JP3395281B2 - スイッチング電源用の可変周波数発振回路 - Google Patents

スイッチング電源用の可変周波数発振回路

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JP3395281B2
JP3395281B2 JP23502893A JP23502893A JP3395281B2 JP 3395281 B2 JP3395281 B2 JP 3395281B2 JP 23502893 A JP23502893 A JP 23502893A JP 23502893 A JP23502893 A JP 23502893A JP 3395281 B2 JP3395281 B2 JP 3395281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスイッチング電源用の可
変周波数発振回路に係わり、特にスイッチングレギュレ
ータの制御回路に用いて好適な可変周波数発振回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から安定化電源回路としては直列レ
ギュレータ方式や並列レギュレータ方式或はスイッチン
グレギュレータ方式等が用いられているが、スイッチン
グレギュレータ方式は直列レギュレータ方式や並列レギ
ュレータ方式に比べ高効率が得られ、小型軽量化が図れ
る等の長所を有し、実際の安定化電源回路に多用されて
いる。
【0003】この様なスイッチングレギュレータ方式に
は種々のスイッチングレギュレータ回路が提案されてい
るが、本願出願人が先に特開平2−197256号公報
で開示したスイッチングレギュレータ回路を図17及び
図18を用いて簡単に説明する。
【0004】図17は全体としてスイッチングレギュレ
ータ回路1を示し、商用電源をダイオードブロック2で
全波整流した後、平滑コンデンサ3で平滑する。電界効
果型トランジスタ4及び5とコンデンサ6及び7は、そ
れぞれ直列接続されて平滑された電源電圧が供給される
と共に、接続中間点をコイル8で接続するようになされ
ている。
【0005】これに対してスイッチングトランス10
は、1次巻線をコンデンサ7に接続するようになされ、
これにより電界効果型トランジスタ4及び5が交互にオ
ン動作すると、スイッチングトランス10の1次側イン
ダクタンス、コイル8のインダクタンス、コンデンサ6
又は7の容量で決まる周期で、このスイッチングトラン
ス10の1次巻線に充放電電流が流れるようになされて
いる。
【0006】さらにスイッチングトランス10の2次巻
線は、ダイオード12及び13を介して両波整流出力が
得られるようになされ、その整流出力がリップルフィル
タ15及び平滑コンデンサ16で平滑されて出力される
ようになされている。これに対して演算増幅回路18
は、反転入力端に所定の基準電源17を接続し、非反転
入力端並に直交トランス19の1次巻線に2次出力電圧
OUT を供給する様に接続する。これにより直交トラン
ス19の1次巻線に基準電圧17を基準にして、2次出
力電圧VOUT に応じて変化する1次電流I1 が流れるよ
うになされている。
【0007】上述の直交トランス19は例えば図18に
示すように、フェライトを焼結して形成された同一形状
のコ字状のコア19A及び19Bの対向する脚が90度
回転するように配置され、それぞれコア19A及び19
Bに1次巻線19C及び2次巻線19Dが巻回されるよ
うになされている。
【0008】この直交トランス19のコア19A,19
Bの材質、形状、1次巻線19C及び2次巻線19Dの
巻回数を選定して、1次電流I1 の電流値に応じて、磁
束Φ 1 及びΦ2 が強め合う領域で磁束が局所的に飽和す
るように1次電流I1 の電流値に応じて、磁束が飽和し
た領域の大きさを変化させ、2次巻線側から見た直交ト
ランス19のインダクタンスLを、1次電流I1 の電流
値に応じて制御する。
【0009】コンデンサ20,22は、抵抗21,23
と共に反転増幅回路24の入出力端を結ぶ移相回路を構
成するようになされ、これにより反転増幅回路24から
の発振用周波数fは の関係式で表される出力信号SOSC1となされて発振回路
が構成される。
【0010】従って、直交トランス19の可飽和特性を
利用し、インダクタンスLを1次電流I1 の電流値に応
じて制御できることから、出力信号SOSC1の発振周波数
