JP4716181B2 - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、安価な多層プリント配線基板を供給することが可能なプリント配線板の製造方法に関する。
近年、プリント配線基板は小型軽量化が求められ、小型・多ピン化されたPGA(ピン・グリッド・アレイ)やBGA(ボール・グリッド・アレイ)等の構造を採用することにより、配線の微細化や高密度化を達成し、かつ、低廉化を達成することが要求されてきている。
このような市場の動向において、100ピン程度以下の配線密度に限っては、1メタル構造のプリント配線基板を安価に市場供給するため、高価なフォトレジストの使用を極限まで少なくし、かつ工程数を減少させるべく、感光性樹脂を絶縁層として用いる工法が検討されている(例えば特許文献1〜3参照)。
この工法では、露光、現像工程によりスルーホールを形成することが特徴であり、更なる効果としてアライメント精度の向上、大面積一括形成を可能ならしめ、プリント配線基板をより低コストで大量生産することを実現している。
しかし、このような感光性樹脂をコアにした構造では、コアになる感光性樹脂を露光することができないため、サブトラクト工法による両面銅箔付き基板を製造することは不可能であり、100ピン程度以上の高密度配線には、対応できない問題を抱えていた。
一方、従来の2メタル構造の製造プロセスは、大きく分けて二通りの工法が考えられる。一つ目の工法は純然たるサブストラクト工法である。これはまず始めに両面銅箔付き基板の所望する位置にスルーホールを形成し、スルーホールに無電解銅めっき、電解銅めっきをすることで、表裏の銅箔間を導通する導体を形成する。さらにこのスルーホールとアライメントして、表裏の銅箔のパターニングを行い、2メタル構造の多層プリント配線基板を製造する。ここで、このスルーホールを形成する方法としては、レーザー照射によるレーザー工法や、ドリル加工法や金型を用いた打ち抜き工法などの機械加工が実用化されている。
またもう一つの工法として片面銅箔付き基板の樹脂面に、セミアディティブ工法による2メタル目の配線を形成する工法がある。これは片面銅箔付き基板を用いた一般的なセミアディティブ工法を説明すると、まず始めに樹脂層へレーザーを当て、銅箔層までレーザービアを形成する。さらに樹脂面の樹脂表面とレーザービア加工面にシード銅層となる無電解銅めっきを数1000Å形成する。このシード銅層上にフォトレジストをコートして露光、現像して所望する2メタル配線の型をパターニングする。さらに電解銅めっきを施し、所望する膜厚の銅配線を形成した後、型となったフォトレジストを剥膜する。最後にフォトレジストを剥膜した底に露出した無電解銅めっきをフラッシュエッチングすることで、独立した銅配線を形成する工程である。
特開平9−260808号公報 特開平11−258860号公報 特開2000−141699号公報
しかしながら、上述したサブストラクト工法では、スルーホールを形成する方法が、いずれもランニングコスト、イニシャルコストが高く、また、設計から加工までの時間が長いことや、デスミヤや切削くずの除去が必要となるなど、一長一短な問題があり、安価な多層プリント配線基板を供給することが難しい。
また、上述したセミアディティブ工法は煩雑な工法であり、安価な多層プリント配線基板を供給することが難しい。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とすることは、例えば100ピン以上の高密度配線基板に対して、2メタル層以上の積層構造を有するプリント配線基板を低価格で提供することにある。
上述の課題を達成するため、本発明のプリント配線板の製造方法は、片側銅箔付き感光性樹脂基板の樹脂面に、少なくとも無電解銅めっき及び電解銅めっきからなる導体パターンを形成するプリント配線基板の製造方法であって、前記感光性樹脂を露光、現像し、所望とするビアパターンを形成した後、前記感光性樹脂表面に光触媒化合物を担持させ、めっきする導体パターン状に露光し、無電解銅めっきの核となる金属塩溶液の濡れ性に差を設けることを特徴とする。
本発明に係るプリント配線板の製造方法によれば、高価なフォトレジストの使用量を半減し、感光性樹脂からなる樹脂絶縁層と無電解銅めっき膜が接する表面との密着強度が優れた無電解銅めっき及び電解銅めっきからなる銅配線パターンを直接形成し、信頼性に優れた高密度多層プリント配線板を容易かつ安価に提供することができる。
本発明の実施の形態は、配線が100ピン程度以上の高密度が要求されるプリント配線基板において、2メタル目以降の銅配線層を安価にビルドアップするために、片側銅箔付き感光性樹脂基板の樹脂面に、銅配線を形成する目的で高価なフォトレジストを使用しない(セミアディティブでない)ことが特徴である。
