JP5447315B2 - 交流電動機制御装置 - Google Patents

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本発明は、交流電動機制御装置の電流検出時のオフセット誤差を補正する技術に関するものである。
交流電動機の駆動制御では、一般的に電流センサや位置検出器によりモータの駆動状態を検出しつつ検出電流を目標電流に追従させるベクトル制御が行われている。電流センサには、カレントトランスや高精度抵抗器といった電流から電圧への変換デバイス、電圧を増幅するオペアンプ、AD変換器といったアナログ回路が含まれている。アナログ回路は、その温度特性や過度特性によってオフセットを生じさせ、モータの電気角周期と同期したトルク変動(電気角1次成分)を引き起こしてしまうという問題があった。この問題を解決するための補正技術が従来から多くの提案がなされている(特許文献1〜6)。
特開2006−121860号公報 特開2006−149045号公報 特開平8−47280号公報 特開昭62−233084号公報 特開2001−186784号公報 特表2000−014866号公報
しかし、たとえば特許文献3〜6の技術では、オフセット補正値を学習できるタイミングが限られていた。すなわち、オフセット補正値は、電源投入時や通電開始直前、特殊な運転モード時といった特定の状態でのみ可能であった。一方、特許文献1、2の技術では、他の要因に起因するオフセット誤差を電流センサのオフセット誤差であると誤認した状態でオフセット補正値を誤って学習するという問題が本発明者によって見出された。本発明者は、他の要因としてモータの位置を検出する位置検出器の誤差に起因して発生する電圧のオフセット誤差を見出した。
本発明は、上述の従来の課題を解決するために創作されたものであり、電流センサが有するオフセット誤差の補正性能を向上させる技術を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
請求項1の発明は、多相交流電動機に多相交流電圧を印加して制御する交流電動機制御装置であって、
前記多相交流電動機に供給されている各相の電流を検出して各相の電流検出値を出力する電流センサと、
与えられた電流指令値と前記各相の電流検出値とに応じて、前記電流指令値に対して各相の電流を追従させるための各相の電圧指令値を生成する制御部と、
前記各相の電圧指令値に応じて各相の電圧を前記多相交流電動機に印加する電力増幅部と、
前記各相の電圧指令値の電圧オフセットを表す電圧オフセット値を決定し、前記各相の電圧オフセット値に応じて前記各相の電流検出値を操作して、前記電圧オフセット値を低減させる相電圧オフセット補正部と、
前記各相の電流検出値の電流オフセットを表す電流オフセット値を決定し、前記各相の電流オフセット値に応じて前記各相の電流検出値を補正して前記電流オフセットを低減させる相電流オフセット補正部と、
を備え、
前記交流電動機制御装置は、前記相電流オフセット補正部の作動よりも前記相電圧オフセット補正部を優先的に作動させることを特徴とする。
上記発明では、印加電圧の各相電圧のオフセット値を十分に小さくした状態(たとえばほぼゼロ)において、すなわち多相モータ(たとえば三相モータ)の各相電流のオフセットが理論的に消滅した状態において電流センサの検出誤差を検出することができる。換言すれば、多相モータの実電流にオフセットが発生しないように相電圧オフセットがゼロになるように補正した状態において、電流センサの検出値に含まれるオフセット値を求めて補正を行うことを特徴としている。
これにより、複数の誤差に起因する複合的な誤差が発生する状態においても、他の誤差要因の影響を受けることなく電流センサのオフセット誤差を検出することができるので、正確なオフセット補正が可能となる。他の誤差要因としては、たとえば三相モータの位置検出誤差が相電圧オフセットを介して電流センサの誤差として顕在化することが本発明者の試験と解析とによって見出された。
このように、本発明によれば、他の誤差要因の影響を排除して、電流センサを構成するアナログ回路の温度特性や過度特性に伴うオフセットの補正を実現することができる。その結果、電流センサのオフセットを正確に求めて補正することができ、モータの電気角周期と同期したトルク変動(電気角1次成分)を抑制できる。さらに、本発明は、モータを駆動させている状態であれば常時オフセット補正値学習が行えるという利点をも有している。
なお、電圧オフセット値や電流オフセット値の決定は、電圧オフセット値や電流オフセット値を定量的に算出するだけでなく、符号のみ決定する場合も含まれる。
請求項2の発明では、前記優先的な作動は、前記相電圧オフセット補正部を作動させて前記電圧オフセット値が予め設定された値より小さな値となってから、前記相電流オフセット補正部の動作を開始させることによって実現されていることを特徴とする。
上記発明では、各相電圧指令値のオフセット値が予め設定された値より小さな値となってから相電流オフセット補正器の動作が開始されるので、他の誤差要因の影響の排除の確認後に電流検出誤差が検出されることになる。これにより、他の誤差要因の影響を排除した状態でオフセットを補正することができる。
請求項3の発明では、前記優先的な作動は、前記相電圧オフセット補正部の時定数が、前記相電流オフセット補正部の時定数よりも小さく設定されることによって実現されていることを特徴とする。
上記発明では、相電圧オフセット補正器の時定数が相電流オフセット補正器の時定数よりも小さいので、相電圧オフセット補正が相電流オフセット補正に時間的に先行することになる。このような構成によっても、他の誤差要因の影響を排除した状態でオフセットを補正することができる。
