JP4632170B2 - 誘導電動機のインバータ制御装置 - Google Patents
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Description
R2=−R1(i1∞−i1(t))/(φ^(t)−i1(t))
更に、磁束推定値(φ^(t))の立ち上がりの時定数τφを用いて
M=R1・R2・τφ/(R1+R2)
により求めるようにしている。(例えば、特許文献3参照)
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、運転前に電動機停止状態で、励磁インダクタンスの飽和特性を含めモータ電気定数を高精度に測定することができる誘導電動機のインバータ制御装置を提供することを目的とする。
また、電動機に速度センサを持たない場合でも、既に電動機を負荷機械へ組み込まれた機械にも適用でき、静・動特性等の制御精度向上させることを目的とする。
また、請求項9に記載の発明は、誘導電動機の電圧情報と電流情報のそれぞれに対して、固定座標系上の二軸成分値を求める座標変換手段と、一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行い、前記電圧情報を用いて電動機の二次磁束を演算する積分手段を含む電圧モデル式磁束演算手段と、交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波発生手段と、前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の各振幅値を検出する振幅値検出手段とを設け、前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の位相差検出手段とを設け、前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数と、前記振幅値検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の振幅値の各最大値または前記位相差検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の位相差に基づいて、モータ電気定数を求める定数演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
これによって、モータ電気定数を精度よく得ることができるので、誘導電動機のインバータ制御装置での静・動特性等の制御精度を向上させる効果がある。
4はベース回路、5はインバータ出力電流を検出する電流検出器、6は誘導電動機に付設された速度検出器、7は速度演算部で速度検出器6の検出パルスから誘導電動機1の検出速度ωrを発生する。
8は座標変換部で後述する磁束指令位相θを用いて、前記検出電流を3相/2相変換して回転座標d−q軸成分(Id:励磁電流,Iq:トルク電流)に変換し、9、10は減算器で、励磁電流指令Id*と検出Idとを突き合わせて励磁電流偏差ΔIdを、トルク電流指令Iq*と検出Iqとを突き合わせてトルク電流偏差ΔIqをそれぞれ求める。11は励磁電流制御部(ACRd)で励磁電流偏差ΔIdから励磁電流方向の電圧指令Vd*を、12はトルク電流制御部(ACRq)でトルク電流偏差ΔIdからトルク電流方向の電圧指令Vq*を求める。13は座標変換部で後述する磁束指令位相θを用いて、励磁電流方向の電圧指令Vd*とトルク電流方向の電圧指令Vq*から、固定座標系における一次電圧指令Vu*,Vv*、Vw*を求める。
なお、座標変換部8,13では、それぞれ(1)式、(2)式の演算が行われる。
これら構成と上記(1)、(2)式により、電動機1は停止状態を保持でき、IαとVα*は正弦波発生手段20の出力信号に基づいた信号となり、Iβ=Iq*=0、Vβ*=Vq*=0となることがわかる。
この構成により、誘導電動機の電圧方程式に基づいて二次磁束φαVを(3)式により演算する。
この構成により、誘導電動機の電流方程式に基づいて二次磁束φαIを(4)式により演算する。
この構成により、入力信号であるIαの最大値max(Iα)と最小値min(Iα)の差として振幅値を検出する。
|Iα|peak=max(Iα)−min(Iα) ・・・(5)
最大値検出手段61-1は、Iα信号の連続した3信号をU1,U2,U3としたとき、U1<U2、かつ、U2>U3を満足したときにトリガ信号を出力する回路である。
この構成により、Iα信号とφαV信号がそれぞれ最大値となる時間差(t2 −t1)と、このとき指令されている正弦波信号の角周波数値ωとの積により、Iα信号とφαV信号の位相差δを測定する。
δ=(t2−t1)×ω ・・・(6)
いま、上記(4)式より、誘導電動機の電流方程式に基づく二次磁束φαIは、入力信号Iαとすれば、一次遅れ要素G(s)=M/(1+T2・p)の伝達関数で示される。
このとき、周知のように、角周波数がωである正弦波信号を入力したときの出力の振幅比|G|、遅れ位相角∠Gは、次式で求まる。
したがって、ω1は既知であるので、次式で二次抵抗R2が求まる。
正弦波発生手段20から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数値ω1と、前記振幅値検出手段50-1、50-2で求められる電圧モデル式二次磁束と電流情報の振幅値の各最大値に基づいて、二次抵抗値R2を得る際の動作について説明する。
電圧モデル式磁束演算手段30と電流モデル式磁束演算手段40出力は一致すること、電流モデル式は、GI(s)=M/(1+T2・p)と表現できることより、図4に示した電圧モデル式磁束演算手段30を用いて、図1の回路で運転すれば、図6よりφαvとIαの振幅値の比率を|G|ω1として測定できるので、(8)式から次式で二次抵抗R2を演算することができる。
R2=|φαv|peak /|Iα|peak×ω1 ・・・(12)
