JP3404740B2 - 層状シリカ−金属酸化物多孔体 - Google Patents

層状シリカ−金属酸化物多孔体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は層状シリカ−金属酸
化物多孔体に関し、更に詳しくは、高分子量の対象分子
に対して吸着剤や触媒として使用でき、しかも耐熱性が
特に優れた層状シリカ−金属酸化物多孔体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、触媒や吸着剤として使用されてい
る多孔体の代表的なものとして、ゼオライトがある。ゼ
オライトは、SiO2 −Al23 の系からなり、分子レ
ベルの吸着に適した多数の細孔と、アルミニウムによる
固体酸性とを備えていて、各種の吸着剤や触媒等として
広く用いられている。ところが、ゼオライトの細孔の径
は一般に10Åに満たないものであり、高分子量の分子
や嵩高い分子を細孔内に導入することができないため、
これらの分子に対する吸着剤や触媒として用いることが
できなかった。
【0003】そして、ゼオライトの上記問題点を改善す
る目的で、ピラードクレイと称する架橋粘土が合成され
ている(米国特許出願第836138号参照)。これ
は、スメクタイト等の粘土鉱物の層間に金属酸化物の架
橋を形成した構造を有し、ゼオライトよりも大きい数十
Åの細孔を備えているため、高分子量の分子や嵩高い分
子を対象とする触媒、吸着反応に用いることができると
いう利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ピラードクレ
イの重大な問題点は、その原料がいわゆる構造水を含ん
だスメクタイト等の粘土鉱物であるため、耐熱性の上限
が約600°Cに止まり、それより高い温度で用いれば
構造水の喪失に伴う細孔構造の崩壊を起こすため、例え
ば800°C付近の温度で用いる必要のある石油の接触
分解(クラッキング)触媒や排気ガス浄化用触媒等に利
用できないことである。
【0005】そこで本発明は、高分子量の分子や嵩高い
分子を対象とする触媒、吸着反応に用い得る比較的大径
の細孔を有し、しかもクラッキング触媒や排気ガス浄化
用触媒等に利用し得る耐熱性の優れた吸着、触媒材料を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性の
優れた珪素四面体SiO4 の層状結晶を原料に用い、か
つ、これらの原料に特有の層間拡張の困難さを克服する
ことにより細孔の径をゼオライトよりも大きい任意の径
に設計し得る多孔体の製造方法を開発すれば上記の課題
を解決し得ることに着眼して、本発明を完成した。
【0007】本発明は、珪素四面体SiO4 の層状結晶
の間に珪酸の脱水縮合によるSiO2の層間架橋が形成さ
れた構造を有するとともに、10Å以上の径の細孔を備
え、且つ前記層状結晶にアルミニウム原子が結合するこ
とにより発現した固体酸性を備えており、酸量が0.4
80ミリモル/g以上であることを特徴とする層状シリ
カ−金属酸化物多孔体である。
【0008】珪素四面体SiO4 の層状結晶、およびSi
2 の層間架橋は極めて耐熱性が優れるため、800°
C程度の温度には十分に耐えて細孔構造を維持する。層
状結晶に結合したアルミニウム原子も熱に対して安定で
あり、高温下においても固体酸性が維持される。従っ
て、ピラードクレイ等と異なり、本発明の層状シリカ−
金属酸化物多孔体はクラッキング触媒や排気ガス浄化用
触媒等に使用できる。
【0009】また、本発明の層状シリカ−金属酸化物多
孔体は、上記の耐熱性構造のもとで10Å以上の径の細
を備えているので、ゼオライト等と異なり、高分子量
の分子や嵩高い分子を対象とする吸着、触媒反応に用い
得る。
【0010】なお、本発明に係る前記金属原子として
は、アルミニウム原子が用いられる
【0011】また、本発明の層状シリカ−金属酸化物多
孔体は、酸量が0.480ミリモル/g以上のものであ
る。
【0012】更に、本発明の層状シリカ−金属酸化物多
孔体は、空気中、700°Cで6時間焼成した後のB.
