JP3408529B2 - コレラトキシンの免疫原性無毒化変異体およびトキシンltの免疫原性無毒化変異体、それらの調製、ならびにワクチンの調製のためのそれらの使用 - Google Patents

コレラトキシンの免疫原性無毒化変異体およびトキシンltの免疫原性無毒化変異体、それらの調製、ならびにワクチンの調製のためのそれらの使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】発明の分野 本発明は、Val−53、Ser−63、Val−9
7、Tyr−104、またはPro−106の1つ以上
のアミノ酸の置換を有する、コレラトキシン(CT)の
免疫原性無毒化タンパク質、あるいは、Escheri
chia coli(E.coli)の毒素原性株によ
り産生された非耐熱性トキシン(LT)の免疫原性無毒
化タンパク質、ならびに、コレラまたは毒素原性E.c
oliの感染の予防あるいは治療に有用なワクチンでの
それらの使用に関する。これらのタンパク質は、野生型
トキシンをコードするDNAの部位特異的変異誘発によ
る組換えDNA技術を用いて、適切に産生され得る。
【0002】
【従来の技術】発明の背景 コレラは、広く世界中、特に第三世界に蔓延する伝染病
であり、ある地域では、それは風土病である。腸系に生
じるこの重い病気は、この疾患の記録されているケース
の高い割合で致命的であることが示される。
【0003】コレラの病因は、グラム陰性微生物 Vi
brio cholerae(V.cholerae)
である。これは、汚染された食物あるいは水の摂取を介
して接触した個体の腸管にコロニー化し、そして非常に
高密度に繁殖する。基本的な症状は、激しい下痢であ
り、その結果被検体は、ふん便によって一日あたり10
〜15リットルもの液体を損失し得る。この激しい脱水
および電解質の損失の結果、被検体は、この感染の50
〜60%のケースにおいて耐えられず、死亡する。V.
choleraeにより起きた下痢は、アデニレートシ
クラーゼ酵素の活性化を刺激することにより作用して細
胞レベルで障害を引き起こす、コレラトキシンCTの分
泌による。コレラは、制御された強烈な水分再吸収(r
ehydration)再水和により効果的に治癒され
得るが、この疾患の完全な制御および将来的な絶滅に
は、ワクチンの普及が望まれる。
【0004】現在、死滅細菌の非経口投与からなる、コ
レラに対するワクチン接種が存在する。いくつかの国で
は、この疾患に対するワクチン接種が要求されている
が、現在の細胞性ワクチンは、感染の50%のケースに
おいてのみ予防し、そしてその予防はまた6ヶ月未満の
持続に極度に制限されるので、その真の有用性が非常に
疑わしい。
【0005】バングラデシュでは、高度な免疫原性であ
ることが知られる、コレラトキシンのサブユニットBを
付加した死滅細菌からなる経口ワクチンの、実験的な試
みが進行中である(1990−92)。この産物は、特
別な副作用も伴わず、永続的な予防を持続する(Hol
mgren J., Clemens J., Sac
k DA., Sanchez J.およびSvenn
erholm AM;「コレラに対する経口免疫処置」
Curr. Top. Microbiol.Immu
nol.(1988), 146, 197−20
4)。
【0006】コレラトキシンは、Escherichi
a coliの毒素原性株の非耐熱性トキシンに、アミ
ノ酸配列、構造、および作用様式において、類似する。
【0007】E.coliの毒素原性株の感染の結果
は、コレラに類似しており(コレラよりも激しくない
が)、激しい下痢および腸の疾患からなる。
【0008】CTおよびLTトキシンはすべて、トキシ
ンの酵素活性の原因である1つのAサブユニット(ある
いはプロトマーA)(本明細書中ではCT−Aあるいは
LT−A)、および、トキシンと腸上皮細胞との結合に
関連する、5つの同一の(identical)Bサブ
ユニット(あるいはプロトマーB)(本明細書ではCT
−BあるいはLT−B)を含有する。
【0009】このAサブユニットは、細胞膜を通過し
て、酵素活性を制御するGTP結合タンパク質のNAD
依存ADPリボシル化により、アデニレートシクラーゼ
の活性化を引き起こす。これの臨床的な影響は、腸での
大量の液体の損失を引き起こすことである。
【0010】かなりの研究が、コレラトキシンおよび
E.coli非耐熱性トキシンについて行われてきた。
【0011】CTの配列は公知であり、記載されている
(Mekalanos J.J.ら、Nature 3
06,551ページ (1983))。
【0012】E.coliの毒素原性株由来のLTの配
列は、掲載されているように、CTに80%相同であ
り、これもまた周知で科学文献に記載されている。Sp
icer E.K.ら(Biol.Chem. 257
p.5716−5721(1982))には、ブタに
認められるE.coliの毒素原性株由来の非耐熱性ト
キシンのAサブユニットのアミノ酸配列が記載されてい
る。
【0013】LTの細菌染色体型が、Pickett
C.L.ら(J. Bacteriol.169,51
80−5187,(1987))により、同定され、そ
して配列決定された。
【0014】ヒトに感染することが周知である、E.c
oliの株由来のLTのAサブユニットの配列もまた、
配列決定された(Yamamotoら、J. Bio
l.Chem., 259, 5037−5044(1
984))。
【0015】コレラおよび毒素原性細菌に対するワクチ
ンの可能な臨床上の重要性の観点から、コレラおよび毒
素原性細菌に対して免疫し得る、無毒化トキシンを生産
する、継続的かつ偉大な目的が存在する。遺伝子工学の
技術は、このトキシンをコードする遺伝子への特定の変
異株の導入、ならびに、遺伝子発現およびタンパク質精
製の従来の技術による、変異トキシンの生産を可能にす
る。
【0016】多くのグループが、コードされたタンパク
質の毒性特性の損失に関連する、遺伝子変異の同定を試
みてきた。これらの研究は、主としてE.coli由来
のトキシンLTの遺伝子に関して実施されている。
【0017】Harford,Sら(Eur. J.
Biochem. 183, 311ページ(198
9))には、ブタに対して病原性のE.coli由来の
LT−A遺伝子のインビトロ変異誘発による、トキソイ
ドの生産が記載されている。得られた成功例の変異は、
Ser−61−Phe置換およびGly−79−Lys
置換を包含する。前者はより重要と考えられる。Har
fordらは、ヒトおよびブタに病原性であるE.co
li中のLT−A遺伝子と、CT−A遺伝子との間の類
似性、ならびに、このトキシンは共通の機構により作動
すると考えられることから、Ser−61−Phe変異
をCT−A遺伝子に導入することにより、コレラのハロ
トキソイドを生産する可能性があり得ることを示唆して
いる。
【0018】Tsuji, T.ら(J. Biol.
Chem.265,p. 22520(1990))
には、変異LTの毒性に影響するが、そのタンパク質の
免疫原性は変化させない、1つの置換Glu−112−
Lysを産生するプラスミドEWD299由来のLT−
A遺伝子の変異が記載されている。
【0019】Grant, C.C.R.ら(第92回
General Meetingof The Am
erican Society for Microb
iologyの要旨集 B289,1992年5月26
−30日)には、酵素活性を著しく低下させる、LT−
A中の、44位および70位のヒスチジンならびに12
7位のトリプトファンの同類置換が記載されている。
【0020】いくつかの研究が、CTに対する変異につ
いてなされてきた。
【0021】Kaslow,H.R.ら(第92回 G
eneral Meeing ofthe Ameri
can Society for Microbiol
ogyの要旨集 B291, 1992年5月26−3
0日)には、本質的に全ての活性を排除する、CT−A
中の、Asp−9およびHis−44の変異、ならび
に、アミノ酸180位以降の切断(truncatin
g)が記載されている。Arg−9変異は著しく活性を
弱めると言われている。その他のアミノ酸部位の変異
は、毒性に対してほとんど影響はなかった。
【0022】Burnette, W.N.ら(In
f. and Immun. 59(11),4266
−4270,(1991)には、Bordetella
pertussisトキシンのAサブユニットの公知
の無毒化変異と平行する、Arg−7−Lys変異を産
生するCT−Aの部位特異的変異誘発が記載されてい
る。変異は、検出可能なADPリボシルトランスフェラ
ーゼ活性を完全に撤廃させた。
【0023】国際特許出願WO92/19265(Bu
rnette, Kaslow and Amgen
Inc.)には、Arg−7、Asp−9、Arg−1
1、His−44、His−70、およびGlu−11
2でのCT−Aの変異が記載されている。
【0024】Glu−110(LTおよびCT)ならび
にArg−146(LT)での変異もまた、文献に記載
されている(Lobet, Inf. Immun.,
2870, 1991; Lai, Bioche
m.Biophys. Res. Comm. 341
1983; Okamoto J.Bacterio
l. 2208, 1988)。
【0025】LTの結晶構造が、Sixmaら(Nat
ure, 351, 371−377, 1991年5
月)により決定され、変異誘発が以前の文献に記載され
た結果生じることが確認された。このことは、Aサブユ
ニットの活性に、Glu−112およびSer−61の
構造的な重要性を説明し、そして、非常にすぐ近位のH
is−44、Ser−114、およびArg−54が、
触媒作用および認識に重要であり得ることを示唆する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】発明の要旨 トキシンの構造のさらなる詳細な分析により、CT−A
およびLT−Aの配列中のかなり遠くのアミノ酸が、適
切に、個別に、あるいはその他の変異と結合するように
変異した際に、CTおよびLTの酵素活性を減少し得る
位置に存在することが、発見された。
【0027】本発明の目的は、遺伝子的に無毒化され
た、CTあるいはLT由来のトキソイドである1つの抗
原からなる、二次発生産物による、コレラあるいは毒素
原性E.coliに対する完全な予防を与えるワクチン
の提供である。
【0028】CTあるいはLTの遺伝子的無毒化は、毒
性を著しく低下させ、そして、好ましくはなくするが、
トキソイドの免疫原性特性は維持している。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の第一局面に従っ
て、コレラトキシン(CT−A)のサブユニットAのア
ミノ酸配列またはそのフラグメント、あるいは、Esc
herichia coli非耐熱性トキシン(LT−
A)のサブユニットAのアミノ酸配列あるいはそのフラ
グメントを含有する、免疫原性無毒化タンパク質が提供
される。ここでVal−53、Ser−63、Val−
97、Try−104、またはPro−106のいずれ
かの位置またはこれらに対応する位置にある、1つ以上
のアミノ酸が、他のアミノ酸と置換される。
【0030】置換されたアミノ酸は、CT−Aあるいは
LT−Aの配列中に位置している。これはアミノ酸配列
中および構造的に保存されており、従って、CTおよび
種々のLT類に共通である。
【0031】本発明の免疫原性無毒化タンパク質は、天
然に存在する野生型トキシンと、本質的に同じ構造のコ
ンフォメーションを有する。これは、免疫学的に活性で