図4に示した電圧モデル式磁束演算手段30を用いて、図1の回路で運転すれば、図7によりφαv、Iαの位相差δが測定できるので、(7)式から次式で二次回路時定数T2を演算することができる。
T2=tanδ/ω2 ・・・(13)
ω1とω2で、図4に示した電圧モデル式磁束演算手段30を用いて、図1の回路で運転し、図6よりφαvとIαの振幅値の比率を、それぞれ測定できるので、(11)式から次式により、励磁インダクタンスMを演算することができる。
減算手段71は電圧モデル式磁束演算手段30と電流モデル式磁束演算手段40の偏差Δφを積分手段72に出力し、積分手段72により偏差Δφを積分し、係数器73で係数(k1)倍後、電圧モデル式磁束演算手段30内の積分手段31の前段に帰還する。
また、絶対値化手段81-1、81-2はそれぞれ電圧モデル式磁束演算手段30と電流モデル式磁束演算手段40の出力値の絶対値をとり、減算手段82は前記絶対値信号の偏差Δ|φ|を積分手段83へ出力し、積分手段83で偏差Δ|φ|を積分して係数器84で係数(k2)倍後、電流モデル式磁束演算手段40内の係数器43を補正する。この補正は、図示していないが、加算手段、乗算手段を追加して、R2×(1+k)として行う。なお、kは係数器84の出力、R2は係数器43が対応している。
図8に示すように、これまで得た二次抵抗R2、二次回路時定数T2を電流モデル式磁束演算手段40に設定し、電圧モデル式磁束演算手段30のオフセット補償と電流モデル式磁束演算手段40でそれぞれ演算した二次磁束が一致しないのは、各演算手段に誤差成分があるからだと考える。
誤差成分として、電圧モデル式磁束演算手段30では入力信号のオフセットであり、電流モデル式磁束演算手段40では二次抵抗R2の測定誤差とする。
オフセット補償では、上記積分手段72と係数器73で与える積分時間は、正弦波発生手段20が出力する信号の正弦波成分の周期(1/ω2)に対し、十分長く取ることで平均化されるようにし、R2の補正処理では、オフセット補償と干渉しないように、上記積分手段83と係数器84で与える積分時間は、正弦波発生手段20が出力する信号の正弦波成分の周期(1/ω2)に対し、短めに取るとよい。
また、実際の二次抵抗R2の補正処理は、係数器84の出力Kを用い、次式で演算し、R’として得る。
二次抵抗R2の補正比率(R2’/R2)が所定値範囲内になるまで、上述したオフセット補償とR2補正処理を繰り返すようにすれば、精度のよい誘導電動機の二次抵抗R2、励磁インダクタンスMを得ることができる。
(1)事前準備として測定しようとしている誘導電動機のベース電圧Vbase、ベース周波数fbaseに基づいて、励磁電流(無負荷電流)Im0を次式で演算する。
(2)励磁インダクタンスMの飽和特性の測定ポイントを決定する。係数としてあるいは関数と得たい励磁電流値を決定する。
ここでは、(16)式でのIm0に対して、50%、75%、100%のポイントとして説明する。
(3)次に、これまで得た二次抵抗R2、二次回路時定数T2を電流モデル式磁束演算手段40に設定するとともに、正弦波発生手段20から発生された励磁電流指令信号(例えば、角周波数値ω2)に、直流量を含むようにして(17)式で与え、上述した図7の回路でφαv、Iαの位相差δを測定し、上記(13)式で二次回路時定数T21を演算する。
Id*=A・sinω2t+Im0×0.5 ・・・(17)
なお、振幅Aは、図7での最大値選択手段64-1、64-2が、その最大値を測定可能な範囲で小さい値とする。
(4)(3)の動作を75%、100%の直流量で行い、T22、T23を演算する。
(5)測定したT21、T22、T23を用いて、その条件での励磁インダクタンスMを演算する。
M1=R2×T21
M2=R2×T22
M3=R2×T23
以上のようにして励磁インダクタンスMの飽和特性を測定することができる。
2 電圧形インバータ
2-1 コンバータ部
2-2 インバータ部
3 PWM演算部
4 ベース回路
5 電流検出器
6 速度検出器
7 速度演算部
8、13 座標変換部
9、10 減算手段
11 励磁電流制御部(ACRd)
12 トルク電流制御部(ACRq)
14 磁束指令演算部
15 すべり周波数演算部
16 加算手段
17、42、43、73、84 係数器
18、31、41、72、83 積分手段
20 正弦波発生手段
21 モータ定数測定手段
22-1、22-2 除算手段
23、66 乗算手段
24 正接(tan)演算手段
30 電圧モデル式磁束演算手段
32、33 1次電圧降下演算手段
34-1、34-2、44、54、65、71、82 減算手段
40 電流モデル式磁束演算手段
50-1、50-2 振幅値検出手段
51、64-1、64-2 最大値選択手段
52 最小値検出手段
53-1、53-2、62-1〜62-6 遅延手段
60 位相差検出手段
61-1、61-2 最大値検出手段
63-1、63-1 ラッチ手段
70 オフセット補償手段
80 R2補正手段
81-1、81-2 絶対値化手段
Claims (9)
- 誘導電動機の電圧情報と電流情報のそれぞれに対して、固定座標系上の二軸成分値を求める座標変換手段と、
一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行い、前記電圧情報を用いて電動機の二次磁束を演算する積分手段を含む電圧モデル式磁束演算手段と、
交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波発生手段と、
前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の各振幅値を検出する振幅値検出手段とを設け、
