JPH05325669A - 異方導電フィルムの製造方法 - Google Patents

異方導電フィルムの製造方法

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JPH05325669A
JPH05325669A JP4160394A JP16039492A JPH05325669A JP H05325669 A JPH05325669 A JP H05325669A JP 4160394 A JP4160394 A JP 4160394A JP 16039492 A JP16039492 A JP 16039492A JP H05325669 A JPH05325669 A JP H05325669A
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insulating film
hole
layer
metal layer
anisotropic conductive
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JP4160394A
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Yoshinari Takayama
嘉也 高山
Masayuki Kaneto
正行 金戸
Atsushi Hino
敦司 日野
Hitoshi Ishizaka
整 石坂
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁性フィルムの少なくとも片面にバンプを
有する異方導電フィルムを製造するにあたり、絶縁性フ
ィルム内の導通路の大きさやバンプの大きさが均一で、
電気的接続信頼性が高い異方導電フィルムの製造方法を
提供する。 【構成】 絶縁性フィルム1の片面にベース金属層2
を、他面にマスク層3を密着積層した3層基材を用い、
マスク層側から貫通孔4を形成する。絶縁性フィルム1
にレーザー光で貫通孔を形成したのち、レーザー照射に
よって貫通孔開口部周辺に付着する分解物断片をマスク
層と共に除去する。貫通孔4には電解メッキによって金
属物質5を充填して導通路を形成する。バンプは貫通孔
底部を凹状に研磨したり、メッキ充填によって導通路を
突出させることによって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異方導電フィルムの製造
方法に関し、詳しくは絶縁性フィルムの厚み方向に独立
して表裏面に達する金属物質からなる導通路を有する異
方導電フィルムを製造するにあたり、絶縁性フィルム内
の金属物質を均一に充填でき、しかも絶縁性フィルムの
表面から突出する各金属物質(バンプ)の大きさも均一
で外観も綺麗な異方導電フィルムが得られる製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達に伴い多機能化や
小型軽量化、薄型化などに対応して半導体分野では配線
回路のパターンが高集積化され、多ピンおよび狭ピッチ
のファインパターンが採用されている。しかしながら、
配線基板上の導体パターンとこれに接続するための導体
パターンもしくはICやLSIなどのファインパターン
化された部品間の接続には、従来のワイヤーボンディン
グ法やTAB法では充分に対応できず、厚み方向に導電
性を有するフィルムを介する方法が注目されている。
【0003】通常、このようなフィルムは厚み方向に導
電性を発揮させるために金属粉末を充填したり、線状金
属を挿入したり、貫通孔を形成したのち金属物質を充填
するなどの方法によって得られたものが提案されてい
る。これらの方法のうち、確実な導通や微細加工性など
の点からはレーザー光を照射してフィルムをドライエッ
チングする方法が提案されており、例えば特開平3−1
82081号公報や特開平3−182083号公報など
には一層構造または複数の積層構造からなる金属基材層
上に絶縁性フィルムや感光性を有する絶縁性フィルムを
形成したのち、絶縁性フィルムおよび金属基材層にレー
ザー加工法やウエットエッチング法によって貫通孔を形
成し、この貫通孔に金属物質を充填するという方法が開
示されている。
【0004】このようなレーザー加工による絶縁性フィ
ルムの穿孔処理には、通常、光学マスクによる直接照射
法とコンタクトマスクによる間接照射法とがある。前者