E.T.表面積が356m2/g以上のものであること
が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の層状シリカ−金属
酸化物多孔体を更に具体化した具体例について説明す
る。珪素四面体SiO4 の層状結晶としては、珪素四面
体層の層間にナトリウムイオンを含んだ結晶性層状珪酸
ナトリウム、例えばカネマイトNaHSi25 ・3H2
O、ジケイ酸ナトリウムNa2Si25 、マカタイトN
2Si49 ・5H2O、アイラアイトNa2Si817
・xH2O、マガディアイトNa2Si1429・xH
2O、ケニヤアイトNa2Si2041・xH2O等が代表
的であるが、これらに限定されない。
【0014】上記の結晶性層状珪酸ナトリウムは、粘土
鉱物と異なり構造水を含まず、珪酸の水酸基も層間拡張
工程において脱水縮合によりSiO2 の層間架橋の形成
に消費される。従って、高温下でもその細孔構造が崩壊
しない。結晶性層状珪酸ナトリウムのうち、特にカネマ
イトのように、層状結晶が単一の珪素四面体層から成る
ものは単位重量当たりの表面積が大きく、かつ高温の焼
成処理等においても単一層構造が崩壊しないので、これ
を用いて製造した層状シリカ−金属酸化物多孔体も表面
積が大きくなり、吸着能力や触媒能力が高くなる。カネ
マイトを用いて製造される層状シリカ−金属酸化物多孔
体の場合、単一層構造が保持されたままで上下の層が部
分的に接合し、非接合部分には有機物に基づく細孔が残
されて、全体として蜂の巣状の断面を呈する多孔構造を
とる。
【0015】前記細孔の径は、層状シリカ−金属酸化物
多孔体の製造工程で用いる有機物の大きさによって任意
に設計できる。しかし、10Åに満たないものはゼオラ
イトの細孔と大差なく、余り意味がない。なお、細孔の
径の上限は限定されないが、200Åを超える細孔は、
これに対応する有機物が少なく、あるいは実用上の有効
性が少ない。細孔の径の分布も、狭い範囲でほぼ均一に
分布していても良く、あるいは、例えば10〜40Å程
度の広い範囲で分布していても良い。
【0016】SiO2 の層間架橋は、前記したように、
層間拡張工程において、対向する珪素四面体層中の珪素
に結合した水酸基同士の間で脱水縮合が起こることによ
って形成される。
【0017】固体酸性は、珪素四面体層を構成する珪素
の一部に対し、酸素を介して金属原子が結合することに
より発現する。従って、この固体酸性はそのままの状態
でもいわゆるルイス酸として機能し、またこれに水が付
加してプロトンを放出するようになれば、いわゆるブレ
ンステッド酸として機能する。いずれの場合にも、これ
らの固体酸性によって触媒作用が奏される。
【0018】上記の金属原子として、アルミニウムが
いられる。
【0019】本発明に係る層状シリカ−金属酸化物多孔
体の構造解析を行ったところ、まず層間距離について
は、有機物としてセチルトリメチルアンモニウムクロラ
イドを用いた例において、粉末X線回折で38Åに相当
するピークのみが観察された(図1参照)。このピーク
は層間距離に対応するので、層状シリカ−金属酸化物多
孔体が38Åの層間隔を有する層状構造であることを示
している。次に29Si−MAS・NMRでは、原料であ
るカネマイトがいわゆるQ3 のSi(珪素四面体の4個
の酸素原子のうち、1個がフリーである状態)のピーク
のみを示すのに対し、層状シリカ−金属酸化物多孔体は
いわゆるQ4 のSi(珪素四面体の4個の酸素原子がい
ずれもフリーでない状態)のピークのみを示す(図2参
照)。図2の結果は、カネマイトでは層間結合が存在し
なかったのに対し、層状シリカ−金属酸化物多孔体では
層間結合が形成され、3次元的なネットワークができて
いることを示している。又、層状シリカ−金属酸化物多
孔体の細孔分布を窒素の吸着等温線の測定により求めた
ところ、約30Åを中心とした、シャープな分布の細孔
の存在が確認された(図3参照)。
【0020】次に、本発明の層状シリカ−金属酸化物多
孔体の製造方法について説明する。すなわち、次の
(a)〜(c)の工程を、(a),(b)を相前後して
行った後(c)を行うか、あるいは(a)−(c)−
