JP5322534B2 - 制御装置およびモータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、制御対象の位置・速度・加速度・加加速度(単位時間当たりの加速度の変化量を表し、「jerk」とも呼ばれる。)・電流・電圧などの状態量を制御する制御装置および、当該制御装置をモータに適用したモータ制御装置に関する。
サーボモータの位置・速度などを制御する制御装置のように、振幅リミッタを有する制御器(以下単に「制御器」という)を複数段直列接続する制御装置では、制御器の出力である操作量の飽和時に応答が不安定になったり、リミットサイクルによる振動が続いたり、大きなオーバーシュートが発生したりするような所謂ワインドアップ現象を引き起こすことが多い。
一方、一般的によく知られているワインドアップ現象対策として、操作量の飽和時に制御器の積分器を停止するという従来手法がある。さらに、この従来手法に対して、操作量の飽和時に制御器の出力後段に具備される振幅リミッタ前後の差分値から飽和量を算出し、算出した飽和量をその制御器の入力側、あるいは積分要素にフィードバック(以下「F/B」と表記)するという手法が提案されている(例えば、下記特許文献1)。
特開平11−308900号公報
ところで、近年、励磁電流が不要であり、二次銅損が発生しないという特徴を有することで高効率なモータとして知られている永久磁石型モータが注目されている。この永久磁石型モータでは、小型化等による構造上の制限から極数を増やせない場合、「電流を多く流す」または「インダクタンスを増やすこと」で必要トルクを得ることが行われる。
一方、永久磁石型モータにおいて、「流す電流」または、「インダクタンス値」を増やす際に、制御応答帯域を上げると、それらの積の大きさによっては、「インダクタンス値」および「電流変化量」に起因する過渡電圧飽和が発生し、位置指令または速度・電流指令とF/B値とが大きく乖離し、前述したワインドアップ現象が発生することがある。
上記特許文献1によるワインドアップ現象対策では、q軸電流指令を電流振幅リミッタのみで制限するようにしている。しかしながら、q軸電流指令を電流振幅リミッタのみで制限するような処理では、q軸電流指令の変化率を制限することができず、q軸電流指令の変化率に起因するq軸電圧飽和を回避することができないため、ワインドアップ現象が発生する場合があった。
また、例えば、特許文献1のように速度制御器とq軸電流制御器とが2直列に接続された制御装置において、速度制御器の出力であるq軸電流指令を電流振幅リミッタのみで制限する処理、すなわちq軸電流指令の振幅のみを制限する手法では、上位の速度制御器からq軸電圧飽和を発生させるような変化率を伴うq軸電流指令が与えられた場合、q軸電流変化率を含めたq軸電流飽和量のF/Bによるワインドアップ対策を行うことができないため、q軸電流指令の変化率に起因するq軸電圧飽和によって、ワインドアップ現象が発生する場合があった。
また、特許文献1による電圧飽和量F/Bによるq軸電圧飽和対策は、下位のq軸電流制御器でq軸電圧飽和が発生した場合、q軸電圧飽和量のF/Bを当該q軸電流制御器に対してのみ行う手法である。このような手法を採用した場合、q軸電圧飽和を回避することはできても、q軸電流指令の振幅が抑制されることにより、上位の速度制御器と下位の電流制御器との間の線形性が失われることになる。その結果、上位の速度制御器の入力に対する制御対象からの速度応答が十分でなく、制御対象出力を増すために下位の電流制御器へのq軸電流指令入力が増大して下位のq軸電流制御器のq軸電圧飽和を加速させ、ワインドアップ現象を引き起こす場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、q軸電圧飽和に起因するワインドアップ現象の効果的な抑制を可能とする制御装置および、当該制御装置をモータに適用したモータ制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる制御装置は、1または複数の電流制御器および当該電流制御器のうちの少なくとも1つの電流制御器に対する電流指令の振幅成分を制限する電流振幅リミッタを備え、インダクタンス成分を含む制御対象を制御する制御装置において、「電流指令もしくはその換算値」の変化率を求め、前記制御対象のインダクタンス成分に相当する値を乗算し、「前記電流指令もしくはその換算値の変化率」および「前記インダクタンス成分による推定過渡電圧」を演算する第1の演算器と、前記第1の演算器の出力信号が「振幅制限前の推定電圧指令」として入力され、「当該振幅制限前の推定電圧指令」の振幅を所定幅に制限した信号を出力する電圧振幅リミッタと、前記電圧振幅リミッタの出力信号が「振幅制限後の推定電圧指令」として入力され、前記第1の演算器が「前記電流指令もしくはその換算値」に対して行った処理の逆変換処理を行った信号を前記電流制御器に対する「修正電流指令もしくはその換算値」として出力する第2の演算器と、を有する電流変化量制限部が構成されるとともに、前記電流変化量制限部は、前記電流制御器の入力側に設けられていることを特徴とする。
本発明にかかる制御装置によれば、電流制御器の入力側に設けられた電流変化量制限部は、「電流指令もしくはその換算値の変化量」に対して、制御対象のインダクタンス成分に相当する値を乗算し、かつ、所定のサンプル時間にて除算する演算処理を行った「電流指令もしくはその換算値の変化率とインダクタンスによる推定過度電圧」を表す信号を生成するとともに、この「電流指令もしくはその換算値の変化率」を表す信号を電圧振幅リミッタにて振幅制限した後に、「電流指令もしくはその換算値」を表す信号に対して行った演算処理とは逆の演算処理を行った信号を生成し、生成した信号を「修正電流指令もしくはその換算値」として電流制御器に出力するようにしているので、q軸電圧飽和に起因するワインドアップ現象の効果的に抑制することができるという効果が得られる。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる制御装置(モータ制御装置)の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
(制御装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1における制御装置の構成を示す図であり、モータを制御対象として構成したモータ制御装置の汎用的な一構成例を示している。
実施の形態1の制御装置は、同図の破線部で示す、第1の制御系10および第2の制御系12を備えて構成される。制御装置の入力端である第1の制御系10の入力端には、上位コントローラ114が接続され、制御装置の出力端である第2の制御系12の出力端には、制御対象であるモータ112を駆動するインバータ装置(以下「INV」と表記)110が接続されている。モータ112には、モータ112の回転子(リニアモータであれば可動子)に関する位置情報を検出する位置検出器(以下「ENC」と表記)113が接続されており、ENC113が検出した位置情報は、第1の制御系10に入力される構成となっている。また、INV110とモータ112との間には、電流検出器111a〜111cが設けられており、電流検出器111a〜111cが検出したモータ電流iu,iv,iwは、第2の制御系12に入力される構成となっている。なお、図1では、INV110、電流検出器111a〜111c、ENC113を制御装置内に含まない構成としているが、これらの1つ以上を制御装置内に含む構成としても構わない。
(第1の制御系10の構成および動作)
