JP3609098B2 - 誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は誘導電動機のベクトル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導電動機の可変速制御として応答性と精度の両者に優れたすべり周波数制御方式が知られており、特に電動機の一次電流を励磁電流とトルク電流とに分けて制御し、二次磁束とトルク電流を常に直交するように制御することで直流電動機と同等の応答性を得ることのできるベクトル制御方式が実施され、近年、速度センサ(PG)を除去(以下、PGレスと略す)し、単純化と耐環境性の向上が図られている。
通常、PGレスシステムは、図6に示されているように、交流電源を直流に変換するダイオードとコンデンサからなるコンバータ(変換器)部と、U,V,Wの各相の電流制御器出力の電圧指令をサイリスタやIGBT等のスイッチング素子を用いてPWM信号に変調し、交流電圧を発生するインバータ(逆変換)部からなる電圧形PWMインバータ201、誘導電動機202、U,V,Wの各相に流れる電流を検出する電流検出器206,207,208、U,V,Wのそれぞれの相間の電圧を検出する電圧検出器205、ベクトル制御を行うベクトル制御装置203および指令発生器204からなる。
【0003】
図7はベクトル制御装置203のブロック図である。このベクトル制御装置203は、係数器109,120と、積分器112と、位相θ を入力とし、exp(jθ )、つまり、cosθ +jsinθ を発生する関数発生器113と、磁束ベクトルの方向(以下、「d軸」と称す。)とそれに直交する方向(以下、「q軸」と称す。)に成分を持つベクトルを、U,V,W相の互いに120度の位相差を持つ方向の成分に変換する二相/三相変換器106と、d軸成分αとq軸成分βに対する
【0004】
【数1】
Figure 0003609098
のベクトル、つまり振幅
【0005】
【数2】
Figure 0003609098
、位相tan−1(β/α)を演算するベクトル演算器104と、ベクトル
【0006】
【外1】
Figure 0003609098
とexp(jθ )を入力とし、位相をθ +tan−1(β/α)とするベクトル回転器105と、励磁電流指令
【0007】
【外2】
Figure 0003609098
をd軸成分に持ち、q軸成分は零であるベクトルをつくるベクトル演算器111と、このベクトルとexp(jθ )から振幅を
【0008】
【外3】
Figure 0003609098
、位相をθ とする励磁電流指令ベクトル
【0009】
【外4】
Figure 0003609098
を作成するベクトル回転器114と、電圧検出器205から得られた一次電圧ベクトル
【0010】
【外5】
Figure 0003609098
、および電流検出器206,207,208から得られた一次電流ベクトル
【0011】
【外6】
Figure 0003609098
により磁束を検出する磁束演算部116’と、該磁束演算部116’で得られた二次鎖交磁束ベクトル
【0012】
【外7】
Figure 0003609098
と電流モデル磁束ベクトル
【0013】
【外8】
Figure 0003609098
の位相偏差δを求める位相比較器115と、その位相偏差δが“0”になるように比例・積分制御(以下、「PI制御」と略記する。)する位相制御器110と、回転子電気角速度(以下、単に「速度」と略記する。)の大きさにより弱め磁界を行う磁束指令演算部103と、除算器102,108と、指令発生器204から指令されて速度指令ω と速度推定値
【0014】
【外9】
Figure 0003609098
の偏差を“0”にするために設けられ、PI制御を行う速度制御器101と、磁束指令ψ と検出された磁束ψ の磁束偏差(△ψ )を“0”にするために設けられ、I制御を行う磁束制御器107と、U,V,Wの各相毎に一次電流の指令値と検出値の偏差を“0”にするように設けられたP制御を行う電流制御器117 〜117 と、減算器118 〜118 と、加算器119 ,119 からなる。トルク電流指令
【0015】
【外10】
Figure 0003609098
は、速度制御器101の出力であるトルク指令T を磁束指令演算部103の出力である磁束指令ψ で除算することにより求められる。励磁電流指令
【0016】
【外11】
Figure 0003609098
は、磁束制御器107の出力と磁束指令ψ と係数器120の積の和として求められる。また、速度推定値
【0017】
【外12】
Figure 0003609098
は、位相制御器110の出力で与えられる。
次に、動作について説明する。
誘導電動機202の電圧、電流の関係は、モータ定数を図5に示す非対称T形等価回路とすると、静止座標系において(1)式で表される。
