JPH1087319A - メソポア材料及びその製造方法 - Google Patents

メソポア材料及びその製造方法

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JPH1087319A
JPH1087319A JP8261472A JP26147296A JPH1087319A JP H1087319 A JPH1087319 A JP H1087319A JP 8261472 A JP8261472 A JP 8261472A JP 26147296 A JP26147296 A JP 26147296A JP H1087319 A JPH1087319 A JP H1087319A
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mesopore
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眞一 小形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きさが小さく揃った一次粒子よりなり,細
孔(メソポア)の細孔直径が均一で結晶性が高く,得よ
うとする一次粒子の大きさを任意に選択することがで
き,製造容易かつ製造コストが安価となる,メソポア材
料及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 細孔直径が2〜10nmの範囲にある細
孔(メソポア)10を有し,かつその長軸径が10nm
〜1μmの範囲にある一次粒子よりなり,上記細孔10
は,細孔分布曲線における最大ピークを示す細孔直径が
2〜10nmの範囲にあり,かつ全細孔10の75%以
上が上記細孔分布曲線における最大のピークを示す細孔
直径の−40〜+40%の範囲にある細孔直径を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,触媒等の担体,炭化水素等の吸
着材,酵素等の固定担体,機能物質等の合成場として使
用可能な細孔,即ちメソポアを有するメソポア材料及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,触媒等の担体,炭化水素等の吸着
材,酵素等の固定担体,機能物質等の合成場として使用
可能な細孔,即ちメソポアを有するメソポア材料が知ら
れている。上記メソポア材料は,細孔(メソポア)を多
量に有するサブミクロンオーダーの一次粒子が集合する
ことにより構成された物質である。
【0003】そして,上記メソポア材料を製造する際の
原料としては,珪素を含有する物質が一般に利用されて
いる。このような珪素を含有する物質としては,各種の
層状珪酸塩,または層状珪酸塩以外の各種の珪素含有物
質が,特開平8−067578において開示されてい
た。
【0004】上記層状珪酸塩としては,カネマイト,ジ
珪酸ナトリウム結晶,マカタイト,アイラーアイト,マ
ガディアイト,ケニヤアイト等が開示され,また層状珪
酸塩以外の珪素含有物質としては,粉末珪酸ソーダ,テ
トラエチルオルトシリケート,水ガラス,ガラス,無定
形珪酸ナトリウム,シリカ,シリカ−アルミナ,シリカ
とアルミナとの混合物質,シリカ酸化物,シリカ−金属
複合酸化物等が開示されていた。
【0005】ところで,上記メソポア材料の製造原料と
しては,シート状の層状珪酸塩を用いた方が,より細孔
直径が均一で結晶性の高い優れたメソポア材料を得易い
ことが従来より知られている。そして,このようなシー
ト状の層状珪酸塩としては,カネマイト,ジ珪酸ナトリ
ウム結晶,マカタイトの3種類が,曲折しやすい二酸化
珪素四面体シートからなる構造を有しているため,より
メソポア材料の製造原料に適している。
【0006】なお,細孔直径が均一で結晶性の高いメソ
ポア材料は,『選択的触媒反応』や『選択的吸着分離機
能』等の『形状選択性』という優れた性質を有する。な
お,上記『選択的触媒反応』とは,上記メソポア材料を
担体,合成場として用いた場合,上記細孔の径より小さ
いサイズの反応分子のみを選択的に反応させることがで
きること,あるいは細孔の径より小さいサイズの反応生
成物のみを生成させることができることを表している。
これにより,目的とする反応分子だけを反応させたり,
反応生成物だけを生成させたりすることができる。
【0007】また,上記『選択的吸着分離機能』とは,
上記メソポア材料にガスを吸着,脱離する,もしくはガ
スの固定を行う場合,上記細孔の細孔直径に対するガス
分子の大小に応じて,混合気体中の特定のガスのみを吸
着,脱離あるいは固定することができることを表してい
る。
【0008】このため,上記メソポア材料は,触媒反応
の触媒担体や吸着分離機能の吸着剤という利用法におい
て,細孔径が2nm〜10nmの範囲にある特定の大き
さのメソポアを均一に有するために,その細孔径より小
さい分子に対する形状選択性という優れた性能を発揮す
ることができる。
【0009】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記層状珪酸
塩より製造されたメソポア材料には,以下に示す問題が
ある。即ち,これら3種類の層状珪酸塩を構成する二酸
化珪素四面体シートの大きさは,即ちシート径は1μm
以上と大きい。このため,上記層状珪酸塩より製造され
たメソポア材料の一次粒子の長軸径は約2μm以上とな
り非常に大きい。更に,上記シートの大きさが揃った天
然産の層状珪酸塩は汎用性が低く,入手に制約がある。
【0010】上記層状珪酸塩として,天然産ではなく,
水ガラスから人工合成されたカネマイトやジ珪酸ナトリ
ウム結晶を使用することがより一般的である。しかし,
人工合成された層状珪酸塩の二酸化珪素四面体シート
は,その大きさが不揃いであるため,一次粒子の大きさ
が揃ったメソポア材料を得ることが難しく,上記層状珪
酸塩から得られたメソポア材料の一次粒子の長軸径は1
0nm〜5μm(透過型電子顕微鏡写真観察による)と
広範囲に散らばっている。
【0011】更に,人工合成された層状珪酸塩において
も,その二酸化珪素四面体シートの大きさは1μm以上
と大きい。以上の点で,従来のメソポア材料は大きく不
揃いな一次粒子より構成されていることが多く,各粒子
間で細孔内表面積と粒子外表面積の割合が不均一であ
り,かつ細孔の長さが不均一となるために,触媒担体や
吸着剤という利用分野での使用において安定した作用を
充分に発揮するものを得難かった。
【0012】更に,上記層状珪酸塩よりなるメソポア材
料は,一次粒子の大きさが不揃いとなりやすいため,細
孔の均一性が低下しやすく,結晶性の低いメソポア材料
となりやすかった。
【0013】また,上記3種類の層状珪酸塩よりメソポ
ア材料を製造する際,層状珪酸塩を加水分解し,層状珪
酸塩を細分化することも考えられる。この操作によれ
ば,層状珪酸塩のシート径が大きくとも,より小さく,
大きさの揃った一次粒子が得られると考えられる。しか
しながら,上記3種類の層状珪酸塩の水への分散液のp
Hは11以上となるため,上記層状珪酸塩を加水分解す
るためには,分散液に更にアルカリを加え,特殊な反応
装置を使用する必要がある。このため,上記層状珪酸塩
を使用したメソポア材料の製造は難しく,製造コストが
高い。
【0014】以上により,従来の層状珪酸塩より製造さ
れるメソポア材料において,細孔直径が均一で結晶性が
高く,更に一次粒子の大きさが小さくかつ揃ったものを
簡単に合成することは困難であった。
【0015】また,一次粒子の大きさがより小さいもの
には,一定重量のなかに短い細孔がより数多く存在する
こと,即ち細孔の入口の数がより多くまた中に入った分
子がすぐに出られる細孔の長さを利用した触媒担体や吸
着剤という利用分野があり,一方,一次粒子の大きさが
より大きいものには,一定重量の中に長い細孔がより少
なく存在すること,即ち細孔の入口の数がより少なく,
また中に入った分子が外に出るのに時間をより要する長
い細孔の存在を利用した触媒担体や吸着剤という利用分
野があると考えられるが,目的に応じた大きさの一次粒
