JP3322115B2 - シリカ多孔体の製造方法 - Google Patents

シリカ多孔体の製造方法

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JP3322115B2 JP03564896A JP3564896A JP3322115B2 JP 3322115 B2 JP3322115 B2 JP 3322115B2 JP 03564896 A JP03564896 A JP 03564896A JP 3564896 A JP3564896 A JP 3564896A JP 3322115 B2 JP3322115 B2 JP 3322115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,触媒や吸着剤等として用いるこ
とができる,固体酸性を有するシリカ多孔体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】従来,シリカ多孔体としては,例えば,珪
素四面体SiO4 の層状結晶の表面に金属原子が結合し
たものがある(特開平4─238810号公報)。かか
るシリカ多孔体は,金属による固体酸性を備えていて,
触媒や吸着剤としての用途が期待される。
【0003】上記シリカ多孔体を製造するに当たって
は,珪素四面体SiO4 の層状結晶に有機物を導入する
際に金属原子を添加する方法,又は有機物を導入して層
間にSiO2 の層間架橋を形成させた後に金属原子を導
入する方法がある。いずれの場合にも,層状結晶の表面
に金属原子が4配位又は6配位にほぼ同じ割合で導入さ
れる(後述の図9(b)(c)参照)。
【0004】また,他のシリカ多孔体としては,珪素の
四面体層と金属の八面体層とが交互に積層するサンドイ
ッチ構造をとっているものがある(特開平3─1991
18号公報)。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記シリカ多
孔体においては,添加金属の大部分がシリカ骨格の表面
に付着して,そのほとんどは骨格中には導入されない。
そのため,添加金属を大量にシリカ多孔体に導入するこ
とができず,固体酸性が充分に発現されなかった。それ
故,シリカ多孔体の触媒活性及び吸着能力が不十分であ
った。
【0006】また,従来より,シリカ多孔体の一種とし
てMCM−41が知られている(USP510264
3)。このMCM−41は,ミセル状の有機物(界面活
性剤)の周囲に水ガラス等のSi原料とAl等の金属と
を配置し,その後焼成することにより得られる。従来,
上記のMCM−41について種々の提案がなされてい
る。しかし,以下に述べるように,いずれも結晶性及び
耐熱性の低いものである。
【0007】(先行技術1);(Microporous Material
s, 2, 1993, 17-26) この先行技術におけるMCM−41は,図21(a)
(b)(c)に示すごとく,Al導入源が硫酸アルミニ
ウム(図21,図22において,「Al源:SA」と記
す。)であるときには,Alの多くは4配位になる。し
かし,Al導入源がCatapal Alumina (図21におい
て,「Al源:CA」と記す。)であるときには,図2
1(d)に示すごとく,4配位Alよりも6配位Alの
方が多くなる。
【0008】また,図22(g)に示すごとく,Si/
Al=29のMCM−41について,これを焼成する前
(図21(b))と,焼成した後(図22(g))との
間で比較すると,焼成後のMCM−41の方がピークの
幅が広がった。このことから,MCM−41は焼成によ
り,結晶構造が変化して,アモルファスのシリカ─アル
ミナ構造に類似する。従って,上記MCM−41は,耐
熱性及び結晶性に弱いものである。
【0009】尚,図21,図22において,(a)〜
(c),(g)は硫酸アルミニウムをAl導入源とする
MCM−41,(d)はCatapal Alumina をAl導入源
とするMCM−41のX線回析パターンであり,また,
(h)はアモルファスアルミナシリカ,(i)はZSM
−5(ゼオライト)のX線回析パターンである。
【0010】(先行技術2);(J.Chem. Soc., Chem.