【0018】
【数3】
Figure 0003609098
また、電動機磁束ベクトル
【0019】
【外13】
Figure 0003609098
,励磁電流ベクトル
【0020】
【外14】
Figure 0003609098
についてはそれぞれ(2),(3)式で示される。
【0021】
【数4】
Figure 0003609098
(1)式は、(2),(3)式を用いて(4),(5)式に展開される。
【0022】
【数5】
Figure 0003609098
次に、磁束の回転座標上で考えると、一次電流
【0023】
【外15】
Figure 0003609098
,二次電流
【0024】
【外16】
Figure 0003609098
は、(6),(7)式で表わされる。
【0025】
【数6】
Figure 0003609098
となる。(6)式のうち、
【0026】
【数7】
Figure 0003609098
に対応する指令の演算はベクトル演算器104、
【0027】
【外17】
Figure 0003609098
は関数発生器113によりそれぞれ演算される。ベクトル回転器105は、これら2つの要素を入力とし、一次電流指令
【0028】
【外18】
Figure 0003609098
を(6)式に対応する指令値として演算し、出力する。
また、トルク電流指令
【0029】
【外19】
Figure 0003609098
と滑り角速度指令ω は次の(8)式の関係にあり、
【0030】
【数8】
Figure 0003609098
除算器108および係数器109を用いて演算され、磁束ベクトルの角度
【0031】
【外20】
Figure 0003609098
は(9)式により、
【0032】
【数9】
Figure 0003609098
位相制御器110の出力である速度推定値
【0033】
【外21】
Figure 0003609098
と(8)式で求められた滑り角速度指令ω の和を積分器112により積分することで求められる。
ベクトル回転器105の出力値である一次電流指令
【0034】
【外22】
Figure 0003609098
は二相/三相変換器106によりU,V,W相に変換され、電流検出器206,207,208で検出された各相の電流検出値とのそれぞれの差を電流制御器117 ,117 ,117 に入力し、P制御された結果を電圧形PWMインバータ201への電圧指令値として出力する。電圧形PWMインバータ201ではその値をPWM信号に変調し、誘導電動機202へ出力する。また、U,V,W相の各相間の電圧は、電圧検出器105により検出され、一次電流検出値とともに磁束演算部116’の入力となる。
次に、磁束演算部116’の動作を説明する。
(2),(5)式により一次電流
【0035】
【外23】
Figure 0003609098
に対する電流モデル磁束式(10)式が導かれ、速度ω を速度推定値
【0036】
【外24】
Figure 0003609098
に置き換えると、(11)式に変形される。
【0037】
【数10】
Figure 0003609098
また、(4)式により誘導電動機202の電圧、電流を基にした電動機磁束式(12)式が導かれるので
【0038】
【数11】
Figure 0003609098
磁束演算部116’は図8の構成となっている。一次電流
【0039】
【外25】
Figure 0003609098
の一次抵抗R および漏れインダクタンス
【0040】
【外26】
Figure 0003609098
を補償回路124により補償し、一次電圧
【0041】
【外27】
Figure 0003609098
との差分を積分器127 により積分し、電動機磁束ベクトル
【0042】
【外28】
Figure 0003609098
を求める。振幅演算部123は
【0043】
【数12】
Figure 0003609098
の演算を行ない、その結果を磁束検出値ψ として出力する。また、励磁電流指令ベクトル
【0044】
【外29】
Figure 0003609098
は係数器125 で励磁インダクタンスM が補償された後、積分器127 と係数器125からなる一次遅れフィルタを通って電流モデル磁束ベクトル
【0045】
【外30】
Figure 0003609098
として出力される。
以上のようにしてPGレスでのベクトル制御が行われるため、制御対象となる誘導電動機202のモータ定数(例えば一次、二次抵抗、漏れインダクタンス、二次回路時定数)から演算によって、速度、磁束、滑り角速度等を求める必要があり、従来は、誘導電動機の設計値あるいは測定値によるモータ定数を用いて演算を行っていた。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、誘導電動機の設計値からの演算や測定に手間がかかるだけでなく精度のよい測定が難しいという問題点がある。
