JP2003073115A - 結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケート化合物及びその製造方法 - Google Patents

結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケート化合物及びその製造方法

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JP2003073115A
JP2003073115A JP2002177685A JP2002177685A JP2003073115A JP 2003073115 A JP2003073115 A JP 2003073115A JP 2002177685 A JP2002177685 A JP 2002177685A JP 2002177685 A JP2002177685 A JP 2002177685A JP 2003073115 A JP2003073115 A JP 2003073115A
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metallosilicate
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microporous alkali
crystalline
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Yoshimichi Kiyozumi
嘉道 清住
Fujio Mizukami
富士夫 水上
Cooley Fatei
クーリー ファティ
Takuji Ikeda
卓史 池田
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離・吸着剤、形状選択性固体触媒、イオン
交換剤、クロマトグラフィー充填剤等に用いることので
きる新規な結晶性ミクロポーラスメタロアルカリシリケ
ート及びこれらの化合物を層状ケイ酸塩から効率よく合
成する新規合成法を提供する。 【解決手段】 結晶性層状ケイ酸塩層間中にテトラアル
キルアンモニウム陽イオンなどの層間作用剤を介在させ
た後、焼成することにより新規な結晶性ミクロポーラス
メタロアルカリシリケートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離・吸着剤、形
状選択性固体触媒、イオン交換剤、クロマトグラフィー
充填剤等に用いることのできる新規な結晶性ミクロポー
ラスアルカリ金属メタロシリケート及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトは、規則的に配列したミクロ
孔を有し、一般に、耐熱性が高く、化学的にも安定なも
のが数多く得られることから、様々な分野で利用されて
いる。このゼオライトの骨格構造は、Siの一部がAl
に置換したアルミノシリケートであり、分子オーダー
(3−10Å)の細孔を有し、立体選択的な吸着作用を
持つことよりモレキュラーシーブ(分子ふるい)として
の機能を有する。
【0003】数十種類の天然に産出するゼオライトの他
に、これまでに多種のゼオライトが合成されており、触
媒、分離吸着剤、イオン交換剤等の分野で幅広く用いら
れている。また、アルミニウムを含まない純粋なシリケ
ート骨格を有するシリカライトは高い疎水性を有し分離
吸着剤として用いられる。また、B、Ga、Ti、F
e、V、Co、Sn、Zn、Mn、Cr等の元素でアル
ミニウムを置換したメタロシリケートも多種知られてお
り、骨格置換元素の種類及び置換量により固体酸性や触
媒活性等が発現し、主に固体触媒として広く利用されて
いる。
【0004】これらのゼオライトは、一般に、水熱合成
法、すなわち、大量の水とアルミニウム源、シリカ源、
アルカリ金属及びアミン類などの有機結晶化調整剤(生
成するゼオライトの細孔径を決定する鋳型剤)を所望の
ゼオライト組成になるように調合し、オートクレーブ等
の圧力容器にそれらを封じ込めて、加熱することによ
り、自己圧下で製造されている。
【0005】しかしながら、この水熱合成法では、水と
の相互作用や溶解度の関係から、使用できる有機結晶化
調整剤には限界があった。また、大量の水が存在するた
めに、せっかく生成したゼオライトが一部分解し、結果
としてゼオライトを得るのに長時間を要したり、更に、
原料の層状ケイ酸塩構造が壊れたりして、層状ケイ酸塩
の基本構造を保持した構造のゼオライトを得ることがで
きなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の欠点を克服したものであり、その第一の目的
は、分離・吸着剤、形状選択性固体触媒、イオン交換
剤、クロマトグラフィー充填剤等として有用な新規な結
晶性ミクロポーラスアルカリ金属シリケートを提供する
ことであり、第二の目的は、水熱反応を利用することな
く、単に加熱するという簡便な方法で、種々のメタロシ
