JP2008140827A - プリント配線板の製造方法及びプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波化対応のために導体層と絶縁樹脂表面の界面をロープロファイル化するとともにその密着信頼性を高める。
【解決手段】第1の導体層の一方の面に半硬化の感光性絶縁樹脂層を備えた積層体を製造する第1の工程と、感光性絶縁樹脂層に所定のパターンを露光・現像し第1の導体層に達するビアホールを形成した光架橋絶縁樹脂構造体を形成する第2の工程と、光架橋絶縁樹脂構造体の表面に触媒分散溶液の膜を形成する第3の工程と、光架橋絶縁樹脂構造体上に無電解めっきを施しシード金属層を形成する第4の工程と、光架橋絶縁樹脂構造体を加熱硬化させる第5の工程と、シード金属層上に電解めっきを施し第2の導体層を形成する第6の工程と、第1の導体層をエッチングし配線パターンを形成する第7の工程によりプリント配線板を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波特性に優れたプリント配線基板を低コストで製造する製造方法に関するものであり、第一の導体層に積層した感光性絶縁樹脂層を光架橋して形成した光架橋絶縁構造体の上面に、第二の導体層を、無電解めっきと電解銅めっきで形成するプリント配線板及びその製造方法に関する。
近年、プリント配線板は小型軽量化が求められ、小型・多ピン化されたPGA(ピン・グリッド・アレイ)やBGA(ボール・グリッド・アレイ)等の構造を取り、配線の微細化及び高密度化し、また片や一方では、安価なプリント配線板を要求してきた。このような市場の動向において、200ピン以下の配線密度に限っては、1メタル構造のプリント配線板を安価に市場供給するため、高価なフォトレジストの使用を極限まで少なくし、かつ工程数を減少させ、感光性絶縁樹脂層を絶縁層として用いる工法が検討されている。この工法は、露光、現像工程によりスルーホールを形成することが特徴であり、更なる効果として位置合わせ精度の向上、大面積一括形成を可能ならしめ、プリント配線板をより低コストで大量生産することが可能となる。
しかし、このような感光性絶縁樹脂層を用いる製造方法は、感光性絶縁樹脂層を中心核の層(コア層)にして製造しようとすると、1メタルプリント配線板は製造可能であるが、200ピン以上の高密度配線用に感光性絶縁樹脂層の両面銅箔付き基板をサブトラクティブ工法で使用することができない問題を抱えていた。その理由は、両面銅箔付き基板は、銅箔の間に挟まれている感光性絶縁樹脂のコア層を銅箔の外から露光することができないためである。
代表的な両面銅箔付き樹脂から2メタルの導体層のプリント配線板を製造するプロセスは、大きく分けて二通りの工法が考えられる。一つ目の工法として特許文献1および特許文献2のように、サブトラクティブ工法で製造する方法がある。これは、先ず、はじめに両面銅箔付き絶縁樹脂基板あるいは片面銅箔付き絶縁樹脂基板の所望する位置にスルーホールを形成し、スルーホールに無電解銅めっき、電解銅めっきをすることで、表裏の銅箔間を導通する導体を形成する。さらにこのスルーホールと位置合わせして、表裏の銅箔面上にエッチングレジストパターンを形成し、表裏の銅箔をエッチングすることで配線のパターンとスルホール部分のランドのパターンを有する導体層を形成し、2メタル構造の多層プリント配線板を製造する。
またもう一つの工法として特許文献3のように、片面銅箔付き絶縁樹脂基板の樹脂面に、セミアディティブ工法により第二の導体層のパターンを形成する工法がある。片面銅箔付き基板を用いた一般的なセミアディティブ工法は、先ず、はじめに樹脂層へレーザーを当てた後、デスミア処理により残渣を除去する。さらに樹脂面の樹脂表面とここで形成したレーザービアホール加工面にシード金属層となる無電解銅めっきを0.1μmから1μm程度形成する。このシード金属層上にアルカリ溶解型フォトレジストをコートして露光、現像して所望する第二の導体層のネガパターンのめっきレジストパターンを形成する。さらに電解銅めっきを施し、めっきレジストパターンから露出したシード金属層上に所望する膜厚の第二の導体層を形成した後、めっきレジストパターンを剥膜する。最後にめっきレジストパターンを剥膜した底に露出した無電解銅めっきをフラッシュエッチングすることで、独立した銅配線を形成する工程である。
以下に公知文献を記す。
