従来より、スイッチング電源には、例えば電流共振回路や自励型フライバック回路が用いられている。電流共振回路は、スイッチ素子を備えており、このスイッチ素子は、制御回路(例えば、特許文献1参照)により制御される。
図8は、従来例に係る電流共振回路100の回路図である。電流共振回路100は、トランスTと、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子Q1、Q2と、キャパシタC1、C2と、ダイオードD1、D2と、電圧測定部110と、制御回路120と、を備える。制御回路120は、スイッチ素子Q1のゲートと、スイッチ素子Q2のゲートと、に接続され、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを、休止期間を挟んで交互にオン状態にする。
スイッチ素子Q1のドレインには、入力端子INが接続され、スイッチ素子Q1のソースには、スイッチ素子Q2のドレインと、トランスTの1次巻線T1の一端と、が接続される。スイッチ素子Q2のソースには、基準電位源GNDが接続される。また、トランスTの1次巻線T1の他端には、キャパシタC1を介して基準電位源GNDが接続される。
トランスTの第1の2次巻線T2の一端には、ダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードには、出力端子OUT1と、キャパシタC2を介して出力端子OUT2と、が接続される。トランスTの第1の2次巻線T2の他端には、出力端子OUT2と、トランスTの第2の2次巻線T3の一端と、が接続される。トランスTの第2の2次巻線T3の他端には、ダイオードD2のアノードが接続され、ダイオードD2のカソードには、出力端子OUT1が接続される。
電圧測定部110は、フォトダイオード(図示省略)を備え、出力端子OUT1、OUT2に接続される。この電圧測定部110は、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、フォトダイオードから光を出射する。フォトダイオードから出射された光は、制御回路120が備えるフォトトランジスタPC11(後述の図9参照)で受光される。制御回路120では、その受光量に応じてスイッチ素子Q1、Q2の発振周波数制御を行い、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が一定となるようにフィードバック制御が行われる。
スイッチ素子Q1がオン状態でかつスイッチ素子Q2がオフ状態の場合には、入力端子INから入力された電流が、オン状態のスイッチ素子Q1を介して、トランスTの1次巻線T1の一端から他端に流れ、キャパシタC1の一方の電極に供給される。その結果、キャパシタC1が充電されるとともに、トランスTの1次巻線T1の周りに、トランスTの1次巻線T1の一端から他端に流れる電流に応じた磁界が発生する。
すると、トランスTの第1の2次巻線T2と、トランスTの第2の2次巻線T3とには、電磁誘導により、トランスTの1次巻線T1の周りに発生した磁界に応じた電圧が生じ、これら電圧がダイオードD1により整流され、さらにキャパシタC2により平滑化されて、出力端子OUT2を基準として出力端子OUT1に直流電圧が出力されることになる。
一方、スイッチ素子Q1がオフ状態でかつスイッチ素子Q2がオン状態の場合には、充電されたキャパシタC1の一方の電極から電流が出力され、この電流は、トランスTの1次巻線T1の他端から一端に流れた後、オン状態のスイッチ素子Q2を介して基準電位源GNDに流れる。その結果、キャパシタC1が放電されるとともに、トランスTの1次巻線T1の周りに、トランスTの1次巻線T1の他端から一端に流れる電流に応じた磁界が発生する。
すると、トランスTの第1の2次巻線T2と、トランスTの第2の2次巻線T3とには、電磁誘導により、トランスTの1次巻線T1の周りに発生した磁界に応じた電圧が生じ、これら電圧がダイオードD2により整流され、さらにキャパシタC2により平滑化されて、出力端子OUT2を基準として出力端子OUT1に直流電圧が出力されることになる。
図9は、従来例に係る制御回路120の回路図である。制御回路120は、集積回路としての制御IC130と、キャパシタC11と、抵抗R11と、フォトトランジスタPC11と、を備える。
制御IC130は、スイッチ素子Q3、Q4、Q5、Q6、Q7、Q8と、直流電源Vrefと、スイッチSWと、電流源Irefと、制御信号供給部131と、電圧検出部132と、を備える。
この制御IC130には、4つの端子が設けられている。端子P1には、基準電位源GNDが接続される。端子P2には、キャパシタC11を介して基準電位源GNDが接続され、端子P3には、抵抗R11を介して基準電位源GNDが接続される。端子P4には、フォトトランジスタPC11のコレクタが接続され、フォトトランジスタPC11のエミッタには、基準電位源GNDが接続される。
スイッチ素子Q3〜Q6は、互いに特性の等しいPチャネルMOSFETで構成され、スイッチ素子Q7、Q8は、NPN型トランジスタで構成される。
スイッチ素子Q3とスイッチ素子Q6とは、カレントミラー回路を構成し、スイッチ素子Q3のゲートと、スイッチ素子Q6のゲートとには、スイッチ素子Q3のソースが接続される。スイッチ素子Q3のドレインと、スイッチ素子Q6のドレインとには、定電圧源VDDが接続される。
スイッチ素子Q3のソースには、スイッチ素子Q7のコレクタが接続される。スイッチ素子Q7のベースには、直流電源Vrefの正極が接続され、スイッチ素子Q7のエミッタには、端子P4が接続される。直流電源Vrefの負極には、基準電位源GNDと、端子P1と、が接続される。
スイッチ素子Q6のソースには、端子P2と、電圧検出部132と、スイッチSWの一端と、が接続される。スイッチSWの他端には、電流源Irefの入力端が接続される。電流源Irefの出力端には、基準電位源GNDが接続される。電圧検出部132は、端子P2の電圧、すなわちキャパシタC11の端子間電圧に応じて、スイッチSWを制御するとともに、信号を制御信号供給部131に供給する。制御信号供給部131は、電圧検出部132から供給される信号に応じて、制御信号SIG1、SIG2を出力する。
スイッチ素子Q4とスイッチ素子Q5とは、カレントミラー回路を構成し、スイッチ素子Q4のゲートと、スイッチ素子Q5のゲートとには、スイッチ素子Q4のソースが接続される。スイッチ素子Q4のドレインと、スイッチ素子Q5のドレインとには、定電圧源VDDが接続される。