(b)−(c)の順に行う層状シリカ−金属酸化物多孔
体の製造方法である。
【0021】(a)珪素四面体SiO4 の層状結晶の層
間にイオン交換反応で10Å以上の有機物を導入すると
ともに、前記層間にSiO2 の層間架橋を形成させる層
間拡張工程; (b)珪素四面体SiO4 の層状結晶を、珪素と異なる
金属の塩と接触させて、層状結晶に前記金属の原子を結
合させる金属付加工程; (c)前記層間拡張工程又は金属付加工程を経た珪素四
面体SiO4 の層状結晶を高温で焼成する焼成工程。
【0022】層間拡張工程においては、層間にもともと
存在するナトリウムイオンに対するイオン交換反応によ
って有機物を導入することにより、珪素四面体SiO4
の層状結晶に特有の層間拡張の困難さが克服される。そ
して、珪素四面体SiO4 の層状結晶の層間隔を、有機
物の大きさを任意に選択することにより、この大きさに
対応した10Å以上の任意の間隔に拡張することができ
る。
【0023】金属付加工程においては、珪素四面体層を
構成する珪素の一部に対し酸素を介して金属原子が結合
することにより、固体酸性の発現が確保される。
【0024】焼成工程においては、前記層間拡張工程で
導入された有機物の熱分解による細孔構造と、この細孔
構造を支持するSiO2 による層間架橋の構造と、前記
金属付加工程で珪素四面体層に結合した金属原子の結合
構造とが固定される。
【0025】上記の各工程が、(a),(b)を相前後
して行った後(c)を行うという順に行われる場合に
は、イオン交換反応による有機物の導入と、SiO2
よる層間架橋の形成と、珪素四面体SiO4 の層状結晶
に対する金属原子の結合とが並行して行われ、次いで一
度の焼成工程により層状シリカ−金属酸化物多孔体が完
成する。
【0026】また、上記の各工程が(a)−(c)−
(b)−(c)の順に行われる場合には、前半の(a)
−(c)の工程で一旦層状シリカ多孔体の細孔構造およ
び層間架橋構造が形成、固定された後、後半の(b)−
(c)の工程で金属原子の結合による固体酸性の発現が
行われて層状シリカ−金属酸化物多孔体が完成する。
【0027】上記製造方法によれば、珪素四面体SiO4
に特有の層間拡張の困難さを克服して層状シリカ−金
属酸化物多孔体を製造でき、しかもその細孔の径の大き
さと分布を任意に設計できる。
【0028】次に、上記製造方法を更に具体化した具体
例について説明する。層間拡張工程における有機物の導
入は、珪素四面体層の層間に含まれるナトリウムイオン
に対するイオン交換反応として、有機物の陽イオンを導
入することにより行なわれる。カネマイト等の結晶性層
状珪酸ナトリウムは、粘土と異なり水に対する膨潤性が
ないため、一般的には層間拡張が困難であるが、上記の
イオン交換反応による有機物導入という手段により層間
拡張が可能となる。
【0029】上記の有機物陽イオンの種類は特に限定さ
れないが、好ましくは有機オニウムイオン、特にアルキ
ルアンモニウムイオン等が、試料調整の容易さやイオン
交換能力の高さ等の点から優れている。有機物の分子サ
イズや分子量は層間拡張の程度、言い換えれば層状シリ
カ−金属酸化物多孔体における細孔の径を直接に規定す
るので、有機物の分子サイズや分子量の選択によって細
孔の径を自由に設計することができる。
【0030】また、細孔分布についても、単一種類の有
機物を用いればその細孔分布を狭い範囲でほぼ均一に設
計できるし、分子サイズや分子量の異なる複数種類の有
機物を併せて用いれば幅広い細孔分布を持たせることが
できる。特に前者の場合、例えば重質油のクラッキング
等の触媒として用いた時に、細孔と同じ大きさの生成物
のみ得られ、精製分離工程を不要化できる等、生成物の
選択性に基づく種々の利点がある。
【0031】層間拡張工程は、オートクレーブ等を用い
て、やや高めの温度、例えば65°C程度の温度におい
て、やや長い時間をかけて、例えば一週間ぐらい行う
と、層間の拡張や有機物のイオン交換反応が十分に行わ
れ、良好な結果を得る。
【0032】次に、金属付加工程で用いる金属塩の種類
や使用形態は限定されず、例えば珪素四面体SiO4
層状結晶を金属塩の溶液に浸漬したり、珪素四面体Si
