JP2007306694A - 誘導電動機のインバータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電動機停止状態で、二次抵抗値、励磁インダクタンス等のモータ電気定数を、精度よく測定することができる誘導電動機のインバータ制御装置を提供する。
【解決手段】 交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波指令発生部20と、デッドタイムによる電圧誤差を補正する電圧誤差補正部90と、電圧指令値と電流検出値を用いて誘導電動機1の二次磁束を演算する電圧モデル式磁束演算部30と、正弦波指令発生部20から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、電圧モデル式磁束演算部30で得た二次磁束演算値と電流検出値の各振幅最大値に基づいて、二次抵抗値を得るモータ定数測定部21とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導電動機のインバータ制御装置に関する。
従来の誘導電動機のインバータ制御装置のうち、電動機停止状態で励磁インダクタンスM、二次回路時定数T2、二次抵抗R2を求めるものとして下記のものが知られている。
第1の従来技術は、電圧モデル式磁束演算回路(電圧モデル)は高速域で演算精度が高く、電流モデル式磁束演算回路(電流モデル)は低速域での安定性が高いことに着目し、上記補償部により両者の出力をそれぞれ補正して、低速から高速域にわたる広い速度範囲で安定な演算ができるようにし、また励磁インダクタンスおよび二次時定数の誤差は電流モデルで演算した二次磁束の振幅および位相の偏差となることに着目し、両モデルの出力差から励磁インダクタンスおよび二次時定数を演算して電流モデルのパラメータを設定するパラメータ調節部を設け、二次磁束、励磁インダクタンスおよび二次時定数の高精度な演算を可能にしている。(例えば、特許文献1参照)
また、第2の従来技術は、一次抵抗と漏れインダクタンスを正しく設定・補償し、誘導電動機の停止状態で、交番磁束が発生するように正弦波の励磁電流指令を与え、電動機磁束と電流指令値から導かれる電流モデル磁束の位相差が零となるように二次回路時定数を同定し、電動機磁束と電流モデル磁束の振幅差が零となるように励磁インダクタンスを同定し、これら二次回路時定数と励磁インダクタンスを用いて二次抵抗を測定している。(例えば、特許文献2参照)。
さらに、第3の従来技術は、電圧出力位相を予め設定された任意の固定値とし、出力電圧指令値として所定値を与え、この際に誘導電動機に流れる一次電流検出値とその収束値i1∞を読み取り、一次電流検出値の時刻tにおけるi1(t)および一次抵抗値から磁束を推定(φ^(t))し、この収束値に係数kを乗じた値がi1∞となるようにkを定め、
R2=−R1(i1∞−i1(t))/(φ^(t)−i1(t))
更に、磁束推定値(φ^(t))の立ち上がりの時定数τφを用いて
M=R1・R2・τφ/(R1+R2)
により求めるようにしている。(例えば、特許文献3参照)
このように、従来の誘導電動機のインバータ制御装置は、M,T2を求める際、電圧モデルと電流モデルという異なる2つの磁束演算値を比較して求めたり、磁束推定値の立ち上がりの時定数を用いて求めたりするのである。
特公平6−79057号公報 特開平6−34724号公報 特開2004−144658号公報
従来の誘導電動機のインバータ制御装置は、電動機停止状態でのモータ電気定数のオートチューニングとしては使用が困難であったり、処理が複雑であったり、励磁インダクタンスの飽和特性の測定には不向きである等の問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、電動機停止状態で、励磁インダクタンスの飽和特性を含めモータ電気定数を高精度に測定することができる誘導電動機のインバータ制御装置を提供することを目的とする。
また、電動機に速度センサを持たない場合でも、既に電動機を負荷機械へ組み込まれた機械にも適用でき、静・動特性等の制御精度向上させることを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、誘導電動機を駆動するコンバータ部とインバータ部からなる電圧形インバータと、固定座標系における一次電圧指令からPWMパルスパターンを発生するPWM演算部と、前記電圧インバータをドライブするベースドライブ回路と、インバータ出力電流を検出する電流検出器と、前記検出電流値から固定座標系上の二軸成分値と回転座標系上のd軸電流,q軸電流を演算する第1の座標変換部と、d軸電流方向の電圧指令Vd*を演算する励磁電流制御部(ACRd)と、q軸電流方向の電圧指令Vq*を演算するトルク電流制御部(ACRq)と、前記d軸電流方向の電圧指令Vd*とq軸電流方向の電圧指令Vq*から、固定座標系上の二軸成分値と固定座標系上の一次電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を求める第2の座標変換部からなる誘導電動機のインバータ制御装置において、交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波指令発生部と、