Commun., 1994, 1493-1494) この先行技術におけるMCM−41は,X線回折の結
果,明確なヘキサゴナルのピークが検出されなかった。
また,焼成した場合には,MCM−41の骨格中の4配
位A1が骨格から脱離して,Al2 3 となった。
【0011】(先行技術3);(Journal of Catalysi
s, 148, 1994, 569-574) この先行技術におけるMCM−41は,上記先行技術2
と同様に,明確なヘキサゴナルのピークが検出されなか
った。また,焼成後には,4配位Alが脱離した。
【0012】(先行技術4);(Catalysis Letters 3
3, 1995, 157-163) この先行技術におけるMCM−41は,上記先行技術2
と同様に,明確なヘキサゴナルのピークが検出されなか
った。
【0013】(先行技術5);(J. Phys. Chem., 99,
1995, 1018-1024) この先行技術におけるMCM−41は,先行技術1と同
様に,Al導入源がCatapal Alumina の場合には,Al
のほとんどが6配位であった。また,Al導入源が硫酸
アルミニウムの場合には,殆どが4配位であったが,焼
成により結晶性が低下した。
【0014】(先行技術6);(Catalysis Letters, 3
1, 1995, 267-272) この先行技術におけるMCM−41は,先行技術2と同
様に,結晶性が良くはなかった。
【0015】(先行技術7);( Solid State Nucl. Ma
gn. Reson., 2, 1993, 253-259) この先行技術におけるMCM−41は,先行技術2と同
様に,結晶性が良くはなかった。
【0016】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,固体
酸性を効果的に発現でき,触媒活性及び吸着力が高く,
かつ結晶性及び耐熱性に優れたシリカ多孔体の製造方法
を提供しようとするものである。
【0017】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,水ガラス
に,四面体構造をとることができる,珪素と異なる金属
元素の塩を添加するとともに熟成を行う第1工程と,上
記熟成した水ガラスを焼成して,珪素四面体SiO4
上記金属元素を含む金属四面体とを骨格成分とする層状
結晶を形成する第2工程と,上記層状結晶の層間に有機
物を導入すると共に層間にSiO2 の層間架橋を形成さ
せる第3工程と,上記層間架橋を形成した層状結晶から
上記有機物を除去する第4工程とよりなることを特徴と
するシリカ多孔体の製造方法である。
【0018】本発明において最も注目すべきことは,水
ガラスに上記金属元素の塩を添加し,焼成して,珪素四
面体SiO4 と,上記金属元素を含む金属四面体とを骨
格とする層状結晶を形成することである。
【0019】上記シリカ多孔体の製造方法においては,
上記金属元素を添加して水ガラスを焼成すると,金属元
素を含む金属四面体が,珪素四面体SiO2 と脱水縮合
する。これにより,図1(a)に示すごとく,金属四面
体が酸素を介して珪素四面体SiO2 と二次元的に結合
して,金属導入シリケートである層状結晶91の骨格を
形成する。
【0020】次に,図1(b)(c)に示すごとく,層
状結晶91の層間に有機物7を導入すると共に層間の層
間架橋点93において,SiO2 の層間架橋を形成させ
る。これにより,層状結晶91の層間は有機物7により
十分に拡幅される。その後,焼成あるいは置換により有
機物7を除去すると,有機物の跡に,十分に拡幅された
微孔92が形成される。
【0021】これにより,得られたシリカ多孔体は,以
下の特徴を有している。添加した金属元素(以下,添加
金属元素という。)は固体酸性を有するものであり,ま
た四面体構造をとることができるものである。そのた
め,添加金属元素は金属四面体として,酸素を介して珪
素四面体SiO4 と結合する。上記金属四面体は,珪素
四面体SiO4 と共に層状結晶の骨格構造を形成する。
それ故,シリカ多孔体中に多くの添加金属元素を組み込
ませることができ,添加金属元素の固体酸性を有効に発
現させることができる。
【0022】また,層状結晶の骨格に組み込まれた添加
金属元素は,その殆どが4配位である。そのため,焼成
した場合にも,添加金属元素は4配位を維持しやすく,
骨格から脱離することは少なく,また結晶構造もくずれ
にくい。それ故,焼成により固体酸性が低下することも
ない。層状結晶の間の層間に,十分に拡幅された微孔が
形成されている。微孔が十分に拡幅されることにより,
上記添加金属元素の固体酸性が有効に発現される。
【0023】また,従来の含浸法では,層状結晶の表面
に金属原子を付着させていたが,本発明では層状結晶の
骨格中に,金属原子である添加金属元素を組み込むこと
ができ,従来に比べて多量の金属原子をシリカ多孔体中
に導入することができる。
【0024】更に,得られるシリカ多孔体は,多数の微
孔を有しており,被反応成分を取り込みやすい構造であ
る。そのため,被反応成分は,固体酸性を有する上記添
加金属元素と接触する機会が多い。従って,添加金属元
素の固体酸性を充分に,かつ有効に発現させることがで
き,優れた触媒活性及び吸着性能を発揮することができ
る。