特開2002−261186号公報 特開2003−332739合公報 特開2004−265967号公報
しかし、特許文献1および特許文献2のサブトラクティブ工法では、スルーホールと配線パターンの位置ずれを吸収させるため、一般的にスルーホールより半径が0.1mm程度大きなランドが必要である。そのため、そのランドが他の配線の設置を妨害するため、配線密度が高くできず、配線のピン数が200ピン以上の高密度の導体層のパターンが形成できない問題があった。また、このスルーホールを形成する方法としては、レーザー照射によるレーザー工法や、ドリル加工法や金型を用いた打ち抜き工法などの機械加工が実用化されているが、いずれもランニングコスト、イニシャルコストが高い問題や、打ち抜き工法では金型の設計から金型製作まで時間が長いこと、デスミヤや切削くずの除去が必要など一長一短な問題があり、プリント配線板を低コストで製造しタイムリーに供給することが難しい問題があった。
また、特許文献3のセミアディティブ工法は、スルーホールと配線パターンの位置ずれを吸収させるための大きなランドを必要としないため、配線密度を高くできる利点がある。しかし、セミアディティブ工法は以上に説明したように煩雑な工法であり、低コストでプリント配線板を製造することが難しい問題があった。
また、近年、高周波領域では、銅配線の表皮効果によるインダクタンスの増大による信号遅延などの問題が提起されている。高周波対応以前の基板では、導体層と絶縁樹脂との機械的密着性を向上させるために、銅箔の導体層と絶縁樹脂表面との界面を粗らして、アンカー効果による密着性向上を狙っていたが、信号遅延問題などの高周波化対応するために、導体層と絶縁樹脂表面の界面の粗さのロープロファイル化(表面粗さRa=3μm以下)が要求されている。ここで表面粗さRaは、JIS−B0601−1994で規定される方法で測定される。粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を長さLで割った値を1μmで表わす。しかし、一般的に絶縁樹脂に用いられているポリイミドフィルムは、その面上に導体層を形成する絶縁樹脂の表面がロープロファイル化されるに従い、その面上に形成する導体層の密着性が低下するため、上記のようなセミアディティブ工法の導体層とポリイミドフィルムとの密着信頼性がない。また、ロープロファイルのポリイミドフィルムで密着信頼性を向上させるため、ニッケルクロムの合金スパッタが用いられているが、真空工程が必要なため、費用が嵩む問題がある。
すなわち、プリント配線板の配線にピン数が200ピン以上の高密度が要求され、更に、高周波化対応のために導体層と絶縁樹脂表面の界面をロープロファイル化するとともにその密着信頼性を高める課題があり、また、第二の導体層以降の導体層を低コストで製造する課題がある。
本発明は、この課題を解決するために、少なくとも第1の導体層と、第2の導体層と、硬化した感光性絶縁樹脂から成る絶縁層を備えたプリント配線板の製造方法であって、前記第1の導体層の一方の面に半硬化の感光性絶縁樹脂層を備えた積層体を製造する第1の工程と、前記感光性絶縁樹脂層に所定のパターンを露光・現像し前記第1の導体層に達するビアホールを形成した光架橋絶縁樹脂構造体を形成する第2の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体の表面に触媒分散溶液の膜を形成する第3の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体上に無電解めっきを施しシード金属層を形成する第4の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体を加熱硬化させる第5の工程と、前記シード金属層上に電解めっきを施し前記第2の
導体層を形成する第6の工程と、前記第1の導体層をエッチングし配線パターンを形成する第7の工程を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
また、本発明は、上記第3の工程が、上記光架橋絶縁樹脂構造体の面に、上記ビアホールに接続する上記第2の導体層のネガパターンのメタルマスクを密着させ、上記メタルマスクから露出した前記光架橋絶縁樹脂構造体の表面に触媒分散コロイド溶液の膜を形成する工程であることを特徴とする上記のプリント配線板の製造方法である。
また、本発明は、上記第5の工程が、上記光架橋絶縁樹脂構造体を160℃以上で200℃以下で加熱硬化させることを特徴とする上記のプリント配線板の製造方法である。