子よりなるメソポア材料を製造する方法についてはこれ
までに開示されていない。
【0016】本発明は,かかる問題点に鑑み,大きさが
小さく揃った一次粒子よりなり,細孔(メソポア)の細
孔直径が均一で結晶性が高く,得ようとする一次粒子の
大きさを任意に選択することができ,製造容易かつ製造
コストが安価となる,メソポア材料及びその製造方法を
提供しようとするものである。
【0017】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,細孔直径が2〜
10nmの範囲にある細孔(メソポア)を有し,かつそ
の長軸径が10nm〜1μmの範囲にある一次粒子より
なるメソポア材料であって,上記細孔は,細孔分布曲線
における最大ピークを示す細孔直径が2〜10nmの範
囲にあり,かつ全細孔の75%以上が上記細孔分布曲線
における最大のピークを示す細孔直径の−40〜+40
%の範囲にある細孔直径を有することを特徴とするメソ
ポア材料にある。
【0018】本発明のメソポア材料は,細孔(メソポ
ア)を多量に有するサブミクロンオーダーの一次粒子が
集合することにより構成されている。上記長軸径が10
nm未満である場合には,細孔径が2nm〜10nmで
あるので,一次粒子内に充分な数の細孔が存在できない
ので,多孔体となれないおそれがある。一方,上記長軸
径が1μmを越えた場合には,最も小さな一次粒子の長
軸径との間の差が開き,一次粒子の大きさが不揃いとな
るおそれがある。
【0019】上記細孔直径が2nm未満である場合に
は,細孔径が小さすぎて,メソポア材料ではなく,ミク
ロポア材料の領域に入るという問題が生じるおそれがあ
る。一方,上記細孔直径が10nmを越えた場合には,
最も小さな細孔直径との間の差が開き,細孔の均一性と
結晶性が低下するおそれがある。
【0020】更に,全細孔の75%以上の細孔直径が上
記細孔分布曲線における最大のピークを示す細孔直径の
−40〜+40%の範囲にない場合には,細孔の均一性
と結晶性が低下するおそれがある。
【0021】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明のメソポア材料においては,その細孔直径及び一次
粒子の長軸径が上記特定の範囲内にあり,また,全細孔
の75%以上の細孔直径が上述の条件を満たす。そのた
め,本発明にかかるメソポア材料は小さく,大きさの揃
った一次粒子よりなる。このため,特に従来のメソポア
材料と比べて,各一次粒子における(粒子外表面積/細
孔内表面積)の比が大となる(実施形態例10参照)。
【0022】このため,担持触媒が細孔を閉塞する場合
でも,上記メソポア材料の広い表面積を触媒反応に有効
に利用できること,及び一定重量のなかに反応場又は吸
着場である細孔がより数多く存在するという効果を得る
ことができる。また,一次粒子の大きさが小さいため,
細孔の長さがより短くなり,細孔内に入った分子がすぐ
に外へ出られるという効果を得ることができる。
【0023】更に,一次粒子の大きさが揃っているた
め,(粒子外表面積/細孔内表面積)の比が,各一次粒
子の間でほぼ一定となる。このため,粒子外表面及び細
孔内表面による触媒反応や吸着反応の割合を,各一次粒
子間でほぼ一定とすることができるので,全体として反
応を安定に行うことができる。更に,一次粒子の大きさ
が揃っているため,一次粒子の凝集による二次粒子の生
成を防止することができる。そのため,本発明にかかる
メソポア材料は有機溶媒に対する分散性に優れ(実施形
態例13参照),有機溶媒中での一次粒子の会合の割合
の程度が低いために,気相反応のみでなく液相反応にお
いても,触媒担体や吸着剤として優れた作用を発揮する
という新たな産業上の利用法を獲得することができる。
【0024】更に,本発明にかかるメソポア材料は細孔
直径の均一性に優れ,結晶性が高い。そのため,本発明
のメソポア材料は耐熱性が高く,また『選択的触媒反
応』や『選択的吸着分離機能』等の『形状選択性』とい
う優れた性質を有し,高温での触媒反応や吸着反応に用
いることができるという効果,及び細孔直径の均一性が
高いことに基づく,より高い形状選択性という効果を得
ることができる。
【0025】以上のように,本発明によれば,大きさが
小さく揃った一次粒子よりなり,細孔(メソポア)の細
孔直径が均一で結晶性が高い,メソポア材料を提供する
ことができる。
【0026】また,本発明にかかるメソポア材料は,後
述するごとく粘土鉱物より作成した層状珪酸を利用して
製造することができ,その際,上記層状珪酸の加水分解
を促進することにより製造することができる。即ち,層
状珪酸に対するアルカリ金属化合物の濃度をより濃く,
反応温度を高く,反応時間をより長くすることにより製
造することができる。
【0027】次に,請求項2の発明は,細孔直径が2〜
10nmの範囲にある細孔(メソポア)を有し,かつそ
の長軸径が50nm〜2μmの範囲にある一次粒子より
なるメソポア材料であって,上記細孔は,細孔分布曲線
における最大ピークを示す細孔直径が2〜10nmの範
囲にあり,かつ全細孔の60%以上が上記細孔分布曲線
における最大のピークを示す細孔直径の−40〜+40
%の範囲にある細孔直径を有することを特徴とするメソ
ポア材料にある。
【0028】本発明のメソポア材料についても,請求項
1において示したメソポア材料と同様に,大きさが小さ
く揃った一次粒子よりなり,細孔直径が均一で結晶性が
高く,同様の作用効果を有する
【0029】なお,上記一次粒子の長軸径が50nm未
満である場合には,最も大きな一次粒子の長軸径との間
の差が開き,一次粒子の大きさが不揃いとなるおそれが
ある。一方,上記一次粒子の長軸径が2μmを越えた場
合には,最も小さな一次粒子の長軸径との間の差が開
き,一次粒子の大きさが不揃いとなるおそれがある。そ
の他は,請求項1と同様である。
【0030】また,請求項2にかかるメソポア材料は,
後述するごとく,後述するごとく粘土鉱物より作成した
層状珪酸を利用して製造することができ,その際,上記
層状珪酸の加水分解を抑制することにより製造すること
ができる。即ち,層状珪酸に対するアルカリ金属化合物
の濃度をより薄く,反応温度を低く,反応時間をより短
くすることにより製造することができる。
【0031】次に,請求項3の発明によれば,粘土鉱物
に酸を作用させて層状珪酸となし,次いで上記層状珪酸
に対しアルカリ金属化合物を作用させて層状珪酸塩とな
し,次いで上記層状珪酸塩に界面活性剤を作用させて,
珪酸塩三次元構造体を形成すると共に,その内部に界面
活性剤を包含した縮合体となし,次いで上記縮合体から
界面活性剤を除去することを特徴とするメソポア材料の
製造方法にある。
【0032】本発明の製造方法においては,メソポア材
料を製造する原料として粘土鉱物より製造した層状珪酸
を用いる。上記層状珪酸とは,後述の図1に示すごと
く,二酸化珪素四面体シートよりなる物質で,粘土鉱物
を酸処理することにより得ることができる。そして,上
記層状珪酸は原料となった粘土鉱物に存在する二酸化珪
素四面体シートの形骸が残留した状態にある。
【0033】更に上記層状珪酸はその骨格を保持したま
ま,アルカリ金属化合物の作用により層状珪酸塩とな
る。更に界面活性剤の作用により,上記層状珪酸塩は縮
合体となるが,後述の図1に示すごとく,この縮合体は
上記層状珪酸塩と該層状珪酸塩の各二酸化珪素四面体シ
ートの層間に包含された界面活性剤とよりなり,元にな
った層状珪酸塩の状態を反映した構造,大きさを採る。
そして,本発明においては,後述の図1に示すごとく,
上記縮合体より最終的な生成物であるメソポア材料を得
る。
【0034】また,上記粘土鉱物は天然に多くの種類が
存在し,またその構造も多様である。そして,これら多
様な粘土鉱物のいずれにおいても,酸処理により本発明
にかかる層状珪酸を得ることができる。そのため,異な
る粘土鉱物を原料として使用することにより,容易に異
なる構造の層状珪酸を得ることができる。
【0035】従って,本発明によれば,出発原料となる
粘土鉱物の種類に応じたメソポア材料を得ることがで
