JP2566033B2 - 外乱抑圧制御システム - Google Patents

外乱抑圧制御システム

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JP2566033B2
JP2566033B2 JP2030235A JP3023590A JP2566033B2 JP 2566033 B2 JP2566033 B2 JP 2566033B2 JP 2030235 A JP2030235 A JP 2030235A JP 3023590 A JP3023590 A JP 3023590A JP 2566033 B2 JP2566033 B2 JP 2566033B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、制御対象に加わる外乱量を推定し、それ
を抑圧する外乱抑圧システムに関するものである。
[従来の技術] 従来、VTR等の記録再生装置の回転ドラム制御装置や
テープ走行駆動のためのキャプスタン制御装置における
モータ制御方式として、モータに取り付けられた回転位
相検出器もしくはモータの回転により走行させられるテ
ープ状の記録媒体に記録された位置信号からの情報をも
とに,モータの回転位相をある基準位相もしくは目標位
相に同期して回転させるための位相制御と、モータに取
り付けられたエンコーダの情報から得られるモータ回転
速度情報をもとに,モータの回転速度を一定にコントロ
ールする速度制御の他に、モータに印加される駆動電流
もしくは駆動電圧の情報と上記エンコーダからの速度情
報をもとに,現代制御理論における最小次元オブザーバ
で構成され、アナログ回路もしくはソフトウェアのアル
ゴリズム等により実現される外乱推定器によりモータ回
転機構部に加わっている外乱,すなわち負荷外乱トルク
やモータ自身のトルクリップル等を推定し、フィードフ
ォワードでモータの制御電圧に戻される外乱抑圧制御を
具備したものが知られている。
モータ制御における位相制御と速度制御については極
めて一般的なものであるため、ここでは外乱オブザーバ
を用いた外乱抑圧制御について説明する。
第11図は、例えば昭和63年電気学会全国大会において
発表された「オブザーバを用いた電動機制御」と題した
論文誌S.16−2−3の図7に掲載された,外乱オブザー
バの原理を示すためのブロック図で、図において、
(1)はモータトルク定数、(2)はモータの回転機構
部の伝達関数表現、(3)は外乱、(4)は角速度を角
度に変換するための積分項を伝達関数表現したもの、
(5)は微分項を伝達関数表現したもの、(6)はモー
タ慣性モーメント、(7)はモータトルク定数(1)を
電気的に表現している部分、(8)はその逆数を表わし
ている。ここで、Ktはモータトルク定数、Jは回転軸回
りの慣性モーメント、Dは機械系の粘性抵抗、Fはクー
ロン摩擦力、Textは負荷トルク、下添字nはそのパラメ
ータの公称値である。
第12図は、同じく前記論文誌の図10に掲載された,外
乱トルクオブザーバによる補償系を示すブロック図で、
図において、(9)は現代制御理論の最小次元オブザー
バの手法に基づいて第11図を微分器(5)を用いない形
で作り変えたものである。
第13図は、現代制御理論の最小次元オブザーバの一般
的表現で、図において、(11)は状態方程式で表現され
たモータ、(10)はモータ(11)の入力、(12)はモー
タ(11)の出力、(13)〜(18)は最小次元オブザーバ
を構成する行列式もしくは積分器で表現されるブロッ
ク、(19)は最小次元オブザーバの出力である。
第14図は、第12図の外乱オブザーバ(9)によって外
乱抑圧ループを構成した場合の外乱抑圧特性を、横軸に
周波数,縦軸に外乱抑圧度をとって表わしたものであ
る。
次に動作について説明する。
モータに加わる外乱を検出するか,推定できれば、外
乱抑圧能力を大幅に改善することが可能である。従来例
においては、外乱量を推定するオブザーバにより外乱抑
圧ループを構成し、積極的に外乱を抑圧することによ
り、上記外乱抑圧能力を大幅に改善する。モータに加わ
る外乱量(外乱トルク)は、直接測定することができな
くてもモータの入力電流と速度検出器の出力から推定す
ることが可能である。この原理を第11図に示した。実際
のモータにおいては、図中(1)のモータトルク定数で
示される値で駆動電流がモータコイルとマグネットによ
り生じる電磁トルクに変換される。この発生した電磁ト
ルクから外乱トルク(3)を差し引いた残りの力によっ
てモータ回転機構部が力を受けて回転し、回転速度を生
じる。このため上記力のつり合いを電気的に再現すれば
外乱が推定できることになる。すなわち、駆動電流を、
モータのトルク定数を予め測定した値で(7)の部分で
アナログ回路ゲインやソフトウェア内の乗算の形で設定
した値に被乗数として入力し、モータの発生する電磁力