の方法では絶縁性フィルムにレーザー光を照射してアブ
レーションと、絶縁性フィルムが分解して炭化した断片
が、形成される貫通孔の開口部周辺に飛散して付着堆積
する。この断片は導電性を有するので得られる異方導電
フィルム表面の横方向への電気絶縁性を低下させるおそ
れがあり、使用した場合の接続信頼性の低下を招くおそ
れがある。
【0005】さらに、このような状態のままで貫通孔内
に金属物質をメッキ充填した場合、金属物質が均一に充
填できないばかりか、バンプを形成した場合、貫通孔開
口部周辺に付着している断片によって形成されるバンプ
は高さや大きさが不揃いとなり、その結果、部品間の接
続に用いた場合、接続不良が生じるおそれがある。この
ような分解物断片は真空下でアブレーションを行った
り、不活性ガスを吹き付けながらアブレーションを行っ
たり、導電性を有する分解物断片を電気的に捕集するな
どの方法によって貫通孔周辺から除去することが可能で
ある。しかしながら、このような方法では完全に分解物
断片を除去することができないのが実情である。
【0006】一方、後者の間接照射法では、前記分解物
断片はコンタクトマスクに用いる金属マスクに付着する
ので、上記直接照射法と比べて異方導電フィルムへの付
着は少ない。ところが、通常、このような金属マスクは
絶縁性フィルム表面に接着剤や磁石などによって物理的
に積層させて用いるので、密着性に乏しく積層界面に浮
きが生じやすい。その結果、金属マスクに形成した貫通
孔と完全に同一の大きさの径の貫通孔を絶縁性フィルム
に形成しがたい。さらには密着している部分と浮きが生
じている部分とでは、絶縁性フィルムに形成される貫通
孔の大きさが不揃いとなるために、金属物質をメッキ充
填して導通路を形成した場合、均一な大きさの導通路が
得られなくなり、導通路によって抵抗値が異なるという
問題も生じるようになる。また、バンプの大きさも異な
り上記直接照射法と同様、外観不良が生じ、電気的接続
信頼性も低下する傾向にある。
【0007】上記のような問題は微小径の導通路を有す
る異方導電フィルムを製造する場合に、特に顕著に現れ
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したレー
ザー光によるアブレーションによって異方導電フィルム
を得る方法を改善すべく検討したものであって、絶縁性
フィルムにレーザー光を照射して貫通孔を形成する際に
生じる分解物断片が、後の工程における電解メッキやバ
ンプ形成において及ぼす悪影響をなくし、外観不良がな
く、均一な大きさの導通路およびバンプが形成できる製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、異方導
電フィルムを作製するのに用いる絶縁性フィルムと金属
基材層からなる複層基材を、絶縁性フィルムの片面に金
属層を形成した2層基材ではなく、絶縁性フィルムの両
面に金属層を形成した3層基材を用いて各層の間を密着
積層することによって、上記従来の問題が一挙に解決で
きることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の第1の要旨は、絶縁性フィ
ルムの厚み方向に互いに独立する金属物質からなる導通
路を有し、絶縁性フィルム表面から金属物質が突出して
なる異方導電フィルムの製造方法において、 絶縁性フィルムの片面にベース金属層を密着形成し、
他面にはマスク層を密着形成してなる3層基材を用い、 マスク層のみに平均径が500μm以下の微小貫通孔
を形成して内層の絶縁性フィルムを貫通孔底部に露出さ
せる工程と、 露出した絶縁性フィルムにレーザー光を照射し、ベー
ス金属層表面に達する貫通孔を形成する工程と、 マスク層を除去する工程と、 貫通孔底部に露出するベース金属層表面を凹状にて研
磨する工程と、 ベース金属層を陰極として電解メッキを施して貫通孔
内に金属物質を充填して導通路を形成する工程と、 ベース金属層をエッチング除去する工程と、を含む異
方導電フィルムの製造方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の要旨は、絶縁性フィ
ルムの厚み方向に互いに独立する金属物質からなる導通
路を有し、絶縁性フィルム表面から金属物質が突出して
なる異方導電フィルムの製造方法において、 絶縁性フィルムの片面にベース金属層を密着形成し、