つぎに、第1の制御系10の構成および動作について説明する。図1において、第1の制御系10は、位置制御器101、速度制御器102、電流振幅リミッタ103、di/dtリミッタ部104、飽和量F/B部105、微分器106、および加減算器115〜117を備えて構成される。
位置制御器101は、加減算器116の出力である位置偏差errpを入力信号とし、速度指令W*を生成して出力する。なお、位置偏差errpは、加減算器115の出力である修正位置指令P**と、ENC113の出力である位置F/B信号pfbとの減算出力として加減算器116によって生成される。また、修正位置指令P**は、上位コントローラ114の出力である位置指令P*と、飽和量F/B部105の出力である位置指令修正量ΔPとの減算出力として加減算器115によって生成される。
速度制御器102は、加減算器117の出力である速度偏差errwを入力信号とし、電流指令iq*を生成して出力する。なお、速度偏差errwは、位置制御器101の出力である速度指令W*と、微分器106の出力である速度F/B信号Wfbとの減算出力として加減算器117によって生成される。また、速度F/B信号Wfbは、ENC13の出力である位置F/B信号pfbを入力として微分器106によって生成される。
電流振幅リミッタ103は、電流振幅制限器としての機能を有し、速度制御器102の出力であるq軸電流指令iq*の振幅を所定幅に抑えたq軸電流指令iq**を生成して出力する。なお、q軸電流指令iq*およびq軸電流指令iq**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、q軸電流指令iq*を「振幅制限前のq軸電流指令」と呼称し、q軸電流指令iq**を「振幅制限後のq軸電流指令」と呼称する。
di/dtリミッタ部104は、電流変化量制限部としての機能を有し、q軸電流指令iq**を入力信号とし、修正q軸電流指令iq***、および推定q軸電圧飽和量ΔV^qを生成して出力する。なお、修正q軸電流指令iq***は、q軸電流指令iq**の振幅変化率を制限した電流指令であり、第2の制御系12に対する入力信号となる。また、推定q軸電圧飽和量ΔV^qは、飽和量F/B部105に対する入力信号となる。
飽和量F/B部105は、フィルタ機能やゲイン設定機能などを有し、di/dtリミッタ部104の出力である推定q軸電圧飽和量ΔV^qを入力信号とし、位置指令修正量ΔPを生成して出力する。なお、位置指令修正量ΔPは、加減算器115に対する一方の入力信号となり、位置指令P*に対する減算出力となる。
なお、図1では、位置指令修正量ΔPを位置指令P*にF/Bする構成としたが、位置制御器101のゲインを位置指令修正量ΔPに乗じるようにすれば、位置指令修正量ΔPを速度修正量と見なすことができる。この場合、飽和量F/B部105の出力を速度制御器102の入力側にF/Bする構成、すなわち速度修正量を速度指令W*にF/Bする構成とすることも可能である。
(第2の制御系12の構成および動作)
つぎに、第2の制御系12の構成および動作について説明する。図1において、第2の制御系12は、d軸電流制御器107a、q軸電流制御器107b、d軸電圧振幅リミッタ108a、q軸電圧振幅リミッタ108b、および座標変換器109a,109bを備えて構成される。
座標変換器109bは、UVW三相静止座標系の出力値を、INV110の出力周波数と同期して回転する回転座標系(dq直交2軸回転座標系)の出力値に変換する処理を行う。具体的には、座標変換器109bは、電流検出器111a〜111cが検出したモータ電流iu,iv,iwを入力信号とし、d軸電流制御器107aおよびq軸電流制御器107bの各入力側にF/Bするための電流信号であるd軸F/B電流idfbおよびq軸F/B電流iqfbを生成して出力する。
d軸電流制御器107aは、加減算器118aの出力であるd軸電流偏差erridを入力信号とし、d軸電圧指令Vd*を生成して出力する。なお、d軸電流偏差erridは、所定の指令信号であるd軸電流指令id*と、座標変換器109bの一方の出力であるd軸F/B電流idfbとの減算出力として加減算器118aによって生成される。
q軸電流制御器107bは、加減算器118bの出力であるq軸電流偏差erriqを入力信号とし、q軸電圧指令Vq*を生成して出力する。なお、q軸電流偏差erriqは、第1の制御系10の出力、より詳細には、di/dtリミッタ部104の出力信号である修正q軸電流指令iq***と、座標変換器109bの他方の出力であるq軸F/B電流iqfbとの減算出力として加減算器118bによって生成される。
d軸電圧振幅リミッタ108aは、電圧振幅制限器としての機能を有し、d軸電流制御器107aの出力であるd軸電圧指令Vd*の振幅を所定幅に抑えたd軸電圧指令Vd**を生成して出力する。なお、d軸電圧指令Vd*およびd軸電圧指令Vd**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、d軸電圧指令Vd*を「振幅制限前のd軸電圧指令」と呼称し、d軸電圧指令Vd**を「振幅制限後のd軸電圧指令」と呼称する。
q軸電圧振幅リミッタ108bは、電圧振幅制限器としての機能を有し、q軸電流制御器107bの出力であるq軸電圧指令Vq*の振幅を所定幅に抑えたq軸電圧指令Vq**を生成して出力する。なお、q軸電圧指令Vq*およびq軸電圧指令Vq**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、q軸電圧指令Vq*を「振幅制限前のq軸電圧指令」と呼称し、q軸電圧指令Vq**を「振幅制限後のq軸電圧指令」と呼称する。
座標変換器109aは、dq直交2軸回転座標系の出力値をUVW三相静止座標系の出力値に変換する処理を行う。具体的には、d軸電圧振幅リミッタ108aおよびq軸電圧振幅リミッタ108bの各出力であるd軸電圧指令Vd**およびq軸電圧指令Vq**を入力信号とし、INV110に対する電圧指令V,V,Vを生成して出力する。なお、INV110は、入力された電圧指令V,V,Vを用いてPWM電圧を生成し、モータ112を駆動する。
(di/dtリミッタ部104の構成および動作)
つぎに、di/dtリミッタ部104の構成および動作について図2を参照して説明する。図2は、図1に示すdi/dtリミッタ部104の細部構成を示す図である。図2において、di/dtリミッタ部104は、係数設定器120、電圧振幅リミッタ121、係数設定器122、前回値記憶部124a,124bおよび加減算器119,123,125を備えて構成される。なお、係数設定器120と係数設定器122とを区別する際に、係数設定器120を第1の演算器と呼称し、係数設定器122を第2の演算器と呼称する。
第1の演算器である係数設定器120は、加減算器119の出力であるq軸電流指令iq**と、前回値記憶部124bの出力であるq軸電流指令の前回値iq**(k-1)との差分値を入力信号とし、この差分値に制御対象のインダクタンス値Laを乗じ、かつ、サンプル時間Tで除した値を推定q軸電圧指令V^q*として出力する。なお、この係数設定器120の処理により、制御対象のインダクタンス値Laと、制御対象に流れる電流変化の影響が反映または考慮された推定q軸電圧指令V^q*が得られる。
電圧振幅リミッタ121は、電圧振幅制限器としての機能を有し、係数設定器120の出力である推定q軸電圧指令V^q*の振幅を所定幅に抑えた推定q軸電圧指令V^q**を生成して出力する。なお、推定q軸電圧指令V^q*および推定q軸電圧指令V^q**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、推定q軸電圧指令V^q*を「振幅制限前の推定q軸電圧指令」と呼称し、推定q軸電圧指令V^q**を「振幅制限後の推定q軸電圧指令」と呼称する。
