JP3384544B2 - パターン形成体およびパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成体およびパターン形成方法

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JP3384544B2 JP16539298A JP16539298A JP3384544B2 JP 3384544 B2 JP3384544 B2 JP 3384544B2 JP 16539298 A JP16539298 A JP 16539298A JP 16539298 A JP16539298 A JP 16539298A JP 3384544 B2 JP3384544 B2 JP 3384544B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷をはじめとし
て各種の用途に使用可能な新規なパターン形成体および
パターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材上に、周囲とは異なる特性を有する
領域を形成したパターン形成体に関するものである。パ
ターン形成体が図案、画像、文字等の印刷に利用する場
合には、パターンは印刷インクを転写する際にインクを
受容もしくは反発する部分を意味する。また、本発明の
パターン形成体は、印刷用途以外にも利用することがで
き、その場合のパターンは、濡れ性の変化に応じてパタ
ーン形成体上に形成されたパターン状の層および転写さ
れた層を意味する。印刷を例に挙げて説明すると、印刷
方法の一種である平版印刷に使用する平版印刷版は、平
版上にインクを受容する親油性部位と、印刷インクを受
容しない部位を形成し、親油性部位に印刷すべきインク
の画像を形成し、形成した画像を紙等に転写して印刷し
ている。こうした印刷では、印刷版原版に、文字、図形
等のパターンを形成して印刷版を作製して印刷機に装着
して使用している。代表的な平版印刷版であるオフセッ
ト印刷用の印刷版原版には、数多くのものが提案されて
いる。
【0003】オフセット印刷用の印刷版は、印刷版原版
にパターンを描いたマスクを介して露光して現像する方
法、あるいは電子写真方式によって直接に露光して印刷
版原版上に直接に製版する方法等によって作製すること
ができる。電子写真式のオフセット印刷版原版は、導電
性基材上に酸化亜鉛等の光導電性粒子および結着樹脂を
主成分とした光導電層を設けた感光体として、電子写真
方式によって露光し、感光体表面に親油性の高い画像を
形成させ、続いて不感脂化液で処理し非画像部分を親水
化することによってオフセット原版を得る方法によって
作製されている。親水性部分は水等によって浸漬して疎
油性とされ、親油性の画像部分に印刷インクが受容され
て紙等に転写される。また、こうした水の浸漬によって
疎油性の部位を形成する方法に代えて、水等の浸漬によ
らずとも高度に疎油性の部位を形成することによって、
インクを受容する部位とインクを受容しない部位を形成
する乾式平板印刷用の印刷版原版も用いられている。
【0004】また、レーザーの照射によって、インクに
対して受容性の高い部位と、撥インク性の部位を形成す
ことが可能な、ヒートモード記録材料を用いた平版印刷
原版を作製する方法も提案されている。ヒートモード記
録材料は、現像等の工程が不要で、単にレーザー光によ
って画像を形成するのみで印刷版を製造することができ
るという特徴を有しているが、レーザーの強度の調整、
レーザーにより変質した固体状物質の残留物の処理の間
題、耐刷性などに課題があった。
【0005】また、高精細なパターンを形成する方法と
して、基材上に塗布したフォトレジスト層にパターンの
露光を行い、露光後のフォトレジストの現像後、さらに
エッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有す
る物質を用いて、フォトレジストの露光によって目的と
するパターンを直接形成する等のフォトリソグラフィー
による方法が知られている。
【0006】フォトリソグラフィーによる高精細パター
ンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィル
ターの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精
細な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するク
ロムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法
によっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に
液体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う
必要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題
点があり、またフォトレジストして機能性の物質を用い
た場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によっ
て劣化する等の問題点もあった。
【0007】カラーフィルタ等の高精細なパターンを印
刷等によって形成することも行われているが、印刷で形
成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精
細なパターンの形成は困難であった。また、本発明者等
は、このような問題点を解決するために、光触媒の作用
によって濡れ性が変化する物質を用いてパターンを形成
するパターン形成体およびパターン形成方法を既に、特
願平9−214845号として提案しているが、本発明
は、このような光触媒を用いたパターン形成体および形
成方法において、特性のより優れたパターン形成体およ
びパターン形成方法を提供するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なパタ
ーン形成体およびパターン形成方法を提供することを課
題とするものであり、印刷版原版に使用すれば、従来の
印刷版原版の有する問題点を解決することが可能な、新
規な印刷版原版を提供することができるパターン形成体
を提供することを課題とするものであり、各種の機能性
素子の形成に用いれば、特性の優れた機能性素子を提供
することができるパターン形成体およびパターン形成方
法を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学的にパタ
ーンを形成する第1のパターン形成体において、基材上
に光触媒含有層を有し、光触媒含有層は、パターンの露
光によって光触媒の作用により濡れ性が変化すると共
に、ケイ素原子に結合したオルガノ基としてフルオロア
ルキル基を含有したシリコーン樹脂、または該シリコー
ン樹脂と無定形シリカとを結着剤とし、該結着剤に光触
媒が分散されてなるパターン形成体である。光学的にパ
ターンを形成する第2のパターン形成体において、基材
上に光触媒含有層を有し、光触媒含有層上に、パターン
の露光によって光触媒の作用により濡れ性が変化するシ
リコーン樹脂、または該シリコーン樹脂と無定形シリカ
とを含有する層を有するパターン形成体である。
【0010】シリコーン樹脂が、ケイ素原子に結合した
オルガノ基としてフルオロアルキル基を含有したシリコ
ーン樹脂である前記の第2のパターン形成体である。シ
リコーン樹脂がオルガノアルコキシシランを含む組成物
から得られたものである前記のパターン形成体である。
シリコーン樹脂が反応性シリコーン化合物を含む組成物
から得られたものである前記のパターン形成体である。
パターン形成体が印刷版原版である前記のパターン形成
体である。
【0011】また、光学的にパターンを形成する方法に
おいて、光学的にパターンを形成する方法において、基
材上に光触媒の作用により濡れ性が変化すると共に、ケ
イ素原子に結合したオルガノ基としてフルオロアルキル
基を含有したシリコーン樹脂、または該シリコーン樹脂
と無定形シリカとを結着剤とし、該結着剤に光触媒が分
散されてなる光触媒含有層を設けたパターン形成体、ま
たは、基材上に形成した光触媒含有層上に光触媒の作用
により濡れ性が変化するシリコーン樹脂、または該シリ
コーン樹脂と無定形シリカとを含有する層を形成したパ
ターン形成体に、パターンの露光をし、光触媒の作用に
よって表面の濡れ性を変化させるパターン形成方法であ
る。光触媒含有層に対するパターン露光は、光描画照射
により行う前記のパターン形成方法である。光触媒含有
層に対するパターン露光は、フォトマスクを介した露光
によって行う前記のパターン形成方法である。光触媒含
有層に対するパターン露光は、パターン形成体を加熱し
ながら行う前記のパターン形成方法である。
【0012】基材上に前記のパターン形成体を有し、前
記のパターン露光によって得られた該パターン形成体の
パターンに対応した部位上に機能性層が配置された素子
である。機能性層が少なくとも金属からなる層である前
記の素子である。
【0013】基材上に前記のパターン形成体を有し、前
記のパターン露光によって得られた該パターン形成体の
パターンに対応した部位上に機能性層を形成する素子作
製方法である。パターン形成体の全面に機能性層用組成
物を塗布する工程、未露光部の反撥作用によって露光部
の濡れ性の変化した部位上のみにパターン状に機能性層
を形成する工程を有する前記の素子作製方法である。パ
ターン形成体の全面に機能性層用組成物を滴下する工
程、未露光部の反撥作用によって露光部の濡れ性の変化
した部位上のみにパターン状に機能性層を形成する工程
を有する前記の素子作製方法である。パターン形成体へ
の機能性層の形成が機能性層用組成物の濡れ性が変化し
た部位へのノズル吐出による前記の素子作製方法であ
る。ノズル吐出がインクジェットを利用した前記の素子
作製方法である。パターン形成体の全面に機能性層用組
成物を密着する工程、露光部および未露光部の付着力の
違いにより露光部の濡れ性の変化した部位上のみにパタ
ーン状に転写し機能性層を形成する工程を有する前記の
素子作製方法である。パターン形成体への機能性層の形
成が、機能性層用組成物塗布フィルムまたは機能性層用
組成物塗布ロールから熱または圧力による転写による前
記の素子作製方法である。パターン形成体への機能性層
の形成が、無電解めっきを利用した成膜による前記の素
子作製方法である。パターン形成体の全面に機能性層用
組成物を積層する工程、未露光部の機能性層を除去する
ことによってパターン状に機能性層を形成する工程を有
する前記の素子作製方法である。
【0014】パターン形成体への機能性層の形成が、機
能性層用組成物の塗布による前記の素子作製方法であ
る。パターン形成体への機能性層の形成が、機能性層用
組成物の真空を利用した成膜による前記の素子作製方法
である。パターン形成体への機能性層の形成が、機能性
層用組成物の転写による前記の素子作製方法である。パ
ターン形成体への機能性層の形成が、機能性層用組成物
のノズル吐出による前記の素子作製方法である。ノズル
からの吐出がインクジェットを利用した前記の素子作製
方法である。未露光部の機能性層の除去を溶剤によって
行う前記の素子作製方法である。未露光部の機能性層の
除去を粘着層を形成した基材を密着して引き剥がすこと
よって除去する前記の素子作製方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、光の照射によって近傍
の物質に化学変化を起こすことが可能な光触媒の作用を
用いて、パターンを形成するパターン形成体およびパタ
ーン形成方法である。本発明において、パターンは、図
案、画像、文字等の印刷に利用する場合には印刷インク
を転写する際にインクを受容もしくは反発する部分を意
味する。 また、本発明のパターン形成体は印刷用途以
外に利用することができる。この場合には、パターン
は、濡れ性の変化に応じてパターン形成体上に形成され
た周囲とは特性が異なる領域、およびそれらが他の基材
上に転写された転写物である場合も意味する。本発明の
酸化チタンに代表される光触媒による作用機構は、必ず
しも明確なものではないが、光の照射によって生成した
キャリアが、近傍の化合物との直接反応あるいは酸素、
水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学
構造に変化を及ぼすものと考えられている。このような
光触媒の作用を用いて、油性汚れを光照射によって分解
し、油性汚れを親水化して水によって洗浄可能なものと
したり、ガラス等の表面に親水性膜を形成して防曇性を
付与したり、あるいはタイル等の表面に光触媒の含有層
を形成して空気中の浮遊菌の数を減少させるいわゆる抗
菌タイル等が提案されている。
【0016】本発明では、光触媒の作用により濡れ性が
変化する物質、光触媒の作用により分解除去される層、
光触媒の作用により濡れ性が変化する物質の含有層、あ
るいは光触媒の作用により分解される物質と結着剤から
なる組成物を有する層等を用いてパターン形成部の印刷
インクやトナー等との受容性、あるいはパターンが形成
されていない部分との撥インク性等を高めることによっ
てパターン形成体を得たものである。
【0017】本発明のパターン形成体およびパターン形
成方法に使用することができる光触媒としては、光半導
体として知られている酸化チタン(TiO2 )、酸化亜
鉛(ZnO)、酸化すず(SnO2)、チタン酸ストロ
ンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉄(Fe
23)のような金属酸化物を挙げることができるが、特
に酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、バンドギャッ