請求項4の発明では、前記相電圧オフセット補正部は、前記各相の電圧オフセット値に応じて生成された電圧オフセット補正値を前記各相の電流検出値に加算することによって前記各相の電流検出値を操作することを特徴とする。
上記発明では、相電圧オフセット補正部の出力が電流検出値に加算されるので、その加算値を打ち消すように電流制御器が働くことになる。これにより、各相電圧指令値に含まれるオフセットを抑制することができる。電流検出値への加算は、相電流オフセットの補正前であっても良く補正後でも良い。
請求項5の発明では、前記交流電動機制御装置は、さらに静止座標系から回転座標系に座標系を変換する座標変換部を備え、
前記電流センサは、前記静止座標系における値として前記各相の電流検出値を出力し、
前記制御部は、前記回転座標系において、前記座標変換部によって変換された前記各相の電流検出値に応じて前記各相の電圧指令値を生成し、
前記相電圧オフセット補正部は、前記座標変換部によって前記回転座標系における値に変換された前記各相の電流検出値を操作することを特徴とする。
上記発明では、相電圧オフセット補正部は、座標変換部によって回転座標系における値に変換された各相の電流検出値を操作することを特徴としている。このように、各相の電流検出値の操作は、静止座標系と回転座標系のいずれの座標系において行われても良い。
請求項6の発明では、前記相電圧オフセット補正部は、前記各相の電圧指令値を電気角の整数倍周期で積分させることによって前記電圧オフセット値を決定することを特徴とする。
上記発明では、各相電圧指令値を電気角の整数倍周期で積分させることによって各相電圧指令値のオフセット値が算出されるので、高回転時においても複数周期のサンプリングデータを使用して積分回数を確保することができる。複数周期のサンプリングデータは、サンプリング周期と三相モータの回転周期が非同期なので、周期毎に位相がシフトした値として取得することができるからである。
請求項7の発明では、前記相電流オフセット補正部は、前記各相の電流検出値を電気角の整数倍周期で積分させることによって前記電流オフセット値を決定することを特徴とする。
上記発明では、各相電流検出値を電気角の整数倍周期で積分させることによって各相電流検出値のオフセット値が算出されるので、高回転時においても複数周期のサンプリングデータを使用して積分回数を確保することができる。請求項6の発明において、サンプリングの対象を各相電圧指令値から各相電流検出値に置き換えた発明である。
請求項8の発明では、前記相電圧オフセット補正部は、前記電圧オフセット値をモータ抵抗値で割ることで前記電圧オフセット値に相当する電流補正量を算出し、前記電流補正量を使用して前記電流検出値を操作することを特徴とする。
上記発明では、相電圧積分値をモータ抵抗値で割ることで相電圧オフセット値に相当する電流オフセット値を算出することができるので、電流オフセット値の算出に起因する演算の簡素化や演算時間の短縮化を実現することができる。本発明は、三相モータのインピーダンスの交流分であるインダクタンス成分が省略可能である点に着目して創作されたものである。
請求項9の発明では、前記交流電動機制御装置は、さらに、前記交流電動機の回転位置を検出して回転位置情報を出力する位置センサを備え、
前記相電圧オフセット補正部は、前記電圧指令値を積分する電圧積分器を有し、
前記電圧積分器は、前記回転位置情報の演算周期間の位置変化量を前記電圧指令値に乗じて積分することを特徴とする。
上記発明では、回転位置情報の演算周期間の位置変化量が電圧積分器の入力値に乗じられるので、演算周期間内において回転速度が変動しても、電圧指令値の積分値が影響を受けることなく正確に算出可能である。
請求項10の発明では、前記交流電動機制御装置は、さらに、前記交流電動機の回転位置を検出して回転位置情報を出力する位置センサを備え、
前記相電流オフセット補正部は、前記電流検出値を積分する電流積分器を有し、
前記電流積分器は、前記回転位置情報の演算周期間の位置変化量を前記電流検出値に乗じて積分することを特徴とする。
上記発明では、回転位置情報の演算周期間の位置変化量が電流積分器の入力値に乗じられるので、演算周期間内において回転速度が変動しても、電圧指令値の積分値が影響を受けることなく正確に算出可能である。
なお、本発明は、交流電動機制御装置だけでなく、たとえば制御方法や制御機能を具現化するコンピュータプログラム、そのプログラムを格納するプログラム媒体あるいはプログラム製品といった形で具現化することもできる。
第1実施形態の動力制御装置の制御ブロック図。 動力制御装置10のオフセット補正のルーチンを示すフローチャート。 オフセット補正の処理状態を示すタイムチャート。 第2実施形態におけるオフセット補正のルーチンを示すフローチャート。 オフセット補正の処理状態を示すタイムチャート。 第3実施形態において高速回転時の相電圧指令値のサンプリング状態を示すグラフ。 高速回転時における相電圧指令値のサンプリング位置のズレを示すグラフ。 サンプリング位置のズレを利用した積分回数の擬似的な増加方法を示すグラフ。 第4実施形態において相電圧指令値のオフセット値の算出のためにモータ位置で積分する方法を示すグラフ。 第1変形例の動力制御装置の制御ブロック図。 第2変形例の動力制御装置の制御ブロック図。 第3変形例の動力制御装置の制御ブロック図。