【0025】ここで,本発明のシリカ多孔体の固体酸性
について説明する。シリカ多孔体の固体酸性は,図5に
示すごとく,珪素四面体SiO4 を構成する珪素の一部
に対し,添加金属元素が,酸素を介して結合することに
より発現する。固体酸性を有するシリカ多孔体は,その
ままの状態でもルイス酸として機能する。また,このシ
リカ多孔体に水が付加してプロトンを放出するようにな
れば,いわゆるブレンステッド酸として機能する。この
ように,シリカ多孔体の固体酸性が有効に発現すること
により,シリカ多孔体の触媒作用が促進される。
【0026】そして,シリカ多孔体の固体酸性は,例え
ば,石油の接触分解,石油の接触改質,NOX の還元反
応において,触媒活性を示す。石油の接触改質では,シ
リカ多孔体の一種であるゼオライト(例えば,モービル
社製ZSM−5)が利用されている。
【0027】即ち,石油の熱分解により生成したパラフ
ィン(─C−C−C−)とオレフィン(─C=C−C
−)とを,固体酸を有するゼオライトに通すと,図6に
示すごとく,ゼオライトより放出されたプロトン
(H+ )が,パラフィン又はオレフィンにアタックし
て,δ+の炭素原子を生成する。そして,これらのδ+
の炭素原子に,同一分子中の他の部分から移ってくるメ
チル基が結合してエンジン燃焼用のガソリンとして優れ
たイソオクタンが生成する。
【0028】また,NOX の還元反応では,ゼオライト
の固体酸の部分にハイドロカーボン(HC)が吸着され
る。この吸着されたHCがNOx と反応しNOx を還元
する。但し,この場合の固体酸の役割については,まだ
よくわかっていない。従って,触媒の活性点を作りだす
という意味で固体酸性は,重要である。
【0029】また,シリカ多孔体に固体酸性を付与する
ことにより,アンモニア等の塩基性物質が吸着しやすく
なり,良好な吸着剤として機能する。以上のように,本
発明のシリカ多孔体は,その固体酸性により,優れた触
媒活性及び吸着性能を発現することができる。従って,
本発明のシリカ多孔体は,有機合成触媒,クラッキング
触媒,排気ガス浄化用触媒,吸着剤等に適している。
【0030】次に,上記シリカ多孔体の製造方法につい
て各工程ごとに詳細に説明する。 (第1工程)水ガラスに,珪素と異なる添加金属元素の
塩を添加する。上記添加金属元素は,請求項2に記載の
ように,Siと酸素を介し結合することにより酸性を発
現する金属,例えば,Al(アルミニウム),Zr(ジ
ルコニウム),Ga(ガリウム),Be(ベリリウ
ム),B(ホウ素),Ti(チタン),In(インジウ
ム),Tl(タリウム),Sn(スズ),Fe(鉄),
及びGe(ゲルマニウム)のグループから選ばれる1種
又は2種以上であることが好ましい。これらの金属元素
は,シリカ多孔体の骨格により多く導入しやすいもので
ある。
【0031】上記水ガラスとしては,水ガラス1号(J
IS規格K1408)を用いることが好ましい。水ガラ
ス1号の組成は,35〜38重量%のSiO2 ,17〜
19重量%のNa2 O,よりなる。水ガラス1号を用い
ることにより,クリストバライト等の副生が見られず,
珪素四面体SiO4 を骨格成分とする層状結晶を十分に
形成することができる。
【0032】一方,水ガラス1号以外の水ガラスを用い
る場合には,シリカ多孔体は得られるが,同時にクリス
トバライトが副生するため,珪素四面体SiO4 を骨格
成分とする層状結晶の形成量が少なくなるおそれがあ
る。
【0033】上記添加金属元素の塩は,水と混合したと
きに,溶解可能な塩であることが好ましい。例えば,添
加金属元素がAlの場合には,上記添加金属元素の塩と
しては,Al(NO33 ・9H2 O,NaAlO2
を用いる。
【0034】上記添加金属元素の塩は,請求項3に記載
のように,上記水ガラスに対してモル比で0.1以下で
あることが好ましい。0.1を越える場合には,層状結
晶が屈曲せず,層状結晶の間に微孔が形成されず,ま
た,シリカ多孔体の耐熱性が低下するおそれがある。
【0035】水ガラスは,40〜70℃に加熱して,ス
ターラの回転子が回る程度に柔らかくしておくことが好
ましい。これにより,上記添加金属元素が均一に分散し
やすくなる。また,上記添加金属元素の塩は,予め水に
溶解させておく。これにより,図2に示すごとく,上記
添加金属元素の塩は,水に溶けて添加金属元素を含む金
属四面体を形成する。
【0036】次に,上記の柔らかくした水ガラスに上記
添加金属元素の塩の水溶液を添加し,均一になるように
攪拌する。添加する方法は,水ガラスの中に上記金属が
均一に分散させる方法であればいかなる方法でもよい。
水ガラスに上記添加金属元素の塩を添加すると,図3
(a)に示すごとく,溶液中において,珪素四面体Si
4 と金属元素を含む金属四面体とが別個独立して混在
した状態となる。
【0037】また,上記水ガラスの熟成を行うことによ
り,上記水ガラスから水分を除去する。これにより,焼
成時に水ガラスが発泡することを防止できる。熟成方法
は,例えば,上記水ガラスを乾燥機中に入れて,余分な
水分を除去して,硬いガラス状とし,更に,真空乾燥機
に入れて減圧乾燥して,水分を除去する。
【0038】(第2工程)次に,上記水ガラスを焼成す
る。焼成の際の温度,時間,及びその他の条件について
は,特に限定しないが,珪素四面体SiO4 間の脱水縮
合を進行させる条件で行えばよい。