fを1次電流I1 の電流値に応じて制御することができ
る。
【0011】この出力信号SOSC1は駆動回路25に供給
され駆動トランス9を介して電界効果型トランジスタ4
及び5を交互にオン動作させる。従って、直交トランス
10の可飽和特性を利用して発振周波数を制御すること
で所望の制御特性で、2次出力電圧VOUT を所定電圧に
保持するように制御し得、これにより電源電圧及び負荷
の変動に対して安定した2次出力電圧VOUT を得る様に
なる。
【0012】更に、本出願人は特開平2−197257
号公報によって、上記した反転増幅回路24,コンデン
サ20,22、抵抗21,23、直交トランス19のイ
ンダクタンスLに応じて発振周波数を可変する可変周波
数発振回路をLC型の発振回路とし、この発振回路の容
量成分を可変容量ダイオードを用いて可変制御する様に
したものを提案した、この構成を図19に示す。図19
で図17との対応部分には同一符号を付して重複説明を
省略するが、VOUT は抵抗26及び可変抵抗27を介し
て分圧されて演算増幅回路18に供給される様に成さ
れ、増幅回路18の出力をLC型発振器から成る可変周
波数発振回路20〜24並に28,29に供給する。
【0013】可変周波数発振回路20〜24並に28,
29の可変容量ダイオード28はコンデンサ20と直列
接続され、更に抵抗23とコイル29が直列接続されて
いる。このコイル29の他端はコンデンサ20と反転増
幅回路24と直列接続された抵抗21の他端に接続さ
れ、可変容量ダイオード28とコンデンサ20の接続点
に演算増幅回路18の出力が供給されている。
【0014】従って可変容量ダイオード28及びコンデ
ンサ20,22の容量とコイル29のインダクタンスL
で定まる周波数で発振出力信号SOSC1が得られる様に成
されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成で説明
した直交トランスを用いた可変周波数発振回路では直交
トランス等の可変インダクタンスは磁気回路を用いるた
め形状が大きくなるだけでなく、複雑な構成と成り、且
つ磁気回路の一部又は全部を飽和させて用いるため、応
答速度が遅く、周波数可変範囲が広く出来ない等の問題
があった。
【0016】又、可変周波数発振回路に可変容量ダイオ
ードを用いるものは交流カップリングで使用するためイ
ンピーダンスが高く、後段の回路との間にインピーダン
ス変換回路が必要となる。又発振波形は正弦波となるの
で同じく後段に矩形波に変換するための波形変換回路を
必要とする。信号源のインピーダンスも高いためスイッ
チング電源の様なノイズの多い環境では誤動作する可能
性が大きくなる等の問題があった。
【0017】更に、従来構成では説明しなかったが可変
周波数発振回路として、自走マルチバイブレータ等を用
いることも考えられるがこの場合は発振周波数は50%
デューティ近傍の発振波形しか得られず、この自走マル
チバイブレータをC−MOS等で構成するとラッチアッ
プの可能性を生ずる等の問題がある。
【0018】
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のスイッチング電
源用の可変周波数発振回路はその例が図13に示されて
いる様に変動成分が除去されていない直流電流が供給さ
れ、この直流電流をオン、オフするスイッチング手段
4,5と、このスイッチング手段4,5からの出力電流
を整流して所定電圧の直流電力を出力する整流手段1
2,13,16と、この整流手段12,13,16の出
力電圧が入力されてスイッチング手段4,5を制御する
制御手段30とを有するスイッチング電源用の可変周波
数発振回路1Aに於いて、制御手段30は、一定の傾き
を有し、且つ充放電手段からの出力波の波高値が整流手
段12,13,16の出力電圧に対応して変わる三角波
を発生する三角波発振手段32,33A,33B,3
4,35と、この三角波発振手段32,33A,33
B,34,35の出力と基準電圧とを比較する電圧比較
手段37とより成るものである。
【0020】
【作用】本発明の第1及び第2のスイッチング電源用の
可変周波数発振回路はスイッチング周波数を変化させる
ことで負荷に伝達するエネルギー量をコントロールする
際の電圧比較手段での比較電圧と比較する三角波発生手
段の波高値を負荷へ伝達する信号によって可変させるこ