以下、本発明を具現化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、三相交流電動機の駆動制御装置について具体化しており、それを図1乃至図12に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の動力制御装置10の制御ブロック図である。第1実施形態は、三相モータ90と、三相モータ90に各相電圧指令値に応じた電圧を印加して制御する動力制御装置10とを備える動力装置として構成されている。動力制御装置10は、パワー増幅器13と、電流制御器11と、三相モータ90の各相電流値を電流制御器11にフィードバックするための電流センサ15と、逆dq変換器12と、dq変換器18と、位置センサ19と、相電流オフセット補正部16と、相電圧オフセット補正部17と、を備えている。パワー増幅器13は、直流電力Vdcから三相交流を生成して三相モータ90に供給するインバータである。電流制御器11は、パワー増幅器13に各相の電圧指令値を与える制御器である。電流センサ15は、三相モータ90の各相の電流値を電流制御器11にフィードバックするために電流値を検出する。
なお、駆動制御装置は交流電動機制御装置とも呼ばれる。パワー増幅器13は電力増幅部とも呼ばれる。三相モータ90は多相交流電動機とも呼ばれる。dq変換器18は座標変換部とも呼ばれる。電流制御器11は制御部とも呼ばれる。
電流制御器11は、直交二軸回転座標系であるdq座標系においてPI制御を実行する制御器である。電流制御器11は、dq座標系における制御出力信号として電圧指令値Vd*,Vq*を出力する。逆dq変換器12は、dq座標系における電圧指令値Vd*,Vq*に対して逆dq変換を実行して、三相静止座標系の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を生成し、パワー増幅器13に与える。パワー増幅器13は、三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に応じた三相交流電圧を三相モータ90に印加する。
一方、電流センサ15は、三相モータ90の各相の電機子の電流検出値Iu1,Iv1,Iw1を検出して電流制御器11にフィードバックする。各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwは、dq変換器18によってdq座標系の電流値Id,Iqにdq変換された後に電流制御器11にフィードバックされる。各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwは、相電流オフセット補正部16と相電圧オフセット補正部17とによって電流検出値Iu1,Iv1,Iw1を補正した値である。
dq変換器18は、位置センサ19によって検出された回転位置を表す回転位置情報θに基づいて、各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwを、dq座標系における電流値Id,Iqにdq変換する座標変換器である。逆dq変換器12は、回転位置情報θ+θeに基づいてdq座標系における電圧指令値Vd*,Vq*を三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に逆dq変換する座標変換器である。回転位置情報θ+θeは、三相モータ90の実際の位置に位置センサ誤差θeが加算された値を表す情報である。
これにより、電流制御器11は、三相静止座標系における正弦波電圧である電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を直交二軸回転座標系であるdq座標系における直流電圧として扱うことができる。
電流制御器11は、電流指令値としての目標値Id*,Iq*と、フィードバック量としての電流値Id,Iqとの間の偏差δId*,δIq*を小さくするための指令値として電圧指令値Vd*,Vqを生成する。本実施形態では、各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwは、電流検出値Iu1,Iv1,Iw1に対して、電流オフセット補正値Ciと電圧オフセット補正値Cvとが加算された値である。
相電流オフセット補正部16は、電流検出値Iu1,Iv1,Iw1の各相からオフセットが抑制された中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2を生成する。中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の生成は、各相の電流検出値Iu1,Iv1,Iw1に個別に電流オフセット補正値Ciを加算することによって行われる。
相電流オフセット補正部16は、電流積分器21と加減算部22とを備えている。電流積分器21は、中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相の積分演算を実行してオフセット値を算出する。オフセット値の算出は、たとえば特開平5‐252785号公報に開示されているように電気角1周期分を時間積分して電流オフセット値を算出してもよく、本発明者が考案した後述の方法で高精度の算出を行うようにしてもよい。オフセット値は、本実施形態では、正負の符号として生成される。
加減算部22は、オフセット値の符号に応じて一定の補正量を加減算して電流オフセット補正値Ciを増減させる。これにより、中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相のオフセットがゼロに収束するように電流オフセット補正値Ciが操作されることになる。中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相のオフセットがほぼゼロに収束すると、電流オフセット補正値Ciは、一定の値で安定することになる。なお、補正量は、一定の値でなくオフセット値の所定のゲインを乗じた値として加減算処理を行っても良い。