を推定する。一方、モータに取り付けられた速度検出器
からの出力を周波数−電圧変換して得られるモータ速度
情報を微分し、予め測定したモータ慣性モーメントを
(7)と同様に(6)の部分において乗算し、回転機構
部が受けた力を推定する。これによって、実際のモータ
における力のつり合いを電気的に再現し、モータに加わ
っている外乱量を推定する。この推定した外乱量を、例
えばモータに外乱が加わり回転が低下しようとすると少
し多めに電流を流してやるような形で、(8)において
1/Ktnしてフィードフォワードで加算してやると、外乱
オブザーバを含んだモータシステムは、あたかも外乱が
加わっていないかのように、外乱による速度ムラを打ち
消すことができる。
しかし、第11図における理想的な外乱オブザーバは、
完全微分器を有するためモータに取り付けられた速度検
出器の出力に含まれるノイズを高周波域において増幅
し、この増幅されたノイズが外乱抑圧ループを巡回する
といった問題が生じる。そこで、第11図の理想的な外乱
オブザーバを現代制御理論の最小次元オブザーバの手法
で微分器を用いない形に作り変える。最小次元オブザー
バは第13図のように構成されており、(11)はモータの
微分方程式(外乱を含んだ形で記述されたもの)から作
成した現代制御理論の状態方程式であり、この状態方程
式を入力(10)と出力(12)から微分方程式を逆に解く
ことによって、測定不可能な状態を推定するものであ
る。
以下、最小次元オブザーバの手順で外乱オブザーバを
作成すると次のようになる。
まず、第11図のモータ部分における力学的なつり合い
を考えると、Kをトルク定数,Tgを外乱、Iaを電流,Jを
モータ慣性,を角加速度として −Tg+KIa=J 式(1) となり、モータコイルのインダクタンスが無視できると
すると のような状態方程式が表わされる。ただし、uは入力
(電流)、yは検出される状態量(回転速度)である。
ここにおいて、更に最小次元オブザーバの一般的な設
計手順を述べると、上記式(2)の状態方程式を一般的
な形に置き換えることにより (は状態行列、は入力行列、は出力行列) となり、現代制御理論のゴピナスの最小次元オブザーバ
の手順は となるような任意行列sを決めると(ただし、sの決め
方はいろいろあるが、オブザーバの定数が複雑にならな
いようにする) のように定まり、推定値は(Dω+Hy)で求められる
(ここにおいてωは積分器出力)。
上記設計手順は現代制御理論のゴピナスの最小次元オ
ブザーバの設計方法として極めて一般的なものであり、
多数の参考図書に掲載されているものである。よって、
式(2)の外乱を含んだ状態方程式をもとに式(5)に
代入し、解くと ブロック(14) =−α/J−L(−1/J)=−1/J(α−L) 式(6) これを=−gと置き換えて以降計算すると、 ブロック(15) K=L+A21−LA11 =(−g)L+α2/J−Lα/J =g(α−L)=Jg2 式(7) ブロック(13) =−LB1+B2 =−LK/J+αK/J=K/J(α−L)=gK 式(8) 推定出力 =ω−gJ 式(11) と算出されることから、式(6)〜式(10)の値を第13
図に代入し、外乱オブザーバの伝達関数ブロック図を作
成すると第12図のようになる。ここにおいて、(13)
はgKtnに相当し、(14)はgに相当し、K(15)はg2
Jnに相当する。D(18)は伝達関数において1であり、
第12図中では省略される。
以上のように構成された第12図の外乱オブザーバは、
モータに加わる外乱量(3)を推定した推定外乱量(1
9)を出力するが、第11図の完全微分器を用いた理想的
な外乱オブザーバと異なり、全ての周波数領域において
完全に外乱を推定できるわけではない。これは第12図の
ブロック図において外乱トルクに対する速度変動を計算
すると、第14図のように外乱が等価的に(s/g)/(1
+s/g)の関数を介して加わっているのと等しいことが
わかる。すなわち、第12図の外乱オブザーバシステムは
等価的に外乱を(s/g)/(1+s/g)で抑圧し、モータ
に加えていることになる。これは以下のようにして証明
される。
第12図において、外乱オブザーバ内部の加算器の後を
(C)と置くと、 の方程式が成立する。式(12),式(13),式(14)を
まとめてIaとCを消去すると となり、更に となり、外乱が(s/g)/(1+s/g)で減衰してモータ
に加わっているのと等価になることが証明される。
更に、外乱オブザーバによる外乱の減衰特性(s/g)
/(1+s/g)は、周波数特性として第14図のように表
わされる。すなわち、外乱オブザーバの中で用いた係数
gが第14図の外乱オブザーバの帯域を表わしており、g
rad/secより低い周波数で外乱を抑圧する能力を持ち、
性能を向上させるためにはgを大きくする必要がある。
上記外乱オブザーバにより、従来のVTR等の記録再生
装置におけるドラム及びキャプスタンサーボシステム