加減算器125は、推定q軸電圧指令V^q**と、推定q軸電圧指令V^q*との差分値、すなわち、電圧振幅リミッタ121に対する入出力信号の差分値を推定q軸電圧飽和量ΔV^qとして飽和量F/B部105に出力する。
第2の演算器である係数設定器122は、電圧振幅リミッタ121の出力である推定q軸電圧指令V^q**を入力信号とし、この推定q軸電圧指令V^q**にサンプル時間Tを乗じ、かつ、制御対象のインダクタンス値Laで除した値を出力する。なお、係数設定器122の出力は加減算器123に入力されるとともに、加減算器123の前回出力値である前回値記憶部124aの出力とが加減算器123にて加算され、この加算出力が修正q軸電流指令iq***として出力される。すなわち、係数設定器122、加減算器123、および前回値記憶部124aにより、係数設定器120の処理に対する逆変換処理と、修正q軸電流指令の前回値積算処理とにより、制御対象のインダクタンス値、制御対象に流れる電流変化などに起因する過渡電圧飽和の発生を抑制可能とする修正q軸電流指令iq***が生成される。
このように、図2に示したdi/dtリミッタ部104によれば、振幅制限後のq軸電流指令であるq軸電流指令iq**の変化に基づく推定q軸電圧指令V^q**を演算する一方で、q軸電圧振幅制限後に逆変換を行って、q軸修正電流指令iq***を生成するようにしているので、インダクタンス値と電流変化に起因するq軸電圧振幅飽和が発生する場合において、q軸電流指令iq**の振幅のみを制限するのではなく、q軸電流指令iq**の傾きをも制限することが可能となる。すなわち、インダクタンス値およびq軸電流変化に起因するq軸電圧振幅飽和が発生しないようなq軸修正電流指令iq***を生成することにより、インダクタンスとq軸電流変化に起因するq軸電流制御器でのq軸電圧振幅飽和の抑制が可能となる。
なお、図2では、電圧振幅リミッタ121への入力信号として、電流振幅リミッタ103の出力であるq軸電流指令iq**と、前回値記憶部124bの出力であるq軸電流指令の前回値iq**(k-1)との差分値に、制御対象のインダクタンス値Laを乗じ、かつ、サンプル時間Tで除した値である推定q軸電圧指令V^q*を生成するようにしているが、これらの構成に代えて、電流振幅リミッタ103の出力であるq軸電流指令iq**の微分値を生成する微分器と係数設定器(値はインダクタンス値La)を電流振幅リミッタ103と電圧振幅リミッタ121との間に設けるように構成してもよい。
また、図2では、加減算器119の一方にq軸電流指令iq**の前回値iq**(k-1)を入力するようにしているが、図3に示すように、前回値記憶部124aの出力である修正q軸電流指令iq***の前回値iq***(k-1)を入力するように構成することも可能である。この構成によれば、q軸電流指令iq**と修正q軸電流指令iq***との乖離、すなわちdi/dtリミッタ部104における入力信号と出力信号との乖離を防ぐことができ、制御系の応答を安定化することが可能となる。
ところで、上記特許文献1を初めとする従来技術では、取得した飽和量を「飽和量を取得した制御器の入力または積分器」(マイナーループ)にF/Bしている。
一方、実施の形態1の制御装置によれば、上述のように、飽和量F/B部105は、位置制御時および速度制御時の過渡電圧飽和によるワインドアップ現象を回避するため、取得した推定q軸電圧飽和量ΔV^qにF/Bゲインを乗じて、速度指令W*と速度F/B信号Wfbとが追従できるようにするための位置指令修正量ΔPを位置制御器101の入力側にF/Bするようにしている。すなわち、本実施の形態では、マイナーループの飽和量(推定q軸電圧飽和量ΔV^q)をアウターループの指令(この場合、位置指令P*)にF/Bするようにしており、このF/B処理が、従来技術と大きく異なる点である。マイナーループの飽和量をアウターループの指令にF/Bすることによって、ワインドアップ発生原因の元指令を修正できるので、ワインドアップの効果的な抑制が可能となる。
以上説明したように、実施の形態1の制御装置によれば、インダクタンス値とq軸電流変化に起因するq軸電圧振幅飽和が発生しないようなq軸修正電流指令を生成してq軸電流制御器に出力するようにしているので、インダクタンス値とq軸電流変化に起因するq軸電流制御器におけるq軸電圧振幅飽和を回避することができ、q軸電圧飽和に起因するワインドアップ現象の効果的な抑制が可能となる。
また、実施の形態1の制御装置によれば、インダクタンス値とq軸電流変化に起因するq軸電圧振幅の飽和量の推定値である推定q軸電圧飽和量を算出するようにしているので、アンチワインドアップ制御や過渡電圧飽和に基づく飽和状態の監視が可能となる。
また、実施の形態1の制御装置によれば、算出した推定q軸電圧飽和量に基づいて算出した位置指令修正量または速度指令修正量を、位置制御器の入力側または速度制御器の入力側にF/Bするようにしているので、速度指令・電流指令に対するF/Bの追従性を向上させることができ、q軸電圧飽和によるワインドアップ現象の効果的な抑制が可能となる。また、従来に比して、位置・速度制御器のゲインを比較的高く設定することができるので、ワインドアップ現象を抑制しつつ、制御の安定性と応答性とを高めることが可能となる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2における制御装置の構成を示す図であり、図1に示す実施の形態1の構成と比較すると、第1の制御系10の構成が相違している。具体的に、実施の形態1では、電流振幅リミッタ103とdi/dtリミッタ部104とをそれぞれ独立して構成していたが、実施の形態2では、電流振幅リミッタ103を、di/dtリミッタ部104の内部に配置するように構成している。なお、その他の構成については、図1と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図5は、図4に示すdi/dtリミッタ部104の細部構成を示す図であり、図1に示した電流振幅リミッタ103に相当する構成部である電流振幅リミッタ127を、加減算器123の後段に配置するように構成している。電流振幅リミッタ127をdi/dtリミッタ部104内に含ませるように構成した場合、di/dtリミッタ部104から出力される修正電流指令iq***は、q軸電流指令iq*の電流変化率と電流振幅の両者を制限したものとなる。
di/dtリミッタ部104内で電流振幅も制限することにより、di/dtリミッタ部104内において、電圧振幅リミッタ121を通過した後の推定q軸電圧指令V^q**と電圧振幅リミッタ121を通過する前の推定q軸電圧指令V^q*との偏差からq軸電流指令の傾き(変化率)の飽和量を電圧換算した推定量である推定q軸電圧飽和量ΔV^qを得ることができる。この場合、推定q軸電圧飽和量ΔV^qに電流振幅飽和量を含ませることができるので、電流振幅飽和量のF/Bも可能となり、制御系の安定性を向上させることができる。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3における制御装置の構成を示す図であり、図1に示す実施の形態1の構成と比較すると、第1の制御系10の構成が相違している。具体的に、実施の形態2では、電流振幅リミッタ103を、di/dtリミッタ部104の内部に配置するように構成し、推定q軸電圧飽和量ΔV^qに電流振幅飽和量を含ませるようにしていたが、実施の形態3では、図1に示す第1の制御系10の構成において、電流振幅リミッタ103の前後の差分値を演算する加減算器118が設けられており、加減算器118の出力であるq軸電流振幅飽和量ΔIqが飽和量F/B部105に入力されるように構成されている。