JP6737999B2 - 電圧指令値を出力する制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、電圧指令値を出力する制御装置に関する。
モータの振動および騒音の原因のひとつは、モータの半径方向(ラジアル方向)に発生する電磁加振力がステータの振動を励起することにある。ラジアル方向の電磁加振力は「ラジアル力」と称され、ロータとステータの各ティースとの間に発生する。ラジアル力には、ロータの回転に伴って異なる時間的周期で振動する複数の次数成分(高調波成分)が存在している。
そのような振動を低減するために、周期的な振動に対して逆の位相を有する電磁力を電流で作る研究が進められている。振動を低減するための電流は高調波電流である。モータに流れる電流を精度よく高調波電流指令に追従させる必要がある。
従来、フィードバック制御によって電流を制御する研究開発が進められてきた。しかしながら、フィードバックの特性及び内部モデル原理から、従来のフィードバックだけでは、高調波電流の追従制御を実現することが困難であることが分かっている。
たとえば、中井孝洋他による論文、「繰り返し完全追従制御によるPMSMの高調波電流抑制」、は、完全追従制御法(以下、「PTC」と記述する。)を改良した、繰り返し完全追従制御法を用いて高調波電流を制御する技術を開示する。当該論文では、PTCの時間領域でのモデル誤差を補正することにより、永久磁石同期モータ(すなわちPMSM)に発生する高調波電流を抑制できたことが報告されている。
中井孝洋他、「繰り返し完全追従制御によるPMSMの高調波電流抑制」〜dq座標モデルとαβ座標モデルの比較〜(2008) 河村篤男、「現代パワーエレクトロニクス」、数理工学社(2005)
本発明者らの研究によると、高調波電流は空間的なモデル誤差であるため、当該論文の手法によってPTCの時間領域でのモデル誤差を補正したとしても、依然としてモデル誤差が残されていることが分かった。モデル誤差をより小さくすることが必要とされている。
電流を精度よく高調波電流指令に追従させる技術は、モータの振動低減以外にも利用され得る。本開示の実施形態は、モデル誤差をより改善することにより、電流をより精度よく高調波電流指令へ追従させる制御手法を提供する。
本開示の制御装置は、例示的な実施形態において、電圧指令値を出力する制御装置であって、電流値に基づいてフィードバック制御を行い、第1電圧値を出力するフィードバック制御器と、制御対象であるプラントの逆モデルを用いて構築されたフィードフォワード制御器と、前記プラントのモデルと現実のプラントとの間のモデル化誤差によって生じる電圧外乱を補正するフィードフォワード電圧補正器と、周期的な電流外乱を学習する繰り返し制御器と、前記繰り返し制御器への入出力を制御するスイッチと、を有し、前記スイッチは電流応答が定常状態であるときにオンされ、前記繰り返し制御器は前記電流外乱を学習して前記電流指令値を補正し、前記フィードバック制御器は、補正された前記電流指令値から取得された電流値に基づいて前記フィードバック制御を行って前記第1電圧値を出力し、前記フィードフォワード制御器は、補正された前記電流指令値を前記逆モデルに入力して第2電圧値を出力し、前記第1電圧値および前記第2電圧値の和を前記電圧指令値として出力する。
本開示の実施形態によると、モデル誤差をより改善することにより、電流をより精度よく高調波電流指令へ追従させる制御を行うことが可能になる。
図1は、例示的な実施形態によるモータ制御システム1000の構成を模式的に示す図である。 図2は、主として演算ブロック522の処理モデルを示すブロック図である。 図3Aは、プラント102であるモータに接続された単相インバータの模式的な回路図である。 図3Bは、パルス幅ΔT[k]を制御するPWMホールドの出力電圧の例を示す図である。 図4は、FB制御器604の構成を示す図である。 図5は、2種類の電圧外乱(a)および(b)を含む差分項を示す図である。 図6は、dq座標系の電圧方程式および電圧方程式に含まれる電圧外乱を示す図である。 図7Aは、閉ループに組み込まれたむだ時間要素を有する、連続時間系の繰り返し制御器660aの基本的な構成を示す図である。 図7Bは、例示的な実施形態にかかる繰り返し制御器660(離散時間系)を示す図である。 図8は、制御装置500の処理の手順を示すフローチャートである。 図9は、シミュレーション結果を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示による制御装置および当該制御装置を有する制御システムの実施形態を説明する。本明細書では、主としてモータを有するモータ制御システムを説明する。しかしながら、当該モータ制御システムは、本開示による制御システムの限定的ではない例示的な実施形態である。後述のように、本開示による制御システムは、モータの回転を制御する以外にも利用可能である。