に、速度制御ループ,位相制御ループと併用して外乱抑
圧ループが構成される。また、上記外乱オブザーバは、
モータに加わる外乱,例えばドラムモータの場合は軸摩
擦,モータトルクリップル,外部振動等、キャプスタン
モータの場合はテープ走行負荷,テープテンション変動
による負荷,軸摩擦,モータトルクリップル等の外乱を
リアルタイムで推定し、フィードフォワードで外乱を打
ち消すため、特にビデオムービー等において装置全体を
手で持って操作するような手振れ等の装置全体からくる
不確定外乱に対しても、これを抑圧することができる。
これにより、キャプスタンサーボシステムにおけるテー
プ走行ムラが改善され、現行VHSフォーマットやベータ
フォーマット等におけるリニアオーディオのワウフラッ
タが減少するだけでなく、記録時のトラック曲がり等が
改善される。ドラムサーボシステムにおいても、現行VT
Rシステムにおける録再中のドラム回転のワウフラッタ
が抑圧され、再生TV画面のジッタが減少することは言う
までもない。
第12図における制御理論の伝達係数で表現された外乱
オブザーバのブロック図は、アナログ回路であればオペ
アンプ等による増幅器,加算器,積分器,減算器により
容易に構成できる。しかし、アナログの演算回数が増加
するに従い、回路オフセットやドリフトの問題が生じる
ため、上記アナログ演算をマイクロコンピュータ等から
成るディジタルフィルタによるディジタル演算にて行な
う方が望ましい。
[発明が解決しようとする課題] 外乱オブザーバを用いた従来の外乱抑圧制御システム
は以上のようになされているが、g rad/sec以上の周波
数においてオブザーバによる外乱抑圧効果がない他、g
rad/sec付近においても大きな外乱抑圧効果は期待でき
ない。また、gを無理に大きく取ろうとすると、外乱抑
圧ループが不安定になり発振する等の問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、周期的な制御誤差や外乱を高精度で抑える
ことができる外乱抑圧制御システムを提供することを第
1の目的とする。
また、周期的な制御誤差や外乱を抑えることができて
かつ突発的な外乱も抑えることができ、どのような制御
システムにおいても最適な外乱抑圧制御が行える外乱抑
圧制御システムを提供することを第2の目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る外乱抑圧制御システムは、追従目標と
制御対象の出力情報との間の制御誤差に基づいて上記制
御対象を制御する制御ループと、上記制御対象に加わる
外乱量を推定し、上記外乱量が抑圧されるように上記推
定された外乱量を上記制御ループに入力する外乱抑圧手
段と、上記推定された外乱量と上記制御誤差の少なくと
も一方に含まれる周期成分を記憶し、上記周期成分が抑
圧されるように上記記憶された周期成分を上記制御ルー
プに入力する繰り換し制御手段と、を備え、上記記憶さ
れた周期成分の相関が強い場合は、上記繰り返し制御手
段による補正ゲインを強くし、上記記憶された周期成分
の相関が弱い場合は、上記外乱抑制手段の推定による補
正ゲインを強くすることを特徴としたものである。
[作用] この発明では、周期成分の相関が強い場合は、繰り返
し制御手段による補正ゲインを強くすることによって周
期的な制御誤差や外乱が抑えられ、周期成分の相関が弱
い場合は、外乱抑圧手段の推定による補正ゲインを強く
することによって突発的な外乱が抑えられる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図について説明する。
第1図は、外乱抑圧ループの周期性を考慮し、周期的
な外乱に対する外乱抑圧度を改善する外乱繰り返し制御
方式のブロック図で、図において、(20)は速度制御ゲ
イン部、(21)はモータ、(22)は繰り返し制御部で、
e-LSは記憶時間がLのメモリ、q(s)は繰り返し制御
の安定性を保つために挿入されるアッテネータ(減衰
器)及びフィルタを表わす。
第2図は、速度制御ループと外乱抑圧ループの両方の
周期性を考慮し、周期的な外乱抑圧度や速度変動を改善
する速度・外乱繰り返し制御方式のブロック図で、図に
おいて、(23)は速度制御ゲイン分の一になっているブ
ロックである。
第3図は速度制御ループの周期性を考慮する速度繰り
返し制御に外乱オブザーバ(9)による外乱抑圧制御を
加えた方式のブロック図である。
第5図は、第3図における速度繰り返し制御に外乱抑
圧制御を加えた方式において、制御系の速度変動の周期
性の強弱により繰り返し制御の繰り返し度と外乱抑圧ル
ープの抑圧ゲインを適応的に変化させるようにしたシス
テムのブロック図である。図において、(22a)は適応
繰り返し制御部で、(24)は後述の積分器(26)の出力
に反比例してゲインが可変され繰り返し度合を決定する
繰り返しゲイン部、(25)は速度変動の周期性の強弱を
