JP3418161B2 - 容器構造 - Google Patents

容器構造

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JP3418161B2
JP3418161B2 JP2000189970A JP2000189970A JP3418161B2 JP 3418161 B2 JP3418161 B2 JP 3418161B2 JP 2000189970 A JP2000189970 A JP 2000189970A JP 2000189970 A JP2000189970 A JP 2000189970A JP 3418161 B2 JP3418161 B2 JP 3418161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通気性の紙製の
容器本体内にプラスチックフィルムを隙間無く被覆した
容器構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプモールドは、機械的強度が比較的
大きく、さらに適度な弾性を有するため耐衝撃性も良好
であることなどから、生卵など各種製品の包装材料、あ
るいは収納容器などとして近年、多用されてきている。
また、パルプモールドは純粋なパルプからできているた
め、被収納製品を取出した後、そのまま埋設したり焼却
処分することができるなどの利点もある。しかし、この
パルプモールドは耐水性がないため、湿気に弱い製品、
水分を含んだ製品、あるいは液状の製品の包装、収納に
は本質的に適していない。そのため、そのような製品の
包装、収納には用いることができず、このパルプモール
ドを用いた包装、収納容器は、その用途が限られてい
た。
【0003】なお、パルプモールドに耐水性を持たせる
ため、パルプモールドからなる包装、収納容器の内面に
耐水性プラスチック材料をコーティングしたり、パルプ
モールドに耐水性プラスチック材料を含浸させることも
考えられるが、その場合は容器本体から耐水性プラスチ
ック材料のみを分離することが困難となり、そのため被
収納製品を取出した後、そのまま焼却処分したり、再度
リサイクルすることが不可能となる。
【0004】そこで、本出願人は、既に特開平10−2
18152号により、通気性紙材からなる容器本体と、
該容器本体の内面にスキンパック等の真空成形により隙
間無く沿って被覆するプラスチックフィルムとからなる
容器の構造を提案しており、相応の効果を奏している。
本出願人は、更に、プラスチックフィルムと容器本体の
間に水などの流体が入りにくい容器について研究、開発
の結果、本発明を開発するにいたった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】即ち、この発明の課題
は、プラスチックフィルムを容器本体のフランジで折り
返して接着すると共に端部を接着せずに分離することに
よりプラスチックフィルムと容器本体の間に水などの流
体がしみこまないようにした容器構造を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明では、通気性を有する紙材からなっ
て、外周にフランジを設けた容器本体と、該容器本体の
内面にスキンパック等の真空成形により密着されたプラ
スチックフィルムとからなり、上記プラスチックフィル
ムが、容器本体のフランジ先端を越えてフランジ裏面に
接着されると共に、端部の少なくとも一部が接着されず
容器本体から分離して折り返され、外方へ向かって引き
剥がし用の突片部として延出してなり、上記突片部を引
っ張ることによりプラスチックフィルムを容器本体から
引き剥がして両者を分離しうる、という技術的手段を講
じている。
【0007】請求項2の発明では、前記フランジが容器
本体の外周に沿って環状に略水平に延びてなる、という
技術的手段を講じている。また、請求項3の発明では、
前記突片部がプラスチックフィルムの端部の一部に形成
されている、という技術的手段を講じている。請求項4
の発明では、前記通気性紙材がパルプモールドからな
る、という技術的手段を講じている。更に、請求項5の
発明では、前記プラスチックフィルムが、容器本体のフ
ランジ先端を越えてフランジ裏面の中途位置まで接着さ
れてなる、という技術的手段を講じている。また、請求
項6の発明では、前記プラスチックフィルムが、容器本
体のフランジ裏面の全部を覆い、容器本体の外周壁の一
部まで接着されてなる、という技術的手段を講じてい
る。請求項7の発明では、前記プラスチックフィルム
が、水分非透過性のポリオレフィンフィルムからなって
いる、という技術的手段を講じている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の容器構造を紙
製耐水容器に適用した好適実施例について図面を参照し
ながら説明する。ここで、図1は紙製耐水容器の一例を
示す斜視図、図2は要部拡大断面図である。
【0009】図1および図2に示す紙製耐水容器1は、
上面が開口する箱型に成形された通気性紙材、例えばパ
ルプモールドからなる容器本体2と、この容器本体2の