リケートを合成でき、また、層状ケイ酸塩の基本骨格構
造を生かしたままメタロシリケートに転換することが可
能な、従来の水熱合成法とは全く異なるゼオライト合成
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に適合するメタロシリケート合成法について鋭意検討
した結果、層状ケイ酸塩にテトラメチルアンモニウム塩
などの有機結晶化調整剤を混合し、圧力容器中で自己圧
下加熱することにより、テトラメチルアンモニウム陽イ
オンなどを構造中に含む新規な結晶性ミクロポーラスア
ルカリ金属シリケートが得られることを見い出し、この
知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、第一に、化学
組成が下記一般式(I) [(SiO21-x ・(T2/n O)x ・(TMA2 O)y ・(M2 O)z ・(H2 O)w ] (I) (式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオ
ン、Tは価数が2以上5以下の金属陽イオン、nはTで
表される金属陽イオンの価数、MはNa、K、Liなど
のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.0、
yは0.05≦y≦0.2、zは0.02≦z≦0.2
5、wは0≦w≦2.0の数である。)で表され、シリ
ケート及びTからなる骨格構造を有し、かつ粉末X線回
折パターンにおけるdの回折面間隔が少なくとも下記表
1−又は表1−2に記載されたものであることを特徴と
する結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケー
トが提供される。
【0009】
【表3】
【0010】
【表4】
【0011】(表中、dは面間隔を表わす。また、m=
中位相対強度、s=強い相対強度、vs=極めて強い相
対強度を意味する。) 第二に、第一の発明において、ケイ素8員環以上の大き
さの開口部を有する細孔を有する結晶性ミクロポーラス
アルカリ金属メタロシリケートが提供される。第三に、
第一又は二の発明において、前記一般式(I)中のTが
B、Al、Ga、Ti、Fe、V、Co、Sn、Zn、
Mn、Ni、Cu及びCrから選ばれた少なくとも一種
の金属陽イオンである結晶性ミクロポーラスアルカリ金
属メタロシリケートが提供される。第四に、第一乃至第
三の発明の何れかにおいて、前記一般式(I)中のxが
0である結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリ
ケートが提供される。第五に、第一乃至第四の発明の何
れかにおいて、前記一般式(I)中のMがNaである結
晶性結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケー
トが提供される。第六に、第一乃至第五の何れかの発明
で得られる結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシ
リケートからなる分離吸着剤が提供される。第七に、結
晶性層状アルカリ金属メタロシリケートの層間に層間作
用剤を含有させ、次いで、加熱することを特徴とする結
晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケートの製
造方法が提供される。第八に、第七の発明において、加
熱が水の不存在下で行われることを特徴とする結晶性ミ
クロポーラスアルカリ金属メタロシリケートの製造方法
が提供される。第九に、第七又は第八の発明において、
結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケート
が、第一乃至五から選ばれた少なくとも一種であること
を特徴とする結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロ
シリケートの製造方法が提供される。第十に、第七乃至
第八の何れかの発明において、層間作用剤が、テトラメ
チルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テ
トラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウ
ム塩などの四級アルキルアンモニウム塩及びアミン類、
ホスホニウムイオン(R4+ :Rは水素、炭素数10
以下のアルキル基あるいはアリール基)から選ばれた少
なくとも一種であることを特徴とする結晶性ミクロポー
ラスアルカリ金属メタロシリケートの製造方法が提供さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】一般的に、本発明の結晶性ミクロ
ポーラスアルカリ金属シリケートの製造方法を説明する
と、原料として層状ケイ酸塩を用い、その層間内に層間
作用剤をイオン交換またはインターカレーションにより
導入し、層間作用剤含有層状ケイ酸塩を合成する。次い