プエネルギーが高く、化学的に安定であり、毒性もな
く、入手も容易である。
【0018】酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチ
ル型のいずれも使用することができるが、アナターゼ型
酸化チタンが好ましい。アナターゼ型チタンとしては、
粒径が小さいものの方が光触媒反応が効率的に起こるの
で好ましい。平均粒径が50nm以下のものが好まし
く、より好ましくは20nm以下のものが好ましい。例
えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産
業製 STS−02、平均結晶子径7nm)、硝酸解膠
型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学、TA−1
5、平均結晶子径12nm)を挙げることができる。
【0019】本発明の光触媒を含有する層は、光触媒を
結着剤中に分散させて形成することができる。光触媒
は、結着剤をも光励起により分解するおそれがあるた
め、結着剤は光触媒の光酸化作用に対する十分な抵抗性
を有する必要がある。また、パターン形成体を印刷版と
して利用することを考慮すると耐刷性、耐摩耗性も要求
される。したがって、結着剤としては、主骨格がシロキ
サン結合(−Si−O−)を有するシリコーン樹脂を使
用することができる。
【0020】また、シリコーン樹脂は、ケイ素原子に有
機基が結合しており、実施例中において詳述するよう
に、光触媒を光励起すれば、シリコーン分子のケイ素原
子に結合した有機基は光触媒作用により酸素含有基に置
換されて濡れ性が向上するので、濡れ性が変化する物質
としての機能も示す。シリコーン樹脂としては、一般式
nSiX4-n(n=1〜3)で表されるケイ素化合物の
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物を使用することができる。Yは、アルキル基、フルオ
ロアルキル基、ビニル基、アミノ基、あるいはエポキシ
基を挙げることができ、Xはハロゲン、メトキシル基、
エトキシル基、またはアセチル基を挙げることができ
る。
【0021】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;ジメトキシジエトキシシ
ラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロム
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニ
ルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒ
ドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒ
ドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロ
ポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブト
キシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;及
び、それらの部分加水分解物;及びそれらの混合物を使
用することができる。
【0022】結着剤層としてオルガノアルコキシシラン
からなるものを用いる場合には、その少なくとも10〜
30重量%が2官能性シリコーン前駆体の例えばジアル
コキシジメチルシランから構成されるものを用いること
がより好ましい。オルガノアルコキシシランをゾルゲル
法等に使用する場合には、3官能性シリコーン前駆体で
あるトリアルコキシメチルシラン等を主成分としたもの
を用いることによって架橋密度を向上させることができ
るが、本発明のように濡れ性を相違させる場合には、ジ
メチルシロキサン成分を多く含んだものの方がメチルシ
ロキサン成分を含んだものよりも、撥油性を向上させる
ことができる。
【0023】また、シリコーン分子は、ケイ素原子に結
合したオルガノ基としてフルオロアルキル基を含有して
も良い。この場合には、未露光部の臨界表面張力が更に
低下する。したがって、インキおよび機能性層用組成物
と未露光部との反撥性が向上し、インキまたは機能性層
用組成物の付着を妨げる機能が増すとともに、インキ、
あるいは機能性層用組成物として使用可能な物質の選択
肢が増加することとなる。
【0024】具体的には、下記のフルオロアルコキシシ
ランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分
解縮合物から形成される。またフルオロアルキル基を含
有する化合物としては、下記の化合物を挙げることがで
き、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られ
ているものを使用しても良い。 CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33 CF3(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32 (CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OC
32 (CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OC
32 (CF32CF(CF28CH2CH2SiCH3(OC
32 CF3(C64)C24SiCH3(OCH32 CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OC
32 CF3(CF25(C64)C24SiCH3(OC
32 CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OC
32 CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF27SO2N(C25)CH2CH2CH2
i(OCH33
【0025】更に良好なインキおよび機能性層組成物と
の反撥性を提供するためには、反応性の線状シリコー
ン、好ましくはジメチルポリシロキサンを低架橋密度で
架橋することにより得られるシリコーンが好ましい。代
表的には、以下に示す繰り返し単位を有するものを用い
て、架橋反応させたものが好ましい。
【0026】
【化1】
【0027】ただし、nは2以上の整数である。R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基である。また、R1、R2が、メチル基のものが表面
エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメ
チル基が60%以上であることが好ましい。また、分子
量は、500〜1000000のものが好ましく、分子
量が小さいと、相対的にR1、R2の量が少ないので、撥
油性等が発揮されにくい。また、分子量が大きすぎる
と、相対的に、末端のX、Yの割合が少なくなるので、
架橋密度が小さくなってしまうという問題点がある。ま
た、X、Yは、以下の基から選ばれ、XとYは同じでも
異なっていても良く、Rは、炭素数が10以下の炭化水
素鎖である。
【0028】
【化2】
【0029】本発明に用いる反応性変性シリコーンは、
縮合して架橋を行うもの、架橋剤を用いて架橋を行うも
ののいずれも用いることができる。架橋反応を縮合によ
って行う場合には、カルボン酸のすず、亜鉛、鉛、カル
シウム、マンガン塩、好ましくはラウリル酸塩や、塩化
白金酸を触媒として添加しても良い。架橋剤を用いて架
橋反応をする場合には、架橋剤として一般的に用いられ
ているイソシアネートを挙げることができ、好ましくは
以下の化合物を挙げることができる。
【0030】
【化3】
【0031】また、反応性シリコーン化合物として、水
性エマルジョン型のものを用いても良い。水性エマルジ
ョン型の化合物は、水性溶媒を用いるので、取り扱いが
容易である。また、本発明の結着剤として使用する反応
性シリコーン化合物とともに、ジメチルポリシロキサン
のような架橋反応をしない安定なオルガノシロキサン化
合物を混合することによって撥油性を高めても良い。こ
の場合には、反応性シリコーン化合物を含む組成物から
得られた層に含まれるシロキサンの60重量%以上が、
反応性シリコーン化合物から得られたものであることが
好ましく、60重量%より少ないとジメチルシロキサン
が少なくなり撥水性が劣るので好ましくない。
【0032】また、結着剤としては、無定形シリカ前駆
体を用いることができ、一般式SiX4 で表され、Xは
ハロゲン、メトキシ基、エトキシ基またはアセチル基等
であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノ
ール、または平均分子量3000以下のポリシロキサン
が好ましい。具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
基材上に空気中の水分により加水分解させてシラノール
を形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触
媒含有膜を形成できる。シラノールの脱水縮重合を10
0℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面
の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あ
るいは2種以上を混合して用いることができる。
【0033】また、結着剤を使用せず、酸化チタン単体
での成膜も可能である。この場合には、基材上に無定形
チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに
相変化させる。無定形チタニアは、例えば四塩化チタ
ン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮
合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸
存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることが
できる。
【0034】次いで、400℃〜500℃における焼成
によってアナターゼ型チタニアに変成し、600℃〜7
00℃の焼成によってルチル型チタニアに変成すること
がする。また、オルガノシロキサン、無定形シリカの少
なくともいずれかと光触媒とを含む層において、光触媒
の量は、5重量%〜60重量%であることが好ましく、
20重量%〜40重量%であることがより好ましい。
【0035】光触媒、結着剤は、溶剤中に分散して塗布
液を調製して塗布することができる。使用することがで
きる溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等の
アルコール系の有機溶剤を挙げることができる。また、
チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、クロム系
のカップリング剤も使用することができる。
【0036】光触媒を含んだ塗布液は、スプレーコー
ト、ディップコート、ロールコート、ビードコートなど
の方法により基材に塗布することができる。また結着剤
として紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫
外線を照射して硬化処理を行うことにより、基材上に光
触媒を含有した組成物の層を形成することができる。
【0037】アナターゼ型チタニアは励起波長が380
nm以下にあり、このような光触媒の場合には光触媒の
励起は紫外線により行うことが必要である。紫外線を発
するものとしては水銀ランプ、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、エキシマランプ、エキシマレーザー、
YAGレーザー、その他の紫外線光源を使用することが
でき、照度、照射量等を変えることにより、膜表面の濡
れ性を変化させることができる。
【0038】また、露光をレーザー等の微細なビームで
行う場合には、マスクを使用することなく直接に所望の
パターンを描画することができるが、その他の光源の場
合には、所望のパターンを形成したマスクを使用して光
照射してパターンを形成する。パターン形成用のマスク
は、蒸着用マスクのように金属板に形成されたもの、ガ
ラス板に金属クロムで形成されたフォトマスク、あるい
は印刷用途では、製版用フィルム等を使用することがで
きる。本発明のパターン形成体は、クロム、白金、パラ
ジウム等の金属イオンのドーピング、蛍光物質の添加、
感光性色素の添加によって、可視およびその他の波長に
感受性を有するようにすることができる。例えば、シア
ニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色
素、ヘミシアニン色素等のシアニン色素を挙げることが
でき、他の有用な色素としては、クリスタルバイオレッ
ト、塩基性フクシンなどのトリフェニルメタン色素等の
ジフェニルメタン色素、ローダミンBの様なキサンテン
色素、ビクトリアブルー、ブリリアントグリーン、マラ
カイトグリーン、メチレンブルー、ピリリウム塩、ベン
ゾピリリウム塩、トリメチンベンゾピリリウム塩、トリ
アリルカルボニウム塩等が挙げられる。
【0039】本発明のパターン形成体の露光の際にマス
クを使用する場合には、マスクを光触媒含有層と密着露
光することにより解像度は高くなるが、感度が著しく低
下するために、100μm前後の間隔を設けて露光する
ことが好ましい。また、マスクとパターン形成体との間
隙へ空気を吹き付けながら露光することにより、反応が
促進されて感度も向上し、更に中心部と周辺部の位置の
違いによる不均一を防止することができる。また、パタ