スイッチ素子Q4のソースには、スイッチ素子Q8のコレクタが接続される。スイッチ素子Q8のベースには、直流電源Vrefの正極が接続され、スイッチ素子Q8のエミッタには、端子P3が接続される。
スイッチ素子Q5のソースには、端子P2と、電圧検出部132と、スイッチSWの一端と、が接続される。
以上の構成を備える制御回路120は、キャパシタC11の充放電動作を行い、キャパシタC11の端子間電圧に応じて、制御信号SIG1をスイッチ素子Q1のゲートに供給するとともに、制御信号SIG2をスイッチ素子Q2のゲートに供給する。
キャパシタC11の充電は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて行われる。
まず、抵抗R11に流れる電流について、以下に説明する。スイッチ素子Q8は、直流電源Vrefから印加される電圧により、オン状態となり、スイッチ素子Q8のエミッタ電圧は、直流電源Vrefの正極の電圧からスイッチ素子Q8のベースエミッタ間電圧を差し引いた電圧となり、端子P3より出力される。これにより、定電圧源VDDからスイッチ素子Q4、Q8および端子P3を介して抵抗R11に、一定の電流が流れる。そして、スイッチ素子Q4に電流が流れると、スイッチ素子Q4とカレントミラー回路を構成するスイッチ素子Q5にも、スイッチ素子Q4に流れる電流に等しい電流、すなわち抵抗R11に流れる電流に等しい電流が流れることとなる。スイッチ素子Q5に流れる電流は、端子P2を介してキャパシタC11に供給され、キャパシタC11が充電される。
次に、フォトトランジスタPC11に流れる電流について、以下に説明する。スイッチ素子Q7は、直流電源Vrefから印加される電圧により、オン状態となり、スイッチ素子Q7のエミッタ電圧は、直流電源Vrefの正極の電圧からスイッチ素子Q7のベースエミッタ間電圧を差し引いた電圧となり、端子P4より出力される。また、上述の電圧測定部110は、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、フォトダイオードから光を出射する。フォトダイオードから出射された光は、制御IC130の端子P4に接続されたフォトトランジスタPC11で受光され、その受光量に応じてフォトトランジスタPC11のコレクタに電流が流れる。
これにより、定電圧源VDDからスイッチ素子Q3、Q7及び端子P4を介して、フォトトランジスタPC11に電流が流れる。そして、スイッチ素子Q3に電流が流れると、スイッチ素子Q3とカレントミラー回路を構成するスイッチ素子Q6に電流が流れ、端子P2を介してキャパシタC11に供給され、キャパシタC11が充電される。
一方、キャパシタC11の放電は、スイッチSWに流れる電流により行われる。具体的には、電圧検出部132は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間において、キャパシタC11の端子間電圧がV2からV1に低下するまで(後述の図10参照)、スイッチSWをオン状態にする。すると、キャパシタC11から、スイッチSWおよび電流源Irefを介して、基準電位源GNDに電流が流れ、キャパシタC11が放電される。
以上によれば、抵抗R11およびスイッチ素子Q4、Q5、Q8は、キャパシタC11を充電するための手段である。また、フォトトランジスタPC11およびスイッチ素子Q3、Q6、Q7は、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、キャパシタC11を充電するための手段である。一方、スイッチSWおよび電流源Irefは、キャパシタC11を放電するための手段である。
図10は、従来例に係る電流共振回路100のタイミングチャートである。VC11は、キャパシタC11の端子間電圧を示し、VSIG1は、制御信号SIG1の電圧を示し、VSIG2は、制御信号SIG2の電圧を示す。
図10に波形を示した期間は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間であり、時刻t31〜t33までの期間と、時刻t33〜t35までの期間と、を交互に繰り返している。
ここで、キャパシタC11の端子間電圧VC11に注目する。すると、時刻t31〜t33までの期間のうち時刻t31〜t32までの期間と、時刻t33〜t35までの期間のうち時刻t33〜t34までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われており、キャパシタC11の端子間電圧VC11が上昇している。一方、時刻t31〜t33までの期間のうち時刻t32〜t33までの期間と、時刻t33〜t35までの期間のうち時刻t34〜t35までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われているが、スイッチSWに流れる電流により放電も行われており、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されているため、キャパシタC11の端子間電圧VC11が低下している。
以下に、時刻t31〜t35までの期間について詳述する。
時刻t31において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1となり、スイッチSWがオフ状態となる。このため、スイッチSWに電流が流れないこととなり、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の放電が停止される。
一方、抵抗R11には電流が流れ続け、抵抗R11に流れる電流に応じたキャパシタC11の充電が継続して行われる。また、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じた光量の光をフォトトランジスタPC11がフォトダイオードから受光し、フォトトランジスタPC11には受光量に応じた電流が流れ続け、フォトトランジスタPC11に流れる電流に応じたキャパシタC11の充電が継続して行われる。
以上より、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われることとなる。その結果、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t32ではV2となる。