検出する周期性検出部で、(26)は1次あるいは数次の
積分器の出力の絶対値を取った値を出力する積分器、
(27)は積分器(26)の出力に比例してゲインが可変さ
れ外乱抑圧度を決める外部抑圧ゲイン部である。
第4図は、第5図における外乱抑圧制御がない場合の
適応繰り返し制御部のみを持つシステムのブロック図で
ある。
第6図は速度変動の周期性の強弱を検出する周期性検
出部(25)を更に具体的に示したもので、(28)はメモ
リの前後の信号を比較する比較器、(29)は比較器(2
8)の出力を増幅する比例ゲイン部、(30)は積分器、
(31)は絶対値回路、(32),(33)は0〜1の値に絶
対値回路(31)の出力を正規化する正規化回路、(34)
は反転回路である。
第7図は、適応的に変化させられるゲイン部(24),
(27)が絶対値回路(31)の出力に対してどのようにな
るかの一例を示したもので、横軸のスケーリングは比例
ゲイン部(29)の値と積分器(30)の次数によって変化
する。同図(a)は第4図の制御系において周期性外乱
及び無周期性外乱が同等もしくは無周期性外乱の多い頻
度で入力される場合、同図(b)は周期性外乱の入力が
多い場合、同図(c)は周期性外乱と無周期性外乱とが
混在して入力される場合の適応ゲイン可変量の一例であ
る。
第8図は、外乱オブザーバを更に速度検出器のノイズ
に強い方式に改良した場合のブロック図で、図におい
て、(38)は速度検出器に含まれるノイズや無駄時間を
除去するための速度オブザーバ、(39)は前記(9)と
同じ外乱オブザーバであるが、速度検出器の出力の代わ
りに速度オブザーバ(38)の出力を速度入力とする形の
もの、(40)はモータ内のエンコーダ等により作られる
パルス列を周波数−電圧変換して検出速度を電気信号の
形で得るF/V変換器である。
第9図は、速度変動量を縦軸に,横軸に時間をとって
示したもので、同図(a)は単なる速度フィードバック
のみが形成されているシステムの速度変動、同図(b)
は第3図の速度繰り返し制御が施されている場合の速度
変動、同図(c)は第12図の従来の外乱オブザーバある
いは第8図の外乱オブザーバにより外乱抑圧制御が施さ
れている場合の速度変動を表わしている。
第10図は、第9図と同様な速度変動の様子を適応制御
システムの場合でみたもので、同図(a)は第9図
(a)と同様、同図(b)は周期性の強弱を表わす絶対
値回路(31)の出力、同図(c)は第4図の適応型速度
繰り返し制御のみの場合、同図(d)は第5図の適応型
速度繰り返し+外乱抑圧制御の場合である。
次に動作について説明する。
外乱抑圧制御は、従来例の第12図のような形で実現で
きるが、モータに加わる外乱には、一般的に周期的な外
乱が入力されている場合が多い。これは、モータの軸摩
擦変動やモータトルクリップル,回転部重心の軸中心か
らのずれ等によって起因される外乱がモータの回転周期
に対し同期しているためである。そこで、これらの周期
的な外乱によって発生する周期的な速度変動を抑圧する
ため、周期性外乱量や速度変動を繰り返し、繰り返した
値を次の周期にフィードフォワードで加算する,いわゆ
る繰り返し制御を応用することにより、周期的な外乱入
力による速度変動を従来の外乱抑圧制御の場合より改善
できる。
第1図は、外乱抑圧制御における外乱抑圧ループに上
記繰り返し制御部(22)を導入した場合で、第2図は、
速度誤差信号に、外乱推定量を(23)で速度制御ゲイン
分の一し,(8)でモータトルク定数分の一してフィー
ドフォワードで戻した後に繰り返し制御部(22)を導入
した場合である。一般的に繰り返し制御部(22)におい
ては、繰り返し制御を導入した場合の制御系全体が安定
となるため、メモリe-LSの前後にフィルタ(遅れフィル
タ)やアッテネータを挿入するのが一般的で、本発明の
実施例の繰り返し制御部(22)では、これらをまとめて
q(s)としている。これらフィルタやアッテネータの
挿入により繰り返し制御を導入した制御系全体が安定化
されることは、計測自動制御学会論文誌Vol125「繰り返
し制御」の中で理論的にも証明されている。しかし、こ
の繰り返し制御を第1図,第2図のように外乱抑圧ルー
プの中に挿入する場合は、この外乱抑圧ループの安定性
を考えなくてはならない。
ここにおいて、繰り返し制御部(22)がない場合の外
乱抑圧ループの安定性は以下のように考えられる。今ま
で述べたように、外乱オブザーバの外乱抑圧能力は第14
図のようになるため、外乱オブザーバ帯域g rad/secを
大きくすることが外乱抑圧性能を向上させるための方策
であることは言うまでもない。しかし、第12図,第1
図,第2図における外乱オブザーバシステムは、外乱抑
圧ループがフィードフォワードで制御入力に戻っている
ため、言わば正帰還のループである。正帰還のループが
安定となるためには、全ての周波数においてゲインが1
以下でなければならないのは言うまでもない。例えば、