図1は、本実施形態によるモータ制御システム1000の構成を模式的に示す図である。図示されている例において、本実施形態のモータ制御システム1000は、ロータ100Rおよびステータ100Sを備える永久磁石同期モータ100と、ロータ100Rの位置を測定または推定するための位置センサ200と、インバータ300と、永久磁石同期モータ100を制御するモータ制御装置500とを備えている。
永久磁石同期モータ100の構成は、特に限定されない。永久磁石がロータ100Rの表面に組み込まれた表面磁石型モータ(SPM)であってもよいし、永久磁石がロータ100Rの内部に組み込まれた埋込磁石型モータ(IPM)であってもよい。または、永久磁石がステータの内部に保持されたモータであってもよい。また、ステータ100Sの巻線は集中巻に限定されず、分布巻であってもよい。位置センサ200の典型例は、ホール素子またはホールICなどの磁気センサ、ロータリエンコーダ、レゾルバである。位置センサ200は不可欠ではなく、センサレスでロータ100Rの位置を推定する構成を採用し得る。
インバータ300は、制御装置500から電圧指令値(Vu、Vv、Vw)を受け取る。インバータ300は、当該電圧指令値に基づくU相電圧u、V相電圧v、W相電圧wを、それぞれ、永久磁石同期モータ100のU相巻線、V相巻線、W相巻線に印加して、所望の電流を各相の巻線に流す。
なお、インバータ300の前段には、電圧指令値(Vu、Vv、Vw)に基づいてPWM信号を生成する回路、PWM信号に基づいてインバータ300内のトランジスタをスイッチングするゲート駆動信号を生成するゲートドライバが設けられ得る。これらの要素は公知であり、簡単のため、記載が省略されている。
制御装置500は、信号処理プロセッサ520と、メモリ540とを備える。メモリ540は、信号処理プロセッサ520に、後述の処理を実行させるプログラムを格納している。
制御装置500は、位置センサ200からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ560と、モータ100の巻線を流れる電流を検出するセンサ(不図示)からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ580とを備えている。
制御装置500は、インバータ300に与える電圧指令値(Vu、Vv、Vw)を出力する。制御装置500の処理の概要は以下のとおりである、制御装置500の信号処理プロセッサ520は、2つの演算ブロック522および524を有する。演算ブロック522は、フィードフォワード電圧補正を行った、繰り返し完全追従制御モデルに基づく演算、および、αβ座標系の電圧値VαおよびVβを算出する演算を行う。演算ブロック524は、αβ座標系の電圧値VαおよびVβに逆クラーク変換を行って電圧指令値(Vu、Vv、Vw)を生成する演算を行う。
演算ブロック522および/または524は、専用の演算回路(ハードウェア)として実装され得る。あるいは、演算ブロック522および/または524はソフトウェアとして実現されてもよい。後者の場合、たとえばメモリ540には、演算ブロック522および/または524の演算を行わせるための命令が記述された1個または複数個のコンピュータプログラムが格納されており、信号処理プロセッサ520が当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、信号処理プロセッサ520が演算ブロック522および/または524として機能する。
なお、インバータ300の一部または全部が制御装置500に含まれていても良い。このような制御装置500は、典型的には、1個また複数個の半導体チップを1個のパッケージ内で相互に接続することによって実現される。制御装置500の一部または全部は、例えば汎用的なマイクロコントローラユニット(MCU)に本開示に特有のプログラムを書き込むことによって実現され得る。
以下、制御装置500の演算ブロック522を詳細に説明する。なお、演算ブロック524の具体的な処理は公知であるため、説明は省略する。
図2は、主として演算ブロック522の処理モデルを示すブロック図である。図2には、演算ブロック522の他に、PWMホールド302、および、制御対象であるプラント102、サンプラ582も示されている。PWMホールド302はインバータ300に相当し、プラント102はモータ100に相当し、サンプラ582はA/Dコンバータ580に相当する。
演算ブロック522の詳細を説明する前に、まず、制御対象であるモータ100のモデルについて説明する。
1.誘起電圧補正を伴うモータモデル
モータモデルはαβ座標系モデルとdq座標系モデルが知られている。ベクトル制御ではdq座標系モデルがよく用いられているが、本実施形態では、αβ座標系モデルを採用する。その理由の一つは、サンプリング間の座標変換の誤差を避けるためである。座標変換の誤差は電気角の変化から生じる。座標変換に使われる電気角はサンプリング間でゼロ次ホールドされ、一定値であるが、実際の電気角はサンプリング間で変動する。ゼロ次ホールドされた電気角と実際の電気角の差によって、座標変換の誤差を生じる。従って、PTCの場合、αβ座標系モデルを用いる。