とで、耐ノイズ性の向上を図ると共に発振回路を簡略化
して小型化したものを得ようとするものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明のスイッチング電源用のと可変
周波数発振回路の一実施例を図1乃至図4によって説明
する。図1は本例の全体的系統図を示すものであり、従
来構成の図17及び図19とは同一符号を付して示して
いる。
【0022】図1でコンセント41からの商用電源のA
C電圧はACラインフィルタ42に供給され、ACライ
ンに乗って入って来るノイズ成分が除去されて、ブリッ
ジ構成されたダイオードブロック2によって全波整流し
た後に平滑コンデンサ3で平滑化された直流分を得る
が、この直流は変動分が含まれている。この様な直流電
流は例えばエンハスメントのN−MOS型のパワー電界
効果型トランジスタ(FET)で構成される第1及び第
2のスイッチングトランジスタ4及び5に供給される。
【0023】即ち第1及び第2のスイッチングトランジ
スタ4及び5のソースは基板と共通接続され、第1のス
イッチングトランジスタ4のソースと第2のスイッチン
グトランジスタ5のドレインとは共通に接続され、この
中間接続点はコンデンサ7を介してスイッチングトラン
ス10の1次巻線側に接続されている。平滑コンデンサ
3で平滑化された直流電流は第1のスイッチングトラン
ジスタ4のドレインと第2のスイッチングトランジスタ
5のソース間に供給され、これら第1及び第2のスイッ
チングトランジスタ4及び5の夫々のソースとドレイン
間にはサージ防止用ダイオード43及び44が接続され
ている。
【0024】後述する制御回路30内の駆動回路25か
らの矩形波信号は駆動トランス9の1次巻線9Aに供給
される。この駆動トランス9の2次巻線9B及び9Cは
互いに逆方向に巻かれ、第1のスイッチングトランジス
タ4のゲートには2次巻線9Bの巻き始め点が接続さ
れ、巻き終り点はソースに接続される。又、第2のスイ
ッチングトランジスタ5のゲートには2次巻線9Cの巻
き終り点が接続され、巻き始め点はソースに接続されて
いる。
【0025】スイッチングトランジスタ4及び5は駆動
回路25からの周波数によって交互に「オン」するとス
イッチングトランス10の1次巻線10A側のインダク
タンスL及びコンデンサ7のキャパシタンスCで定まる
周期で1次巻線10Aに共振電流が流入する。この様に
インダクタンスL及びキャパシタンスCで構成される共
振回路を駆動する際の、スイッチング周波数と伝達エネ
ルギー量との関係は図2の如き共振特性曲線46と成さ
れる。
【0026】従ってスイッチングトランス10の2次巻
線10Bにおいては、共振電流によって2次電圧が誘起
されるようになされ、2次巻線10Bの出力電圧をダイ
オード12及び13で両波整流した後、その整流出力を
平滑コンデンサ16で平滑するようになされている。こ
れによりスイッチング電源用可変発振回路1Aにおいて
は、平滑コンデンサ16の端子電圧でなる2次出力電圧
OUT を、2次出力として負荷45に出力するようにな
されている。
【0027】この2次出力電圧VOUT は検出部を構成す
る演算増幅回路18に供給され、この演算増幅回路18
に所定の基準電源17を接続し、基準電圧17の基準電
圧を基準として2次出力電圧VOUT の変動を検出する。
【0028】この検出出力は制御回路30に供給され
る。制御回路30は負荷45に必要とされるエネルギー
量に見合うスイッチング周波数を発振する様な可変周波
数発振器38と、該可変周波数発振器38の発振出力の
矩形波が供給される次段のフリップフロップ回路39
と、該フリップフロップ回路39で振り分けられた矩形
波が供給される駆動回路25並に該駆動回路25に電源
を供給すると共に駆動回路25の停止動作等を行なわせ
る制御信号を出力する電源供給回路並に停止回路40等
から構成されている。
【0029】駆動回路25はスイッチングトランジスタ
4及び5を駆動して必要とするエネルギーを負荷45に
供給する様に成されている。
【0030】可変周波数発振器38は破線の制御回路3
0内に示される様に、充放電用のコンデンサ34と、こ
のコンデンサ34を充電するための充電用の可変電流源
31と、同じくコンデンサ34からの充電電荷を放電さ
せるための放電用の定電流源33と、可変電流源31と
定電流源33間に直列的に介在されたスイッチ32並に
電流源用電源35から成る三角波を発生する充放電回路
