JP2005085898A - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精細な配線パターンであってもめっき被膜を所定厚さに形成でき、しかも付着性に優れた配線パターンを無電解めっき法を利用して形成する。
【解決手段】光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルム2を基板1に配置しマスク3を介して露光・現像することで所定パターンが抜かれた貫通部20をもつパターンフィルム2'を形成し、貫通部20に無電解めっき被膜4を析出させる。
貫通部20の両側の縦壁面21が活性化されているので、無電解めっき被膜4は縦壁面21にも析出する。
【選択図】 図4
【解決手段】光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルム2を基板1に配置しマスク3を介して露光・現像することで所定パターンが抜かれた貫通部20をもつパターンフィルム2'を形成し、貫通部20に無電解めっき被膜4を析出させる。
貫通部20の両側の縦壁面21が活性化されているので、無電解めっき被膜4は縦壁面21にも析出する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、フォトレジスト法及び無電解めっき法を用いたプリント配線基板の製造方法に関する。
プリント配線基板を製造するには、先ず銅箔付きの基板の表面にフォトレジストフィルムを積層し、フォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像することでフォトレジストフィルムに所定パターンが抜かれたパターンフィルムを形成する。次に電解銅めっきにより銅配線パターンを厚くした後、パターンフィルムを除去し、余分な銅箔をエッチングにて除去する。そして必要に応じて全体に樹脂を塗布して、ソルダーレジストを形成する。この方法は、サブトラクティブ法と称されている。
また、高分子不導体よりなる基板の表面に、上記と同様に所定パターンが抜かれたパターンフィルムを形成し、次いで無電解めっき処理により基板上に無電解銅めっきパターンを形成する。そして必要に応じて電解銅めっきにより所定厚さの銅配線パターンとし、その後全体に樹脂を塗布してソルダーレジストを形成する。この方法は、アディティブ法と称されている。このアディティブ法の場合には、パターンフィルムを除去せずに残してソルダーレジストとすることも可能である。
しかしアディティブ法の場合には、基板表面への無電解銅めっき被膜の析出が困難となったり、析出しても基板と無電解銅めっき被膜との付着強度が低い場合が多い。そこで特開2001−011644号公報には、樹脂基板の表面に光触媒の粒子を担持させ、紫外線を照射した後に、超音波振動を与えながら水中洗浄して光触媒粒子を除去し、その後に無電解めっき処理を行う方法が記載されている。紫外線の照射によって光触媒が活性化されて樹脂基板の表面に極性基が形成されるため、無電解めっき被膜の付着性が向上する。
ところで、軽量化及び小型化の必要性の増大に伴い、情報機器などにおけるプリント配線基板は高密度化してよりコンパクトとする必要がある。この場合には、プリント配線どうしの間隔が狭くなること、またプリント配線自体の幅が狭くなることが避けられない。しかしこのように微細な配線パターンを形成する場合には、上記方法ではフォトレジストフィルムを露光・現像したときに配線パターンが細くなりすぎたり、途中で切れたりする不具合が発生しやすくなる。またパターンフィルムの剥離や、ソルダーレジストを塗布したりする工程など、工程が増えるほど配線パターンに欠陥が生じる可能性が高くなる。
さらにアディティブ法においては、微細なパターンになるほど、パターンフィルムの所定パターンが抜かれた部分に無電解めっき液が入りにくくなり、所定厚さの無電解銅めっき被膜が形成されない部分が局部的に生じる場合がある。このようになると、電解銅めっきしてもその部分のめっき被膜の厚さが不足したり、ピンホールが生じるため、ソルダーレジストとの付着性が低下し、使用中の水分の浸入によって配線間でショートが発生する場合がある。
また軽量化及び小型化を目的として、絶縁樹脂層を介して複数のプリント配線基板を積層する多層基板が使用されている。これは、配線パターンが形成された複数のプリント配線基板を、プリプレグを挟んで重ねて熱プレスすることで、絶縁樹脂層をサンドイッチ状に挟んだ多層プリント配線基板を形成する方法である。