相電圧オフセット補正部17は、中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相の値に対して個別に電圧オフセット補正値Cvを加算し、これにより各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwを生成する。電圧オフセット補正値Cvは、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*のオフセットを抑制するための補正値である。
相電圧オフセット補正部17は、電圧積分器24と加減算部23とを備えている。電圧積分器24は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の各相の積分演算を実行して電圧オフセット値を算出する。オフセット値の算出は、電流積分器21と同一の方法で行われる。加減算部23は、オフセット値の符号に応じて一定の補正量を加減算して電圧オフセット補正値Cvを増減させる。
このように、電流制御器11は、相電圧オフセット補正部17が出力する電圧オフセット補正値Cvが含まれている各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwを使用してフィードバック制御を行うので、結果的に電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*のオフセットを抑制するような制御を実行することになる。一方、相電流オフセット補正部16は、電流オフセット補正値Ciを操作して中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相のオフセットをゼロに収束させるように機能する。
図2は、動力制御装置10のオフセット補正のルーチンを示すフローチャートである。図3は、オフセット補正の処理状態を示すタイムチャートである。チャートG1は、電流オフセット補正値Ciの時間的な変化を示している。チャートG2は、相電圧指令値オフセット算出値Cvcの時間的な変化を示している。チャートG3は、中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の各相のオフセット値である相電流検出値オフセット算出値Cicの時間的な変化を示している。本タイムチャートでは、動力制御装置10は、時刻Aにおいて相電圧オフセット補正部17が相電圧オフセット補正を開始し、時刻Bにおいて相電流オフセット補正部16が相電流オフセット補正を開始している。
ステップS11では、相電圧オフセット補正器27(図1参照)は、チャートG2に示されるように、時刻Aにおいて相電圧指令値オフセット算出値Cvcの算出を開始する。相電圧指令値オフセット算出値Cvcは、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の各相のオフセット値である。相電圧指令値オフセット算出値Cvcの算出開始時点では、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*がゼロ中心となっておらず各相でオフセットが生じているので、相電圧指令値オフセット算出値Cvcは正または負の値になっている。
ステップS12では、相電圧オフセット補正部17は、相電圧指令値のオフセット値補正処理を実行する。オフセット値補正処理は、前述のように相電圧指令値オフセット算出値Cvcの符号等に応じて各相の電圧オフセット補正値Cvを増減することによって行われる。
これにより、相電圧指令値オフセット算出値Cvcは、時刻Tx1においてほぼゼロに収束し、電圧オフセット補正値Cvもほぼ一定の値で安定することになる。一方、相電流検出値オフセット算出値Cicは、相電圧オフセット補正部17による相電圧指令値のオフセット値補正処理の影響によって時刻Tx1までの間で変動している。
ステップS13では、動力制御装置10は、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったか否かを判断する。相電圧指令値オフセット算出値Cvcが所定値以上と判断された場合には、処理をステップS11に戻す。一方、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが所定値より小さいと判断された場合には、処理をステップS14に進める。これにより、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが予め設定された閾値としての所定値より小さくなった場合にのみ処理がステップS14に進められることになる。この例では、時刻Bにおいて処理がステップS14に進められている。
ステップS14では、相電流オフセット補正器26(図1参照)は、時刻Bにおいて相電流検出値オフセット算出値Cicの算出を開始する。相電流検出値オフセット算出値Cicの算出は、相電圧指令値オフセット算出値Cvcの算出と同一の方法で行われる。ステップS15では、相電流オフセット補正部16は、相電流検出値のオフセット値補正処理を実行する。本オフセット値補正処理は、相電流オフセット補正器26で生成された電流オフセット補正値Ciを電流検出値Iu1,Iv1,Iw1に加算することによって行われる。電流オフセット補正値Ciの生成は、相電流検出値オフセット算出値Cicを使用して電圧オフセット補正値Cvの生成と同一の方法で行われる。
これにより、相電流検出値オフセット算出値Cicは、時刻Bにおいて変動を開始する。一方、電圧オフセット補正値Cvは、電流オフセット補正値Ciの操作の影響を受けてわずかに変動している。電流オフセット補正値Ciの操作によって電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*にオフセットが発生しているからである。