き,かつ該粘土鉱物を選択することにより,所望の大き
さの一次粒子よりなる多様なメソポア材料を製造するこ
とができる。
【0036】また,本発明の製造方法においては,層状
珪酸に対してアルカリ金属化合物を作用させ,層状珪酸
塩となす。上記層状珪酸塩を製造する際の条件如何によ
っては,該層状珪酸に対し加水分解を引き起こすこと
も,これを抑制することもできる。加水分解が生じた場
合には,請求項1に示すような,一次粒子の大きさが小
さくかつ揃っており,また細孔の細孔直径の均一性が高
く,結晶性に非常に優れたメソポア材料を得ることがで
きる。
【0037】一方,加水分解が抑制された場合には,請
求項2に示すような,一次粒子の大きさが小さくかつ揃
い,細孔の均一性と結晶性の高いメソポア材料を得るこ
とができる。なお,請求項1にかかるメソポア材料は,
触媒担体や吸着剤等として使用することができ,短い細
孔に基づく触媒能や吸着能以外に会合性が低いので液相
反応でも高い触媒活性を示すことや,細孔直径より大き
い触媒を担持しても高表面積を保持できるという優れた
性質を発揮する。
【0038】また,請求項2にかかるメソポア材料は,
触媒担体や吸着剤等として使用することができ,上記請
求項1のメソポア材料より長く,しかし従来のカネマイ
トが合成されたメソポア材料より短い細孔を提供して,
触媒反応や吸着の程度を中位に発揮させるという優れた
性質を発揮する。本発明によれば,このように任意のメ
ソポア材料を得ることができる。
【0039】また,本発明の製造方法の詳細については
後述するが,いずれの操作も難易度の低い操作であり,
かつ一般的な装置によって達成することができる。従っ
て,本発明は製造容易である。また,特殊なことをする
必要がないため,製造コストも安価である。
【0040】以上のように,本発明によれば,得ようと
する一次粒子の大きさを任意に選択することができ,製
造容易かつ製造コストが安価となる,メソポア材料及び
その製造方法を提供することができる。
【0041】以下に,上記製造方法について詳細に説明
する。上記粘土鉱物の酸処理で得られる層状珪酸として
は,結晶学的な規則性の存在しない層状珪酸と,結晶学
的な規則性を有する層状珪酸とがある。本発明において
は,両者共に用いることができる。なお,これらの層状
珪酸は,粘土鉱物中における二酸化珪素四面体シートの
形骸を残留して多様なシート形状をとる。
【0042】上記粘土鉱物としては,特に限定はない
が,例えば,二酸化珪素四面体シートと他の金属酸化物
の八面体シートとの1:1層又は2:1層構造を有する
粘土鉱物を使用することができる。そして,このような
粘土鉱物としては,次の3種類のものを使用することが
できる。
【0043】その1としては,反転がない二酸化珪素四
面体シートの1:1層構造を有する粘土鉱物である,A
lの八面体シートを有するカオリナイト,ディッカイ
ト,ナクライト,ハロイサイト等,Mgの八面体シート
を有するクリソタイルとリザーダイト等を挙げることが
できる。
【0044】その2としては,反転がない二酸化珪素四
面体シートの2:1層構造を有する粘土鉱物である,A
lの八面体シートを有するパイロフィライト,白雲母,
モンモリロナイト,バイデライト,2八面体型バーミキ
ュライト等,Mgの八面体シートを有するタルク,金雲
母,サポナイト,ヘクトライト,Mgバーミキュライト
等,Feの八面体シートを有する3八面体型バーミキュ
ライト,ノントロナイト等を挙げることができる。
【0045】その3としては,反転がある二酸化珪素四
面体シートからなる粘土鉱物である,Mgの八面体シー
トと2:1層構造をとるセピオライト,パリゴルスカイ
ト,及びMgの八面体シートと1:1層構造をとるアン
チゴライト等を挙げることができる。
【0046】なお,上記二酸化珪素四面体シートにおけ
る『反転がない』という形容は,二酸化珪素四面体シー
トにおける四面体の頂点の向きが一方向に揃い,二酸化
珪素四面体シートの表面の極性分布が裏,表で異なる状
態にあることを意味している。また,『反転がある』と
は,これとは逆に四面体の頂点が,隣接する四面体にお
いて交互に表向き,裏向きとなった状態等を呈し,二酸
化珪素四面体シートの表面の極性分布が全体として均一
の状態にあることを意味している。
【0047】上記酸処理において使用する酸は,反応の
結果生成するアルミニウム塩やマグネシウム塩を後処理
工程でとることができる程に,水に対する溶解度が大き
いものを用いることが好ましい。具体的には,塩酸,硫
酸,硝酸,燐酸等及びそれらの混合物の水溶液等を使用
することができる。また,この酸の濃度は,特に限定す
るものではないが,3N(規定)以上のものを用いた場
合に,反応速度が速くなるので好ましい。また,この酸
処理に用いる酸の量は,粘土鉱物100gに対して少な
くとも2mol以上の酸が溶解した前述の酸の水溶液で
あることが好ましい。
【0048】また,上記酸処理は常圧条件,加圧条件の
いずれにおいても行うことができる。常圧条件下での酸
処理の方法としては,これらの酸水溶液に粘土鉱物を浸
漬して常圧条件下に冷却濃縮器を備えた反応装置中で加
熱・攪拌することが好ましい。また,加圧条件下での酸
処理の方法としては,これらの酸水溶液に粘土鉱物を浸
漬して加圧条件下で加熱・攪拌することが好ましい。反
応終了後に,反応混合物を1Nの塩酸と水で十分に洗浄
して,凍結乾燥により層状珪酸を得ることが好ましい。
【0049】次に,上記粘土鉱物から得られた層状珪酸
にアルカリ金属化合物を作用させて,層状珪酸塩となす
工程について説明する。上記工程は,層状珪酸のシラノ
ール基のプロトンをアルカリ金属陽イオンと交換し,層
状珪酸塩を作成する工程である。この際に,副反応とし
て二酸化珪素四面体シートのアルカリ加水分解が生じる
ので,ある程度小さな断片となった層状珪酸塩が得られ
る。このような二酸化珪素四面体シートのアルカリ加水
分解は,層状珪酸塩では生じにくい。
【0050】また,ここで用いるアルカリ金属化合物
は,反応の結果生成するアルカリ金属化合物の陰イオン
部とプロトンとから成る化合物の酸性が十分に低いこと
が好ましい。具体的には,アルカリ金属の水酸化物,炭
酸塩,炭酸水素塩及び酢酸塩等を挙げることができる。
【0051】上記副反応の程度は,アルカリ金属化合物
との反応条件の選択により制御できるので,最終的に得
られるメソポア材料の一次粒子の大きさを任意に選択す
るための手段として利用することが可能である。また,
得られるメソポア材料の一次粒子の大きさは,用いる層
状珪酸の種類にも依存する。
【0052】上記層状珪酸とアルカリ金属化合物との反
応で,帯状の粘土鉱物の形骸を残留する層状珪酸を用い
る,または上記アルカリ金属化合物との反応条件をより
厳しくすることにより(例えば,アルカリ金属化合物の
濃度を高め,より高い温度,より長時間において反応さ
せる等),大きさの揃った小さな断片の層状珪酸塩を調
製することができる。これにより,最終的に得られるメ
ソポア材料の一次粒子の大きさを小さくすることがで
き,更にメソポア材料の細孔径を均一性,結晶性を従来
以上に高くすることができる。
【0053】請求項1にかかるメソポア材料を製造する
ためには,以下に示すごとく,上記アルカリ金属化合物
との反応を行うことが好ましい。まず,層状珪酸の二酸
化珪素骨格の加水分解を促進して小さな断片の層状珪酸
塩を調製することが好ましい。そして,アルカリ金属化
合物の濃度を1N以上にすること,珪素原子に対するア
ルカリ金属イオンの割合を0.3〜3mol/molに
すること,反応温度を室温以上100℃以下の温度にす
ること,反応時間を30分間以上にすること等が好まし
い。
【0054】更に,帯幅が200nm以下である帯状の
層状珪酸を用いることが特に好ましい。このような層状
珪酸としては,セピオライトやクリソタイル等の酸処理
で得られる層状珪酸を挙げることができる。これによ
り,請求項1に示すごとく,一次粒子の大きさが小さ
く,かつ揃っており,また細孔の細孔直径が均一で,結
晶性の高い優れたメソポア材料を得ることができる。
【0055】一方,請求項2にかかるメソポア材料を製