ーン形成体を加熱しながら露光することによって感度を
上昇することができる。縮小光学系を用いてマスクパタ
ーンの画像を縮小する縮小投影露光方法を用いることに
よって、微細なパターンを形成することもできる。
【0040】本発明のパターン形成体に使用することが
できる基材としては、パターン形成体あるいはパターン
が形成された素子の用途に応じて、ガラス、アルミニウ
ム、およびその合金等の金属、プラスチック、織物、不
織布等を挙げることができる。 また、本発明のパター
ン形成体は、光触媒含有層組成物の塗布前に、接着性向
上、表面粗度の改善、光触媒の作用による基材の劣化防
止、光触媒活性低下防止等を目的として基材上にプライ
マー層を形成しても良い。プライマー層としては、シロ
キサン構造を主成分とする樹脂、フッ素樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
【0041】本発明のパターン形成体の一つの実施形態
としては、図1(A)に示すように、パターン形成体1
は、基材2上に直接に、あるいはプライマー層3を形成
した後に光触媒含有組成物層41を形成しても良い。図
1(B)に示すようにパターン情報を記録するために、
所定のパターン5の露光6を行い、図1(C)に示すよ
うに光触媒7の作用によって、シリコーン化合物のアル
キル鎖をOH基とし、露光したパターンに応じて疎水性
であった表面に親水性部位8を形成し、疎水性部位9と
の濡れ性の相違によってパターン情報を記録するもので
ある。
【0042】また、本発明のパターン形成体の第2の実
施形態としては、図2(A)に示すように、基材2上
に、プライマー層3を積層し、光触媒を含有する光触媒
含有組成物層42を形成し、さらに光触媒含有組成物層
上に、光を照射した際に光触媒の作用によって濡れ性が
変化する濡れ性変化物質層10を形成したものである。
図2(B)に示すように、パターン5を用いて露光6
し、図2(C)に示すようにパターンに応じて濡れ性が
異なる部位11を形成して、パターン情報を記録するも
のである。
【0043】第2の実施形態の場合には、光触媒含有組
成物層は、結着剤の前駆体等に光触媒を分散した組成物
を、加水分解あるいは部分加水分解した光触媒組成物層
を形成し、次いで、疎水性の有機物からなる薄膜を形成
する方法が挙げられ、光触媒単体での成膜も可能であ
る。有機物の薄膜は、溶液の塗布、表面グラフト処理、
界面活性剤処理、PVD、CVD等の気相による成膜法
を用いることができる。有機物としては、低分子化合
物、高分子化合物、界面活性剤等で、光触媒によって濡
れ性が変化するものを用いることができる。具体的に
は、光触媒の作用により有機基が水酸基に変化する、シ
ラン化合物で、シランカップリング剤、クロロシラン、
アルコキシシラン、あるいはこれらの2種以上の加水分
解縮合物、共加水分解縮合物を挙げることができる。
【0044】また、第3の実施形態としては、図3
(A)に示すように、基材2上に、光触媒含有組成物層
43を形成し、さらに光触媒含有組成物層上に、光を照
射した際に光触媒の作用によって分解除去される物質層
12を形成し、図3(B)に示すようにパターン5を用
いて露光6し、図3(C)に示すようにパターンに応じ
て濡れ性が異なる部位13を形成してパターン情報を記
録するものである。
【0045】第3の実施形態の場合には、光触媒含有組
成物層は、結着剤の前駆体等に光触媒を分散した組成物
を加水分解、あるいは部分加水分解した光触媒組成物層
を形成し、次いで疎水性の有機物からなる薄膜を形成す
る方法が挙げられ、光触媒単体での成膜も可能である。
有機物の薄膜は、溶液の塗布、表面グラフト処理、界面
活性剤処理、PVD、CVD等の気相中での成膜法を用
いて形成することができる。
【0046】具体的には、日本サーファクタント工業
製:NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリー
ズ等の炭化水素系、デュポン社:ZONYL FSN、
FSO、旭硝子:サーフロンS−141、145、大日
本インキ:メガファックF−141、144、ネオス:
フタージェント F−200、F251、ダイキン工業
ユニダインDS−401、402、スリーエム:フロラ
ードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコ
ーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができるが、
カチオン系、アニオン系、両性界面活性剤を用いること
ができる。
【0047】また、界面活性剤以外にも、ポリビニルア
ルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエ
チレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエ
ンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレ
タン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレ
ン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポ
リアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルフ
ァイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマーを挙
げることができる。
【0048】また、第4の実施形態は、図4(A)に示
すように、基材2上に、プライマー層3を形成し、次い
で光触媒、結着剤および、光を照射した際に光触媒の作
用によって分解する疎水性部分14と親水性部位15か
らなる光触媒分解性物質16を含有する光触媒含有組成
物層44を形成したものである。光触媒含有組成物層に
代えて光触媒と光触媒分解性物質のみからなる層を形成
しても良い。そして、図4(B)に示すような所定のパ
ターン5で露光6する。その結果、図4(C)に示すよ
うに、所定の部分に存在する疎水性部分14と親水性部
位15からなる光触媒による分解性物質16を光触媒の
作用によって分解し、表面の濡れ性を露光6したパター
ンに応じて変化した部位17を形成して、パターン情報
を記録するものである。
【0049】表面の濡れ性を変化させる物質としては、
界面活性剤のように、光触媒含有組成物層の濡れ性を、
その種類、添加量に応じて任意に設定することが可能な
物質を添加することが好ましい。濡れ性を変化させるこ
とができる物質としては、界面活性剤が好ましく、具体
的には、日本サーファクタント工業製:NIKKOL
BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、
デュポン社:ZONYL FSN、FSO、旭硝子:サ
ーフロンS−141、145、大日本インキ:メガファ
ックF−141、144、ネオス:フタージェント F
−200、F251、ダイキン工業 ユニダインDS−
401、402、スリーエム:フロラードFC−17
0、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオ
ン界面活性剤を挙げることができるが、カチオン系、ア
ニオン系、両性界面活性剤を用いることができる。
【0050】また、界面活性剤以外にも、ポリビニルア
ルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエ
チレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエ
ンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレ
タン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレ
ン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポ
リアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルフ
ァイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマーを挙
げることができる。また、光触媒は5ないし60重量
%、無定形シリカ95ないし40重量%、光触媒の作用
によって濡れ性が変化する物質は、0.1ないし55重
量%の組成物を用いることが好ましい。
【0051】本発明のパターン形成体は、組成物中の光
触媒の作用によって表面エネルギーが変化し、濡れ性が
変化した部位は、印刷インキの受容性が変化しているの
で、印刷版として使用することができる。 そして、本
発明のパターン形成体を印刷版原版とした場合には、湿
式現像等の必要がなく、光露光と同時に印刷版の作製が
完了するという特徴を有している。また、本発明のパタ
ーン形成体へのパターン形成は、製版フィルム等を介し
て露光を行っても良いし、レーザー等で直接描画を行っ
ても良い。
【0052】また、印刷版原版を作製する場合には、オ
フセット印刷版として一般に用いられているアルミニウ
ムなどの基材を用いることができるが、織布、不織布な
どからなるスクリーン上に光触媒含有組成物層を塗布
し、露光によってパターンを形成しても良い。また、基
材がプラスチックなど光触媒の光酸化作用により劣化す
る怖れのあるものは予め基材上にシリコーン、フッ素樹
脂などを被覆して保護層を形成しても良く、基材の形状
は、シート状、リボン状、ロール状等の任意の形態のも
のを用いることができる。また、組成物中に光によって
変色するスピロピラン等のフォトクロミック材料あるい
は光触媒の作用により分解される有機色素等を混合する
ことにより、形成されたパターンを可視化しても良い。
また、未露光部を印刷インキ受容性、かつ湿し水反撥性
に設計すると通常の湿し水を用いたオフセット印刷版と
しても使用できる。
【0053】本発明のパターン形成体が、パターンが積
層された素子に使用される場合には、パターン形成体の
表面の濡れ性を調整することにより、様々な基材上に様
々な機能性層をパターン状に形成することができる。機
能性とは、光学的(光選択吸収、反射性、透光性、偏光
性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光
等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的
(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的
(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学
的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、吸油性、イオン
伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミ
ック性等)機械的(耐摩擦性等)、熱的(伝熱性、断熱
性、赤外線放射性等)、生体機能(生体適合性、抗血栓
性等)等の特性を意味する。
【0054】機能性素子は、機能性層用組成物をパター
ン形成体上に塗布することによって作製することができ
る。機能性層用組成物としては、パターンを形成したパ
ターン形成体の未露光部が撥水あるいは撥油等の反撥性
を示し、露光部にのみ濡れる組成物を用いることができ
る。この場合には、パターン形成体の未露光部は、臨界
表面張力が50mN/m以下で、好ましくは30mN/
m以下であることが望ましい。好ましい物質としては、
シリコーン樹脂、フルオロカーボン基を有するシリコー
ン樹脂等が挙げられる。また、機能性層用組成物は、パ
ターン形成体の未露光部での臨界表面張力以上の表面張
力を示す材料からなることが望ましい。この場合、機能
性層用組成物としては、紫外線硬化型モノマー等に代表
される溶剤で希釈していない液状組成物や、溶剤で希釈
した液体状組成物などが挙げられる。溶剤で希釈した液
体状組成物の場合には、溶剤が水、エチレングリコール
等の高表面張力を示すものが好ましい。
【0055】また、機能性層用組成物としての粘度が低
いほど短時間にパターン形成が可能となる。ただし、溶
剤で希釈した液体状組成物の場合には、パターン形成時
に溶剤の揮発による粘度の上昇、表面張力の変化が起こ
るため、溶剤が低揮発性であることが望ましい。
【0056】機能性層用組成物は、ディップコート、ロ
ールコート、ブレードコート等の塗布手段、インクジェ
ット等を含むノズル吐出手段、無電解めっき等の手段を
用いて形成される。また、機能性層用組成物の結着剤と
して紫外線、熱、電子線等で硬化する成分を含有してい
る場合には、硬化処理を行うことにより、基体上にパタ
ーン形成体を介して様々な機能を有する層をパターン状
に形成することができる。
【0057】また、全面に機能性層を形成した後、露光
部あるいは未露光部と機能性層の界面の接着力差を利用
し、例えば粘着テープを密着した後に粘着テープを引き
剥がすことによる剥離、空気の吹き付け、溶剤による処
理等の後処理によって未露光部上の機能性層を除去し、
パターン化することができる。また、未露光部、露光部
はそれぞれ、完全に機能性層を反撥あるいは付着する必
要はなく、付着力の違いによって付着量の異なるパター
ンが形成できる。
【0058】また、機能性層は、PVD、CVD等の真
空成膜手段を用いても形成される。たとえ、全面に積層
された場合にも、露光部あるいは未露光部と機能性層の
接着力の違いを利用すれば、例えば粘着テープによる剥
離、空気の吹き付け、溶剤処理等の後処理によってパタ
ーン化することができる。また、真空成膜手段による場
合には、パターン形成体の全面に積層する方法のみでは
なく、露光部あるいは未露光部との反応性を利用して、