相電圧オフセット補正部17は、相電流オフセット補正部16の作動開始後も作動を継続しているので、相電圧指令値オフセット算出値Cvcがほぼゼロに収束し、電圧オフセット補正値Cvもほぼ一定の値で安定することになる。一方、相電流検出値オフセット算出値Cicは、相電圧指令値オフセット算出値Cvcの収束後にゆっくりと収束している。この際には、電流オフセット補正値Ciは、チャートG3に示されるように目標値Icに向かって収束している。
目標値Icは、電流センサ誤差Ieと同一の大きさで符号が相違する値である。目標値Icは、電流センサ誤差Ie(図1参照)を相殺させたときの値なので、結果的にオフセット誤差としての電流センサ誤差Ieと相違する符号で同一の大きさの電流値となる。
ステップS16では、動力制御装置10は、相電流検出値オフセット算出値Cicが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったか否かを判断する。相電流検出値オフセット算出値Cicが所定値以上と判断された場合には、処理をステップS11に戻す。一方、相電流検出値オフセット算出値Cicが所定値より小さいと判断された場合には、処理を終了する。
このように、第1実施形態の動力制御装置10のオフセット補正のルーチンによれば、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったことが確認された状態において(ステップS13)、相電流検出値オフセット算出値Cicが所定値より小さくなるように補正を行うことができる。
なお、図2のフローチャートでは、相電流検出値オフセット算出値Cicの算出は時刻Bにおいて開始されるが、チャートG3では、説明を分りやすくするために相電流検出値オフセット算出値Cicの算出が時刻Aで開始されている。
従来の技術では、相電流検出値と相電圧指令値のいずれか一方のオフセット誤差を補正する方法が提案されていた(特許文献1乃至6)。本補正方法は、電流センサ15のオフセット誤差だけを想定しているので、いずれか一方のオフセット誤差を補正すれば双方のオフセット誤差が解消するとともに相電流検出値の検出誤差の学習が可能であることを前提とするものであった。
しかし、本発明者は、このような前提が必ずしも成立しないことを突き止めた。具体的には、たとえば相電流検出値のオフセットが解消していても相電圧指令値にオフセットが残っていて、相電流オフセット補正部16が誤った学習をしてしまう可能性があることを見出した。本発明者は、具体例として位置センサ19と電流センサ15の複合的な誤差が発生している場合に発生する誤った学習の発生のメカニズムを明らかにした。
本メカニズムは、位置センサ19の検出誤差である位置センサ誤差θe(図1参照)が、dq変換器18と逆dq変換器12とにおいてオフセット誤差を含む誤差を相電圧指令値に発生させるという新たな知見として本発明者によって明らかにされた。本メカニズムによれば、位置センサ19の検出誤差に起因するオフセット誤差を相電流検出値のオフセット誤差と誤認して学習することになる。
本発明者は、このような誤学習の問題を以下の二つのステップによる処理で極めて簡易に解決する方法を新規に創作した。
(1)第1ステップは、三相モータ90に実際に流れる電流にオフセットが発生しないように、その根源となる相電圧オフセットがゼロになるように補正する。
(2)第2ステップは、三相モータ90に実際に流れる電流にオフセットが発生しない状態であることを確認してから、電流センサ15で発生するオフセット値を求めてその値を使用して補正する。
本方法では、三相モータ90に実際に流れる電流にオフセットが発生しない状態を確保してから電流センサ15で発生するオフセット値を求めることができるので、他のセンサから誤差の混入を防止して確実に電流センサ15のオフセット誤差としての電流センサ誤差Ieを取得することができることになる。最終的には、相電圧オフセット補正器27は、電圧オフセット補正値Cvの操作によって位置センサ19の検出誤差に起因するオフセット誤差を抑制し、相電流オフセット補正器26は、電流オフセット補正値Ciの操作によって電流センサ15のオフセット誤差を抑制することになる。
このように、第1実施形態の動力制御装置10は、位置センサ19の検出誤差に起因するオフセット誤差を排除して、電流センサ15のオフセット誤差を正確に学習してオフセット補正を実現することができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態におけるオフセット補正のルーチンを示すフローチャートである。ステップS21では、相電圧オフセット補正器27(図1参照)は、相電圧指令値のオフセット値を算出する。ステップS22では、相電圧オフセット補正部17は、相電圧指令値のオフセット値補正処理を実行する。ステップS23では、相電流オフセット補正器26は、相電流検出値のオフセット値を算出する。ステップS24では、相電流オフセット補正部16は、相電流検出値のオフセット値補正処理を実行する。
このように、第2実施形態では、電圧オフセット補正値Cvが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったか否かを判断することなく、相電圧指令値のオフセット値補正処理と相電流検出値のオフセット値補正処理とが平行して実行されることになる。ただし、第2実施形態では、相電圧指令値のオフセット値補正処理(ステップS22)は、相電流検出値のオフセット値補正処理(ステップS24)よりも小さな時定数を有するように構成されているので、相電圧指令値のオフセット値補正処理が相電流検出値のオフセット値補正処理に優先して収束することになる。