造するためには,以下に示すごとく,上記アルカリ金属
化合物との反応を行うことが好ましい。まず,層状珪酸
の二酸化珪素骨格の加水分解を抑制することが好まし
い。そして,アルカリ金属化合物の濃度を1N以下にす
ること,珪素原子に対するアルカリ金属イオンの割合を
0.1〜1.2mol/molにすること,反応温度を
室温以下の温度とすること,反応時間を30分間以内に
すること等が好ましい。
【0056】また,二酸化珪素四面体シートのシート直
径が3μm以上である層状珪酸を用いることが特に好ま
しい。このような層状珪酸としては,バーミキュライト
やカオリナイト等の酸処理で得られる層状珪酸を挙げる
ことができる。これにより,請求項2に示すごとく,一
次粒子の大きさが小さく,かつ揃った,優れたメソポア
材料を得ることができる。
【0057】次に,層状珪酸塩に界面活性剤を作用させ
縮合体となし,その縮合体より界面活性剤を除去する工
程について説明する。まず,上記工程においては,層状
珪酸塩の水分散液に,界面活性剤が溶解した水溶液を混
合して,温度を50℃以上とすることにより,層状珪酸
塩と界面活性剤との縮合体を形成する。
【0058】上記界面活性剤の水溶液の濃度は,0.0
1〜1M(mol/リットル)であることが好ましい。
また,層状珪酸塩の分散量は,濃度0.02Mの界面活
性剤水溶液1000mリットルに対して,8〜200g
が好ましい。また,この工程において,層状珪酸塩と界
面活性剤を含有する水溶液(分散液)を加熱すること
は,界面活性剤の層状珪酸塩中への導入が促進されるの
で好ましい。そして,上記水溶液(分散液)の加熱温度
は40〜100℃であることが好ましい。
【0059】上記界面活性剤としては,例えばアルキル
トリメチルアンモニウム,ジメチルジアルキルアンモニ
ウム,アルキルアンモニウム,ベンジルトリメチルアン
モニウム等の,末端にアンモニウム基を有する物質を使
用することができる。あるいは,末端にスルホン酸基
(−SO3 H),カルボキシル基(−CO2 H),燐酸
基(−O−PO3 H)等を有する化合物のグループより
選ばれる少なくとも一種を使用することができる。
【0060】また,上記水溶液(分散液)のpHを10
未満かつ温度を50℃以上とすることが好ましい。これ
により,後述の図1に示すごとく,層状珪酸塩の隣接す
る層の表面に存在するシラノール基の脱水縮合が生じ
て,各層が互いに部分的に結合することができる。これ
により,後述の図1に示すごとく,上記層状珪酸塩は珪
酸塩よりなる三次元構造体(ハニカム構造体)を形成
し,該三次元構造体の内部(ハニカム構造体の空孔部)
に界面活性剤が包含された縮合体となる。
【0061】上記分散液のpHは,6〜8.5の範囲に
保持することが一層好ましい。分散液の温度を50℃以
上に保持することにより,上記シラノール基の脱水縮合
を一層促進することができる。また,この分散液の熟成
は,分散液のpHを調製し,pHが安定するまで行うこ
とが好ましく,温度を50℃以上に保持する場合には,
2時間以上保持することが好ましい。
【0062】最後に,後述の図1に示すごとく,得られ
た縮合体より界面活性剤を除去する。この除去により,
上記三次元構造体が本発明にかかるメソポア材料,そし
て界面活性剤の除去された後の空孔部が細孔(メソポ
ア)となる。
【0063】上記界面活性剤の除去方法としては,焼成
あるいはイオン交換による方法を挙げることができる。
上記焼成法においては,上記縮合体中の界面活性剤が,
燃焼により分解除去される。その際の焼成温度は500
〜1000℃であることが好ましい。
【0064】一方,イオン交換法では,上記縮合体中の
界面活性剤を水素イオンとイオン交換して除去する。な
お,界面活性剤が除去されて生じる空孔部(細孔)内に
は水素イオンが残存するが,水素イオンのイオン半径は
0.1nm以下で,空孔部の大きさと比較して十分に小
さい。従って,上記水素イオンによる空孔部の閉塞とい
う問題は生じない。
【0065】なお,層状珪酸塩の水分散液に界面活性剤
の水溶液を混合して,層状珪酸塩と界面活性剤との縮合
体を形成させた後に,水溶成分を除去する工程を加える
こともできる。この工程により,層状珪酸塩から珪酸イ
オンとなって溶出した一部の水溶成分を除去することが
できる。なお,上記水溶成分は,中性付近のpHで不定
形シリカゲルとなって析出する成分である。
【0066】この水溶成分除去工程は,層状珪酸塩と界
面活性剤との縮合体を形成させた後に,その水溶液(分
散液)より固形分を分離して行うことができる。具体的
には,分離した固形分を蒸留水に再び分散して,分散液
とする。その後,上記分散液のpHを10未満かつ温度
を50℃以上として,上記縮合体を形成する。更に,上
記固形分の分離は,濾過,遠心分離等により行うことが
できる。この水溶成分除去工程を行うことにより,メソ
ポア材料の結晶性をより高めることができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるメソポア材料及びその製造
方法につき,図1を用いて説明する。図1に示すごと
く,本例のメソポア材料1は,細孔直径が2〜10nm
の範囲にある細孔(メソポア)10を有し,かつその長
軸径が10nm〜1μmの範囲にある一次粒子よりなる
メソポア材料である。そして,上記細孔10は,細孔分
布曲線における最大ピークを示す細孔直径が2〜10n
mの範囲にあり,かつ全細孔の75%以上が上記細孔分
布曲線における最大のピークを示す細孔直径の−40〜
+40%の範囲にある細孔直径を有する。
【0068】上記メソポア材料1は,以下に示す方法に
より製造する。図1に示すごとく,粘土鉱物に酸を作用
させて層状珪酸となし,次いで上記層状珪酸に対しアル
カリ金属化合物を作用させて層状珪酸塩11となす。次
いで,上記層状珪酸塩11に界面活性剤15を作用させ
て,ハニカム状の珪酸塩三次元構造体14を形成すると
共に,その内部に界面活性剤15を包含した縮合体13
となす。なお,上記三次元構造体14は多数の空孔部1
40を有し,該空孔部140内に,上記界面活性剤15
は棒状のミセル150を形成する。次いで,上記縮合体
13から界面活性剤15を除去する。以上により,三次
元構造体14はメソポア材料1となり,上記空孔部14
0は細孔10となる。
【0069】本例において,上記粘土鉱物としては,反
転がある二酸化珪素四面体シートとマグネシウム酸化物
の八面体シートとの2:1層構造,かつ帯状形態を有す
る粘土鉱物であるセピオライトを使用した。また,上記
アルカリ金属化合物としては,NaOH水溶液を使用し
た。更に,上記界面活性剤としては,セチルトリメチル
アンモニウム・クロライド(CTMA−Cl)を使用し
た。
【0070】次に,上記メソポア材料及びその製造方法
につき詳細に説明する。まず,上記粘土鉱物であるセピ
オライトに常圧下で酸を作用させて,セピオライト中の
珪酸塩の帯状形骸が残留する層状珪酸を製造した。上記
セピオライトとしては,トルコ産のβ−セピオライトを
ジョークラッシャーを用いて粗粉砕した後,更に10m
m径の鋼製ボールを用いたボールミルで粉砕して平均粒
径10μmとしたものを用いた。
【0071】上記粉砕されたセピオライト250gと3
N塩酸2000mリットルとを,冷却管を備えた2リッ
トルのセパラブル・フラスコにとり,水浴温度90℃で
10時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。上記フラスコの内容物を熱時濾過により濾別,得ら
れた固形生成物を,約70〜90℃の温1.2N塩酸1
000mリットル及び温イオン交換水2000mリット
ルを用いて,ロート上で洗浄した。
【0072】洗浄の済んだ固形生成物と1N塩酸200
0mリットルとを,冷却管を備えた2リットルのセパラ
ブル・フラスコにとり,水浴温度90℃で1時間,攪拌
モータで攪拌しながら水浴中で加熱した。加熱後,上記
フラスコの内容物より濾別した固形生成物をロート上で
温イオン交換水10000mリットルを用いて洗浄,8
0℃,3日間真空乾燥することにより粗生成物115.