また、時刻t31において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGHとなり、スイッチ素子Q2がオン状態となる。
時刻t32において、キャパシタC11が充電されて端子間電圧VC11がV2になると、スイッチSWがオン状態となる。このため、スイッチSWに電流が流れ始め、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の放電が開始される。
また、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じたキャパシタC11の充電が継続して行われる。
以上より、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により放電が行われることとなる。そして、上述のように、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されている。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t33ではV1となる。
また、時刻t32において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGLとなり、スイッチ素子Q2がオフ状態となる。
時刻t33において、時刻t31と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われることとなる。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t34ではV2となる。
また、時刻t33において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGHとなり、スイッチ素子Q1がオン状態となる。
時刻t34において、時刻t32と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、に応じて充電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により放電が行われることとなる。そして、上述のように、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されている。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t35ではV1となる。
また、時刻t34において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGLとなり、スイッチ素子Q1がオフ状態となる。
なお、時刻t32〜t33までの期間と、時刻t34〜t35までの期間とは、スイッチ素子Q1、Q2がともにオフ状態となる休止期間である。ここで、制御IC130内の電流源Irefの電流値は固定となっているが、キャパシタC11の容量を変化させることで、休止期間を設定することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御回路20の回路図である。制御回路20は、図9に示した従来例に係る制御回路120とは、キャパシタC11を充放電する回路の構成が異なる。また、制御回路120では、キャパシタC11の端子間電圧VC11が低下する期間(例えば、図10の時刻t32〜t33までの期間に相当)が休止期間であったが、制御回路20では、キャパシタC11の端子間電圧VC11が上昇する期間(例えば、図2の時刻t2〜t3までの期間に相当)が休止期間となる点が、異なる。なお、制御回路20において、制御回路120と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。また、図8に示した従来例に係る電流共振回路100について、制御回路120の代わりに制御回路20を設けたものを、電流共振回路1とする。
制御回路20は、集積回路としての制御IC30と、キャパシタC11と、抵抗R11と、フォトトランジスタPC11と、を備える。制御IC30は、電流源Irefと、スイッチSWと、制御信号供給部131と、電圧検出部132と、を備える。
この制御IC30には、2つの端子が設けられている。端子P1には、基準電位源GNDが接続され、制御IC30の内部の基準電位源GNDと、制御IC30の外部の基準電位源GNDと、が接続されている。端子P5には、キャパシタC11を介して基準電位源GNDが接続される。
電流源Irefの入力端には、定電圧源VDDが接続され、電流源Irefの出力端には、スイッチSWの一端が接続される。スイッチSWの他端には、端子P5と、電圧検出部132と、が接続される。電圧検出部132は、端子P5の電圧、すなわちキャパシタC11の端子間電圧VC11に応じて、スイッチSWを制御するとともに、信号を制御信号供給部131に供給する。制御信号供給部131は、電圧検出部132から供給される信号に応じて、制御信号SIG1、SIG2を出力する。
キャパシタC11の一方の電極には、端子P5に加えて、抵抗R11の一端と、フォトトランジスタPC11のコレクタと、が接続される。また、キャパシタC11の他方の電極には、基準電位源GNDに加えて、抵抗R11の他端と、フォトトランジスタPC11のエミッタと、が接続される。
以上の構成を備える制御回路20は、キャパシタC11の充放電動作を行い、キャパシタC11の端子間電圧VC11に応じて、制御信号SIG1をスイッチ素子Q1のゲートに供給するとともに、制御信号SIG2をスイッチ素子Q2のゲートに供給する。
キャパシタC11の充電は、スイッチSWに流れる電流により行われる。具体的には、電圧検出部132は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1からV2に上昇するまで(後述の図2参照)、スイッチSWをオン状態にする。すると、電流源IrefからスイッチSWを介して、キャパシタC11に電流が供給され、キャパシタC11が充電される。
一方、キャパシタC11の放電は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により行われる。