速度制御を施したモータに第8図の外乱オブザーバを導
入した場合の,外乱抑圧ループの一巡伝達関数を求める
と次のようになる(ここにおいて、Kn=K,Jn=Jとす
る)。
外乱抑圧ループの伝達特性 Vin×[1/{1+((F/V)Kafc Ks)/(RJ)}]遅れ特性 ×[s/(s+g)]進み特性×g×[1-(F/V)]=Vout 式(17) すなわち、遅れ特性,進み特性を掛け合わせた特性に
係数g及び(1−(F/V))の2つの係数が掛かってい
ることがわかる。ここで注目しなければならないのは、
速度検出器の伝達関数として表わした(F/V)は、仮に
モータに取り付けられている速度検出器が磁気式エンコ
ーダで構成されている場合、着磁ムラ,ピッチムラ等に
よる速度検出器のノイズやエンコーダの歯数及び回転数
による無駄時間を含んでいない場合は1となる関数であ
る。すなわち、(F/V)といったブロックは存在しなく
なる。仮に上記のような理想的な速度検出器が存在する
とすると、F/V=1となり、式(17)における,1−(F/
V)=1−1=0となり、式(17)の一巡伝達関数はゼ
ロとなり、オブザーバの性能を示すgを如何に大きくし
ても絶対に安定なシステムである。しかし、実際の速度
検出器は理想的でないので、F/V≠1となり、1−(F/
V)は何らかの値を持ち、gをどんどん大きくすると式
(17)は全体として1(0dB)を越えてしまい、システ
ムは不安定になる。このため次のようなことが考えられ
る。
外乱抑圧能力を向上させる外乱オブザーバの性能向上 ⇒外乱オブザーバの帯域を上げる ⇒入力速度情報のノイズを下げる しかし、機械的部品で構成される速度検出器のノイズ
や無駄時間を機構的な精度向上(歯数の増大)で改善す
るのは大変むずかしく、コストアップや大きなモータを
必要とするため、電気的な方法により検出速度のノイズ
や無駄時間を除去する。
このために必要となるのが第8図の速度オブザーバ
で、現代制御理論の同一次元オブザーバにより構成され
る。図中、Kn/Rn,1/Jnsはモータのモデルを内部に持つ
部分であり、検出速度と推定速度の誤差が少なくなるよ
うに、フィードバックゲインLでモータモデルにフィー
ドバックされる。このためフィードバックゲインLで構
成されるループゲインが大きい周波数領域では検出速度
≒推定速度となり、ループゲインが小さい周波数領域で
は検出速度≠推定速度となる。すなわち、第8図の速度
オブザーバは、速度検出器に着磁ムラやピッチムラの影
響によるノイズの多い,(モータ回転周波数)×(速度
検出器の歯数/1回転)で示される周波数付近から無駄時
間が多くなる上記周波数以上の領域において、ノイズや
無駄時間を含まない制御入力からモータのモデルによっ
て推定した値を用い、上記周波数以下の領域においての
み検出速度の情報を用いるようにフィードバックゲイン
Lを調整する。そうすれば、式(17)における速度検出
器に含まれるノイズや無駄時間をある程度除去した推定
速度を用いるため、(F/V)の値は1に近づき、その分,
gを大きくすることができる。
以上のことより、上記推定速度を外乱オブザーバの速
度入力とする新しい外乱抑圧方式が第8図に示されるよ
うな形で構成される。ここにおいて、外乱オブザーバ
(39)の速度入力は、モータに取り付けられたエンコー
ダの出力をF/V変換した後、速度オブザーバ(38)にて
無駄時間や高域のノイズを除去した後に得られる推定速
度を用いる。このため、外乱オブザーバ(39)に入力さ
れる速度情報に含まれる無駄時間や高域ノイズが少な
く、式(17)で述べたように外乱オブザーバ帯域gが大
きく取れ、外乱オブザーバの外乱抑圧能力を向上させる
ことができる。ノイズを除去するだけであれば、位相遅
れ等のフィルタを通すことも考えられるが、位相が回っ
てしまうため正確な外乱推定が行なえなくなってしまう
ことは言うまでもない。また、上記新しい外乱オブザー
バ(39)も、アナログ回路やディジタル回路あるいはマ
イコン等のソフトウェアのアルゴリズムによって実現で
きることも言うまでもない。
以上のように、第1図,第2図の外乱オブザーバは、
第12図のような形でも,あるいは外乱抑圧帯域が改善で
きる第8図のような形でも構成可能である。ここにおい
て、繰り返し制御部(22)は伝達関数で表わすと次のよ
うになる。
ここにおいてe-LSは、時間Lsecの遅延を制御理論の伝
達関数表現したものである。仮にq(s)=1の場合、
1/(1−e-LS)となり、分母が、Lを周期とする周波数
とその高調波においてゲイン量がゼロになるため、式
(18)は上記Lの高調波で無限大になる。しかし、先ほ
ど外乱オブザーバ(9)を使用した外乱抑圧制御におけ
る外乱抑圧ループの安定性の説明において、外乱抑圧ル
ープのオープンループゲインが0dBよりも大きくなる
と、正帰還ループの特性上発振してしまうことが明らか
であるため、周期Lの周波数及びその高調波でゲインが