4gを得た。なお,上記粗生成物は不純物であるフミン
酸を含有している。
【0073】次に,フミン酸を除去するために,上記粗
生成物110gと30%過酸化水素水600mリットル
とを,冷却管を備えた2リットルのセパラブル・フラス
コにとり,水浴温度90℃で4時間,攪拌モータで攪拌
しながら水浴中で加熱した。フラスコの内容物より熱時
濾過により濾別した固形生成物を,約70〜90℃の温
イオン交換水2000mリットルを用いて,ロート上で
洗浄した。
【0074】洗浄の済んだ固形生成物とイオン交換水2
000mリットルとを,冷却管を備えた2リットルのセ
パラブル・フラスコにとり,水浴温度90℃で1時間,
攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱した。上記フラ
スコの内容物より濾別した固形生成物を洗浄した。同じ
加熱洗浄操作を,1N塩酸1000mリットルを用いて
繰り返した。最終的に濾別した固形生成物を,80℃,
3日間真空乾燥することにより生成物105.3gを得
た。この生成物をNS−1aと呼ぶ。
【0075】上記生成物NS−1aは,元素分析の結果
から珪素を主体とする珪酸であること,透過型電子顕微
鏡写真観察からセピオライト中の珪酸塩の帯状形骸が残
留する帯状形態の層状珪酸であることが分かった。
【0076】次に,上記帯状形態の層状珪酸NS−1a
に,アルカリ金属化合物であるNaOH水溶液を作用さ
せる。この時,層状珪酸中のSi原子とNaOH水溶液
中のNaイオンとの間には,モル比Na/Si=約0.
3(mol/mol)の関係がある。
【0077】上記層状珪酸NS−1a,10gとイオン
交換水200mリットルとを1リットルのプラスチック
製ビーカにとり,水浴温度95℃で,攪拌モータで攪拌
しながら水浴中で加熱した。上記ビーカの中へ,1Nの
NaOH温水溶液50mリットルを加え,分散液の温度
を約70℃に保ちながら30分間,攪拌モータで攪拌し
ながら水浴中で加熱した。なお,この時の分散液のpH
は10.7〜10.2であった。
【0078】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液の温度を約70℃に保ちな
がら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。
【0079】上記分散液に,更に2NのHClを滴下し
て加えてpH8.5として,その分散液の温度を約70
℃に保ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。上記ビーカの内容物より熱時濾過にて濾
別した固形生成物を,約70〜90℃の温イオン交換水
2000mリットルを用いて,ロート上で洗浄した後,
110℃で一晩真空乾燥した。得られた固形生成物を,
空気中で650℃,4時間焼成することによりメソポア
材料6.8gを得た。このメソポア材料をFS−1と呼
ぶ。
【0080】上記メソポア材料FS−1のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および12参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0081】以上により,本発明にかかるメソポア材料
は,大きさが小さく揃った一次粒子よりなり,細孔(メ
ソポア)の細孔直径が均一で結晶性が高いことが分かっ
た。このため,本例にかかるメソポア材料は,触媒担体
や吸着剤という利用分野において好適な材料であること
が分かった。また,本発明にかかる製造方法は,特殊な
操作,装置を必要としないため,製造容易かつ製造コス
トが安価となることが分かった。
【0082】実施形態例2 本例においては,実施形態例1において作成した帯状の
層状珪酸NS−1aをNaOH水溶液と70℃,30分
間反応させて製造した,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあるメソポア材料及びその製造方法につ
き説明する。ただし,層状珪酸中のSi原子とNaOH
水溶液中のNaイオンとの間には,モル比Na/Si=
約1.0(mol/mol)の関係がある。
【0083】実施形態例1と同様の製造方法を利用し
て,1NのNaOH温水溶液150mリットルを用い
て,層状珪酸NS−1a,10gよりメソポア材料6.
5gを得た。このメソポア材料をFS−2と呼ぶ。な
お,1NのNaOH水溶液150mリットルを加えた層
状珪酸分散液のpHは約12であった。
【0084】上記メソポア材料FS−2のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および12参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0085】実施形態例3 本例は,反転がない二酸化珪素四面体シートとマグネシ
ウム酸化物の八面体シートとの1:1層構造,かつ管状
形態を有する粘土鉱物であるクリソタイルに常圧下で酸
を作用させ,該クリソタイル中の珪酸塩の管状形骸が残
留した層状珪酸を製造し,この層状珪酸を用いてメソポ
ア材料を製造する方法及びこのメソポア材料につき説明
する。
【0086】上記クリソタイルとして,ユニオン・カー
バイド(UnionCarbide)社製のカリドリア
・アスベストス(CalidriaAsbestos)
H.P.P.を用いた。乳鉢で粉砕した上記クリソタイ
ル200gと3N塩酸2000mリットルとを,冷却管
を備えた2リットルのセパラブル・フラスコにとり,水
浴温度90℃で4時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。
【0087】上記フラスコの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温1N塩
酸1000mリットル及び温イオン交換水2000mリ
ットルを用いて,ロート上で洗浄した。洗浄の済んだ固
形生成物と1N塩酸1200mリットルとを,冷却管を
備えた2リットルのセパラブル・フラスコにとり,水浴
温度90℃で1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中
で加熱した。上記フラスコの内容物より濾別した固形生
成物をロート上で温イオン交換水2000mリットルを
用いて洗浄した。洗浄の済んだ上記固形生成物に凍結乾
燥を施し,生成物84.5gを得た。この生成物をNC
−3aと呼ぶ。
【0088】上記生成物NC−3aは,元素分析の結果
から珪素を主体とする珪酸であること,透過型電子顕微
鏡写真観察からクリソタイル中の珪酸塩の形骸が残留す
る管状の珪酸であることが分かった。
【0089】次に,上記管状の層状珪酸NC−3aに,
NaOH水溶液を作用させる。この時,層状珪酸中のS
i原子とNaOH水溶液中のNaイオンとの間には,モ
ル比Na/Si=約2.0(mol/mol)の関係が
ある。上記層状珪酸NC−3a,10gとイオン交換水
200mリットルとを1リットルのプラスチック製ビー
カにとり,水浴温度95℃で,攪拌モータで攪拌しなが
ら水浴中で加熱した。上記ビーカの中へ,1NのNaO
H温水溶液300mリットルを加え,分散液の温度を約
70℃に保ちながら30分間,攪拌モータで攪拌しなが
ら水浴中で加熱した。なお,この時に分散液のpHは,
11.7〜11.3であった。
【0090】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液の温度を約70℃に保ちな
がら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。
【0091】上記分散液に,更に2NのHClを滴下し
て加えてpH8.5として,その分散液の温度を約70
℃に保ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。上記ビーカの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温イオン
交換水2000mリットルを用いて,ロート上で洗浄し
た。洗浄の済んだ固形生成物を,110℃で一晩真空乾
燥した。得られた固形生成物を,空気中で650℃,4
時間焼成することによりメソポア材料8.4gを得た。
このメソポア材料をFC−3と呼ぶ。
【0092】上記メソポア材料FC−3のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および12参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0093】実施形態例4 本例においては,実施形態例3において作成した管状の
層状珪酸NC−3aをNaOH水溶液と室温で30分間
反応させて,一次粒子の長軸径が10nm〜1μmの範
囲にあるメソポア材料を製造する方法及びこのメソポア
材料につき説明する。ただし,上記層状珪酸中のSi原
子とNaOH水溶液中のNaイオンとの間には,モル比
Na/Si=約2.0(mol/mol)の関係があ
る。
【0094】上記層状珪酸NC−3a,10gとイオン
交換水200mリットルとを1リットルのプラスチック
製ビーカにとり,室温で攪拌モータで攪拌した。上記ビ
ーカの中へ,1NのNaOH水溶液300mリットルを
加えて,室温で30分間攪拌モータで攪拌した。なお,
この時に分散液のpHは,12.2(27℃)であっ