図5は、オフセット補正の処理状態を示すタイムチャートである。チャートG1aは、電流オフセット補正値Ciの時間的な変化を示している。チャートG2aは、相電圧指令値オフセット算出値Cvcの時間的な変化を示している。チャートG3aは、相電流検出値オフセット算出値Cicの時間的な変化を示している。第2実施形態では、時刻Aにおいて相電圧オフセット補正と相電流オフセット補正の双方が開始されている。
電流オフセット補正値Ciは、時刻Aの直後において目標値Icaの反対側に一時的に振れている。この振れは、相電圧指令値のオフセットに起因する誤った補正である。ただし、相電圧指令値のオフセット値補正処理は、相電流検出値のオフセット値補正処理よりも小さな時定数を有しているので急速に収束し、大きな時定数を有している相電流検出値のオフセット値補正処理によって電流オフセット補正値Ciが目標値Icaに徐々に近づいていることが分る。具体的には、相電圧指令値のオフセット補正処理は、チャートG2aから分るように時刻Tx2においてほぼ収束しているのに対して、相電流検出値のオフセット値補正処理は、チャートG3から分るように比較的にゆっくりと補正値が目標値Icaに収束していることが分る。
ステップS25では、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったか否かが判断される。相電圧指令値オフセット算出値Cvcが所定値以上と判断された場合には、処理がステップS21に戻される。一方、相電圧指令値オフセット算出値Cvcが所定値より小さいと判断された場合には、処理がステップS26に進める。これにより、相電流検出値オフセット算出値Cicが予め設定された閾値としての所定値より小さくなった場合にのみ処理がステップS26に進められることになる。
ステップS26では、電流オフセット補正値Ciが予め設定された閾値としての所定値より小さくなったか否かが判断される。電流オフセット補正値Ciが所定値以上と判断された場合には、処理をステップS21に戻される。一方、電流オフセット補正値Ciが所定値より小さいと判断された場合には、学習が完了して処理が終了することになる。
このように、第2実施形態のオフセット補正処理のルーチンでは、時定数の設定によって相電圧指令値のオフセット値補正処理が相電流検出値のオフセット値補正処理に優先して収束するように構成されているので、位置センサ19の検出誤差に起因する相電圧指令値のオフセット誤差を排除することができる。これにより、電流センサ15のオフセット誤差を正確に学習することができるので、正確且つ高い信頼性のオフセット補正を実現することができる。なお、時定数は、広い意味を有し、一次遅れ系の値としての時定数だけを想定するものではなく、広く過渡応答状態の長さとして規定されるものを含んでいる。
(第3実施形態)
図6乃至図8は、第3実施形態において相電圧指令値のオフセット値の算出のために電気角の複数周期毎に積分する方法を示すグラフである。本方法によれば、積分回数を擬似的に増加させて高速回転時の積分回数を充足させることができる。図6乃至図8では、6極対の三相モータ90の相電圧指令値のサンプリングが一定の時間周期(200μ秒)で行われている。
図6は、高速回転時における相電圧指令値のサンプリング状態を示すグラフである。高速回転時においては、たとえば8000rpmでは、各電気角周期でのサンプリング数が6個あるいは7個と少なくなってしまう。この結果、積分誤差が過度に大きくなってしまうことが本発明者によって見出された。電気角周期は、360度の電気角を一周期としている。
図7は、高速回転時における相電圧指令値のサンプリング位置のズレを示すグラフである。電気角の第1周期(0°〜360°)では、第1周期内の7個のサンプリング位置S1〜S7においてサンプリングが行われている。電気角の第2周期(360°〜720°)では、第2周期内の6個のサンプリング位置S8等においてサンプリングが行われている。サンプリング位置のズレは、電気角の各周期におけるサンプリング位置のズレを意味し、具体的には、たとえばサンプリング位置S1〜S7のいずれともサンプリング位置S8が一致しないことを意味している。
図8は、サンプリング位置のズレを利用した積分回数の擬似的な増加方法を示すグラフである。図6の例では、第1周期(0°〜360°)、第2周期(360°〜720°)、第3周期(720°〜1080°)、および第4周期(1080°〜1440°)におけるサンプリングを1つの周期としての第1周期(0°〜360°)に重畳させた例が拡大ウィンドウWに示されている。拡大ウィンドウWのサンプリング状態から分るように、サンプリング位置の数が26に増加している。
このように、第2実施形態では、高速回転時における相電圧指令値のサンプリング位置の減少に対して、複数周期のサンプリング位置を重畳させることによって擬似的に増加させることでサンプリング位置の減少に起因する積分誤差の増大を抑制している。本方法は、重畳対象となる各周期の回転数の変動が小さいことを前提としているが、高速回転時においては連続する周期における回転数の変動の割合が小さくなるので極めて実用的な方法である。なお、本方法は、電流検出値のサンプリングに適用することも可能である。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態において相電圧指令値のオフセット値の算出のためにモータ位置で積分する方法を示すグラフである。本方法によれば、回転数の変動の起因する積分誤差の発生を抑制することができる。オフセット値の算出は、相電圧指令値が正弦波であることを前提としているので、各周期の積分値がゼロになることを利用している。
