JP2712632B2 - 誘導電動機の可変速制御装置 - Google Patents

誘導電動機の可変速制御装置

Info

Publication number
JP2712632B2
JP2712632B2 JP1248448A JP24844889A JP2712632B2 JP 2712632 B2 JP2712632 B2 JP 2712632B2 JP 1248448 A JP1248448 A JP 1248448A JP 24844889 A JP24844889 A JP 24844889A JP 2712632 B2 JP2712632 B2 JP 2712632B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
loss
calculator
iron loss
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1248448A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03112390A (ja
Inventor
英俊 海田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP1248448A priority Critical patent/JP2712632B2/ja
Publication of JPH03112390A publication Critical patent/JPH03112390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2712632B2 publication Critical patent/JP2712632B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、誘導電動機をインバータによって周波数
を変えることによって速度制御する可変速制御装置、と
りわけ、誘電電動機の滑り周波数制御形ベクトル制御方
式に基づく誘導電動機の可変速制御装置に関する。
〔従来の技術〕
滑り周波数制御形ベクトル制御方式においては、誘導
電動機の一次電流をフィードバックして結果的に誘導電
動機のトクル瞬時値を制御する方式である。その際、電
機子鉄心に発生する鉄損は無視されるのが普通である。
電機子鉄損は一般には無視できる程度に小さいことから
これを無視しても実用上問題ない場合が多いが、例え
ば、紙やアルミ箔など薄いものをロールで巻き付け、巻
き取りなどを行う装置に使用される誘導電動機の可変速
制御装置の場合、高精度の張力制御が必要となり、その
ためには前述の電機子鉄損に起因する制御誤差が問題に
なってきて、その大きさは条件によって異なるが数%に
達することもあり、無視するのは妥当でなくなる。
第3図は誘導電動機の等価回路を示す回路図である。
この図において、漏れインダクタンスは一次側にまとめ
てLLで表示してあり、励磁インピーダンスは励磁インダ
クタンスMeと励磁コンダクタンスGmとの並列回路で構成
されている。励磁インピーダンスの左の二次側は二次抵
抗R2eが接続されている。励磁コンダクタンスGmは電機
子鉄心の鉄損によるものであってトルクの発生には寄与
しないものである。回転子の鉄損はトルク発生に寄与す
るものであり、二次抵抗R2eに含められているものと考
えられる。励磁インダクタンスMe、二次抵抗R2eはいず
れも一次側に換算されたもので、次式で表される。
ここで、 M ;一次巻線と二次巻線間の相互誘導係数 L2 ;二次巻線の自己誘導係数 r2 ;二次巻線の抵抗 s ;滑り 一次側に端子電圧V1が印加されると、一次巻線の抵抗
r1と漏れインダクタンスLLでの一次電流I1による電圧降
下の結果、励磁コンダクタンスGm及び励磁インダクタン
スMeにかかる電圧Eは電圧V1と異なる値にある。この電
圧Eが励磁コンダクタンスGm、励磁インダクタンスMe
び二次等価抵抗R2eに印加されるもので、それぞれに流
れる電流I9、IM、ITはそれぞれ次式となる。なお、簡単
のために、ここでは電圧や電流はいずれも正弦波交流で
あるとし、複素表示しているものとする。
電流I9は前述のように電機子鉄心に発生する鉄損によ
るものであるのでこれを以後鉄損電流、IMは二次巻線に
鎖交する磁束Φを発生させるものであるのでこれを磁
化電流、ITはトルクを発生させるものであるのでこれを
トルク電流、とそれぞれ称することにする。鉄損を無視
するということはトルク発生に寄与しない鉄損電流I9
トルク電流に含めてしまうということを意味する。第4
図は第3図の電圧、電流の関係を複素平面状のベクトル
図として表したフェーザ図であり、制御理論では瞬時値
としての電圧や電流の位相関係を表すのに使用されるベ
クトル図と区別するために前述のようにこのような複素
ベクトル図のことをフェーザ図と呼んでいる。