で、この層間作用剤含有層状ケイ酸塩を加熱処理し、層
間同士を結合させ結晶性ミクロポーラスアルカリ金属シ
リケートを製造する。加熱処理に当たっては水の不存在
下で行うことが望ましい。
【0013】本発明方法の原料であるケイ酸塩として
は、(Na・2H2 O)2 ・H2 [ Six(2x+2)] ・
yH2 O(II)で表される層状ケイ酸塩が好ましく使用
される。具体的にはMakatite、Kanemite、Octasilicat
e、Magadiite 、Keniyaite などが用いられるが、好ま
しくはMagadiite である。
【0014】層間作用剤としては、層間内にアクセスで
きるものであり、層間を広げられるものとしての作用を
有するものであれば、従来公知のものが全て使用でき
る。例えば、このような化合物としては、テトラメチル
アンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラ
プロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩
などの四級アルキルアンモニウム塩及びアミン類、ホス
ホニウムイオン(R4+ :Rは水素、炭素数10以下
のアルキル基あるいはアリール基)などが挙げられる。
本発明で好ましく使用される層間作用剤は、テトラメチ
ルアンモニウム塩である。
【0015】また、この製造方法における反応成分とそ
の反応モル比は、上記の目的とする一般式(I)で表さ
れる、メタロシリケートの組成によって適宜定めればよ
い。ケイ酸塩からの結晶性ミクロポーラスアルカリ金属
シリケートへの反応は、水が存在しない状態で加熱処理
をすればよく、ガラスアンプルや金属製密閉容器などの
反応容器を用いることにより、簡便に行うことができ
る。加熱温度に特に制限はないが、好ましくは80〜2
50℃、より好ましくは100〜180℃、反応時間
は、好ましくは3時間〜360日、より好ましくは1日
〜100日である。
【0016】図1は、前記方法で得られる本発明の代表
的なミクロポーラス結晶の概念図を示すものであり、図
中1は層状骨格構造部、2は層間水やNaイオンなどを
含んだ2次元層間部であり、3が層状骨格内に存在する
TMA(テトラメチルアンモニウム)イオンなどの層間
作用剤である。2次元層間部の層間水を除去することに
より層間が収縮し、層同士が末端シラノール基を介して
直接結合することが可能となる。すなわち、層状骨格を
壊すことなく繋げることにより、ゼオライト骨格を形成
するユニットを創り上げることができ、層状骨格がゼオ
ライト骨格を創り上げる部品として使用されることにな
る。更に、層状骨格内に層間をはさんで向かい合って存
在するTMAイオンやNaイオンをゼオライトユニット
内に包接することもできるため(図中4)、たとえば、
ソーダライトケージ中にTMAを閉じこめたり、Na4
3+クラスターなどを生成させることができる。したがっ
て、有害有機分子や放射性元素の封じ込めに使用でき
る。
【0017】本発明方法によれば、たとえば、次のよう
な新規な結晶性ミクロポーラスを得ることができる。 (1) 化学組成が下記一般式(I) [(SiO21-x ・(T2/n O)x ・(TMA2 O)
y ・(M2 O)z ・(H2 O)w ] (式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオ
ン、Tは価数が2以上5以下の金属陽イオン、nはTで
表される金属陽イオンの価数、MはNa、K、Liなど
のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.0、
yは0.05≦y≦0.2、zは0.02≦z≦0.2
5、wは0≦w≦2.0の数である。)で表され、シリ
ケート及びTからなる骨格構造を有し、かつ粉末X線回
折パターンにおけるdの回折面間隔が少なくとも前記表
1−1又は表1−2に記載されたものであることを特徴
とする結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケ
ート。 (2) ケイ素8員環以上の大きさの開口部を有する細
孔を有することを特徴とする上記(1)記載の結晶性ミ
クロポーラスアルカリ金属メタロシリケート。 (3) 前記一般式(I)中のTがB、Al、Ga、T
i、Fe、V、Co、Sn、Zn、Mn、Ni、Cu及
びCrから選ばれた少なくとも一種の金属陽イオンであ
る上記(1)又は(2)記載の結晶性ミクロポーラスア
ルカリ金属メタロシリケート。 (4) 前記一般式(I)中のxが0である上記(3)
記載の結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケ
ート。 (5) 前記一般式(I)中のMがNaである上記
(3)記載の結晶性結晶性ミクロポーラスアルカリ金属
メタロシリケート。
【0018】上記(1)〜(5)に記載された結晶性ミ
クロポーラスアルカリ金属メタロシリケートは、規則的
に配列した分子レベルの細孔を有し、それが三次元的に