回転数の変動の起因する積分誤差は、時間積分を使用する算出方法に起因して発生する。グラフT1,T2,T3は、それぞれ一定の回転数で回転している場合の回転速度(deg/sec)と、相電圧指令値(V)と、積分値(V・sec)とを示している。グラフT1は、三相モータ90が一定の回転速度(deg/sec)で回転していることを示している。グラフT2は、三相モータ90の回転に応じて正弦波の相電圧指令値が出力されていることを示している。時間軸に対して、相電圧指令値の正弦波の形状が維持されているのは、三相モータ90が一定の回転速度(deg/sec)で回転しているからである。
グラフT3は、相電圧指令値が正の値を有する時刻0から時刻tにおいて、相電圧指令値の積分値が増加し、相電圧指令値が負の値を有する時刻tから時刻2tにおいて、相電圧指令値の積分値が減少し、終値がゼロとなっている様子を示している。終値がゼロとなるのは、グラフT2において、正弦波の正の領域の面積と負の領域の面積とが等しいことを意味している。なお、三相モータ90の回転角度は、この周期内において時刻tでは180°であり、時刻2tでは360°である。
このように、三相モータ90が一定の回転数で回転している場合には、電圧指令値の正弦波の形状が維持されるので、正弦波の波形を有する相電圧指令値の時間積分によってオフセット値を算出することができる。
しかしながら、グラフT1a,T2a,T3aから分るように三相モータ90の回転速度が変動すると、正弦波の波形が崩れるので正確なオフセット値の算出が困難となることが分る。グラフT1aでは、三相モータ90の回転速度が周期内において変動する様子を示している。具体的には、三相モータ90の回転速度は、時刻t〜時刻3tでは、時刻0〜時刻tの速度の半分となっている。これにより、三相モータ90の回転角度は、この周期内において時刻tでは180°となっている点でグラフT1と同様であるが、時刻2t、3tでは、それぞれ270°と360°となっている。
グラフT2aは、相電圧指令値の正弦波の形状が崩れている様子を示している。相電圧指令値の正弦波は、時刻t(180°)〜時刻3t(360°)における速度低下によって時間軸上では、正弦波の負の領域の面積を拡大された状態となっている。これにより、グラフT3aに示されるように、相電圧指令値がオフセットを有していないにもかかわらず、相電圧指令値の積分値の終値が負となっている。
3個のグラフR1,R2,R3は、電気角1周期の積分値の算出において、時間積分ではなく、回転角度に基づく積分を使用した場合の回転速度(deg/sec)と、相電圧指令値(V)と、積分値(V・sec)とを示している。グラフR1は、三相モータ90の回転速度が周期内において変動する様子を示している。グラフT2は、三相モータ90の回転に応じて正弦波の相電圧指令値が出力されていることを示している。横軸に対して、相電圧指令値の正弦波の形状が維持されているのは、横軸が回転角度なので速度変動の影響を受けないからである。これにより、グラフR3に示されるように、三相モータ90の回転速度が周期内において変動しているにもかかわらず、相電圧指令値の積分値の終値がゼロとなっている。
このように、第4実施形態のオフセット値の算出方法は、三相モータ90の回転速度の変動に拘わらず、正確にオフセット値を算出することができる。本方法は、三相モータ90の回転数の変動に起因するオフセット値の算出誤差が発生しやすい低速回転時において顕著な効果を奏する。
第3実施形態と第4実施形態のオフセット値の算出方法は、学習時の回転速度に応じて切り替えるようにしてもよい。さらに、第4実施形態のオフセット値の算出方法は、サンプリング位置を調整して、各周期でズレが発生するような位置(たとえば360°で割り切れない角度毎)でのサンプリングを実行することによって第3実施形態の方法と組み合わせることも可能である。これにより、たとえば高速回転時に処理時間の問題でサンプリング頻度を低下させる必要性が生じた場合にも対応することが可能である。なお、本方法は、電流検出値のサンプリングに適用することも可能である。
(他の実施形態)
なお、実施の形態は上記した内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上述の各実施形態では、相電圧オフセット補正部17は、三相静止座標系の電圧指令値の電圧オフセット補正値Cvを、三相静止座標系の各相電流のフィードバック値Iu,Iv,Iwに含めることによって相電圧のオフセット補正を行っている。しかし、このような構成に限られず、たとえば図10の第1変形例の相電圧オフセット補正部17aのように三相静止座標系の電圧指令値の電圧オフセット補正値Cvを、dq変換器28で変換して回転座標系である直交二軸回転座標系であるdq座標系においてフィードバック量に含めるようにしてもよい。
(2)上述の各実施形態では、相電圧指令値オフセット算出値Cvcや相電流検出値オフセット算出値Cicの時間積分値を使用して符号を決定している。しかし、たとえばゼロクロス時のタイミングを検出すれば、正弦波の正側の時間と負側の時間を検出することができるので、その比較に基づいて正負のいずれ側にオフセットしているかを決定することもできる。
(3)上述の各実施形態では、相電流オフセット補正部16は、オフセット補正後の中間フィードバック値Iu2,Iv2,Iw2の値を積分することによって電流オフセット補正値Ciを操作している。しかし、このような方法に限られず、たとえばオフセット補正前の電流検出値Iu1,Iv1,Iw1の値の積分値から、直接的に電流センサ誤差Ieに相当する電流オフセット補正値を生成して補正するようにしてもよい。