この図では励磁電圧Eを虚数軸に合わせてあり、磁化
電流IMと図示しない磁束Φとは実軸に一致することに
なる。鉄損電流I9、トルク電流ITはいずれも励磁電圧E
と同相であり、一次電圧V1は図示のように一次抵抗r1
漏れインダクタンスLLによる電圧降下分が励磁電圧Eに
加算された値になっている。
一次電流I1は3つの電流成分I9、IM、ITの和である
が、磁化電流IMは他の2つの電流と直角の関係にあり図
示のようになる。
第5図は鉄損電流I9を無視することによる制御誤差の
影響を解決するために本件の出願人によって既に提案さ
れている誘導電動機の可変速制御装置を示すブロック図
である(特開平1−227681号公報参照)。この図におい
て、1は直流電源PNを3相電源に変換するインバータ、
2は制御対象である誘導電動機、3は速度検出器であり
例えばパルス発信器を用いる。制御装置は、速度設定器
4、速度調節器5、鉄損電流設定器6、加算器7、磁化
電流設定器8、すべり演算器9、積分器10、3相/2相変
換器11、座標回転器(VD)12,15、電流調節器13,14、点
孤パルス発生器16で構成される。
以下の電圧、電流などの諸量は特に断らない限り瞬時
値とする。また、*を付した記号は制御指令値又は設定
値及びこれらから演算された値、*を付さない記号は検
出値又はこの検出値から演算された値とする。ただし、
混乱を生じないと判断された場合には*を省略する場合
がある。
速度設定器4で設定された速度設定値ω は速度調
節器5に入力される。速度調節器5は速度設定値ω
と速度検出器3の出力から求まる速度実際値ωとの偏
差を増幅し、その出力は第2のトルク電流の目標値iT
となる。第1のトルク電流の目標値iT は加算器7に
よって第2のトルク電流の目標値iT に鉄損電流設定
器6で設定された鉄損電流値i0 を加算することによっ
て得られ、このiT が電流調節器14に入力される。
8は磁化電流の目標値iM を与える磁化電流設定器で
あり、9は磁化電流目標値iM と第2のトルク電流目標
値iT とから後述の(3)式に従い、誘導電動機の磁
束ベクトルの角速度ωを演算するすべり演算器であ
る。なお、磁束ベクトルの角速度ωは定常状態では誘
導電動機の滑り周波数に相当する。
ここで、 r2 ;誘導電動機の2次抵抗 Φ ;二次磁束 S ;ラプラス変換の演算子 L2 ;誘導電動機の2次自己インダクタンス 磁束ベクトルの角速度ωと誘導電動機の速度実際値
ωは積分器10で加算されたのち積分値、回転子に対す
る磁束ベクトルの位相角ψを得る。11は、すでに述べた
ように誘導電動機の一次電流を2相電流ip,iqに変換す
る3相/2相変換器で、その値を座標回転器12で座標軸を
位相角ψだけ回転することにより磁化電流iMとトルク電
流iTを得る。磁化電流iM,トルク電流iTはそれぞれ電流
調節器13と14に入力され、この電流調節器13と14とはそ
れぞれiM とiM、iT とiTとの偏差を増幅する。それぞ
れの出力は誘導電動機の2軸電圧目標値vM ,vT に相
当し、vM ,vT は座標変換器15で2相の電圧目標値vp,
vqに変換される。vp,vqより点孤パルス発生器16により
インバータのスイッチングが行われる。
なお、主制御対象がトルクの場合には速度設定器4、
速度調節器5は不要であり、トルクの所望値に対応して
トルク電流iTを与えればよい。
第2のトルク電流の目標値iT に鉄損電流値i0
加算して得られた第1のトルク電流の目標値iT と実際
のトルク電流iTとの偏差を電流調節器14に入力すること
によって、実際のトルク電流iTに含まれている鉄損電流
成分を考慮した制御方式になる。
鉄損は二次磁束Φと一次角周波数ωの関数として
求められるが、既提案ではこれをΦだけの関数とω
だけの関数とを別々に設定し、鉄損電流i0 を演算する
際にはこれらの関数をそれぞれ演算した上で乗算器で乗
算する方式をとっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ベクトル制御の基本的な方式は二次磁束Φの絶対値
を一定に保持する条件の下で一次電流i1を制御する方式
であり、このような場合にはΦが一定であることから
前述のような鉄損の計算式でも必要な精度が得られ、あ
る程度Φを変化させるにしてもその範囲が狭い場合で
も適用可能であるが、前述の張力制御のようなより高精
度の制御を必要とする制御装置の場合には鉄損の計算誤
差の影響のために制御の精度が低下するという問題が生
ずる。
この発明は、このような問題点を解決し、高精度制御
が可能な誘導電動機の可変速制御装置を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明によれば、誘導
電動機の一次電流をフィードバックする滑り周波数制御
形ベクトル制御方式による誘導電動機の可変速制御装置
において、 前記導電動機の電機子鉄心の鉄損の一次電流成分として