た。
【0095】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液を含むビーカを90℃に保
った水浴中に浸した。そして,上記分散液の温度を約7
0℃に保ちながら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水
浴中で加熱した。更に,上記分散液に,2NのHClを
滴下してpH8.5とした。
【0096】次いで,上記分散液の温度を約70℃に保
ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加
熱した。上記分散液を熱時濾過により濾別,得られた固
形生成物を,約70〜90℃の温イオン交換水2000
mリットルを用いて,ロート上で洗浄した。洗浄の済ん
だ上記固形生成物を,110℃で一晩真空乾燥した。上
記固形生成物を,空気中で650℃,4時間焼成するこ
とによりメソポア材料8.4gを得た。このメソポア材
料をFC−4と呼ぶ。
【0097】上記メソポア材料をFC−4のX線回折パ
ターン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の
実施形態例8および12参照),これが細孔の均一性に
優れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポ
ア材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm
〜1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが
分かった。
【0098】実施形態例5 本例は,反転がない二酸化珪素四面体シートとマグネシ
ウム酸化物の八面体シートとの2:1層構造,小さなシ
ート状形態を有する粘土鉱物であるヘクトライトに常圧
下で酸を作用させ,該ヘクトライト中の珪酸塩のシート
状形骸が残留する層状珪酸を製造し,この層状珪酸塩を
用いてメソポア材料を製造する方法及びこのメソポア材
料につき説明する。
【0099】上記ヘクトライトとして,米国粘土学会の
標準試料を用いた。上記ヘクトライト200.5gと3
Nの塩酸1600mリットルとを,冷却管を備えた2リ
ットルのセパラブル・フラスコにとり,水浴温度30℃
で0.5時間,更に水浴温度90℃で4時間,攪拌モー
タで攪拌しながら水浴中で加熱した。
【0100】上記フラスコの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温1N塩
酸1000mリットル及び温イオン交換水2000mリ
ットルを用いて,ロート上で洗浄した。洗浄の済んだ固
形生成物と1Nの塩酸1600mリットルとを,冷却管
を備えた2リットルのセパラブル・フラスコにとり,水
浴温度90℃で1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。その後,上記フラスコの内容物を濾別,
得られた固形生成物をロート上で温イオン交換水300
0mリットルを用いて洗浄,その後凍結乾燥により生成
物72.6gを得た。この生成物をNH−5aと呼ぶ。
【0101】上記生成物NH−5aは,元素分析の結果
から珪素を主体とする珪酸であること,透過型電子顕微
鏡写真観察からヘクトライト中の珪酸塩の形骸が残留す
る珪酸であることが分かった。
【0102】次に,上記小さいシート状の層状珪酸NH
−5aに,NaOH水溶液を作用させる。この時,層状
珪酸中のSi原子とNaOH水溶液中のNaイオンとの
間には,モル比Na/Si=約1.7(mol/mo
l)の関係がある。上記層状珪酸NH−5a,10gと
イオン交換水200mリットルとを1リットルのプラス
チック製ビーカにとり,水浴温度95℃で,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。上記ビーカの中へ,
1NのNaOH温水溶液250mリットルを加え,分散
液の温度を約70℃に保ちながら30分間,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。なお,この時に分散
液のpHは,12.2〜11.7であった。
【0103】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液の温度を約70℃に保ちな
がら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。
【0104】上記分散液に,更に2NのHClを滴下し
て加えてpH8.5として,その分散液の温度を約70
℃に保ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。上記ビーカの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温イオン
交換水3000mリットルを用いて,ロート上で洗浄し
た。洗浄の済んだ固形生成物を,110℃で一晩真空乾
燥した。得られた固形生成物を,空気中で650℃,4
時間焼成することによりメソポア材料7.6gを得た。
このメソポア材料をFH−5と呼ぶ。
【0105】上記メソポア材料FH−5のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および12参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0106】実施形態例6 本例は,反転がない二酸化珪素四面体シートとアルミニ
ウム酸化物の八面体シートとの1:1層構造,かつ大き
なシート状形態を有する粘土鉱物であるカオリナイトに
加圧下で酸を作用させ,カオリナイト中の珪酸塩のシー
ト状形骸が残留する層状珪酸を製造し,この層状珪酸を
用いてメソポア材料を製造する方法及びこのメソポア材
料につき説明する。
【0107】上記カオリナイトとして,ジョージア産カ
オリンを用いた。300mリットルのテトラフルオロエ
チレン製容器を有するオートクレーブ2個に,カオリン
25gと12Nの硫酸100mリットルとの混合物をそ
れぞれとった。両者を密封後,120℃で19時間,攪
拌しながら定温乾燥炉中で加熱した。
【0108】上記容器を放冷後,容器の内容物を濾別,
得られた固形生成物を,ロート上でイオン交換水100
0mリットルを用いて洗浄した。洗浄の済んだ固形生成
物と1Nの塩酸500mリットルとを,冷却管を備えた
1リットルのセパラブル・フラスコにとり,水浴温度9
0℃で1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱
した。上記フラスコの内容物を濾別,得られた固形生成
物をロート上で温イオン交換水2000mリットルを用
いて洗浄した。洗浄の済んだ固形生成物に凍結乾燥を施
し,生成物24.0gを得た。この生成物をNK−6p
と呼ぶ。
【0109】上記生成物NK−6pは,元素分析の結果
から珪素を主体とする珪酸であること,透過型電子顕微
鏡写真観察からカオリナイト中の珪酸塩の形骸が残留す
る大きいシート状の珪酸であることが分かった。
【0110】次に,上記大きいシート状の層状珪酸NK
−6pに,NaOH水溶液を作用させる。この時,層状
珪酸中のSi原子とNaOH水溶液中のNaイオンとの
間には,モル比Na/Si=約1.3(mol/mo
l)の関係がある。上記層状珪酸NK−6p,10gと
イオン交換水200mリットルとを1リットルのプラス
チック製ビーカにとり,水浴温度95℃で,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。上記ビーカの中へ,
1NのNaOH温水溶液200mリットルを加え,分散
液の温度を約70℃に保ちながら30分間,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。なお,この時に分散
液のpHは,11.2であった。
【0111】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液の温度を約70℃に保ちな
がら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。
【0112】上記分散液に,更に2NのHClを滴下し
て加えてpH8.5として,その分散液の温度を約70
℃に保ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。上記ビーカの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温イオン
交換水3000mリットルを用いて,ロート上で洗浄し
た。洗浄の済んだ固形生成物を,110℃で一晩真空乾
燥した。得られた固形生成物を,空気中で650℃,4
時間焼成することによりメソポア材料8.8gを得た。
このメソポア材料をFK−6と呼ぶ。
【0113】上記メソポア材料FK−6のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および11参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が10nm〜
1μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0114】実施形態例7 本例は,反転がない二酸化珪素四面体シートと,アルミ