内面形状にほぼ適合させて成形された水分非透過性のプ
ラスチックフィルム4とからなる。即ち、容器本体2
は、例えば平均厚み1mm前後のパルプモールドから形
成されており、その外周に沿って一連に略水平に延びる
フランジ5が形成されている。
【0010】この容器本体2については、故紙を乾燥状
態で混合解繊し、該解繊された故紙に水と弾性接着剤と
を添加し、回転力または振動を与えて解繊故紙を団粒化
し、このようにして得られた多数の団粒を接着剤と混合
して団粒相互を接着させ、接着後に容器の型装置に入れ
て乾燥して容器形状に成形するものでもよい。この製法
については、本出願人が既に特開平6−247472号
において開示しているものである。
【0011】また、容器本体2の素材中に金属粉のよう
な電磁波により発熱する物質を混入しておけば、容器形
状に成形する際に容易に乾燥させることができる。ま
た、電子レンジにより紙製耐水容器1に収納された物を
加熱する際にも、該加熱を促進させることができて好ま
しい。
【0012】次に、水分非透過性のプラスチックフィル
ム4は、例えば厚み数ミクロンのポリオレフィンフィル
ム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィ
ルムなど)などの水分非透過性熱可塑性プラスチックフ
ィルムからなっている。
【0013】このプラスチックフィルム4は、スキンパ
ックなどの真空成形法を利用して、加熱軟化させつつ容
器本体2の内面に密着させて該内面形状にならって隙間
無く接する形状に成形される。ここで、容器本体2は、
前述のようにパルプモールドからなっているので、容器
本体2の微少な隙間から真空吸引装置でフィルムを容器
本体2の表面に密着するように吸引することができる。
【0014】したがって、容器本体2がどのような形状
であっても、あるいは内面に多数の小さな凹凸が形成さ
れている場合でも、水分非透過性のプラスチックフィル
ム4においても上記形状にならってそのまま再現され
る。
【0015】このプラスチックフィルム4は裏面に接着
剤層を有するものでも有しないものであってもよい。本
実施例では上記プラスチックフィルム4の裏面に接着剤
層が形成されており容器本体2の内面に沿って隙間無く
接着されているが、上記プラスチックフィルム4を容器
本体2の内周面に接着せずに密着させるだけの構造であ
ってもよい。
【0016】前記のように容器本体2はその外周に沿っ
て一連に略水平に延びるフランジ5を有しているが、上
記プラスチックフィルム4は、容器本体2のフランジ5
の先端を越えて折り返され、上記フランジ5の裏面に接
着されると共に、プラスチックフィルム4の端部からな
る突片部4aは、フランジ5または容器本体2の外周壁
に接着されず、図2で明瞭なように再度折り返され、外
方へ向かって延出する構成からなっている。
【0017】これにより、フランジ5は、その先端がプ
ラスチックフィルム4により覆われてカバーされた状態
となり、プラスチックフィルム4と容器本体2とのつな
ぎ目6は、フランジ5の裏面となっている。
【0018】このように構成された紙製耐水容器1は、
水分非透過性のプラスチックフィルム4が容器本体2の
内面に施されているから、湿気に弱い物、水分を含んだ
物、あるいは液状の物の包装、収納が可能となる。そし
て、水や水蒸気などの流体は、つなぎ目からプラスチッ
クフィルム4と容器本体2の隙間に浸入することがな
く、容器本体が水や流体で劣化することがない。なお、
この紙製耐水容器1は、必要に応じて適当な蓋部材で密
封するようにしてもよい。
【0019】次に、使用後に、紙製耐水容器1が不要に
なると、水分非透過性プラスチックフィルム4は容器本
体2から容易に取り外すことができる。即ち、プラスチ
ックフィルム4はその端部が容器本体2とは分離してい
るので、この部分を引っ張って容器本体2から剥がせ
ば、プラスチックフィルム4と容器本体2とを分別する
ことができる。このようにプラスチックフィルム4は容
器本体2から容易に剥離しうるので、パルプモールドか
らなる容器本体2のみを再度リサイクルに供することが
可能となり、あるいは、そのまま焼却処分することもで
きる。
【0020】また、上記実施例ではプラスチックフィル
ムとして水分非透過性を有するものを用いたが、湿気を
透過させる性質を有するものや、各種機能を有するプラ
スチックフィルムを用いることができる。
【0021】なお、この発明の容器の形状は上記実施例
の容器に限らず、用途を問わず種々形状および用途の容
器に用いることができる。図3の紙製耐水容器1は、ト
レイ状からなっており、容器本体2は表面に凹凸が形成
されているが、スキンパック成形によりプラスチックフ
ィルム4を密着させることができる。
【0022】また、プラスチックフィルム4はフランジ
5をすっかり全部覆ってこれを越えた容器本体2の外周
壁の一部まで接着されており、端部の突片部4aがつな
ぎ目6から分離して折り返され、外方へ向かって延出し
た構成からなっている(図3参照)。その他の構成は前
記実施例と同様であるので、同様の構成には同一符号を
付してその説明を省略する。