(4)上述の各実施形態では、相電圧オフセット補正部17は、相電圧指令値オフセット算出値Cvcの符号に応じて一定の補正量を加減算部23で加減算することによって電圧オフセット補正値Cvを操作している。しかし、このような構成に限られず、たとえば図11の第2変形例の相電圧オフセット補正部17bのように相電圧積分値をモータ抵抗値で割ることで相電圧オフセット値に相当する電流補正量を算出し、その値を加減算して電圧オフセット補正値Cvを操作するようにしてもよい。
こうすれば、相電圧オフセット補正の収束時間を短くすることができるので、簡易に相電流オフセット補正に対して小さな時定数の制御系を構成することができる。なお、図12の第3変形例のように第1変形例と第2変形例とを組み合わせた構成としても良い。
10…動力制御装置、11…電流制御器、12…逆dq変換器、13…パワー増幅器、15…電流センサ、16…相電流オフセット補正部、17,17a,17b…相電圧オフセット補正部、18…dq変換器、19…位置センサ、21…電流積分器、22…加減算部、23…加減算部、24…電圧積分器、28…dq変換器、90…三相モータ。

Claims (10)

  1. 多相交流電動機に多相交流電圧を印加して制御する交流電動機制御装置であって、
    前記多相交流電動機に供給されている各相の電流を検出して各相の電流検出値を出力する電流センサと、
    与えられた電流指令値と前記各相の電流検出値とに応じて、前記電流指令値に対して各相の電流を追従させるための各相の電圧指令値を生成する制御部と、
    前記各相の電圧指令値に応じて各相の電圧を前記多相交流電動機に印加する電力増幅部と、
    前記各相の電圧指令値の電圧オフセットを表す電圧オフセット値を決定し、前記各相の電圧オフセット値に応じて前記各相の電流検出値を操作して、前記電圧オフセット値を低減させる相電圧オフセット補正部と、
    前記各相の電流検出値の電流オフセットを表す電流オフセット値を決定し、前記各相の電流オフセット値に応じて前記各相の電流検出値を補正して前記電流オフセットを低減させる相電流オフセット補正部と、
    を備え、
    前記交流電動機制御装置は、前記相電流オフセット補正部の作動よりも前記相電圧オフセット補正部を優先的に作動させることを特徴とする交流電動機制御装置。
  2. 前記優先的な作動は、前記相電圧オフセット補正部を作動させて前記電圧オフセット値が予め設定された値より小さな値となってから前記相電流オフセット補正部の動作を開始させることによって実現されている請求項1に記載の交流電動機制御装置。
  3. 前記優先的な作動は、前記相電圧オフセット補正部の時定数が、前記相電流オフセット補正部の時定数よりも小さく設定されることによって実現されている請求項1又は2に記載の交流電動機制御装置。
  4. 前記相電圧オフセット補正部は、前記各相の電圧オフセット値に応じて生成された電圧オフセット補正値を前記各相の電流検出値に加算することによって前記各相の電流検出値を操作する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  5. 前記交流電動機制御装置は、さらに静止座標系から回転座標系に座標系を変換する座標変換部を備え、
    前記電流センサは、前記静止座標系における値として前記各相の電流検出値を出力し、
    前記制御部は、前記回転座標系において、前記座標変換部によって変換された前記各相の電流検出値に応じて前記各相の電圧指令値を生成し、
    前記相電圧オフセット補正部は、前記座標変換部によって前記回転座標系における値に変換された前記各相の電流検出値を操作する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  6. 前記相電圧オフセット補正部は、前記各相の電圧指令値を電気角の整数倍周期で積分させることによって前記電圧オフセット値を決定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  7. 前記相電流オフセット補正部は、前記各相の電流検出値を電気角の整数倍周期で積分させることによって前記電流オフセット値を決定する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  8. 前記相電圧オフセット補正部は、前記電圧オフセット値をモータ抵抗値で割ることで前記電圧オフセット値に相当する電流補正量を算出し、前記電流補正量を使用して前記電流検出値を操作する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  9. 前記交流電動機制御装置は、さらに、前記交流電動機の回転位置を検出して回転位置情報を出力する位置センサを備え、
    前記相電圧オフセット補正部は、前記電圧指令値を積分する電圧積分器を有し、
    前記電圧積分器は、前記回転位置情報の演算周期間の位置変化量を前記電圧指令値に乗じて積分する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
  10. 前記交流電動機制御装置は、さらに、前記交流電動機の回転位置を検出して回転位置情報を出力する位置センサを備え、
    前記相電流オフセット補正部は、前記電流検出値を積分する電流積分器を有し、
    前記電流積分器は、前記回転位置情報の演算周期間の位置変化量を前記電流検出値に乗じて積分する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の交流電動機制御装置。
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