露光部あるいは未露光部に選択的に機能性層を形成して
も良い。機能性層用組成物としては、パターン形成体上
に層形成することによってのみで、機能性層としての特
性を示すものはもちろん、層形成のみでは機能性層とし
ての特性を示さず、層形成の後に薬剤により処理、紫外
線、熱等による処理等が必要なものも含む。
【0059】次に、本発明のパターン形成体を用いて作
製することができる素子について説明する。液晶表示装
置等に用いられるカラーフィルターは、赤、緑、青等の
複数の着色画素が形成された高精細なパターンを有して
いるいるが、本発明のパターン形成体を適用することに
よって高精細なカラーフィルターを製造することができ
る。例えば、透明ガラス基板上に形成された光触媒含有
層上に、パターン露光後にカラーフィルター形成用の着
色剤含有組成物を塗布すると、露光部の濡れ性の変化に
よって、露光部のみに着色剤含有組成物が塗布されるの
で、着色剤含有組成物の使用量を減少させることができ
る。また、パターン上のみに着色剤含有組成物層が形成
されるので、着色剤含有組成物として感光性樹脂組成物
を用いるならば、塗布後の光硬化処理のみで、現像等を
行うことなく高解像度のカラーフィルターを可能であ
る。
【0060】また、マイクロレンズの製造に本発明のパ
ターン形成体を用いることができる。例えば、透明基材
上に積層された光触媒含有層上に円形に露光を行い、濡
れ性が変化した円形のパターンを形成する。次いで、濡
れ性が変化した部位上にレンズ形成用組成物を滴下する
と、露光部のみに濡れ広がり、更に滴下することによ
り、液滴の接触角を変化させることができる。硬化すれ
ば、様々な形状あるいは焦点距離のものが得られるの
で、高精細なマイクロレンズを得ることが可能である。
【0061】また、無電解めっきによる金属膜形成方法
に本発明のパターン形成体を用いることによって所望の
パターンの金属膜を形成することができる。例えば、本
発明のパターン形成体に光照射によって所定の親水性化
したパターンを形成し、次いで、化学めっきの前処理液
によって親水性化した部分の処理を行った後に化学めっ
き液に浸漬して所望の金属をパターンを形成することが
できる。この方法によれば、レジストパターンを形成す
ることなく、金属のパターンを形成することができるの
で、プリント基板や電子回路素子等を製造することがで
きる。
【0062】また、真空成膜技術を用いた金属等のパタ
ーンを形成する方法に本発明のパターン形成体を用いる
ことができる。例えば、光照射によって接着性の大きな
パターンを作製し、次いで真空下で金属成分を加熱して
蒸着して、アルミニウムなどの金属成分をパターン形成
体の全面に蒸着して、金属の薄膜を形成する。パターン
を形成した部分とそうでない部分では金属の薄膜の付着
強度に違いが生じるので、薄膜表面に粘着剤を押し当て
て剥離する方法、薬剤によって剥離する方法等によって
パターン状の金属の薄膜を形成することができる。
【0063】粘着剤を用いて剥離する場合には、薄膜表
面に、粘着剤を塗布したシートの粘着面を接触した後
に、粘着剤を塗布したシートを剥がすと、パターン形成
部とパターンを形成していない部分の接着性の相違によ
ってパターン形成部分以外の薄膜は剥離し、金属のパタ
ーンが形成できる。この方法によれば、レジストのパタ
ーンを形成することなく金属のパターンを形成すること
が可能であり、印刷法によるよりも高精細なパターンを
有する、プリント基板や電子回路素子等を作製すること
ができる。
【0064】以下に図面を参照して、本発明の素子の作
製方法を説明する。図9に、本発明の素子の作製方法の
一例を説明する図であり、断面を説明する図である。図
9(A)のパターン露光工程において、A1に示すよう
に、基材2上に光触媒含有層4を設けたパターン形成体
1に、フォトマスク20を用いて形成すべき素子のパタ
ーンに応じた露光6、あるいはA2に示すようにパター
ン形成体1に紫外線域の波長のレーザ21等を用いて直
接に描画して、パターン形成体上の表面に濡れ性が異な
る部位13を形成する。
【0065】次いで、図9(B)の全面成膜工程で、B
1で示すようになブレードコータ22を用いた塗布、あ
るいはB2に示すようになスピンコータ23を用いた塗
布、B3で示す蒸着、CVD等の真空を利用した成膜手
段24によって、パターン形成体の全面に機能性層25
を形成する。パターン形成体上に形成された機能性層2
5は、パターン形成体の露光によって生じた表面エネル
ギーの違いによって、露光部と未露光部では接着力が相
違している。
【0066】次いで、図9(C)の剥離工程で、粘着テ
ープ26の粘着面を密着した後に、端部より引き剥がす
ことによって、未露光部に形成された機能性層を剥がす
方法、空気噴射ノズル27から空気を噴射する方法、あ
るいは剥離用薬剤によって、接着力が小さな部分から機
能性層を除去することによって、機能性層28を形成す
る。
【0067】図10は、本発明の素子の作製方法の他の
実施例を説明する図であり、断面を説明する図である。
図9と同様に、図10(A)で示すような方法で、パタ
ーン形成体1上に、機能性層25を形成する。次いで、
図10(B)で示すように、素子形成用基材29を密着
する。次いで、図10(C)に示すように、素子形成用
基材29上に機能性層25を転写して機能性層28を有
する素子を形成する。
【0068】図11は、本発明の素子の作製方法の他の
実施例を説明する図であり、断面を説明する図である。
図11(A)で示すように、基材2上に光触媒含有層4
を設けたパターン形成体1に、フォトマスク20を用い
て形成すべき素子のパターンに応じた露光6を行い濡れ
性が変化した部位13を形成する。次いで、図11
(B)に示すように、シート30上に熱溶融性組成物層
31を形成した熱転写体32の熱溶融性の組成物層の形
成面をパターン形成体の露光面に密着する。次いで、図
11(C)に示すように、熱転写体32のシート側から
加熱板33を押し当てる。次いで、図11(D)に示す
ように、冷却後に熱転写体32を引き剥がし、最後に図
11(E)に示すようなパターン5を形成した。
【0069】図12は、本発明の素子の作製方法の他の
実施例を説明する図であり、断面を説明する図である。
図12(A)に示すように、パターン形成体1にフォト
マスク20を用いて露光をし、露光によって未露光部と
濡れ性が変化した部位13を形成した。図12(B)に
示すように、吐出ノズル35から、円形のパターンに向
けて紫外線硬化性樹脂組成物36を吐出する。図12
(C)に示すように、未露光部と露光部の濡れ性の相違
によって、露光部に吐出した紫外線硬化性樹脂組成物
は、界面張力の相違によって盛り上がる。次いで、図1
2(D)に示すように、硬化用紫外線37を照射するこ
とによってマイクロレンズ38を形成することができ
る。
【0070】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を説明する。 実施例1 グラスカHPC7002(日本合成ゴム)30g、アル
キルアルコキシシランであるグラスカHPC402H
(日本合成ゴム)10gを混合し、撹拌装置によって5
分間撹拌した。この溶液をスピンコーティング法によ
り、面積が7.5cm2 のガラスからなる基材に塗布
し、150℃の温度で10分間乾燥し、厚さ2μmのナ
トリウムイオンブロック層を形成した。次に、グラスカ
HPC7002(日本合成ゴム)15g、グラスカHP
C402H(日本合成ゴム)5g、チタニアゾル(日産
化学製 TA−15)を混合した。この溶液をスピンコ
ーティング法により、ナトリウムイオンブロック層を形
成した基材上に塗布した。これを150℃の温度で10
分間乾燥することにより、加水分解、重縮合反応を進行
させ、光触媒がオルガノポリシロキサンによって強固に
固定した厚さ3μmの光触媒含有層を有するパターン形
成体を作製した。
【0071】得られたパターン形成体にキセノンランプ
を6.6mW/cm2 の照度で紫外線照射を行い、水に
対する接触角の経時変化を接触角測定器(協和界面科学
製CA−Z型)により測定した。結果を図5に示す。図
より、接触角が徐々に減少し10°以下となることがわ
かる。また、格子状のマスクを介して紫外線照射するこ
とにより、キセノンランプで6.6mW/cm2 の照度
で6時間照射し、照射部9°、未照射部102°の濡れ
性が異なるパターンの形成を行うことができた。
【0072】実施例2 厚さ0.15mmの脱脂したアルミニウム板上に、プラ
イマー層形成用組成物(関西ペイント製 カンコート9
0T−25−3094)の20重量%ジメチルホルムア
ミド溶液を塗布し、200℃において1分間乾燥し、3
μmのプライマー層を得た。このプライマー層上に実施
例1記載の光触媒含有層を形成し、水なし印刷版原版を
得た。次いで、Nd:YAGレーザー(355nm ラ
ムダフィジックStar Line)を用い、記録エネ
ルギーは、300mJ/cm2 としてパターン形成を行
った。得られた印刷版をオフセット印刷機(アルファー
技研製 アルファーニューエース)に取り付け、水なし
印刷用インキ(ザ・インクテック製 インクテックウォ
ーターレスS藍)を用いて、5000枚/時の印刷速度
でコート紙に印刷を行ったところ2万枚の良好な印刷物
が得られた。また、レーザーに代えて、175線/イン
チで、2%から98%の網点を有するグラデーションネ
ガフイルムを介してキセノンランプにより露光した点を
除いて同様にして印刷を行ったところ良好な印刷物が得
られた。
【0073】実施例3 シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴ
ム)3g、アルキルアルコキシシランであるHPC40
2H(日本合成ゴム)1gを混合し、5分間攪拌した。
この溶液をスピンコーティング法により面積が7.5c
2 のガラス製の基材に塗布し、膜厚2μmのナトリウ
ムイオンブロック層を形成した。
【0074】次にイソプロピルアルコール3g、シリカ
ゾル(日本合成ゴム製 グラスカHPC7002)0.
75g、アルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム製
グラスカHPC402H)0.25g、フルオロアルコ
キシシラン(トーケムプロダクツ製 MF−160E:
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N−エ
チルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピ
ルエーテル50重量%溶液)0.15gを混合した。得
られた分散液を20分間、100℃に保持しながら攪拌
した。その後、酸化チタン(石原産業製 酸化チタン塗
布用液 ST−K01:固形分濃度10重量%)を2g
添加し、さらに30分間攪拌した。
【0075】この分散液を先に作製したナトリウムブロ
ック層を形成した基材にスピンコーティング法により塗
布した。これを150℃の温度で10分間乾燥すること
により、加水分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオ
ルガノポリシロキサンによって強固に固定化された膜厚
3μmの光触媒含有層を形成した。得られた光触媒含有
層の表面の平均粗さを触針法により測定したところ、R
a=2nmであった。また、格子状のマスクを介して高
圧水銀灯を70mW/cm2 の照度で2分間紫外線照射
をおこない、水およびn−オクタンに対する接触角を接
触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し
た結果を表4に示す。
【0076】実施例4 実施例3と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
作製し、次にイソプロピルアルコール3g、オルガノシ
ラン(東芝シリコーン製TSL8113)0.4g、フ
ルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製 MF
−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド
のイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.15g、
酸化チタン(石原産業製 酸化チタン塗布用液 ST−
K01:固形分濃度10重量%)を2g添加混合した。
得られた分散液を20分間、100℃に保ちながら攪拌
した。この分散液をスピンコーティング法によりナトリ
ウムイオンブロック層を形成した基材上に塗布した。こ
れを150℃の温度で10分間乾燥させることにより加
水分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノシロ
キサン中に強固に固定化された厚さ3μmの光触媒含有
層を形成することができた。得られた光触媒含有層の表
面の平均粗さを、実施例3と同様に、触針法により測定
したところ、Ra=2nmであった。また、光触媒含有
層上に格子状のマスクを介して高圧水銀灯を70mw/
cm2 の照度で2分間紫外線照射を行い、水およびn−
オクタンに対する接触角を接触角測定器(協和界面科学
製 CA−Z型)により測定した結果を表4に示す。
【0077】実施例5 ポリカーボネート基材上に、実施例4に記載と同様にス
ピンコートによって厚さ0.3μmの光触媒含有層を形
成し、光触媒含有層上に、50lp/mmの解像度のチ
ャートマスクを介して高圧水銀灯を70mW/cm2
照度で2分間紫外線照射を行った。得られた光触媒含有
層上に、表面張力が既知の種々の液体を滴下して、接触
角を接触角測定器(協和界面科学製 CA−Z型)によ
って測定し、Zismanプロットによって臨界表面張
力を求めたところ、未露光部の臨界表面張力は14.6
mN/m、露光部では72.3mN/mであった。次い
で、水なし平版インキ(ザ・インクテック製 インクテ