ここで用いられる感光性樹脂としては、紫外線硬化型アクリル樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂、またこれらの重合構造である紫外線硬化型エポキシアクリレートが用いられ、紫外線により、直接重縮合の架橋反応や紫外線による酸発生添加物による架橋反応によってアルカリ現像が可能になるものである。
そこで、このような化学反応を利用し、ビアを形成する工程からスタートする。まず始めに感光性樹脂を露光して架橋した部分を残すように、アルカリ現像液をスプレーして未露光未架橋部分を溶解させ、銅箔がビア内から見えるように露出させる。
ここで本発明者は、紫外線架橋しただけの本感光性樹脂は、吸湿率が高い状態であることに着目した。本来、紫外線架橋させ、現像した本感光樹脂をポストベークすることにより完全架橋させる。紫外線架橋だけでは、完全架橋の40〜50%程度しか架橋が進んでいないため、吸湿率が高いことが分かった。
このように紫外線架橋しただけの感光性樹脂を光触媒化合物水溶液に浸漬させ、光触媒化合物が加水分解したものを感光性樹脂の極表面に浸透担持させ、180°C程度の熱風オーブンで脱水反応させ、酸化チタンを形成する。ここで、光触媒化合物水溶液の例として、光励起率の高い酸化チタンに転化しやすい有機チタネート(チタン含有有機金属化合物)が好ましく、テトライソプロピルチタネート、ポリブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどを組み合わせた水溶液を用いることが可能である。また、酸化チタンの光励起率を向上させるため、光触媒化合物水溶液に光増感剤を添加することも好ましい。光増感剤としては、色素、有機酸、有機酸塩、有機アミンからなる水溶性化合物などが挙げられ、それらの組み合わせでも構わない。
次に、感光性樹脂のビアをアライメントして、所望する銅配線パターン状に露光し、光触媒を励起させ、金属塩溶液(例えば塩化パラジウム溶液)のミストを噴霧し、続いて50〜90°C程度で乾燥させる。露光され励起した箇所は金属塩水溶液の濡れ性が良いため、乾燥させた後には感光性樹脂表面の所望する銅配線パターン状のパラジウムが析出される。
さらに続いて、無電解銅めっき槽に浸漬することで、銅配線パターン状にパラジウムが析出された所に数1000Åのパターニングされたシード銅層が析出する。更に、電解銅めっき浴にてシード銅層をめっきアップさせ、所望する膜厚の銅配線パターン(第二の銅配線パターン)を形成する。
なお、本発明の請求項1に記載した構成は、上記工程で第二の銅配線パターンを製造することを特徴とするものであり、請求項2に記載した構成は、第二の銅配線パターンを形成した後、感光性樹脂を140°C以上でポストベークすることにより、熱架橋を促進して感光性樹脂を完全架橋させることを特徴とするものである。
感光性樹脂を露光・現像したところで、すなわち、感光性樹脂を140℃以上の加熱で熱架橋する前に光触媒化合物を担持させることで、より良く光触媒化合物が感光性樹脂の極表面に浸透するので、より効果的に金属塩溶液の濡れ性に差をつけることができる。
もし、光触媒化合物水溶液に浸漬する前にポストベークした場合には光触媒化合物がほとんど担持されないことがある。また光触媒化合物水溶液に浸漬した直後にポストベークした場合には、光触媒化合物が分解され、期待する効果ほどの光触媒反応が得られず、パラジウムが所望する銅配線パターン状に析出されない問題ある。
また、いわゆる光触媒反応を有する代表的な酸化チタン(TiO)の他、ZnO、SrTiOP、CdS、CdO、CaP、InP、In、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InSb、RuO、CeO等が知られている。
一般に、光触媒金属化合物は、光を照射することにより電子と正孔が生成され、その付近の水分子を還元・酸化することにより強力な酸化力をもつ・OHやO2-を生成する。たとえばCdSeに光を照射すると、生成した電子は水分子を還元し水素を発生させるが、正孔は水分子を酸化する代わりに、自己を酸化し、Cd2+が溶出してくる。このような現象は他の多くの光触媒金属化合物にも認められる。
しかしながら、酸化チタンは自己溶出現象を起こさない光触媒金属化合物として特異的であり、それ故、酸化チタンは、 光触媒として最も有用である。当初、酸化チタンの微粒子をフィラーとして、直接感光性樹脂に添加することを検討したが、ビア現像時のパターニング性が劣化していることや、感光性樹脂と第一の銅箔との密着性が低下するなどいろいろな問題が生じる。