すなわち、実施の形態3では、推定q軸電圧飽和量ΔV^qとは独立にq軸電流振幅飽和量ΔIqが生成される構成となっている。なお、その他の構成については、図1と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図6に示す第1の制御系10によれば、飽和量F/B部105において、推定q軸電圧飽和量ΔV^qおよびq軸電流振幅飽和量ΔIqのそれぞれに付与するゲイン値、ならびに推定q軸電圧飽和量ΔV^qおよびq軸電流振幅飽和量ΔIqを通過させるフィルタ特性の調整を独立に行うことができるので、位置応答における目標値への収束を速めることが可能となる。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4におけるdi/dtリミッタ部104の構成を示す図である。図3に示す実施の形態1の構成と比較すると、実施の形態4では、係数設定器120と電圧振幅リミッタ121との間に加減算器126が設けられるとともに、推定q軸電圧指令V^q*に変動を与える要素(詳細は後述)が加減算器126に入力されるように構成されている。なお、その他の構成については、図3と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
まず、q軸電圧Vqを表す一般式は、次式で与えられる。
q=Raq+sLqq+ωreφ+ωredd …(1)
上式において、Raqは電機子抵抗とq軸電流による電圧成分、sLqqはインダクタンスとq軸電流の変化率による過渡電圧成分、ωreφはモータの誘起電圧成分、ωLddはd軸干渉項成分をそれぞれ表している。なお、記号sはラプラス演算子(微分演算子)である。
また、上記(1)式を、推定q軸電圧指令V^q*に適用すると、次式で表される。
V^q*=Raq+sLqq+ωreφ+ωredd …(2)
実施の形態1〜3では、上記(2)式の第2項のみを考慮した制御系を構成している。一方、q軸電圧飽和の影響に比して、電機子抵抗端子電圧(Raq)、誘起電圧(ωreφ)、d軸干渉項(ωLdd)の各成分による影響が比較的大きい場合には、図7に示すように、加減算器126を用いて、電機子抵抗端子電圧、誘起電圧、d軸干渉成分を含む制御系に置き換えることが好ましい。この制御系により、電機子抵抗端子電圧、誘起電圧、d軸干渉成分を考慮した推定q軸電圧指令V^q*を得ることができる。
なお、上記(2)式には含めていないが、電流のリプルが大きく、鉄損分によるq軸電圧飽和への影響が大きい場合には、加減算器126に入力する成分として鉄損分を含めるようにすれば、鉄損分を考慮した推定q軸電圧指令V^q*を得ることができる。
また、図7に示す実施の形態4におけるdi/dtリミッタは、電機子抵抗端子電圧、誘起電圧、d軸干渉項などの影響を考慮した制御系を図3に示す実施の形態1のdi/dtリミッタに適用した場合の一構成例を示すものであるが、この構成に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、電機子抵抗端子電圧、誘起電圧、d軸干渉項などの影響を考慮した制御系を図5に示す実施の形態2のdi/dtリミッタに適用して構成してもよい。この構成によれば、di/dtリミッタ部104内で電流振幅をも制限し、電圧振幅リミッタ121を通過した後の推定q軸電圧指令V^q**と、電圧振幅リミッタ121を通過する前の推定q軸電圧指令V^q*との偏差から、電機子抵抗端子電圧、干渉項を考慮したq軸電流振幅飽和量と、q軸電流指令の傾き(変化率)の飽和量を電圧換算した精度のよい推定q軸電圧飽和量ΔV^qを得ることができるので、さらなる制御系の安定化が図れる。
ところで上記実施の形態4では、di/dtリミッタ部104において、インダクタンス、q軸電流、q軸電圧および電流振幅リミッタ(q軸電流リミッタ)、電圧振幅リミッタ(q軸電圧リミッタ)を用いて修正q軸電流指令および推定q軸電圧飽和量を算出するようにしているが、q軸電流リミッタおよびq軸電圧リミッタに代えて、q軸電流リミッタの換算値およびq軸電圧リミッタの換算値を用いて修正q軸電流指令および推定q軸電圧飽和量を算出するようにしてもよく、q軸電流変化に起因するq軸電圧飽和を抑制できることは言うまでもない。
また、実施の形態1〜4に示すdi/dtリミッタ部104は、推定q軸電圧、q軸修正電流指令および推定q軸電圧飽和量を算出するようにしたが、d軸方向に関する同様な成分、すなわち、推定d軸電圧、修正d軸電流指令および推定d軸電圧飽和量を算出する制御系を構成してもよい。なお、この場合の推定d軸電圧は次式で表される。
V^d*=sLdd …(3)
また、電機子抵抗とd軸電流による電圧成分、q軸干渉項を含む場合、上記(3)式は次式のように表せる。
V^d*=Rad+sLdd−ωreqq …(4)
上式において、Radは電機子抵抗とd軸電流による電圧成分、sLddはインダクタンスとd軸電流の変化率による過渡電圧成分、ωreqqはq軸干渉項成分をそれぞれ表している。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5における制御装置の構成を示す図である。実施の形態1では、図1に示すように、第1の制御系10の出力段にdi/dtリミッタ部104を配置していたが、実施の形態5では、di/dtリミッタ部104に代えて、q軸電流制御系モデル部201を配置するように構成している。なお、その他の構成については、図1と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図10は、図9に示すq軸電流制御系モデル部201の細部構成を示す図である。図10において、q軸電流制御系モデル部201は、ゲイン設定器202、電圧振幅リミッタ203、モータ電気回路モデル部204および加減算器205,206を備えて構成される。
電圧振幅リミッタ203は、電圧振幅制限器としての機能を有し、ゲイン設定器202の出力である推定q軸電圧指令V^q*の振幅を所定幅に抑えた推定q軸電圧指令V^q**を生成して出力する。モータ電気回路モデル部204は、電圧振幅リミッタ203が生成した推定q軸電圧指令V^q**を入力信号とし、修正電流指令iq***を生成して出力する。なお、修正電流指令iq***は、モータ電気回路モデル部F/B電流i^qfbとしてq軸電流制御系モデル部201の入力側にF/Bされる。また、電流振幅リミッタ103の出力であるq軸電流指令iq**と、モータ電気回路モデル部F/B電流i^qfbとの偏差が加減算器205にて生成され、ゲイン設定器202にてゲインKCPが付与されて電圧振幅リミッタ203への入力信号(推定q軸電圧指令V^q*)となる。なお、電圧振幅リミッタ203に対する入力信号の差分値が推定q軸電圧飽和量ΔV^qとして生成され、飽和量F/B部105の入力信号となることは、di/dtリミッタ部104と同様である。
モータ電気回路モデル部204は、モータq軸インダクタンスLaとq軸電機子抵抗Raによる直列接続回路でモデル化することができるので、モータ電気回路モデル部204への入力信号(推定q軸電圧指令V^q**)と、モータ電気回路モデル部204の出力信号(修正電流指令iq***)との関係は、次式で表すことができる。
q***=V^q**/(Ra+sLa) …(5)
なお、sは微分演算子である。
上記(5)式をモデル化した制御系の一例を示すものが図11であり、図10に示すモータ電気回路モデル部204を後退積分器を用いて離散化したブロック図である。図11において、モータ電気回路モデル部204は、係数設定器207,208,209、前回値記憶部210、および加減算器211,212を備えて構成されている。なお、ここでは後退積分器を用いて離散化しているが、これに限定されるものではなく、例えば、フォワードオイラー法、バックワードオイラー法、ルンゲクッタ法等の離散化手法を用いても構わない。