ックウォーターレスS藍)をRIテスター(石川島産業
機械製 RI−2型)を用いて、露光済み光触媒含有層
上に全面塗布した。図6に示すように、未露光部は、撥
油性によりインキがはじき、露光部のみに選択的に塗布
され、透明なポリカーボネートの基材2上に光触媒層4
を介して50lp/mmの藍色ストライプ状のパターン
18が得られた。
【0078】実施例6 シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴ
ム)3g、アルキルアルコキシシランであるHPC40
2H(日本合成ゴム)1gを混合し、5分間攪拌した。
この溶液をスピンコーティング法により厚さ0.15m
mの脱脂したアルミニウム板上に塗布し、膜厚2μmの
プライマー層を得た。次いで、このプライマー層上に、
実施例3および4記載の光触媒含有層を形成し、水なし
印刷版原版を得た。次いで、Nd:YAGレーザー(3
55nm ラムダフィジックStar Line)を用
い、記録エネルギーは、200mJ/cm2 としてパタ
ーン形成を行った。得られた印刷版をオフセット印刷基
(アルファー技研製 アルファーニューエース)に取り
付け、水なし印刷用インキ(ザ・インクテック製 イン
クテックウォーターレスS藍)を用いて、5000枚/
時の印刷速度でコート紙に印刷を行ったところ2万枚の
良好な印刷物が得られた。また、レーザーに代えて、1
75線/インチで、2%から98%の網点を有するグラ
デーションネガパターンを介して高圧水銀灯を70mW
/cm2 の照度で2分間紫外線照射を行って同様に印刷
特性を評価したところ良好な印刷物が得られた。
【0079】実施例7 実施例3と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
作製し、次にイソプロピルアルコール3g、オルガノシ
ラン(東芝シリコーン製TSL8113)2.2g、フ
ルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製 MF
−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド
のイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.15g、
酸化チタン粉末(石原産業製 ST−21 平均粒径2
0nm)0.2gを混合した。得られた分散液を20分
間、100℃に保ちながら攪拌した。この分散液をスピ
ンコーティング法によりナトリウムイオンブロック層を
形成した基材上に塗布した。これを150℃の温度で1
0分間乾燥させることにより加水分解、重縮合反応を進
行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定化
された厚さ3μmの光触媒含有層を形成することができ
た。得られた光触媒含有層の表面の平均粗さを、触針法
により測定したところ、Ra=4nmであった。また、
光触媒含有層上に格子状のマスクを介して、高圧水銀灯
を70mW/cm2 の照度で5分間紫外線照射を行い、
水およびn−オクタンに対する接触角を接触角測定器
(協和界面科学製 CA−Z型)により測定した結果を
表4に示す。
【0080】実施例8 実施例7に記載の方法で作製した厚さ0.3μmの光触
媒含有層に、大きさが150×300μmの遮光層が3
0μm間隔で配置されたマスクを介して高圧水銀灯を7
0mW/cm2 の照度で5分間紫外線照射を行った。得
られた光触媒含有層上に、表面張力が既知の種々の液体
を滴下して、接触角を接触角測定器(協和界面科学製
CA−Z型)によって測定し、Zismanプロットに
よって臨界界面張力を求めたところ、未露光部の臨界表
面張力は15.4mN/m、露光部では73.3mN/
mであった。次いで、カーボンブラック(三菱化学製
#950)4g、ポリビニルアルコール(日本合成化学
製 ゴーセノール AH−26)0.7g、水95.3
gを混合し、加熱溶解して、12000rpmで遠心分
離して1μmのガラス製フィルタで濾過し、遮光性組成
物を得た。
【0081】得られた遮光性組成物の表面張力を表面張
力計(協和界面科学製 PD−Z型)で測定したとこ
ろ、37.5mN/mであった。これをブレードコータ
ーによって、ブレード間隙40μm、速度0.6m/分
で露光済み光触媒層上に全面塗布した。図7に示すよう
に、未露光部は遮光性組成物をはじき、露光部のみに選
択的に塗布され、100℃で30分間加熱することによ
り、ガラスからなる基材2上に光触媒層4を介して格子
状の遮光性パターン19が得られた。
【0082】実施例9 実施例3と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
作製し、次にイソプロピルアルコール3g、オルガノシ
ラン(東芝シリコーン製TSL8113)2.2g、フ
ルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製 MF
−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド
のイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.15g、
酸化チタン粉末(石原産業製 ST−21 平均粒径2
0nm)0.2gを混合した。得られた分散液を20分
間、100℃に保ちながら撹拌した。この分散液をスピ
ンコーティング法によりナトリウムイオンブロック層を
形成した基体上に塗布した。これを150℃の温度で1
0分間乾燥させることにより加水分解、重縮合反応を進
行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定化
された厚さ3μmの光触媒含有層を形成することができ
た。得られた光触媒含有層の表面の平均粗さを、実施例
1と同様に、触針法により測定したところ、Ra=4n
mであった。また、光触媒含有層上に格子状のマスクを
介して、高圧水銀灯を70mW/cm 2 の照度で5分間
紫外線照射を行い、水およびn−オクタンに対する接触
角を接触角測定器(協和界面科学製 CA−Z型)によ
り測定した結果を表4に示す。
【0083】実施例10 実施例3と同様の方法でガラス基材上にナトリウムイオ
ンブロック層を形成した。次いで、実施例9と同様の方
法で光触媒含有層を形成し、実施例9と同様の方法で露
光を行った。未露光部および露光部をX線光電子分光装
置(V.G.Sientific社ESCALAB22
0−I−XL)によって元素分析を行った。シャリーの
バックグラウンド補正、スコフィールドの相対感度係数
補正により定量計算を行い、得られた結果をSiを10
0とした場合の重量による相対値で表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】露光により、炭素およびフッ素量の割合が
減少し、酸素の割合が増加することを示しており、実施
例9の結果から、水に対する接触角が減少していること
を考慮すれば、露光の結果、ケイ素原子に結合していた
メチル基、フルオロアルキル基等の有機基が、水酸基等
の酸素含有基に置換されたものと考えられる。
【0086】実施例11 実施例3と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
作製し、次にイソプロピルアルコール3g、オルガノシ
ラン(東芝シリコーン製TSL8113)0.4g、フ
ルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製 MF
−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド
のイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.75g、
酸化チタン(石原産業製 酸化チタン塗布用液 ST−
K01:固形分濃度10重量%)2gを混合した。得ら
れた分散液を60分間、100℃に保ちながら攪拌し
た。この分散液をスピンコーティング法によりナトリウ
ムイオンブロック層を形成した基体上に塗布した。これ
を150℃の温度で10分間乾燥させることにより加水
分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノシロキ
サン中に強固に固定化された厚さ3μmの光触媒含有層
を形成することができた。また、光触媒含有層上に格子
状のマスクを介して高圧水銀灯を70mW/cm2 の照
度で10分間紫外線照射を行い、水およびn−オクタン
に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学製 CA
−Z型)により測定した結果を表4に示す。
【0087】実施例12 実施例4と同様の方法で、厚さ0.3μmの光触媒含有
層を形成した。100μmのピッチの遮光層を有するマ
スクを介して、高圧水銀灯を70mW/cm2 の照度で
2分間紫外線照射を行った。カラーフィルターの着色画
素形成用の感光性樹脂組成物をディスペンサー(EFD
社製 1500XL)によって滴下すると露光部に濡れ
広がり、画素を形成することができた。
【0088】実施例13 イソプロピルアルコール3g、オルガノシラン(東芝シ
リコーン製TSL8113)0.3g、フルオロアルコ
キシシラン(トーケムプロダクツ製 MF−160E:
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N−エ
チルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピ
ルエーテル50重量%溶液)0.45g、酸化チタン
(石原産業製 酸化チタン塗布用液 ST−K01:固
形分濃度10重量%)2gを混合した。得られた分散液
を20分間、100℃に保ちながら攪拌した。この分散
液をスピンコーティング法により厚さ0.3mmのアル
ミニウム基材上に塗布した。これを150℃の温度で1
0分間乾燥させることにより加水分解、重縮合反応を進
行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定化
された厚さ0.5μmの光触媒含有層を形成した。得ら
れたパターン形成体を熱板上で種々の温度に加熱した状
態で、超高圧水銀灯(ウシオ電機製 UXM−350
0、ML−40D型ランプハウス)から、熱線を取り除
いて、241nm〜271nmの紫外光のみを、8.1
mW/cm2の強度で300秒間照射し、水に対する接
触角を接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)によ
り測定した結果を表2に示すように、加熱によって光触
媒反応が促進されることを示している。
【0089】
【表2】
【0090】実施例14 実施例3と同様の方法で、縦10cm、横10cmの石
英ガラス上に、光触媒含有層を形成した。光透過部の大
きさが150μm×300μmで、30μmの間隔に配
置されたネガ型のフォトマスクを、パターン形成体上
に、密着および100μmの間隙を設けて配置して高圧
水銀灯で、320nm〜390nmの紫外光を70mW
/cm2 の照度で2分間照射した後に、水に対する接触
角を接触角測定器(協和界面科学製 CA−Z型)によ
り測定し、結果を表3に示す。
【0091】
【表3】 未露光部 露光部 密着したもの 113° 97°以下 100μmの間隙を設けたもの 113° 5°以下
【0092】実施例15 実施例14と同様に100μmの間隙を設けるととも
に、パターン形成体の露光面上に空気を吹き付けた状態
で同様に露光すると、露光部は70秒間で、水の接触角
が5°以下となった。
【0093】実施例16 縦10cm、横10cm、厚さ0.1cmのガラス基材
上に、実施例10と同様に、プライマー層、光触媒含有
層を形成した。縦、横が100μmの遮光部を20μm
の間隔で形成したフォトマスクを介して、高圧水銀灯か
ら、320nm〜390nmの紫外光を70mW/cm
2 の照度で7分間照射した。次いで、厚さ10μmのポ
リエステルフィルム上に、熱溶融性インキ層として、以
下の組成 カーボンブラック(三菱化学工業製 #25) 20重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル製)10重量部 カルナバワックス 10重量部 パラフィンワックス(日本精蝋製 HNP−11) 60重量部 からなる熱溶融性インキ組成物層を形成したインキリボ
ンをパターン露光した光触媒含有層上に密着させて、9
0℃に加熱した後に、150mm/秒の速度で、70度
の角度でインキリボンを引き剥がした。パターン形成体
の未露光部にはインキは付着せず、露光部のみにインキ
が転写され、遮光性のパターンを形成することができ
た。
【0094】実施例17 縦10cm、横10cm、厚さ0.1cmのガラス基材
上に、実施例10と同様に、プライマー層、光触媒含有
層を形成したパターン形成体を作製した。得られたパタ
ーン形成体に5μmの幅の線を線幅と同じ間隔を設けて
形成したフォトマスクを介して、高圧水銀灯から、32
0〜390nmの紫外光を70mW/cm2 の照度で7
分間照射した。次いで、光照射したパターン形成体を化
学めっき用のセンシタイザー液(上村工業製 ガラス・
セラミック用S−10X)を希釈した12.5ml/l
の濃度の液に25℃において20秒間揺動しながら浸漬
した後に、水洗後、還元触媒付与液(上村工業製 パラ
ジウムコロイド触媒 A−10X)を希釈した12.5
ml/lの濃度の液に25℃において20秒間揺動しな
がら浸漬した後に、80℃の無電解ニッケルめっき液
(上村工業製 ニムデンLPX)に1時間揺動浸漬処理
することによって、露光部に膜厚0.5μmのニッケル
層を形成することができた。
【0095】更に、90℃の無電解金めっき浴(上村工