あり、野生型トキシンに対する抗体と交差反応する。
【0032】本明細書中では、CTおよびLTには、種
々の天然に存在する変異株、さらに、構築された毒素の
免疫原性に影響しない、本明細書で開示されている配列
由来の変化を包含するその他の変異株が、包含される。
【0033】本明細書中では、「Val−97」のよう
なアミノ酸等価物とは、成熟コレラトキシンサブユニッ
トA(CT−A)の配列中のその位置のアミノ酸のこと
を示し、これにはシグナル配列がない(図1を参照のこ
と)。
【0034】本明細書でLT−Aと言うところは、アミ
ノ酸等価物が、図1に示されるような、CT−A中の対
応する位置をさしている。
【0035】例えば、CT中のVal−53はLT1サ
ブユニットのVal−52に対応し、そして、CT中の
Ser−63はLT1のSer−62に対応するので、
LT1配列の番号をつけたアミノ酸89位までに1つの
アミノ酸の異なりが存在する。CT配列中のVal−9
7は、配列中のその位置で4つのアミノ酸の異なりがあ
るので、LT1配列中のVal−93に対応する。
【0036】さらに、本発明の免疫原性無毒化タンパク
質は、例えば、Arg−7、Asp−9、Arg−1
1、His−44、Arg−54、Ser−61、Hi
s−70、His−107、Glu−110、Glu−
112、Ser−114、Trp−127、Arg−1
46、あるいはArg−192での1つ以上の置換のよ
うな、その他の変異を含み得る。
【0037】野生型アミノ酸に対して置換されたアミノ
酸は、天然に存在するアミノ酸であり得る、あるいは、
改変または合成アミノ酸であり得る。置換には、アミノ
酸全体の欠損が含まれ得る。ここで、変異は、必要な免
疫原性特性を維持し、実質的に毒性の低下を示す。
【0038】できる限り置換されたアミノ酸の立体効果
は維持しているが、両電解質性および親水性を変化させ
る置換が、一般的には好ましい。
【0039】好ましい置換には、Val−53−As
p、Val−53−Glu、Val−53−Tyr、S
er−63−Lys、Val−97−Lys、Val−
97−Tyr、His−107−Glu、Tyr−10
4−Lys、Tyr−104−Asp、Tyr−104
−Ser、Pro−106−Ser、Ser−114−
Glu、Ser−114−Lysが含まれる。
【0040】本明細書中に用いられる用語「無毒化され
た」とは、免疫原性組成物が、それに対応の天然に存在
するトキシンに比較して、実質的により低い毒性を示す
ことを意味する。実質的により低い毒性は、著しい副作
用の引き起こしを伴なうワクチンとして、免疫学的に有
効な量で免疫原性組成物に使用されるタンパク質に関し
て、十分に低くあるべきである。例えば、免疫原性無毒
化タンパク質は、それに対応の天然に存在するトキシン
に0.01%未満の毒性を有するべきである。毒性は、
マウスCHO細胞で、あるいは、好ましくはY1細胞に
誘導された形態学的変化の評価により測定され得る。用
語「トキソイド」とは、遺伝子的に無毒化されたトキシ
ンを意味する。
【0041】免疫原性タンパク質は、CTあるいはLT
サブユニットAトキソイドであり得るが、好ましくは、
1つの変異CT−AあるいはLTーAサブユニットおよ
びCTあるいはLTの5つのBサブユニットを含有す
る、構築された(assembled)トキシンであ
る。Bサブユニットは、天然に存在するサブユニットで
あり得るか、あるいはそれ自身変異され得る。
【0042】免疫原性タンパク質は、好ましくは、上記
のように適切に改変された、天然に存在するCT−Aあ
るいはLT−Aである。しかし、保守的アミノ酸変化
は、免疫原性タンパク質の免疫原性あるいは毒性には影
響せず、好ましくは、Bサブユニットタンパク質を有す
る完全なトキシンを形成する免疫原性タンパク質の活性
には影響しないようになされ得る。さらに、免疫原性タ
ンパク質は、CT−AあるいはLT−Aのフラグメント
であり得る。ここで、フラグメントは、免疫原性かつ非
毒性であり、本発明に従う変異の1つを含有する、少な
くとも1つの保存領域を含有する。
【0043】本発明の第二の局面に従って、本発明の第
一の局面の免疫原性無毒化タンパク質および薬学的に受
容可能なキャリアを含有するワクチンとしての使用のた
めの、免疫原性組成物が提供される。
【0044】免疫原性組成物はさらに、1つ以上のアジ
ュバントおよび/または薬学的に受容可能な希釈剤を含
有し得る。
【0045】本発明はさらに、本発明の第一の局面に従
う免疫原性無毒化タンパク質および薬学的に受容可能な
キャリアを含有するワクチン組成物を提供する。このワ
クチン組成物はさらにアジュバントを含有し得る。
【0046】本発明の第三の局面に従って、哺乳類に、
Vibrio choleraeあるいはEscher
ichia coliの毒素原性株に対するワクチン接
種の方法を提供する。この方法には、本発明の第一の局
面に従う免疫原性無毒化タンパク質を免疫学的に有効な
量で投与する工程が包含される。
【0047】本発明の免疫原性無毒化タンパク質は、従
来のペプチド合成技術を用いて化学的に合成され得る
が、好ましくは、組換えDNA技術により生産される。
【0048】本発明の第四の局面に従って、本発明の第
一の局面に従う免疫原性無毒化タンパク質をコードする
DNA配列が提供される。
【0049】好ましくは、このDNA配列は、ポリシス
トロン性ユニット中に、無毒化サブユニットAおよびサ
ブユニットBの両方をコードするDNAを包含する、完
全なCTまたはLTをコードするDNA配列を含む。あ
るいは、このDNAは無毒化サブユニットAのみをコー
ドし得る。
【0050】本発明の第五の局面に従って、本発明の第
四の局面に従うDNAを輸送するベクターを提供する。
【0051】本発明の第六の局面に従って、本発明の第
五の局面に従うベクターで形質転換された宿主細胞系を
提供する。
【0052】宿主細胞は、CTあるいはLTを産生し得
る任意の宿主であり得るが、所望する免疫原性無毒化タ
ンパク質を産生するように好適に設計された、好ましく
は細菌、最も好ましくはE.coliあるいはV.ch
oleraeである。
【0053】本発明の第六の局面のさらなる実施態様で
は、宿主細胞はそれ自身、防御種(protectiv
e species)、例えば、野生型LTあるいはC
Tを欠き、そして本発明の第一局面の免疫原性無毒化タ
ンパク質を運搬して発現する表現型に変異されたE.c
oliあるいはV.cholerae株を提供し得る。
【0054】本発明の第六の局面のさらなる実施態様で
は、宿主細胞は、本発明の第一の局面に従う染色体LT
−A遺伝子を発現し得る。
【0055】本発明の第七の局面に従って、本発明の第
一の局面に従う免疫原性無毒化タンパク質の製造方法を
提供する。この方法には、本発明の第六の局面に従う宿
主細胞を培養する工程が包含される。
【0056】本発明の第八の局面に従って、本発明の第
四の局面に従うDNAの製造方法を提供する。この方法
には、CT−AまたはLT−AをコードするDNAある
いはそれらのフラグメントを、部位特異的変異誘発に供
する工程を包含する。
【0057】本発明の第九の局面に従って、本発明の第
一の局面に従う免疫原性無毒化タンパク質を、薬学的に
受容可能なキャリア、および、必要に応じてアジュバン
トと合わせる工程を包含する、ワクチンの調製方法を提
供する。
【0058】本願発明はまた、以下の項1〜14を提供
する。 1.コレラトキシン(CT-A)のサブユニットAまたはそ
のフラグメントのアミノ酸配列、あるいは、Escherichi
a coli非耐熱性トキシン(LT-A)またはそのフラグメン
トのアミノ酸配列を含有する免疫原性無毒化タンパク質
であって、Val-53、Ser-63、Val-97、Tyr-104、またはP
ro-106のいずれかの位置またはこれらに対応する位置に
ある、1つまたはそれより多いアミノ酸が他のアミノ酸
と置換されている、免疫原性無毒化タンパク質。 2.項1に記載の免疫原性無毒化タンパク質であって、
Arg-7、Asp-9、Arg-11、His-44、Arg-54、Ser-61、His-
70、His-107、Glu-110、Glu-112、Ser-114、Trp-127、A
rg-146、またはArg-192のいずれかの位置またはこれら
に対応する位置にある、1つまたはそれより多いアミノ
酸がさらに置換されている、免疫原性無毒化タンパク
質。 3.1つまたはそれより多い、次のアミノ酸置換:Val-
53-Asp、Val-53-Glu、Val-53-Tyr、Ser-63-Lys、Val-97
-Lys、Val-97-Tyr、His-107-Glu、Tyr-104-Lys、Tyr-10
4-Asp、Tyr-104-Ser、Pro-106-Ser、Ser-114-GluSer-11
4-Lysを含有する、項1または2に記載の免疫原性無毒
化タンパク質。 4.前記項のいずれかに記載の免疫原性タンパク質およ
び薬学的に受容可能なキャリアを含有するワクチンに用
いられる、免疫原性組成物。 5.項1〜3のいずれかに記載の免疫原性無毒化タンパ
ク質および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、ワ
クチン組成物。 6.アジュバントをさらに含有する、項5に記載のワク
チン組成物。 7.項1〜3のいずれかに記載の免疫原性無毒化タンパ
ク質をコードする、DNA配列。 8.項7に記載のDNAを輸送する、ベクター。 9.項8に記載のベクターで形質転換される、宿主細胞
系。 10.項9に記載の宿主細胞を培養する工程を包含す
る、項1〜3のいずれかに記載の免疫原性無毒化タンパ
ク質の製造法。 11.CT-AまたはLT-AをコードするDNAあるいはそれら
のフラグメントを部分特異的突然変異誘発に供する工程
を包含する、項7に記載のDNAの製造方法。 12.免疫学的に有効な量の項1〜3のいずれかに記載
の免疫原性無毒化タンパク質を投与する工程を包含す
る、Vibrio choleraeまたはEscherichia coliの毒素原
性株に対するワクチン接種を哺乳類にする方法。 13.項1〜3のいずれかに記載の免疫原性無毒化タン
パク質を薬学的に受容可能なキャリアとあわせる工程を
包含する、項5に記載のワクチンの調製方法。 14.項1〜3のいずれかに記載の免疫原性無毒化タン
パク質をアジュバントと合わせる工程を包含する、項6
に記載のワクチンの調製方法。 工業的適用性 本発明の免疫原性無毒化タンパク質は、コレラ感染ある
いはE.coliトキシン原性株による感染の予防およ
び治療に有用なワクチン組成物の活性成分を構成する。
従って、この組成物は製薬業での使用に適用し得る。
【0059】
【発明の実施の形態】(発明の実施様態の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されていなければ、当該分野内
の、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫
学の従来の技術を使用する。このような技術は、文献に
十分に説明されている。例えば、Sambrookら、
MOLECULAR CLONING; A LABO
RATORY MANUAL, 第2版(1989);
DNA CLONING,I巻 および II巻
(D.N.Glover 編 1985);OLIGO
NUCLEOTIDE SYNTHESIS(M.J.
Gait編、1984);NUCLEIC ACID
HYBRIDIZATION(B.D. Hames
および S.J. Higgins 編 198
4);TRANSCRIPTION AND TRAS
LATION(B.D. Hames および S.