前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を補正する電圧誤差補正部と、前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を用いて前記誘導電動機の二次磁束を演算する電圧モデル式磁束演算部と、前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、二次抵抗値を得るモータ定数測定部とからなることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器とからなることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさと、前記位相差検出器で求めた位相差に基づいて、二次回路時定数を得るモータ定数測定部からなることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器と、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさと、前記位相差検出器で求めた位相差に基づいて、二次回路時定数を得るモータ定数測定部からなることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、励磁インダクタンスを得るモータ定数測定部からなることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器と、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、励磁インダクタンスを得るモータ定数測定部からなることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数のいくつかの測定値と、前記二軸成分値の電流検出値とを用いて誘導電動機の二次磁束を演算する電流モデル式磁束演算部と、前記電流モデル式磁束演算部と前記電圧モデル式磁束演算部のそれぞれの出力値が一致するように、前記電圧モデル式磁束演算部が有する積分器のオフセットを補償するオフセット補償部とからなることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数のいくつかの測定値と、前記二軸成分値の電流検出値とを用いて誘導電動機の二次磁束を演算する電流モデル式磁束演算部と、前記電流モデル磁束演算部と前記電圧モデル式磁束演算部のそれぞれの出力値が一致するように、二次抵抗を補正演算するR2補正部とからなることを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記R2補正部による演算補正量が所定値以下になるまで、二次抵抗の補正処理を繰り返すことを特徴とするものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項3または4に記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記正弦波指令発生部からの励磁電流指令に直流信号を含むようにして得た前記位相差検出器の出力値である位相差に基づき、励磁インダクタンスの飽和特性を得ることを特徴とするものである。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、二次抵抗、二次回路時定数の測定値を用いて、励磁インダクタンスを得ることを特徴とするものである。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1、3、5のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記電圧誤差補正部は、位相は前記二軸成分値の電流検出値と同位相、振幅は前記二軸成分値の電圧指令値の振幅から前記電流検出値が極性反転するタイミング前後の連続した2点の電圧指令値の差の1/2だけ減じた正弦波信号を、電圧誤差補正後の電圧指令信号として求めることを特徴とするものである。
また、請求項13に記載の発明は、請求項2、4、6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置であって、前記電圧誤差測定部は、電圧誤差を前記二軸成分値の電圧指令値の振幅から前記電流検出値が極性反転するタイミング前後の連続した2点の電圧指令値の差の1/2として求めることを特徴とするものである。
請求項1、2に記載の発明によると、二次抵抗値を得ることができ、請求項3、4に記載の発明によると、二次回路時定数を得ることができ、請求項5、6に記載の発明によると、励磁インダクタンスを得ることができ、請求項7に記載の発明によると、電圧モデル式磁束演算部の積分器のオフセット補償することができるので、モータ電気定数の測定精度を上げることができ、請求項8、9に記載の発明によると、二次抵抗の測定精度を上げることができ、請求項10に記載の発明によると、励磁インダクタンスの飽和特性を得ることができ、請求項11に記載の発明によると、請求項5,6とは別手法で励磁インダクタンスを得ることができる。請求項12,13に記載の発明によると、デッドタイムによる電圧誤差を正確に補正あるいは測定できる。
これによって、モータ電気定数を精度よく得ることができるので、誘導電動機のインバータ制御装置での静・動特性等の制御精度を向上させる効果がある。