無限大になる特徴を有する繰り返し制御部をそのまま第
1図,第2図の外乱抑圧ループ内に挿入することは安定
性の点からいって問題があるため、第1図,第2図のよ
うに外乱抑圧ループに繰り返し制御を導入する場合は、
もともと繰り返し制御がない場合の外乱抑圧ループのオ
ープンループ特性において、オープンループゲインが0d
Bよりも十分に小さい周波数領域のみにフィルタq
(s)を帯域制限するか,アッテネータをq(s)内に
挿入し、q(s)の低域ゲインが1より小さくなるよう
にして、繰り返し制御部(22)導入後の外乱抑圧ループ
のオープンループゲインが全ての周波数において0dBを
越えないようにしなければならない。
以上のようにして、第1図,第2図の繰り返し制御部
(22)内のq(s)を最適化した外乱繰り返し制御方式
の外乱抑圧特性は、第14図のように、外乱オブザーバ帯
域g以下で−20dB/dcdの特性に加え、繰り返し制御部
(22)内のメモリの遅延量Lsecを周期とする周波数とそ
の高調波においてのみ第14図のグラフより改善された抑
圧度を有するようになる。ただし、実際の構成において
は、モータの回転周期と繰り返し制御部(22)の遅延量
を一致させることによって、モータに加わる周期的な外
乱に対する外乱抑圧効果が改善できることは言うまでも
ない。なお、上記周波数的外乱に対する改善効果は、繰
り返し制御部(22)の中に挿入されたフィルタq(s)
のカットオフ周波数以下に限定されるし、アッテネータ
のゲインが1に近ければ近いほど改善効果は大きくな
る。これは式(18)のゲインが無限大に近くなるからで
あるが、外乱抑圧ループの安定性が悪くなることは上述
した通りである。
以上第1図,第2図の場合は、外乱抑圧ループ内に繰
り返し制御部(22)を挿入したため外乱抑圧ループの安
定条件を満足する必要があったが、次に第3図のよう
に、速度誤差情報のみを考慮するように外乱抑圧ループ
の外に構成すると、外乱抑圧ループの安定条件を満足す
る必要がない。ただし、外乱抑圧ループにおける推定外
乱量を考慮しているわけではないため、周期的な速度誤
差が改善されるシステムとなる。このように第3図の繰
り返し制御部(22)におけるq(s)も、ローパスフィ
ルタやアッテネータとなるような構成にして制御系全体
を安定化させる。
以上のような第1図,第2図,第3図の外乱抑圧制御
と繰り返し制御を組み合わせたシステムは、外乱オブザ
ーバ(9)のブロック内を第12図あるいは第8図のよう
な形にすることにより、これら伝達関数表現されたブロ
ック図をローパスフィルタ,増幅器,加算器,減算器等
の例えばオペアンプ等を用いたアナログ回路や、ディジ
タルフィルタを含んだソフトウェアのアルゴリズム等に
より実現され、これらアナログあるいはディジタルの計
算結果に基づいて、ディジタルの場合はD/Aコンバータ
によりアナログ電圧に戻した後,ドライブアンプ等によ
りモータに駆動電流として印加され、制御系が構成され
る。
更に、このような外乱抑圧システムはVTRのみなら
ず、ビデオディスク,CD等のディスク回転制御や、オー
ディオテープレコーダ等のモータ回転制御に用いられ、
特に携帯用の装置外乱の大きなものに対し、その回転ム
ラを大幅に除去することは言うまでもない。
次に、繰り返し制御部(22)の繰り返し度合が適応的
に切り替る適応型繰り返し制御と、外乱オブザーバによ
る外乱抑圧制御を組み合わせた第2の実施例を第4図,
第5図について説明する。
前記第1の実施例においては、モータに加わる外乱が
周期的である場合について、従来の外乱抑圧制御の外乱
抑圧度を改善する方式について述べたが、ビデオムービ
ー等の携帯用機器においては、必ずしもモータの回転周
期に同期した外乱のみでなく、手振れや外部振動等の無
周期性の外乱が入力される可能性が十分にある。例え
ば、この場合の速度変動を、第9図の(a)のように横
軸時間で、ある時間から無周期性外乱が多くモータに入
力されるような場合と仮定すると、第4図における適応
的に繰り返しゲインを変化させる繰り返しゲイン部(2
4)がない場合、速度変動が周期Lで周期的に入力され
ている間は、適応的なゲインの可変がないため繰り返し
制御部(22)と同じ形になる(22a)の部分が動作し、
第9図(b)の周期性外乱入力時のように速度誤差が改
善されるが、無周期性外乱入力に切り替った途端、却っ
て繰り返し制御部がない第9図(a)の方が速度誤差が
少ないような形になってしまう。これは、繰り返し制御
部が制御系の状態変化の周期性を利用したシステムであ
るため、周期性がなくなれば考慮する意味をなさなくな
るからである。そこで、第4図にように、繰り返し制御
部(22a)におけるメモリe-LSの前後の信号を比較する
ことにより、現在学習している状態量あるいは偏差が周
期的であるかどうかを定量化する。すなわち、現在の制
御の状態量と過去の状態量との相関を定量化する。なぜ