4 の層状結晶の粉末を金属塩の粉末と混合して接触さ
せることができる。金属塩の溶液を用いる場合は、浸漬
を終えた後、次の焼成工程を能率化するため、珪素四面
体SiO4 の層状結晶を乾燥しておくと良い。
【0033】焼成工程における焼成は、通常は500〜
800°C位の温度で数時間行うのが良い。焼成温度が
余りに高いと多孔体の構造が崩壊する恐れがあり、逆に
焼成温度が余りに低いと多孔体の構造が十分に固定され
ない恐れがある。焼成環境については別段の限定はな
く、空気中で焼成しても良いが、有機物の分解を促進す
るため、酸素付加やオゾン添加の雰囲気下で焼成しても
良い。
【0034】
【実施例】(実施例1〜2及び比較例1) セチルトリメチルアンモニウムクロライドの0.1規定
水溶液300mlに、カネマイト3gを加え、テフロン製
のオートクレーブ中において65°Cで一週間、容器を
振とうしながら加熱した。そして生成物を濾過、水洗し
た後に乾燥して、カネマイト層間に有機物が導入された
層間化合物を得た。この層間化合物の粉末X線回折を測
定したところ、層間距離は約41Åであった。次に、5
0mlのイオン交換水に0.3gのAl Cl3・6H2Oを
溶解させた溶液に対して上記の層間化合物2gを加え、
スターラーにより約3時間攪拌した。その後、80°C
の電気炉中に一晩放置して乾燥させた。続いて空気中で
700°C、6時間の焼成を行い、本実施例の多孔体
(試料No.1:実施例1)を得た。
【0035】試料No.1の場合における0.3gのA
l Cl3・6H2Oに替え、0.4gのAl(NO33・9
2Oを用いた他は試料No.1の場合と同じ内容の操
作により、試料No.2(実施例2)の多孔体を得た。
【0036】試料No.1の場合における0.3gのA
l Cl3・6H2Oに替え、0.1gのNaAl O2 を用
いた他は試料No.1の場合と同じ内容の操作により、
試料No.3(比較例1)の多孔体を得た。
【0037】(実施例3〜5) セチルトリメチルアンモニウムクロライドの0.1規定
水溶液300mlに、カネマイト3gを加え、テフロン製
のオートクレーブ中において65°Cで一週間、容器を
振とうしながら加熱した。そして生成物を濾過、水洗し
た後に乾燥して、カネマイト層間に有機物が導入された
層間化合物を得た。次に、50mlのイオン交換水にAl
Cl3・6H2Oをそれぞれ0.5g、1.0g、1.5
g溶解させた3種類の溶液を準備し、これらの溶液に対
してそれぞれ上記の層間化合物2gを加え、スターラー
により約3時間攪拌した。その後、80°Cの電気炉中
に一晩放置して乾燥させた。続いて空気中で700°
C、6時間の焼成を行い、それぞれ試料No.4(実施
例3),5(実施例4),6(実施例5)の多孔体を得
た。
【0038】(実施例6及び比較例2) セチルトリメチルアンモニウムクロライドの0.1規定
水溶液300mlに、Al Cl3・6H2Oをそれぞれ1.
2g又は5.0g溶解した2種類の溶液を準備し、これ
らにカネマイト2gを加え、テフロン製のオートクレー
ブ中において65°Cで一週間、容器を振とうしながら
加熱した。そして生成物を濾過、水洗した後に乾燥し
て、カネマイト層間に有機物が導入されるとともに珪素
四面体SiO4 の層状結晶にアルミニウムイオンが結合
した層間化合物を得た。これらの層間化合物について空
気中で700°C、6時間の焼成を行い、それぞれ試料
No.7(比較例2),8(実施例6)の多孔体を得
た。
【0039】(実施例7〜8) 試料No.1の場合におけるセチルトリメチルアンモニ
ウムクロライドに代え、それぞれウンデシルトリメチル
アンモニウムクロライド,ノニルトリメチルアンモニウ
ムクロライドを用いた他は試料No.1の場合と同じ内
容の操作により、それぞれ試料No.9(実施例7)
10(実施例8)の多孔体を得た。
【0040】(層間距離の評価)試料No.1,9,1
0の場合におけるそれぞれの層間化合物の層間距離を粉
末X線回折で測定したところ、それぞれ41Å,26
Å,30Åであった。
【0041】(細孔の評価)試料No.1〜10の多孔
体について窒素の吸着等温線の測定により、B.E.