J. Higgins 編 1984); ANIMA
L CELL CULTURE(R.I.Freshn
ey 編 1986);IMMOBILIZED CE
LLS AND ENZYMES (IRL Pres
s, 1986);B. Perbal, APRAC
TICAL GUIDE TO MOLECULAR
CLONING(1984);シリーズのMETHOD
S IN ENZYMOLOGY(Academic
Press,Inc,);GENE TRANSFER
VECTORS FOR MAMMALIAN CE
LLS(J.H. MillerおよびM.P.Cal
os 編 1987, Cold Spring Ha
rbor Laboratory),Methods
in Enzymology Vol. 154 およ
び Vol. 155(それぞれ、WuおよびGros
sman,およびWu, 編),Mayer および
Walker, 編(1987), IMMUNOCH
EMICAL METHODS IN CELL AN
D MOLECULAR BIOLOGY (Acad
emic Press, London) Scope
s, (1987),PROTEINPURIFICA
TION: PRINCIPLES AND PRAC
TICE, 第2版 (Springer−Verla
g,N.Y.)、およびHANDBOOK OF EX
PERIMENTAL IMMUNOLOGY,I−I
V巻(D.M.WeirおよびC.C. Blackw
ell 編 1986)を、参照のこと。ヌクレオチド
およびアミノ酸の標準的な略号が、本明細書で使用され
ている。本明細書に引用された全ての出版物、特許、お
よび特許出願は、参考として援用されている。
【0060】特に、以下のアミノ酸の略号が使用され
る:
【0061】
【化1】 本発明に使用され得る免疫原性無毒化タンパク質の実施
例に挙げた例には、特に掲載した変異の部位以外で、タ
ンパク質の天然アミノ酸配列から比較的少ないアミノ酸
の変異を有するポリペプチドが包含される。
【0062】天然源からタンパク質を単離および精製す
るよりも、組換えDNA技術により免疫原性無毒化タン
パク質を生産する重大な利点は、天然源からタンパク質
を単離するのに必要とされる量よりも少量の開始物質を
使用して、同量のタンパク質が生産され得ることであ
る。組換え技術によるタンパク質の生産はまた、細胞内
に通常存在するある種の分子の非存在下での、タンパク
質の単離を可能にする。事実、どのようなヒトタンパク
質夾雑物(contaminants)も完全に含まな
いタンパク質組成物が、容易に製造され得る。なぜな
ら、組換え非ヒト宿主により生産されたヒトタンパク質
のみが、問題の組換えタンパク質である。ヒトに対して
病原性の、天然源からの潜在的ウイルス因子およびウイ
ルス成分もまた、排除される。さらに、遺伝子的に無毒
化されたトキシンは、従来の化学的に無毒化されたトキ
シンほど毒性が戻らないようである。
【0063】薬学的に受容可能なキヤリアには、それ自
身、その組成物が与えられる個体に有害な抗体の産生を
誘導しない、任意のキャリアが包含される。適切なキャ
リアは、典型的には大きく、徐々に代謝される高分子、
例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝
集体(例えば、油滴またはリボソーム)、および不活性
化ウイルス粒子である。このようなキャリアは、当業者
に周知である。さらに、これらのキヤリアは、免疫刺激
物質(アジュバント)として機能し得る。
【0064】組成物の有効性を増強する好ましいアジュ
バントには、以下が包含されるが、限定はされない:水
酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニ
ウムなどのようなアルミニウム塩(alum)、ムラミ
ルペプチドまたは細菌細胞壁成分のような他の特定の免
疫刺激物質を伴うかまたは伴わない、オイルエマルジョ
ン調製物、例えば、(1)MF59(公開国際特許出願
第WO−A−90/14837号、5% スタアレン、
0.5% Tween80、0.5%Span
5を含有する(必要ではないが、場合に応じて、種々の
量のMTP−PE(以下を参照のこと)を含有する);
ここでMF59は、Model 110Yマイクロフル
イダイザー(microfluidizer)(Mic
rofluidics, Newton, MA 02
164)のようなマイクロフルイダイザーを用いて、サ
ブミクロン粒子に調製されている、(2)SAF、すな
わち10%スタアレン、0.4% Tween 80、
5% プルロニックブロックポリマー L121(Pl
uronic−blocked polymerL12
1)、およびthr−MDP(以下を参照のこと)を含
有する;ここでSAFは、マイクロフルイダイザーでサ
ブミクロンエマルジョンにするか、または、ボルテック
スにかけてより大きな粒子サイズのエマルジョンにす
る、および、(3)RIBITMアジュバンド系(RA
S)(Ribi Immunochem, Hamil
ton, MT);2%スタアレン、0、2% Twe
en80、および、以下からなる群の1つ以上の細胞
壁成分を含有する:モノホスホリルリピドA(MP
L)、トレハロースジマイコレート(TDM)、および
細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(D
etoxTM)、ムラミルペプチド(例えば、N−アセ
チル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン
(thr−MDP)、N−アセチル−ノルウラミル−L
−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、
N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタ
ミニル−L−アラニン−2−(1’−2'−ジパルミト
イル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキ
シ)−エチルアミン(MTP−PE)など)、およびサ
イトカイン(インターロイキン(IL−1、IL−2な
ど)マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、
腫瘍壊死因子(TNF)など)。さらに、Stimul
onTM(Cambridge Bioscienc
e,Worcester, MA)のようなサポニンア
ジュバントが使用され得るか、または、それからISC
OMS(免疫刺激複合体)のような粒子がつくられ得
る。さらに、完全フロイントアジュバント(CFA)お
よび不完全フロイントアジュバント(IFA)が、使用
され得る。AlumおよびMF59が好ましい。
【0065】免疫原性組成物(例えば、抗原、薬学的に
受容可能なキャリアおよびアジュバント)は、典型的に
は、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなどの
希釈剤を含有し得る。さらに、湿潤剤または乳化剤、p
H緩衝物質などの補助物質が、このような賦形剤に存在
し得る。
【0066】典型的には、免疫原性組成物は、注射し得
るように、溶液または懸濁液のいずれかに調製される;
それはまた、注射の前に液体賦形剤中で、溶液あるいは
懸濁液とするのに適した固形として、調製され得る。調
製物もまた、上記のように、薬学的に受容可能なキャリ
ア中で、アジュバント効果を増強するために、乳化され
るか、あるいはリポソームにカプセル化され得る。
【0067】ワクチンとして使用される免疫原性組成物
は、免疫学的に有効な量の抗原ポリペプチドに加えて、
必要に応じて、他の上記した成分を含有し得る。「免疫
学的に有効な量」により、個体への投与量が、単回投与
において、または一連の一部として、治療または予防に
有効であることを意味する。この量は、治療されるべき
個体の健康状態または生理的状態、治療されるべき個体
の分類群(例えば、ヒト以外の霊長類、霊長類など)、
抗体合成に対する個体の免疫系の許容量、所望の予防の
程度、ワクチン調製物、医学上の治療医の見解、および
その他の関連因子に依存して変化する。その量は、日常
試験により決定され得るが、比較的広範囲であることが
予測される。
【0068】免疫原性組成物は、非経口的に、例えば、
皮下注射または筋肉内注射のいずれかで、従来より投与
されている。その他の投与形態に適した調製物には、経
口および肺用の調製物、坐薬および経皮塗布が包含され
る。投与治療は、単回投与スケジュールあるいは複数回
投与スケジュールであり得る。ワクチンは、その他の免
疫調節剤と組み合わせて投与され得る。
【0069】本明細書に使用されている用語「組換えポ
リヌクレオチド」とは、ゲノム、cDNA、半合成、ま
たは合成起源の、以下の起源または操作による、ポリヌ
クレオチドのことを意味する: (1)天然に結合され
ているポリヌクレオチドの全体または部分に結合しな
い、(2)天然に連結されているその他のポリヌクレオ
チドに結合する、あるいは(3)天然に存在しない。
【0070】本明細書に使用されている用語「ポリヌク
レオチド」とは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボ
ヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのポリマー型の
ヌクレオチドのことである。この用語は、分子の一次構
造のみを呼ぶ。従って、この用語には、二本鎖および一
本鎖DNAおよびRNAが包含される。さらに、この用
語には、周知の改変型、例えば、当該分野で公知の標
識、メチル化、「キャップ」、天然に存在するヌクレオ
チドのアナログとの1つ以上の置換、ヌクレオチド内の
改変(例えば、非帯電結合(例えば、メチルホスフェー
ト、トリエステルホスフェート、ホスホアミデート、カ
ルバメートなど)および帯電結合(例えば、ホスホロチ
オエート、ホスホロジチオエートなど)での改変(この
場合、ペンダント部分として、例えば、タンパク質(ヌ
クレアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ
−L−レリジンなどを包含する)を有する)、挿入剤
(例えば、アクリジン、ソラレンなど)での改変、キレ
一夕ー(例えば、金属、放射活性金属、ボロン、酸化金
属など)を含む改変、アルキル化剤を含む改変、改変結
合(例えば、α−アノマー核酸など)での改変)、およ
び、ポリヌクレオチドの非改変型が、包含される。
【0071】「レプリコン」は、細胞内のポリヌクレオ
チド複製の自律ユニットとして挙動する、すなわち、そ
れ自身の制御下で複製し得る、遺伝要素(例えば、プラ
スミド、染色体、ウイルス、コスミドなど)である。こ
れには、選択可能なマーカーが含まれる。
【0072】「ベクター」は、接続されたセグメントの
複製および/または発現をもたらすように、他のポリヌ
クレオチドセグメントが接続されたレプリコンである。
【0073】「制御配列」とは、連結されるコード配列
の発現をもたらすのに必要なポリヌクレオチドのことで
ある。このような制御配列の特性は、宿主生物に依存し
て異なる;原核生物では、このような制御配列は一般的
に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終
結配列を含む;原核生物において、このような制御配列
は一般に、プロモーターおよび転写終結配列を含む。用
語「制御配列」は、最少限で、発現に必要な全ての成分
を含み、さらに、例えば、リーダー配列および融合パー
トナー配列のような、存在すれぱ好都合である成分も含
む。
【0074】「作動可能に連結された」とは、記載の成
分が意図した様式で機能し得る関係にある並置のことで
ある。コード配列に「作動可能に結合された」制御配列
は、制御配列と適合する条件下で、コード配列の発現が
達成されるように連結される。
【0075】「オープンリーディングフレーム」(OR
F)は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配
列の領域である;この領域は、コード配列の一部分また
は全コード配列を表し得る。
【0076】「コード配列」は、適切な調節配列の制御
の下におかれると、通常mRNAを介してポリペプチド
に翻訳され得るポリヌクレオチド配列である。コード配
列の境界は、5’−末端の翻訳開始コドンおよび3’−
末端の終止コドンにより決定される。コード配列には、
cDNAおよび組換えポリヌクレオチド配列が含まれ得
るが、限定はされない。
【0077】「PCR」とは、Saikiら、Natu
re 324:163(1986);およびSchar
fら、Science(1986)233:1076−
1078;および米国特許第4,683,195号;
および米国特許第4,683,202号に記載されてい
るポリメラーゼ連鎖反応の技術のことである。
【0078】本明細書に使用されているように、xが本
質的に同一様式でyと関連しない場合、xはyに関して
「異種」である;すなわち、xが事実上yに関連しない
か、あるいはxが実際に認められるのと同じ様式でyに
関連しない場合である。
【0079】「相同」とは、xとyとの間の類似性の程
度のことである。1つの型とその他の型との配列間の相
関は、当該分野に公知の方法により決定される。例え
ば、これらは、ポリヌクレオチドの配列情報の直接比較
により決定され得る。あるいは、相同領域間で安定な二
重鎖を形成する条件下で、ポリヌクレオチドをハイブリ
ダイズさせ(例えば、ハイブリダイゼーションはS
化に先だって用いられる)、その後、一本鎖特異的ヌク