(三角波発振回路)並にヒステリシス特性を有する電圧
比較器37と、この電圧比較器37の基準電圧源36と
より構成されている。
【0031】上述の可変周波数発振器38の三角波発振
回路を構成する充電用の可変電流源31の一端は電圧源
35に接続され、例えば電池等より成る直流電圧源35
の他端は接地されている。更に、該充電用の可変電流源
31の他端はスイッチ32に接続され、該スイッチ32
の他端は放電用の定電流源33の一端に接続され、定電
流源33の他端は接地されている。又、充電用の可変電
流源31とスイッチ32との接続点と接地間には充放電
用のコンデンサ34が接続されている。
【0032】上述の充電用の可変電流源31は外部から
の信号によって電流を変化させることの出来る電流源で
あり、この外部信号は検出部を構成する演算増幅回路1
8の出力が供給される。
【0033】充電用の可変電流源31とスイッチ32の
接続点から取り出された充電電圧はヒステリシス特性を
有する電圧比較器37の非反転の入力端子に供給され
る。又、反転入力端子と接地間には基準電圧源36が接
続され、電圧比較器を構成するヒステリシスコンパレー
タの出力はフリップフロップ回路39に供給されると共
にスイッチ32を「オン」「オフ」制御する様に成され
ている。
【0034】上述の可変周波数発振器38の動作を図3
及び図4を用いて説明する。図3は電圧比較器37のヒ
ステリシス特性図、図4A〜Cは可変周波数発振器38
のタイミング波形図である。
【0035】図1に示す可変周波数発振器38で初期条
件として、三角波発振回路を構成する充放電回路のコン
デンサ34に電荷が蓄積されておらず、スイッチ32が
「オフ」状態とする。例えば検出器としての演算増幅回
路18から図4Aに示す様に時間軸方向に始めは一定レ
ベルの検出信号(外部信号)が出力され、その後、その
レベルが漸減するとすると、可変電流源31には外部信
号によって定まる電流I1 がコンデンサ34に充電され
る。
【0036】その結果、電圧比較器37の非反転入力端
子の電圧が上昇する。該電圧比較器37は入出力特性が
図3に示す様なヒステリシス特性を持ったヒステリシス
コンパレータであるから非反転入力端子に供給される電
圧が基準電圧源36の電圧E 1 で定まる閾値VH に到達
すると電圧比較器37の出力電圧はVOHとなる。
【0037】スイッチ32はVOHの出力電圧で「オン」
される様に成される。ここで放電用の定電流源33に流
れる電流I2 の方が可変電流源I1 に流れる電流I1
り大きくなる様に設定されているとすると、I2 −I1
の放電電流が流れてコンデンサ34に充電された電荷は
放電される。
【0038】この結果、電圧比較器37の非反転入力端
子の電圧は降下し、この電圧が電圧比較器37の閾値V
L に到達すると電圧比較器37の出力電圧は図3に示す
OLとなってスイッチ32は「オフ」状態に成される。
スイッチ32が「オフ」されるとコンデンサ34は再び
充電用の可変電流源31によって充電が繰り返される。
この動作によって電圧比較器37の非反転入力端子の電
圧は図4Bの立ち上がり時間t1 ,t2 ,t3 ‥‥‥が
外部信号である演算増幅回路18の出力電圧によって制
御される三角波となり、図4Aの様に外部信号の出力波
形47が一定であれば立ち上がり、立ち下がり時間が一
定の図4Bの如き三角波を発生するが外部信号が漸減し
てくれば、その値に応じて立ち上がり、立ち下がり時間
が大きくなる三角波を発生する。従って電圧比較器37
の出力は外部信号によって図4Cの様に周波数が制御さ
れる矩形波を出力する様に成される。
【0039】図1乃至図4で説明した可変周波数発振器
38では電流I1 <I2 の条件でI 1 の電流を外部信号
でコントロールし、三角波の立ち上がり時間を変化させ
る様にしたが、図5に示す様に充電用の定電流源33と
スイッチ32並に放電用の可変電流源31を電圧源35
に対し直列接続し、充電用の定電流源33とスイッチ3
2との接続点に一端が接地された充放電用のコンデンサ
34並に電圧比較器37の非反転入力端子を接続する様
に成し、電圧比較器37の出力でスイッチ32をコント
ロールし、I1 <I2 の条件で電流I1 を一定値とし、
電流I2 は図6Aの出力波形47の如き外部信号で変化
させて電圧比較器37に供給する三角波の立ち下がり時
間t1 ′,t2 ′,t3 ′‥‥‥を図6Bの様に変化さ