また、モータ電気定数のオフラインチューニングを、電動機停止状態で行うことができるので、速度センサを持たない場合でも、一度電動機を組み込んでしまった機械や、エレベータ・クレーン用途のようにブレーキ付きで垂直方向に移動する機械に適用できるようになる。
本発明の実施形態の説明の前に、まず、(1)適用する誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図とその動作、(2)電圧誤差測定および補正方法、(3)電圧誤差測定および補正方法について順次説明する。
(1) 適用する誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図とその動作について
図3は、本発明を適用する誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図である。図において、1は誘導電動機、2は誘導電動機1を駆動する電圧形インバータ(2aはコンバータ部、2bはインバータ部)、3はPWM演算部で固定座標系における一次電圧指令Vu*,Vv*、Vw*からPWM演算を行ってPWMパルスパターンを発生する。
4はベースドライブ回路、5はインバータ出力電流を検出する電流検出器、6は誘導電動機に付設された速度検出器、7は速度演算部で速度検出器6の検出パルスから誘導電動機1の検出速度ωrを演算する。
8は座標変換部で後述する磁束指令位相θを用いて、前記検出電流を3相/2相変換して回転座標d−q軸成分(Id:励磁電流,Iq:トルク電流)に変換し、9、10は減算器で、励磁電流指令Id*と検出Idとを突き合わせて励磁電流偏差ΔIdを、トルク電流指令Iq*と検出Iqとを突き合わせてトルク電流偏差ΔIqをそれぞれ求める。11は励磁電流制御部(ACRd)で励磁電流偏差ΔIdから励磁電流方向の電圧指令Vd*を、12はトルク電流制御部(ACRq)でトルク電流偏差ΔIdからトルク電流方向の電圧指令Vq*を求める。13は座標変換部で後述する磁束指令位相θを用いて、励磁電流方向の電圧指令Vd*とトルク電流方向の電圧指令Vq*から、固定座標系における一次電圧指令Vu*,Vv*、Vw*を求める。
なお、座標変換部8,13では、それぞれ(1)式、(2)式の演算が行われる。
14は磁束指令演算部、15はすべり周波数演算部、16は加算器で磁束指令演算部14は、前記検出速度ωrと、すべり周波数演算部15の出力値であるすべり周波数指令ωs*を加算器16を用いて加算した一次周波数指令ω1*を入力として、磁束指令φ*を出力する。17は係数器で前記φ*から励磁電流指令Id*を求める。18は積分器で前記一次周波数指令ω1*を積分し、磁束指令位相θを求める構成となっている。
(2) 電圧誤差測定および補正方法について
本発明の動作説明の前に、デッドタイムにより生じる電圧誤差の測定方法について図を用いて説明する。
図11は、電流制御を行っていない場合、つまり電圧指令Vα*を正弦波信号で与えたときの電圧指令Vα*、実電圧Vα、検出電流Iαとデッドタイムによる電圧誤差(電圧指令−実電圧)の関係を示した図である。この電圧誤差をEdとおくと、(1)式より検出電流Iαは相電流Iuに位相を合わせているので、デッドタイムの影響により、検出電流Iαが正の場合には出力電圧はVα*−Ed、負の場合にはVα*+Edとなる。なお、Ed=Td/Ts*Vdc(Td:デッドタイム時間、Ts:PWMスイッチング周期、Vdc:主回路直流電圧)である。
図12は、電流指令を正弦波信号で与え、電流制御を行った場合の電圧指令Vα*、実電圧Vα、検出電流Iαとデッドタイムによる電圧誤差(電圧指令−実電圧)の関係を示した図である。電流制御動作が正常に行われると、図11で示した電流波形の歪みは補償される。この結果、検出電流Iαが正の場合には電圧指令はVα+Ed、負の場合にはVα−Edとなり、検出電流Iα、実電圧Vαは、図12の点線で示すようにそれぞれ正弦波状となる。
以上より、電流制御を行った場合の電圧指令Vα*は、(3)、(4)式で表すことができる。
Vα*(+)− Ed = Vα (Iαが正極性の時) …(3)
Vα*(−)+ Ed = Vα (Iαが負極性の時) …(4)
次に、電圧誤差Edを用い、電流制御実施時の実電圧Vαの近似方法について説明する。
電動機停止状態、無負荷状態において、トルク電流指令Iq*を0とし、磁束位相θを固定しているので、実電圧Vαと電流検出値Iαの位相は一致する。つまり、実電圧Vαと電流Iαは同位相となり、電圧指令Vα*と実電圧Vαのピークのタイミング(位相)は一致する。
また、上記(3)、(4)式の実電圧Vαは、検出電流Iαの極性反転タイミング時においても一致するので、電圧誤差Ed は次式で求めることができる。
Ed = {Vα*(+)−Vα*(−)}/2 …(5)
以上の関係から、実電圧Vαは電圧指令Vα*と位相と振幅が一致する正弦波信号から、電圧誤差Ed分を減ずることで近似できることがわかる。この近似信号をVα*’(以下、正弦波近似信号Vα*’と称す)とすると、この関係は図13のようになる。図13では、電圧指令Vα*を実線で、電圧指令Vα*と位相と振幅が一致する正弦波信号を点線、正弦波近似信号Vα*’は一点鎖線で示している。
(3) モータ定数R2,Mの測定方法の基本的考え方について
二次磁束φαVは、誘導電動機の電圧方程式に基づき、(6)式により求まる。