本実施形態にかかるモータ100のαβ座標における電圧方程式を式(1)に示す。
Figure 0006737999
式(1)において、Vα、Vβ、iα、iβは、それぞれ、α軸電圧、β軸電圧、α軸電流、β軸電流を表す。また、RおよびLはモータ100のコイル抵抗およびインダクタンスを表す。ωおよびθは電気角速度および電気角を表す。Kは誘起電圧定数である。
式(1)に、下記式(2)および式(3)に示すように誘起電圧補正を行う。
Figure 0006737999
αおよびVβとして、式(2)および式(3)の右辺に示す電圧を印加することにより、式(1)の右辺第2項の誘起電圧項がキャンセルされる。このような誘起電圧の補正は、非干渉制御と呼ばれることもある。
いま、状態変数xを電流iαまたはiβとし、入力uをVα’またはVβ’とすると、誘起電圧補正を行った式(1)は下記式(4)のように表すことができる。
Figure 0006737999
ただし、A=−(R/L)、B=1/L、C=1である。モータに流す電流iαまたはiβを出力yとしている。
なお、誘起電圧を補正するための処理は、実際には演算ブロック522において行われるが、説明の便宜上、本項目において言及した。
2.PWMホールドに基づく離散化
コンピュータを用いてモータ100の制御を行うために、モータ100の連続時間系の制御モデルを離散時間系の制御モデルに変更する。
図3Aは、プラント102であるモータに接続された単相インバータの模式的な回路図である。単相インバータは任意の出力電圧V(k)を出力できず、0か±E(V)の2値のみを出力する。「E」は単相インバータの直流電源電圧である。本実施形態では、このような単相インバータを、PWMホールド302として捉え、パルス幅を制御することを考える。図3Bは、パルス幅ΔT[k]を制御するPWMホールドの出力電圧の例を示す。PWMホールドによる離散化方法は公知であるためこれ以上の詳細な説明は省略する。たとえば河村篤男、「現代パワーエレクトロニクス」(数理工学社(2005))を参照されたい。
なお、制御対象モデルの離散化方法としてはゼロ次ホールドが知られている。ゼロ次ホールドとは、直前の値を一定期間出力する機能を有する。ゼロ次ホールドは、瞬時値を正確に制御するためには十分とは言えない。そこで本発明者は、PWMホールドに基づいてモータモデルを離散化することが好ましいと考えた。
制御対象であるモータ100のモデルである式(4)を用いると、スイッチング時間であるΔT[k]を制御入力として、下記式(5)に示す離散時間系の状態方程式を得ることができる。なお、ΔT[k]が負の場合には、PWMホールドは−E[V]を出力することにする。
Figure 0006737999
ただし、TuをPWM周期として、A=exp(AcTu)、B=exp(AcTu/2)BcE、C=Ccである。なお、モータ制御システム1000がバッテリで駆動される場合には、Eはバッテリ電圧である。
3.演算ブロック522の詳細
次に、演算ブロック522を詳細に説明する。
演算ブロック522は、PTCブロック600と、誘起電圧補正器620と、フィードフォワード(FF)電圧補正器640と、繰り返し制御器660とを有する。このうち、誘起電圧補正器620は誘起電圧定数Kを保持しており、式(2)および(3)で説明した処理を行う。すなわち、誘起電圧補正器620は、電気角速度ωおよび電気角θを受け取って、式(2)および(3)の右辺第2項に示す、「−ω・K・sinθ」および「ω・K・cosθ」を生成して、誘起電圧補正値として出力する。
以下、PTCブロック600、繰り返し制御器660およびFF電圧補正器640を説明する。
3.1.PTCブロック600
PTCブロック600は、フィードフォワード(FF)制御器602と、フィードバック(FB)FB制御器604と、離散時間作用素ブロック606aおよび606bと、スイッチS1と、加算器608とを有する。以下、各々を説明する。
3.1.1. FF制御器602
FF制御器602は、制御対象であるプラント102の安定な逆モデルである。式(5)に基づいて下記式(6)および(7)が得られる。
Figure 0006737999
FF制御器602は、式(6)に相当する演算を行う。
式(6)および(7)において、xref(k)は、αβ軸の電流指令値の現在の値であり、xref(k+1)は1サンプリング未来の値である。つまりFF制御器602は指令の1サンプリング未来の値を利用して、出力u(k)を得る。換言すれば、FF制御器602はxref(k+1)を取得した後、出力u(k)を算出する。
αβ軸の電流指令値xref(k)は、図示されない変換器によって、モータのベクトル制御において利用されるdq軸の電流指令値から変換して得られる。