せ電圧比較器37の出力端から出力される矩形波の周波
数を図6Cの様に変化させてもよい。
【0040】図7及び図8は本例の可変周波数発振器3
8の他の構成例と波形説明図である。図7の場合は二つ
の電流源を共に可変電流源31A及び31Bと成したも
ので回路構成は図5と同様である。即ち、充電用の第1
の可変電流源31Aによってコンデンサ34に充電を行
ない、放電用の第2の可変電流源31Bによってコンデ
ンサ34に充電された電荷を放電させる際に図8A,B
に示す様な第1の外部信号と第2の外部信号によって三
角波の立ち上がり時間t1 ,t2 ,‥‥‥と立ち下がり
時間t1 ′,t2 ′‥‥‥を図8Cの様に第1及び第2
の外部信号の出力波形47及び48に応じて変化させ、
図8Dの様に矩形波の周波数を変化させることも出来
る。
【0041】この場合、第1及び第2の可変電流源31
A及び31Bに流れる電流I1 及びI2 はI1 <I2
如くなし、且つ第1及び第2の外部信号が大きくなるに
したがって、電流I1 及びI2 を増加させる様に成して
いる。勿論、外部信号が大きくなるにしたがって電流I
1 及びI2 を小さくする様にしてもよい。
【0042】図9は本例の更に他の構成を示す。上述の
各実施例の可変周波数発振器38では電流I2 >I1
条件で三角波を発振させたが、図9では電流I1 及びI
2 がどの様な条件でも周波数可変可能な可変周波数発振
器38が得られる。
【0043】即ち、直流の電源35と直列的に第1のス
イッチ32A、第1の可変電流源31A、第2のスイッ
チ32B、第2の可変電流源31Bを接続し、第1の可
変電流源31Aと第2のスイッチ32B間に一端接地の
充放電用コンデンサ34を接続すると共に電圧比較器3
7の非反転入力端子を接続する。反転入力端子には基準
電圧源36の基準電圧E1 が供給され、電圧比較器37
の出力はインバータ回路39及び第2のスイッチ32B
に供給されると共にインバータ39を介して第1のスイ
ッチ32Aをコントロールする様に成されている。
【0044】上述の構成によれば、第1及び第2のスイ
ッチ32A及び32Bの「オン」「オフ」制御に応じ、
三角波の立ち上がり時間、又は/及び立ち下がり時間を
可変可能で、第1及び第2の可変電流源31A及び31
Bに流れる電流I1 及びI2の大小の条件を問わないも
のが得られる。
【0045】図10は本例の可変周波数発振器38の更
に他の構成例である。この場合に充放電用のコンデンサ
34の代わりにインダクタンス50を用いたものであ
る。
【0046】即ち第1の可変電圧源52と第1及び第2
のスイッチ32A及び32B、並に第2の可変電圧源5
3を直列接続し、第1のスイッチ32Aと第2のスイッ
チ32Bの接続点と接地間にインダクタンス50と抵抗
51を直列に接続し、インダクタンス50と抵抗51の
接続点を電圧比較器37の非反転入力端子に接続する。
他の構成は図9と同様である。この構成では第1及び第
2の可変電圧源52及び53の電圧E2 及びE3 をE2
>E3 となる様な条件で外部信号でコントロールするこ
とで三角波の発振が可能と成る。
【0047】図11に示すものは本例の可変周波数発振
器の更に他の構成を示すものである。この場合は図10
までの各実施例の様に三角波の傾きを外部信号によって
変化させるのではなく、可変周波数発振器で発信させた
三角波の波高値を可変することで三角波の時間を変化さ
せて発振周波数を変化させる様に成したものである。
【0048】図11は全体として可変周波数発振器の系
統図を示し、図12は図11の波形説明図である。図1
1で図1、図5、図7、図9との対応部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。本例では可変電流源が用
いられず2つの第1及び第2の定電流源33A及び33
Bが用いられる。これら第1及び第2の定電流源33A
及び33Bはスイッチ32Bと図11で破線内に示す様
に必要に応じて設けられるスイッチ32Aを介して直列
接続された直列回路を構成すると共にスイッチ32Bの
他端は接地され、同じく一端が接地された直流電圧源3
5と該直列回路は接続される。充放電用の一端が接地さ
れたコンデンサ34が第1及び第2の定電流源33A及
び33Bとの接続点に接続されると共に、該接続点は第
1及び第2のコンパレータ54及び55の一方の入力端
子に接続され、第1のコンパレータ54の他方の入力端
