JP2010081746A - 電動機の駆動装置並びに冷凍空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流座標変換手段9は電流検出手段6が検出した相電流を直交2軸座標上の電流に変換し、印加電圧制御手段10は電流座標変換手段9の出力、直流電圧検出手段7の出力、外部からの速度指令及びd軸電流指令に基づきタイマ値を出力する。PWM生成手段11は印加電圧制御手段10の出力に基づきPWM信号を生成する。出力電圧推定手段12は印加電圧制御手段10の出力と直流電圧検出手段7の出力に基づき電動機3に出力される三相の電圧を推定する。電圧座標変換手段13は出力電圧推定手段12の出力を直交2軸座標上の電圧に変換し、消費電力演算手段14は電流座標変換手段9の出力と電圧座標変換手段13の出力とに基づき電動機3の消費電力を推定する。
【選択図】図3
Description
また、『モータ回転角周波数と、トルク指令と、モータ回転子に同期して回転するdq軸直交座標で表わしたd軸電圧およびq軸電圧と、d軸電流およびq軸電流とを入力として、インバータ出力有効電力指令とインバータ出力有効電力とを演算し、かつ当該演算した有効電力が有効電力指令に追従するような電流位相補正値をd軸電流指令およびq軸電流指令演算の補正値として演算して出力する有効電力制御手段を備えて成る』というものもある(特許文献2)。
さらに、『電気車の速度情報および電動機に供給する電流指令ならびに電動機の電流検出値から得たインバータ電圧指令と電動機に供給する電流指令により電動機の消費電力を求める電力演算装置と、フィルタコンデンサ電圧の検出装置と、電力演算装置の求めた電動機の消費電力とフィルタコンデンサ電圧の目標値とフィルタコンデンサ電圧の検出値を用いてフィルタコンデンサ電圧の制御を行う電圧制御装置を有する』というものもある(特許文献3)。
また、上記特許文献2に開示されている従来技術においても、上記特許文献1と同様に過変調領域において、正確な電力を求めることができず、精度良く有効電力制御ができないという課題がある。
さらに、上記特許文献3に開示されている従来技術においても、上記特許文献1及び上記特許文献2と同様に過変調領域において求めた消費電力に誤差が生じ精度良く電圧制御ができないという課題がある。
さらに、上記特許文献4に開示されている従来技術では、過変調領域の運転が可能であるが、この過変調領域において電圧指令値と電動機に印加される電圧が一致せず、電圧指令値と電流から消費電力を正確に推定することが困難であるという課題がある。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機の駆動装置の構成を示す図である。
図1において、1は直流電源、2は本実施の形態1に係る電動機の駆動装置、3は電動機である。
直流電圧検出手段7は、インバータ主回路5に印加される直流電源1の電圧Vdcを検出し、インバータ制御手段8に出力する。
インバータ制御手段8は、電流検出手段6、母線電圧手段7の出力に基づいて駆動信号を出力し、インバータ主回路5内のスイッチング素子のオン・オフを制御する。
なお、上記の例では回転数指令ω*、およびd軸電流指令値Id*に基づいて電圧指令値Vd*、Vq*を出力したが、巻線抵抗、巻線インダクタンス、誘起電圧定数等のモータパラメータやトルク指令に基づいて電圧指令値Vd*、Vq*を出力してもよい。
電動機3の消費電力つまり有効電力は一般に電動機3に印加される電圧の実効値|V|と、流れる電流の実効値|I|と電圧と電流の位相差φを用いて式(3)で表される。
以下、これについて説明する。図10にインバータの回路を示す。直流電圧Vdcについては説明の関係上仮想中性点を設定し、Vdc/2ずつに分けている。ここで、UPをON、VPをOFF、WPをOFF、UNをOFF、VNをON、WNをONとすると、電動機のU相電圧VuにはVdc/2の電圧が印加されることになる。また、UPをOFF、VPをON、WPをON、UNをON、VNをOFF、WNをOFFとすると、Vuは−Vdc/2の電圧が印加される。このUP等のスイッチング素子の駆動信号は、図8に示すタイマ値を用いて生成している。タイマ値は、直流電圧Vdcに対して出力したい電圧の比率から0〜1に正規化して求めている。しかしながら、0〜1に正規化しても負の電圧を表すことができないため、0.5を基準として−0.5〜+0.5の範囲で出力したい電圧の正負を表している。即ち、図9の方式では、0.5からタイマ値を減算し、これにVdcを乗算することで、−Vdc/2〜Vdc/2を得ており、タイマ値が1の時には−Vdc/2の電圧が出力され、タイマ値が0の時にはVdc/2の電圧が出力されることになる。
なお、図9の方式では、0.5からタイマ値を減算したが、タイマ値から0.5を減算しても良く、同様に−Vdc/2〜Vdc/2が得られる。この場合、タイマ値が1の時にはVdc/2の電圧が出力され、タイマ値が0の時には−Vdc/2の電圧が出力されることになる。
また、上記の例では正規化に0〜1、あるいは−0.5〜+0.5の値を用いたが、これに限る必要はなく、他の値の取り方でも実現可能である。
また、消費電力が最小となることにより、発熱等も抑えられるため、熱による経年劣化も少なく、信頼性の高い電動機の駆動装置を提供できるだけでなく、放熱板等も小型化可能となり、低コスト化も図れる。
実施の形態1ではデッドタイムによる影響が無い場合の、消費電力の演算方法について説明した。
実施の形態2においては、インバータ主回路を駆動する際に、上下スイッチング素子の短絡防止のために用いる短絡防止時間(デッドタイム)による影響を低減させる方法について説明する。
実施の形態2は、デッドタイム補正手段22を備える以外は実施の形態1と何ら変わりはないため、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態2ではデッドタイム補正が行われている場合の、消費電力の演算方法について説明した。
実施の形態3においては、デッドタイム補正が行われていない場合の、消費電力の演算方法について説明する。
以上の実施の形態1〜3で説明した電動機の駆動装置の活用例として、空気調和機や冷蔵庫などの冷凍空調装置などが挙げられる。
Claims (17)
- 直流電圧を交流電圧に変換して電動機に印加するインバータと、
前記電動機に流れる相電流を検出する電流検出手段と、