ニウム・鉄・マグネシウムの酸化物の八面体シートとの
2:1層構造で大きなシート状形態を有する粘土鉱物で
あるバーミキュライトに常圧下で酸を作用させ,該バー
ミキュライト中の珪酸塩のシート状形骸が残留した層状
珪酸を製造し,この層状珪酸を用いてメソポア材料を製
造する方法及びこのメソポア材料について説明する。
【0115】上記バーミキュライトとして,中国産の蛭
石を用いた。まず,上記バーミキュライトに酸化処理を
施す。上記バーミキュライト40.0gを500mリッ
トルのビーカにとり,その中に30%過酸化水素水10
0mリットルを加えた。すると,発熱してバーミキュラ
イトの体積が膨張した。このビーカを,室温で1時間放
置後,55℃の定温乾燥器中に3日間置いて,上記反応
の熟成を行なった。なお,上記反応による膨張現象は,
バーミキュライト組成中の鉄分の酸化熱で層間水の沸騰
が生じ,層間隔の拡張及び層剥離が起こるためと考えら
れる。
【0116】上記酸化処理を施したバーミキュライトと
3Nの塩酸1200mリットルとを,冷却管を備えた2
リットルのセパラブル・フラスコにとり,水浴温度95
℃で8時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。上記フラスコの内容物の熱時濾過により濾別した固
形生成物を,約70〜90℃の温1N塩酸600mリッ
トル及び温イオン交換水800mリットルを用いて,ロ
ート上で洗浄した。
【0117】洗浄の済んだ固形生成物と1Nの塩酸40
0mリットルとを,冷却管を備えた2リットルのセパラ
ブル・フラスコにとり,水浴温度90℃で1時間,攪拌
モータで攪拌しながら水浴中で加熱した。上記フラスコ
の内容物を濾別,得られた固形生成物をロート上で温イ
オン交換水2000mリットルを用いて洗浄した。洗浄
の済んだ上記固形生成物に凍結乾燥を施し,生成物1
4.7gを得た。この生成物をNV−7aと呼ぶ。
【0118】上記生成物NV−7aは,元素分析の結果
から珪素を主体とする珪酸であること,透過型電子顕微
鏡写真観察からバーミキュライト中の珪酸塩の形骸が残
留する大きいシート状の珪酸であることが分かった。
【0119】次に,上記大きいシート状の層状珪酸NV
−7aに,NaOH水溶液を作用させる。この時,層状
珪酸中のSi原子とNaOH水溶液中のNaイオンとの
間には,モル比Na/Si=約1.3(mol/mo
l)の関係がある。上記層状珪酸NV−7a,10gと
イオン交換水200mリットルとを1リットルのプラス
チック製ビーカにとり,水浴温度95℃で,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。上記ビーカの中へ,
1NのNaOH温水溶液200mリットルを加え,分散
液の温度を約70℃に保ちながら30分間,攪拌モータ
で攪拌しながら水浴中で加熱した。なお,この時の分散
液のpHは,11.8〜11.1であった。
【0120】次に,セチルトリメチルアンモニウム・ク
ロライド(CTMA−Cl)4.0gをイオン交換水4
00mリットルに溶解した温水溶液を,上記層状珪酸分
散液に混合して,その分散液の温度を約70℃に保ちな
がら1時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴中で加熱し
た。
【0121】上記分散液に,更に2NのHClを滴下し
て加えてpH8.5として,その分散液の温度を約70
℃に保ちながら2時間,攪拌モータで攪拌しながら水浴
中で加熱した。上記ビーカの内容物を熱時濾過により濾
別,得られた固形生成物を,約70〜90℃の温イオン
交換水3000mリットルを用いて,ロート上で洗浄し
た。洗浄の済んだ固形生成物を,110℃で一晩真空乾
燥した。得られた固形生成物を,空気中で650℃,4
時間焼成することによりメソポア材料7.6gを得た。
このメソポア材料をFV−7と呼ぶ。
【0122】上記メソポア材料FV−7のX線回折パタ
ーン観察及び透過型電子顕微鏡写真観察から(後述の実
施形態例8および11参照),これが細孔の均一性に優
れた,ヘキサゴナル構造を有する結晶性の高いメソポア
材料であること,また,一次粒子の長軸径が50nm〜
2μmの範囲にあり,かつ大きさが揃っていることが分
かった。
【0123】実施形態例8 本例は,実施形態例1〜7において得られた各メソポア
材料のX線回折パターン観察につき,図2〜図8を用い
て説明するものである。上記各メソポア材料のX線回折
パターンにつき,図2〜図8に示した。各図のいずれに
おいても,ヘキサゴナル構造に基づく3〜4本のピーク
が観察されたことから,上記各メソポア材料がいずれも
ヘキサゴナル構造の高い結晶性を有することが分かっ
た。
【0124】また,図2と図3とを比較すると,図2に
かかるFS−1(実施形態例1)よりも,図3にかかる
FS−2(実施形態例2)の方が,ヘキサゴナル構造に
基づく3〜4本のピークの回折強度が強いことが分かっ
た。これにより,層状珪酸とアルカリ金属化合物との反
応で,他の反応条件が同じであるならば,アルカリ金属
化合物の割合を多くすると,メソポア材料の結晶性をよ
り高くすることができるということが分かった。
【0125】更に,図4と図5とを比較すると,FC−
3(実施形態例3)よりも,FC−4(実施形態例4)
の方が,ピークの回折強度が強いことが分かった。これ
により,層状珪酸とアルカリ金属化合物との反応で,他
の反応条件が同じであるならば,反応温度を高くするこ
とにより,メソポア材料の結晶性をより高くすることが
できることが分かった。
【0126】実施形態例9 本例は,実施形態例1〜7において得られた各メソポア
材料につき,窒素吸着によるBET法を利用しその比表
面積を求め,表1にまとめたものである。同表によれ
ば,各メソポア材料の比表面積は800m2 /g以上で
あることが分かった。これにより,上記メソポア材料は
細孔が多数存在する多孔体であるということが分かっ
た。
【0127】
【表1】
【0128】実施形態例10 本例は,図9,図10に示すごとく,実施形態例2およ
び7にかかるメソポア材料,FS−2とFV−7とにつ
いて窒素吸着による細孔分布を求め,その結果について
説明するものである。
【0129】上記細孔分布の測定方法を以下に説明す
る。はじめに,窒素吸着等温線を以下の装置及び方法に
より作成した。装置は,絶対圧型トランスチデューサー
(日本エムケーエス(株)製Baratron127A
A)及びコントロールバルブ(日本エムケーエス(株)
製248A)を装着した真空ラインである。この装置を
用い,定量法で測定を行った。
【0130】その測定において,まず約50mgの試料
をサンプル管に計り取り,150℃で2時間真空脱気し
た。なお,2時間後の真空度は10-3torrであっ
た。その後,上記サンプル管を液体窒素に浸しながら,
窒素の吸着測定を行い,窒素吸着等温曲線を得た。
【0131】得られた窒素吸着等温曲線から,Cran
ston−Inclay法により算出した細孔分布曲線
を,図9及び図10に示した。上記細孔分布曲線のピー
ク位置から求めた中心細孔直径,即ち最大ピークを示す
細孔直径は,両者共に2.8nmであった。
【0132】次に,Cranston−Inclay法
により,上記メソポア材料の比表面積の細孔直径に対す
る積分曲線を計算で求めた。中心細孔直径の−40%〜
+40%の範囲内にある比表面積の全表面積に対する比
率(+−40%細孔率)を求めたところ,FS−7は9
6%である。
【0133】この値こそが,請求項において示した,
『細孔分布曲線における最大ピークを示す細孔直径が2
〜10nmの範囲にあり,上記細孔分布曲線における最
大のピークを示す細孔直径の−40〜+40%の範囲に
ある細孔直径』を有する細孔が,すべての細孔に占める
割合である。そして,この値は,従来技術に示した層状
珪酸塩より得られたメソポア材料よりも高い値であっ
た。一方,FV−7は67%であり,従来のものと同等
の細孔径の均一性を示した。
【0134】更に,FS−1,FC−3,FH−5,F
K−6についても,同様の方法で中心細孔直径の−40
%〜+40%の範囲内にある比表面積の全表面積に対す
る比率(+−40%細孔率)を求めたところ,従来品よ
り高い値(75%以上)であった。
【0135】実施形態例11 本例は,図11に示すごとく,実施形態例2にかかるメ
ソポア材料FS−2について,水蒸気吸着により吸着等
温曲線を求め,その結果について説明するものである。
【0136】まず,上記吸着等温曲線の測定方法を以下
に説明する。上記測定に使用する装置としては,実施形
態例9において用いたものと同様のものを用い,定量法
で測定を行った。はじめに,約50mgの試料をサンプ
ル管に計り取り,150℃で2時間真空脱気した。な
お,2時間後の真空度は10-3torrであった。その
後,上記サンプル管を25℃に保ちながら,水蒸気の吸
着測定を行い,水蒸気吸着等温曲線を得た。
【0137】また,従来例にかかる合成層状珪酸塩のカ
ネマイトより作成された従来のメソポア材料について
も,上記と同様の測定により水蒸気吸着等温曲線を得
た。上記二つの等温曲線を共に図11に記した。
【0138】同図によれば,実施形態例2にかかるFS
−2は,従来のメソポア材料よりも,水蒸気吸着等温曲
線の立ち上がり方がよりシャープで垂直に近かった。こ
れにより,上記FS−2のメソポア材料が,細孔直径が
均一で結晶性がより高いことが分かった。