T.表面積(m2/g)と細孔容量(ml/g)とを求め
たところ、表1のようであった。なお、表1には、比較
例としてゼオライト(ZSM−5)、無定形シリカ−ア
ルミナ(JRC−SAL2)の測定値、およびピラード
クレイの文献値も併せて示した。
【表1】
【0042】(細孔分布の評価)試料No.1の多孔体
について吸着等温線から細孔分布を求めたところ、図3
のようであった。なお、図3には比較例としてゼオライ
ト(ZSM−5)、無定形シリカ−アルミナ(JRC−
SAL2)の測定値を併せて示した。
【0043】(固体酸性の評価)試料No.1〜10の
多孔体についてNH3−TPDスペクトルを測って固体
酸性の評価を行った。酸量(ミリモル/g)を表2に示
す。なお、表2には、比較例としてゼオライト(ZSM
−5)、無定形シリカ−アルミナ(JRC−SAL2)
の測定値、およびピラードクレイの文献値も併せて示し
た。
【表2】
【0044】(耐熱性の評価)試料No.5の多孔体、
および比較例としてのピラードクレイ(文献値)につい
て、所定の高温下、空気中での6時間の焼成によるB.
E.T.表面積(m2/g)の変化を調べて、耐熱性の
評価を行った。その結果を図4に示した。
【0045】
【発明の効果】本発明の層状シリカ−金属酸化物多孔体
は、ゼオライト等に比べて大きい10Å以上の径の細孔
を備え、且つ酸量が0.480ミリモル/g以上である
固体酸性を備えているので、高分子量の分子や嵩高い分
子に対する吸着、触媒剤として使用できる。また、珪素
四面体SiO4 の層状結晶の間に珪酸の脱水縮合による
SiO2 の層間架橋が形成された構造を有するので、耐
熱性が優れ、例えば800°C付近の温度で用いる必要
のあるクラッキング触媒や排気ガス浄化用触媒等に利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の層状シリカ−金属酸化物多孔体の粉末
X線回折の結果を示すグラフである。
【図2】カネマイトと本発明の層状シリカ−金属酸化物
多孔体との29Si−MAS・NMRの測定結果を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の層状シリカ−金属酸化物多孔体,ゼオ
ライト(ZSM−5)および無定形シリカ−アルミナ
(JRC−SAL2)の細孔分布の測定結果を示すグラ
フである。
【図4】本発明の層状シリカ−金属酸化物多孔体とピラ
ードクレイとの、焼成によるB.E.T.表面積の変化
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 忠蔵 東京都新宿区大久保3丁目4番1号 早 稲田大学理工学部内 (72)発明者 黒田 一幸 東京都新宿区大久保3丁目4番1号 早 稲田大学理工学部内 (56)参考文献 特開 昭61−163111(JP,A) 特表 昭64−500186(JP,A) Tsuneo Yanagisawa et.al.,The Prepar ation of Alkyltrim ethylammonium−Kane mite Complexes and Their Conversion to Microporous,Bul letin of the Chemi cal Society of Jap an,1990年,Vol.63,No.4, p.988−992 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 - 39/54 B01J 21/00 - 38/74 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素四面体SiO4 の層状結晶の間に珪
    酸の脱水縮合によるSiO2 の層間架橋が形成された構
    造を有するとともに、10Å以上の径の細孔を備え、且
    つ前記層状結晶にアルミニウム原子が結合することによ
    り発現した固体酸性を備えており、酸量が0.480ミ
    リモル/g以上であることを特徴とする層状シリカ−金
    属酸化物多孔体。
  2. 【請求項2】 空気中、700°Cで6時間焼成した後
    のB.E.T.表面積が356m2/g以上であること
    を特徴とする、請求項に記載の層状シリカ−金属酸化
    物多孔体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Tsuneo Yanagisawa et.al.,The Preparation of Alkyltrimethylammonium−Kanemite Complexes and Their Conversion to Microporous,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1990年,Vol.63,No.4,p.988−992

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