【0023】また、上記実施例では、容器本体2から分
離するプラスチックフィルム4の突片部4aは端部の全
周からなる場合を例示したが、プラスチックフィルム4
の端部のほとんどがフランジ5またはフランジ裏面を越
えて容器本体の外周壁の一部に接着され、上記端部の一
部だけが延びて突片部4aとして形成され、これを引き
剥がし片として利用するものであってもよい。
【0024】即ち、図4の紙製耐水容器1では、上記プ
ラスチックフィルム4の端部の一部だけに突片部4aを
形成して容器本体2から分離、突出した構成からなって
おり、他のプラスチックフィルム4の端部はフランジ5
または容器本体2の外周壁に一体に接着されている。そ
の他の構成は前記実施例と同様である。
【0025】上記実施例では、プラスチックフィルム4
は、容器本体2の内周壁にも接着される構成を示した
が、この発明では、プラスチックフィルム4はフランジ
5にのみ接着されて容器本体2の内周壁には接着されな
い構成であってもよい。また、プラスチックフィルム4
は、フランジ5の裏面のみに接着され、他は接着されな
い構成であってもよい。また更には、プラスチックフィ
ルム4とのつなぎ目6の部分だけが接着されて他は接着
されない構成であってもよい。その他、要するにこの発
明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿
論である。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明の容器構造
は、容器本体のフランジ端部をプラスチックフィルムで
巻き込むように覆ったので、水などの流体が容器本体と
プラスチックフィルムの隙間に浸入することがなく、耐
水性や耐流体性の向上を図ることができる。更に、プラ
スチックフィルムが容器本体から分離可能となっている
から、廃棄時には突片部をつかんで簡単に上記フィルム
のみを剥がして容器本体のみをリサイクルに供したり、
あるいは焼却処分することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例に係わる紙製耐水容器を示
す斜視図である。
【図2】図1に示す紙製耐水容器の要部拡大断面図であ
る。
【図3】紙製耐水容器の異なる実施例を示す断面図であ
る。
【図4】突片部の異なる実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…紙製耐水容器の一例としての容器 2…容器本体 3…被収納製品 4…プラスチックフィルム 4a…突片部 5…フランジ 6…つなぎ目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 1/00 B65D 25/14 B65D 77/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性を有する紙材からなって、外周に
    フランジを設けた容器本体と、該容器本体の内面にスキ
    ンパック等の真空成形により密着されたプラスチックフ
    ィルムとからなり、 上記プラスチックフィルムが、容器本体のフランジ先端
    を越えてフランジ裏面に接着されると共に、端部の少な
    くとも一部が接着されずに容器本体から分離して折り返
    され、外方へ向かって引き剥がし用の突片部として延出
    してなり、 上記突片部を引っ張ることによりプラスチックフィルム
    を容器本体から引き剥がして両者を分離しうることを特
    徴とする容器構造。
  2. 【請求項2】 フランジが容器本体の外周に沿って環状
    に略水平に延びてなることを特徴とする請求項1に記載
    の容器構造。
  3. 【請求項3】 突片部がプラスチックフィルムの端部の
    一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の容器構造。
  4. 【請求項4】 通気性紙材がパルプモールドからなるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに
    記載の容器構造。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルムが、容器本体のフ
    ランジ先端を越えてフランジ裏面の中途位置まで接着さ
    れてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに
    記載の容器構造。
  6. 【請求項6】 プラスチックフィルムが、容器本体のフ
    ランジ裏面の全部を覆い、容器本体の外周壁の一部まで
    接着されてなることを特徴とする請求項1から4のいず
    れかに記載の容器構造。
  7. 【請求項7】 プラスチックフィルムが、水分非透過性
    のポリオレフィンフィルムからなっていることを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載の容器構造。
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