q軸電流制御系モデルを用いた場合、モータモデルと制御器を考慮した状態で、推定q軸電圧飽和量ΔV^qおよび修正電流指令iq***を得ることができる。また、q軸電流制御系モデルは、実施の形態1と同様に、電圧飽和時には電流振幅のみならず電流変化率(電流の傾き)の制限をも行うことが可能である。その結果、実施の形態5によるq軸電流制御系モデルによれば、電流制御器での過渡電圧飽和が発生しないような修正電流指令iq***を生成することが可能となり、過渡電圧飽和に起因するワインドアップ減少の発生を抑制することができる。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6における制御装置の構成を示す図である。図9に示す実施の形態5の構成と比較すると、第1の制御系10の構成が相違している。具体的に、実施の形態5では、電流振幅リミッタ103とq軸電流制御系モデル部201とをそれぞれ独立して構成していたが、実施の形態6では、電流振幅リミッタ103をq軸電流制御系モデル部201(より詳細にはモータ電気回路モデル部204)の内部に配置するように構成している。なお、その他の構成については、図9と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図13は、図10に示したq軸電流制御系モデル部201の一構成要素であるモータ電気回路モデル部204の細部構成を示す図であり、図9に示した電流振幅リミッタ103に相当する構成部である電流振幅リミッタ213を、加減算器212の後段に配置するように構成している。
電流振幅リミッタ213をモータ電気回路モデル部204内に含ませるように構成した場合、dモータ電気回路モデル部204から出力される修正電流指令iq***は、q軸電流指令iq*の電流変化率と電流振幅の両者を制限したものとなる。
モータ電気回路モデル部204内で電流振幅も制限することにより、モータ電気回路モデル部204では、電圧振幅リミッタ203を通過した後の推定q軸電圧指令V^q**と電圧振幅リミッタ203を通過する前の推定q軸電圧指令V^q*との偏差からq軸電流指令の傾き(変化率)の飽和量を電圧換算した推定量である推定q軸電圧飽和量ΔV^qを得ることができる。この場合、推定q軸電圧飽和量ΔV^qに電流振幅飽和量を含ませることができるので、電流振幅飽和量のF/Bも可能となり、制御系の安定性を向上させることができる。
実施の形態7.
図14は、本発明の実施の形態7における制御装置の構成を示す図であり、図9に示す実施の形態5の構成と比較すると、第1の制御系10の構成が相違している。具体的に、実施の形態7では、図9に示す第1の制御系10の構成において、電流振幅リミッタ103の前後の差分値を演算する加減算器118が設けられており、加減算器118の出力であるq軸電流振幅飽和量ΔIqが飽和量F/B部105に入力されるように構成されている。すなわち、実施の形態7では、推定q軸電圧飽和量ΔV^qとは独立にq軸電流振幅飽和量ΔIqが生成される構成となっている。なお、その他の構成については、図9と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図14に示す第1の制御系10によれば、飽和量F/B部105において、推定q軸電圧飽和量ΔV^qおよびq軸電流振幅飽和量ΔIqのそれぞれに付与するゲイン値、ならびに推定q軸電圧飽和量ΔV^qおよびq軸電流振幅飽和量ΔIqを通過させるフィルタ特性の調整を独立に行うことができるので、位置応答における目標値への収束を速めることが可能となる。
なお、実施の形態5〜7におけるq軸電流制御系モデル部201におけるモータ電気回路モデル部204は、誘起電圧成分、干渉成分(干渉電圧成分)などを含まないモデルとして示しているが、干渉電圧成分は次式で表すことができるので、図15に示すような干渉電圧成分を含めた詳細モータモデルに置き換えることも可能である。
interaction=ωLdd+ωφ …(6)
このような詳細モータモデルを設けることにより、誘起電圧成分や干渉電圧成分に起因するワインドアップを抑制することができ、さらなる制御系の安定化が図れる。なお、図15では、モータ電気回路モデル部204の入力側に上記(6)式による制御系を設ける構成について示したが、モータ電気回路モデル部204の内部に、この種の制御系を設けるようにしてもよいことは無論である。
実施の形態8.
図16は、本発明の実施の形態8における制御装置の構成を示す図である。実施の形態5〜7では、q軸電流制御系モデル部201としてq軸座標上のモータ電気回路モデルを構成したが、実施の形態8では、第1の制御系10と第2の制御系12との間で、第1の制御系10の後段部に、dq座標系のモータモデルとして電流制御系モデル部307を設けるようにしている。なお、図14では、第2の制御系12に対するd軸電流指令id*として、外部からの指令信号が入力されるように構成されているが、図16では、電流制御系モデル部307が生成した指令信号であるd軸電流指令id***が入力されるように構成されている。その他の構成については、図14と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図17は、図16に示す電流制御系モデル部307の細部構成を示す図である。図17において、電流制御系モデル部307は、ゲイン設定器308、座標変換器309a〜309c、三相リミッタ部310、三相モータモデル部311および加減算器314,315を備えて構成される。
座標変換器309aは、ゲイン設定器308の出力である推定d軸電圧指令V^d*および推定q軸電圧指令V^q*をUVW三相静止座標系の推定三相電圧指令V^*,V^*,V^*に変換して出力する。三相リミッタ部310は、推定三相電圧指令V^*,V^*,V^*を入力信号とし、電圧振幅を所定幅に抑えた推定三相電圧指令V^**,V^**,V^**を生成して三相モータモデル部311に出力するとともに、UVW三相静止座標系の推定電圧飽和量である推定三相電圧飽和量ΔV^,ΔV^,ΔV^を生成して座標変換器309cに出力する。座標変換器309cは、UVW三相静止座標系の推定三相電圧飽和量ΔV^,ΔV^,ΔV^をdq直交2軸回転座標系の推定dq軸電圧飽和量ΔV^q,ΔV^dに変換して出力する。三相モータモデル部311は、推定三相電圧指令V^**,V^**,V^**を入力信号とし、UVW三相静止座標系の三相電流指令iu***,iv***,iw***を生成して出力する。座標変換器309bは、UVW三相静止座標系の三相電流指令iu***,iv***,iw***をdq直交2軸回転座標系のdq軸電流指令iq***,id***に変換して出力する。dq軸電流指令iq***,id***は、電流制御系モデル部307の出力であるとともに、入力側へのF/B信号(i^qfb,i^dfb)として、それぞれ加減算器315,314に対する入力信号となる。
なお、この実施の形態では、電流制御系モデル部307において、三相リミッタ部310および三相モータモデル部311を用いて修正dq軸電流指令および推定dq軸電圧飽和量を算出するようにしているが、三相リミッタ部310や三相モータモデル部311を構成することなく、それらの換算値を用いて修正dq軸電流指令および推定dq軸電圧飽和量を得るような制御系を構成してもよく、各軸の電流変化(特にq軸電流変化)に起因する電圧飽和(特にq軸電圧飽和)を抑制できることは言うまでもない。
実施の形態9.