dq軸電流指令値の1サンプリング未来の値を、αβ軸の電流指令値xref(k+1)に変換する際、dq/αβ変換を行うための電気角の未来値が得られない。モータ100の回転が低速の場合には、1サンプル間の角度の変動が小さいと考え、電気角をサンプルした値(現在値)を使用すればよい。一方、モータ100の回転が高速の場合、1サンプル間の角度の変動が大きい。
なお、PTCブロック600はdq座標系モデルに基づいて設計できるが、αβ座標系に比べると、制御誤差が大きいことが知られている(たとえば上述の中井孝洋他、「繰り返し完全追従制御によるPMSMの高調波電流抑制」〜dq座標モデルとαβ座標モデルの比較〜)。
3.1.2.FB制御器604
図4は、FB制御器604の構成を示す。FB制御器604は、αβ/dq変換器610と、PI制御器612と、dq/αβ変換器614とを有する。
FB制御器604のPI制御器612は、dq軸の2相の電流値に基づいて設計される。その理由は、内部モデル原理により、PI制御器612はαβ座標系の周波数成分を抑制しきれないからである。そのため、FB制御器604には、αβ/dq変換器610およびdq/αβ変換器614が設けられている。
FB制御器604への入力は、α軸およびβ軸の電流誤差である。より詳細に説明すると、FB制御器604への入力は、離散時間作用素ブロック606aまたは606bの出力値yと、サンプラ582による、プラント102であるモータ100に流れる電流iαおよびiβのサンプリング値との差である。
αβ/dq変換器610は、固定座標であるαβ軸電流の誤差(iαe,iβe)を受け取って、当該誤差を回転座標であるdq軸の電流誤差(ide,iqe)に変換する。当該変換は、下記の式に表されるパーク変換として知られている。なお、回転角をθとしている。
ide = iαe・cosθ+ iβe・sinθ
iqe = −iαe・sinθ+ iβe・cosθ
PI制御器612は、下記式(8)で設計される連続時間系のPI制御器を離散化して得られる。
Figure 0006737999
ここで、式(8)のゲインK、Kを如何に設計するかは、モータ制御システム1000の動作を如何に設計するかに関連する。目標とする性能を実現するためのゲインの設計方法は周知であるため、具体的な説明は省略する。PI制御器612は、dq軸の電圧値を出力する。
dq/αβ変換器614は、PI制御器612から出力されたdq軸の電圧値をαβ軸の電圧値に変換して出力する。この変換は、逆パーク変換として知られている。数式は省略する。
3.1.3.離散時間作用素ブロック606aおよび606bおよびスイッチS1
離散時間作用素ブロック606aは、αβ軸の電流指令値xref(k)を受け取って電圧指令値を出力する。離散時間作用素ブロック606bは、αβ軸の電流指令値xref(k)と、後述する繰り返し制御器660からの出力電流値との和である電流指令値を受け取って、電圧指令値を出力する。
スイッチS1は、離散時間作用素ブロック606aの出力、または離散時間作用素ブロック606bの出力のいずれを利用するかを切り替える。離散時間作用素ブロック606aの出力は、後述のフィードバックRPTCの入力として利用される。離散時間作用素ブロック606bの出力は、後述のフィードフォワードRPTCの入力として利用される。
実際のモータ100のモータモデルが正確に構築されていれば、これまで説明したPTCブロック600によって高調波電流の完全追従制御が実現できる。しかし、現実にはモデル誤差が必ず存在する。そのため、PTCブロック600だけで高調波電流の完全追従制御を実現させることはできない。
PTCブロック600の設計に使われるモータモデル(式(1))は、現実のモータ100に存在するインダクタンス、マグネット鎖交磁束等の高次成分の考察が省略された、簡略式である。省略された高次成分はPTCブロック600に使われるモデルとモータ実物の誤差、いわゆるモデル誤差、として残る。
当該モデル誤差は、たとえばdq軸電流の電気6次高調波を発生させる要因となる。FB制御器604のPI制御器612は電気6次高調波を抑制しきれない。よって、高調波電流制御の応答性には改善の余地が残されている。
本発明者は電気6次高調波を抑制するため、次に説明するFF電圧補正器640、および、繰り返し制御器660を採用した。なお、6次高調波は最終的に電圧の外乱という形でモータ100への入力に加わる。そこで、本明細書ではモデル誤差を電圧外乱として扱う。
3.1.4.加算器608
加算器608は、FF制御器602からの電圧出力値u0、FB制御器604からの電圧出力値、誘起電圧補正器620からの電圧補正値、および、後述するFF電圧補正器640からのFF電圧補正値の和を出力する。加算器608から出力された和は、電圧値VαおよびVβとして演算ブロック524に送られる。
3.2.FF電圧補正器640
モデル誤差に対応する方法は様々挙げられる。