前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数と、前記振幅値検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の振幅値の各最大値に基づいて、二次抵抗値を得ることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。 - 誘導電動機の電圧情報と電流情報のそれぞれに対して、固定座標系上の二軸成分値を求める座標変換手段と、
一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行い、前記電圧情報を用いて電動機の二次磁束を演算する積分手段を含む電圧モデル式磁束演算手段と、
交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波発生手段と、
前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の位相差検出手段とを設け、
前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数と、前記位相差検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の位相差に基づいて、二次回路時定数を得ることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。 - 誘導電動機の電圧情報と電流情報のそれぞれに対して、固定座標系上の二軸成分値を求める座標変換手段と、
一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行い、前記電圧情報を用いて電動機の二次磁束を演算する積分手段を含む電圧モデル式磁束演算手段と、
交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波発生手段と、
前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の各振幅値を検出する振幅値検出手段とを設け、
前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数と、前記振幅値検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の振幅値の各最大値に基づいて、励磁インダクタンスを得ることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
- 請求項1から3で得られた二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数を設定し、前記電流情報を用いて電動機の二次磁束を演算する一次遅れ要素を含む電流モデル式磁束演算手段と、
前記電流モデル磁束演算手段と前記電圧モデル式磁束演算手段のそれぞれの出力値が一致するように補償する補償手段とを設け、
前記電圧モデル式磁束演算手段の積分手段のオフセット補償することを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。 - 請求項1から3で得られた二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数を設定し、前記電流情報を用いて電動機の二次磁束を演算する一次遅れ要素を含む電流モデル式磁束演算手段と、
前記電流モデル磁束演算手段と前記電圧モデル式磁束演算手段のそれぞれの出力値が一致するように補償する補償手段とを設け、
二次抵抗を補正演算することを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。 - 二次抵抗の補正前後の演算値比率が所定値以下になるまで、補正処理を繰り返すことを特徴とする請求項5記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
- 前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号に直流信号を含むようにして前記位相差検出手段で位相差を求め、その位相差に基づいて、励磁インダクタンスの飽和特性を得ることを特徴とする請求項2記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
- 請求項1、2、5、6から得られた二次抵抗、二次回路時定数から、励磁インダクタンスを得ることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
- 誘導電動機の電圧情報と電流情報のそれぞれに対して、固定座標系上の二軸成分値を求める座標変換手段と、
一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行い、前記電圧情報を用いて電動機の二次磁束を演算する積分手段を含む電圧モデル式磁束演算手段と、
交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波発生手段と、
前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の各振幅値を検出する振幅値検出手段とを設け、
前記電圧モデル式磁束演算手段出力信号と固定座標系上の前記電流情報の位相差検出手段とを設け、
前記正弦波発生手段から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数と、前記振幅値検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の振幅値の各最大値または前記位相差検出手段で求められる二次磁束と前記電流情報の位相差に基づいて、モータ電気定数を求める定数演算手段とを備えたことを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
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