の鉄損電流を演算し、一次電流検出値から減算、又は一
次電流指令値に加算することにより前記一次電流のフィ
ードバック系を補正するものであって、前記鉄損電流を
演算し補正する鉄損電流演算器が、ヒステリシス損電流
を演算するヒステリシス損分演算器と、渦電流損電流を
演算する渦電流損分演算器と、これらの演算器による演
算に必要な係数を演算するパラメータ演算器と、前記ヒ
ステリシス損電流と前記渦電流損電流とを加算する加算
器と、この加算器の出力信号としての鉄損電流を前記一
次電流指令値に加算又は前記一次電流検出値から減算す
る加減算器とからなり、前記可変速制御装置の運転前に
前記パラメータ演算器によって前記係数を演算記憶し、
運転時にパラメータ演算器の動作を停止させて前記ヒス
テリシス損分演算器と前記渦電流損分演算器とがそれぞ
れヒステリシス損電流と渦電流損電流とを演算するもの
とする。
〔作用〕
この発明の構成において、ヒステリシス損分演算器と
渦電流損分演算器とを設けてそれぞれヒステリシス損電
流と渦電流損電流を演算し、これらを加算器で加算して
鉄損電流を求める。ヒステリシス損分演算器と渦電流損
分演算器の演算に必要な係数は、可変速制御装置の運転
開始前に周波数や一次電圧を種々変えた異なる条件で誘
導電動機を無負荷運転してパラメータ演算器が係数演算
に必要なデータを得、これを最小二乗法を用いたアルゴ
リズムに基づいて演算処理することにより求める。ヒス
テリシス損と渦電流損とは周波数と磁束密度に関してそ
れぞれ異なる関数であるので、これらを別個に演算した
上で加算するという演算方法を採用することにより制度
の高い鉄損電流の演算が可能になる。
〔実施例〕
以下この発明を実施例に基づいて説明する。第1図は
この発明の実施例を示す鉄損電流演算器のブロック図で
ある。この図は後述のように誘導電動機の一次電流の検
出値から求められるトルク電流を補正する方式を採用し
た場合の鉄損電流演算器である。
鉄損電流演算器20は、パラメータ演算器21、ヒステリ
シス損分演算器22、渦電流損分演算器23及び2つの加算
器24、減算器25とからなっている。入力信号は一次電流
i1から従来技術に基づいて演算されたトルク電流iT、角
周波数ω及び別途演算によって求められた二次磁束Φ
であり、出力信号はトルク電流iTに鉄損電流i9を減じ
て得られた補正トルク電流iTeである。以下、この鉄損
電流演算器20の動作について説明する。
周知のように、一般に鉄心が角周波数ωの交流で励磁
されることにより発生する鉄損はヒステリシス損と渦電
流損とからなり次式で表される。
w=khωBk+keω2B2 ……(4) ここで、 w ;単位体積当たりの鉄損 ω ;角周波数(=2πf) B ;磁束密度実効値 kh ;ヒステリヒシス損の係数 ke ;渦電流損の係数 k ;係数(1.6〜2.0) 誘導電動機の電機子鉄心全体の鉄損は、磁束密度Bの
値が位置によって異なり、磁気特性の非線型性からたと
え磁束Φが正弦波であっても局所の磁束密度Bは歪み波
になるという現象もあることから、厳密には簡単な方式
で表現できないが、近似的でかつ実用上充分の精度を持
った式として電機子鉄心全体の鉄損Wを次式で表すこと
ができる。
W=KhωΦ2 k+Keω1 2Φ2 2 ……(5) ここで、 W ;電機子鉄心の鉄損 Kh ;ヒステリヒシス損の係数 Ke ;渦電流損の係数 ω1 ;一次角周波数 なお、本来は二次磁束Φは一次磁束Φを使用する
のが妥当であるが、前述のように二次磁束Φはベクト
ル制御方式において演算される値なので、これを用いた
方が実用的であるとともに、ΦとΦとの差である漏
れ磁束は微小であるので、実用上支障がないという2点
の理由によってΦを用いることにする。
鉄損電流I9は鉄損Wを励磁電圧Eで除した値として求
められ次式となる。
ここで、 kE ;係数 KhI ;Kh/kE KeI ;Ke/kE k1 ;=k−1 (6)式の左辺第1項はヒステリシス損に関する項なの
でこれをヒステリシス損電流I9h、第2項は渦電流損に
関する項なのでこれを渦電流損電流I9eとすると、鉄損
電流I9並びにI9h、I9eは次式で表される。
ヒステリシス損電流I9hはΦだけが変数であるか
ら、2つの係数KhI、k1をあらかじめ求めておけば任意
のΦの値に対してI9hを計算することができる。ま
た、渦電流損I9eはωとΦとの積に係数KeIを乗算し
て求められるので係数KeIをあらかじめ求めておけば任
意のω、Φの値に対して簡単に計算することができ
る。
第1図のヒステリシス損分演算器22は後述の方法でパ
ラメータ演算器21であらかじめ求めた係数KhI、k1を用
いて(7)式に基づいてヒステリシス損電流I9hを演算
し、渦電流損分演算器23は同じようにしてパラメータ演
算器21であらかじめ演算した係数KeIを用いて(7)式
に基づいて渦電流損電流I9eを演算する。そして、これ
らI9hとI9eを加算器25で加算して鉄損電流I9を求め、ト