本実施形態では、インダクタンスおよびマグネット鎖交磁束の空間高調波成分による電圧外乱を数式的に導出し、数値計算した電圧外乱の補正要素を予めモータ電圧入力に加えることで、電圧外乱を抑える方法を採用する。電圧を補正するためのインダクタンスおよびマグネット鎖交磁束に関するデータは、たとえば有限要素法(FEM)による数値解析により得られる。
インダクタンスおよびマグネット鎖交磁束に起因する電圧外乱を数式的に導く。FEM解析から得られたインダクタンス及びマグネット鎖交磁束のデータを分析すると、各相の自己インダクタンス、相互インダクタンスおよびマグネット鎖交磁束は、式(9)、(10)および(11)で定義される。
Figure 0006737999
式(9)、(10)および(11)は一般の教科書に記載される式と異なり、位相差θL2n、θM2nおよびθm(2n+1)が存在することに留意されたい。これらの位相差はインダクタンスとマグネット鎖交磁束の電流の依存性を考慮したことによる。
さらに、モータのUVW座標系の電圧方程式を式(12)に導出する。
Figure 0006737999
式(12)に対して3相/αβ変換を施し、αβ座標系の電圧方程式の式(13)が得られる。インダクタンスとマグネット鎖交磁束をそれぞれ8次と7次まで考慮している。これはdq軸に変化した時、0次と6次になるためである。
Figure 0006737999
式(13)に含まれる種々の記号の定義は下記の通りである。
Figure 0006737999
式(13)の右辺第3項のインダクタンス行列に含まれる、Lcos(θL0)−Mcos(θM0)は、式(1)の「L」に相当する。理想モデルである式(1)と、実際に導出したプラント102のモデル式(13)の「差分項」は、電圧外乱となる。理解の便宜のため、「差分項」を明示した図面を掲げる。図5は、2種類の電圧外乱(a)および(b)を含む差分項を示す。
本発明者は、電圧外乱(a)および(b)を打ち消すよう、電圧補正を行った。以下、具体的に説明する。
図5に示す電圧外乱は予め電圧補正を加える形で打ち消される。電圧外乱を打ち消すことにより、電流応答に存在する電流の高調波外乱が抑制される。
数(13)の右辺第4項(図5の(a1))は誘起電圧項である。誘起電圧は、式(2)および(3)によって補正される。
数(13)の右辺第5、6および7項(図5の(a2))は、インダクタンスおよびマグネット磁束に起因する高調波成分による電圧外乱である。インダクタンスについては、4次、6次および8次高調波成分による電圧外乱、マグネット鎖交磁束は5次および7次高調波成分による電圧外乱に相当する。本発明者は、電圧外乱(a2)を打ち消すため、後述のFF電圧補正処理(a)を適用した。
電圧外乱(b)は突極に起因して発生する外乱である。電圧外乱(b)は、非通電時、非突極型の表面磁石型モータ(SPM)では、埋込磁石型モータ(IPM)と比較して小さい。しかしながら、表面磁石型モータ(SPM)でトルクを発生させるためにq軸に電流を流す場合、q軸電流による磁束が通る磁路に磁束が集中する。一方でd軸電流を流さない場合はd軸の磁路は空いている。インダクタンスは磁気抵抗に反比例するため、磁束が集中しているq軸ではインダクタンスが小さくなる。そのような理由から、モータ全般において、式(13)には図5に示す電圧外乱(b)が存在している。本発明者は、電圧外乱(b)を打ち消すため、後述のFF電圧補正処理(b)を適用した。
FF電圧補正処理のための数式を式(14)〜(16)に示す。
Figure 0006737999
式(14)の左辺は、総合的な電圧補正値を表す。当該補正値を、本明細書では「FF電圧補正値」と呼ぶ。式(14)の右辺第1項および第2項はそれぞれ、αβ座標系のFF電圧補正処理(a)および(b)の演算式を示す。つまり、FF電圧補正処理(a)は式(15)の演算を行う処理である。FF電圧補正処理(b)は式(16)の演算を行う処理である。FF電圧補正処理(a)および(b)を併用してFF電圧補正値を生成し、演算ブロック522の出力に反映させる。これにより、電圧外乱は抑制される。
なお、FF電圧補正処理(b)を行うことは必須ではなく、FF電圧補正処理(a)のみを行ってもよい場合がある。たとえば、dq座標系の電流が直流であり、モータ100が一定速度で回転する、という条件が成立する場合である。
図6は、dq座標系の電圧方程式および電圧方程式に含まれる電圧外乱を示す。
「電圧外乱(c)」および「電圧外乱(d)」は、αβ座標系の「電圧外乱(a)」および「電圧外乱(b)」から変換して得られた。上述の条件が成立する場合、図6の右辺第2項(図6の(d1))は一定値となる。また、右辺第3項(図6の(d2))はゼロ項である。これは、電圧外乱(d)が一定外乱であることを意味する。上述のとおり、FB制御器604の主要な構成要素は、PI制御器612である。一般に、PI制御器は一定外乱の抑制に効果的である。従って、FF電圧補正処理(b)を行わないとしても、制御性能に影響を及ぼさないと考えられる。この場合、FF電圧補正器640は、FF電圧補正処理(a)の演算結果をFF電圧補正値として出力する。