本発明の目的は、誘導電動機のモータ定数である、二次回路時定数と励磁インダクタンスの設定を精度よく自動的に行うことのできる、誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法を提供することである。
【0047】
【課題を解決するための手段】
本発明の、誘導電動機のベクトル装置におけるモータ定数同定方法は、一次抵抗と漏れインダクタンスを正しく設定し、これら一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行ない、前記誘導電動機の回転を停止させた状態で、正弦波発生器により第1の正弦波と、該第1の正弦波と位相が90°異なる第2の正弦波を発生させ、交番磁束が発生するように第1の正弦波の励磁電流指令を与え、第2の正弦波の励磁電流指令から導かれる電動機磁束と、第1の正弦波の励磁電流指令から導かれる電流モデル磁束の位相差が零となるように二次回路時定数を同定し、前記正弦波発生器により第1の正弦波と、該第1の正弦波と同位相の第2の正弦波を発生させ、該第1の正弦波の励磁電流指令から導かれる電動機磁束と、該第2の正弦波の励磁電流指令から導かれる電流モデル磁束の振幅差が零となるように前記誘導電動機の励磁インダクタンスを同定し、これら二次回路時定数および励磁インダクタンスを用いて二次抵抗を同定する。
【0048】
【作用】
(11)式で表わされる電流モデルは、図9(a)のブロック図のようになり、特に速度ω =0のとき、(11)式は(13)〜(15)式に、ブロック図は図9(b)に変形される。
【0049】
【数13】
Figure 0003609098
モータ定数を図5に示す非対称T形等価回路とすると、一次電圧ベクトル
【0050】
【外31】
Figure 0003609098
は(16)式で与えられる。
【0051】
【数14】
Figure 0003609098
これを(12)式に代入すると、(17)式が導かれる。
【0052】
【数15】
Figure 0003609098
ここで、漏れインダクタンス
【0053】
【外32】
Figure 0003609098
の補償値
【0054】
【外33】
Figure 0003609098
と一次抵抗Rの補償値R が予め正確に設定されていれば、(18)式が導かれる。
【0055】
【数16】
Figure 0003609098
ここで、(15),(18)式を用いて、
【0056】
【外34】
Figure 0003609098
のベクトル積をとると、
【0057】
【数17】
Figure 0003609098
【0058】
となり、sin(γ−γ )が正で電流モデルの二次回路時定数T を大に、sin(γ−γ )が負で二次回路時定数T を小に制御し、sin(γ−γ )が零になれば、γ =γ、つまりT =T が実現される。
二次回路時定数T の同定ののち、2つのベクトル
【0059】
【外35】
Figure 0003609098
の振幅の差を考えると、
【0060】
【数18】
Figure 0003609098
となり、振幅差が正で電流モデルの励磁インダクタンスM を大に、振幅差が負で励磁インダクタンスM を小に制御し、零になれば、M =Mが実現される。
以上により、励磁インダクタンスMと二次回路時定数T が独立に同定できるので、R =M/T の関係により二次抵抗R についても同定できる。
【0061】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例のベクトル制御装置のブロック図、図2は位相判別モードでの磁束演算部116の詳細ブロック図、図3は二次回路時定数チューニングモードでの磁束演算部116の詳細ブロック図、図4は励磁インダクタンスチューニングモードでの磁束演算部116の詳細ブロック図である。図1においては、図7の構成要素と同一のものには同じ番号がつけられている。
本実施例が図7の従来例と異なる点は、sin波とsin波、sin波とcos波のように、同位相と90°位相差の2つの正弦波を発生可能な正弦波発生器121と、励磁電流指令
【0062】
【外36】
Figure 0003609098
に正弦波発生器121の一方の出力を乗算し、ベクトル演算器104に出力する乗算器122 と、励磁電流指令
【0063】
【外37】
Figure 0003609098
に正弦波発生器121の他方の出力を乗算し、ベクトル乗算器111に出力する乗算器122 を有し、磁束演算部116が、自動測定のモードにより、図2,図3,図4の構成に切替えられるようになっている点である。図2,図3,図4において励磁電流ベクトルをスカラで表現しているのは、電動機202の磁束は回転していない状態にあるからである。図2,図3,図4の構成および動作を説明する。
