(an,bn)または前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を与えて、前記補正値演算部(12)が前記トルクリップル補正値Thを算出することを特徴とするモータ制御システム。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数(an,bn)を算出することを特徴とする請求項9に記載のモータ制御システム。
- 前記繰り返し回数は、前記モータ位置Pmによるトルクリップルのバラツキを平均化するために複数箇所での前記モータ位置Pmにおいて補正区間分のサンプリングを実行可能な回数と、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項9又は10のいずれか一項に記載のモータ制御システム。
- 前記モータ制御装置(1a)は、前記外部装置(15)から与えられた前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)または前記繰り返し回数の更新が完了した前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12)が、前記メモリ(14)に記憶された前記平均値フーリエ係数(an *,bn *)を使って前記トルクリップル補正値Thを算出することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のモータ制御システム。
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、
前記モータ位置Pmに対応した複数箇所のトルク指令補正区間x(x=1,2,・・・n)のモータ位相θ(x)に対する補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングするサンプリング部(10c)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *(x)をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出するFFT演算部(11)と、算出した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]から前記モータ位相θ(x)に対するトルクリップル補正値Th(x)を算出する補正値演算部(12c)と、
前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Th(x)を加算して前記補正後トルク指令Tr *(x)を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *(x)に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)と、
前記トルクリップル補正値T h (x)から前記補正後トルク指令T r * (x)までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、前記サンプリング部(10c)へサンプリング実行指令を出力するサンプリング判定部(9)と、
を備えたモータ制御装置において、
前記サンプリング部(10c)は、前記モータ(2)の動作範囲に渡って設定された繰り返し回数だけ前記トルク指令補正区間xを通過する毎に、前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングし、前記FFT演算部(11)は、サンプリングされた前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)から、前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出し、かつ前回の算出値を更新し、前記補正値演算部(12c)は、前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を前記トルク指令補正区間x毎に対応付けて選択しながら、前記モータ位置Pmに対応したトルクリップル補正値Th(x)を算出することを特徴とするモータ制御装置。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出することを特徴とする請求項13に記載のモータ制御装置。
- 前記繰り返し回数は、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項13又は14のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
- 前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)は、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、
前記モータ位置Pmに対応した複数箇所のトルク指令補正区間x(x=1,2,・・・n)のモータ位相θ(x)に対する補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングするサンプリング部(10c)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *(x)をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出するFFT演算部(11)と、算出した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]から前記モータ位相θ(x)に対するトルクリップル補正値Th(x)を算出する補正値演算部(12c)と、
前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Th(x)を加算して前記補正後トルク指令Tr *(x)を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *(x)に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)と、
を備えたモータ制御装置のトルクリップル補正方法において、
前記トルクリップル補正値T h (x)から前記補正後トルク指令T r * (x)までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、前記サンプリング部(10c)へサンプリング実行を指令するステップと、
該サンプリング実行指令を受けて、前記モータ(2)の動作範囲に渡って設定された繰り返し回数だけ前記トルク指令補正区間xを通過する毎に、前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングするステップと、
サンプリングされた前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)から、前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出し、かつ前回の算出値を更新するステップと、
前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を前記トルク指令補正区間x毎に対応付けて選択しながら、前記モータ位置Pmに対応したトルクリップル補正値Th(x)を算出するステップと、
を備えることを特徴とするモータ制御装置のトルクリップル補正方法。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出することを特徴とする請求項17に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- 前記繰り返し回数は、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項17又は18に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- 前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)は、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出することを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載のモータ制御装置のトルクリップル補正方法。
- モータ位置Pm及びモータ速度Vmを演算する位置・速度演算部(6)と、モータ位相θを演算する位相演算部(7)と、位置指令及び/または速度指令と前記モータ位置Pm及び/または前記モータ速度Vmからトルク指令Trを出力する位置・速度制御部(4)と、前記モータ位置Pmに対応した複数箇所のトルク指令補正区間x(x=1,2,・・・n)のモータ位相θ(x)に対するトルクリップル補正値Th(x)を算出する補正値演算部(12c)と、前記トルク指令Trと前記トルクリップル補正値Th(x)を加算して補正後トルク指令Tr *(x)を求める加算器(26)と、前記補正後トルク指令Tr *(x)に基づいてモータ(2)を駆動する電流制御部(5)と、を備えたモータ制御装置(1d)と、
前記トルクリップル補正値T h から前記補正後トルク指令T r * までの周波数特性のゲインが1以下となる動作速度であって、かつ一定速度区間を持つ動作指令によって前記モータを動作させた場合に、前記モータが一定速度動作中の場合にのみ、サンプリング実行指令を出力するサンプリング判定部(9)と、前記モータ位相θ(x)に対する前記補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングするサンプリング部(10c)と、サンプリングした前記補正後トルク指令Tr *(x)をFFT(高速フーリエ変換)演算して、フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出するFFT演算部(11)と、で構成されたトルクリップル補正係数演算部(16a)を備えた外部装置(15a)と、
から成るモータ制御システムであって、
前記外部装置(15a)の前記サンプリング部(10c)は、前記モータ(2)の動作範囲に渡って設定された繰り返し回数だけ前記トルク指令補正区間xを通過する毎に、前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)をサンプリングし、前記外部装置(15a)の前記FFT演算部(11)は、サンプリングされた前記モータ位相θ(x)と前記補正後トルク指令Tr *(x)から、前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出し、かつ前回の算出値を更新し、
前記モータ制御装置(1d)の前記補正値演算部(12c)は、前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を前記トルク指令補正区間x毎に対応付けて選択しながら、前記モータ位置Pmに対応したトルクリップル補正値Th(x)を算出することを特徴とするモータ制御システム。 - 前記FFT演算部(11)は、複数の次数までの前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を算出することを特徴とする請求項21に記載のモータ制御システム。
- 前記繰り返し回数は、サンプリングを実行するときのサーボゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項21又は22に記載のモータ制御システム。
- 前記モータ制御装置(1d)は、前記繰り返し回数の更新が完了した前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を不揮発性のメモリ(14)に記憶し、該記憶以降の前記モータの駆動動作時においては、前記補正値演算部(12c)は、前記メモリ(14)に記憶された前記フーリエ係数[an(x),bn(x)]を使って前記トルクリップル補正値Th(x)を算出することを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載のモータ制御システム。
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