【0039】上記焼成により,図3(b)に示すごと
く,珪素四面体SiO4 のシラノール基(Si−OH)
と添加金属元素に配位する水酸基(−OH)とから,脱
水縮合により水(H2 O)が分離されて,金属四面体と
珪素四面体とが結合する。そして,珪素四面体SiO4
の骨格中に,添加金属元素を含む金属四面体が組み込ま
れ,珪素四面体SiO4 と上記金属四面体とを骨格成分
とする連続した層状の層状結晶91が形成される。ま
た,高温下で長時間焼成すれば,上記脱水縮合が進み,
層状結晶が大きく成長するものと考えられる。上記層状
結晶としては,例えば,カネマイト,マカタイト,アイ
ラマイト,マガディアイト,ケニヤイト,ジケイ酸ナト
リウム等がある。
【0040】(第3工程)次に,上記層状結晶の層間に
有機物を導入すると共に層間にSiO2 の層間架橋を形
成させる。層間に導入する有機物としては,特に限定し
ないが,好ましくは有機オニウムイオン,特にアルキル
アンモニウムイオン等が,試料調製の容易さやイオン交
換能力の高さ等の点から優れている。有機物の分子サイ
ズや分子量は,層間拡張の程度,換言すれば層間に形成
される微孔の径を直接規定する。そのため,有機物の分
子サイズや分子量の選択によって微孔の径を自由に設計
することができる。
【0041】上記有機物の導入により,層状結晶91
(図4(a))が屈曲し,六方構造の層状結晶が形成さ
れる(図4(b))。次に,層間にSiO2 の層間架橋
を形成する。層間架橋は,pHを調整するなどにより,
隣接する層状結晶の間で脱水反応を進行させて行う。こ
れにより,図4(c)に示すごとく,隣接する層状結晶
91の層間がSi−Oの層間架橋点93において縮幅さ
れ,該層間架橋点93の間においては有機物7により拡
幅されて,層間に多数の微孔92が形成される。
【0042】(第4工程)次に,上記層間架橋した層状
結晶から有機物を除去する。有機物の除去方法には,焼
成による方法と,他のイオンに置換する方法等がある。
焼成による方法においては,通常,500〜800℃程
度の温度で数時間焼成するのがよい。焼成温度が余りに
高いと多孔体の構造が崩壊するおそれがある。逆に低す
ぎると,多孔体の構造が充分に固定されないおそれがあ
る。焼成環境については別段の限定はなく,空気中で焼
成しても良いが,有機物の分解を促進するため,酸素付
加やオゾン添加の雰囲気下で焼成することが好ましい。
【0043】また,置換法では,上記層間架橋した層状
結晶を,イオンを含む溶媒に分散させ,攪拌する。イオ
ンとしては,H+ ,Na+ ,K+ 等があるが,H+ が代
表的である。また,溶媒としては,上記有機物が溶解し
易い溶媒,例えば,有機物がアルキルトリメチルアンモ
ニウムである場合には,エタノール又はアセトンが用い
られる。攪拌中は,必要であれば,30〜100℃で加
熱する。上記有機物の除去により,図4(d)に示すご
とく,微孔92内の有機物7が取り除かれ,シリカ多孔
体9が得られる。
【0044】尚,図1〜図6においては,シリカ多孔体
の固体酸性について,添加金属元素がアルミニウム(A
l)である場合を示したが,本発明はこれに限定される
ものではなく,他の上述したいずれの添加金属元素につ
いても同様に示すことができる。
【0045】
【実施形態例】
実施形態例1 本発明の実施形態例に係るシリカ多孔体の製造方法の概
要について説明する。まず,水ガラスに,四面体構造を
とることができる,珪素と異なる添加金属元素の塩(A
l(NO33 ・9H2 O)を添加するとともに熟成を
行う(第1工程)。次に,上記水ガラスを焼成して,珪
素四面体SiO4 と上記添加金属元素を含む金属四面体
とを骨格成分とする層状結晶(カネマイト)を形成する
(第2工程)。次に,上記層状結晶の層間に有機物(セ
チルトリメチルアンモニウム)を導入すると共に層間に
SiO2 の層間架橋を形成させる(第3工程)。次に,
層間架橋をした層状結晶を焼成して(第4工程),シリ
カ多孔体を得る。
【0046】以下,上記製造方法を詳説する。まず,第
1工程において,水に溶解させたAl(NO33 ・9
2 O 0.1gを水ガラス1号50gに添加し,充分
に攪拌する。水ガラス1号の組成は,35〜38重量%
のSiO2 ,17〜19重量%のNa2 O,0.03重
量%以下のFe,0.2重量%以下の不溶分よりなる。
次いで,105℃の乾燥機で上記水ガラス中の水分を蒸
発させ,更に真空乾燥機により,70℃の下,減圧乾燥
する。これにより,更に水ガラス中の水分を除去し,水
ガラスを膨張させる。
【0047】次に,第2工程において,上記膨張した水
ガラスを炉内に入れて700℃,6時間焼成する。これ
により,アルミニウムを骨格中に取り込んだ結晶(δ─
Na2 Si25 )が生成する。次いで,この結晶を,
常温の水中で3時間攪拌することにより水中に分散させ
て,カネマイトを得る。
【0048】次に,第3工程において,カネマイトに,
水及びセチルトリメチルアンモニウムを添加する。添加
量は,δ─Na2 Si25 50gから得られるカネマ
イトに対して,水1リットル,セチルトリメチルアンモ
ニウム0.1mol(32g)となるようにする。
【0049】次いで,カネマイト,水,セチルトリメチ
ルアンモニウムを混合し,そのままのpHで70℃,3
時間攪拌する。次いで,2Nの塩酸を加えてpHを8.