まず、抵抗R11に流れる電流について、以下に説明する。キャパシタC11の一方の電極は、抵抗R11を介して基準電位源GNDに接続されている。このため、キャパシタC11の一方の電極から抵抗R11を介して基準電位源GNDに電流が流れ、キャパシタC11が放電される。
次に、フォトトランジスタPC11に流れる電流について、以下に説明する。キャパシタC11の一方の電極は、フォトトランジスタPC11を介して基準電位源GNDに接続されている。フォトトランジスタPC11では、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じてコレクタに電流が流れ、その結果、キャパシタC11が放電される。
以上によれば、電流源IrefおよびスイッチSWは、キャパシタC11を充電するための手段である。一方、抵抗R11は、キャパシタC11を放電するための手段である。また、フォトトランジスタPC11は、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、キャパシタC11を放電するための手段である。そして、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が高くなるに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が増加して、キャパシタC11の放電が早くなり、スイッチ素子Q1、Q2が交互にオン状態となる周波数である発振周波数が高くなる。一方、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が低下するに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が減少して、フォトトランジスタPC11に流れる電流が「0」になると、抵抗R11に流れる電流のみでのキャパシタC11が放電されることとなる。このため、発振周波数の下限が抵抗R11により決定されることになる。なお、フォトトランジスタPC11と直列に抵抗(図示省略)を接続することで、フォトトランジスタPC11のコレクタ電流を制限して、発振周波数の上限を設定することもできる。
図2は、電流共振回路1のタイミングチャートである。
図2に波形を示した期間は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間であり、時刻t1〜t3までの期間と、時刻t3〜t5までの期間と、を交互に繰り返している。
ここで、キャパシタC11の端子間電圧VC11に注目する。すると、時刻t1〜t3までの期間のうち時刻t1〜t2までの期間と、時刻t3〜t5までの期間のうち時刻t3〜t4までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われており、キャパシタC11の端子間電圧VC11が低下している。一方、時刻t1〜t3までの期間のうち時刻t2〜t3までの期間と、時刻t3〜t5までの期間のうち時刻t4〜t5までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われているが、スイッチSWに流れる電流により充電も行われており、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である放電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である充電電流の方が大きく設定されているため、キャパシタC11の端子間電圧VC11が上昇している。
以下に、時刻t1〜t5までの期間について詳述する。
時刻t1において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV2となり、スイッチSWがオフ状態となる。このため、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の充電が停止される。一方、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の放電が継続して行われる。以上より、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t2ではV1となる。
また、時刻t1において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGHとなり、スイッチ素子Q2がオン状態となる。
時刻t2において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1となり、スイッチSWがオン状態となる。このため、スイッチSWに電流が流れ始め、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の充電が開始される。また、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の放電が継続して行われる。ここで、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である放電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である充電電流の方が大きく設定されている。したがって、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t3ではV2となる。
また、時刻t2において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGLとなり、スイッチ素子Q2がオフ状態となる。
時刻t3において、時刻t1と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われることとなる。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t4ではV1となる。
また、時刻t3において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGHとなり、スイッチ素子Q1がオン状態となる。