ルク電流iTから減算器24で減算して補正トルク電流iTe
を得る。
係数KhI、k1及びKeIを求める方法については後述す
る。
第2図は第1図の鉄損電流演算器20を組み込んだ誘導
電動機の可変速制御装置のブロック図であり、第5図と
同じブロックなどについては同じ参照符号を付けること
により詳しい説明を省略する。この図において、鉄損電
流演算器20は座標回転器12の出力信号であるトルク電流
iTの回路に挿入し補正トルク電流iTeを出力する。二次
磁束Φは座標回転器12のもう一つの出力信号である励
磁電流iMから図示しない演算器によって前述の(3)式
に基づいて計算する。ただし、(3)式では励磁電流指
令値iM を使用しているので、検出値から得られたトル
ク電流iTを補正するのであるから前述のように座標回転
器12の出力信号としての励磁電流iMから求めるのが妥当
である。
本来のトルク電流は補正トルク電流iTeであるから、
このiTeとトルク電流指令値iT とを電流調節器14の入
力信号として電圧目標値vT を出力させることにより鉄
損電流の影響を高い精度で補正した制御系が構成される
ことになる。
パラメータ演算器21による3つの係数を演算するのは
次の方法による。可変速制御装置を製作した工場あるい
はこの装置の設置場所において、誘導電動機とその可変
速制御装置全体を組み合わせ、回転負荷を接続しないで
誘導電動機を無負荷運転して必要なデータを取り、この
データをパラメータ演算器21に取り込み演算することに
よりそれぞれの係数を求め、求まった係数をヒステリシ
ス損分演算器22、渦電流損分演算器23に入力し、これら
ヒステリシス損分演算器22、渦電流損分演算器23はそれ
ぞれの必要とする係数を内蔵する例えばEEPROMのような
不揮発性でかつ書き換え可能の記憶素子に記憶させる。
このパラメータ演算器21による係数演算時にはあらかじ
め渦電流損分演算器23とヒステリシス損分演算器22とで
それぞれ記憶されている係数KhI、KeIは零にセットして
おく。したがって、第1図において鉄損電流演算器20の
出力信号である電流iTeは入力信号である電流iTと同じ
値になっている。運転時にはパラメー演算器21は動作を
停止した状態にすることから、パラメータ演算器21の入
力信号は電流iTeではなく電流iTしてもなんら差し支え
ない。
それぞれの係数を求める計算方式は種々考えられる
が、最も基本的な方法としては変数であるΦとω
の異なる複数の条件下でのトルク電流iTをパラメータ演
算器21に入力し、最小二乗方を基本的な解析手法として
それぞれの係数を未知数として連立方式をたて、これを
解くことにより最適の係数値を求める。この場合、測定
データの数が多いほど精度の高い結果を得ることができ
る。連立方程式は非線型になることがあるが、数値計算
技術を駆使すればこれを解くアルゴリズムの実現は容易
である。また、(6)式左辺の第1項のヒステリシス損
の項がωに無関係であること、第2項の渦電流損の項
が単に未知数の積の形であることを利用して、最初にΦ
一定の下で角周波数を変えてデータをとり相関分析の
手法で係数KeIを求め、次いでKhIとk1を求めるという実
際的な計算方式を採用することができる。
パラメータ演算器21が係数演算に必要とする一次周波
数ω、二次磁束Φおよび検出値としてのトルク電流
iTはいずれも鉄損電流演算器20の入力信号であるから、
パラメータ演算器21による係数演算時はそれぞれの演算
器21,22,23の中の動作が変わるだけで装置の変更は必要
としない。
通常の制御装置の演算部はディジタル演算で構成され
るので、鉄損電流演算器20も他の制御装置の構成ブロッ
クと同じくコンピュータのプログラムに組み込まれるも
のなので、パラメータ演算時と運転時のモードの違いを
外部から入力するすことにしてプログラムにモードに応
じた動作をさせるように組み込んでおけばよい。
(6)式ではヒステリシス損電流I9hのΦに対する
関数として指数k1の巾乗で表現したが、これは近似式で
あって必ずしもこの関数形が最適ということではなく、
別のもっと適した関数を採用することもできる。このよ
うな場合でもこの関数の中に含まれる係数を未知数とし
て前述の最小二乗法を基本的な解析手法として求めるこ
とができる。
更に、誘導電動機の冷却ファンに生ずる風損や摩擦損
なども回転負荷のトルクとならない損失であるという点
で電機子鉄損と同じように扱うことができる。これらを
考慮するときには、前述の(6)式に風損電流としてω
の二乗に比例する項と摩擦損電流として定係数項を加
えこれらの項の係数も未知数として前述の方法などで求
めればよい。この場合、(6)式が変わることによるア
ルゴリズムを変えることだけでよく、可変速制御装置の
ハードウエアは一切変更する必要はない。
第2図では鉄損電流演算器20の補正対象を一次電流検
出値から演算に求められたトルク電流としたが、第5図
と同じように指令値としてのトルク電流を補正対象とす