繋がった構造を有することから、分子ふるいとしての機
能を有するばかりでなく、分離吸着剤、固体酸触媒、イ
オン交換剤材料として極めて有用な物質である。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき、更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、粉末X線回折パターンはマックサイエンス社MX
P18を使用し、CuKα線を用いて、0.02゜間隔
のステップスキャンにより得た。化学分析はC、H、及
びNは燃焼法により行った。また、熱重量分析はマック
サイエンス社TGDTA2000を使用した。窒素吸着
等温線は、日本ベル社製ベルソープ36により、77K
にて測定した。
【0020】実施例1 Na型のマガディアイト(商品名:Clariant Tokuyama
SKS-2)を5. 0g取り、0.1規定の塩酸水溶液に加え
た後、室温で2時間放置した。その後、濾過して固液分
離し、固体分をイオン交換水で充分洗浄することによ
り、H型のマガディアイト(H-Magadiite )を得た。こ
のH-Magadiite は、40℃で24時間乾燥後の重量が
4.2gであった。次に、H-Magadiite を1.0g取
り、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(T
MAOH、東京化成工業(株):25wt%水溶液)
2.3gを加え、130℃に加熱して20時間保持し
た。その後、濾過して固液分離し、固体分をイオン交換
水で充分洗浄することにより、TMA型のマガディアイ
ト(TMA-Magadiite )を得た。このTMA-Magadiite を4
0℃で24時間乾燥した粉末1.0gをParr社製テフロ
ン(登録商標)内筒を有するオートクレーブNo.47
49(内容積23ml)に移し、150℃で5日間加熱
処理した。この生成物は前記表1−1に示すような強度
データに特徴づけられる粉末X線回折パターンを与えた
(以下、この生成物をFLS-1と略記する)。このFLS −
1は化学分析により11.60wt%のC、3.03w
t%のN、3.85wt%のHを含んでいた。なお、TM
A-Magadiite を40℃で24時間乾燥した粉末を熱重量
分析したところ、150〜240℃近辺に現れる層間水
に由来する重量減少は約13wt%であった。
【0021】次に、FLS-1 を蒸発皿に取り、空気中にて
焼成した。焼成速度は毎分3℃とし、焼成温度は25
0、300、400、500、700、800、910
℃とした。所定の温度に到達してから、20時間保持し
た後、室温まで放置冷却した。その結果、250及び3
00℃で焼成した生成物は、前記表1−1に示したX線
回折ピークを与えた。すなわち、FLS-1 と同一生成物で
あったが、400〜800℃で焼成した生成物は、前記
表1−2に示すような強度データに特徴づけられる粉末
X線回折パターンを与えた(以下、この生成物をFLS-2
と略記する)。また、このFLS-2の化学分析を行った結
果、C、H、N元素はいずれも検出限界以下の値であっ
た。なお、910℃で焼成した生成物は、非晶質シリカ
のX線回折パターンを示した。
【0022】図2に上記FLS-1 及びFLS-2 の窒素脱・吸
着等温線を示す。FLS-1 は(図中のa)、FLS-2 (図中
のb)に比べて吸着容量が少なく、BET 比表面積はFLS-
1 が90m2 /gであったのに対して、FLS-2 は475
2 /gであった。なお、図2において、いずれも、上
が脱着等温線、下が吸着等温線である。図3には、出発
原料であるNa−マガディアイト、FLS-1 及びFLS-2 の
電子顕微鏡写真像を示す。いずれも、1〜2mmの薄い
鱗片状の結晶形態であり、H型への処理及び焼成処理に
よる結晶形態の変化はほとんど見られなかった。このこ
とから、本発明においてはケイ酸塩の層状構造が基本的
に保持されたまま相変化した、いわゆるトポタクテック
な相変化でFLS-1 及びFLS-2 が生成しているものと推定
される。
【0023】実施例2 実施例1において、TMA-Magadiite を合成するのに、室
温で20時間保持した以外は同一条件で行った。本実施
例においても、FLS-1 及びFLS-2 が生成物として得られ
た。
【0024】実施例3 実施例1において、FLS-1 を合成するのに、170℃で
3日間の加熱処理した以外は同一条件で行った。本実施
例においても、FLS-1 及びFLS-2 が生成物として得られ
た。
【0025】実施例4 実施例1において、FLS-1 を合成するのに、180℃で
1日間の加熱処理した以外は同一条件で行った。本実施
例においても、FLS-1 及びFLS-2 が生成物として得られ
た。
【0026】実施例5 実施例1において、FLS-1 を合成するのに、180℃で
1日間の加熱処理及び水を0.5g加えた以外は同一条
件で行った。本実施例においても、FLS-1 及びFLS-2 が