レアーゼにより消化し、次に、消化フラグメントのサイ
ズを測定することにより、相同が決定され得る。
【0080】本明細書に使用されている用語「ポリペプ
チド」とは、アミノ酸ポリマーのことであり、特定の長
さの産物のことではない;従って、ポリペプチドの定義
には、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質が
包含される。この用語はまた、ポリペプチドの発現後の
改変、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化な
どを意味するのではなく、すなわち除外する。定義に含
まれるものは、例えば、1つ以上のアミノ酸アナログ
(例えば、非天然のアミノ酸を含む)を有するポリペプ
チド、置換連結(substituted linka
ges)、および、当該分野に公知の他の天然に存在な
らびに天然に非存在の両方の、改変を有するポリペプチ
ドである。
【0081】指定の核酸配列「由来の」ポリペプチドあ
るいはアミノ酸配列は、その配列中にコードされたポリ
ペプチドのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、あるいはその部分のことであり、ここでそ
の部分は、少なくとも3−5のアミノ酸からなり、さら
に好ましくは、少なくとも8−10のアミノ酸、さらに
好ましくは少なくとも11−15のアミノ酸からなる
か、または、そのペプチドは配列中にコードされたポリ
ペプチドと免疫学的に同一であると見なし得る。この用
語にはまた、指定の核酸配列から発現されるポリペプチ
ドが包含される。
【0082】タンパク質は、そのタンパク質に特異的
な、モノクローナルあるいはポリクローナルのいずれか
の抗体を産生するのに使用され得る。これらの抗体を産
生する方法は、当該分野に公知である。
【0083】「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細
胞」、「細胞培養物」および、その他のこのような用語
は、例えば、組換えベクターあるいはその他のトランス
ファーDNA用の受容体として使用され得るか、または
使用された微生物、昆虫細胞、および哺乳類細胞を意味
し、そして、形質転換された初代細胞の子孫を包含す
る。単一の親細胞の子孫は、自然的、偶発的あるいは意
図的変異により、形態学あるいはゲノムDNAまたは全
DNA相補鎖において、初代の親のようには必ずしも完
全に同一であり得ないことは理解される。哺乳類宿主細
胞の例としては、チャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞およびサル腎(COS)細胞が挙げられる。
【0084】特に、本明細書に使用されている「細胞
系」は、インビトロにおいて増殖および分化を継続ある
いは延長し得る細胞群のことである。しばしば、細胞系
は、単一の先祖細胞に由来するクローン群である。この
ようなクローン群の貯蔵あるいは移動の間に、自発変化
あるいは誘発変化が核型において生じ得ることがさらに
当該分野では知られている。従って、引用の細胞系由来
の細胞は、先祖細胞あるいは培養物と正確には同一であ
り得ず、そして引用の細胞系は、そのような変種を含
む。用語「細胞系」はまた、不死化細胞を包含する。好
ましくは、細胞系は、非ハイブリッド細胞系あるいはハ
イブリドーマの2つの細胞型のみを含む。
【0085】本明細書に使用されている用語「微生物」
には、細菌および細菌のような原核および真核の微生物
種が包含され、細菌には、酵母および糸状菌が包含され
る。
【0086】本明細書に使用されている「形質転換」と
は、例えば、直接取り込み(direct uptak
e)、トランスダクション、f−メーティング、あるい
はエレクトロポレーションのような、挿入に使用される
方法に関係なく、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチド
の挿入のことである。外因性ポリヌクレオチドは、プラ
スミドのような非組込みベクターとして維持され得る
か、あるいは宿主ゲノムに組込まれ得る。
【0087】「ゲノムの」により、ベクターにクローニ
ングされた制限フラグメントに由来するDNA分子のコ
レクションあるいはライブラリーを意味する。これは、
生物の遺伝子物質の全てあるいは部分を包含し得る。
【0088】「cDNA」により、DNAの相補鎖にハ
イブリダイズする、相補DNA鎖を意味する。
【0089】「精製された」および「単離された」によ
り、ポリペプチドあるいはヌクレオチド配列に関する場
合には、指示される分子が、それと同じタイプの生物学
的高分子が他に実質的に存在していない状態で、存在す
ることを意味する。本明細書に使用されている用語「精
製された」は、同じタイプの生物学的高分子が、少なく
とも75重量%、好ましくは、少なくとも85重量%、
さらに好ましくは、少なくとも95重量%、そして最も
好ましくは98重量%存在することを意味する(しか
し、水、緩衝液、およびその他の低分子、特に、分子量
が1000未満の分子は、存在し得る)。
【0090】一旦、適切なコード配列が単離されると、
それは種々の異なった発現系において発現され得る;例
えば、それは、哺乳類細胞、バキュロウイルス、細菌、
および酵母と共に使用される。
【0091】i.哺乳類系 哺乳類発現系は当該分野で公知である。哺乳類プロモー
ターは、哺乳類RNAポリメラーゼを結合し、そしてコ
ード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流
(3’)転写を開始し得るあらゆるDNA配列である。
プロモーターは、コード配列の5’末端近傍に通常位置
する転写開始領域、および転写開始部位の25〜30塩
基対(bp)上流に通常位置するTATAボックスを有
する。TATAボックスは、RNAポリメラーゼIIを
方向づけ、正しい部位でRNA合成を開始すると考えら
れている。哺乳類プロモーターはまた、TATAボック
スの100から200bp上流内に通常位置する上流プ
ロモーター要素も含む。上流プロモーター要素は、転写
が開始される速度を決定し、いずれかの方向に作用し得
る[Molecular Cloning:A Lab
oratory Manual,第2版中のSambr
ookら、(1989)「哺乳類細胞におけるクローン
化遺伝子の発現」]。哺乳類ウイルス遺伝子は、しばし
ば、非常高度に発現され、そして広い宿主の範囲を有す
る。従って、哺乳類ウイルス遺伝子をコードする配列
は、特に有用なプロモーター配列を提供する。その例と
して、SV40初期プロモーター、マウス乳ガンウイル
スLTRプロモーター、アデノウイルス主後期(maj
or late)プロモーター(Ad MLP)および
単純性疱疹ウイルスプロモーターが挙げられる。さら
に、マウスメタロチオネイン遺伝子などの非ウイルス遺
伝子由来の配列もまた、有用なプロモーター配列を提供
する。発現は、プロモーターがホルモン応答性細胞内の
グルココルチコイドで誘導され得るか否かによって、構
成的であり得るか、または調節され得る(誘導可能)。
【0092】エンハンサー要素(エンハンサー)が存在
すると、これは上記のプロモーター要素と組合わさっ
て、通常、発現レベルを増加させる。エンハンサーは、
相同または異種のプロモーターと連結すると、正常なR
NA開始部位での合成開始と共に転写を1000倍にま
で増加し得る調節DNA配列である。エンハンサーはま
た、転写開始部位から上流または下流に位置しても、正
常な方向もしくは逆方向のいずれの方向でも、またはプ
ロモーターから1000ヌクレオチドより遠く離れた位
置にあっても機能する。[Maniatisら、(19
87)Science 236:1237;Alber
tsら、(1989)MolecularBiolog
y of the Cell,第2版]。ウイルス由来
のエンハンサー要素は特に有用であり得る。なぜなら、
これらは通常、より広い宿主の範囲を有するためであ
る。その例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー
[Dijkemaら、(1985)EMBO J.
4:761]、ならびにラウス肉腫ウイルスの長末端反
復(LTR)[Gormanら、(1982b)Pro
c.Natl.Acad.Sci.79:6777]お
よびヒトサイトメガロウイルス[Boshartら、
(1985)Cell 41:521]由来のエンハン
サー/プロモーターが挙げられる。さらに、エンハンサ
ーの中には調節可能で、ホルモンまたは金属イオンなど
の誘導物質の存在下でのみ活性となるものがある[Sa
ssone−CorsiおよびBorelli、(19
86)Trends Genet.2:215,Man
iatisら、(1987)Science 236:
1237]。
【0093】哺乳類細胞中では、DNA分子は細胞内で
発現し得る。プロモーター配列はDNA分子と直接連結
し得、その場合、組換えタンパク質のN末端の第1アミ
ノ酸は、常にATG開始コドンによってコードされるメ
チオニンである。所望なら、臭化シアンを用いてインビ
トロでインキュベートすることによって、N末端はタン
パク質から切断され得る。
【0094】あるいは、哺乳類細胞内で異種タンパク質
の分泌を促すリーダー配列フラグメントから構成され、
そして融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を
形成することによって、異種タンパク質もまた、細胞か
ら増殖培地へ分泌され得る。リーダーフラグメントと異
種遺伝子との間でコードされ、そしてインビボまたはイ
ンビトロで切断され得るプロセシング部位があることが
好ましい。リーダー配列フラグメントは、通常、細胞か
らタンパク質を分泌させる疎水性アミノ酸で構成される
シグナルペプチドをコードする。アデノウイルス3分節
系(triparite)リーダーは、哺乳類細胞内で
異種タンパク質を分泌するリーダー配列の一例である。
【0095】通常、哺乳類細胞で認められる翻訳終結配
列およびポリアデニル化配列は、翻訳終止コドンから
3’側に位置する調節領域であるため、プロモーター要
素と共にコード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末
端は、部位特異的転写後切断およびポリアデニル化によ
って形成される[Birnstielら、(1985)
Cell 41:349;Transcription
and splicing(B.D.Hamesおよ
びD.M.Glover編)中のProudfootお
よびWhitelaw、(1988)「真核生物のRN
Aの終結および3’末端プロセシング」;Proudf
oot、(1989)Trends Biochem.
Sci.14:105]。これらの配列は、DNAによ
ってコードされるポリペプチドに翻訳され得るmRNA
の転写をもたらす。転写ターミネ一夕ー/ポリアデニル
化シグナルの例としては、SV40由来のものが挙げら
れる[Molecular Cloning: A L
aboratory Manua1lのSambroo
kら、(1989)「培養哺乳類細胞におけるクローン
化遺伝子の発現」]。イントロン(介在配列とも呼ばれ
る)が存在すると、いくらかの遺伝子はより効率的に発
現され得る。しかし、いくつかのcDNAは、スプライ
シングシグナル(スプライス供与およびスプライス受容
部位とも呼ばれる)を欠失するベクターから効率的に発
現された[例えば、GothingおよびSambro
ok(1981)Nature 293:620を参照
のこと]。イントロンは、スプライス供与部位およびス
プライス受容部位を含むコード配列内の介在非コード配
列である。これらは、一次転写産物のポリアデニル化に
続く「スプライシング」と呼ばれる過程によって除去さ
れる。[Nevins(1983)Annu.Rev.
Biochem.52:441;Green(198
6)Annu.Rev.Genet.20:671;P
adgettら(1986)AnnuRevBloch
em55:1119,Transcription a
nd spilicing(B.D.Hamesおよび
D.M.Glover編)中のKrainerおよびM
aniatis(1988)による「RNAスプライシ
ング」]。
【0096】通常、上記構成要素は、プロモーター、ポ
リアデニル化シグナル、および転写終結配列を包含し、
共に発現構築物を形成する。エンハンサー、機能的スプ
ライス供与部位および受容部位を有するイントロン、お
よびリーダー配列もまた、所望であれば、発現構築物中
に含まれ得る。発現構築物は、しばしば、哺乳類細胞ま
たは細菌のような宿主中で安定に維持され得る染色体外
要素(例えば、プラスミド)のようなレプリコン中に維
持され得る。哺乳類の複製系は、複製にトランス作用因
子を必要とする動物ウイルス由来の複製系を含む。例え
ば、SV40[Gluzman(1981)Cell
23:175]またはポリオーマウイルスのようなパポ
ーバウイルスの複製系を有するプラスミドは、適切なウ
イルス性T抗原の存在下で、極端に多いコピー数に至る
まで複製する。哺乳類のレプリコンのさらなる例とし
て、ウシパピローマウイルスおよびエプスタイン−バー
ルウイルス由来のレプリコンが挙げられる。さらに、こ
のレプリコンは、2種の複製系を有し得るため、レプリ
コンは、例えば、哺乳類細胞中には発現のために、そし
て原核宿主中にはクローニングおよび増幅のために維持
され得る。このような哺乳動物−細菌シャトルベクター
の例として、pMT2[Kaufmanら、(198
9)Mol.Cell.Biol.9:946]および
pHEBO[Shimizuら、(1986)Mol.