図18は、本発明の実施の形態9における制御装置の構成を示す図である。実施の形態1〜8では、di/dtリミッタ部104、q軸電流制御系モデル部201、または電流制御系モデル部307が、q軸電流制御器107b(実施の形態8では、d軸電流制御器107aも含む)に直列接続される制御系について示した。一方、電圧飽和量のみを得るのであれば、これらの電流変化量制限部として機能する構成部は、必ずしも電流制御器に直列接続する必要はない。すなわち、図18に示すように、電流振幅リミッタ103の出力がq軸電流制御器107bの入力信号となるように構成するとともに、電流振幅リミッタ103の分岐出力を電流変化量制限部401を介して飽和量F/B部105に入力するように構成している。その他の構成については、図16と同一または同等であり、同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図18の場合、q軸電流制御器107bでの電圧飽和は発生するが、推定q軸電圧飽和量およびq軸電流振幅飽和量ΔIqのF/Bを行っているため、ワインドアップ現象の抑制が可能となる。また、電流変化量制限部401を具現するdi/dtリミッタ部104およびq軸電流制御系モデル部201は、その構造的な特性により、等価的にローパスフィルタ(LPF)の働きをするため、電圧飽和を起こさない場合でも位相遅れを起こすことがある。しかしながら、図18のように、電流変化量制限部401を並列接続するように構成すれば、当該位相遅れを回避することができ、制御系の応答を安定化することが可能となる。
なお、上記実施の形態1〜9では、本発明をサーボシステムの制御装置に利用する場合について説明したが、位置・速度・加速度・加加速度・電流・磁束・電圧など、電流または電圧に換算可能な状態量のいずれか1つ以上を制御する制御装置において、電流・電圧の単位を換算変換することで同一または同等となる制御系を構成して利用してもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態1〜9では、電圧飽和量のF/Bを位置指令に対して行っているが、電圧飽和量のF/Bを速度指令に対して行うようにしてもよい。位置指令と速度指令の関係が線形であるとすれば、位置飽和量に位置制御器ゲインを乗じたものを速度指令にF/Bすることと、位置指令にF/Bすることとが等価となる。
また、上記実施の形態1〜9では、電圧リミット値を固定値としたときの電圧飽和量を用いたが、例えば母線電圧を監視し、その値またはその換算値を電圧リミッタ値として反映させて電圧飽和量を求めるようにしてもよい。このような制御を行う場合、より精度のよい電圧飽和量を得ることができる。
実施の形態10.
上記実施の形態1〜9では、di/dtリミッタ部104およびq軸電流制御系モデル部201を電流変化量制限部としてF/Bループに用いたが、以下に詳述するように、より高速高精度な位置決め応答を行う為に用いることがあるフィードフォワード部(以下「F/F部」という)にもdi/dtリミッタ部104およびq軸電流制御系モデル部201を応用して加速度変化量制限部として用いることが可能であり、これによりF/F部の安定化も図ることができる。
図19は、本発明の実施の形態10における制御装置の構成を示す図であり、図6、図14に示す実施の形態3および実施の形態7の構成と比較すると、第3の制御系13が追加されていると共に、第3の制御系13と第1の制御系10とが接続されている。
また、第1の制御系に接続されていた上位コントローラ114が第3の制御系13に接続されている。具体的に、実施の形態3および実施の形態7では、上位コントローラ114は第1の制御系10の加減算器115に接続されていたが、実施の形態10では、第3の制御系13の加減算器115’に接続されている。
(第3の制御系13の構成および動作)
つぎに第3の制御系の構成および動作について説明する。図19において、第3の制御系13は、モデル位置制御器101’、モデル速度制御器102’、モデル加速度振幅リミッタ103’、モデル加速度変化量制限部401’、モデル飽和量F/B部105’、モデル加速度制御器107’、加加速度振幅リミッタ108’、積分器501a〜501c、および加減算器115’〜118’、118b’を備えて構成される。なお、ここでモデルと冠するのはF/Bループと区別するためである。
モデル位置制御器101’は、加減算器116’の出力であるモデル位置偏差errpaを入力信号とし、モデル速度指令Wa*を生成して出力する。なお、モデル位置偏差errpaは、加減算器115’の出力である修正モデル位置指令Pa**と積分器501aの出力であるモデル位置信号Paとの減算出力として加減算器116’によって生成される。また、修正モデル位置指令Pa**は、上位コントローラ114の出力である位置指令P*とモデル飽和量F/B部105’の出力であるモデル位置指令修正量ΔPaとの減算出力として加減算器115’によって生成される。
モデル速度制御器102’は、加減算器117’の出力であるモデル速度偏差errwaを入力信号とし、モデル加速度指令aa*を生成して出力する。なおモデル速度偏差errwaは、モデル位置制御器101’の出力であるモデル速度指令Wa*と積分器501bの出力であるモデル速度信号Waとの減算出力として加減算器117’によって生成される。また、モデル速度信号Waは、積分器501aの入力信号となる。
モデル加速度振幅リミッタ103’は、加速度振幅制御器としての機能を有し、モデル速度制御器102’の出力であるモデル加速度指令aa*の振幅を所定幅に抑えたモデル加速度指令aa**を生成して出力する。なお、モデル加速度指令aa*および加速度指令aa**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、モデル加速度指令aa*を「振幅制限前のモデル加速度指令」と呼称し、モデル加速度指令aa**を「振幅制限後のモデル加速度指令」と呼称する。また、振幅制限前のモデル加速度指令aa*と振幅制限後のモデル加速度指令aa**を入力とする加減算器118’からモデル加速度飽和量Δa^が得られ、このモデル加速度飽和量Δa^aは、モデル飽和量F/B部105’への入力信号となる。
モデル加速度変化量制限部401’は、モデル加速度指令aa**を入力信号とし、修正モデル加速度指令aa***および推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aを生成して出力する。なお、修正モデル加速度指令aa***は、モデル加速度指令aa**の振幅変化率を制限した加速度指令であり、加減算器118b’への入力信号となる。また、推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aは、モデル飽和量F/B部105’への入力信号となる。
モデル飽和量F/B部105’は、フィルタ機能やゲイン設定機能などを有し、モデル加速度変化量制限部401’の出力である推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aと加減算器118’の出力であるモデル加速度飽和量Δaaを入力信号とし、モデル位置修正量ΔPaを生成して出力する。なお、モデル位置修正量ΔPaは、加減算器115’に対する一方の入力信号となり、位置指令P*に対する減算出力となる。
なお、図19では、モデル位置修正量ΔPaを位置指令P*にF/Bする構成としたが、モデル位置制御器101’のゲインをモデル位置修正量ΔPaに乗じるようにすれば、位置指令修正量ΔPaを速度修正量と見なすことができる。この場合、飽和量F/B部105’の出力をモデル速度制御器102’の入力側にF/Bする構成とすることも可能である。
モデル加速度制御器107’は、加減算器118b’の出力であるモデル加速度偏差erraaを入力信号とし、モデル加加速度指令Ja*を生成して出力する。なおモデル加速度偏差erraaは、モデル加速度変化量制限部401’の出力である振幅制限後のモデル加速度指令aa*と積分器501cの出力であるモデル加速度信号aaとの減算出力として加減算器118’によって生成される。また、モデル加速度信号aaは、積分器501bの入力信号となる。