子は直接接地されている。(図11で破線で示す様に必
要に応じて基準電源E5 を設ける様にしてもよい。)
又、第2のコンパレータ55の他方の入力端子には基準
の可変電圧源E4 が接続されるている。
【0049】第1及び第2のコンパレータ54及び55
の出力端はフリップフロップ回路(FF)56のリセッ
ト端子R及びセット端子Sに接続されると共に、第2の
コンパレータ55の出力端は出力端子57に接続されて
可変周波数を出力する。FF56の肯定出力Qは第2の
スイッチ32Bを制御し、必要に応じて設けた破線内の
第1のスイッチ32AはFF56の否定出力Qバーによ
って制御される。
【0050】上述の構成(第1のスイッチ32Aがな
く、第1のコンパレータの基準源が接地電位にあるも
の)での動作を図12を用いて説明する。
【0051】初期条件として第2のスイッチ32Bが
「オフ」状態でコンデンサ34に電荷が充電されていな
いものとする。この状態で電圧源35から第1の充電用
の定電流源33Aを介して充電電流I1 がコンデンサ3
4に電荷を充電する。後述するが、FF56からの制御
信号に基づいて、第2のスイッチ32Bが「オン」とさ
れると、コンデンサ34に充電されていた電荷は第2の
放電用の定電流源33Bを介して放電電流I2 として放
電されて三角波が第1及び第2の定電流源33A及び3
3Bの接続点58に生ずる。
【0052】この場合I2 >I1 の条件が必要となる。
即ち、コンデンサ34へ第1の定電流源33Aによって
定電流I1 で充電されて、接続点58の電圧が第2のコ
ンパレータ55の可変電位E4 に達すると第2のコンパ
レータ55の出力は反転してFF56のセット端子Sが
セットされる。その結果、FF56の肯定端子Qによっ
て「オフ」状態にあった第2のスイッチ32Bは「オ
ン」状態に移行する。
【0053】第2のスイッチ32Aが「オン」されると
第1の定電流源33Aの定電流I1に比べて第2の定電
流源33Bの定電流I2 が大きくなる様に定電流源33
A及び33Bが選択されているので、コンデンサ34に
充電されていた電荷はI2 −I1 の放電電流によって放
電されて零電圧に達すると第1のコンパレータ54の出
力が反転しFF56のリセット端子RがリセットしてF
F56の肯定端子Qからの出力で第2のスイッチ32B
は「オフ」される。この様な繰り返しによって三角波が
図12Aの様に連続的に可変基準電圧E4 に依存して発
振波形60を発振する。
【0054】この様な発振波形60は第2のコンパレー
タ55の可変基準電圧源E4 の電圧を図1に示した演算
増幅回路18の出力で可変する様に成せば図12Bに示
す様に出力端57に周波数可変の矩形波61を得ること
が出来る。
【0055】上述の動作は第1のスイッチ32A及び第
1のコンパレータ54の基準電圧源E5 を用いない場合
であるが第1のスイッチ32A及び図11の破線内の基
準電圧源E5 は用いず直接接地する構成とした時にはF
F56の否定出力Qバーを出力し、第1のスイッチ32
Aを第2のスイッチ32Bと交互にオン/オフする様に
成せばI2 >I1 で説明した条件としなくても定電流源
33A及び33Bを用い得る。更に図11の第1のコン
パレータ54に基準電圧源E5 を付加した場合にE5
4 の関係に基準電圧を保てば下限電圧E5 で上限電圧
4 の三角波が得られる。勿論、この場合、基準電圧源
5 を可変する様にしてもよく、更に基準電圧波E4
はE5 の両方を可変する様にしてもよい。
【0056】又、上述の実施例では三角波として説明し
たが、放電電流I2 の最大値から瞬時に放電させて鋸歯
状波とすることも出来る。又、第1のスイッチ32Aを
設けた場合は充電の最大値まで瞬時に充電させれば上述
の鋸歯状波と逆の型の鋸歯状波を得ることが出来、この
場合も周波数可変した矩形波が得られる。
【0057】この様な可変周波数発振器38として、図
1、図5、図7、図9、図10で用いたと同様に2つの
コンパレータ54及び55を用いずに1つのヒステリシ
ス特性を有する電圧比較器、即ちヒステリシスコンパレ
ータ37を用いた例を図13で説明する。
【0058】図13の場合はスイッチング電源用の可変
周波数発振回路1Aとして示してあるが、図1との対応
部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図1と
の違いは本例では二つの定電流源33A及び33Bが用