Cell.Biol.61074]が挙げられる。
【0097】使用する形質転換の手順は、形質転換され
る宿主に依存する。異種ポリヌクレオチドを哺乳類細胞
中へ導入するための方法は、当業者に周知であり、デキ
ストラン介在トランスフェクション、リン酸カルシウム
沈降法、ポリブレン介在トランスフェクション、プロト
プラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中
へのポリヌクレオチドのカプセル化、および核中へのD
NAの直接的なマイクロインジェクションを包含する。
【0098】発現用の宿主として利用可能な哺乳類細胞
系は、当業者に周知であり、そしてアメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能
な多くの不死化細胞系を含み、これらとして、チャイニ
ーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ細胞、シリ
アンハムスター腎(BHK)細胞、コス細胞(CO
S)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、お
よび他の多くの細胞系を挙げることができるが、それら
に限定されない。
【0099】ii.バキュロウイルス系 タンパク質をコードするポリヌクレオチドもまた、適切
な昆虫発現ベクター中に挿入され得、そしてそのベクタ
ー内の制御要素に、作動可能に連結される。ベクター構
築は、当業者に周知の技術を用いる。
【0100】一般に、発現系の構成要素は、バキュロウ
イルスゲノムのフラグメントと異種遺伝子または発現さ
れるべき遺伝子の挿入に都合のよい制限部位との両方を
含み、そして通常は細菌のプラスミドである転移ベクタ
ー;転移ベクター中のバキュロウイルスに特異的なフラ
グメントと相同の配列を有する野生型バキュロウイルス
(これは、異種遺伝子のバキュロウイルスゲノム中への
相同的組換えを考慮に入れる);および適切な昆虫宿主
細胞および増殖培地を有する。
【0101】タンパク質をコードするDNA配列を、転
移ベクター中に挿入した後、そのベクターとウイルスゲ
ノムとが再結合することが可能な昆虫宿主細胞中に、そ
のベクターおよび野生型ウイルスゲノムをトランスフェ
クトする。パッケージされた組換えウイルスを発現し、
組換えプラークを同定し、そして精製する。バキュロウ
イルス/昆虫細胞発現系の材料および方法は、キットの
形状で、特に、Invitrogen、San Die
go CA(「マックスバック(Max Bac)」キ
ット)から、市販されている。これらの技術は、一般に
当業者に周知であり、SummersおよびSmit
h、Texas Agricultural Expe
riment Station Bulletin 1
555号(1987)(以後、「Summersおよび
Smith」と記載)中に完全に記載されている。
【0102】バキュロウイルスゲノム中にタンパク質を
コードするDNA配列を挿入する前に、プロモーター、
(所望ならば)リーダー、目的とするコード配列、およ
び転写終結配列を含む上記構成要素を、通常、中間転位
(transplacement)構築物(転移ベクタ
ー)に組み立てる。この構築物は、単一の遺伝子、およ
び作動可能な連結された調節要素;それぞれが作動可能
に連結された一連の調節要素を有する同義遺伝子;また
は、それと同じ一連の調節要素により調節される同義遺
伝子を含み得る。中間転位構築物は、しばしば、細菌の
ような宿主中で安定に維持され得る染色体外要素(例え
ば、プラスミド)のようなレプリコン中に維持される。
このレプリコンは、複製系を有するため、レプリコン
が、クローニングおよび増幅のために適切な宿主中に維
持され得る。
【0103】現在、外来遺伝子をAcNPV中に導入す
るために、最も一般的に使用される転移ベクターはpA
c373である。当業者に周知の多くの他のベクターも
また、設計された。これらには、例えば、(ポリヘドリ
ン開始コドンをATGからATTに変換し、そのATT
から32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導
入する)pVL985が包含される;Luckowおよ
びSummers、Virology(1989)1
7:31を参照のこと。
【0104】通常、このプラスミドはまた、ポリヘドリ
ンポリアデニル化シグナル(Millerら、(198
8)Ann.Rev.Microbiol.、42:1
77)、および、E. coli.中の選択およひ増殖
のための原核生物のアンピリシン耐性(amp)遺伝子
および複製起点をも含有する。
【0105】バキュロウイルス転移ベクターは、通常バ
キュロウイルスプロモ一夕ーを含有する。バキュロウイ
ルスプロモ一夕ーは、バキュロウイルスRNAポリメラ
ーゼを結合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝
子)のmRNAへの下流(5’から3’)転写を開始し
得る、あらゆるDNA配列である。プロモーターは、コ
ード配列の5’末端の付近に通常位置する転写開始領域
を有する。この転写開始領域は、RNAポリメラーゼ結
合部位および転写開始部位を通常含有する。バキュロウ
イルス転写ベクターはまた、エンハンサーと呼ばれる第
2ドメインを有し得、これが存在する場合、通常、この
エンハンサーは構造遺伝子に対して遠位にある。発現
は、調節されるかあるいは構成的(constitut
ive)である。ウイルス感染サイクルの終期に大量に
転写される構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列
を提供する。例として、ウイルスポリヘドロンタンパク
質をコードする遺伝子から得られる配列、The Mo
lecular Biologyof Baculov
iruses(Walter Doerfler編)中
のFriesenら、(1986)「バキュロウイルス
遺伝子発現の調節」;欧州特許公開第127839号お
よび第155476号;およびp10タンパク質をコー
ドする遺伝子、Vlakら、(1988)、J Ge
n.Virol.69:765が挙げられる。
【0106】適切なシグナル配列をコードするDNA
は、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子(Carbo
nellら(1988)Gene、73:409)のよ
うな、分泌された昆虫あるいはバキュロウイルスタンパ
ク質の遺伝子から得られ得る。あるいは、哺乳類細胞の
翻訳後の(シグナルペプチド切断、タンパク質分解性切
断、およびリン酸化のような)改変に対するシグナルが
昆虫細胞に認識されるらしく、また分泌および核蓄積に
必要なシグナルも、無脊椎動物細胞と脊椎動物細胞との
間で保存されるらしいので、ヒトα−インターフェロ
ン、Maedaら、(1985)、Nature 31
5:592;ヒトガストリン放出ペプチド、Lebac
q−Verheydenら、(1988)、Mole
c.Cell.Biol.8:3129;ヒトIL−
2、Smithら、(1985)Proc.Nat’l
Acad.Sci.USA、82:8404;マウス
IL−3、(Miyajimaら、(1987)Gen
e 58:273;およびヒトグルコセレブロシダー
ゼ、Martinら、(1988)DNA、7:99を
コードする遺伝子から得られるリーダーのような非昆虫
起源のリ一ダーも、昆虫での分泌を促すために用い得
る。
【0107】組換えポリペプチドまたはポリタンパク質
は、細胞内で発現され得るか、または適当な調節配列に
より発現される場合に分泌され得る。非融合外来タンパ
ク質の良好な細胞内発現は、通常、ATG開始シグナル
の前に、適切な翻訳開始シグナルを含有する短いリーダ
ー配列を理想的に有する異種遺伝子を必要とする。所望
であれば、N末端のメチオニンを、成熟したタンパク質
から、臭化シアンを用いるインビトロのインキュベーシ
ョンで切断し得る。
【0108】あるいは、天然には分泌されない組換えポ
リタンパク質またはタンパク質は、昆虫内で、外来タン
パク質の分泌を可能にするリーダー配列フラグメントを
含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作
製することで、昆虫細胞から分泌され得る。このリーダ
ー配列フラグメントは、通常、タンパク質を小胞体中に
輸送する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコー
ドする。
【0109】タンパク質の発現産物前駆体をコードする
DNA配列および/または遺伝子の挿入の後、昆虫細胞
宿主を、転移ベクターの異種DNAおよび野生型バキュ
ロウイルスのゲノムDNAを用いて、同時形質転換する
−−通常は、同時トランスフェクションによる。構築物
のプロモーターおよび転写終結配列は、通常バキュロウ
イルスゲノムの2〜5kbのセグメントを含む。異種D
NAをバキュロウイルス中の所望の部位に導入する方法
は、当業者に周知である。(SummersおよびSm
ith,上記;Juら(1987);Smithら、M
ol. Cell. Biol.(1983) 3:2
156;およびLuckowおよびSummers(1
989)を参照のこと)。例えば、挿入は、相同的二重
交差組換え(homologous double c
rossover recombination)によ
り、ポリヘドリン遺伝子のような遺伝子中に行われ得
る;挿入は、所望のバキュロウイルス遺伝子中に設計さ
れる制限酵素部位中にも行われ得る。Millerら、
(1989)、Bioessays 4:91。このD
NA配列は、発現ベクター中のポリへドリン遺伝子の場
所にクローニングされた場合、5’および3’の両方が
ポリヘドリン特異的配列により隣接され、ポリヘドリン
プロモーターの下流に位置する。
【0110】新しく形成されたバキュロウイルス発現ベ
クターを、続いて、感染性の組換えバキュロウイルス中
にパッケージする。相同的組換えは、低い頻度(約1%
と約5%との間)で発生する;そのため、同時トランス
フェクションの後に生産されるウイルスの大半は、まだ
野生型ウイルスである。従って、組換えウイルスを同定
する方法が必要である。この発現系の利点は、組換えウ
イルスの識別を可能にする視覚スクリーンである。天然
のウイルスにより生産されるポリヘドリン遺伝子は、感
染細胞の核中で、ウイルス感染の後遅い時期に、非常に
高いレベルで生産される。蓄積されたポリヘドリンタン
パク質は、包埋された粒子もまた含有する閉塞体(oc
clusion bodies)を形成する。これらの
閉塞体は、サイズが15μmまでであり、屈折率が高い
ので、光学顕微鏡下で容易に可視化される、明るい光沢
のある外観を与えられる。組換えウイルスに感染された
細胞は、閉塞体を欠く。野生型ウイルスから組換えウイ
ルスを識別するために、トランスフェクション上清液
を、当業者に周知の技術を用いて、昆虫細胞の単層上に
プラークを形成させる。すなわち、プラークを、光学顕
微鏡下で閉塞体の存在(野生型ウイルスを示す)または
非存在(組換えウイルスを示す)についてスクリーニン
グする。「Current Protocols in
Microbiology」第2巻(Ausubel
ら編)の16.8(10、1990増補);Summe
rsおよびSmith、上記;Millerら(198
9)。
【0111】組換えバキュロウイルス発現ベクターが、
いくつかの昆虫細胞中へ感染させるために開発されてい
る。例えば、組換えバキュロウイルスが、とりわけ以下
の種のために開発されている:Ades aegypt
i、Autographacalifornica、B
ombyx mori、Drosophila mel
anogaster、Spodoptera frug
iperda、およびTrichoplusia ni
(PCT公開WO 89/046699号;Carbo
nellら、(1985)J. Virol. 56:
153;Wright(1986)Nature 32
1:718;Smithら、(1983)Mol. C
ell. Biol.3:2156;および一般的には
Fraserら(1989)In Vitro Cel
l. Dev. Biol.25:225を参照のこ
と)。
【0112】細胞および細胞培地は、バキュロウイルス
/発現系での、異種ポリペプチドの直接発現および融合
発現の両方のために、市販され入手可能である;細胞培
養技術は、通常、当業者に周知である。例えば、Sum
mersおよびSmith,上記を参照のこと。
【0113】次いで、改変された昆虫細胞を、適切な栄
養培地中で増殖させ得、改変された昆虫宿主中に存在す
るプラスミドを安定して維持させる。発現産物の遺伝子
が、誘導可能な制御下におかれている場合、宿主は高密
度に増殖し得、そして発現を誘導し得る。または、発現
が構成性である場合、生産物は培地中に継続的に発現さ
せ、そして、目的の生産物を除去して消耗した栄養分を
増加させる間、栄養培地は継続して一部取り換えなけれ
ばならない。産物は、クロマトグラフィー、例えば、H
PLC、アフィニィティークロマトグラフィー、イオン
交換クロマトグラフィーなど;電気泳動;密度勾配遠心
分離;溶媒抽出などのような技術により精製され得る。
好適には、この生産物は、必要であれば、培地中に分泌
されるか、または昆虫細胞の溶解から生じるいかなる昆
虫タンパク質をも実質的に除去するために、宿主のデブ
リ(例えば、タンパク質、脂質および多糖類)を少なく
とも実質的に含まない産物を提供するために、さらに精
製され得る。
【0114】タンパク質発現を得るために、形質転換体
に由来する組換え宿主細胞を、組換えタンパク質コード
配列を発現させる条件下でインキュベートする。これら
の条件は、選択される宿主に依存して変化し得る。しか
しながら、この条件は、当該分野で周知の技術に基づい
て、当業者が容易に確定し得る。
【0115】iii.細菌系 細菌発現技術は、当該分野で周知である。細菌プロモー
ターは、細菌RNAポリメラーゼを結合し得、コード配
列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの順方向
(3’’)転写を開始させ得る、いずれものDNA配列
である。プロモーターは、通常コード配列の5’末端の
近位に位置する転写開始領域を有する。この転写開始領
域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開
始部位を含む。細菌プロモーターは、オペレーターと呼
ばれる第2のドメインもまた含み、これはRNA合成が
始まる、隣接するRNAポリメラーゼ結合部位に重複し
得る。遺伝子リプレッサータンパク質がオペレーターに
結合し得、それにより特定の遺伝子の転写を阻害するの
で、オペレーターは、負に調節された(誘導可能)転写
を可能にする。構成性発現は、オペレーターのような負
の調節要素の非存在下で起こり得る。さらに、正の調節
は、遺伝子アクチベータータンパク質結合配列により達
成され得る。この遺伝子アクチベータータンパク質結合
配列は、存在する場合、通常、RNAポリメラーゼ結合
配列の近位(5’)にある。遺伝子アクチベータータン
パク質の例には、Escherichia coli
(E. coli)のlacオペロンの転写の開始を助
けるカタボライト活性化タンパク質(CAP)[Rai
baudら(1984) Annu. Rev. Ge
net.18:173]がある。従って、調節発現は、
正または負のいずれかであり得、それにより、転写を増
大または低下させる。
【0116】代謝経路酵素をコードする配列は、特に有
用なプロモーター配列を提供する。例には、ガラクトー
ス、ラクトース(lac)[Changら(1977)
Nature 198:1056]およびマルトースの
ような糖類を代謝する酵素に由来するプロモーター配列
が包含される。さらに、例として、トリプトファン(t
rp)[Goeddelら(1980)Nuc. Ac
ids Res. 8:4057;Yelverton
ら(1981)Nucl. Acids Res.