時刻t4において、時刻t2と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により充電が行われることとなる。そして、上述のように、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である放電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である充電電流の方が大きく設定されている。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t5ではV2となる。
また、時刻t4において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGLとなり、スイッチ素子Q1がオフ状態となる。
以上の電流共振回路1によれば、以下の効果を奏することができる。
キャパシタC11は、制御IC30に設けられた電流源IrefおよびスイッチSWにより、充電される。一方、キャパシタC11は、制御IC30とは別個に設けられた抵抗R11により、放電される。また、キャパシタC11は、制御IC30とは別個に設けられたフォトトランジスタPC11により、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、放電される。以上より、キャパシタC11を充放電させるために制御IC30に必要な端子は、キャパシタC11と、制御IC30に設けられた電流源IrefおよびスイッチSWと、を接続する端子P5の1つとなる。また、キャパシタC11は、制御IC30とは別個に設けられるため、キャパシタC11の容量を変化させることができる。以上によれば、制御IC30の端子数を増加させることなく、キャパシタC11の容量を設定することでスイッチ素子Q1、Q2がともにオフ状態となる休止期間を設定できる。
また、制御IC30は、図9に示した従来例に係る制御IC130に設けられていたスイッチ素子Q3〜Q8および直流電源Vrefを備えることなく、キャパシタC11を充放電する。このため、制御IC30の構成を簡略化できるとともに、カレントミラー回路(図9におけるスイッチ素子Q3およびスイッチ素子Q6、ならびに、スイッチ素子Q4およびスイッチ素子Q5)を設ける必要がないため、カレントミラー回路による電流の変動要因がなくなり、発振周波数の精度を向上できる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る制御回路20Aの回路図である。制御回路20Aは、図9に示した従来例に係る制御回路120とは、キャパシタC11を充放電する回路の構成が異なる。なお、制御回路20Aにおいて、制御回路120と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。また、図8に示した従来例に係る電流共振回路100について、制御回路120の代わりに制御回路20Aを設けたものを、電流共振回路1Aとする。
制御回路20Aは、制御IC30Aと、キャパシタC11と、抵抗R11と、フォトトランジスタPC11と、直流電源VCCと、を備える。制御IC30Aは、電流源Irefと、スイッチSWと、制御信号供給部131と、電圧検出部132と、を備える。
この制御IC30Aには、2つの端子が設けられている。端子P1には、基準電位源GNDが接続され、制御IC30Aの内部の基準電位源GNDと、制御IC30Aの外部の基準電位源GNDと、が接続されている。端子P6には、キャパシタC11を介して基準電位源GNDが接続される。
電流源Irefの出力端には、基準電位源GNDが接続され、電流源Irefの入力端には、スイッチSWの一端が接続される。スイッチSWの他端には、端子P6と、電圧検出部132と、が接続される。電圧検出部132は、端子P6の電圧、すなわちキャパシタC11の端子間電圧VC11に応じて、スイッチSWを制御するとともに、信号を制御信号供給部131に供給する。制御信号供給部131は、電圧検出部132から供給される信号に応じて、制御信号SIG1、SIG2を出力する。
キャパシタC11の一方の電極には、端子P6に加えて、抵抗R11の一端と、フォトトランジスタPC11のエミッタと、が接続される。また、キャパシタC11の他方の電極には、基準電位源GNDが接続される。抵抗R11の他端には、フォトトランジスタPC11のコレクタと、直流電源VCCの正極と、が接続される。直流電源VCCの負極には、基準電位源GNDが接続される。
以上の構成を備える制御回路20Aは、キャパシタC11の充放電動作を行い、キャパシタC11の端子間電圧VC11に応じて、制御信号SIG1をスイッチ素子Q1のゲートに供給するとともに、制御信号SIG2をスイッチ素子Q2のゲートに供給する。
キャパシタC11の充電は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により行われる。
まず、抵抗R11に流れる電流について、以下に説明する。キャパシタC11の一方の電極は、抵抗R11を介して直流電源VCCの正極に接続されている。このため、直流電源VCCの正極から抵抗R11を介してキャパシタC11に電流が供給され、キャパシタC11が充電される。
次に、フォトトランジスタPC11に流れる電流について、以下に説明する。キャパシタC11の一方の電極は、フォトトランジスタPC11を介して直流電源VCCの正極に接続されている。フォトトランジスタPC11では、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じてコレクタに電流が流れ、その結果、キャパシタC11が充電される。
一方、キャパシタC11の放電は、スイッチSWに流れる電流により行われる。具体的には、電圧検出部132は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV2からV1に低下するまで(後述の図4参照)、スイッチSWをオン状態にする。すると、キャパシタC11の一方の電極から、スイッチSWおよび電流源Irefを介して基準電位源GNDに電流が流れ、キャパシタC11が放電される。