ならば、仮に完全に周期的であるとすると、メモリの前
後の信号は1周期前と現在の状態量あるいは偏差量であ
るため全く同じ信号となり、その差はゼロとなる。これ
を積分器(26)で絶対値をとった後に積分したものは、
メモリの入力が完全な周期信号である場合は積分器出力
=0となり、無周期性が強い信号である場合は積分器出
力>0となる。更に無周期性が強ければ強いほど積分器
出力は大きな値となる。実際には積分器(26)を完全積
分器とすると、僅かな無周期性が続くだけで積分器出力
が次第に大きくなり、しまいには無限大(実際には飽和
する)となってしまうため、第6図の具体例のように比
例ゲイン部(29)を並列に挿入して不完全積分の形とす
る。すなわち、適応ループ内にPI(比例,積分)補償器
を挿入した形とすることにより、周期性の強弱に対して
余り敏感に繰り返しゲイン部(24)が働かないようにす
るためである。この場合、P(比例)ゲインを大きくす
ると、大きな無周期性が続かないかぎり積分器(26)の
出力は大きくならない。逆にI(積分)ゲインを大きく
すると、少しの無周期性が続くだけで積分器(26)の出
力は大きくなる。例えば、ノイズのような単発的な無周
期性外乱に対しては積分器(26)で積分しているためそ
の出力は余り大きくならず、単発的な外乱入力前のレベ
ルがほぼ保持されるため、繰り返しゲイン部(24)のゲ
イン量は余り変わらない。以上のようにして積分器(2
6)の出力として得られた周期性の強弱は、実際には第
6図の正規化回路(32),(33)により例えば最小0,最
大1の値になるように正規化される。第4図の繰り返し
ゲイン部(24)は、可変アッテネータ値KLとフィルタq
(s)とで構成されており(第1の実施例ではアッテネ
ータはq(s)に含まれていた)、設定アッテネータ量
KLに正規化回路(32)の出力に反比例させた量(具体的
には第6図の反転回路(34)で0.5に対して反転してKL
に積算している)が繰り返し制御部(22a)のアッテネ
ータ量となる。すなわち、周期性が強いと正規化出力は
ゼロに近く、0.5に対して反転,すなわち1に近い値をK
Lに掛けた量が繰り返し制御部(22a)のアッテネータ量
となって最初の設定値KLとほぼ同じ値となるのに対し、
周期性が弱いと正規化出力は1に近く、アッテネータ量
はゼロに近くなるため、繰り返し制御が働かなくなる。
このようなシステムに第1の実施例で述べた外乱オブ
ザーバによる外乱抑圧ループを新たに挿入すると、第5
図のような形になる。ここにおいて、外乱抑圧ループの
外乱抑圧度を左右する1/Knの外乱抑圧ゲイン部(27)
は、上述の繰り返し制御のアッテネータ量とは逆に無周
期性が強い場合に大きくなり(すなわち、1/Knに近くな
り)、周期性が強い場合には小さくなる(1/Kn→0)。
しかし、実際には1/Knを完全にゼロにする必要はないた
め、正規化回路の形を変えて繰り返し制御アッテネーシ
ョンゲイン可変用の正規化回路(32)のように0から1
までの値とせずに、例えば0.5から1までのように設定
しておく。このように、繰り返し制御アッテネーション
ゲイン可変用の正規化回路(32)と外乱抑制ループの外
乱抑圧度設定用ゲイン可変用正規化回路(33)の構成を
様々に変えることによって、それぞれの制御系全体の入
力外乱の性質に合わせることが可能である。例えば、第
7図の(a)のように繰り返しアッテネーションゲイン
量を絶対値回路の出力が少しでも大きくなるとゼロにな
るように構成し、外乱抑圧ゲインを余り下げないように
すると、不規則な外乱が多いシステムに対し最適な状態
となり、逆に第7図(b)のように繰り返しアッテネー
ションゲインを余り下げずに設定しておけば、周期的な
外乱が多いシステムに対し最適な状態となる。これは例
えば、第7図(a)がビデオムービーのような携帯用機
器に、第7図(b)が据え置き型VTR等の据え置き型機
器のモータ制御に対して最適な設定が可能であることを
示している。また、安定性に問題がなければ、第7図
(c)のように繰り返しアッテネーションゲインや外乱
抑圧ゲインの両方を大きくしておくことも可能であり、
この場合の速度変動や外乱等の抑圧度は大幅に改善され
る。
例えば、外乱オブザーバのみの従来のシステムでは、
第9図(c)のように外乱の周期性,無周期性にかかわ
らず,ある程度速度変動を抑圧するが、未だ偏差が残っ
ている。同様に、第4図の適応型の繰り返し制御システ
ムでは、第10図(c)のように、周期性外乱入力時はほ
ぼ完全に速度変動を抑圧するが、無周期性外乱入力時に
は絶対値回路(31)の出力が第10図(b)のように大き
くなるため、繰り返しアッテネーションゲインが減少し
て繰り返し制御が効かなくなるので、第10図(a)と同
じレベルの偏差が発生する。しかし、第5図のシステム
にすると、第10図(d)のように周期性外乱入力時は繰
り返し制御により速度誤差がほぼ完全に抑圧され、無周
期性外乱入力時には外乱オブザーバによりある程度抑圧