(1)位相判別モード(図2)
まず、位相判別モードでは、速度制御器101のPIのゲインを共に零にすることでトルク電流指令
【0064】
【外38】
Figure 0003609098
及び滑り角速度指令ω を零にし、また正弦波発生器121の2出力をsin波とsin波の同位相とし、励磁電流指令
【0065】
【外39】
Figure 0003609098
に一方のsin波を掛けこれを新しく励磁電流指令とすることで交番磁束を発生させる。この状態では電動機202は回転しないので、図9(b)が成立する。磁束演算部116は図2の構成とし、正弦波発生器121の出力の他方のsin波を磁束演算部116内の電流磁束モデルに入力し、電流モデル磁束ベクトル
【0066】
【外40】
Figure 0003609098
を得る。また、電動機磁束ベクトル
【0067】
【外41】
Figure 0003609098
を二相/三相変換器106と逆変換を行なう三相/二相変換器131に入力し、直交する二軸α,βに射影して得られた二出力
【0068】
【外42】
Figure 0003609098
と、電動機磁束ベクトル
【0069】
【外43】
Figure 0003609098
は互いにほぼ同位相または逆位相の関係にある。トルク電流指令
【0070】
【外44】
Figure 0003609098
を零にしているので
【0071】
【数19】
Figure 0003609098
より、
【0072】
【外45】
Figure 0003609098
は(22)式に、電流モデル磁束ベクトル
【0073】
【外46】
Figure 0003609098
は(23)式に示される信号となる。
【0074】
【数20】
Figure 0003609098
電流モデル磁束ベクトル
【0075】
【外47】
Figure 0003609098
とα軸とのなす角θの大きさにより同位相か逆位相かが決まる。いま、
【0076】
【外48】
Figure 0003609098
とψαがほぼ同位相であることを仮定しスイッチ129 を▲1▼側にし、積分器127 出力と零を比較器128 で比較し、その出力値が負であればスイッチ129 を▲3▼側にして位相反転器130 の出力を乗算器126 の入力値とする。これにより乗算器126 の2つの入力値はほぼ同位相となる。
【0077】
【外49】
Figure 0003609098

【0078】
【外50】
Figure 0003609098
についても、位相反転器130 、乗算器126 、積分器127 、比較器128 により全く同様にしてスイッチ129 の方向が決められる。
(2)二次回路時定数T のチューニングモード
次に、二次回路時定数T のチューニングモードとし、磁束演算部116を図3に示す構成にする。この図ではスイッチ129 ,129 および位相反転器130 ,130 が省略されている。正弦波発生器121の2出力として、sin波とcos波の90°位相差の正弦波を発生させ、励磁電流指令
【0079】
【外51】
Figure 0003609098
側の乗算器122の入力をcos波、磁束演算部116内の電流磁束モデル指令の入力をsin波とし、同位相とした
【0080】
【外52】
Figure 0003609098
の和ψαβと
【0081】
【外53】
Figure 0003609098
の積を乗算器126 で行うことで、(24)式を実行する。
【0082】
【数21】
Figure 0003609098
(24)式の第1項の交流成分を落す目的で通したフィルタ122 出力と零を比較器128 で比較し、その出力値が正であれば係数器125 を大きく、負であれば係数器125 を小さくして、その結果(24)式の値を零にすることでγ =γを成立させ、二次回路時定数T の逆数を係数器125 の値として測定する。
(3)励磁インダクタンスMのチューニングモード
最後に、励磁インダクタンスMのチューニングモードとし、磁束演算部116を図4に示す構成にする。この図においてもスイッチ129 ,129 および位相反転回路130 ,130 が省略されている。正弦波発生器121から、励磁電流指令
【0083】
【外54】
Figure 0003609098
側の乗算器122 および磁束演算部116内の電流磁束モデル指令の両者にsin波を入力し、同位相とした
【0084】
【外55】
Figure 0003609098
の平方和を乗算器126 ,126 の和として求め、フィルタ122 に入力し、その出力値から
【0085】
【外56】
Figure 0003609098