また、二次磁束φαIは、誘導電動機の電流方程式に基づき、(7)式により求まる。
一方、検出電流Iαの振幅値は、最大値max(Iα)と最小値min(Iα)の差として求まる。
|Iα|peak=max(Iα)−min(Iα) ・・・(8)
また、検出電流Iαと二次磁束φαVの位相差δは、それぞれの最大値となる時間差(t2−t1)と、このときの正弦波指令信号の角周波数値ωとの積により求まる。
δ=(t2−t1)×ω ・・・(9)
いま、上記(7)式より、出力を二次磁束φαI、入力を検出電流Iαとすれば、出力/入力は、一次遅れ要素G(s)=M/(1+T2・p)(pは微分演算子)を伝達関数とする。このとき、周知のように、角周波数がωである正弦波信号を入力したときの出力の振幅比|G|、遅れ位相角∠Gは、次式で求まる。
ここで、φαI、φαVはともに電動機の二次磁束であるのでφαI=φαVが成立することより、(10)式において、1<<ω・T2が成立するωを選ぶ(以下、ω1とする)と、
となる。
したがって、ω1は既知であるので、次式で二次抵抗R2は求まる。
次に、同様にφαI=φαVであることより、(10)式において、1≒ω・T2が成立するωを選ぶ(以下、ω2とする)と、
となる。
上記(12)、(13)式より、次式で励磁インダクタンスMは求まる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例を示す誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図である。
図1が、適用する誘導電動機のインバータ制御装置(図3)と異なる部分は、正弦波指令発生部20、モータ定数測定部21、電圧誤差補正部90を備え、磁束指令位相θとトルク電流指令Iq*を0に固定し、座標変換部8、13に、それぞれ検出電流Iαと電圧指令Vα*信号を出力させ、Vα*信号は電圧誤差補正部90、Iα信号はモータ定数測定部21と電圧誤差補正部90へ入力するようになっている部分である。
図1において、正弦波指令発生部20は、正弦波成分を含む信号を出力し、出力信号は励磁電流指令Id*となっている。電圧誤差補正部90は、座標変換部8、13から出力される電圧指令Vα*と検出電流Iα信号を用いて電圧補正された正弦波近似信号Vα*’を演算し、モータ定数測定部21は、電圧誤差補正部90から出力されるVα*’とIαを用いてモータ定数を演算するようになっている。これら動作の詳細については後述する。
これら構成と上記(1)、(2)式により、誘導電動機1は停止状態を保持でき、IαとVα*は正弦波指令発生部20の出力信号に基づいた信号となり、Iβ=Iq*=0、Vβ*=Vq*=0となる。
次に、電圧誤差補正部90の動作を、図を参照して説明する。
図9は、電圧誤差補正部90の構成を示すブロック図である。図において、91、92はスイッチ回路、93は位相差検出器、94は振幅検出器、95、96、97は所定値設定回路である。98は減算器、99は電圧誤差測定器、100は正弦波発生器、101はスイッチ回路である。
なお、位相差検出器93と振幅検出器94はそれぞれ後述する位相差検出器60、振幅検出器50aと同一の構成のため、ここでは説明は省略する。
電圧誤差Ed測定のため、まず、スイッチ回路91、92をそれぞれa側に設定する。
正弦波指令発生部20は正弦波信号を含む信号を出力し、座標変換部8、13から、上記(1)、(2)式に基づき、IαとVα*信号を出力させ、検出電流Iαは位相差検出器93に、電圧指令Vα*は、位相差検出器93と振幅検出器94に入力され、検出電流Iαと電圧指令Vα*の位相差Va_phaseと電圧指令Vα*の振幅値Va_ampが検出される。検出した位相差Va_phaseと振幅値Va_ampはそれぞれ所定値設定回路95、96に設定される。
次に、スイッチ回路91、92をそれぞれb側に設定する。モータ検出電流Iαと電圧指令Vα*は後述する電圧誤差測定器99に入力され、電圧誤差Edが検出される。検出した電圧誤差Edは所定値設定回路97に設定される。
以上の動作で電圧誤差Ed測定が完了すると、スイッチ回路101はc側からd側に切り替えられ、正弦波発生器100は、検出電流Iαとは所定値設定器95に設定された位相差を持ち、所定値設定器96に設定された振幅値から所定値設定器97に設定された電圧誤差Edを減じた振幅値を持つ正弦波信号Vα*’を演算する。Vα*’は、後述するモータ定数測定部21へ出力さる。
以上のようにして、正弦波近似信号Vα*’は演算される。
次に、電圧誤差補正測定器99の動作を、図を参照して説明する。
図10は、電圧誤差測定器99の構成を示すブロック図である。図において、102、106は遅延回路、103はゼロクロス検出器、104,105はラッチ回路、107は減算器、108はゲインである。
ゼロクロス測定器103は、Iα信号の連続した2信号U1,U2が、U1<0、かつ、U2>0を満足したときにトリガ信号を出力する回路である。ゼロクロス検出器103により、Iα信号が正から負に変わった瞬間(ゼロクロス点)を検出する。
ゼロクロス検出器103がゼロクロスを検出し、トリガ信号をラッチ回路104,105へ出力すると、ラッチ回路104はVα*信号を、ラッチ回路105は遅延回路106により1回遅延されたゼロクロス直前のVα*信号をラッチする。減算器107により、ゼロクロス前後のVα*信号の差を求める。ゲイン108は減算器107出力に1/2倍のゲインを乗算した信号を電圧誤差Edとして出力する。