5に下げて,70℃,3時間以上(例えば5時間)攪拌
する。次いで,水中の固形物を濾過し,洗浄する。次
に,第4工程において,上記固形物をある程度乾燥さ
せ,その後700℃,6時間焼成する。これにより,上
記シリカ多孔体(試料1)を得る。
【0050】得られたシリカ多孔体には,X線回折をし
た結果,六方構造が形成されていることが判明した。次
に,27Al─NMRスペクトルをとったところ,導入さ
れたアルミニウムはほとんど4配位であった。このこと
は,添加金属元素Alは,四面体構造をとり珪素四面体
SiO4 と共に層状結晶(カネマイト)の骨格を形成し
ていることを示すものである。また,Al(NO33
・9H2 Oの代わりにNaAlO2 を添加金属元素とし
て用いた場合にも,同様の効果が得られた。
【0051】よって,本例により得られたシリカ多孔体
は,以下のような構造であると確認された。上記シリカ
多孔体は,図1(b)に示すごとく,珪素四面体SiO
4 の層状結晶91が複数積層している。そして,隣接す
る上記層状結晶91の層間は,図1(c)に示すごと
く,SiO2 の層間架橋点93において縮幅しており,
層間架橋点93の間においては拡幅して微孔92を形成
している。図1(a)に示すごとく,上記珪素四面体S
iO4 は,アルミニウム(Al)の金属四面体と共に上
記層状結晶の骨格を形成している。
【0052】実施形態例2 本例においては,添加金属元素及び有機物の量を変化さ
せて,シリカ多孔体を製造した。添加金属元素の塩Al
(NO33 ・9H2 O,水,セチルトリメチルアンモ
ニウム(C16)の量を表1に示した。その他は,実施
形態例1と同様にシリカ多孔体を製造し,それぞれ試料
2〜6とした。表1には,実施形態例1の試料1も記載
した。また,表1におけるSiO2 /Al2 3 のモル
比は,水ガラス中のSiO2 と添加金属元素の塩の中の
添加金属元素(Al)を酸化物量に換算した量との割合
である。
【0053】実施形態例1の試料1と本例の試料2〜6
の粉末についてX線回折を行い,その結果より層状結晶
の層間の距離をもとめたところ,表2に示す値が得られ
た。試料2のX線回折の結果を図7に示した。同図中の
4つのピーク(同図中のNo.a,b,c,d)はヘキ
サゴナルに由来するピークであり,このことはシリカ多
孔体の六方構造ができていることを示すものである。次
に,試料1〜6の比表面積(B.E.T.)を測定した
ところ,表3に示すごとく,いずれも高い値を示した。
【0054】実施形態例3 本例においては,本発明にかかるシリカ多孔体と,従来
例にかかるシリカ多孔体との固体酸性について,比較し
た。本発明にかかるシリカ多孔体としては,実施形態例
2の試料4,6を用いた。一方,従来例にかかるシリカ
多孔体としては,特開平4─238810号公報に記載
の方法により得られたものを試料C1〜C6として用い
た。
【0055】試料C1,C2は,以下に示す含浸法によ
り製造したものである。即ち,まず,セチルトリメチル
アンモニウムクロライドの0.1規定水溶液300ml
に,カネマイト3gを加え,65℃で1週間,容器を振
とうしながら加熱した。その生成物を濾過,水洗した後
乾燥して,カネマイト層間に有機物が導入された層間化
合物を得た。
【0056】この層間化合物2gを,50mlのイオン
交換水に0.3g又は0.5gのAlCl3 ・6H2
を溶解させた溶液に加え,スターラーにより約3時間攪
拌した。その後,80℃の電気炉中に一晩放置して乾燥
させた。続いて,空気中で700℃,6時間の焼成を行
い,それぞれ試料C1,C2の多孔体を得た。
【0057】試料C3,C4は,金属元素を有機物導入
時に添加する方法により製造したものである。即ち,ま
ず,セチルトリメチルアンモニウムクロライドの0.1
規定水溶液300mlに,AlCl3 ・6H2 Oをそれ
ぞれ1.2g又は5.0g溶解した2種類の溶液を準備
し,これにカネマイト2gを加え,65℃で1週間,容
器を振とうしながら加熱した。その生成物を濾過,水洗
した後乾燥した。
【0058】これにより,カネマイト層間に有機物が導
入されるとともに,珪素四面体SiO4 の層状結晶にア
ルミニウムイオンが結合した層間化合物を得た。この層
間化合物について空気中で700℃,6時間の焼成を行
い,それぞれ試料C3,C4の多孔体を得た。
【0059】試料C5は,試料C1,C2と同様の方法
(含浸法)により,Al23 の仕込み比を試料6と同
様にして製造した多孔体である。試料C6は,試料C
3,C4と同様の方法(有機物導入時に金属元素を添加
する方法)により,Al23 の仕込み比を試料6と同
様にして製造した多孔体である。
【0060】上記試料4,6,C1〜C4の酸量(mm
ol/g)を測定し,図8に示した。この結果より,本
発明のシリカ多孔体(試料4,6)は,従来に比べて,
高い酸量を示した。このことは,本発明のシリカ多孔体
が,高い固体酸性を発現することを示すものである。