モデル加加速度振幅制限部108’は、加加速度振幅制御器としての機能を有し、モデル加速度制御器107’の出力であるモデル加加速度指令Ja*の振幅を所定幅に抑えたモデル加加速度指令Ja**を生成して出力する。なお、モデル加加速度指令Ja*およびモデル加加速度指令Ja**については記号を付して区別するが、記号なしで区別する場合には、モデル加加速度指令Ja*を「振幅制限前のモデル加加速度指令」と呼称し、モデル加加速度指令Ja**を「振幅制限後のモデル加加速度指令」と呼称する。また、モデル加加速度指令Ja**は、モデル加加速度Jaとして積分器501cの入力信号となる。
第3の制御系13から第1の制御系10へは、モデル位置Paが加減算器115に加算され、モデル速度Waが加減算器117に加算される。また、モデル加速度aaは、単位換算ゲインを乗じて加減算器119へ加算されている。
また、振幅制限前のモデル加加速度指令Ja*と振幅制限後のモデル加加速度指令Ja**を入力とする加減算器118’からモデル加速度飽和量Δaaが得られ、モデル加速度飽和量Δaaは、モデル飽和量F/B部105’への入力信号となる。
モデル加速度変化量制限部401’は、例えば、図20のda/dtリミッタ部104’または、図21に示す加速度制御系モデル部201’で構成される。
da/dtリミッタ部104’は、di/dtリミッタ部104と相似な関係にある。すなわち、di/dtリミッタ部104では、電流変化量とインダクタンスとから微分関係を用いて過渡電圧指令を求めたが、da/dtリミッタ部104’では、加速度変化量から微分関係を用いて加加速度を求める。離散化した一例として図20にda/dtリミッタ部104’の一構成を示す。この構成は、図3と相似であるが、図2、図4、図5と相似な形に変形できることは言うまでもない。
図20の加速度変化量制限部としてのda/dtリミッタ部104’は、図3のdi/dtリミッタと相似であり、その違いを見ると係数設定器120’は、係数設定器120に換算ゲインであるインダクタンス値の逆数1/Laを乗じたものであり、係数設定器122’は、係数設定器122にインダクタンス値Laを換算ゲインとして乗じたものとなっている。そして、電圧振幅リミッタ121がモデル加加速度振幅リミッタ121’となっている。モデル加加速度振幅リミッタ値は、電圧振幅リミッタ値に換算ゲインを乗じることで求められる。その他の構成は、di/dtリミッタ部104と同様のため省略する。
図20のda/dtリミッタ部104’へは、振幅制限後のモデル加速度指令aa**が入力され、da/dtリミッタ部104’から修正モデル加速度指令aa***と加加速度振幅リミッタ前後の差分から得られる推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aが出力される。
このようにして得られた修正モデル加速度指令aa***と推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aを用いれば、第3の制御系(F/F部)の安定化を図ることができる。
図21は、図9、図12、図14などに示したq軸電流制御系モデル部201と相似な関係にある加速度制御系モデル部201’の一構成例を示す図である。具体的に、例えば図10に示すq軸電流制御系モデル部201では、電流制御系モデルを構成し、修正q軸電流指令iq***と推定q軸電圧飽和量ΔV^を生成したが、図21に示す加速度制御系モデル部201’では、加速度制御系モデルを構成し、修正モデル加速度指令aa***と推定モデル加加速度飽和量ΔJ^を生成する。
さらに、図10に示すq軸電流制御系モデル部201と、図21に示す加速度制御系モデル部201’との構成の相違点を比較すると、q軸電流制御ゲインを設定するゲイン設定器202が加速度制御ゲインを設定するゲイン設定器202’となっており、モータ電気回路モデル部204が積分器204’となっている(第3の制御系(F/F部)の加速度制御器の制御対象が積分器501cの積分器のためであるが、制御対象によっては変更され得る)。加速度制御ゲイン202’は、q軸電流制御ゲイン202に換算ゲインを乗じることで求められる。また、q軸電圧振幅リミッタ203は、加加速度振幅リミッタ203’となっている。加加速度振幅リミッタ値は、da/dtリミッタ部と同様に、電圧振幅リミッタ値に換算ゲインを乗じることで求められる。
図21の加速度制御系モデル部201’へは、振幅制限後のモデル加速度指令aa**が入力され、加速度制御系モデル部201’から修正モデル加速度指令aa***と加加速度振幅リミッタ前後の差分から得られる推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aが出力される。
このようにして得られた修正モデル加速度指令aa***と推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aを用いれば、da/dtリミッタ部と同様に第3の制御系(F/F部)の安定化を図ることができるとともに、第3の制御系を考慮した推定モデル加加速度飽和量を得ることができる。
実施の形態11.
実施の形態1〜9において、di/dtリミッタ部とq軸電流制御系モデル部は、上位の概念として同一であり、電流変化量制限部とすることができると述べたが、da/dtリミッタ部104’と加速度制御系モデル部201’においても、上位の概念として同一であり、モデル加速度変化量制限部401’とすることができる。
図22は、実施の形態11における制御装置の構成を示す図であり、図19の実施の形態10の構成と比較すると、モデル加速度変化量制限部401’が無く、代わりに加加速度振幅リミッタ108’の入力である振幅制限前のモデル加加速度指令Ja*と加加速度振幅リミッタ108’から出力される振幅制限後のモデル加加速度Ja**と加減算器118''とからモデル加加速度飽和量ΔJaを得る構成が設けられている。モデル加加速度飽和量ΔJaはモデル飽和量F/B部105’へ入力される。
加速度制御系モデル部は、その構成上、加減算器118b’、モデル加速度制御器107’、加加速度振幅リミッタ108’、積分器501cで作られるモデル加速度制御系と等価であるため、加速度制御系モデル部を省略して加加速度振幅リミッタから直接、モデル加加速度飽和量得、飽和量F/B部へ入力することで、推定加加速度飽和量ΔJ^とモデル加加速度飽和量ΔJaの置き換えが可能となる。
これにより推定モデル加加速度飽和量ΔJ^aを推定せずにモデル加加速度飽和量ΔJaを得ることが可能となり、制御系の簡単化が図れ、演算時間の短縮が可能となる。
以上のように、本発明にかかる制御装置は、制御対象の位置・速度・加速度・加加速度・電流・電圧などの状態量を制御する制御装置において、q軸電圧飽和に起因するワインドアップ現象を効果的に抑制することができる発明として有用である。
本発明の実施の形態1における制御装置の構成を示す図である。 図1に示すdi/dtリミッタ部の細部構成を示す図である。 図1に示すdi/dtリミッタ部の図2とは異なる細部構成を示す図である。 実施の形態2における制御装置の構成を示す図である。 図4に示すdi/dtリミッタ部の細部構成を示す図である。 実施の形態3における制御装置の構成を示す図である。 実施の形態4におけるdi/dtリミッタ部の構成を示す図である。 実施の形態4における図7とは異なるdi/dtリミッタ部の構成を示す図である。 実施の形態5における制御装置の構成を示す図である。 図9に示すq軸電流制御系モデル部の細部構成を示す図である。 図10に示すモータ電気回路モデルの構成例を示す図である。 実施の形態6における制御装置の構成を示す図である。 図10に示したq軸電流制御系モデル部の一構成要素であるモータ電気回路モデル部の細部構成を示す図である。 実施の形態7における制御装置の構成を示す図である。 干渉電圧成分を含む詳細モータモデルを示す図である。 実施の形態8における制御装置の構成を示す図である。 図16に示す電流制御系モデル部の細部構成を示す図である。 実施の形態9における制御装置の構成を示す図である。 実施の形態10における制御装置の構成を示す図である。 実施の形態10におけるda/dtリミッタ部の構成を示す図である。 実施の形態10における加速度制御系モデル部の構成を示す図である。 実施の形態11における制御装置の構成を示す図である。