他面にはマスク層を密着形成してなる3層基材を用い、 マスク層のみに平均径が500μm以下の微小貫通孔
を形成して内層の絶縁性フィルムを貫通孔底部に露出さ
せる工程と、 露出した絶縁性フィルムにレーザー光を照射し、ベー
ス金属層表面に達する貫通孔を形成する工程と、 マスク層を除去する工程と、 ベース金属層を陰極として電解メッキを施して貫通孔
内に金属物質を充填して導通路を形成する工程と、 さらに電解メッキを続けて導通路端部の金属物質を絶
縁性フィルム表面から突出させる工程と、 ベース金属層をエッチング除去する工程と、を含む異
方導電フィルムの製造方法を提供することにある。
【0012】以下、本発明の製造方法を図面を用いて説
明する。図1は本発明の第1の製造方法を説明する各工
程の断面図である。まず、本発明では出発材料として図
1(A)に示すような3層基材を用いる。この3層基材
は絶縁性フィルム1の片面にベース金属層2を密着形成
し、他面にはマスク層3を密着形成してなるものであ
る。
【0013】絶縁性フィルム1は電気絶縁特性を有する
フィルムからなるものであればその材料には制限はな
く、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ABS樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、シリコーン系樹脂など熱硬化性樹脂や
熱可塑性樹脂を問わず目的に応じて選択できる。これら
のうち耐熱性や耐薬品性、機械的強度、レーザー加工性
などの点からポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
また、3層基材における絶縁性フィルムの厚さは任意に
選択できるが、フィルムの機械的強度やフィルム厚の精
度(バラツキ)、形成する貫通孔の孔径精度の点からは
通常、1〜200μm、好ましくは5〜100μmの厚
みのものを採用する。
【0014】一方、ベース金属層2は例えば、金、銀、
銅、白金、錫、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、インジウ
ム、アルミニウム、またはこれらの合金などからなる金
属から形成されるが、異方導電フィルムを得る際の電気
メッキ工程でのメッキ性の点から銅を主体とする金属を
採用することが好ましい。このようなベース金属層の厚
さは特に制限ないが、異方導電フィルムを得る際の各工
程での作業性やエッチング性の点から通常、10〜50
μm程度の厚みのものを採用する。
【0015】また、前記絶縁性フィルム1の他面に密着
積層するマスク層3は、本発明の製造方法における効果
を発揮するために重要な層である。マスク層は次工程に
おいて貫通孔4を形成し、さらに貫通孔開口部周辺に付
着する絶縁性フィルムの分解物断片と共に除去する必要
があるので、形成性や除去の容易性の点からは感光性樹
脂や金属層が好ましい。この場合に用いる金属として
は、上記ベース金属層2と同様の金属種を採用すること
ができる。また、マスク層3の厚みとしては、通常、1
〜20μm程度とする。
【0016】上記材質からなる本発明に用いる3層基材
は、例えばベース金属層2の片面に絶縁性フィルム2を
圧着積層するか、もしくは絶縁性樹脂溶液をキャスティ
ング、乾燥して2層基材を作製したのち、マスク層3と
しての金属層を蒸着や無電解メッキによって絶縁性フィ
ルムの他面側に形成する方法や、ベース金属層2に絶縁
性樹脂溶液をキャスティングし半乾燥状態でマスク層3
を圧着して乾燥する方法、絶縁性フィルム1の表裏面同
時に蒸着や無電解メッキを施してベース金属層2とマス
ク層3としての金属層を一括形成する方法などが挙げら
れる。なお、マスク層として金属層を用いる場合には、
上記ベース金属層とマスク層の積層順序を逆としてもよ
いことはいうまでもない。また、蒸着法や無電解メッキ
法によって形成される金属層は薄膜であるので、電解メ
ッキを施して厚膜化することも可能である。
【0017】本発明の製造方法では上記のように作製し
た3層基材のマスク層3のみに貫通孔4を形成して図1
(B)に示す構造の基材に加工する。マスク層3に金属
を用いた場合、貫通孔4を形成する方法としては、マス
ク層3に炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどのレー
ザー光を照射するドライエッチング法や、マスク層とし