業製 ELGB511)に、5分間揺動しながら浸漬し
て、ニッケルパターン上に厚さ0.1μmの金層を形成
し、更に60℃の厚付用無電解金めっき浴(上村工業製
GOBEL2M)に1時間揺動しながら浸漬して、膜
厚2μmの金を形成した。
【0096】実施例18 縦10cm、横10cm、厚さ0.1cmの石英ガラス
基材上に、実施例4と同様の組成物をスピンコートして
膜厚0.4μmの光触媒層を形成した。次いで、開口部
が23μm×12μmの長方形のパターンを形成したフ
ォトマスクを介して水銀ランプにより70mW/cm2
の照度で90秒間露光し、光触媒含有層上に表面エネル
ギーの高い長方形のパターンが形成された透明基材を得
た。
【0097】次いで、得られた透明基材の全面に真空度
1×10-5Torr、蒸着速度1nm/秒の速度で以下
の化学構造式を有するペリレン系顔料の薄膜を真空蒸着
した。次いで、薄膜の表面をアセトンにて洗浄したとこ
ろ、露光部と未露光部の接着性の違いにより、未露光部
のみ蒸着膜が剥離し、23μm×12μmの長方形の赤
色顔料の長方形のパターンを形成することができた。
【0098】
【化4】
【0099】実施例19 厚さ100μmのポリイミドフィルム上に、実施例4と
同様の組成物をスピンコートして膜厚0.4μmの光触
媒含有層を形成した。これに、幅50μmで描画された
回路パターンを有するネガ型フォトマスクを介して、水
銀ランプにより70mW/cm2 の照度で90秒間露光
し、光触媒含有層上に表面エネルギーの高い部分が形成
された透明基材を得た。
【0100】次いで、得られた透明基材の全面に真空度
1×10-5Torr、蒸着速度4nm/秒の速度でアル
ミニウムを真空蒸着した。次いで、アルミニウム薄膜の
表面を、セロハン粘着テープ(セキスイ製JIS Z
1522)によって135度、300mm/秒の速度で
引き剥がしたところ、露光部と未露光部のアルミニウム
薄膜の接着性の違いにより露光部と未露光部のアルミニ
ウム薄膜と透明基材との接着性の違いにより、未露光部
のみ蒸着膜が剥離し、幅50μm、膜厚0.1μmの幅
の回路の形成された回路パターンを得ることができた。
【0101】実施例20 石英ガラス上に、実施例4と同様の組成物をスピンコー
トして膜厚0.3μmの光触媒含有層を形成した。光触
媒含有層上に開口部直径5mmのマスクを介して、水銀
ランプにより70mW/cm2 の照度で2分間紫外線照
射を行った。
【0102】得られた光触媒含有層上に、表面張力が既
知の種々の液体を滴下して、接触角を接触角測定器(協
和界面科学製CA−Z型)によって測定して、Zism
anプロットによって臨界表面張力を求めたところ、未
露光部の臨界界面張力は、14.6mN/m、露光部で
は72.3mN/mであった。次いで、紫外線硬化型モ
ノマー(荒川工業製 ビームセット770)100重量
部、硬化開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製イル
ガキュア1700)5重量部を混合した組成物を作製し
た。
【0103】得られた紫外線硬化型モノマー組成物の表
面張力を表面張力計(協和界面科学製 PD−Z型)に
よって測定したところ、35mN/mであった。また、
粘度を粘度計(秩父小野田製 CJV5000)にて測
定したところ、4.3mPa・秒であった。この紫外線
硬化型モノマーを、露光済みの光触媒含有層上にスピン
コートによって全面塗布した。未露光部は、紫外線硬化
型モノマー組成物を反撥し、露光部のみに選択的に塗布
された。次いで、高圧水銀灯により70mW/cm2
照度で3分間紫外線照射したところ、紫外線で硬化した
樹脂の直径5mmの円形パターンが得られた。
【0104】比較例1 市販のオフセット印刷用原版でサーマルプレートPea
rl dry(Presstek製)を用いて実施例3
と同様に特性を評価をし、その結果を表4に示す。
【0105】比較例2 市販のオフセット印刷用原版で水なしオフセット版 H
GII(東レ製)を用いて実施例3と同様に特性を評価
をし、その結果を表4に示す。
【0106】比較例3 フルオロアルキルシランを用いなかった点を除き実施例
4と同様の方法で光触媒含有層を形成し、実施例4と同
様にして光触媒含有層の特性を評価し、その結果を表4
に示す。
【0107】比較例4 実施例3と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
作製し、次にイソプロピルアルコール3g、オルガノシ
ラン(東芝シリコーン製TSL8113)2.2g、フ
ルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製 MF
−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホンアミド
のイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.15g、
酸化チタン粉末(石原産業製 ST−41 平均粒径5
0nm)0.2gを混合した。得られた分散液を20分
間、100℃に保ちながら攪拌した。この分散液をスピ
ンコーティング法によりナトリウムイオンブロック層を
形成した基体上に塗布した。これを150℃の温度で1
0分間乾燥させることにより加水分解、重縮合反応を進
行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固に固定化
された厚さ3μmの光触媒含有層を形成することができ
た。得られた光触媒含有層の表面の平均粗さを、実施例
1と同様に、触針法により測定したところ、Ra=30
mであった。また、光触媒含有層上に格子状のマスクを
介して高圧水銀灯を70mW/cm2 の照度で5分間紫
外線照射を行い、水およびn−オクタンに対する接触角
を接触角測定器(協和界面科学製 CA−Z型)により
測定した結果を表4に示す。
【0108】
【表4】 露光部 未露光部 水 n−オクタン 水 n−オクタン 実施例3 5°以下 5°以下 113° 16° 実施例4 5°以下 5°以下 107° 47° 実施例7 5°以下 5°以下 105° 40° 実施例9 5°以下 5°以下 100° 30° 実施例11 5°以下 5°以下 151° 77° 比較例1 84° 5°以下 105° 11° 比較例2 104° 5° 116° 13° 比較例3 5°以下 5°以下 86° 10° 比較例4 10° 10° 105° 26°
【0109】実施例21 厚さ0.15mmの脱脂したアルミニウム板上に、プラ
イマー層形成用組成物(関西ペイント製 カンコート9
0T−25−3094)の20重量%ジメチルホルムア
ミド溶液を塗布し、200℃において1分間乾燥し、3
μmのプライマー層を得た。次いで、イソプロピルアル
コール3g、オルガノシラン(東芝シリコーン製TSL
8113)4.2g、酸化チタン粉末(石原産業製 S
T−01 平均粒径7nm)0.2gを混合した。得ら
れた分散液を60分間、100℃に保ちながら攪拌し
た。この分散液をスピンコーティング法によりプライマ
ー層を形成した基体上に塗布した。これを150℃の温
度で5分間乾燥させることにより加水分解、重縮合反応
を進行させ、膜形成を行った。次いで、高圧水銀灯を7
0mW/cm2 の照度で10分間紫外線照射を行い、水
およびn−オクタンに対する接触角を接触角測定器(協
和界面科学製 CA−Z型)により測定した結果を表5
に示す。
【0110】
【表5】
【0111】また、この水あり平版印刷版原版に175
線/インチで2%から98%の網点を有するグラデーシ
ョンポジマスクを介して上記水銀ランプにより露光し、
パターンを形成した。次いで、得られた印刷版をオフセ
ット印刷機(アルファー技研製 アルファーニューエー
ス)に取り付け、印刷インキ(ザ・インクテック製 エ
イクロス紅)および湿し水(日研化学製 クリーンエッ
チ液20倍水希釈)を用いて5000枚/時の印刷速度
で、コート紙に印刷を行ったところ2万枚の良好な印刷
物が得られた。
【0112】実施例22 テトラエトキシシランSi(OC254の2.7g、
エタノール38.7g、2N塩酸4.5gを混合し、1
0分間撹拌した。この溶液をスピンコーティング法によ
り、基材に塗布し、80℃の温度で30分間乾燥し、厚
さ0.2μmのナトリウムイオンブロック層を形成し
た。テトラエトキシシランSi(OC254 0.62
g、チタニアゾル(日産化学製 TA−15)0.96
g、エタノール26.89g、純水0.32gを混合
し、10分間撹拌した。この分散液をスピンコーティン
グ法により、ナトリウムイオンブロック層を形成した基
材上に塗布した。これを150℃の温度で30分間乾燥
することにより、加水分解、重縮合反応を進行させ、高
表面エネルギーであり、光触媒がシリカ中に強固に固定
された厚さ0.2μmの光触媒含有組成物層を作製し、
試料1とした。次に、オリーブ油をシクロヘキサノンに
溶解した5重量%の濃度の溶液をスピンコーティング法
により試料1の光触媒含有組成物層上に、塗布量が1g
/m2となるように塗布し、80℃の温度で10分間乾
燥し、低表面エネルギーの有機物層を作製し、試料2と
した。
【0113】得られた試料1および試料2に水銀灯を2
30mW/cm2 の照度で5分間紫外線照射を行い、水
に対する接触角を接触角測定器(協和界面科学製 CA
−Z型)により測定した。結果を表6に示す。試料2の
有機物層が光触媒作用により、分解除去され、有機物の
塗布前の試料1の状態に戻ることがわかり、親水性を有
する層を形成した試料1については、光照射の前後にお
いて、ほとんど濡れ性には変化しなかった。
【0114】
【表6】
【0115】また、試料1表面上にポリビニルアルコー
ル(日本合成化学製 ゴーセノールAH−26)2重量
%水溶液を厚さ0.2μmでスピンコーターにより塗布
後、80℃で45分間加熱し膜形成を行った。次いで、
水銀灯により230mW/cm2 の照度で8分間紫外線
照射を行い、水の接触角を接触角測定器(協和界面科学
製 CA−Z型)により測定したところ、露光前は62
°、露光後は5°以下であった。
【0116】実施例23 両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(重合度700)
94.99重量%、メチルトリアセトキシシラン5重量
%、ジブチル錫ジラウリルレート0.01重量%をアイ
ソパーE(エクソン社製)に溶解した5重量%の濃度の
溶液をスピンコーティング法により実施例22に記載の
試料1上に膜厚0.2μmとなるように塗布し、100
℃の温度で10分間乾燥し膜形成した。次いで、水銀灯
で50mW/cm2 の照度で1分間照射したところ、水
の接触角にして130°から5°以下に濡れ性が変化し
た。
【0117】厚さ0.15mmの脱脂したアルミニウム
板上に、プライマー層形成用組成物(関西ペイント製
カンコート90T−25−3094)の20重量%ジメ
チルホルムアミド溶液を塗布し、200℃において1分
間乾燥し、3μmのプライマー層を得た。次いで、この
プライマー層の上に、実施例22記載の光触媒含有層お
よび濡れ性の変化する物質層を形成し、水なし印刷版原
版を得た。
【0118】次いで、Nd:YAGレーザー(355n
m ラムダフィジックStar Line)を用い、記
録エネルギーは、200mJ/cm2 としてパターン形
成を行った。得られた印刷版をオフセット印刷機(アル
ファー技研製 アルファーニューエース)に取り付け、
水なし印刷用インキ(ザ・インクテック製 インクテッ
クウォーターレスS黄)を用いて、5000枚/時の印
刷速度でコート紙に印刷を行ったところ2万枚の良好な
印刷物が得られた。
【0119】実施例24 縦10cm、横10cm、厚さ0.1cmのソーダライ
ムガラス基材上に、実施例22と同様のナトリウムブロ
ック層を形成した。得られた層上に、テトラエトキシチ
タン(Ti(OC254)1g、エタノール9g、塩
酸0.1gを混合した溶液をスピンコーティングによっ
て塗布した。次いで、150℃で10分間の加熱を行
い、厚さ0.1μmの無定形チタニア層を形成した。無
定形チタニア層を400℃で10分間の加熱を行って、
アナターゼ型チタニア層に相変化させた。
【0120】次いで、チタニア層上に実施例23と同様
の濡れ性が変化する層を形成し、50lp/mmの解像
度のチャートマスクを介して水銀灯で50mW/cm2
の照度で2分間照射した。次いで、水なし印刷用インキ
(ザ・インクテック製 インクテックウォーターレスS
黄)を、RIテスター(石川島産業機械製 RI−2
型)を用いて、得られた露光済みパターン形成体上に全
面塗布した。その結果、未露光部は撥油性によりインキ
をはじき、露光部のみに選択的に塗布されたた黄色のパ
ターンが得られた。
【0121】実施例25 実施例1と同様の方法でナトリウムイオンブロック層を
有するガラス基材を作製した。次に、界面活性剤(日本
サーファクタント工業製 BL−2)0.14g、テト
ラエトキシシランSi(OC254 0.62g、チタ
ニアゾル(日産化学製 TA−15)0.96g、エタ
ノール26.89g、水0.32gを混合し、10分間
攪拌した。この分散液をスピンコーティング法により、
厚さ0.2μmのナトリウムイオンブロック層を有する
基材上に塗布した。次いで、150℃の温度で30分間
乾燥することにより、加水分解、重縮合反応を進行さ
せ、光触媒および界面活性剤がシリカ中に強固に固定さ
れた厚さ0.2μmの光触媒含有組成物層を作製した。
得られた試料に、キセノンランプを3mW/cm2 の照
度で紫外線照射を行い、水に対する接触角の経時変化を
接触角測定器(協和界面科学製 CA−Z型)により測
定した。結果を図8に示す。図より、照射前63°であ
った接触角が照射時間とともに減少し、約80分間で6
°まで下がることが確認された。