【0061】このように,本発明のシリカ多孔体(試料
4,6)が従来例(試料C1〜C4)に比べて高い固体
酸性を発現するのは,従来例に比べてAlが効率良く骨
格中に組み込まれやすいためであると考えられる。
【0062】次に,これらの比表面積を測定したとこ
ろ,表3に示すごとく,本発明のシリカ多孔体は,従来
に比べて高い比表面積を有していた。その理由は,Al
を多孔体骨格中に導入しても,シリカ多孔体の構造は保
持されるためであると考えられる。
【0063】次に,試料6,試料C5,C6の27Al−
NMRスペクトルを測定し,その結果を図9に示した。
同図より,試料6では,アルミニウムのほとんどが4配
位で導入されていることがわかる。一方,試料C5,C
6では,4配位と6配位のアルミニウムが混在している
ことがわかる。試料C1〜C4は,いずれもAl23
が約14重量%(仕込み比)であった。
【0064】尚,4配位Alは,Alがシリカ多孔体の
層状結晶の骨格中に取り込まれて,SiO2 と共に結晶
骨格を構成していることを示す。一方,6配位は,Al
がSiO2 と共に結合しておらず,結晶骨格の外に出て
アルミナとなっていることを示す。従って,6配位Al
のピークが観察される試料C5,C6は,結晶性が低い
と考えられる。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】実施形態例4 本例においては,シリカ多孔体の触媒活性について測定
した。測定に当たり,C612(ヘキサン)の分解を行
った。ヘキサン600ppmcを添加したモデルガスを
SV(空間速度)100000/時間,ペレット7cc
を用い,このガス中に,2gの白金(Pt)を担持させ
た120gのシリカ多孔体を放置した。このシリカ多孔
体としては,実施形態例2の試料4を用いた。そして,
ガス温度を変化させて,ヘキサンの転化率を測定した。
また,比較例としてアルミニウムを導入していないシリ
カ多孔体を用い,これについても上記と同様の測定を行
った。
【0069】その結果を図10に示した。同図より,本
発明のシリカ多孔体は,比較例よりも低い温度でヘキサ
ンを分解できることがわかる。このことは,本発明のシ
リカ多孔体が,触媒活性が高いことを示すものである。
【0070】実施形態例5 本例のシリカ多孔体は,添加金属元素の塩としてNaA
lO2 を用いて製造したものである。NaAlO2
水,セチルトリメチルアンモニウム(C16)の添加量
は,表4に示した。同表中の値は,水ガラス50gに対
する量である。その他は,実施形態例1と同様にしてシ
リカ多孔体を製造し,試料7,8とした。
【0071】試料7,8についてX線回折を行ない,そ
の結果より層状結晶の層間距離を求めた。また,比表面
積(B.E.T.)を測定した。その結果を表5に示
す。また,試料8のX線回折のチャートを図11に示
す。チャート中のピーク(1〜4)がヘキサゴナルに由
来するピークであることにより,層状結晶が六方構造で
あることが分かる。
【0072】なお,実施形態例2において添加金属元素
の塩としてAl(NO33 ・9H2 Oを用いて製造し
たシリカ多孔体には,図7のX線回折のチャート(ピー
クf,g,h)より,クリストバライトの副生が見られ
たが,本実施形態例では,クリストバライトの副生は見
られなかった。
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】実施形態例6 本例においては,シリカ多孔体の核磁気共鳴分析(27
l─NMR,29Si─NMR)を行なった。シリカ多孔
体としては,上記試料5,8の双方について,第4工程
において,焼成前のものと,600℃,6時間の焼成を
行なった後のものとを準備した。
【0076】これらの核磁気共鳴分析結果を図12〜図
15に示した。図12,図13には,試料5,8の焼成
前のシリカ多孔体についての,27Al─NMRの結果,
29Si─NMRの結果をそれぞれ示す。図14,図15
には,試料5,8の焼成後のシリカ多孔体についての,
27Al─NMRの結果,29Si─NMRの結果をそれぞ
れ示す。
【0077】尚,比較のために,添加金属元素であるA
lを導入していないシリカ多孔体について,焼成前のも
のと,焼成後のものとを準備し,29Si─NMRによる
分析を行なった。これらの結果を,図13,図15に示
した。
【0078】上記の分析結果について考察する。図1
2,図14の27Al─NMRでは,一般に50〜60p
pmのピークP1に由来するAlは,四面体構造をと
り,Siの位置に置換して4配位で存在しているといわ
れている。一方,0ppm付近に現れるピークP2 は,
アルミナ(Al2 3 )のように,6配位をとり,層状
結晶の表面に付着している。
【0079】図12,図14に示すデータでは,いずれ
も50〜60ppm付近にシャープなピークが見られ
る。このことから,試料5,8の焼成前,焼成後のいず