また、本発明の請求項3及び請求項4に記載の構成は、ビアが形成された感光性樹脂の表面だけに、光触媒が必要であることを鑑み、チタン含有有機金属化合物の水溶液を用いて製造することを特徴とし、露光された部分が光励起され濡れ性が向上することを特徴とする。
上記のように露光された部分が光励起され、塩化パラジウム水溶液ミストが濡れ性の向上した部分に付着する。このまま乾燥すると無電解銅めっきの触媒に使用されるパラジウムがパターン形成される。なお、本発明の請求項5に記載の構成は、このように無電解銅めっき、電解銅めっきと連続して銅配線を形成することを特徴とする。
またここで、従来の両面銅箔付き基板の所望する位置にスルーホールを形成し、スルーホールに表裏の銅箔間に導体を形成する工法は、スルーホールと銅箔配線の位置ずれを吸収させるため、一般的にスルーホールより半径が0.1mm程度大きなランドが必要である。このため、ピン数にもよるがスルーホールのランド間に配線数の設計自由度が向上される。
以下、本発明の多層プリント配線板の製造方法について図面を用いて具体的に説明する。
ここでは、樹脂表面に形成する第二の銅配線パターンの形成方法を詳細に説明する。
図1及び図2は本発明の実施例1による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。
まず感光性樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR-90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110°C、30分撹拌してアルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を調製した。
更に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂ワニスを作製した。
第一銅箔(工程[1a]、1a2)上に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70°C、20分乾燥して、約25μm厚のBステージ状の感光性樹脂(1a1)を形成した。Bステージ状の感光性樹脂(1a1)表面に、19μm厚のPETフィルム(1a3)を貼り合わせて、片側銅箔付き感光性樹脂基板を形成した。
この片側銅箔付き感光性樹脂基板の感光性樹脂面に、φ200μmのビアパターンが描画されたフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm露光して、光架橋させた。次いで、19μm厚のPETフィルムをセパレートした後、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像、水洗し、90°Cの熱風オーブンで充分乾燥させ、約200μmのビアを有する片側銅箔付き樹脂基板(工程[1b]、1b1)を形成した。
次に、常温のテトライソプロピルチタネート水溶液(5%水溶液)に、ビアを有する片側銅箔付き樹脂基板を浸漬、吸着させたあと、180°Cの熱風オーブンで約1時間ポストベークして、感光性樹脂の未架橋部分を完全に熱架橋させる(工程[1c]、1c1)。またこのポストベークによって、テトライソプロピルチタネートが加水分解したものを脱水反応させ、酸化チタン(工程[1c]、1c4)を析出させる。
さらに所望する第二の銅配線パターンが描画されたフォトマスク(1d6)をビアパターンにアライメントして密着させ、超高圧水銀灯(1d7)により500mJ/cm露光した(工程[1d])。
そして、この露光後、塩化パラジウム0.6g、塩酸1mLをイオン交換水1Lで希釈したパラジウム触媒溶液を二流体スプレー装置でスプレーした。ここで、先ほど第二の銅配線パターン状に露光された部分(1d4)は光励起されており、このパラジウム触媒溶液が第二の銅配線パターン状に塗れている状態のまま、120°Cのホットプレートで充分乾燥させた(工程[1e])。
活性化したパラジウム触媒(1e8)を担持させた片側銅箔付き樹脂基板を、無電解銅めっき浴に約10分浸漬して、約0.5μm厚の無電解銅めっき膜(工程[1f]、1f9)を形成した。無電解銅めっき浴は、ホルムアルデヒドを還元剤とする0.02mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。
100g/Lの希塩酸にてパラジウム触媒を除去した後、約30分電解銅めっきを行って、片側銅箔付き樹脂基板の樹脂面上約12μm厚の第二の銅配線パターンを形成した(工程[1g]、1g10)。また、電解銅めっき浴は、0.1mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。