以上のようにしてデッドタイムの影響により生じる電圧誤差Edを演算する。
次に、モータ定数の測定について、図を用いて説明する。
図2は、電圧モデル式磁束演算部のオフセット補償、二次抵抗を補正演算する回路を含むモータ定数測定部21のブロック図である。図において、22a、22bは除算器、23は乗算器、24は正接(tan)演算器、30は電圧モデル式磁束演算部、40は電流モデル式磁束演算部、50a、50bは振幅値検出器、60は位相差検出器、70はオフセット補償部、80はR2補正部であり、モータ定数測定部21には、正弦波指令発生部20が出力する正弦波信号の角周波数値ω1、ω2とタイマ情報が入力される。
図4は、電圧モデル式磁束演算部30のブロック図である。図において、31は積分器、32、33は1次電圧降下演算部であり、32は一次抵抗R1分、33は漏れインダクタンス分を演算し、34a、34bは減算器である。
この構成により、(6)式の二次磁束φαVを演算する。
図5は、電流モデル式磁束演算部40のブロック図である。図5はモータ停止状態であることより、検出速度ωr=0のときを示している。図において、41は積分器、42、43は係数器で、42は二次回路時定数T2、43は二次抵抗R2の値が設定され、44は減算器である。
この構成により、(7)式の二次磁束φαIを演算する。
図6は、振幅値検出器50aのブロック図である。図において、51は最大値選択部、52は最小値検出器、53a、53bは遅延回路、54は減算器である。
この構成により、(8)式の入力信号であるIαの最大値max(Iα)と最小値min(Iα)の差として振幅値を検出する。
図7は、位相差検出器60のブロック図である。図において、61a、61bは最大値検出器、62a〜62fは遅延回路、63a、63bはラッチ部、64a、64bは最大値選択部、65は減算器、66は乗算器である。
最大値検出器61aは、Iα信号の連続した3信号をU1,U2,U3としたとき、U1<U2、かつ、U2>U3を満足したときにトリガ信号を出力する回路である。
この構成により、Iα信号とφαV信号がそれぞれ最大値となる時間差(t2 −t1)と、このとき指令されている正弦波信号の角周波数値ωとの積により、(9)式のIα信号とφαV信号の位相差δを測定する。
<R2の測定演算>
正弦波指令発生部20から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数値ω1と、前記振幅値検出器50a、50bで求められる電圧モデル式二次磁束と電流情報の振幅値の各最大値に基づいて、二次抵抗値R2を得る際の動作について説明する。
電圧モデル式磁束演算部30と電流モデル式磁束演算部40出力は一致すること、電流モデル式は、G(s)=M/(1+T2・p)と表現できることより、図4に示した電圧モデル式磁束演算部30を用いて、図1の回路で運転すれば、図6よりφαvとIαの振幅値の比率を|G|ω1として測定できるので、上記(11)式から次式で二次抵抗R2を演算することができる。
R2=|φαv|peak /|Iα|peak ×ω1 ・・・(15)
<T2の測定演算>
正弦波指令発生部20から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数値ω2と、位相差検出器60で求められる電圧モデル式磁束と電流情報の位相差に基づいて、二次回路時定数T2を得る際の動作について説明する。
図4に示した電圧モデル式磁束演算部30を用いて、図1の回路で運転すれば、図7によりφαv、Iαの位相差δが測定できるので、上記(10)式から次式で二次回路時定数T2を演算することができる。
T2=tanδ/ω2 ・・・(16)
<Mの測定演算>
電圧モデル式磁束と電流情報の振幅値の各最大値に基づいて励磁インダクタンスMを得る際の動作について説明する。
ω1とω2で、図4に示した電圧モデル式磁束演算部30を用いて、図1の回路で運転し、図6よりφαvとIαの振幅値の比率を、それぞれ測定できるので、上記(11)式から次式で励磁インダクタンスMを演算することができる。
また、これは二次抵抗R2を用いて、次のように演算することもできる。
<オフセット補償とR2の補正>
電圧モデル式磁束演算部30のオフセット補償と電流モデル式磁束演算部40でのR2の補正する際の動作について説明する。
図8は、電圧モデル式磁束演算部30と電流モデル式磁束演算部40と各出力値が一致するように補償する補償部70およびR2補正部80のブロック図である。図において、71は減算器、72は積分器、73は係数器、81a、81bは絶対値化回路、82は減算器、83は積分器、84は係数器である。
減算器71は電圧モデル式磁束演算部30と電流モデル式磁束演算部40の偏差Δφを積分器72に出力し、積分器72により偏差Δφを積分し、係数器73で係数(k1)倍後、電圧モデル式磁束演算部30内の積分器31の前段に帰還する。
また、絶対値化回路81a、81bはそれぞれ電圧モデル式磁束演算部30と電流モデル式磁束演算部40の出力値の絶対値をとり、減算器82は前記絶対値信号の偏差Δ|φ|を積分器83へ出力し、積分器83で偏差Δ|φ|を積分して係数器84で係数(k2)倍後、電流モデル式磁束演算部40内の係数器43を補正する。この補正は、図示していないが、加算器、乗算器を追加して、R2×(1+k)として行う。なお、kは係数器84の出力、R2は係数器43が対応している。