図2に示すFF電圧補正器640は、上述のFF電圧補正処理(a)および(b)、または、上述した条件が成立する場合には、FF電圧補正処理(a)を行う。具体的にはFF電圧補正器640は、電気角速度ωおよび電気角θを取得し、さらにαβ軸の電流指令値iαref(k+1)およびiβref(k+1)を得た後、式(15)および(16)の演算、または式(15)の演算を行う。なお、αβ軸の電流指令値iαref(k+1)およびiβref(k+1)は、FF制御器602と同じく電流指令の1サンプリング未来の値を意味する。
FF電圧補正器640が行うFF電圧補正処理(a)および(b)は、式(15)および(16)の演算である。FF電圧補正器640として、たとえばCPU(central processing unit)、GPU(graphics processing unit)等の半導体集積回路を利用し得る。
なお、図2では、FF電圧補正器640は、繰り返し学習補正されていない電流指令値iαrefおよびiβrefを受け取っている。しかしながらFF電圧補正器640は、繰り返し制御器660から出力された、繰り返し学習補正された電流指令値を利用することもできる。図2の破線矢印は繰り返し学習補正された電流指令値がFF電圧補正器640に送信されていることを示す。
3.4.繰り返し制御器660
まず、本開示において繰り返し制御器660を設ける理由を説明する。
上述の誘起電圧補正器640が行うFF電圧補正処理(a)および(b)に関し、本発明者は、FF電圧補正に必要な各次数のインダクタンスおよびマグネット磁束の各値を、FEM解析によって予め取得した。
しかしながら、FEM解析から得られたインダクタンスとマグネット鎖交磁束のデータは、必ずしもモータ実物と一致すると限らない。そのため、設計されたFF電圧補正は不十分であり、電圧外乱が完全に補正されない可能性がある。さらに、FEM解析時にはデジタル制御のサンプル間で電気角が一定値であると仮定している。また、FF電圧補正処理(a)および(b)に多用されている三角関数の計算値と実際の値との間には誤差が生じ得る。これらの仮定および誤差は、FF電圧補正の効果に影響を及ぼし得る。そこで、本発明者は、繰り返し制御器660を導入し、FF電圧補正の効果をより高めることを考えた。
繰り返し制御器660の基本的な動作は、周期的な外乱の学習、および、学習結果に基づく指令値の補正である。繰り返し制御器660を導入することにより、本発明者は、FF電圧補正処理によって残った、周期的に変化する電流高調波を抑えることに成功した。
繰り返し制御は内部モデル原理(Internal Model Principle: IMP)によって考えられた。式(17)に示すように、任意周期Tを持つ信号をGR(jω)と表す。式(18)は、GR(jω)をs領域で表したGR(s)を示す。
Figure 0006737999
式(18)によれば、任意周期信号は、時間Tだけ出力が遅れるむだ時間要素で表すことができる。
内部モデル原理によって固定周期Tを持つ信号Xに追従させたい場合、式(18)に示すむだ時間要素を閉ループに組み込めば良い。図7Aは、閉ループに組み込まれたむだ時間要素を有する、連続時間系の繰り返し制御器660aの基本的な構成を示す。制御対象であるプラントがP(s)として示されている。
式(18)を、z=exp(sTu)として離散化すると、式(19)が得られる。
Figure 0006737999
図7Bは、本実施形態にかかる繰り返し制御器660(離散時間系)を示す。
Tuは制御周期であり、Nd=T/Tuである。Ndは「メモリ段数」と呼ばれることがある。
次に、繰り返し制御器660をより具体的に説明する。
PTCブロック600と繰り返し制御器660とを組み合わせると、繰り返し完全追従制御(Repetitive Perfect Tracking Control:RPTC)と呼ばれる。繰り返し完全追従制御には、2つのタイプ、すなわち、フィードフォワードタイプのRPTC(FF_RPTC)、および、フィードバックタイプのRPTC(FB_RPTC)が存在する。FF_RPTCはオフラインの指令補正の方法であり、FB_RPTCはオンラインの指令補正の方法である。後者は前者に比べてロバスト性に勝ると言われている。ただし、制御対象であるプラント102の変動が大きい場合、FB_RPTCは不安定になる可能性が大きいことが知られている。
図2のスイッチS1およびS3は、上述したFF_RPTCとFB_RPTCとを切り替えるために用いられる。また、切り替えには図2のスイッチS2も利用する。具体的には以下のとおりである。
FF_RPTCでは、スイッチS1を、離散時間作用素ブロック606bに接続し、スイッチS2をオフ、スイッチS3をオンすればよい。この状態で、繰り返し制御器660は周期的な電流外乱を学習する。その後、スイッチS3をオフ、スイッチS2をオンすれば、学習した周期的な電流外乱が指令にフィードフォワードされて指令が補正される。