以上の工程で、本発明の多層プリント配線板に用いられる第二の銅配線パターンが得られた。
上記銅配線パターンを半田浴(260°C)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、JIS-C6481に基づき1cm幅のピールテストパターンを作製し、ピール強度を90度剥離試験によって測定したところ約1.2kg/cmであった。
絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS-C6481の対向電極パターンを用い層間のパターンについて行い、印加電圧25V、120°C、85%、100時間経過の絶縁抵抗値の変化が10%以内であり問題ないことが確認された。
次に図3に簡単な工程フローを示し、多層プリント配線基板の製造方法を説明する。
まず実施例1と同様にしてアルカリ現像型感光性樹脂溶液を調製した。
感光性樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR-90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110°C、30分撹拌してアルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を調製した。
更に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂ワニスを作製した。
第一銅箔上に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70°C、20分乾燥して、約25μm厚の感光性樹層を形成した。Bステージ状の感光性樹層表面に、19μm厚のPETフィルムを貼り合わせて、片側銅箔付き感光性樹脂基板を形成した(S1)。
この片側銅箔付き感光性樹脂基板の銅箔面に、ネガ型のフォトレジスト液(重クロム酸カリウムを感光剤としたPVA(ポリビニルアルコール)水溶液)をロールコートし、フォトレジスト膜を形成した(S2)。また片側銅箔付き感光性樹脂基板の銅箔上のフォトレジスト面上に第一の銅配線パターンが描画されたフォトマスクを、片側銅箔付き感光性樹脂基板の感光性樹脂面に、所望するビアパターンが描画されたフォトマスクを、二枚のフォトマスクのアライメントを合わせて、フォトレジストがコートされた片側銅箔付き感光性樹脂基板に密着させ、500mJ/cmの露光量を超高圧水銀灯により両面一括露光して、フォトレジスト膜と感光性樹脂の所望する部分を光架橋させた。
次いで、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて、現像、水洗し、90°Cの熱風オーブンで充分乾燥させた。銅箔面にはPVAのフォトレジスト膜が第一の銅配線パターン状に形成され、感光性樹脂には、約200μmのビアを有するフォトレジスト膜が形成された片側銅箔付き樹脂基板を形成した(S3)。
ここで、フォトレジスト膜を保護するため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)をフォトレジスト膜上に貼った(S4)。
次に、常温のテトライソプロピルチタネート水溶液(5%水溶液)に、ビアを有する片側銅箔付き樹脂基板を浸漬、吸着させた後、180°Cの熱風オーブンで約1時間ポストベークして、感光性樹脂の未架橋部分を完全に熱架橋させる(S5、S6)。またこのポストベークによって、テトライソプロピルチタネートが加水分解したものを脱水反応させ、酸化チタンを析出させる。
さらに所望する第二の銅配線パターンが描画されたフォトマスクをビアパターンにアライメントして密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm露光した(S7)。露光後、塩化パラジウム0.6g、塩酸1mLをイオン交換水1Lで希釈したパラジウム触媒溶液を二流体スプレー装置でスプレーした(S8)。ここで先ほど第二の銅配線パターン状に露光された部分は光励起されており、このパラジウム触媒溶液が第二の銅配線パターン状に塗れている状態のまま、120°Cのホットプレートで充分乾燥させた。
活性化したパラジウム触媒を担持させた片側銅箔付き樹脂基板を、無電解銅めっき浴に約10分浸漬して、約0.5μm厚の無電解銅めっき膜を形成した(S9)。無電解銅めっき浴は、ホルムアルデヒドを還元剤とする0.02mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。100g/Lの希塩酸にてパラジウム触媒を除去した後、約30分電解銅めっきを行って、片側銅箔付き樹脂基板の樹脂面上約12μm厚の第二の銅配線パターンを形成した(S10、S11)。また、電解銅めっき浴は、0.1mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。