いられ、演算増幅回路18からの外部信号は可変電圧源
36の電圧を可変する様にコントロールされると共に可
変周波数発振器38を構成するヒステリシスコンパレー
タ37は非反転入力端子に抵抗R1 を介して正帰還が掛
けられ、非反転入力端子は抵抗R2 と可変基準電圧源3
6の直列回路に接続される様に成されている。
【0059】このヒステリシスコンパレータ37のヒス
テリシスの上限値VU は反転入力端子への入力電圧をV
in、可変基準電圧源36の基準電圧をVRef とし、プラ
ス及びマイナス側の最大出力振幅を±VOMとすると で表されて下限値VL となりヒステリシス幅VH =VU −VL となって として与えることができる。
【0060】上記した図10に示した実施例を除く可変
電流源31,31A,31Bと定電流源33,33A,
33Bは電流源である必要はなく、外部信号によって電
流を制御出来る可変電流回路或は電流回路でよく、その
具体的構成例を図14乃至図16によって説明する。
【0061】図14Aはカレントミラー回路を用いたコ
ンデンサ34の放電用の可変電流回路で、トランジスタ
1 及びQ2 のエミッタとベースを共通接続して共通エ
ミッタ側は接地し、トランジスタQ1 のコレクタとベー
スを共通接続する。外部信号電流IEXT をトランジスタ
1 のコレクタ−エミッタに流すことでトランジスタQ
2 のコレクタに接続されたコンデンサ34の放電電流I
2 を調整する様に成したものである。
【0062】同様に図14Bに示す様にカレントミラー
回路を構成するトランジスタQ1 及びQ2 の共通接続さ
れたエミッタと接地間に直流電圧源35が接続され、ト
ランジスタQ2 のエミッタ−コレクタ間を流れる充電電
流I1 はトランジスタQ1 のエミッタ−コレクタ間に流
す外部信号IEXT によって可変可能となり、コンデンサ
34への充電時間をコントロールすることが出来る。
【0063】図15に示すものはトランジスタと抵抗と
の組合せによって可変電流回路を構成させたものであ
る。図15はNPN型トランジスタQ3 を用いているが
PNP型トランジスタを用いてもよい。トランジスタQ
3 のエミッタ−コレクタ間に所定の抵抗値を有する抵抗
2 を接続し、コレクタとB電圧間に分圧抵抗R1 を介
在させ、バイアス電圧源62の一端を接地し、他端を抵
抗R0 ,R0 ′で分圧してトランジスタQ3 のベースに
ベースバイアス電圧を供給すると共にこのベースに外部
信号を供給する様に成したもので、トランジスタQ3
エミッタ側に接続したコンデンサへの充電電流(又は放
電電流)を外部信号によりトランジスタQ 3 のエミッタ
−コレクタ電流を可変する様に成したものである。トラ
ンジスタQ 3 としてN又はP型ジャンクションFET又
はN又はP型MOS−FETを用いて、ソース、ドレイ
ン間に抵抗R2 を接続し、ゲートに外部信号を供給する
様に成してもよい。
【0064】図16に示すものは複数のスイッチS1
9 に対し直列に接続した抵抗RSと並列に接続した抵
抗RP を互に並列接続し、抵抗RS 及びRP の値とスイ
ッチの開閉状態を適宜選択することで充放電電流を可変
して充放電時間を調整する様にして可変電流回路とした
ものである。
【0065】又、上述の定電流源31,31A,31B
としてはジャンクションFETのゲート及びソース間を
接続してVGS=0としてドレイン電流を定電流として利
用したり、或は単に抵抗を用いてもよい。
【0066】さらにスイッチ32,32A,32B,S
等はFET等の半導体素子からなる電気的スイッチ或は
リレー等の機械的スイッチであってもよいことは明らか
である。
【0067】本発明のスイッチング電源用の可変周波数
発振回路によると周波数を変化させるために三角波の傾
きを変えるようにして、比較電圧をノイズに比べて高く
し、三角波の波高値をノイズに対して高く設定したので
耐ノイズ性の向上した発振回路が得られる。又、周波数
を上げる際には充放電電流を増加させ、三角波の立ち上
がり/立ち下がり時間を短くする様にしているので充放
電コンデンサに接続された電流源の等価インピーダンス
は周波数が増加すると共に低くなるので、この際も対ノ
イズ性は向上することになる。
【0068】更に、本発明では鋸歯状波を発振する発振
回路の周波数を可変させるために、鋸歯状波の波高値を
可変させたので磁気トランス等を用いずに定電流源、可