【0122】実施例26 シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴ
ム)3g、アルキルアルコキシシランであるHPC40
2H(日本合成ゴム)1gを混合し、5分間攪拌した。
この溶液をスピンコーティング法により厚さ0.15m
mのアルミニウム製の基材に塗布し、膜厚2μmのプラ
イマー層を形成した。
【0123】次いで、プライマー層上に実施例23記載
の光触媒含有層を形成し、印刷版原版を得た。得られた
印刷版原版を水あり平版印刷版原版として、175線/
インチで2%から98%の網点を有するグラデーション
ポジフイルムを介して上記キセノンランプにより露光
し、パターンの形成をした。次いで得られた印刷版をオ
フセット印刷機(アルファー技研製 アルファーニュー
エース)に取り付け、オフセット印刷用インキ(ザ・イ
ンクテック製 エイクロス紅)および湿し水を用いて、
5000枚/時の印刷速度でコート紙に印刷を行ったと
ころ2万枚の良好な印刷物が得られた。
【0124】実施例27 石英ガラス製の透明基材上に、実施例4と同様の組成物
をスピンコーティングによって膜厚0.4μmの光触媒
含有層を形成した。次いで、開口部直径9mmの円形パ
ターンを有するマスクを介して水銀灯により70mW/
cm2 の照度で90秒間露光し、表面に濡れ性の高い円
形パターンが施された透明基材を得た。
【0125】水溶性紫外線硬化性エステルアクリレート
樹脂(荒川工業製 AQ−7)1000g、硬化開始剤
(チバスペシャリティケミカルズ製イルガキュア18
4)50g、水25gを混合し、3分間攪拌した。得ら
れた混合液をマイクロシリンジにて、透明基材上に形成
された濡れ性の異なる円形パターンの中心に30μlを
滴下した。次いで、水銀灯により70mW/cm2 の照
度で10秒間照射して、直径9mm、焦点距離45mm
のレンズを作製した。
【0126】実施例28 石英ガラス製の透明基材上に、実施例4と同様の組成物
をスピンコーティングによって膜厚0.4μmの光触媒
含有層を形成した。次いで、開口部直径1mmの円形パ
ターンを有するマスクを介して水銀灯により70mW/
cm2 の照度で90秒間露光し、表面に濡れ性の高い円
形パターンが施された透明基材を得た。
【0127】水溶性紫外線硬化性エステルアクリレート
樹脂(荒川工業製 AQ−7)1000g、硬化開始剤
(チバスペシャリティケミカルズ製イルガキュア18
4)50g、水125gを混合し、3分間攪拌した。得
られた混合液をスピンコーティングによって、透明基材
上に形成された濡れ性の異なる円形パターン上に膜厚2
0μmの厚さで塗布したところ、円形部分のみに混合液
が付着した。次いで、水銀灯により70mW/cm2
照度で3秒間照射して、直径1mm、焦点距離2.5m
mのレンズを作製した。
【0128】実施例29 厚さ0.23mmの脱脂したアルミニウム板をプライマ
ー(関西ペイント製金属用プライマー塗料 カンコート
90T−25−3094)20重量%ジメチルホルムア
ミド溶液を塗布し、200℃で1分間乾燥し、3μmの
プライマー層を形成した。次いで、このプライマー層の
上に、両末端OH変性ポリジメチルシロキサン(信越化
学製 X−22−160AS 官能基当量112)9
g、架橋剤(ポリイソシアネート 日本ポリウレタン製
コロネートL)1g、ジラウリル酸ブチル錫0.05
g、酸化チタン粉末(石原産業 ST−01 粒径7n
m)1g、1,4−ジオキサン5g、イソプロパノール
5gからなる組成物を塗布し、120℃で2分間乾燥
し、厚さ1μmの光触媒含有層を形成し、印刷版原版を
得た。得られた光触媒含有層の表面の平均粗さを触針法
により測定したところ、Ra=2nmであった。
【0129】次いで、248nmのエキシマーレーザを
200mJ/cm2 の強度で照射し、パターンを形成
し、光触媒反応を起こした。この照射部に水及びn−オ
クタンに対する接触角を接触角測定器(協和界面科学製
CA−Z型)により測定したところ濡れ性の差違を確認
することができた。その測定結果を表7に示す。
【0130】実施例30 実施例29で作製した印刷版をオフセット印刷機(小森
スプリント4色機)に取りつけ、印刷インキ(大日本イ
ンキ化学工業製ドライオカラー藍インキ)を用いてコー
ト紙に印刷を行ったところ良好な印刷物が得られた。
【0131】実施例31 実施例29と同様の方法で、厚さ0.23mmのアルミ
ニウム基板上に、プライマー層を形成し、次いで、この
プライマー層の上に、両末端OH変性ポリジメチルシロ
キサン(信越化学製 X−22−160AS)8g、ポ
リジメチルシロキサン(信越化学製 KF96)1g、
架橋剤(ポリイソシアネート 日本ポリウレタン製 コ
ロネートL)1g、ジラウリン酸ジブチル錫0.05
g、酸化チタン粉末(石原産業 ST−01 粒径7n
m)1g、トルエン5g、イソプロパノール5gからな
る組成物を塗布し、150℃で2分間乾燥し、厚さ1μ
mの光触媒含有層を形成し、印刷版原版を得た。得られ
た光触媒含有層の表面の平均粗さを触針法により測定し
たところ、Raは2nmであった。
【0132】次いで、248nmのエキシマーレーザを
200mJ/cm2 の強度で照射し、パターンを形成
し、光触媒反応を起こした。光照射部の水及びn−オク
タンに対する接触角を接触角測定器(協和界面科学製C
A−Z型)により測定したところ濡れ性の差違を確認す
ることができた。その測定結果を表7に示す。また、実
施例30と同様に、印刷版をオフセット印刷機(小森ス
プリント4色機)に取りつけ、印刷インキ(大日本イン
キ化学工業製ドライオカラー藍インキ)を用いてコート
紙に印刷を行ったところ良好な印刷物が得られた。
【0133】実施例32 シリカゾル(日本合成ゴム製 グラスカHPC700
2)3g、アルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム製
HPC402H)1gを混合し、5分間撹拌した。こ
の溶液をスピンコーティング法により面積が7.5cm
2 のガラス製の基材に塗布し、膜厚2μmのナトリウム
イオンブロック層を形成した。次にイソプロピルアルコ
ール3g、シリカゾル(日本合成ゴム製 グラスカHP
C7002)0.75g、アルキルアルコキシシラン
(日本合成ゴム製 グラスカHPC402H)0.25
g、フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ製
MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)
プロピル]−N−エチルパーフルオロオクタンスルホン
アミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)0.1
5gを混合した。得られた分散液を20分間、100℃
に保持しながら撹拌した。その後、酸化チタン(石原産
業製 酸化チタン塗布用液 ST−K01:固形分濃度
10重量%)を2g添加し、さらに30分間撹拌した。
この分散液を先に作製したナトリウムブロック層を形成
した基材上にスピンコーティング法により塗布した。こ
れを150℃の温度で10分間乾燥することにより、加
水分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノポリ
シロキサンによって強固に固定化された膜厚3μmの光
触媒含有層を形成した。
【0134】次いで、光触媒含有層上に、両末端OH変
性ポリジメチルシロキサン(信越化学製 X−22−1
60AS)1g、シリカゾル(日本合成ゴム製 グラス
カHPC7002)2g、アルキルアルコキシシラン
(日本合成ゴム製 HPC402H)1gを混合し5分
間攪拌した分散液を塗布し、これを150℃の温度で2
0分間乾燥し、乾燥膜厚が0.5μmのパターン形成体
を得た。得られたパターン形成体の表面の平均粗さを触
針法により測定したところ、Ra=2nmであった。次
いで、365nmのYAGレーザを200mJ/cm2
の強度で照射し、パターンを形成し、光触媒反応を起こ
した。光照射部の水及びn−オクタンに対する接触角を
接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定
し、測定結果を表7に示す。また、実施例27と同様
に、印刷用原版をオフセット印刷機(小森スプリント4
色機)に取りつけ、印刷インキ(大日本インキ化学工業
製ドライオカラー藍インキ)を用いてコート紙に印刷を
行ったところ良好な印刷物が得られた。
【0135】実施例33 実施例29と同様の方法で、厚さ0.23mmのアルミ
ニウム基板上に、プライマー層を形成し、このプライマ
ー層の上に、エマルジョン型の付加反応型ポリジメチル
シロキサン(信越化学製 KM−768 有効成分30
%)0.76g、水1.34g、酸化チタンゾル(石原
産業 STS−01 粒径7nm)1g、付加反応型用
触媒(PM−6A)0.008g、付加反応型用触媒
(PM−6B)0.012gを混合して、塗布後160
℃で1分間乾燥し、厚さ1μmの光触媒含有層を得た。
また、マスクを密着させ高圧水銀灯を70mw/cm2
の照度で10分間紫外線照射をおこない、光触媒反応を
させた後に、水およびn−オクタンに対する接触角を接
触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し
た結果を表7に示す。
【0136】実施例34 厚さ0.23mmの脱脂したアルミニウム板上にプライ
マー(関西ペイント製金属用プライマー塗料 カンコー
ト90T−25−3094)20重量%ジメチルホルム
アミド溶液を塗布し、200℃で1分間乾燥し、3μm
のプライマー層を形成した。シリカゾル(日本合成ゴム
製 グラスカHPC7002)3g、アルキルアルコキ
シシラン(日本合成ゴム製 HPC402H)1gを混
合し、攪拌機により5分間攪拌した。先に形成したプラ
イマー層上にこの溶液をブレードコーターで塗布し、1
00℃で10分間乾燥を行った。
【0137】次にイソプロピルアルコール3g、シリカ
ゾル(日本合成ゴム製 グラスカHPC7002 固形
分12%)0.75g、アルキルアルコキシシラン(日
本合成ゴム製 HPC402H 固形分50%)0.2
5g、フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ
製 MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル]−N−エチルパーフルオロオクタンスル
ホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)
0.15g、ジメトキシジメチルシラン(東芝シリコー
ン製 TSL8112)0.15gを混合した。この溶
液を20分、100℃に保ちながら攪件した。その後、
酸化チタン塗布溶液(石原産業製 ST−K01:固形
分濃度10%)2gを添加し、更に30分間攪拌し、得
られた分散液をスピンコーティングにより塗布した。
次いで、150℃で10分間乾燥することにより、加水
分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノポリシ
ロキサンによって強固に固定化された膜厚3μmの層を
形成してパターン形成体を得た。 形成された層中のジ
メチルシロキサン単位は40%であった。また、得られ
たパターン形成体を触針法により測定したところ表面粗
さRaは2nmであった。
【0138】次いで、このパターン形成体に格子状のマ
スクを介して高圧水銀灯で70mW/cm2 の照度で5
分間紫外線照射を行い、水及びn−オクタンに対する接
触角を接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)によ
り測定した結果を表1に示す。 また、パターンを形成
したパターン形成体をオフセット印刷機(小森スプリン
ト4色機)に取付けて、水なし印刷インク(大日本イン
キ化学工業製 ドライオカラー藍インク)を用いてコー
ト紙に印刷を行ったところ良好な印刷物が得られた。
【0139】実施例35 実施例34と同様の方法で作製したパターン形成体に、
355nmのYAGレーザーを200mJ/cm2 の強
度でパターン状に照射して光触媒反応を行った。 光照
射部の水およびn−オクタンに対する接触角を接触角測
定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定した結果
を表7に示す。また、パターンを形成したパターン形成
体をオフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取付
けて、水なし印刷インク(大日本インキ化学工業製 ド
ライオカラー藍インク)を用いてコート紙に印刷を行っ
たところ良好な印刷物が得られた。
【0140】実施例36 光触媒含有層に用いたジメトキシジメチルシラン(東芝
シリコーン製 TSL8112)の量を0.03gとし
て、ジメチルシロキサン単位を10%とした点を除き実
施例31と同様にしてパターン形成体を作製し、実施例
31と同様に評価をし、その結果を表7に示す。また、
実施例31と同様にしてコート紙に印刷を行ったところ
地汚れがない良好な印刷物が得られた。
【0141】実施例37 厚さ0.23mmの脱脂したアルミニウム板上にプライ
マー(関西ペイント製金属用プライマー塗料 カンコー
ト90T−25−3094)20重量%ジメチルホルム
アミド溶液を塗布し、200℃で1分間乾燥し、3μm
のプライマー層を形成した。シリカゾル(日本合成ゴム
製 グラスカHPC7002)3g、アルキルアルコキ
シシラン(日本合成ゴム製 HPC402H)1gを混
合し、攪拌機により5分間攪拌した。先に形成したプラ
イマー層上にこの溶液をブレードコーターで塗布し、1
00℃で10分間乾燥を行った。
【0142】次にイソプロピルアルコール3g、シリカ
ゾル(日本合成ゴム製 グラスカHPC7002)0.