FB_RPTCでは、スイッチS1を離散時間作用素ブロック606aに接続し、スイッチS2およびS3の両方をオンにすればよい。この状態で、繰り返し制御器660は周期的な電流外乱を学習しながら、学習した周期的な電流外乱が指令にフィードバックされて指令が補正される。
上述のスイッチS3をオンにするタイミングは、電流応答が定常状態になってからである。過渡状態でスイッチS3をオンにすると、繰り返し制御器660は過渡状態の電流指令と電流応答の差を学習し、学習した過渡状態の電流指令と電流応答の差を指令値にフィードバックすることになる。これでは、指令値に逆に誤差が与えられてしまう。そのため、電流応答が定常状態になってから学習を始めるよう、スイッチS3をオンにするタイミングに留意する。
繰り返し制御器660が学習した電流偏差には非周期的な外乱、センサによるノイズ等が含まれ得る。繰り返し制御を利用する場合には、平均フィルタを用いて非周期外乱を低減させること、Qフィルタを用いてセンサーノイズを除去すること等がさらに行われてもよい。
FF_RPTCおよびFB_RPTCのいずれを選択するかは、用途に応じて選択できる。たとえば、モータ制御システム1000のロバスト性を重視する場合にはFB_RPTCを選択すればよい。一方、モータ制御システム1000の安定性を重視する場合にはFF_RPTCを選択すればよい。
4.制御装置500の動作
図8は、制御装置500の処理の手順を示すフローチャートである。制御装置500は、図8の処理を繰り返し実行し、都度、電圧指令値Vu、Vv、Vwを出力してモータ100の回転を制御する。
ステップS1において、制御装置500は、αβ軸電流指令値を取得する。
ステップS2において、制御装置500のFF制御器602は、αβ軸電流指令値から、αβ軸電圧値u0を生成する。
ステップS3において、FB制御器604のαβ/dq変換器610は、αβ軸電流誤差をdq軸電流誤差に変換してPI制御器612に出力する。PI制御器612は、PI制御を行ってdq軸電流誤差値からdq軸電圧値を生成して、dq/αβ変換器614に出力する。dq/αβ変換器614は、dq軸電圧値をαβ軸電圧値に変換する。
ステップS4において、制御装置500の誘起電圧補正器620は、式(2)および(3)により、誘起電圧の補正値を生成する。
ステップS5において、制御装置500のFF電圧補正器640は、式(14)〜式(16)の演算を行ってFF電圧補正値を生成する。
ステップS6において、制御装置500の加算器608は、ステップS2〜S5の結果を加算して、得られた和をαβ軸電圧指令値Vα,Vβとして出力する。
ステップS7において、制御装置500の演算ブロック524は、αβ軸電圧指令値Vα,Vβを逆クラーク変換して3相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成する。
上述の手順により、制御装置500は3相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをインバータ300に供給することができる。
5.シミュレーション結果
本発明者は、シミュレーションを行った。図9は、シミュレーション結果を示す。図9の(a)は、FF電圧補正を行わないときの、dq軸電流指令値と電流応答との差を示し、(b)はFF電圧補正を行ったときの、dq軸電流指令値と電流応答との差を示す。学習期間は「TLearn」で示されている。
図9の(b)では、学習期間TLearn中にFF電圧補正処理によってモデル誤差が補正され、電流指令値と電流応答との差が低減されている。一方、図9の(a)では、学習期間TLearnの間は、学習開始前と同じ差が継続して生じている。
学習期間TLearnの経過後に注目する。図9の(b)では、学習期間TLearn中の差よりも、さらに差が低減されている。一方、図9の(a)では、学習期間TLearn経過後に差は低減されているが、その差は図9の(b)に示す差よりも大きい。
したがって、FF電圧補正処理を行った場合には、行わなかった場合よりも、電流指令値と電流応答との差が小さい。したがって、FF電圧補正処理を行うことにより、より精度が高い電流制御が実現できたことが確認された。
本開示による限定的ではない例示的な実施形態を説明した。
上述の説明は、モータの回転の制御以外にも適用され得る。たとえば、上述の説明は、ハードディスクドライブのヘッドを駆動するために利用されるアクチュエータの制御にも適用され得る。当該アクチュエータの制御には高調波電流が利用され得る。そのため、本開示の制御方法を適用すれば、電流を精度よく高調波電流指令に追従させることが可能になる。