さらに、この第二の銅配線パターンを銅箔エッチングから保護するため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)をフォトレジスト膜上に貼った(S12)。続いて銅箔上のフォトレジスト膜を保護していたポリプロピレンフィルムを取り除いた後(S13)、塩化第二鉄液(50°C、密度1.450g/cm)をスプレーして銅箔をエッチングし(S14)、次いで、80°Cの10%水酸化カリウム剥膜液でPVAフォトレジストを剥膜し、第一の銅配線パターンを形成した(S15)。
ここで、第二の銅配線パターンを保護するポリプロピレンフィルムを取った後、180°Cの熱風オーブンで約1時間ポストベークして、感光性樹脂の未架橋部分を完全に熱架橋させた(S16)。
さらに感光性ソルダーレジストインク(PFR−800 FLX201Y;太陽インキ製造製)を樹脂基板上にスクリーン印刷し(S17)、90°Cでプリベークした後、アライメントを合わせてフォトマスクを密着露光させる。次いで30°Cの有機アルカリ現像液で外部接続端子部が露出するように現像を行う(S18)。この工程を表裏異なるパターンのフォトマスクを用いて行う。
さらに、電解ニッケルめっき、電解金めっきを行う(S19)。電解ニッケルめっき浴、電解金めっき浴などは、一般的に良く知られているもので構わない。
以上の工程で、第一の銅配線パターンは、サブストラクト工法で製造し、第二の銅配線パターンは、アディティブ工法で製造することを特徴とする本発明の多層プリント配線板が得られた。
<比較例1>ここでは、一般的に良く使われるセミアディティブ工法による第二の銅配線パターンの形成方法を説明する。
図4〜図6は比較例による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。
まず感光性樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR-90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110°C、30分撹拌してアルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を調製した。
更に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性樹脂ワニスを作製した。
第一銅箔(工程[3a]、3a2)上に、前記アルカリ現像型感光性樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70°C、20分乾燥して、約25μm厚の感光性樹脂(3a1)を形成した。Bステージ状の感光性樹脂表面に、19μm厚のPETフィルム(3a3)を貼り合わせて、片側銅箔付き感光性樹脂基板を形成した。
この片側銅箔付き感光性樹脂基板の感光性樹脂面に、所望するビアパターンが描画されたフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm露光して、光架橋させた。次いで、19μm厚のPETフィルムをセパレートした後、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像、水洗し、90°Cの熱風オーブンで充分乾燥させ、約200μmのビアを有する片側銅箔付き樹脂基板を形成した(工程[3b])。
次に、感光性樹脂表面にパラジウム触媒を担持させるため、塩化パラジウム、塩化すず溶液からなるキャタリスト浴に浸漬し、パラジウム−すずコロイドを感光性樹脂表面に担持させた。次のアクセラレーター浴において、スズが除去されると同時に、パラジウム粒子(3c4)が感光性樹脂表面に固着される(工程[3c])。固着したパラジウム粒子は、触媒として担持され、片側銅箔付き樹脂基板を無電解銅めっき浴に約10分浸漬して、約0.5μm厚の無電解銅めっき膜(3d5)を形成した(工程[3d])。無電解銅めっき浴は、ホルムアルデヒドを還元剤とする0.02mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。
ここで、100g/Lの希塩酸にてパラジウム触媒を除去した後、無電解銅めっき膜上にロールコートにより、ネガ型フォトレジスト(PMER;東京応化工業製)(3e6)をロールコートし、90°Cでプレベークした。所望する第二の銅配線パターンのフォトマスク(3f7)を介して、200mJ/cmで露光し(工程[3f])、有機アルカリ水溶液で現像し、所望する第二の銅配線パターンの枠(3g6)を形成した(工程[3g])。