生成物として得られた。
【0027】実施例6 実施例1において、FLS-1 を合成するのに、180℃で
1日間の加熱処理及び水を1.0g加えた以外は同一条
件で行った。本実施例においても、FLS-1 及びFLS-2 が
生成物として得られた。
【0028】実施例7 実施例1において、H-Magadiite 1.0gとTMAOH
2.3gを直接Parr社製テフロン(登録商標)内筒を有
するオートクレーブNo.4749(内容積23ml)
に移して、150℃で5日間加熱処理した。本実施例に
おいても、FLS-1 及びFLS-2が生成物として得られた。
【0029】実施例8 実施例7において、FLS-1 を合成するのに、170℃で
3日間加熱処理した以外は、同一条件で行った。本実施
例においても、FLS-1 及びFLS-2 が生成物として得られ
た。
【0030】実施例9 実施例7において、FLS-1 を合成するのに、180℃で
1日間加熱処理した以外は、同一条件で行った。本実施
例においても、FLS-1 及びFLS-2 が生成物として得られ
た。
【0031】実施例10 (結晶性ミクロポーラスアルカリ金属シリケートの製
造)実施例9までと同様な手法で、H-Magadiite 1.0
gとTPAOH(テトラプロピルアンモニウムヒドロキ
シド)0.5g〜2.8gを直接Parr社製テフロン(登
録商標)内筒を有するオートクレーブNo.4749
(内容積23ml)に移して、150℃で1〜5日間加
熱処理した。生成物を水洗・乾燥することにより、粉末
X線回折パターンにおけるdの回折面間隔が下記表5〜
12に記載されたものであることを特徴とする結晶ミク
ロポーラクアルカリ金属メタロシリケートが得られた。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】
【表11】
【0039】
【表12】
【0040】(表中、dは面間隔を表わす(単位はオン
グストローム)。また、相対強度をm=中位、s=強
い、vs=極めて強い、として表記した。)
【0041】
【発明の効果】本発明の結晶性ミクロポーラスアルカリ
金属シリケートの製造法は、層状ケイ酸塩の層間の2次
元空間に、たとえば、TRA(テトラアルキルアンモニ
ウム塩)などの層間作用剤を導入した後、加熱するだけ
で層状骨格を壊すことなく、ゼオライト等のミクロポー
ラス材料に転換できる点で、分子工学的な手法といえ
る。従来の水熱合成法では、大量の水が存在するため使
用できるTRAは水との相互作用や溶解度の関係から、
使用できる有機結晶化調整剤には限界がある。一方、層
状ケイ酸塩へのTRAの導入は2次元空間であるがため
により容易となる。本発明に係る新規な結晶性ミクロポ
ーラスアルカリ金属メタロシリケートは、規則的に配列
した分子レベルの細孔を有し、それが三次元的に繋がっ
た構造を有することから、分子ふるいとしての機能を有
するばかりでなく、分離吸着剤、固体酸触媒、イオン交
換剤材料として極めて有用な物質である。また、実際に
種々の酸化物クラスターや有機物架橋剤を導入し、層間
架橋することも可能である。更に、層間の末端シラノー
ル基同士を縮合させることでゼオライトのビルディング
ユニットを構築できるので、その中にゲストとなる原子
や分子を安定に閉じこめることができるだけではなく、
更に新規なゼオライトやメソポーラスシリケート等の高
機能多孔質材料が得られることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一般式(I)で表されるミクロポーラ
ス結晶の概念図を示すものである。
【図2】本発明で得られたFLS-1 及びFLS-2 の窒素脱・
吸着等温線である。
【図3】(a)はNa-Magadiiteの電子顕微鏡写真であ
り、(b)は本発明で得られたFLS-1 の電子顕微鏡写真
であり、(c)は本発明で得られたFLS-2 の電子顕微鏡
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 富士夫 宮城県仙台市宮城野区苦竹四丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所東北セ ンター内 (72)発明者 ファティ クーリー 宮城県仙台市宮城野区苦竹四丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所東北セ ンター内 (72)発明者 池田 卓史 宮城県仙台市宮城野区苦竹四丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所東北セ ンター内 Fターム(参考) 4G066 AA62B AA66A AB09A AB13A AB19A AE10B BA31 EA01 FA03 FA22 FA34 FA37 4G073 BA03 BA04 BA05 BA20 BA24 BA28 BA32 BA36 BA40 BA44 BA48 BA52 BA56 BA57 BA58 BA65 BB48 BB63 BB69 BD16 CA06 CB03 UA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が下記一般式(I) [(SiO2 1-x ・(T2/n O)x ・(TMA2 O)y ・(M2 O)z ・(H2 O)w ] (I) (式中、TMAはテトラアルキルアンモニウム陽イオ