または、上述の説明は、原子間力顕微鏡の制御にも適用され得る。たとえば、原子間力顕微鏡では、カンチレバーの微小変位を光学的に測定するためにレーザダイオードが利用される。レーザダイオード(LD)から発生する雑音を低減するために、LDに300〜500MHzの高周波電流を加えてLDの光を高周波変調駆動する高周波重畳法が利用されている。そこで本開示の制御方法を適用すれば、電流を精度よく高調波電流指令に追従させることが可能になる。
本開示は、電流を精度よく高調波電流指令に追従させる制御を行う用途に適用できる。
100 永久磁石同期モータ、 100S 永久磁石同期モータのステータ、 100R 永久磁石同期モータのロータ、 102 プラント、 200 位置センサ、 300 インバータ、 302 PWMホールド、 500 制御装置、 522、524 演算ブロック、 600 PTCブロック、 602 フィードフォワード(FF)制御器、 604 フィードバック(FB)制御器、 606a、606b 離散時間作用素ブロック、 610 αβ/dq変換器、 612 PI制御器、 614 dq/αβ変換器、 620 誘起電圧補正器、 640 フィードフォワード(FF)電圧補正器、 660 繰り返し制御器、1000 モータ制御システム

Claims (9)

  1. 電圧指令値を出力する制御装置であって、
    電流値に基づいてフィードバック制御を行い、第1電圧値を出力するフィードバック制御器と、
    制御対象であるプラントの逆モデルを用いて構築されたフィードフォワード制御器と、
    前記プラントのモデルと現実のプラントとの間のモデル化誤差によって生じる電圧外乱を補正するフィードフォワード電圧補正器と、
    周期的な電流外乱を学習する繰り返し制御器と、
    前記繰り返し制御器への入出力を制御するスイッチと
    を有し、
    前記スイッチは電流応答が定常状態であるときにオンされ、
    前記繰り返し制御器は前記電流外乱を学習して前記電流指令値を補正し、
    前記フィードバック制御器は、補正された前記電流指令値から取得された電流値に基づいて前記フィードバック制御を行って前記第1電圧値を出力し、
    前記フィードフォワード制御器は、補正された前記電流指令値を前記逆モデルに入力して第2電圧値を生成し、
    前記第1電圧値および前記第2電圧値の和を前記電圧指令値として出力する、制御装置。
  2. 前記フィードフォワード電圧補正器は、前記プラントのモデルと現実のプラントとの間のモデル化誤差によって生じる高調波成分に起因する電圧外乱を補正する、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記フィードフォワード電圧補正器は、第3電圧値を出力し、
    前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第3電圧値の和を前記電圧指令値として出力する、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記プラントは永久磁石同期モータであり、
    前記フィードフォワード電圧補正器は、前記永久磁石同期モータの電気角速度、電気角および前記電流指令値に基づいて、前記第3電圧値を算出する、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記プラントは永久磁石同期モータであり、
    前記フィードフォワード電圧補正器は、前記永久磁石同期モータの電気角速度、電気角および補正された前記電流指令値に基づいて、前記第3電圧値を算出する、請求項3に記載の制御装置。
  6. 前記電気角速度、前記電気角および誘起電圧定数に基づき、電圧補正を行う誘起電圧補正器をさらに備え、
    前記誘起電圧補正器は、第4の電圧値を出力し、
    前記第1電圧値、前記第2電圧値および前記第4電圧値の和を前記電圧指令値として出力する、請求項4または5に記載の制御装置。
  7. 前記誘起電圧補正器は、αβ座標系において電圧補正を行う、
    請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記プラントは永久磁石同期モータであり、
    前記フィードバック制御器は、
    αβ軸の電流値をdq軸の電流値に変換して前記フィードバック制御に使用する第1変換器と、
    前記フィードバック制御から得られたdq軸の電圧値をαβ軸の電圧値に変換する第2変換器と
    をさらに備え、
    前記高調波成分は、前記永久磁石同期モータのインダクタンスおよびマグネット磁束に起因して発生し、
    前記フィードフォワード電圧補正器は、前記高調波成分をαβ座標系の電圧外乱として補正する、請求項2から7のいずれかに記載の制御装置。
  9. 前記永久磁石同期モータは、
    ロータと、
    内部に磁石を保持するステータコアと
    を有する、請求項8に記載の制御装置。
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