れの場合にも,添加したAlが層状結晶の骨格中に4配
位で存在していることがわかる。
【0080】次に,図13,図15の29Si─NMRに
おいては,シリカ多孔体へのAl導入量の増加に伴っ
て,ピークP3 ,P4 ,P5 が低磁場側に移行してい
る。これは,ゼオライト骨格中にAlを導入した際に見
られる現象と同じである。このことから,シリカ多孔体
の層状結晶の骨格中にAlが導入されていることがわか
る。
【0081】実施形態例7 本例においては,シリカ多孔体の結晶性及び耐熱性につ
いて評価した。本例の評価を行なうに当たっては,前述
の試料6を用いた。この試料6は,Al(NO3 3
8H2 Oにより層状結晶骨格にAlを導入した例である
(実施形態例1参照)。
【0082】評価に際し,上記シリカ多孔体について,
焼成する前と,700℃で6時間焼成した後において,
それぞれX線回析及び核磁気共鳴分析(27Al─NM
R)を行なった。シリカ多孔体のX線回析結果を図16
に,核磁気共鳴分析結果を図17に示した。
【0083】まず,図16より,焼成前(a)及び焼成
後(b)のいずれの場合にも,ヘキサゴナールに由来す
る4つのピークa,b,c,dが明確に検出された。こ
のことから,焼成前後に関わらず,シリカ多孔体の層状
結晶が六方構造(ヘキサゴナール)を保持できることが
わかる。
【0084】次に,図17より,焼成前(a)及び焼成
後(b)のいずれの場合にも,4配位Alに由来するピ
ークP6 が大きい。このことから,Al(NO3 3
8H2 OによりAlを層状結晶に導入したシリカ多孔体
は,結晶性及び耐熱性に優れていることがわかる。
【0085】また,Al(NO3 3 ・8H2 Oの代わ
りに,NaAlO2 によりAlを導入したシリカ多孔体
(実施形態例5参照)についても,同様の分析を行なっ
た。その結果,図示はしないが,前述のAl(NO3
3 ・8H2 Oの場合と同様に,焼成前後に関わらず,優
れた結晶性を示した。このように,Alが4配位で存在
しているのは,一度焼成することにより層状結晶を形成
されているためであると考えられる。
【0086】実施形態例8 本例のシリカ多孔体の製造方法においては,添加金属元
素の塩としてFe(NO3 3 ・9H2 Oを添加してい
る点が,上記実施形態例1と異なる。即ち,まず,第1
工程において,水に溶解したFe(NO3 3 ・9H2
O1.077gを酸化物として,水ガラス1号50gに
添加し,十分に攪拌した。Fe(NO3 3 ・9H2
の添加量は,表6に示した。表6におけるSiO2
Fe2 3 のモル比は,水ガラス中のSiO2 と添加金
属元素の塩の中の添加金属元素(Fe)を酸化物量に換
算した量との割合である。
【0087】次に,実施形態例1と同様に上記水ガラス
中の水分を蒸発させ,乾燥することにより,水ガラスを
膨張させた。その後,実施形態例1と同様に第2〜第4
工程を行い,本例のシリカ多孔体を得た。
【0088】上記シリカ多孔体の比表面積(B.E.
T.)は1070.47m2 /gであった。また,シリ
カ多孔体についてX線回析を行い,その結果を図18に
示した。同図には,試料2のX線回析チャート(図7)
と同様に,ヘキサゴナールに由来する4つのピーク(図
18の記号a,b,c,d)が検出された。また,この
X線回析の結果より,層状結晶の層間距離をもとめたと
ころ,40.8Åであった。
【0089】実施形態例9 本例のシリカ多孔体の製造方法においては,添加金属元
素の塩としてZrCl2 O・8H2 Oを添加している点
が,上記実施形態例8と異なる。即ち,まず,第1工程
において,水に溶解したZrCl2 O・8H2 O 2.
15gを水ガラス1号50gに添加し,十分に攪拌し
た。ZrCl2 O・8H2Oの添加量は,表6に示し
た。表6におけるSiO2 /ZrO2 のモル比は,水ガ
ラス中のSiO2 と添加金属元素の塩の中の添加金属元
素(Zr)を酸化物量に換算した量との割合である。実
施形態例10も同様である。
【0090】次に,実施形態例1と同様に上記水ガラス
中の水分を蒸発させ,乾燥することにより,水ガラスを
膨張させた。その後,実施形態例1と同様に第2〜第4
工程を行い,本例のシリカ多孔体を得た。
【0091】上記シリカ多孔体の比表面積(B.E.
T.)は607.8m2 /gであった。また,シリカ多
孔体についてX線回析を行い,その結果を図19に示し
た。同図には,試料2のX線回析チャート(図7)と同
様に,ヘキサゴナールに由来する4つのピーク(図19
の記号a,b,c,d)が検出された。このX線回析の
結果より,層状結晶の層間距離をもとめたところ,3
6.2Åであった。
【0092】実施形態例10 本例のシリカ多孔体の製造方法においては,添加金属元
素の塩としてZrCl2 O・8H2 Oを4.29g添加
している点が,上記実施形態例9と異なる。ZrCl2
O・8H2 Oの添加量は,表6に示した。
【0093】上記シリカ多孔体の比表面積(B.E.