    ン、Tは価数が2以上5以下の金属陽イオン、nはTで
    表される金属陽イオンの価数、MはNa、K、Liなど
    のアルカリ金属陽イオンを表し、xは0≦x≦1.0、
    yは0.05≦y≦0.2、zは0.02≦z≦0.2
    5、wは0≦w≦2.0の数である。)で表され、シリ
    ケート及びTからなる骨格構造を有し、かつ粉末X線回
    折パターンにおけるdの回折面間隔が少なくとも下記表
    1−1又は表1−2に記載されたものであることを特徴
    とする結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケ
    ート。 【表1】 【表2】 (表中、dは面間隔を表わす。また、m=中位相対強
    度、s=強い相対強度、vs=極めて強い相対強度を意
    味する。)
  2. 【請求項2】 ケイ素8員環以上の大きさの開口部を有
    する細孔を有することを特徴とする請求項1記載の結晶
    性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケート。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)中のTがB、Al、G
    a、Ti、Fe、V、Co、Sn、Zn、Mn、Ni、
    Cu及びCrから選ばれた少なくとも一種の金属陽イオ
    ンである請求項1記載の結晶性ミクロポーラスアルカリ
    金属メタロシリケート。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)中のxが0である請求
    項3記載の結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシ
    リケート。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)中のMがNaである請
    求項3記載の結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロ
    シリケート。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載の結晶性
    ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケートからなる
    分離吸着剤。
  7. 【請求項7】 結晶性層状アルカリ金属メタロシリケー
    トの層間に層間作用剤を含有させ、次いで加熱すること
    を特徴とする結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロ
    シリケートの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記加熱反応が水の不存在下で行われる
    ことを特徴とする請求項7記載の結晶性ミクロポーラス
    アルカリ金属メタロシリケートの製造方法。
  9. 【請求項9】 結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタ
    ロシリケートが、請求項1乃至5から選ばれた少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項6又は7記載の結
    晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケートの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 層間作用剤が、テトラメチルアンモニ
    ウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピル
    アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などの四
    級アルキルアンモニウム塩及びアミン類、ホスホニウム
    イオン(R4P+ :Rは水素、炭素数10以下のアルキ
    ル基あるいはアリール基)から選ばれた少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載
    の結晶性ミクロポーラスアルカリ金属メタロシリケート
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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