図8に示すように、これまで得た二次抵抗R2、二次回路時定数T2を電流モデル式磁束演算部40に設定し、電圧モデル式磁束演算部30のオフセット補償と電流モデル式磁束演算部40でそれぞれ演算した二次磁束が一致しないのは、各演算部に誤差成分があるからだと考える。
誤差成分として、電圧モデル式磁束演算部30では入力信号のオフセットであり、電流モデル式磁束演算部40では二次抵抗R2の測定誤差とする。
オフセット補償では、上記積分器72と係数器73で与える積分時間は、正弦波指令発生部20が出力する信号の正弦波成分の周期(1/ω2)に対し、十分長く取ることで平均化されるようにし、R2の補正処理では、オフセット補償と干渉しないように、上記積分器83と係数器84で与える積分時間は、正弦波指令発生部20が出力する信号の正弦波成分の周期(1/ω2)に対し、短めに取るとよい。
また、実際の二次抵抗R2の補正処理は、係数器84の出力Kを用い、次式で演算し、R2’として得る。
なお、励磁インダクタンスMは、(17)、(18) 式で求める替わりに(19)式のようにR2、T2から演算で求めてもよい。
上述したオフセット補償処理とR2補正処理を実施すると、電圧モデル式磁束演算値と電流モデル式磁束演算値の値が精度よく一致するようになるので、オフセット補償の精度が上がる。したがって、精度よくオフセット補償された電圧モデル式磁束演算部30を用いることで更に、二次抵抗R2の測定精度が上がるという好循環をもたらす。
二次抵抗R2の補正比率(R2’/R2)が所定値範囲内になるまで、上述したオフセット補償とR2補正処理を繰り返すようにすれば、精度のよい誘導電動機の二次抵抗R2、励磁インダクタンスMを得ることができる。
<Mの飽和特性の測定演算>
励磁インダクタンスMの飽和特性を得る際の動作について説明する。この動作の手順を順に追って説明する。
(1)事前準備として測定しようとしている誘導電動機のベース電圧Vbase、ベース周波数fbaseに基づいて、励磁電流(無負荷電流)Im0を次式で演算する。
なお、ベース電圧、ベース周波数情報は、通常インバータ制御装置内に記憶されているが、無ければ、インバータ装置に付属のオペレータ等(図示せず)から入力する。
(2)励磁インダクタンスMの飽和特性の測定ポイントを決定する。係数としてあるいは関数と得たい励磁電流値を決定する。
ここでは、(20)式でのIm0に対して、50%、75%、100%のポイントとして説明する。
(3)次に、これまで得た二次抵抗R2、二次回路時定数T2を電流モデル式磁束演算部40に設定するとともに、正弦波指令発生部20から発生された励磁電流指令信号(例えば、角周波数値ω2)に、直流量を含むようにして(21)式で与え、上述した図7の回路でφαv、Iαの位相差δを測定し、上記(16)式で二次回路時定数T21を演算する。
Id*=A・sinω2t+Im0×0.5 ・・・(21)
なお、振幅Aは、図7での最大値選択部64a、64bが、その最大値を測定可能な範囲で小さい値とする。
(4)(3)の動作を75%、100%の直流量で行い、T22、T23を演算する。
(5)測定したT21、T22、T23を用いて、その条件での励磁インダクタンスMを演算する。
M1=R2×T21
M2=R2×T22
M3=R2×T23
以上のようにして励磁インダクタンスMの飽和特性を測定することができる。
以上の説明では、モータ定数測定部21の入力を、電圧誤差補正部90出力である正弦波近似信号Vα*’として、モータ定数を演算するようにしたが、下記に示すように、電圧誤差補正部90から電圧誤差Edを出力させ、デッドタイム補償に用いるようにしてもよい。
<デッドタイム補償で電圧補償を行う方法>
このデッドタイム補償方法を図14、15を用いて簡単に説明する。
図14はデッドタイム補償器120を用いた電圧誤差Edを補正するブロック図であり、図15はデッドタイム補償器120の構成ブロック図である。
図14において、上記実施例(図1)と異なるのは、デッドタイム補償器120と加算器121、122、123を設け、電圧誤差補正部90への入力信号をVα*’信号からVα*信号に変更している点である。
電圧誤差補正部90は、測定した電圧誤差Edをデッドタイム補償器120に入力し、デッドタイム補償器120は、入力された3相の電流検出値Iu,Iv,Iwと電圧誤差Edに基づいてデッドタイム補償量を演算する。加算器121、122、123は、デッドタイム補償器120から出力された各相のデッドタイム補償量をそれぞれ電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に加算することでデッドタイム補償を行う。
なお、デッドタイム補償器120は、図15に示すように例えば極性判別器131、132、133、乗算器134、135、136からなり、極性判別器131,132、133はそれぞれ入力された電流検出値Iu,Iv,Iwの符号を出力し、乗算器134、135、136で各電流検出値の符号(正は1、負は−1)と電圧誤差Edを乗算して、デッドタイム補償量を演算する。
このようにして、デッドタイム補償を行うので、電圧指令Vα*と実際の出力電圧を一致させることができ、電圧誤差を補償することができる。