ところが上記したように、部分的に所定厚さの配線パターンが形成されないプリント配線基板を用いた場合には、プリプレグと配線パターンとの密着性が低いという問題がある。プリプレグと配線パターンとの密着性が低いと、界面に空隙が生成しやすく、その空隙に水分が浸入してマイグレーションが促進され、絶縁劣化するという不具合が発生する。また、絶縁樹脂層の表面平滑性が低下し、ピンホールなどの不良が発生する場合もあった。
なお、特開2002−241950号公報に開示されたように、フォトレジストフィルムを用いることなく、ダイレクトメタライゼーションを用いて精細な金属パターンを形成する方法も知られている。
特開2001−011644号
特開2002−241950号
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、フォトレジストフィルムを用いて、精細な配線パターンであってもめっき被膜を所定厚さに形成でき、しかも付着性に優れた配線パターンを、無電解めっき法を利用して形成することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のプリント配線基板の製造方法の特徴は、高分子不導体よりなる基板の表面に光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルムを積層し、フォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像することでフォトレジストフィルムに所定パターンが抜かれた貫通部をもつパターンフィルムを形成するパターン形成工程と、
パターンフィルムが積層された基板を無電解めっき処理し、貫通部に無電解めっき被膜を析出させる無電解めっき工程と、を含むことにある。
パターンフィルムが積層された基板を無電解めっき処理し、貫通部に無電解めっき被膜を析出させる無電解めっき工程と、を含むことにある。
用いられるフォトレジストフィルムは、ポジ型であることが望ましい。
本発明のプリント配線基板の製造方法によれば、表面平滑性に優れ、ピンホールなどの不良の無い配線パターンを、容易にかつ精度高く形成することができる。
従来のアディティブ法では、図7に示すように所定パターンである貫通部 201が抜かれたパターンフィルム 200が基板 100の表面に積層されており、その状態で無電解めっき処理が行われる。例えば特開2001−011644号公報に記載の方法を採用した場合には、光触媒によって基板表面が活性化されて極性基が生成し、無電解めっきに先だって行われる触媒吸着時にその極性基に触媒が吸着するため、無電解めっき被膜 300は先ず基板 100表面に析出する。パターンフィルム 200には無電解めっき被膜 300が析出しないので、無電解めっき被膜 300は貫通部 201で縦壁面 202を避けるように成長する。したがってその後に電解めっきを行っても、電解めっき被膜は無電解めっき被膜 300上に成長するので、その結果、形成される配線パターン 400の表面平滑性が低く、厚さにばらつきが生じたり、ピンホールが生じる場合がある。
しかし本発明では、光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルムを用いている。このフォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像すると、図6に示すように、基板1上には貫通部20をもつパターンフィルム2'が残る。ここで、残されたパターンフィルム2'では、露光時に光触媒が活性化されることで、貫通部20の両側の縦壁面21が活性化され極性基が生成した活性部22が形成されている。そのため無電解めっき工程では、先だって行われる触媒吸着時に活性部22の極性基に触媒が吸着するため、貫通部20に沿う両側の縦壁面21にもめっき被膜が析出する。その結果、無電解めっき被膜4は三方から成長し、貫通部20の幅が狭くても無電解めっき被膜4を形成することができる。そして必要に応じてさらに電解めっきすることで、均一な厚さのめっき被膜からなる配線パターン5が形成される。