9:731;米国特許第4,738,921号;欧州特
許公開第036776号および第121 775号]の
ような生合成酵素に由来するプロモーター配列が挙げら
れる。g−ラオタマーゼ(bla)プロモーター系[I
nterferon 3(I. Gresser編)中
のWeissmann(1981)「インターフェロン
および他の誤り(mistakes)のクローニン
グ」]、バクテリオファージラムダPL[Shimat
akeら(1981)Nature 292:128]
およびT5[米国特許第4,689,406号]プロモ
ーター系もまた、有用なプロモーター配列を提供する。
【0117】さらに、天然には存在しない合成プロモー
ターもまた、細菌プロモーターとして機能する。例え
ば、ある細菌またはバクテリオファージプロモーターの
転写活性化配列を、他の細菌またはバクテリオファージ
プロモーターのオペロン配列と連結し得、合成ハイブリ
ッドプロモーターを生成する[米国特許第4,551,
433号]。例えば、tacプロモーターは、lacリ
プレッサーにより調節されるtrpプロモーターおよび
lacオペロン配列の両方を含むハイブリッドtrp−
lacプロモーターである[Amannら(1983)
Gene 25:167;de Boerら(198
3)Proc. Natl. Acad.Sci. 8
0:21]。さらに、細菌プロモーターは、細菌RNA
ポリメラーゼを結合し、転写を開始する能力を有する、
非細菌起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。
非細胞起源の天然に存在するプロモーターはまた、適合
するRNAポリメラーゼと結合し得、原核細胞におい
て、いくつかの遺伝子の高い発現レベルを生じさせる。
バクテリオファージT7のRNAポリメラーゼ/プロモ
ーター系は、結合されたプロモーター系の例である[S
tudierら(1986)J. Mol. Bio
l. 189:113;Taborら(1985)Pr
oc Natl. Acad. Sci. 82:10
74]。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バ
クテリオファージプロモーターおよびE.coliオペ
レーターから構成され得る(欧州特許公開第267 8
51号)。
【0118】機能しているプロモーター配列に加えて、
効果的なリボソーム結合部位もまた、原核細胞での外来
遺伝子の発現に有用である。E. coliでは、リボ
ソーム結合部位は、シャイン−ダルガルノ配列(SD)
と呼ばれ、開始コドン(ATG)および開始コドンの3
〜11ヌクレオチド上流に位置する3〜9ヌクレオチド
長の配列を含む[Shineら(1975)Natur
e 254:34]。SD配列は、SD配列とE. c
oli 16S rRNAの3’末端との間の塩基の対
合により、リボソームヘのmRNAの結合を促進すると
考えられる[Biological Regulati
on and Development:Gene E
xpression(R. F. Goldberge
r編)中のSteitzら(1979)「メッセンジャ
ーRNA中の遺伝シグナルおよびヌクレオチド配
列」]。弱いリボソーム結合部位で真核遺伝子および原
核遺伝子を発現させること[Molecular Cl
oning:A Laboratory Manual
中のSambrookら(1989)「Escheri
chia coli.中でのクローニングされた遺伝子
の発現」]。
【0119】DNA分子は、細胞内で発現され得る。プ
ロモーター配列は、DNA分子と直接連結され得、この
場合N末端の最初のアミノ酸は、常にメチオニンであり
このメチオニンは、ATG開始コドンでコードされる。
所望であれば、N−末端のメチオニンは、臭化シアンを
用いるインビトロのインキュベーションにより、また
は、細菌N末端ペプチダーゼを用いるインビボまたはイ
ンビトロでのいずれかのインキュベーションによりタン
パク質から切断し得る(欧州特許公開第21923
7)。
【0120】融合タンパク質は、直接発現の代わりに用
い得る。通常、内在性細菌タンパク質のN末端部分また
は他の安定なタンパク質ををコードするDNA配列を、
異種コード配列の5’末端に融合する。発現の際に、こ
の構築物は、2種のアミノ酸配列の融合を提供する。例
えば、バクテリオファージラムダ細胞遺伝子は、外来遺
伝子の5’末端に連結され、細菌中で発現され得る。得
られる融合タンパク質は、好適には、プロセシング酵素
(因子Xa)に対する部位を保持し、外来遺伝子からの
バクテリオファージタンパク質を切断する[Nagai
ら(1984)Nature309:810]。融合タ
ンパク質はまた、lacZ[Jiaら(1987)Ge
ne 60:197]、trpE[Allenら(19
87)J. Biotechnol. 5:93;Ma
koffら(1989)J. Gen. Microb
iol. 135:11]、およびChey[欧州特許
公開第324 647号]の遺伝子由来の配列を用いて
も作製され得る。2つのアミノ酸配列の連結部のDNA
配列は、切断部位をコードしても、しなくてもよい。他
の例は、ユビキチン融合タンパク質である。このような
融合タンパク質は、好適には、外来タンパク質からユビ
キチンを切断するプロセシング酵素(例えば、ユビキチ
ン特異的プロセシングプロテアーゼ)に対する部位を保
持するユビキチン領域で作られる。この方法により、天
然の外来タンパク質が単離され得る[Millerら
(1989)Bio/Technology 7:69
8]。
【0121】あるいは、外来タンパク質を、細菌中で外
来タンパク質を分泌させるシグナルペプチド配列フラグ
メントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA
分子を作製することにより細胞から分泌させ得る[米国
特許第4,336,336号]。シグナル配列フラグメ
ントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を支配する
疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。
タンパク質は、増殖培地(グラム陽性菌)中、または細
胞の内膜と外膜との間に位置する細胞周辺腔(グラム陰
性菌)中のいずれかに分泌される。好適には、シグナル
ペプチドフラグメントと外来遺伝子との間でコードされ
た、インビボまたはインビトロで切断され得るプロセシ
ング部位がある。
【0122】適切なソグナル配列をコードするDNA
は、E. coli外膜タンパク質遺伝子(ompA)
[Experimental Manipulati
onof Gene Expression中のMas
uiら(1983);Ghrayebら(1984)E
MBO J. 3:2437]およびE.coliアル
カリホスファターゼシグナル配列(phoA)[Oka
ら(1985)Proc. Natl. Acad.
Sci. 82:7212]のような、分泌された細菌
タンパク質に対する遺伝子に由来する。追加の例とし
て、種々のBacillus株由来のα−アミラーゼ遺
伝子のシグナル配列を、B. subtilis由来の
異種タンパク質を分泌するために使用し得る[Palv
aら(1982)Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 79:5582;欧州特許公開第
244 042号]。
【0123】通常、細菌により認識される転写終結配列
は、翻訳停止コドンの3’に位置する調節領域であり、
そのため、プロモーターと共に、コード配列の側面に位
置する。これらの配列は、DNAによりコードされるポ
リペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を支配する。
転写終結配列は、しばしば、転写の終了を助けるステム
ループ構造(stem loop structure
s)を形成し得る約50ヌクレオチドのDNA配列を含
む。例としては、E. coliのtrp遺伝子および
他の生合成遺伝子のような、強力なプロモーターを有す
る遺伝子由来の転写終結配列が挙げられる。
【0124】通常、プロモーター、シグナル配列(所望
の場合)、目的のコード配列、および転写終結配列を包
含する上記構成要素を組立てて、発現構築物を生成す
る。発現構築物は、しばしば、細菌のような宿主中に安
定して維持され得る染色体外要素(例えばプラスミド)
のようなレプリコン中に維持される。レプリコンは複製
系を有し、そのため、発現またはクローニングおよび増
幅のいずれかのために、原核生物宿主中で維持されるこ
とが可能になる。さらに、レプリコンは、高コピー数ま
たは低コピー数のいずれのプラスミドでもあり得る。高
コピー数のプラスミドは、一般的に約5〜約200、通
常は約10〜約150に及ぶコピー数を有する。高コピ
ー数のプラスミドを含む宿主は、好適には、少なくとも
約10、より好適には少なくとも約20のプラスミドを
含有する。高コピー数または低コピー数のいずれかのベ
クターを、宿主におけるベクターおよび外来タンパク質
の効果に依存して、選択し得る。
【0125】あるいは、発現構築物を、組込みベクター
を用いて、細菌ゲノム中に組込み得る。組込みベクター
は、通常、ベクターヘの組込みを可能にする細菌染色体
に相同である少なくとも1つの配列を含む。組込みは、
ベクター中の相同DNAと細菌染色体との間の組換えの
結果生じると思われる。例えば、種々のBacillu
s株由来のDNAを用いて構築される組込みベクター
は、Bacillus染色体中に組込む(欧州特許公開
第127 328号)。組込みベクターはまた、バクテ
リオファージまたはトランスポゾン配列を含み得る。
【0126】通常、染色体外の組込み発現構築物は、選
択可能なマーカーを含み得、形質転換された細菌株の選
別を可能にする。選択可能なマーカーは、細菌宿主中で
発現され得、アンピリシン、クロラムフェニコール、エ
リスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)、およ
びテトラサイクリンのような薬剤に対する抵抗性を細菌
に与える遺伝子を含み得る[Daviesら(197
8)Annu. Rev.Microbiol. 3
2:469]。選択可能なマーカーはまた、ヒスチジ
ン、トリプトファン、およびロイシンの生合成経路にお
ける遺伝子のような、生合成遺伝子を含み得る。
【0127】あるいは、上記構成要素のいくつかを、形
質転換ベクター中に組み立て得る。形質転換ベクター
は、通常、上記のように、レプリコン中で維持される
か、または組込みベクターに発展される選択可能なマー
カー(selectable market)を含む。
【0128】染色体外レプリコンまたは組込みベクター
の発現および形質転換ベクターが、多数の細菌への形質
転換のために開発されている。例えば、発現ベクター
が、とりわけ以下の細菌用に開発されている:Baci
llus subtilis[Palvaら(198
2)Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 79:5582;欧州特許公開第036 25
9号および第063 953号;PCT公開WO 84
/04541号]、Escherichia coli
[Shimatakeら(1981)Nature 2
92:128;Amannら(1985)Gene 4
0:183;Studierら(1986)J. Mo
l. Biol. 189:113;欧州特許公開第0
36 776号、第136 829号および第136
907号]、Streptococcus cremo
ris[Powellら(1988)Appl. En
viron. Microbiol. 54:65
5];Streptococcuslividans
[Powellら(1988)Appl. Envir
on. Microbiol. 54:655]、St
reptomyces lividans[米国特許第
4,745,056号]。
【0129】細菌宿主に外因性DNAを導入する方法
は、当該分野で周知であり、通常、CaCl処理した
細菌の形質転換、または二価のカチオンおよびDMSO
のような他の薬剤のいずれかを包含する。DNAはま
た、細菌細胞中にエレクトロポーレーションによっても
導入され得る。形質転換手順は、通常、形質転換される
細菌の種により異なる。例えば、以下を参照のこと:
[Massonら(1989)FEMS Microb
iol. Lett. 60:273;Palvaら
(1982)Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 79:5582;欧州特許公開第03
6 259号および第063 953号;PCT公開W
O 84/04541号、Bacillus]、[Mi
llerら(1988)Proc. Natl. Ac
ad. Sci. 85:856;Wangら(199
0)J. Bacteriol. 172:949、C
ampylobacter]、[Cohenら(197
3)Proc. Natl. Acad. Sci.
69:2110;Dowerら(1988)Nucle
icAcids Res. 16:6127;Gene
tic Engineering:Proceedin
gs of the InternationalSy
mposium on Genetic Engine
ering(H.W. BoyerおよびS. Nic
osia編)中のKushner(1978)「Col
E1−誘導プラスミドを用いるEscherchia
coliの形質転換の改良法」;Mandelら(19
70)J. Mol. Biol.53:159;Ta
keto(1988)Biochim. Biophy
s. Acta 949:318;Escherich
ia]、[Chassyら(1987)FEMS Mi
crobiol. Lett. 44:173 Lac
tobacillus];[Fiedlerら(198
8)Anal. Biochem 170:38、Ps
eudomonas];[Augustinら(199
0)FEMS Microbiol. Lett. 6
6:203、Staphylococcus]、[Ba
ranyら(1980)J. Bacteriol.
144:698; Streptococcal Ge
netics(J. FerrettiおよびR. C
urtiss III編)中のHarlander(1
987)「エレクトロポーレーションによるStrep
tococcus lactisの形質転換」;Per
ryら(1981)Infec. Immun. 3
2:1295;Powellら(1988)Appl.