ることも可能である。この場合は、補正対象としてのト
ルク電流指令値iT に対して補正電流としての鉄損電流
i9を加算することになる。また、この鉄損電流i9の演算
に使用する励磁電流は指令値であるiM を用いるのが妥
当である。また、このときには第1図の減算器25の代わ
りに加算器を使用する必要がある。
第2図及び第5図では一次電流は励磁電流iM,iTに変
換した上でフィードバックする方式を採用しているが、
ベクトル制御方式の中には三相電流に変換された指令値
に対して三相である一次電流検出値をそのままフィード
バックする方式もある。このような場合には、補正対象
の電流も三相電流でなければならないので、鉄損電流演
算器の巾に三相電流の相変換や座標変換をする演算器を
内包する必要がある。これらは第1図の減算器25の代わ
りに得られた鉄損電流i9で三相電流としての一次電流を
補正する機能を持った補正器の中に包括することにな
る。これらの演算器や補正器は前述のようにコンピュー
タのプログラムのブロックとして構成されており、一般
にはサブプログラムに構成するものだから、鉄損電流演
算器の中にブロックを内包するといっても単に機能的な
ことであって、構成上の困難さが生じる訳ではなく、こ
のような一次電流のフィードバックの方式が異なる場合
にもこの発明の適用は可能である。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように、一次電流に含まれる鉄損に
起因する鉄損電流を補正したフィードバックをするため
に、鉄損電流をステリシス損分演算器と渦電流損分演算
器とでそれぞれヒステリシス損電流と渦電流損電流とを
別々に演算して加算することによって求める。これらの
演算器の演算に必要な係数は、可変速制御装置の運転開
始前に周波数や一次電圧を種々変えた異なる条件で誘導
電動機を無負荷運転してパラメータ演算器が係数演算に
必要なデータを得、これを基本的には最小二乗包を用い
て求めるべき係数を未知数にした連立方程式をたてこれ
を解くというアルゴリズムに基づいて演算処理をするこ
とにより求める。ヒステリシス損と渦電流損とは周波数
と磁束密度に関してそれぞれ異なる関数なので、これら
を別個に演算した上で加算するという演算方法を採用す
ることによりそれぞれの損失成分ごとに最適の関数を設
定することができることから、精度の高い鉄損電流の演
算が可能になる。その結果、一次電流のフィードバック
系の精度が向上する結果、高精度の誘導電動機の可変速
制御装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す鉄損電流演算器のブロ
ック図、第2図はこの発明の実施例を示す誘導電動機の
可変速制御装置のブロック図、第3図は誘導電動機の等
価回路図、第4図は第3図の電圧、電流のフェーザ図、
第5図は従来の誘導電動機の可変速制御装置のブロック
図である。 20……鉄損電流演算器、21……パラメータ演算器、 22……ヒステリシス損分演算器、 23……渦電流損分演算器、24……加算器、 25……減算器(補正器)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機の一次電流をフィードバックす
    る滑り周波数制御形ベクトル制御方式による誘導電動機
    の可変速制御装置において、 前記導電動機の電機子鉄心の鉄損の一次電流成分として
    の鉄損電流を演算し、一次電流検出値から減算、又は一
    次電流指令値に加算することにより前記一次電流のフィ
    ードバック系を補正するものであって、前記鉄損電流を
    演算し補正する鉄損電流演算器が、ヒステリシス損電流
    を演算するヒステリシス損分演算器と、渦電流損電流を
    演算する渦電流損分演算器と、これらの演算器による演
    算に必要な係数を演算するパラメータ演算器と、前記ヒ
    ステリシス損電流と前記渦電流損電流とを加算する加算
    器と、この加算器の出力信号としての鉄損電流を前記一
    次電流指令値に加算又は前記一次電流検出値から減算す
    る加減算器とからなり、前記可変速制御装置の運転前に
    前記パラメータ演算器によって前記係数を演算記憶し、
    運転時にパラメータ演算器の動作を停止させて前記ヒス
    テリシス損分演算器と前記渦電流損分演算器とがそれぞ
    れヒステリシス損電流と渦電流損電流とを演算すること
    を特徴とする誘導電動機の可変速制御装置。