以上によれば、抵抗R11および直流電源VCCは、キャパシタC11を充電するための手段である。また、フォトトランジスタPC11および直流電源VCCは、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、キャパシタC11を充電するための手段である。一方、スイッチSWおよび電流源Irefは、キャパシタC11を放電するための手段である。そして、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が高くなるに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が増加して、キャパシタC11の充電が早くなり、スイッチ素子Q1、Q2が交互にオン状態となる周波数である発振周波数が高くなる。一方、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が低下するに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が減少して、フォトトランジスタPC11に流れる電流が「0」になると、抵抗R11に流れる電流のみでのキャパシタC11が充電されることとなる。このため、発振周波数の下限が抵抗R11により決定されることになる。なお、フォトトランジスタPC11と直列に抵抗(図示省略)を接続することで、フォトトランジスタPC11のコレクタ電流を制限して、発振周波数の上限を設定することもできる。
図4は、電流共振回路1Aのタイミングチャートである。
図4に波形を示した期間は、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2とを交互にオン状態にする期間であり、時刻t11〜t13までの期間と、時刻t13〜t15までの期間と、を交互に繰り返している。
ここで、キャパシタC11の端子間電圧VC11に注目する。すると、時刻t11〜t13までの期間のうち時刻t11〜t12までの期間と、時刻t13〜t15までの期間のうち時刻t13〜t14までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により充電が行われており、キャパシタC11の端子間電圧VC11が上昇している。一方、時刻t11〜t13までの期間のうち時刻t12〜t13までの期間と、時刻t13〜t15までの期間のうち時刻t14〜t15までの期間とでは、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により充電が行われているが、スイッチSWに流れる電流により充電も行われており、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されているため、キャパシタC11の端子間電圧VC11が低下している。
以下に、時刻t11〜t15までの期間について詳述する。
時刻t11において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1となり、スイッチSWがオフ状態となる。このため、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の放電が停止される。一方、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の充電が継続して行われる。以上より、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t12ではV2となる。
また、時刻t11において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGHとなり、スイッチ素子Q2がオン状態となる。
時刻t12において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV2となり、スイッチSWがオン状態となる。このため、スイッチSWに電流が流れ始め、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の放電が開始される。また、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の充電が継続して行われる。ここで、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されている。したがって、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t13ではV1となる。
また、時刻t12において、制御信号SIG2の電圧VSIG2がVGLとなり、スイッチ素子Q2がオフ状態となる。
時刻t13において、時刻t11と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により充電が行われることとなる。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t14ではV2となる。
また、時刻t13において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGHとなり、スイッチ素子Q1がオン状態となる。
時刻t14において、時刻t12と同様に、キャパシタC11は、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により充電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により放電が行われることとなる。ここで、上述のように、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である充電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である放電電流の方が大きく設定されている。このため、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t15ではV1となる。
また、時刻t14において、制御信号SIG1の電圧VSIG1がVGLとなり、スイッチ素子Q1がオフ状態となる。
以上の電流共振回路1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