Environ. Microbiol. 54:6
55;Somkutiら(1987)Proc. 4t
h Evr. Cong. Biotechnolog
y 1:412、Streptococcus]。
【0130】iv.酵母発現 酵母発現系はまた、当業者には公知である。酵母プロモ
ーターは、酵母RNAポリメラーゼを結合し、そしてコ
ード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流
(3’)の転写を開始し得るあらゆるDNA配列であ
る。プロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近
くに位置する転写開始領域を有する。この転写開始領域
は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位(「TATAボ
ックス」)および転写開始部位を含む。酵母プロモータ
ーはまた、上流アクチベーター配列(UAS)と呼ばれ
る第2ドメインを有し得、この上流アクチベーター配列
は、もし存在するならば、構造遺伝子の遠方にある。U
ASは、調節された(誘導可能な)発現が可能である。
構成性発現は、UASが存在しない場合に起こる。調節
された発現は正または負のいずれかであり得、それによ
り転写を促進するか、または減退するかのいずれかであ
り得る。
【0131】酵母は、活性な代謝経路を有する発酵生物
であり、従って、代謝経路中の酵素をコードする配列
は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例として
は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(欧州特許
公開第284044号)、エノラーゼ、グルコキナー
ゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、グリセルア
ルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまたは
GAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフラクトキナー
ゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、およびピルビン
酸キナーゼ(PyK)(欧州特許公開第329203
号)が挙げられる。酵母PH05遺伝子はまた、酸性ホ
スファターゼをコードし、有用なプロモーター配列を提
供する(Myanoharaら(1983)Proc.
Natl.Acad. Sci. USA 80:
1)。
【0132】さらに、天然に存在しない合成プロモータ
ーもまた酵母プロモーターとして作用する。例えば、あ
る酵母プロモーターのUAS配列は、別の酵母プロモー
ターの転写活性化領域と連結して、合成ハイブリッドプ
ロモーターを創り得る。このようなハイブリッドプロモ
ーターの例としては、GAP転写活性化領域に連結した
ADH調節配列が挙げられる(米国特許第4,876,
197号および第4,880,734号)。ハイブリッ
ドプロモーターの他の例としては、ADH2、GAL
4、GAL10またはPH05遺伝子のいずれかの調節
配列からなるプロモーターが挙げられ、これらは、GA
PまたはPyKのような解糖酵素遺伝子の転写活性化領
域と結合している(欧州特許公開第164556号)。
さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポリメラーゼ
と結合して転写を開始する能力を有する、非酵母起源の
天然に存在するプロモーターを包含し得る。このような
プロモーターの例としては、特に、(Cohenら(1
980)Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 77:1078;Henikoffら
(1981)Nature 283:835;Holl
enbergら(1981)Curr. Topics
Microbiol. Immunol. 96:1
19;Hollenbergら(1979)Plasm
ids of Medical. Environme
ntal and CommercialImport
ance(K>N> TimmisおよびA. Puh
ler編)の「酵母Saccharomyces ce
revisiae中での細菌抗生物質耐性遺伝子の発
現」;Mercerau−Puigalonら(198
0)Gene 11:163;Panthierら(1
980)Curr. Genet. 2:109;)が
挙げられる。
【0133】DNA分子は、酵母の細胞内で発現され得
る。プロモーター配列は、DNA分子と直接連結し得、
その場合には、組換えタンパク質のN末端の最初のアミ
ノ酸は常にメチオニンであり、そのメチオニンは、AT
G開始コドンによりコードされる。所望ならば、N末端
のメチオニンは、インビトロで臭化シアンとインキュベ
ーションすることによりタンパク質から切り放され得
る。
【0134】融合タンパク質は、酵母発現系に対して、
および哺乳動物、バキュロウイルスおよび細菌の発現系
において、代替物を提供する。通常、内在性酵母タンパ
ク質、または他の安定タンパク質のN末端部分をコード
するDNA配列は、異種コード配列の5’末端に融合す
る。発現すると、この構築物は2つのアミノ酸配列の融
合を提供する。例えば、酵母またはヒトのスーパーオキ
シドジスムターゼ(SOD)遺伝子は、外来遺伝子の
5’末端で連結され得、そして酵母中で発現し得る。2
つのアミノ酸配列との連結部でのDNA配列は、切断可
能な部位をコードし得るか、またはし得ない。例えば、
欧州特許公開第196056号を参照のこと。別の例は
ユビキチン融合タンパク質である。そのような融合タン
パク質は、外来タンパク質からユビキチンを切断するた
めのプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロ
セシングプロテアーゼ)に対する部位を好ましくは保持
するユビキチン領域を用いて作られる。従って、この方
法により、天然外来タンパク質が単離され得る(例え
ば、PCT公開公報WO88/024066号を参照の
こと)。
【0135】あるいは、外来タンパク質はまた、外来タ
ンパク質を酵母中で分泌するリーダー配列フラグメント
を含有する融合タンパク質をコードするキメラDNA分
子を創り出すことにより細胞から増殖培地内へ分泌され
得る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれ
かで切り離され得る、リーダーフラグメントと外来遺伝
子との間でコードされるプロセシング部位が存在する。
リーダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパ
ク質の分泌を命令する疎水性アミノ酸を含有するシグナ
ルペプチドをコードする。
【0136】適切なシグナル配列をコードするDNA
は、分泌された酵母タンパク質の遺伝子、例えば、酵母
インベルターゼ遺伝子(欧州特許公開第012873
号;JPO公告公報第62,096,086号)および
A因子遺伝子(米国特許第4,588,684号)から
誘導され得る。あるいは、酵母中でも分泌する、インタ
ーフェロンリーダーのような非酵母起源のリーダーが存
在する(欧州特許公開第060057号)。
【0137】好ましいクラスの分泌リーダーは、「プ
レ」シグナル配列および「プロ」領域の両方を含む、酵
母アルファ因子遺伝子のフラグメントを用いるリーダー
である。用いられ得るアルファ因子フラグメントのタイ
プは、全長のプレープロアルファ因子リーダー(約83
個のアミノ酸残基)、および切形型アルファ因子リーダ
ー(通常、約25〜約50個のアミノ酸残基)を包含す
る(米国特許第4,546,083号および4,87
0,008号;欧州特許公開第324274号)。分泌
を行うアルファ因子リーダーフラグメントを用いる付加
的リーダーは、2番目の酵母アルファ因子からのプロ領
域ではなくて、1番目の酵母のプレ配列で作られるハイ
ブリッドアルファ因子リーダーを含有する(例えば、P
CT公開公報WO 89/02463号を参照のこ
と)。
【0138】通常、酵母により認識される転写終結配列
は、翻訳停止コドンの3’側に位置する調節領域であ
り、従って、プロモーターと共にコード配列の側面に位
置する。これらの配列は、DNAによりコードされる、
ポリペプチドへ翻訳され得るmRNAの転写を命令す
る。転写終結配列、および酵母に認識される他の終結配
列の例としては、解糖酵素をコードする配列などがあ
る。
【0139】通常、上記の成分は、プロモーター、リー
ダー(所望ならば)、関連したコード配列、および転写
終結配列を含み、発現構築物へ共に入れられる。発現構
築物は、しばしば、レプリコン、(例えば、酵母または
細菌のような宿主内で安定した維持が可能な染色体外要
素(例えば、プラスミド)内に維持される。レプリコン
は、2つの複製系を有し得ることにより、例えば、発現
のための酵母内で、そしてクローニングおよび増幅のた
めの原核生物宿主内で維持され得る。そのような酵母−
細菌シャトルベクターの例としては、YEp24(Bo
tsteinら(1979)Gene8:17−2
4)、pCl/1(Brakeら(1984)Pro
c.Natl.Acad.Sci USA 81:46
42〜4646)、およびYRp17(Stinchc
ombら(1982)J.Mol.Biol 158:
157)が挙げられる。さらに、レプリコンは、高また
は低コピー数のプラスミドのいずれでもあり得る。高コ
ピー数のプラスミドは、一般に、約5〜約200、そし
て通常は約10〜約150の範囲のコピー数を有する。
高コピー数のプラスミドを含有する宿主は、好ましく
は、少なくとも約10、そしてさらに好ましくは少なく
とも約20を有する。高または低コピー数のベクターを
入れることが、宿主上のベクターおよび外来タンパク質
の効果に依存して、選択され得る。例えば、Brake
ら上述を参照のこと。
【0140】あるいは、発現構築物は、組み込みベクタ
ーを用いて酵母ゲノム内へ組み込まれ得る。組み込みベ
クターは、通常、ベクターが組み込ませる酵母染色体と
相同な、少なくとも1つの配列を含有し、そして好まし
くは、発現構築物の側面に位置する2つの相同な配列を
含有する。ベクター内の相同DNAと酵母染色体との間
の組換えにより、組み込みが生じると考えられる(Or
r−Weaverら(1983)Methods in
Enzymol. 101:228〜245)。組み
込みベクターは、ベクター内に含有される適切な相同配
列を選択することにより、酵母内の特異的遺伝子座へ導
かれ得る。Orr−Weaverら上述を参照のこと。
1つまたはそれ以上の発現構築物が組み込み得、あるい
は産生する組換えタンパク質のレベルに影響する(Ri
neら(1983)のProc.Natl.Acad.
Sci.USA 80:6750)。ベクター内に含有
される染色体配列は、ベクター内の1つのセグメント
(ベクター全体の組み込みが生じる)として存在し得る
か、または染色体内の隣接するセグメントと相同であ
り、ベクター内の発現構築物の側面に位置する2つのセ
グメント(発現構築物のみの安定な組み込みが生じ得
る)として存在し得るかのいずれかである。
【0141】通常、染色体外および組み込み発現構造物
は、形質転換された酵母の菌株の選択を可能にする選択
可能なマーカーを含有し得る。選択可能なマーカーは、
酵母宿主内で、例えば、酵母細胞内でツニカマイシンお
よびG418に対して耐性をそれぞれ与える、ADE
2、HIS4、LEU、TRP1、およびALG7、な
らびにG418耐性遺伝子)内で発現され得る生合成遺
伝子を含有し得る。さらに、適切な選択可能なマーカー
はまた、金属のような毒性化合物が存在しても増殖する
能力を有する酵母を提供し得る。例えば、CUP1が存
在すると、酵母は銅イオンが存在しても増殖し得る(B
uttら(1987)Microbiol.Rev.5
1:351)。
【0142】あるいは、上記成分のあるものは、形質転
換ベクター内に共に入れられ得る。形質転換ベクター
は、通常、上記のように、レプリコン内で維持される
か、または組込みベクターヘと開発される、選択可能な
マーカーを含有し得る。
【0143】発現および形質転換ベクターは、染色体外
レプリコンまたは組み込みベクターのいずれかであり、
多くの酵母への形質転換に対して開発された。例えば、
発現ベクターは、特に以下の酵母に対して開発された:
Candida albicans(Kurtzら(1
986)Mol.Cell.Biol.6:142)、
Candida maltose(Kunzeら(19
85)J.Basic.Microbiol.25:1
41)、Hansenula polymorpha
(Gleesonら(1986)J.Gen.Micr
obiol.132:3459;Roggenkamp
ら(1986)Mol.Gen.Genet.202:
302)、Kluyveromyces fragil
ls(Dasら(1984)J.Bacteriol.
158:1165)、Kluyveromyces l
actis(De Louvencourtら(198
3)J.Bacteriol.154:737;Van
den Bergら(1990)Bio/Techn
ology 8:135)、Pichia guill
erimondii(Kunzeら(1985)J.B
asic Microbiol.25:141)、Pi
chia pastoris(Creggら(198
5)Mol.Cell.Biol.5:3376;米国
特許第4,837,148号および第4,929,55
5号)、Saccharomyces cerevis
iae(Hlnnenら(1978)Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 75:1929;It
oら(1983)J.Bacteriol.153:1
63)、Schizosaccharomyces p
ombe(BeachおよびNurse(1981)N
ature 300:706)、およびYarrowi
a lipolytica(Davidowら(198
5)Curr.Genet.10:380471;Ga
illardinら(1985)Curr.Gene
t.10:49)。
【0144】外因性DNAを酵母宿主へ導入する方法
は、当該分野では周知であり、そして通常は、スフェロ
プラストまたはアルカリカチオンで処理した無傷の酵母
細胞の形質変換のいずれかを含有する。形質転換の手法
は、通常、形質転換される酵母の種によりさまざまであ
る。例えば、(Kurtzら(1986)Mol.Ce
ll.Biol.6:142;Kunzeら(198
5)J.Basic Microbiol.25:14
1;Candida);(Gleesonら(198
6)J.Gen.Microbioll.132:34
59;Roggenkampら(1986)Mol.G
en.Genet.202:302;Hansenul
a);(Dasら(1984)J.Bacterio
l.158:1165;De Louvencourt
ら(1983)J.Bacteriol.154:11
65;Van den Bergら(1990)Bio
/Technology 8:135;Kluyver
omyces);(Creggら(1985)Mol.