JP1248448A 1989-09-25 1989-09-25 誘導電動機の可変速制御装置 Expired - Lifetime JP2712632B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1248448A JP2712632B2 (ja) 1989-09-25 1989-09-25 誘導電動機の可変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1248448A JP2712632B2 (ja) 1989-09-25 1989-09-25 誘導電動機の可変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03112390A JPH03112390A (ja) 1991-05-13
JP2712632B2 true JP2712632B2 (ja) 1998-02-16

Family

ID=17178283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1248448A Expired - Lifetime JP2712632B2 (ja) 1989-09-25 1989-09-25 誘導電動機の可変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2712632B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5925058B2 (ja) * 2012-06-08 2016-05-25 三菱電機株式会社 誘導電動機の制御装置
JP6033381B2 (ja) * 2015-09-25 2016-11-30 三菱電機株式会社 誘導電動機の制御装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6192185A (ja) * 1984-10-12 1986-05-10 Hitachi Ltd 自動調整を行うベクトル制御装置
JPH0767319B2 (ja) * 1988-03-05 1995-07-19 富士電機株式会社 誘導電動機の可変速制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03112390A (ja) 1991-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6281659B1 (en) Induction motor drive and a parameter estimation method thereof
US8450955B2 (en) Alternating-current motor control apparatus
US5162727A (en) Method and apparatus of determining the stator flux estimate of an electric machine
JPH07110160B2 (ja) 誘導電動機の制御装置
Chatterjee A simple leakage inductance identification technique for three-phase induction machines under variable flux condition
JP6419669B2 (ja) 電力変換装置およびそのオートチューニング法
JP2943377B2 (ja) 誘導電動機のベクトル制御装置
JP2712632B2 (ja) 誘導電動機の可変速制御装置
JPS6036716B2 (ja) 誘導電動機の磁束ベクトル演算器
JPH09182499A (ja) 同期電動機の制御装置
JP7433445B2 (ja) モータ鉄損演算装置およびそれを備えたモータ制御装置
JP6108114B2 (ja) 永久磁石形同期電動機の制御装置
EP1393434A1 (en) A method associated with controlling a synchronous machine
JP3736551B2 (ja) 誘導電動機の速度制御方法
US20220014138A1 (en) Inverter control device
KR0129561B1 (ko) 유도 모터용 벡터 제어 장치
JPH089697A (ja) 誘導電動機のベクトル制御装置
JPS58133167A (ja) 2つの電気的交流量の共通周波数を求めるための装置
JPS6159071B2 (ja)
JPH0787800A (ja) インバータの自動トルクブースト制御およびすべり補償制御装置
JPH0570395B2 (ja)
JPH06315291A (ja) 誘導電動機の磁束位置演算法とそれを用いた制御方法
JP2006174524A (ja) 誘導電動機のインバータ制御装置
JP3123235B2 (ja) 誘導電動機のベクトル制御装置
JP2006280034A (ja) サーボモータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081031

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term