T.)は331.3m2 /gであった。また,シリカ多
孔体についてX線回析を行い,その結果を図20に示し
た。同図には,試料2のX線回析チャート(図7)と同
様に,ヘキサゴナールに由来する4つのピーク(図20
の記号a,b,c,d)が検出された。このX線回析の
結果より,層状結晶の層間距離をもとめたところ,3
4.9Åであった。
【0094】上記実施形態例8〜10のシリカ多孔体に
ついて,比表面積及び層間距離を表6にまとめた。
【0095】
【表6】
【0096】
【発明の効果】本発明によれば,固体酸性を効果的に発
現でき,触媒活性及び吸着力が高く,かつ結晶性及び耐
熱性に優れたシリカ多孔体の製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリカ多孔体の説明図。
【図2】本発明のシリカ多孔体の,添加金属元素の四面
体構造を示す説明図。
【図3】本発明のシリカ多孔体の,層状結晶を示す説明
図。
【図4】本発明のシリカ多孔体の,有機物の導入及び層
間架橋を示す説明図。
【図5】本発明のシリカ多孔体の,固体酸性の発現機構
を示す説明図。
【図6】本発明のシリカ多孔体の,固体酸性の作用を示
す説明図。
【図7】実施形態例2の,試料2のX線回折のパターン
を示す線図。
【図8】実施形態例3の,試料4,6,C1〜C4の酸
量を示す線図。
【図9】実施形態例3の,試料6,C5,C6の27Al
─NMRスペクトルを示す線図。
【図10】実施形態例4の,試料4と比較例とについて
の,ヘキサンの転化率を示す線図。
【図11】実施形態例5の,試料8のX線回折のパター
ンを示す線図。
【図12】実施形態例6の,焼成前の試料5,8の27
l─NMRのスペクトルを示す線図。
【図13】実施形態例6の,焼成前の試料5,8の29
i─NMRのスペクトルを示す線図。
【図14】実施形態例6の,焼成後の試料5,8の27
l─NMRのスペクトルを示す線図。
【図15】実施形態例6の,焼成後の試料5,8の29
i─NMRのスペクトルを示す線図。
【図16】実施形態例10の,焼成前(a),焼成後
(b)におけるシリカ多孔体のX線回折のパターンを示
す線図。
【図17】実施形態例7の,焼成前(a),焼成後
(b)におけるシリカ多孔体の27Al─NMRのスペク
トルを示す線図。
【図18】実施形態例8のシリカ多孔体についてのX線
回折のパターンを示す線図。
【図19】実施形態例9の,シリカ多孔体についてのX
線回折のパターンを示す線図。
【図20】実施形態例10の,シリカ多孔体についての
X線回折のパターンを示す線図。
【図21】従来例における,先行技術1のMCM−41
27Al─NMRのスペクトルを示す線図。
【図22】従来例における,先行技術1の焼成前後にお
けるMCM−41の27Al─NMRのスペクトルを示す
線図。
【符号の説明】
9...シリカ多孔体, 91...層状結晶, 92...微孔, 93...層間架橋点,
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−67578(JP,A) 特開 平8−34607(JP,A) 特開 平4−238810(JP,A) TSUNEO YANAGISAW A,The Preparation of Alkyltrimetylam monium−Kanemite Co mplexse and Their Conversion,Bulleti n of the Chemical Society of Japan, 1990年,vol.63,No.4,p. 988−992 K.R.KLOESTRA,MCM− 41 type materials w ith low Si/Al rati os,Catalysis Lette rs,1995年,vol.33 No.1, 2,p.157−163 CONG−YAN CHEN,Stu dies on mesoporous materials,Micropo rous Materials,1993 年,vol.2 No.1,p.17−26 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/12 - 39/54 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水ガラスに,四面体構造をとることがで
    きる,珪素と異なる金属元素の塩を添加するとともに熟
    成を行う第1工程と,上記熟成した水ガラスを焼成し
    て,珪素四面体SiO4 と上記金属元素を含む金属四面
    体とを骨格成分とする層状結晶を形成する第2工程と,
    上記層状結晶の層間に有機物を導入すると共に層間にS
    iO2 の層間架橋を形成させる第3工程と,上記層間架
    橋を形成した層状結晶から上記有機物を除去する第4工
    程とよりなることを特徴とするシリカ多孔体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記金属元素の塩
    は,Al,Zr,Ga,Be,B,Ti,In,Tl,
    Sn,Fe,及びGeのグループから選ばれる1種又は
    2種以上の金属の塩であることを特徴とするシリカ多孔
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記金属元素
    の塩の添加量は,上記水ガラスに対してモル比で0.1
    以下であることを特徴とするシリカ多孔体の製造方法。
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