前記インバータに印加される直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
前記インバータが電動機に印加する電圧を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記電流検出手段の出力を直交2軸座標の電流に変換し、前記直交2軸座標の電流と所定の基準値に基づき直交2軸座標の電圧指令値を演算した後、前記直交2軸座標の電圧指令値に基づいて、前記電動機に印加する三相の電圧指令値を求め、前記三相の電圧指令値と前記直流電圧検出手段の出力と前記直交2軸の電流に基づいて前記電動機の消費電力を求めることを特徴とする電動機の駆動装置。 - 直流電圧を交流電圧に変換して電動機に印加するインバータと、
前記電動機に流れる相電流を検出する電流検出手段と、
前記インバータに印加される直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
前記インバータが電動機に印加する電圧を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記電流検出手段が検出した相電流を直交2軸座標上の電流に変換する電流座標変換手段と、
前記電流座標変換手段の出力および前記直流電圧検出手段の出力と所定の基準値に基づき、直交2軸座標上の電圧指令値を演算したのち、前記電動機に印加する三相の電圧指令値に変換し出力する印加電圧制御手段と、
前記印加電圧制御手段の出力に基づいて前記インバータを駆動するためのPWM信号を生成するPWM生成手段を備え、
前記印加電圧制御手段の出力および前記直流電圧検出手段の出力に基づいて、前記電動機に出力される三相の電圧を推定する出力電圧推定手段と、
前記出力電圧推定手段の出力を直交2軸座標上の電圧に変換する電圧座標変換手段と、
前記電流座標変換手段の出力と、前記電圧座標変換手段の出力により、前記電動機の消費電力を推定する消費電力演算手段と、を備えたことを特徴とする電動機の駆動装置。 - 前記制御手段は、前記三相の電圧指令値として前記インバータを駆動するためのPWM信号を生成するタイマ値を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の駆動装置。
- 前記所定の基準値は巻線抵抗、巻線インダクタンス、誘起電圧定数等のモータパラメータ、トルク指令、回転数指令、およびd軸電流指令値の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記相電圧の指令値が前記直流電圧検出手段の出力に基づいて決定される制限値を超過した場合、前記制限値以下となるように前記相電圧の指令値を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記電動機に印加される電圧と、前記電動機に印加する電圧の指令値との、前記インバータのデッドタイムにより生じる誤差を、前記電流検出手段が検出した相電流に基づいて補正して、前記PWM生成手段へ出力するデッドタイム補正手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記電動機に印加される電圧と、前記印加電圧制御手段によって得られる前記電動機に印加する電圧の指令値との、前記インバータのデッドタイムにより生じる誤差を推定する電圧誤差推定手段を備え、
前記制御手段は、前記電圧誤差推定手段の出力に基づいて、前記出力電圧推定手段の出力を補正することを特徴とする請求項2に記載の電動機の駆動装置。 - 前記電動機に印加される電圧と、前記印加電圧制御手段によって得られる前記電動機に印加する電圧の指令値との、前記インバータのデッドタイムにより生じる誤差を推定する電圧誤差推定手段を備え、
前記制御手段は、前記電圧誤差推定手段の出力に基づいて、前記電圧座標変換手段の出力を補正することを特徴とする請求項2に記載の電動機の駆動装置。 - 前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した相電流、前記直流電圧検出手段が検出した直流電圧、前記インバータのキャリア周波数及び前記インバータのデッドタイムの少なくともいずれかによって前記誤差を演算することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記消費電力演算手段の出力が最小電力となるよう前記直交2軸座標上のd軸電流の指令値を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記消費電力演算手段の出力に基づき前記電動機の過負荷状態を検出し、前記電動機が過負荷状態に陥ったことを検出すると、前記電動機の回転速度を低下させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、あらかじめ消費電力の制限値を記憶した消費電力制限値記憶手段を備え、前記消費電力演算手段の出力に基づき、前記消費電力の制限値以内で、前記電動機の回転数を増加させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記消費電力演算手段の出力に基づき、外部の報知手段に消費電力に応じた表示および報知を行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電動機の駆動装置。
- 前記消費電力演算手段の出力に基づき、前記電動機の脱調状態を検出する脱調検出手段を備え、
前記制御手段は、前記脱調検出手段が前記電動機の脱調状態を検出すると、前記電動機を再起動することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電動機の駆動装置。 - 請求項1〜13のいずれかに記載の電動機の駆動装置と、この駆動装置からの情報に基づき表示などの報知を行う報知手段とを備えことを特徴とする冷凍空調装置。
- 請求項14に記載の電動機の駆動装置を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
- 前記消費電力演算手段の出力に基づき、料金を求める料金演算手段を備えたことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の冷凍空調装置。
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