ての金属層の上に感光性樹脂層を形成後、貫通孔パター
ンに感光させたのち、貫通孔底部に露出する金属層(マ
スク層)をウエットエッチングし、残りの感光性樹脂層
を除去するエッチング法などが挙げられる。貫通孔の形
状を均一にするためには、熱的ダメージの大きい炭酸ガ
スレーザーやYAGレーザーを照射することは望ましく
なく、後者のウエットエッチング法を採用することが好
ましい。
【0018】図1(B)のように加工したのち、貫通孔
4の底部に露出する絶縁性フィルム1にレーザー光を照
射して貫通孔3をベース金属層2表面に達するまでさら
に掘り下げる。貫通孔径は500μm以下、好ましくは
20〜100μm程度とし、ピッチは10〜550μ
m、好ましくは30〜120μm程度に設定することが
本発明の目的を達成する上で効果的である。
【0019】この際に用いるレーザー光は熱的ダメージ
のないエキシマレーザー光のような発振波長が紫外領域
にある紫外レーザー光が好ましい。具体的には絶縁性樹
脂フィルム1として吸光係数の大きいポリイミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどからな
るものを用いた場合、ArFやKrFなどのレーザー光
を照射することが好ましい。また、ポリエチレンやポリ
プロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどの吸光係
数の小さいものでは増感剤を添加したり、レーザーパル
ス幅の極端化を行ってレーザー照射することが好まし
い。
【0020】貫通孔形成後、絶縁性フィルムの分解物断
片はマスク層3表面の貫通孔開口部周辺に付着する。本
発明の製造方法においては、この付着断片と共にマスク
層を除去することによって本発明の効果を発揮するもの
である。マスク層3を除去する方法としては機械的剥離
やウエットエッチング処理など公知の方法によって行う
ことができる。なお、マスク層の剥離は図1(C)のの
ちに行ってもよいが、図1(D)の凹部形成後に行って
もよいものである。
【0021】次いで、図1(D)に示すように、貫通孔
4底部に露出するベース金属層2の表面をエッチングし
て凹状(例えば、半球状など)に研磨する。エッチング
処理に先立ち、ベース金属層2の他面側(図1(D)に
おける下側)に耐メッキ性を有するレジスト層をスピン
ナーなどの方法にて塗布乾燥して形成しておく。研磨は
電解研磨剤や化学研磨剤を貫通孔4内に流入させること
によって形成することができる。例えば、銅や銅合金、
例えば純銅、丹銅、洋白銅、白銅、黄銅、リン青銅など
をベース金属層2として用いた場合には、塩化第二鉄溶
液や硫酸、塩酸などを用いる。凹状の研磨は貫通孔径よ
りも大きな径になるように行うことによって、最終的に
得られる異方導電フィルムにおけるバンプは、所謂リベ
ット状に形成されるので導通路の脱落がなく、好ましい
ものである。この場合のバンプ径は、貫通孔径の約1.
1倍以上とすることが、効果的である。
【0022】しかるのち、図1(E)に示すように、形
成した貫通孔4および凹部に金属物質5を電気メッキ法
などによって充填し、レジスト層およびベース金属層2
を剥離およびエッチング除去して図1(F)に示すよう
な絶縁性フィルム1の厚み方向に金属物質5による導通
路を有する異方導電フィルムを得ることができる。貫通
孔4への電解メッキによる金属物質5の充填に際して
は、メッキ時間を調整することによって、絶縁性フィル
ム1の表面にまで金属物質が充填された際に中止する
か、もしくは図1(E)に示すように、絶縁性フィルム
から金属物質5を突出させた状態までメッキ充填して中
止することができる。前者の場合、片面にバンプが形成
された異方導電フィルムが得られ、後者の場合は、両面
にバンプが形成された異方導電フィルムが形成される。
【0023】充填する金属物質5としては、例えば金、
銀、銅、錫、鉛、ニッケル、コバルト、インジウムなど
の各種金属、もしくはこれらを成分とする各種合金が用
いられる。また、電解メッキされる金属物質は一種類に
限定されるものではなく、二種類以上の金属を段階的に
メッキ充填して多層化することもできる。例えば、導通
路となる金属物質(コア部)には安価でメッキ成形性の
よいニッケルや銅などを用い、バンプとなる金属物質に
は金(ボンディング用途など)や、ロジウム、ルテニウ
ム(耐磨耗性付与)などを用いることができる。
【0024】金属物質5を電気メッキにて貫通孔4およ