キャパシタC11は、制御IC30Aとは別個に設けられた抵抗R11および直流電源VCCにより、充電される。また、キャパシタC11は、制御IC30Aとは別個に設けられたフォトトランジスタPC11および直流電源VCCにより、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、充電される。一方、キャパシタC11は、制御IC30Aに設けられたスイッチSWおよび電流源Irefにより、放電される。以上より、キャパシタC11を充放電させるために制御IC30Aに必要な端子は、キャパシタC11と、制御IC30Aに設けられたスイッチSWおよび電流源Irefと、を接続する端子P6の1つとなる。また、キャパシタC11は、制御IC30Aとは別個に設けられるため、キャパシタC11の容量を変化させることができる。以上によれば、制御IC30Aの端子数を増加させることなく、キャパシタC11の容量を設定することでスイッチ素子Q1、Q2がともにオフ状態となる休止期間を設定できる。
また、制御IC30Aは、図9に示した従来例に係る制御IC130に設けられていたスイッチ素子Q3〜Q8および直流電源Vrefを備えることなく、キャパシタC11を充放電する。このため、制御IC30Aの構成を簡略化できるとともに、カレントミラー回路(図9におけるスイッチ素子Q3およびスイッチ素子Q6、ならびに、スイッチ素子Q4およびスイッチ素子Q5)を設ける必要がないため、カレントミラー回路による電流の変動要因がなくなり、発振周波数の精度を向上できる。
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係る自励型フライバック回路1Bの回路図である。自励型フライバック回路1Bは、トランスTと、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子Q9と、キャパシタC2、C3と、ダイオードD1と、抵抗R1と、電圧測定部110と、制御回路20Bと、スナバ回路40と、を備える。
制御回路20Bは、スイッチ素子Q9のゲートに接続され、スイッチ素子Q9をオンオフする。また、この制御回路20Bには、抵抗R1を介してトランスTの制御巻線T5の一端が接続される。トランスTの制御巻線T5の他端には、基準電位源GNDが接続される。
スイッチ素子Q9のドレインには、キャパシタC3の一方の電極と、トランスTの1次巻線T1の一端と、が接続され、スイッチ素子Q9のソースには、キャパシタC3の他方の電極と、基準電位源GNDと、が接続される。また、トランスTの1次巻線T1の他端には、入力端子INが接続されるとともに、スナバ回路40を介してトランスTの1次巻線T1の一端が接続される。
トランスTの2次巻線T4の一端には、ダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードには、出力端子OUT1と、キャパシタC2を介して出力端子OUT2と、が接続される。トランスTの2次巻線T4の他端には、出力端子OUT2が接続される。
電圧測定部110は、フォトダイオード(図示省略)を備え、出力端子OUT1、OUT2に接続される。この電圧測定部110は、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、フォトダイオードから光を出射する。フォトダイオードから出射された光は、制御回路20Bが備えるフォトトランジスタPC11(後述の図6参照)で受光される。制御回路20Bでは、その受光量に応じてスイッチ素子Q9の発振周波数制御を行い、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が一定となるようにフィードバック制御が行われる。
スイッチ素子Q9がオン状態になると、入力端子INから入力された電流が、トランスT1の1次巻線T1の他端から一端に流れ、トランスTにエネルギーが蓄積される。その後、所定期間が経過した後にスイッチ素子Q9がオフ状態になると、スイッチ素子Q9がオン状態であった期間にトランスTに蓄積されたエネルギーにより、トランスTの2次巻線T4と、トランスTの制御巻線T5と、には、他端から一端に電流を流そうとする電圧が生じる。
トランスTの2次巻線T4に生じた電圧は、ダイオードD1により整流され、さらにキャパシタC2により平滑化される。その結果、出力端子OUT2を基準として出力端子OUT1に直流電流が出力されることになる。また、トランスTの制御巻線T5に生じた電圧は、抵抗R1を介して、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5として制御回路20Bに供給される。
図6は、制御回路20Bの回路図である。制御回路20Bは、図1に示した本発明の第1実施形態に係る制御回路20とは、制御IC30BにツェナーダイオードDZが設けられる点と、制御信号供給部31および電圧検出部32の動作と、が異なる。なお、制御回路20Bにおいて、制御回路20と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略する。
ツェナーダイオードDZのアノードには、基準電位源GNDが接続され、ツェナーダイオードDZのカソードには、端子P5が接続される。
電圧検出部32は、端子P5の電圧すなわちキャパシタC11の端子間電圧VC11と、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧と、に応じて、スイッチSWを制御するとともに、信号を制御信号供給部131に供給する。制御信号供給部131は、電圧検出部32から供給される信号に応じて、制御信号SIG3を出力する。
以上の制御回路20Bでは、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が高くなるに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が増加して、キャパシタC11の放電が早くなり、スイッチ素子Q9がオン状態となる期間であるオン幅が狭くなる。一方、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧が低下するに従って、フォトトランジスタPC11に流れる電流が減少して、フォトトランジスタPC11に流れる電流が「0」になると、抵抗R11に流れる電流のみでのキャパシタC11が放電されることとなる。このため、オン幅の最大値が抵抗R11により決定されることになる。
図7は、自励型フライバック回路1Bのタイミングチャートである。
図7に波形を示した期間は、スイッチ素子Q9をオンオフする期間であり、時刻t21〜t27までの期間を繰り返している。