この配線パターン5は、表面平滑性に優れ、基板1及びパターンフィルム2'との間に隙間もない。したがって使用時に水分が浸入することがなく、ショートや絶縁劣化を未然に防止することができる。またこの配線パターン5は、基板1との付着性が低くても、パターンフィルム2'との付着強度が高いので、パターンフィルム2'をそのままソルダーレジストとして残すことで、実用に十分耐え得る。なお配線パターン5の厚さに過不足がある場合には、エッチングなどでパターンフィルム2'又は配線パターン5の表層を削ってもよい。
高分子不導体よりなる基板の材質としては、ポリプロピレン,ポリエチレン,エチレンプロピレンゴムあるいはこれらの共重合物または混合物、ポリエチレンテレフタレート,エチレンプロピレンゴム又はこれを含有する共重合物、ポリメチルペンテン,ポリアセタール,ポリカーボネート,アクリロニトリルブタジエンサルファイド,スチレンブタジエン共重合体,ポリイミド,ポリフェニレンサルフィド,液晶ポリマー(LCP),ポリエーテルエーテルケトン,エポキシ,ナイロンなどの樹脂、ゴムを用いることができる。その形状は特に制約されない。また、ガラス繊維あるいは無機充填材などで強化された基板を用いることもできる。
フォトレジストフィルムは、光触媒粉末を含有すること以外は、従来用いられているものを用いることができ、ポジ型あるいはネガ型のどちらも用いることができるが、ポジ型のフォトレジストフィルムを用い、アディティブ法にて配線パターンを形成する場合に特に有用である。
光触媒としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、リン化ガリウム、炭化ケイ素、酸化インジウム、酸化バナジウムなどから選択して用いることができる。二酸化チタンが特に好ましい。この光触媒は粉末としてフォトレジストフィルム中に混合されている。光触媒粉末の混合量は、フォトレジストフィルム中に5〜70重量%の範囲とするのが好ましい。5重量%未満では効果が発現されず、70重量%を超えて混合すると樹脂中に均一に分散しなくなり樹脂が脆くなる。
また光触媒粉末の粒径は、 0.1〜1000μmの範囲が好ましい。粒径が 0.1μmより小さいと取り扱いが困難となり、1000μmより大きくなると光照射時の活性化の程度が小さくなって実用的でない。
パターン形成工程では、基板の表面に光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルムを積層し、フォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像することでフォトレジストフィルムに所定パターンが抜かれた貫通部をもつパターンフィルムを形成する。マスク、現像は、フォトレジストフィルムのポジ又はネガの種別に基づいて、従来と同様に行うことができる。露光には可視光を用いることもできるが、光触媒の活性化に有効であり、また基板を直接活性化することもできる紫外線を用いることが望ましい。この紫外線としては、 310nm以下の波長のものが好ましく、 260nm以下、さらには 150〜 200nm程度のものが望ましい。また紫外線照射量は、50mJ/cm2 以上とすることが望ましい。このような紫外線を照射できる光源としては、低圧水銀ランプ,高圧水銀ランプ,エキシマレーザー,バリア放電ランプ,マイクロ波無電極放電ランプなどを用いることができる。
そして露光時に光触媒が活性化されることで、現像されたパターンフィルムでは貫通部の両側の縦壁面が活性化されており、極性基が生成している。また貫通部に表出する基板も、光触媒によって活性化され極性基が生成している。
無電解めっき工程では、パターンフィルムが積層された基板を無電解めっき処理し、貫通部に無電解めっき被膜を析出させる。この工程では、先ず貫通部に触媒が吸着される。触媒は、極性基が生成している貫通部の両側の縦壁面に多く吸着する。この触媒としては、Pd2+など、従来の無電解めっき処理に用いられる触媒を用いることができる。触媒を吸着させるには、触媒イオンが溶解している溶液を少なくとも貫通部に接触させればよい。また接触時間、温度などの条件も、従来と同様でよい。
その後、従来と同様に無電解めっき処理が行われる。無電解めっき処理の条件、析出させる金属種などもNi、Cu、Au、Agなど特に制限されず、従来の無電解めっき処理と同様に行うことができる。なお、無電解めっき工程後に、さらに電解めっきを施す電解めっき工程を行うことが望ましい。これにより配線パターンの厚さをさらに厚くすることができる。この状態で、パターンフィルムを除去しプリプレグを積層して多層化してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