の平方値である乗算器126 のフィルタ122 出力値を引き、その値と零を比較器128 で比較する。前のモードでγ=γ が実現されているので、(22),(23)式よりM=M のとき、この比較値が零となる。その比較値が正であれば係数器125 の係数を大きく、負であれば係数器125 の係数を小さくすることで、励磁インダクタンスMを測定し、係数器125 にその値を設定すると共に、係数器125 と125 の積で二次抵抗R が求まるので係数器109の値をその値に変更する。
チューニング終了後、磁束演算部116を図8に示す構成にし、速度制御器101のゲインを元に戻し、正弦波発生器121をはずし、構成を従来の構成図である図7に戻す。
【0086】
以上の動作により、電動機の定数のうち、二次回路時定数T 、励磁インダクタンスM、二次抵抗R の測定及び設定を行なうことができる。
本実施例では、磁束位相基準形のベクトル制御方式について説明したが、電動機の停止状態でのチューニングであるため、速度検出方式が異なるトルク帰還形ベクトル制御でも、また、PGレスで説明を行なったが同様な理由でPG付きの場合でも同様に適用できる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、一次抵抗と漏れインダクタンスを正しく設定し、これら一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行ない、誘導電動機の回転を停止させた状態で、正弦波発生器により、交番磁束が発生するように正弦波の励磁電流指令を与え、電動機磁束と電流指令値から導かれる電流モデル磁束の位相差が零となるように二次回路時定数を同定し、電動機磁束と電流モデル磁束の振幅差が零となるように誘導電動機の励磁インダクタンスを同定し、これら二次回路時定数および励磁インダクタンスを用いて二次抵抗を同定することにより、手間のかかるモータ定数の設定が精度よく、しかも簡単に行え、ひいてはPGレスのベクトル制御での静、動特性等の制御精度を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のベクトル制御装置のブロック図である。
【図2】図1の実施例における、位相判別モードでの磁束演算部116の詳細ブロック図である。
【図3】図1の実施例における、二次回路時定数チューニングモードでの磁束演算部116の詳細ブロック図である。
【図4】図1の実施例における、励磁インダクタンスチューニングモードでの磁束演算部116の詳細ブロック図である。
【図5】誘導電動機の非対称T形等価回路の回路図である。
【図6】従来のPGレスシステムの概略ブロック図である。
【図7】図6中のベクトル制御装置203のブロック図である。
【図8】図7中の磁束演算部116’のブロック図である。
【図9】同図(a)は電流磁束モデル指令を説明するブロック図、同図(b)は特に速度が零のときの電流磁束モデル指令のブロック図である。
【符号の説明】
101 速度制御器
102,108 除算器
103 磁束指令演算部
104,111 ベクトル演算器
105,114 ベクトル回転器
106 二相/三相変換器
107 磁束制御器
109,120 係数器
110 位相制御器
112 積分器
113 関数発生器
115 位相比較器
116 磁束演算部
117 ,117 ,117 電流制御器
118 〜118 減算器
119 ,119 加算器
121 正弦波発生器
122 ,122 ,122 フィルタ
123 振幅演算部
124 補償回路
125 ,125 係数器
126 〜126 乗算器
127 〜127 積分器
128 ,128 比較器
129 ,129 スイッチ
130 ,130 位相反転器
131 三相/二相変換器

Claims (1)

  1. 誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法において、
    一次抵抗と漏れインダクタンスを正しく設定し、これら一次抵抗と漏れインダクタンスの補償を行ない、前記誘導電動機の回転を停止させた状態で、正弦波発生器により第1の正弦波と、該第1の正弦波と位相が90°異なる第2の正弦波を発生させ、交番磁束が発生するように第1の正弦波の励磁電流指令を与え、第2の正弦波の励磁電流指令から導かれる電動機磁束と、第1の正弦波の励磁電流指令から導かれる電流モデル磁束の位相差が零となるように二次回路時定数を同定し、前記正弦波発生器により第1の正弦波と、該第1の正弦波と同位相の第2の正弦波を発生させ、該第1の正弦波の励磁電流指令から導かれる電動機磁束と、該第2の正弦波の励磁電流指令から導かれる電流モデル磁束の振幅差が零となるように前記誘導電動機の励磁インダクタンスを同定し、これら二次回路時定数および励磁インダクタンスを用いて二次抵抗を同定する、誘導電動機のベクトル制御装置におけるモータ定数同定方法。
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