また、本発明は、上記触媒分散溶液の粘度は60cP以上、100cP以下であることを特徴とする上記のプリント配線板の製造方法である。
また、本発明は、上記触媒分散溶液はパラジウムを含む触媒分散コロイド溶液であることを特徴とする上記のプリント配線板の製造方法である。
また、本発明は、少なくとも、第1の導体層と、第2の導体層と、硬化した感光性絶縁樹脂からなる絶縁層を備えたプリント配線板であって、前記第2の導体層は前記絶縁層上に金属めっきによって形成され、前記絶縁層から剥離した第2の導体層の表面粗さが1μm以下であり、前記絶縁層から前記第2の導体層を剥離する際のJIS−C6481に基くピール強度が0.8kgf/cm以上であることを特徴とするプリント配線板である。
本発明のプリント配線板の製造方法によれば、ピン数200ピン以上の高密度なパターンの導体層を形成できる。また、熱架橋した絶縁樹脂と導体層の界面が高周波対応のロープロファイル化をした良い特性を得るとともに、その導体層の界面の密着強度を、真空工程を用いない低コストな製造方法で形成することができるプリント配線板が得られる効果がある。
本発明は、以下のようにして、プリント配線板を製造する。すなわち、図1に示すように、片側銅箔付き感光性絶縁樹脂の積層体1aの銅の第一の導体層1a2を電極にし、それを感光性絶縁樹脂層1a1の上のシード金属層1e7に電気接続して、そのシード金属層1e7の上に第二の導体層1g8のパターンを形成する製造方法である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の製造方法を図1で説明する。本実施形態で用いる感光性絶縁樹脂層1a1としては、紫外線硬化型アクリル樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂、またこれらの重合構造である紫外線硬化型エポキシアクリレートが用いられ、紫外線により、直接重縮合の架橋反応や紫外線酸発生添加物による架橋反応によってアルカリ現像を可能ならしめるものである。
(第1工程)
先ず、図1(1a)のように、上記のような化学反応を利用した感光性絶縁樹脂層1a1をロープロファイルの銅の第一の導体層1a2にコートして半硬化させた片面銅箔付き感光性絶縁樹脂基板1aを形成する。
(第2工程)
次に、片面銅箔付き感光性絶縁樹脂基板1aの感光性絶縁樹脂層1a1の面上に第1のフォトマスクを密着させて紫外線露光する。
(第3工程)
次に、図1(1b)のように、感光性絶縁樹脂層1a1の光架橋した部分を残すように、アルカリ現像液をスプレーして未架橋部分を溶解させ第一の導体層1a2に達するビアホール1b2を形成した光架橋絶縁樹脂構造体1b1を形成し、ビアホール1b2の底に第一の導体層1a2が露出するようにしたビアホール有り絶縁樹脂基板1bを得る。
(第4工程)
次に、図1(1c)のように、そのビアホール有り絶縁樹脂基板1bを、光架橋絶縁樹脂構造体1b2を上面にして電磁石定盤1c4の上に置く。次に、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bの光架橋絶縁樹脂構造体1b1の面に、インバー材や42アロイなどの鉄ニッケル合金製のメタルマスク1c5を合わせる。メタルマスク1c5には、ビアホール1b2と接続する第二の導体層1g8のパターンのネガパターンを形成しておく。これにより、第二の導体層のパターンがビアホール1b2を介して第一の導体層1a2に電気接続させるようにする。ビアホール有り絶縁樹脂基板1bのビアホール1b2を基準にしてメタルマスク1c5を位置合わせした後、電磁石定盤1c4に通電し、メタルマスク1c5と電磁石定盤1c5の間にビアホール有り絶縁樹脂基板1bを挟み込み密着固定する。
(第5工程)
次に、図1(1d)のように、メタルマスク1c5で保護されていない光架橋絶縁樹脂構造体1b2の表面に、パラジウム等の触媒分散コロイド溶液と空気とを混合噴霧させる二流体スプレー装置により、ミスト状のパラジウム分散コロイド溶液を噴霧することにより、第二の導体層1g8のパターン状に触媒1d6を薄くスプレーコートする。続いて50〜90℃程度で仮乾燥させる。ここで、紫外線架橋直後の光架橋絶縁樹脂構造体1b2には、パラジウム分散コロイド溶液の塗れ性が良く水玉状の凝集がないため、仮乾燥させた後には光架橋絶縁樹脂構造体1b2の表面に所望する第二の導体層1g8のパターン状にパラジウムの触媒1d6が均一に析出される。