図1〜5に、本実施例のプリント配線基板の製造方法の説明図を示す。先ずガラス繊維強化エポキシ樹脂からなる基板1を用意し、その表面にポジ型のドライフィルムレジスト2を接合する。このドライフィルムレジスト2は、エポキシ樹脂にアナターゼ型の二酸化チタン粉末を20重量%混合したものであり、厚さは18μmである。
次に、図1に示すように、ドライフィルムレジスト2の表面にポジマスク3を重ね、図2に示すように、図示しない紫外線ランプから照射強度 700μW/cm2 の紫外線を30秒間照射した。これによりポジマスク3で覆われていない部分のドライフィルムレジスト2が露光され、現像液に可溶となる。またポジマスク3で覆われていない部分では、紫外線によって二酸化チタン粉末が活性化され、周囲のドライフィルムレジスト2を活性化する。
その後ポジマスク3を除去し、現像液にて現像するとポジマスク3で覆われていなかった部分が現像液中に溶出し、図3に示すように、ポジマスク3で覆われていた部分のみが基板1上に残ってパターンフィルム2'が形成される。パターンフィルム2'には、現像液に溶出した部分に、基板1が表出する貫通部20が所定パターンで形成されている。この貫通部20の幅は、最狭部で13μmである。そして貫通部20の両側の縦壁面21の表面には、図6に拡大して示すように、二酸化チタン粉末によって活性化された活性部22が約 100nmの厚さで形成され、極性基が生成している。
水洗・乾燥後、3N塩酸水溶液に塩化パラジウムを 0.1重量%溶解し塩化錫を5重量%溶解して30℃に加熱された触媒溶液中に3分間浸漬し、次いでパラジウムを活性化するために、1.5N塩酸水溶液に3分間浸漬した。これにより触媒を吸着させた。その後、40℃に保温された硫酸銅めっき浴中に浸漬し、無電解銅めっき被膜4を1μm析出させた。
無電解めっき時には、図4及び図6に示すように、貫通部20に表出する活性部22と基板1の表面に析出し、無電解銅めっき被膜4は三方からほぼ同様に成長する。続いて硫酸銅系Cu電解めっき浴にて、無電解銅めっき被膜4の表面に電解銅めっき被膜を20μm以上析出させ、配線パターン5を形成した。
得られた配線パターン5は、表面平滑性に優れ、基板1及びパターンフィルム2'との間に隙間もない。したがって使用時に水分が浸入することがなく、ショートや絶縁劣化を未然に防止することができる。またこの配線パターン5は、基板1及びパターンフィルム2'との付着強度が高いので、パターンフィルム2'をそのままソルダーレジストとして残すことで、実用に十分耐え得る。
さらに、必要に応じてパターンフィルム2'又は配線パターン5の表面をエッチングすることで、得られるプリント配線基板の表面平滑性が高いので、プリプレグを積層して多層化することもでき、得られる多層プリント配線基板はピンホールなどの不具合なくショートや絶縁劣化などの不具合も未然に防止されている。
1:基板 2:ドライフィルムレジスト 3:ポジマスク
4:無電解銅めっき被膜 5:配線パターン 20:貫通部
21:縦壁面 22:活性部
4:無電解銅めっき被膜 5:配線パターン 20:貫通部
21:縦壁面 22:活性部
Claims (2)
- 高分子不導体よりなる基板の表面に光触媒粉末を含有するフォトレジストフィルムを積層し、該フォトレジストフィルムの表面にマスクを配置して露光・現像することで該フォトレジストフィルムに所定パターンが抜かれた貫通部をもつパターンフィルムを形成するパターン形成工程と、
該パターンフィルムが積層された該基板を無電解めっき処理し、該貫通部に無電解めっき被膜を析出させる無電解めっき工程と、を含むことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。 - 前記フォトレジストフィルムはポジ型である請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
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2003
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