さらに、電解銅めっきが第一の銅箔表面に析出させないようにするため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)を第一の銅箔表面上に貼った。その後、電解銅めっきを約30分行って、片側銅箔付き樹脂基板の樹脂面およびビアから露出した第一の銅箔上に、約12μm厚の銅箔(3h9)を形成した(工程[3h])。また、電解銅めっき浴は、0.1mol/dmCu(II)-EDTA 浴を用いた。
またさらに、80°Cの10%水酸化ナトリウム剥膜液でネガ型フォトレジストを溶解剥膜した(工程[3i])。
次いで、剥膜したネガ型フォトレジスト跡から露出している無電解銅めっき部分をフラッシュエッチングすることにより、第二の銅配線パターンを形成した(工程[3j])。
以上のような一般的なセミアディティブ工程で、多層プリント配線板に用いられる第二の銅配線パターンを得ることができる。しかしこの工法は、高価なアルカリ溶解タイプのフォトレジストを必要とする工程、不要な無電解めっきをエッチングするフラッシュエッチング工程など工程数が、かなり多くなってしまう。故に、収率の低下、材料費が嵩むなど、安価な多層プリント配線板を市場に供給することが難しい。
本発明の実施例1による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例1による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例2による多層プリント配線板の工程フローチャート図である。 比較例による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。 比較例による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。 比較例による第二配線パターン構成及びその製造工程を示す断面図である。
符号の説明
1a1……Bステージ状感光性樹脂、1a2……第一銅箔層、1a3……PETセパレータ、1b1……光架橋した感光性樹脂、1c1……光熱架橋した感光性樹脂、1c4……酸化チタン、1d4……励起した酸化チタン、1d5……励起しなかった酸化チタン、1d6……第二の銅配線パターンを有するフォトマスク、1d7……紫外線、1e8……パラジウム触媒、1f9……無電解銅めっき、1g10……電解銅めっき、1g11……電解銅めっき用対向電極。

Claims (6)

  1. 片側銅箔付き感光性樹脂基板の樹脂面に、少なくとも無電解銅めっき及び電解銅めっきからなる導体パターンを形成するプリント配線基板の製造方法であって、
    前記感光性樹脂を露光、現像し、所望とするビアパターンを形成した後、前記感光性樹脂表面に光触媒化合物を担持させ、めっきする導体パターン状に露光し、無電解銅めっきの核となる金属塩溶液の濡れ性に差を設ける、
    ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記感光性樹脂が140°C以上の加熱により熱架橋する前に、前記光触媒化合物を担持させることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 前記光触媒化合物が、チタン含有有機金属化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 前記光触媒化合物に紫外線を露光することにより露光された当該光触媒化合物が励起され、金属塩溶液の濡れ性が向上することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 前記金属塩溶液が、少なくともパラジウム塩溶液を含むことを特徴とし、前記無電解銅めっきの核となるパラジウムが析出された所に無電解銅めっきによってシード銅層を形成し、さらに電解銅めっきによって導体パターンを形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 前記感光性樹脂が、紫外線硬化型エポキシアクリレートであり、前記光触媒化合物が、テトライソプロピルチタネートであり、前記パラジウム塩溶液が、塩化パラジウムであることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
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