変電流源、ヒステリシスコンパレータ、或はコンパレー
タ等の既存回路で発振回路を構成出来るのでIC化や設
計が容易でデューティの可変範囲も1〜99%の広範囲
に変えることが出来るものが得られる。
【0069】
【発明の効果】本発明のスイッチング電源用の可変周波
数発振回路によれば、比較電圧をノイズに比べて高く出
来るので耐ノイズ性が向上し、簡略化、且つ小型化可能
なものが得られる。またミラー回路やコンパレータがI
C化され易く、コンデンサの充放電とすることが出来る
のでインピーダンスを低くできてノイズに強いものが得
られると共にデューティも自由に変えられる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチング電源用の可変周波数発振
回路の一実施例を示す構成図である。
【図2】共振電源の伝達エネルギー特性曲線図である。
【図3】本発明に用いる電圧比較器のヒステリシス特性
曲線図である。
【図4】図1の動作タイミング波形図である。
【図5】本発明のスイッチング電源用の可変周波数発振
回路の他の構成図である。
【図6】図5の動作タイミング波形図である。
【図7】本発明のスイッチング電源用の可変周波数発振
回路の更に他の構成図である。
【図8】図7の動作タイミング波形図である。
【図9】本発明のスイッチング電源用の2つのスイッチ
手段を用いた可変周波数回路の更に他の構成図である。
【図10】本発明のスイッチング電源用のインダクタン
スを用いた可変周波数発振回路の他の構成図である。
【図11】本発明のスイッチング電源用の波高値を変え
る様にした可変周波数発振回路の他の構成図である。
【図12】図11の動作タイミング波形図である。
【図13】本発明のスイッチング電源用の波高値を変え
る様にした可変周波数発振回路の更に他の構成図であ
る。
【図14】本発明に用いる可変電流回路の一例を示す回
路図である。
【図15】本発明に用いる可変電流回路の他の例を示す
回路図である。
【図16】本発明に用いる可変電流回路の更に他の例を
示す回路図である。
【図17】従来のスイッチングレギュレータの構成図で
ある。
【図18】従来の直交トランスの構成図である。
【図19】従来のスイッチングレギュレータの他の構成
図である。
【符号の説明】
1,1A スイッチング電源用可変周波数発振回路 4,5 スイッチングトランジスタ 10 スイッチングトランス 18 演算増幅回路 30 制御回路 31,31A,31B 可変電流源 32,32A,32B スイッチ 33,33A,33B 定電流源 34 コンデンサ 37 電圧比較器 38 可変周波数発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変動成分が除去されていない直流電流が
    供給され、該直流電流をオン、オフするスイッチング手
    段と、 上記スイッチング手段からの出力電流を整流して所定電
    圧の直流電力を出力する整流手段と、 上記整流手段の出力電圧が入力されて上記スイッチング
    手段を制御する制御手段とを有するスイッチング電源用
    の可変周波数発振回路に於いて、 上記制御手段は、 一定の傾きを有し、且つ 充放電手段からの出力波の波高
    値が上記整流手段の出力電圧に対応して変わる三角波を
    発生する三角波発振手段と、 上記三角波発振手段の出力と基準電圧とを比較する電圧
    比較手段とを備えることを特徴とするスイッチング電源
    用の可変周波数発振回路。
  2. 【請求項2】 前記充放電手段による充電、放電時間が
    共に前記整流手段の出力電圧で可変制御されて成ること
    を特徴とする請求項1記載のスイッチング電源用の可変
    周波数発振回路。
  3. 【請求項3】 前記充放電手段が、コンデンサと該コン
    デンサに充電を行う第1の定電流手段と、該コンデンサ
    の放電を行う第2の定電流手段に直列接続されたスイッ
    チ手段とより成ることを特徴とする請求項1記載のスイ
    ッチング電源用の可変周波数発振回路。
  4. 【請求項4】 前記電圧比較手段が入力電圧の増加方向
    と減少方向とでヒステリシス特性を有することを特徴と
    する請求項1記載のスイッチング電源用の可変周波数発
    振回路。
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