び凹部内に充填する場合、メッキ液に対する濡れ性が悪
いと貫通孔内に気泡を含んだ状態でメッキすることとな
り、不均一なメッキ状態となる。その結果、メッキ充填
が不充分な箇所や絶縁性フィルム表面から突出するバン
プの高さが不揃いとなる可能性がある。従って、メッキ
処理を行なう前に、貫通孔4および凹部の内部に予めメ
タノールやエタノールの如きメッキ液と相溶する液体を
浸漬法や超音波振動併用法などの手段によって含浸し、
そののちこれをメッキ液と置換してメッキ液を流入させ
ることが濡れ性の改善のために好ましいものである。特
に、本発明のように貫通孔4の孔径が小さい場合(例え
ば80μm以下)や、アスペクト比の大きい基材(例え
ば1/3以上)、濡れ性の悪いメッキ液を使用する場合
には効果的である。
【0025】図2は本発明の第2の製造方法を説明する
各工程の断面図である。図2(A)〜(F)の各工程で
は、図1における貫通孔4底部に凹部を形成せずに異方
導電フィルムを製造する方法が示される。つまり、図1
(D)における凹部形成を行わずに電解メッキによる金
属物質5の充填を行った例であり、片面にバンプが形成
された異方導電フィルムが得られる。なお、上記図1に
おいても説明したように、メッキ時間を調整することよ
り、金属物質5が突出しないようにしてメッキを中止す
ることによって、両面にバンプを有しない異方導電フィ
ルムを得ることも可能である。
【0026】図3には本発明の製造方法によって得られ
る異方導電フィルム中の導通路およびバンプの各種形状
の例を示す。図3(A)は両面バンプ、図3(B)は片
面バンプ、図3(C)は片面バンプの変形例、図3
(D)はバンプを有しない例を示す。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の異方導電フィルムの製法の
実施例を示し、さらに具体的に説明する。 実施例1 ポリイミド前駆体溶液を35μm厚の銅箔の片面に塗工
し、200℃にて硬化して2層基材を作製した。この基
材のポリイミド前駆体フィルム側に12μm厚の銅箔を
40kg/cm2 圧、350℃で熱圧着し、ポリイミド
前駆体フィルムをイミド化して3層基材を作製した。ポ
リイミドフィルムの厚みは25μmであった。
【0028】次に、12μm厚の銅箔側にネガ型感光性
アクリル系樹脂溶液をスピンコートし、乾燥させて5μ
m厚の感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層側にフォ
トマスクを介して直径20μm、ピッチ40μmの孔パ
ターンを有するように露光、現像をして感光性樹脂層に
貫通孔を形成した。形成した貫通孔に塩化第二鉄溶液を
含浸させて貫通孔底部に露出する銅箔表面をエッチング
して直径20μm、ピッチ40μmの貫通孔を銅箔(1
2μm厚)に設けた。
【0029】次いで、感光性樹脂層をアルカリ溶液にて
溶解除去し、銅箔(12μm厚)に形成された貫通孔部
にKrFエキシマレーザーを照射して下層のポリイミド
フィルムをドライエッチングして貫通孔を掘り下げた。
絶縁性フィルムに形成される貫通孔も上記貫通孔と同一
直径、同一ピッチであった。次に、露出する35μm厚
の銅箔表面にゴム系樹脂を塗布被覆したのち、過酸化水
素/硫酸溶液にこの基材を浸漬して貫通孔底部に露出す
る銅箔(35μm厚)表面を化学研磨して半球状の凹部
(直径30μm、深さ10μm)を形成した。また、こ
のときマスク層としての12μm厚の銅箔も同時に溶解
除去した。
【0030】35μm厚の銅箔を陰極として銅箔に形成
した凹部および絶縁性フィルム内に形成した貫通孔内に
電解メッキによってニッケルを充填した。電解メッキは
ポリイミドフィルム表面からニッケルが高さ10μm、
直径30μmに析出したところで中断した。最後に銅箔
表面に塗布被覆しているゴム系樹脂を溶解除去し、さら
に銅箔(35μm厚)をアルカリエッチング液にて溶解
除去して、ニッケルからなる導通路および両面バンプを
有する異方導電フィルム(ポリイミドフィルム厚25μ
m、導通路径20μm、ピッチ40μm、バンプ高さ1
0μm(両面とも)、バンプ径30μm(両面とも))
を得た。
【0031】得られた異方導電フィルムに形成される各
導通路は、均一な径を有するものであり、また各バンプ
も高さ、直径が均一で外観上も綺麗に揃っていた。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の異方導電フィル