Cell.Biol.5:3376;Kunzeら(1
985)J.Basic Microbiol.25:
141;米国特許第4,837,148号および4,9
29,555号,Pichia);(Hinnenら
(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 75:1929;Itoら(1983)J.B
acteriol.153:163;Saccharo
myces);(BeachおよびNurse(198
1)Nature300:706;Schizosac
charomyces);(Davidowら(198
5)Curr.Genet.10:39;Gailla
rdinら(1985)Curr.Genet.10:
49;Yarrowia)を参照、のこと。
【0145】
【実施例】実施例1−無毒化LT 制限酵素SmaIおよびEcoRIで消化することによ
り、LTの遺伝子のフラグメントをプラスミドEWD2
99(Dallas W.S.、Gill D.M.お
よびFalkow S.,1979,J.Bacter
iol.,139,850−858)から抽出し、そし
てDNAの一本鎖を生成するのに適切なベクターBlu
escript KS内で再クローン化した(Samb
rookJ.,Fritsch E.およびMania
tis,T.の「Molecular Clonin
g」Cold Spring Harbor)。
【0146】このようにして得られたクローンによりB
W313細胞を形質転換し、そして1μg/mlのウリ
ジンを添加したルリアブロス(Luria Brot
h)からなる培養培地中で、その細胞を14時間増殖さ
せた。
【0147】一連の合成オリゴヌクレオチド(下記の表
1に示す)は、突然変異、または天然塩基の代わりに所
望の塩基、および、天然塩基と同一である、同様の突然
変異の10塩基上流および10塩基下流の配列を含有
し、まず最初に化学的に合成され、次いでその1.5p
molを37℃で、キナーゼ5単位を用いてリン酸化し
た。
【0148】100mMのEDTA溶液で反応を停止さ
せた後、70℃で5分間加熱し、そして氷中で約1時間
ゆっくりと冷却することにより、そのオリゴヌクレオチ
ドをLT遺伝子を含有する一本鎖にアニールした。
【0149】その段階で、この冷溶液(25μl)に遊
離ヌクレオチド、酵素DNAリガーゼおよび酵素DNA
ポリメラーゼからなる溶液を加えて、最終容量が100
μlになるようにした。
【0150】このようにして得られた溶液を、氷中で5
分間、周囲温度で5分間、そして37℃で2時間保っ
た。
【0151】通常の技術に従って、適切なE.coli
の細胞を反応混合物で形質転換し(Sambrook
J.、Fritsch E.およびManiatis
T.の「Molecular Cloning」Col
d Spring Harbor)、そして得られたク
ローンの配列決定により部位特異的変異誘発を検討し
た。
【0152】種々の突然変異体を含有するSmaI−E
coRIフラグメントを、プラスミドEWD299中の
元のSmaI−EcoRI挿入片に対して置換した。
【0153】次いで、突然変異したトキシンをコードす
る株を37℃で12時間、10mlのルリアブロス中で
増殖させた。
【0154】培養物を遠心分離し、そして細胞を含有す
る沈澱物を、25%ショ糖およびpH8の50mM T
ris緩衝液を含有する溶液300ml中に再懸濁さ
せ、そしてこの混合物を周囲温度で1時間、1mg/m
lのポリミキシン(polymixin)B溶液で処理
した。
【0155】周辺細胞質の上清液中にトキソイドが存在
することが、ウェスタンプロットより実証され、そして
その毒性を、Y1細胞内の形態変化の誘発、または誘発
の欠如により評価した(表1を参照のこと)。
【0156】Y1細胞は、CTまたはLTを含有する溶
液で処理すると、さらに著しく丸くなる副腎腫瘍上皮細
胞である(Yasamure Y.、Buonassi
siV.およびSato G.の「動物細胞培養におけ
る分化機能のクローン解析」Cancer Res.,
1966,26,529−535)。CTおよびLTの
毒性は、この形態トランジションと相関している。周辺
細胞質の上清液を、F10培地、ウマ血清1.5%、で
きるだけ低濃度のグルタミンおよびゲンタマイシンの溶
液で希釈し、そしてY1細胞(250000個細胞/m
l)を、CO 雰囲気下37℃で48時間、上記で得ら
れた溶液でインキュベートする。細胞の形態を評価す
る。
【0157】すべての場合において、完全トキソイドの
正確な集合体により、およびトキソイドと野生型LTに
対する抗体との交差反応により、免疫原性が示された。
【0158】結果を以下の表Iに示す。
【0159】この表(および以下の表II)では、毒性
の記号は以下を意味する:
【0160】
【表1】 セリンの2種の突然変異体(Ser−114−Glu:
477−GGAGGTGAAGCGTTAGG−494
およびSer−114−Lys:477−GGAGGT
TAAAGCGTTAGG−494)もまた実質的に毒
性の減少を示した。
【0161】
【化2】 (NAとは、「集合しない」ことを意味し、すなわち、
ホロトキシン(holotoxin)ABは全く形成
されない。) 実施例2−無毒化CT トキシンCTの遺伝子の場合における手法は、上記と同
様である。
【0162】CTの遺伝子を含有するフラグメントを、
プラスミドpCT322からポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)技術により増幅させた。CT遺伝子の代わりとな
り、かつ同等の遺伝子源(source)はプラスミド
pJM17である(Pearsonら、PNAS US
A,79,(1982),2976−2980)。
【0163】以下の2種の合成プライマーを用いた: 1)GGCAGATTCTAGACCTCCTGATG
AAATAAA 2)TGAAGTTTGGCGAAGCTTCTTAA
TTTGCCATACTAATTGCGGCAATCG
CAT それぞれ、XbaI部位および人工的に作ったHind
III部位(下線で示す)を含有する。
【0164】得られた増幅フラグメント、XbaI−H
indIIIは1074塩基対の長さを有し、2つのサ
ブユニットであるAおよびBのコドンを含有するが、A
サブユニットのリーダーペプチドをコードする配列を含
有しない。このフラグメントをBluescriptK
Sベクター内で再クローン化させ、そしてLTに対して
上記の手法に従って処理することにより、部位特異的変
異誘発を起こす。
【0165】
【表2】 以下の突然変異体もまた、毒性をなくすことが証明され
た:107−Asn(TACAGTCCTAACCCA
GATGAA)、Glu−110−Ser(TCATC
CAGATTCGCAAGAAGT)、Glu−112
−Ala(CAGATGAACAAGCTGTTTCT
G)およびSer−114−Glu(CAAGAAGT
TGAAGCTTTAGGT)。
【0166】本発明は実施例のみによって上記のように
説明され、そして詳細な改変が、本発明の範囲および意
図内で行われ得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、以下の野生型サブユニットAのアミ
ノ酸配列を示す: i)コレラトキシン(CT−Mekalanosら、前
掲) ii)ヒトに認められるE.coli株由来の非耐熱性
トキシン(LT1−1−Yamamotoら、前掲) iii)ブタに認められるE.coli株由来の非耐熱
性トキシン(LT1−Spicerら、前掲)、および iv)染色体源由来の非耐熱性トキシン(LT−1−P
ickettら、前掲) シグナル配列は示していない。図1では、従来の1文字
アミノ酸コードが使用される。記号「.」は、アミノ酸
がないことを示し、印刷上のスペースで、比較が容易と
なるように配列を整列させた。記号「−」は、CT中の
対応アミノ酸と一致するLT1およびLT2配列中のア
ミノ酸を示す。各列に対する番号は、その列の最初のア
ミノ酸のアミノ酸番号である。図1では、本発明の変異
の位置には、下線を付けて示す。
【図2a】 図2aおよび2bは、LT1およびCTの
Aサブユニットのアミノ酸およびDNA配列の比較であ
る。
【図2b】 図2aおよび2bは、LT1およびCTの
Aサブユニットのアミノ酸およびDNA配列の比較であ
る。
【図3】 図3は、LT−A遺伝子を有する、プラスミ
ドEWD299(Dallasら)の制限マップであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 14/245 C12N 1/15 14/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (72)発明者 マリアグラツィア ピザ イタリア国 53100 シエナ,ビア コ ロンビーニ 30 (72)発明者 ウィム ホル アメリカ合衆国 ワシントン 98155, シアトル,フィフティーセブンス アベ ニュー エヌイー 18332 (56)参考文献 国際公開92/19265(WO,A1)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレラトキシンのサブユニットA(CT-A)
    またはそのフラグメントのアミノ酸配列、あるいは、Es
    cherichiacoli非耐熱性トキシンのサブユニットA(LT-
    A)またはそのフラグメントのアミノ酸配列を含有する免
    疫原性無毒化タンパク質であって、ここで、Val-53、Va
    l-97、Tyr-104、またはSer-63またはこれに対応する位
    置にあるアミノ酸が他のアミノ酸と置換されている、免
    疫原性無毒化タンパク質。
  2. 【請求項2】 Ser-63-Lysの置換を包含する、請求項1
    に記載の免疫原性無毒化タンパク質。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の免疫原
    性無毒化タンパク質であって、ここで、Arg-7、Asp-9、
    Arg-11、His-44、Val-53、Arg-54、Ser-61、His-70、Va
    l-97、Tyr-104、Pro-106、His-107、Glu-110、Glu-11
    2、Ser-114、Trp-127、Arg-146、またはArg-192または
    これらに対応する位置にある、1つまたはそれより多い
    アミノ酸がさらに置換されている、免疫原性無毒化タン
    パク質。
  4. 【請求項4】 1つまたはそれより多い、次のアミノ酸
    置換:Val-53-Asp、Val-53-Glu、Val-53-Tyr、Val-97-L
    ys、Val-97-Tyr、His-107-Glu、Tyr-104-Lys、Tyr-104-
    Asp、Tyr-104-Ser、Pro-106-Ser、Ser-114-Glu、Ser-11
    4-Lysを含有する、請求項3に記載の免疫原性無毒化タ
    ンパク質。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    免疫原性無毒化タンパク質および薬学的に受容可能なキ
    ャリアを含有するワクチンとして用いられる、免疫原性
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    免疫原性無毒化タンパク質および薬学的に受容可能なキ
    ャリアを含有する、ワクチン組成物。
  7. 【請求項7】 アジュバントをさらに含有する、請求項
    6に記載のワクチン組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    免疫原性無毒化タンパク質をコードする、DNA配列。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のDNA配列を保有するベ
    クター。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のベクターで形質転換
    される、宿主細胞株。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の宿主細胞を培養す
    る工程を包含する、請求項1から4のいずれか1項に記
    載の免疫原性無毒化タンパク質の製造方法。
  12. 【請求項12】 CT-AまたはLT-AをコードするDNAある
    いはそれらのフラグメントを部位特異的変異誘発に供す
    る工程を包含する、請求項8に記載のDNAの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1から4のいずれか1項に記載
    の免疫原性無毒化タンパク質を薬学的に受容可能なキャ
    リアと結合させる工程を包含する、請求項6に記載のワ
    クチン組成物の処方の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1から4のいずれか1項に記載
    の免疫原性無毒化タンパク質をアジュバントと結合させ
    る工程を包含する、請求項7に記載のワクチン組成物
    処方の方法。
  15. 【請求項15】 ワクチンとして使用するための請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の免疫原性無毒化タンパク
    質。
  16. 【請求項16】 Vibrio choleraeまたはEscherichia c
    oliの腸内毒素原性株に対して哺乳動物をワクチン接種
    するための医薬の調製のため、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の免疫原性無毒化タンパク質使用する方法
  17. 【請求項17】 経皮投与のために適切な形態の請求項
    5または請求項6に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記使用が経皮投与のための使用であ
    る、請求項15に記載の免疫原性無毒化タンパク質。
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