なお、上記では電圧誤差補正部90への入力信号をVα*’信号からVα*信号に変更するように説明したが、デッドタイム補償方法を行う場合でも、電圧誤差補正部90への入力信号をVα*’信号としてもよいことは言うまでもない。
本発明の実施例を示す誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図 電圧モデル式磁束演算部のオフセット補償、二次抵抗を補正演算する回路を含むモータ定数測定部21のブロック図 本発明を適用する誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図 電圧モデル式磁束演算部30のブロック図 電流モデル式磁束演算部40のブロック図 振幅値検出器50aのブロック図 位相差検出器60のブロック図 オフセット補償部70とR2補正部80のブロック図 電圧誤差補正部90のブロック図 電圧誤差測定器99のブロック図 デッドタイムによる電圧誤差の説明図(電流制御なしの場合) デッドタイムによる電圧誤差の説明図(電流制御ありの場合) 電流制御実施時の実電圧Vαの近似方法を示すVα*とVα*’の関係図 デッドタイム補償器120を用いた本発明の実施例を示す誘導電動機のインバータ制御装置のブロック図 デッドタイム補償器120のブロック図
符号の説明
1 誘導電動機
2 電圧形インバータ
2a コンバータ部
2b インバータ部
3 PWM演算部
4 ベースドライブ回路
5 電流検出器
6 速度検出器
7 速度演算部
8 座標変換部
9、10 減算器
11 励磁電流制御部(ACRd)
12 トルク電流制御部(ACRq)
13 座標変換部
14 磁束指令演算部
15 すべり周波数演算部
16 加算器
17 係数器
18 積分器
20 正弦波指令発生部
21 モータ定数測定部
22a、22b 除算器
23 乗算器
24 正接(tan)演算器
30 電圧モデル式磁束演算部
31 積分器
32、33 1次電圧降下演算部
34a、34b 減算器
40 電流モデル式磁束演算部
41 積分器
42、43 係数器
44 減算器
50a、50b 振幅値検出器
51 最大値選択部
52 最小値検出器
53a、53b 遅延回路
54 減算器
60 位相差検出器
61a、61b 最大値検出器
62a〜62f 遅延回路
63a、63b ラッチ部
64a、64b 最大値選択部
65 減算器
66 乗算器
70 オフセット補償部
71 減算器
72 積分器
73 係数器
80 R2補正部
81a、81b 絶対値化回路
82 減算器
83 積分器
84 係数器
90 電圧誤差補正部
91、92 スイッチ回路
93 位相差検出器
94 振幅検出器
95、96、97 所定値設定回路
98 減算器
99 電圧誤差測定器
100 正弦波発生回路
101 スイッチ回路
102 遅延回路
103 ゼロクロス検出器
104、105 ラッチ回路
106 遅延回路
107 減算器
108 ゲイン
120 デッドタイム補償器
121、122、123 加算器
131、132、133 極性判別器
134、135、136 乗算器

Claims (13)

  1. 誘導電動機を駆動するコンバータ部とインバータ部からなる電圧形インバータと、固定座標系における一次電圧指令からPWMパルスパターンを発生するPWM演算部と、前記電圧インバータをドライブするベースドライブ回路と、インバータ出力電流を検出する電流検出器と、前記検出電流値から固定座標系上の二軸成分値と回転座標系上のd軸電流,q軸電流を演算する第1の座標変換部と、d軸電流方向の電圧指令Vd*を演算する励磁電流制御部(ACRd)と、q軸電流方向の電圧指令Vq*を演算するトルク電流制御部(ACRq)と、前記d軸電流方向の電圧指令Vd*とq軸電流方向の電圧指令Vq*から、固定座標系上の二軸成分値と固定座標系上の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を求める第2の座標変換部からなる誘導電動機のインバータ制御装置において、
    交番磁束が発生するように正弦波成分を含む励磁電流を指令する正弦波指令発生部と、
    前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を補正する電圧誤差補正部と、
    前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を用いて前記誘導電動機の二次磁束を演算する電圧モデル式磁束演算部と、
    前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、二次抵抗値を得るモータ定数測定部とからなることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
  2. 請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、
    前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、
    前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器とからなることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