ムの製造方法は、絶縁性フィルムの両面にベース金属層
とマスク層を形成した3層基材を用いて、マスク層に貫
通孔を形成したのちに絶縁性フィルムに貫通孔を形成す
るので、貫通孔形成時に生じる絶縁性フィルムの分解物
断片はマスク層の表面の貫通孔開口部周辺に付着し、こ
のマスク層は金属物質のメッキ充填前に除去するので、
付着する分解物断片は完全に除去される。従って、均一
なメッキ充填およびバンプ形成が行えるので、形成され
るバンプの大きさに不揃いがなく、また外観上の不良も
ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(F)は本発明の異方導電フィルム
の製造方法の各工程を説明する断面図である。
【図2】 (A)〜(F)は本発明の異方導電フィルム
の他の製造方法の各工程を説明する断面図である。
【図3】 (A)〜(D)は本発明の製造方法によって
得られる異方導電フィルム中の導通路およびバンプの各
種形状の例である。
【符号の説明】 1 絶縁性フィルム 2 ベース金属層 3 マスク層 4 貫通孔 5 金属物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石坂 整 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性フィルムの厚み方向に互いに独立
    する金属物質からなる導通路を有し、絶縁性フィルム表
    面から金属物質が突出してなる異方導電フィルムの製造
    方法において、 絶縁性フィルムの片面にベース金属層を密着形成し、
    他面にはマスク層を密着形成してなる3層基材を用い、 マスク層のみに平均径が500μm以下の微小貫通孔
    を形成して内層の絶縁性フィルムを貫通孔底部に露出さ
    せる工程と、 露出した絶縁性フィルムにレーザー光を照射し、ベー
    ス金属層表面に達する貫通孔を形成する工程と、 マスク層を除去する工程と、 貫通孔底部に露出するベース金属層表面を凹状にて研
    磨する工程と、 ベース金属層を陰極として電解メッキを施して貫通孔
    内に金属物質を充填して導通路を形成する工程と、 ベース金属層をエッチング除去する工程と、を含む異
    方導電フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁性フィルムの厚み方向に互いに独立
    する金属物質からなる導通路を有し、絶縁性フィルム表
    面から金属物質が突出してなる異方導電フィルムの製造
    方法において、 絶縁性フィルムの片面にベース金属層を密着形成し、
    他面にはマスク層を密着形成してなる3層基材を用い、 マスク層のみに平均径が500μm以下の微小貫通孔
    を形成して内層の絶縁性フィルムを貫通孔底部に露出さ
    せる工程と、 露出した絶縁性フィルムにレーザー光を照射し、ベー
    ス金属層表面に達する貫通孔を形成する工程と、 マスク層を除去する工程と、 ベース金属層を陰極として電解メッキを施して貫通孔
    内に金属物質を充填して導通路を形成する工程と、 さらに電解メッキを続けて導通路端部の金属物質を絶
    縁性フィルム表面から突出させる工程と、 ベース金属層をエッチング除去する工程と、を含む異
    方導電フィルムの製造方法。
JP4160394A 1992-05-26 1992-05-26 異方導電フィルムの製造方法 Pending JPH05325669A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100764999B1 (ko) * 2006-03-06 2007-10-09 심재택 이방성 전도성 필름의 제조 방법
JP2018089702A (ja) * 2018-02-28 2018-06-14 三星ダイヤモンド工業株式会社 レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP2020027725A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 信越ポリマー株式会社 電気コネクター及びその製造方法

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