75g、アルキルアルコキシシラン(日本合成ゴム製
HPC402H)0.25g、フルオロアルコキシシラ
ン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−
(トリメトキシシリル)プロピル]−N−エチルパーフ
ルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル
50重量%溶液)0.15g、ジメトキシジメチルシラ
ン0.30gを混合した。この溶液を20分間、100
℃に保ちながら攪件した。その後、酸化チタン塗布溶液
(石原産業製ST−K01:固形分濃度10%)2gを
添加し、更に30分間攪拌し、得られた分散液をスピン
塗布によって塗布した。さらに、得られた層上に、イソ
プロピルアルコール3g、シリカゾル(日本合成ゴム製
グラスカHPC7002)3g、アルキルアルコキシ
シラン(日本合成ゴム製 HPC402H)1gを混合
し、5分間攪件した。得られた分散液を塗布して0.2
μmの塗布層を形成しパターン形成体を得た。
【0143】次いで、得られたパターン形成体に格子状
のマスクを介してYAGレーザーで200mJ/cm2
のエネルギー密度で露光を行ってパターンを形成した印
刷版を作製した。水及びn−オクタンに対する接触角を
接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定
した結果を表1に示す。また、パターンを形成したパタ
ーン形成体をオフセット印刷機(小森スプリント4色
機)に取付けて、水なし印刷インク(大日本インキ化学
工業製 ドライオカラー藍インク)を用いてコート紙に
印刷を行ったところ良好な印刷物が得られた。
【0144】比較例5 基材をプライマーによって処理しなかった点を除き、実
施例29と同様に刷版済みの印刷版を作製し、実施例3
0と同様に印刷機に取り付けたところアルミ基材から部
分的に光触媒含有層が剥がれ落ち密着性が不十分であっ
た。また、カッターによってクロスカットをしたメンデ
ィングテープ(住友スリーエム社製スコッチメンディン
グテープ)によって剥離試験をおこなったところプライ
マー層があるものは剥離を起こさないが、プライマー層
がないものは剥離を起こした。
【0145】比較例6 市販のオフセット印刷用原版でサーマルプレートPea
rl dry(Presstek製)を用いて実施例2
9と同様に特性を評価をし、その結果を表7に示す。
【0146】比較例7 市販のオフセット印刷用原版で水なしオフセット版 H
GII(東レ製)を用いて実施例29と同様に特性を評
価をし、その結果を表7に示す。
【0147】比較例8 光触媒含有層に用いたジメトキシジメチルシラン(東芝
シリコーン製 TSL8112)の量を0.2gとし
て、ジメチルシロキサン単位を50%とした点を除き実
施例34と同様にしてパターン形成体を作製し、光触媒
含有層の表面の膜面を触針法によって測定したところ表
面粗さRaは500nmであり、光触媒含有層の表面が
乱れ、印刷用の版面を作製することができなかった。
【0148】比較例9 光触媒含有層に用いたジメトキシジメチルシラン(東芝
シリコーン製 TSL8112)の量を0.01gとし
て、ジメチルシロキサン単位を5%とした点を除き実施
例31と同様にしてパターン形成体を作製し、実施例3
1と同様に評価をし、その結果を表7に示す。また、触
針法によって測定した表面粗さRaは、50nmであっ
た。また、実施例34と同様にしてコート紙に印刷を行
ったところ地汚れが生じた。
【0149】
【表7】 露光部 未露光部 水 n−オクタン 水 n−オクタン 実施例29 5°以下 5°以下 113° 16° 実施例31 5°以下 5°以下 113° 16° 実施例32 5°以下 5°以下 115° 15° 実施例33 5°以下 5°以下 107° 15° 実施例34 5°以下 5°以下 113° 16° 実施例35 80°以下 5°以下 113° 16° 実施例36 70°以下 5°以下 113° 16° 実施例37 80°以下 5°以下 115° 15° 比較例6 84° 5°以下 105° 11° 比較例7 104° 5°以下 116° 13° 比較例9 80° 5°以下 115° 20°
【0150】
【発明の効果】本発明のパターン形成体は、基材上に光
触媒含有組成物層を形成したので、光照射の際の光触媒
の作用により、表面の濡れ性を変化させることによっ
て、パターンの形成が可能であるので、現像等の工程を
経ずに、パターンの形成が可能であり、印刷版原版、機
能性素子をはじめとした多くの用途に使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例を説明する図であ
る。
【図2】図2は、本発明の他の実施例を説明する図であ
る。
【図3】図3は、本発明の他の実施例を説明する図であ
る。
【図4】図4は、本発明の他の実施例を説明する図であ
る。
【図5】図5は、本発明のパターン形成用材料の光照射
時間と濡れ性の関係を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例を説明する図であ
る。
【図7】図7は、本発明の他の実施例を説明する図であ
る。
【図8】図8は、本発明のパターン形成用材料の光照射
時間と濡れ性の関係を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の素子の作製方法の一実施例を
説明する図である。
【図10】図10は、本発明の素子の作製方法の他の実
施例を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の素子の作製方法の他の実
施例を説明する図である。
【図12】図12は、本発明の素子の作製方法の他の実
施例を説明する図である。
【符号の説明】
1…パターン形成体、2…基材、3…プライマー層、
4,41,42,43,44…光触媒含有層、5…パタ
ーン、6…露光、7…光触媒、8…親水性部位、9…疎
水性部位、10…濡れ性変化物質層、11…濡れ性が異
なる部位、12…分解除去される物質層、13…濡れ性
が異なる部位、14…疎水性部分、15…親水性部位、
16…光触媒分解性物質、17…パターンに応じて変化
した部位、18…ストライプ状のパターン、19…格子
状の遮光性パターン、20…フォトマスク、21…レー
ザ、22…ブレードコータ、23…スピンコータ、24
…真空を利用した成膜手段、25…機能性層、26…粘
着テープ、27…空気噴射ノズル、28…機能性層、2
9…素子形成用基材、30…シート、31…熱溶融性組
成物層、32…熱転写体、34…加熱板、35…吐出ノ
ズル、36…紫外線硬化性樹脂組成物、38…硬化用紫
外線、38…マイクロレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−85955 (32)優先日 平成10年3月31日(1998.3.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−86293 (32)優先日 平成10年3月31日(1998.3.31) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 山本 学 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−131914(JP,A) 特開 昭57−173996(JP,A) 特開 平9−208704(JP,A) 特開 平9−260808(JP,A) 特開 平10−301271(JP,A) 特開 昭63−96655(JP,A) 特開 昭50−151137(JP,A) 特公 昭49−12282(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的にパターンを形成するパターン形
    成体において、基材上に光触媒含有層を有し、光触媒含
    有層は、パターンの露光によって光触媒の作用により濡
    れ性が変化すると共に、ケイ素原子に結合したオルガノ
    基としてフルオロアルキル基を含有したシリコーン樹
    脂、または該シリコーン樹脂と無定形シリカとを結着剤
    とし、該結着剤に光触媒が分散されてなることを特徴と
    するパターン形成体。
  2. 【請求項2】 光学的にパターンを形成するパターン形
    成体において、基材上に光触媒含有層を有し、光触媒含
    有層上に、パターンの露光によって光触媒の作用により
    濡れ性が変化するシリコーン樹脂、または該シリコーン
    樹脂と無定形シリカとを含有する層を有することを特徴
    とするパターン形成体。
  3. 【請求項3】 シリコーン樹脂が、ケイ素原子に結合し
    たオルガノ基としてフルオロアルキル基を含有したシリ
    コーン樹脂であることを特徴とする請求項2記載のパタ
    ーン形成体。
  4. 【請求項4】 シリコーン樹脂がオルガノアルコキシシ
    ランを含む組成物から得られたものであることを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のパター
    ン形成体。
  5. 【請求項5】 シリコーン樹脂が反応性シリコーン化合
    物を含む組成物から得られたものであることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のパターン
    形成体。
  6. 【請求項6】 パターン形成体が印刷版原版であること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のパタ
    ーン形成体。
  7. 【請求項7】 光学的にパターンを形成する方法におい
    て、基材上に光触媒の作用により濡れ性が変化すると共
    に、ケイ素原子に結合したオルガノ基としてフルオロア
    ルキル基を含有したシリコーン樹脂、または該シリコー
    ン樹脂と無定形シリカとを結着剤とし、該結着剤に光触
    媒が分散されてなる光触媒含有層を設けたパターン形成
    体、または、基材上に形成した光触媒含有層上に光触媒
    の作用により濡れ性が変化するシリコーン樹脂、または
    該シリコーン樹脂と無定形シリカとを含有する層を形成
    したパターン形成体にパターンの露光をし、光触媒の作
    用によって表面の濡れ性を変化させることを特徴とする
    パターン形成方法。
  8. 【請求項8】 光触媒含有層に対するパターン露光は、
    光描画照射により行うことを特徴とする請求項7記載の
    パターン形成方法。
  9. 【請求項9】 光触媒含有層に対するパターン露光は、
    フォトマスクを介した露光によって行うことを特徴とす
    る請求項7記載のパターン形成方法。
  10. 【請求項10】 光触媒含有層に対するパターン露光
    は、パターン形成体を加熱しながら行うことを特徴とす
    る請求項7ないし9のいずれかに記載のパターン形成方
    法。
  11. 【請求項11】 基材上に請求項1ないし5のいずれか
    に記載のパターン形成体を有し、請求項7ないし10の
    いずれかのパターン露光によって得られた該パターン形
    成体のパターンに対応した部位上に機能性層が配置され
    たことを特徴とする素子。
  12. 【請求項12】 機能性層が少なくとも金属からなる層
    であることを特徴とする請求項11記載の素子。
  13. 【請求項13】 基材上に請求項1ないし5のいずれか
    に記載のパターン形成体を有し、請求項7ないし10の
    いずれかのパターン露光によって得られた該パターン形
    成体のパターンに対応した部位上に機能性層を形成する
    ことを特徴とする素子作製方法。
  14. 【請求項14】 パターン形成体の全面に機能性層用組
    成物を塗布する工程、未露光部の反撥作用によって露光
    部の濡れ性の変化した部位上のみにパターン状に機能性
    層を形成する工程を有することを特徴とする請求項13
    記載の素子作製方法。
  15. 【請求項15】 パターン形成体の全面に機能性層用組
    成物を滴下する工程、未露光部の反撥作用によって露光
    部の濡れ性の変化した部位上のみにパターン状に機能性
    層を形成する工程を有することを特徴とする請求項13
    記載の素子作製方法。
  16. 【請求項16】 パターン形成体への機能性層の形成が
    機能性層用組成物の濡れ性が変化した部位へのノズル吐
    出によることを特徴とする請求項13記載の素子作製方
    法。
  17. 【請求項17】 ノズル吐出がインクジェットを利用し
    たことを特徴とする請求項16記載の素子作製方法。
  18. 【請求項18】 パターン形成体の全面に機能性層用組
    成物を密着する工程、露光部および未露光部の付着力の
    違いにより露光部の濡れ性の変化した部位上のみにパタ
    ーン状に転写し機能性層を形成する工程を有することを
    特徴とする請求項13記載の素子作製方法。
  19. 【請求項19】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、機能性層用組成物塗布フィルムまたは機能性層用組
    成物塗布ロールから熱または圧力による転写によること
    を特徴とする請求項13記載の素子作製方法。
  20. 【請求項20】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、無電解めっきを利用した成膜によることを特徴とす
    る請求項13記載の素子作製方法。
  21. 【請求項21】 パターン形成体の全面に機能性層用組
    成物を積層する工程、未露光部の機能性層を除去するこ
    とによってパターン状に機能性層を形成する工程を有す
    ることを特徴とする請求項13記載の素子作製方法。
  22. 【請求項22】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、機能性層用組成物の塗布によることを特徴とする請
    求項21に記載の素子作製方法。
  23. 【請求項23】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、機能性層用組成物の真空を利用した成膜によること
    を特徴とする請求項21記載の素子作製方法。
  24. 【請求項24】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、機能性層用組成物の転写によることを特徴とする請
    求項21記載の素子作製方法。
  25. 【請求項25】 パターン形成体への機能性層の形成
    が、機能性層用組成物のノズル吐出によることを特徴と
    する請求項21記載の素子作製方法。
  26. 【請求項26】 ノズルからの吐出がインクジェットを
    利用したことを特徴とする請求項25記載の素子作製方
    法。
  27. 【請求項27】 未露光部の機能性層の除去を溶剤によ
    って行うことを特徴とする請求項21記載の素子作製方
    法。
  28. 【請求項28】 未露光部の機能性層の除去を粘着層を
    形成した基材を密着して引き剥がすことよって除去する
    ことを特徴とする請求項21記載の素子作製方法。
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