符号の説明
10 第1の制御系
12 第2の制御系
13 第3の制御系
101 位置制御器
102 速度制御器
102’ モデル速度制御器
103,127,213 電流振幅リミッタ
103’ モデル加速度振幅リミッタ
104 di/dtリミッタ部
105 飽和量F/B部
106 微分器
107a d軸電流制御器
107b q軸電流制御器
107’ モデル加速度制御器
108a d軸電圧振幅リミッタ
108b q軸電圧振幅リミッタ
108’ モデル加加速度振幅制限部
109a,109b,309a〜309c 座標変換器
111a〜111c 電流検出器
112 モータ
114 上位コントローラ
115,115’,116,116’,117,117’,118,118’,118”,118a,118b,118b,119,119’,123,123’,125,125’,126,205,205’,206,211,212,314,315 加減算器
120,120’,122,122’ 係数設定器
121 電圧振幅リミッタ
121’ モデル加加速度振幅リミッタ
124a,124b,210 前回値記憶部
201 q軸電流制御系モデル部
202,202’ ゲイン設定器
203 電圧振幅リミッタ
203’ 加加速度振幅リミッタ
204 モータ電気回路モデル部
204’,501a〜501c 積分器
207,208,209 係数設定器
307 電流制御系モデル部
308 ゲイン設定器
310 三相リミッタ部
311 三相モータモデル部
401 電流変化量制限部

Claims (9)

  1. 1または複数の電流制御器および当該電流制御器のうちの少なくとも1つの電流制御器に対する電流指令の振幅成分を制限する電流振幅リミッタを備え、インダクタンス成分を含む制御対象を制御する制御装置において、
    「電流指令もしくはその換算値」の変化率を求め、前記制御対象のインダクタンス成分に相当する値を乗算し、前電流指令もしくはその換算値の変化率」および「前記インダクタンス成分による推定過渡電圧」を演算する第1の演算器と、
    前記第1の演算器の出力信号が「振幅制限前の推定電圧指令」として入力され、「当該振幅制限前の推定電圧指令」の振幅を所定幅に制限した信号を出力する電圧振幅リミッタと、
    前記電圧振幅リミッタの出力信号が「振幅制限後の推定電圧指令」として入力され、前記第1の演算器が前電流指令もしくはその換算値」に対して行った処理の逆変換処理を行った信号を前記電流制御器に対する「修正電流指令もしくはその換算値」として出力する第2の演算器と、
    を有する電流変化量制限部が前記電流制御器の入力側に設けられ、
    前記電流変化量制限部は、前記電圧振幅リミッタに対する入力信号と、前記電圧振幅リミッタの出力信号との差分値を「推定電圧飽和量もしくはその換算値」として生成し、生成した「推定電圧飽和量もしくはその換算値」を位置制御器または速度制御器を含む上位の制御器に対する「入力指令もしくはそれらの換算値」にフィードバックすることを特徴とする制御装置。
  2. 前記電流変化量制限部は、入力された「電流指令もしくはその換算値」と、前記「修正電流指令もしくはその換算値」とを用いて、前記「電流指令もしくはその換算値の変化率」を生成することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記電流変化量制限部の入力側には、前記上位の制御器からの出力振幅を所定幅に抑えた電流指令を生成して当該電流変化量制限部に出力する電流振幅リミッタが設けられており、
    前記電流変化量制限部は、前記電流振幅リミッタに対する入力信号と、前記電流振幅リミッタの出力信号との差分値を「電流振幅飽和量もしくはその換算値」として生成し、前記推定電圧飽和量もしくはその換算値」に加え前記「電流振幅飽和量もしくはその換算値」を前記上位の制御器に対する「入力指令もしくはそれらの換算値」にフィードバックすることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. さらに「加速度またはその換算値を制御する制御器」が設けられる場合に
    前記「加速度またはその換算値を制御する制御器」への入力である「加速度またはその換算値」の変化率を求めることにより前記「加速度またはその換算値を制御する制御器が出力するであろう「加加速度またはその換算値」の値を推定し、
    前記「加速度またはその換算値の変化率を加加速度振幅リミッタを用いて所定幅に制限し、
    前記「加速度またはその換算値の変化率を求めた際に行った処理の逆変換処理を行ったものを前記「加速度またはその換算値を制御する制御器」への修正入力とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記加加速度振幅リミッタ前後の差分値を推定加加速度飽和量とすることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  6. 位置制御器または速度制御器を含む上位の制御器が構成されている場合に、
    「前記推定加加速度飽和量もしくはその換算値」を当該上位の制御器に対する「入力指令もしくはそれらの換算値」にフィードバックすることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  7. 前記加加速度振幅リミッタ前後の差分値から得た加加速度飽和量を位置指令またはその換算値にフィードバックすることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  8. 電流制御器と、この電流制御器に対する電流指令の振幅成分を制限する電流振幅リミッタを備え、制御対象であるモータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータの電気回路を模擬し、「振幅制限後の推定電圧指令」に基づいて前記電流制御器に対する「修正電流指令もしくはその換算値」を生成して出力するモータ電気回路モデル部と、
    入力すべき「電流指令もしくはその換算値と前記モータ電気回路モデル部の出力との偏差」に所定のゲインを付与するゲイン設定器と、
    前記ゲイン設定器の出力信号が「振幅制限前の推定電圧指令」として入力され、「当該振幅制限前の推定電圧指令」の振幅を所定幅に制限した信号を出力する電圧振幅リミッタと、
    を有する電流制御系モデル部が前記電流制御器の入力側に設けられ、
    前記電流制御系モデル部は、前記電圧振幅リミッタに対する入力信号と、前記電圧振幅リミッタの出力信号との差分値を「推定電圧飽和量もしくはその換算値」として生成し、生成した「推定電圧飽和量もしくはその換算値」を位置制御器または速度制御器を含む上位の制御器に対する「入力指令もしくはそれらの換算値」にフィードバックすることを特徴とするモータ制御装置。
  9. 前記電流制御系モデル部の入力側には、前記上位の制御器からの出力振幅を所定幅に抑えた電流指令を生成して当該電流制御系モデル部に出力する電流振幅リミッタ(103)が設けられており、
    前記電流制御系モデル部は、前記電流振幅リミッタに対する入力信号(i q *)と、前記電流振幅リミッタの出力信号との差分値を「電流振幅飽和量もしくはその換算値」として生成し、前記推定電圧飽和量もしくはその換算値」に加え前記「電流振幅飽和量もしくはその換算値」を前記上位の制御器に対する「入力指令もしくはそれらの換算値」にフィードバックすることを特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
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