されるため、ほぼ理想的なシステムが実現できる。すな
わち、繰り返し制御は、周期成分を高精度で抑えること
ができるが、無周期成分が多い場合は、この無周期成分
を記憶し、かえって制御誤差が増加してしまう。つま
り、周期性が高い場合にはきわめて効果的な反面、無周
期性が強くなると逆効果になる。一方、外乱オブザーバ
による外乱抑圧制御は、繰り返し制御ほど抑圧効果が高
くない反面(図14参照)、周期性,無周期性に関係なく
抑圧制御が行える。従って、この2つの制御を適応的に
用いることにより、どのような制御システムにおいても
最適な外乱抑圧制御を行える外乱抑圧制御システムを実
現できる。
以上のような適応システムは、制御系がソフトウェア
等のアルゴリズムにて構築されている場合は、ゲイン量
が可変な繰り返しゲイン部(24),外乱抑圧ゲイン部
(27)等も簡単に実現することができる。
なお、上記各実施例においては、本願をVTR等の記録
再生装置に適用するものとして説明したが、これに限ら
ず,ロボット等の高性能駆動が要求される各種システム
に本願を適用すれば上記と同様な効果を奏する。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、周期成分の相関が
強い場合は、繰り返し制御手段による補正ゲインを強く
し、周期成分の相関が弱い場合は、外乱抑圧手段の推定
による補正ゲインを強くするという、相関検出による制
御を行うようにしたので、きわめて高い精度にて周期的
な制御誤差や外乱及び突発的な外乱を抑えることがで
き、どのような制御システムにおいても最適な外乱抑圧
制御が行える外乱抑圧制御システムを実現できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における外乱量繰り返し
型の外乱抑圧制御システムを示すブロック図、第2図は
第1の実施例の変形例である速度誤差,外乱量繰り返し
型の外乱抑圧制御システムを示すブロック図、第3図は
第1の実施例の変形例である速度誤差繰り返し制御に外
乱抑圧制御を組み合わせたシステムを示すブロック図、
第4図は本発明の第2の実施例である適応型繰り返し制
御システムを示すブロック図、第5図は第2の実施例の
変形例である適応型繰り返し制御,外乱抑圧制御システ
ムを示すブロック図、第6図は第2の実施例における周
期性検出部の具体的構成例を示すブロック図、第7図は
第6図の正規化回路の設定値の具体例を示す図、第8図
は外乱抑圧制御帯域が改善可能な外乱オブザーバを示す
ブロック図、第9図,第10図は実施例における動作時の
速度変動例を示す図、第11図は従来の外乱抑圧制御シス
テムの原理を示すブロック図、第12図は従来の外乱オブ
ザーバによる外乱抑圧制御システムを示すブロック図、
第13図は従来の外乱オブザーバの一般的表現となる最小
次元オブザーバを示すブロック図、第14図は従来の外乱
オブザーバの外乱抑圧度を示す図である。 (9),(39)は外乱オブザーバ、(20)はAFC(速度
制御ゲイン部)、(21)はモータ、(22)は繰り返し制
御部、(22a)は適応繰り返し制御部、(24)は繰り返
しゲイン部、(25)は周期性検出部、(27)は外乱抑圧
ゲイン部。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−126182(JP,A) 特開 平1−303084(JP,A) 特開 昭60−200788(JP,A) 特開 昭59−146486(JP,A) 特開 昭57−132789(JP,A) 中野道雄・原辰次著、「繰り返し制御 系の理論と応用」(システムと制御VO L.30,NO1,PP.34−41、1986年 発行) 原辰次著、「繰り返し制御」(計測と 制御VOL.25,NO12,PP.1111− 1119、1986年発行)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】追従目標と制御対象の出力情報との間の制
    御誤差に基づいて上記制御対象を制御する制御ループ
    と、 上記制御対象に加わる外乱量を推定し、上記外乱量が抑
    圧されるように上記推定された外乱量を上記制御ループ
    に入力する外乱抑圧手段と、 上記推定された外乱量と上記制御誤差の少なくとも一方
    に含まれる周期成分を記憶し、上記周期成分が抑圧され
    るように上記記憶された周期成分を上記制御ループに入
    力する繰り返し制御手段と、を備え、 上記記憶された周期成分の相関が強い場合は、上記繰り
    返し制御手段による補正ゲインを強くし、上記記憶され
    た周期成分の相関が弱い場合は、上記外乱抑圧手段の推
    定による補正ゲインを強くすることを特徴とする外乱抑
    圧制御システム。
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