【0139】実施形態例12 本例においては,実施形態例1〜7において得られた各
メソポア材料について透過型電子顕微鏡(TEM)写真
観察を行った結果につき説明するものである。上記各メ
ソポア材料にかかるTEM写真を図12〜図25に示し
た。なお,上記図12及び図13が実施形態例1におい
て得られたメソポア材料FS−1である。同様に,図1
4,図15が実施形態例2において得られたメソポア材
料FS−2,以下同様である(図面の詳細な説明参
照)。
【0140】なお,図12〜図25において,一部の図
には粒子状のメソポア材料の他に,網の目状の物体が存
在する。この網の目の物体は,透過型電子顕微鏡におけ
る観察しようとする試料を載置するステージが共に拡大
されて写ったものであり,透過型電子顕微鏡において倍
率を高めた場合に,一般的に発生する現象である。
【0141】図12,図13に示すごとく,実施形態例
1にかかるメソポア材料FS−1の一次粒子の長軸径は
10nm〜1μmであり,また,図14,図15に示す
ごとく,実施形態例2にかかるFS−2の一次粒子の長
軸径は10nm〜500nmであることが分かった。
【0142】いづれの長軸径も10nm〜1μmの範囲
にあるが,FS−1の方がFS−2よりも大きい長軸径
の一次粒子を含んでいる。即ち,層状珪酸とアルカリ金
属化合物との反応で,他の反応条件が同じであるなら
ば,アルカリ金属化合物の割合を多くすると得られるメ
ソポア材料の粒子径がより小さくなることが分かった。
なお,図13は,図12を更に拡大して撮影したもので
ある。同図によれば,メソポア材料の高い結晶性が顕著
であることが分かった。
【0143】次に,図16,図17,図20〜図23に
示すごとく,FC−3,FH−5,FK−6の一次粒子
の長軸径もまた10nm〜1μmの範囲にあるが,主に
粒子径が200nm以下の小さい粒子より構成されてい
ることが分かった。
【0144】更に,図24,図25に示すごとく,実施
形態例7にかかるFV−7の一次粒子の長軸径は,50
nm〜2μmの範囲にあることが分かった。これは,原
料として使用した層状珪酸NV−7aのシート径が7μ
m以上の大きさであるために,二酸化珪素四面体シート
の加水分解が緩和されたためである。よって,他の実施
形態例の場合よりもシート径が大きい層状珪酸塩が生成
するため,一次粒子の長軸径が50nm〜2μmの範囲
にあるメソポア材料が得られることが分かった。
【0145】また,図18,図19に示すごとく,実施
形態例4にかかるFC−4の一次粒子の長軸径は,10
nm〜1μmの範囲にあることが分かった。これを図1
6,図17に示したFC−3と比較すると,FC−4の
方がFC−3よりも大きい長軸径の一次粒子を含むこと
が分かった。即ち,層状珪酸とアルカリ金属化合物との
反応で,他の反応条件が同じであるならば,反応温度を
高くすると,一次粒子の長軸径がより小さいメソポア材
料を得ることができることが分かった。
【0146】実施形態例13 本例は,実施形態例2にかかるFS−2と,従来の層状
珪酸塩から得られたメソポア材料とについて,表2を用
いて,有機溶媒に対する分散性を比較説明するいもので
ある。なお,従来例にかかるメソポア材料は,合成層状
珪酸塩のカネマイトより作成されたものである。
【0147】上記分散性の試験は,約10mgの固体試
料と約1mリットルの有機溶媒を10mリットルの試験
管にとり,アスピレータ減圧下に脱気した後に,加熱,
攪拌しながら,分散状態を目視判定するという方法に
て,異なる有機溶媒S1〜S9について行い,その結果
につき表2にまとめて記した。
【0148】同表によれば,有機溶媒S1,S5,S7
については,従来品及び本発明品の分散性については同
等の性能である。しかし,他の有機溶媒S2〜S4,S
6,S8,S9については従来品よりも,本発明にかか
るメソポア材料のほうが,より優れていることが分かっ
た。よって,総合的に本発明にかかるメソポア材料は有
機溶媒に対する分散性に優れていることが分かった。
【0149】
【表2】
【0150】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,大きさ
が小さく揃った一次粒子よりなり,細孔(メソポア)の
細孔直径が均一で結晶性が高く,得ようとする一次粒子
の大きさを任意に選択することができ,製造容易かつ製
造コストが安価となる,メソポア材料及びその製造方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,層状珪酸塩より縮合体
を経て,メソポア材料が得られるプロセスについての説
明図。
【図2】実施形態例8にかかる,メソポア材料FS−1
(実施形態例1)のX線回折パターンを示す線図。
【図3】実施形態例8にかかる,メソポア材料FS−2
(実施形態例2)のX線回折パターンを示す線図。
【図4】実施形態例8にかかる,メソポア材料FC−3
(実施形態例3)のX線回折パターンを示す線図。
【図5】実施形態例8にかかる,メソポア材料FC−4
(実施形態例4)のX線回折パターンを示す線図。
【図6】実施形態例8にかかる,メソポア材料FH−5
(実施形態例5)のX線回折パターンを示す線図。
【図7】実施形態例8にかかる,メソポア材料FK−6
(実施形態例6)のX線回折パターンを示す線図。
【図8】実施形態例8にかかる,メソポア材料FV−7
(実施形態例7)のX線回折パターンを示す線図。
【図9】実施形態例10にかかる,メソポア材料FS−
2(実施形態例2)の細孔分布曲線を示す線図。
【図10】実施形態例10にかかる,メソポア材料FV
−7(実施形態例7)の細孔分布曲線を示す線図。
【図11】実施形態例11にかかる,メソポア材料FS
−2(実施形態例2)及び従来品のメソポア材料の水蒸
気吸着等温曲線を示す線図。
【図12】実施形態例12にかかる,メソポア材料FS
−1(実施形態例1)の図面代用写真(24000
倍)。
【図13】実施形態例12にかかる,メソポア材料FS
−1(実施形態例1)の図面代用写真(120000
倍)。
【図14】実施形態例12にかかる,メソポア材料FS
−2(実施形態例2)の図面代用写真(24000
倍)。
【図15】実施形態例12にかかる,メソポア材料FS
−2(実施形態例2)の図面代用写真(120000
倍)。
【図16】実施形態例12にかかる,メソポア材料FC
−3(実施形態例3)の図面代用写真(24000
倍)。
【図17】実施形態例12にかかる,メソポア材料FC
−3(実施形態例3)の図面代用写真(120000
倍)。
【図18】実施形態例12にかかる,メソポア材料FC
−4(実施形態例4)の図面代用写真(24000
倍)。
【図19】実施形態例12にかかる,メソポア材料FC
−4(実施形態例4)の図面代用写真(120000
倍)。
【図20】実施形態例12にかかる,メソポア材料FH
−5(実施形態例5)の図面代用写真(24000
倍)。
【図21】実施形態例12にかかる,メソポア材料FH
−5(実施形態例5)の図面代用写真(120000
倍)。
【図22】実施形態例12にかかる,メソポア材料FK
−6(実施形態例6)の図面代用写真(24000
倍)。
【図23】実施形態例12にかかる,メソポア材料FK
−6(実施形態例6)の図面代用写真(120000
倍)。
【図24】実施形態例12にかかる,メソポア材料FV
−7(実施形態例7)の図面代用写真(24000
倍)。
【図25】実施形態例12にかかる,メソポア材料FV
−7(実施形態例7)の図面代用写真(120000
倍)。
【符号の説明】
1...メソポア材料, 10...細孔(メソポア), 11...層状珪酸塩, 12...二酸化珪素四面体シート, 13...縮合体, 15...界面活性剤,

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細孔直径が2〜10nmの範囲にある細
    孔(メソポア)を有し,かつその長軸径が10nm〜1
    μmの範囲にある一次粒子よりなるメソポア材料であっ
    て,上記細孔は,細孔分布曲線における最大ピークを示
    す細孔直径が2〜10nmの範囲にあり,かつ全細孔の
    75%以上が上記細孔分布曲線における最大のピークを
    示す細孔直径の−40〜+40%の範囲にある細孔直径
    を有することを特徴とするメソポア材料。
  2. 【請求項2】 細孔直径が2〜10nmの範囲にある細
    孔(メソポア)を有し,かつその長軸径が50nm〜2
    μmの範囲にある一次粒子よりなるメソポア材料であっ
    て,上記細孔は,細孔分布曲線における最大ピークを示
    す細孔直径が2〜10nmの範囲にあり,かつ全細孔の
    60%以上が上記細孔分布曲線における最大のピークを
    示す細孔直径の−40〜+40%の範囲にある細孔直径
    を有することを特徴とするメソポア材料。
  3. 【請求項3】 粘土鉱物に酸を作用させて層状珪酸とな
    し,次いで上記層状珪酸に対しアルカリ金属化合物を作
    用させて層状珪酸塩となし,次いで上記層状珪酸塩に界
    面活性剤を作用させて,珪酸塩三次元構造体を形成する
    と共に,その内部に界面活性剤を包含した縮合体とな
    し,次いで上記縮合体から界面活性剤を除去することを
    特徴とするメソポア材料の製造方法。
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