ここで、キャパシタC11の端子間電圧VC11に注目する。すると、時刻t21〜t27までの期間のうち時刻t21〜t23までの期間では、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により充電が行われており、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流との総和である放電電流と比べて、スイッチSWに流れる電流である充電電流の方が大きく設定されているため、キャパシタC11の端子間電圧VC11が上昇している。時刻t21〜t27までの期間のうち時刻t23〜t26までの期間では、時刻t21〜t23までの期間と同様に、抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われるとともに、スイッチSWに流れる電流により充電が行われているが、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、ツェナーダイオードDZのツェナー電圧に等しい電圧で保持されている。時刻t21〜t27までの期間のうち時刻t26〜t27までの期間では、スイッチSWがオフとなり抵抗R11に流れる電流と、フォトトランジスタPC11に流れる電流と、により放電が行われており、キャパシタC11の端子間電圧VC11が低下している。
以下に、時刻t21〜t27までの期間について詳述する。
時刻t21において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1となり、スイッチSWがオン状態となる。このため、スイッチSWに電流が流れ始め、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の充電が開始される。また、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の放電が継続して行われる。ここで、抵抗R11に流れる電流とフォトトランジスタPC11に流れる電流に応じてキャパシタC11に流れる放電電流と比べて、スイッチSWに流れる充電電流が大きく設定されている。したがって、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t23ではツェナーダイオードDZのツェナー電圧に等しいV2となり、時刻t26においてスイッチSWがオフ状態となるまでV2で保持される。
また、時刻t21において、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1となると、制御信号SIG3の電圧VSIG3がVGLとなり、スイッチ素子Q9がオフ状態となる。すると、トランスTの制御巻線T5に電圧が生じ、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5は、時間が経過するに従って上昇し、時刻t22ではV3となる。
時刻t24において、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5の低下が始まり、時刻t25では所定の閾値VXとなり、時刻t26ではV4となる。
トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5が所定の閾値VXとなる時刻t25から所定時間が経過した後の時刻t26において、スイッチSWがオフ状態となる。このため、スイッチSWに流れる電流によるキャパシタC11の充電が停止される。一方、抵抗R11およびフォトトランジスタPC11には電流が流れ続け、キャパシタC11の放電が継続して行われる。したがって、キャパシタC11の端子間電圧VC11は、時間が経過するに従って低下し、時刻t27ではV1となる。
また、時刻t26において、制御信号SIG3の電圧VSIG3がVGHとなり、スイッチ素子Q9がオン状態となる。
なお、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5は、V4からV3まで上昇する際に、リンギングノイズや、スイッチ素子Q9のスイッチング動作によるスイッチ素子Q9のゲート電圧振動により、誤って所定の閾値VXとなってしまう場合がある。そこで、電圧検出部32は、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1からV2まで上昇する期間を休止期間とし、この期間にトランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5が所定の閾値VXになっても、このことを受け付けないものとする。これによれば、リンギングノイズやスイッチ素子Q9のゲート電圧振動により誤って、スイッチSWがオフ状態になったり、制御信号SIG3の電圧VSIG3がVGHになったりするのが防止されることとなる。また、休止期間をさらに広げオフ期間を任意設定することにより、周波数変動を低減する用途への応用も可能となる。
以上の自励型フライバック回路1Bによれば、以下の効果を奏することができる。
キャパシタC11は、制御IC30Bに設けられた電流源IrefおよびスイッチSWにより、充電される。一方、キャパシタC11は、制御IC30Bとは別個に設けられた抵抗R11により、放電される。また、キャパシタC11は、制御IC30Bとは別個に設けられたフォトトランジスタPC11により、出力端子OUT2を基準とした出力端子OUT1の電圧に応じて、放電される。以上より、キャパシタC11を充放電させるために制御IC30Bに必要な端子は、キャパシタC11と、制御IC30Bに設けられた電流源IrefおよびスイッチSWと、を接続する端子P5の1つとなる。
また、キャパシタC11は、制御IC30Bとは別個に設けられるため、キャパシタC11の容量を変化させることができる。このため、キャパシタC11の容量を設定することで、キャパシタC11の端子間電圧VC11がV1からV2まで上昇する期間を設定して、トランスTの制御巻線T5の一端の電圧VT5が所定の閾値VXになったことを受け付けない期間を設定できる。
以上によれば、制御IC30Bの端子数を増加させることなく、スイッチ素子Q9が誤ってオン状態になってしまうのを防止する休止期間をキャパシタC11の容量を設定することで設定できる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。