  3. 前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、
    前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさと前記位相差検出器で求めた位相差に基づいて、二次回路時定数を得るモータ定数測定部とからなることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  4. 請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、
    前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、
    前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器と、
    前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、
    前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさと前記位相差検出器で求めた位相差に基づいて、二次回路時定数を得るモータ定数測定部とからなることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
  5. 前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、
    前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、励磁インダクタンスを得るモータ定数測定部からなることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  6. 請求項1記載の電圧誤差補正部に代えて、
    前記二軸成分値の電圧指令値と電流検出値を入力とし、デッドタイムによる電圧誤差を測定する電圧誤差測定部と、
    前記電圧誤差を用いて前記電圧指令値に電圧誤差の補正を行うデッドタイム補償器と、
    前記電圧モデル式磁束演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の位相差を検出する位相差検出器と、
    前記正弦波指令発生部から発生された励磁電流指令信号が含む角周波数の大きさ、及び、前記電圧モデル式演算部で得た二次磁束演算値と固定座標系上の前記電流検出値の各振幅最大値に基づいて、励磁インダクタンスを得るモータ定数測定部からなることを特徴とする誘導電動機のインバータ制御装置。
  7. 二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数のいくつかの測定値と前記二軸成分値の電流検出値とを用いて誘導電動機の二次磁束を演算する電流モデル式磁束演算部と、
    前記電流モデル式磁束演算部と前記電圧モデル式磁束演算部のそれぞれの出力値が一致するように、前記電圧モデル式磁束演算部が有する積分器のオフセットを補償するオフセット補償部とからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  8. 二次抵抗、励磁インダクタンス、二次回路時定数のいくつかの測定値と前記二軸成分値の電流検出値とを用いて誘導電動機の二次磁束を演算する電流モデル式磁束演算部と、
    前記電流モデル磁束演算部と前記電圧モデル式磁束演算部のそれぞれの出力値が一致するように、二次抵抗を補正演算するR2補正部とからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  9. 前記R2補正部による演算補正量が所定値以下になるまで、二次抵抗の補正処理を繰り返すことを特徴とする請求項8記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  10. 前記正弦波指令発生部からの励磁電流指令に直流信号を含むようにして得た前記位相差検出器の出力値である位相差に基づき、励磁インダクタンスの飽和特性を得ることを特徴とする請求項3または4に記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  11. 二次抵抗、二次回路時定数の測定値を用いて、励磁インダクタンスを得ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  12. 前記電圧誤差補正部は、位相は前記二軸成分値の電流検出値と同位相、振幅は前記二軸成分値の電圧指令値の振幅から前記電流検出値が極性反転するタイミング前後の連続した2点の電圧指令値の差の1/2だけ減じた正弦波信号を電圧誤差補正後の電圧指令信号として求めることを特徴とする請求項1、3、5のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
  13. 前記電圧誤差測定部は、電圧誤差を前記二軸成分値の電圧指令値の振幅から前記電流検出値が極性反転するタイミング前後の連続した2点の電圧指令値の差の1/2として求めることを特徴とする請求項2、4、6のいずれかに記載の誘導電動機のインバータ制御装置。
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