本発明者は、紫外線架橋直後の光架橋絶縁樹脂構造体1b1では、JIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaが1μm以下のロープロファイルに関わらず、パラジウム分散コロイド溶液との濡れ性が良いことに着目した。本来、感光性絶縁樹脂は所望のパターンの第1のフォトマスクを介して紫外線露光による架橋後、ポストベークにより熱架橋させて完全架橋させる。紫外線露光工程だけでは、ポストベークを加えた完全架橋の40〜50%程度しか架橋が進んでおらず、完全架橋した感光性絶縁樹脂に比べ、コロイド溶液の塗れ性が良いことが分かった。
また、メタルマスク1c5を鉄ニッケル系の金属で製造すると、その表面粗さRaは、電解研磨してないもので一般的に2〜3μmであり、1cP程度の粘度の低い水はメタルマスクと感光性絶縁樹脂との間に染みこむことがあった。しかし60cP以上の粘度の高いコロイド溶液は、染み込みが起きないことが観察された。また、コロイド溶液をスプレーコートするには、100cP以上の粘度では、だまになりやすく、安定したスプレーが難しいため、60cP程度に調整することが好ましい知見を得た。
(第6工程)
次に、図1(1e)のように、無電解銅めっきを行い、ビアホール1b2の位置で第一の導体層1a2に電気接続する第二の導体層1g8のパターン状に形成された触媒1d6の位置に、0.3〜0.5μm厚のシード金属層1e7を形成する。ここで無電解めっきに使用される金属は何でも問題はないが、ピール強度が保てる無電解クロムめっきや、電解銅めっきと相性のよい無電解銅めっきなどを用いる。次に、約180℃で60分間ポストベークを行い、感光性絶縁樹脂を熱架橋させて完全架橋させる。この処理の温度は160℃以上で200℃以下の範囲で加熱硬化処理をする。また、ここでは、シード金属層1e7を無電解銅めっきで形成させる場合に、パラジウムを分散させたコロイド溶液の触媒1d6を用いて説明してきたが、他の金属を無電解めっきしてシード金属層1e7を形成する場合は、その金属種類によって触媒1d6の種類を選択することも可能である。
(第7工程)
次に、図1(1f)のように、シード金属層1e7の表面に形成された酸化物被膜や汚れをクリーニング液で除去し、次に、図1(1g)のように、第一の導体層1a2を電極にして電荷を印加しシード金属層1e7上に厚膜化する電解銅めっきにより所望する膜厚の第二の導体層1g8のパターンを形成する。
(第8工程)
次に、第一の導体層1a2の面上にエッチングレジストパターンを形成し、銅の第一の導体層1a2をエッチングすることで銅のパターンを形成する。
ここで、メタルマスク1c5をビアホール有り絶縁樹脂基板1bの光架橋絶縁樹脂構造体1b1に密着させた実験の結果、光架橋絶縁樹脂構造体1b1のJIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaが2μm以下であれば、触媒分散コロイド溶液をスプレーコートしても毛細管力による滲み込みが起きない知見を得た。そのため、この条件の光架橋絶縁樹脂構造体1b1を形成することにより形状の安定した良い第二の導体層1g8のパターンを安定に形成できる効果がある。また、以上の製造方法で実験した結果、以下の知見を得た。すなわち、第二の導体層1g8の熱架橋絶縁樹脂1e1からのピール強度が、0.8kN/m(0.82kgf/cm)以上が得られる効果がある。
以上の製造方法では、第二の導体層1g8のパターンをアディティブ工法で製造するため、ビアーホール1b2と第二の導体層1g8の配線パターンの位置ずれを吸収させるための大きなランドを必要としないため、配線のピン数が200ピン以上の高密度な第二の導体層1g8のパターンを形成することができる効果がある。一方、この製造方法では、費用の嵩む真空工程を用いずに第二の導体層の密着強度を高めることができ、また、高価なアルカリ溶解型フォトレジストを使用しない(セミアディティブでない)で第二の導体層1g8をアディティブ工法で形成することができるため、低コストでプリント配線板を製造できる効果がある。更に、以上の製造方法では、感光性絶縁樹脂を用いてビアホールを露光・現像工程で製造する製造方法で、感光性絶縁樹脂を硬化させた熱架橋絶縁樹脂1e1を中心核の層(コア層)とし、その両面に、第一の導体層1a2と、第二の導体層1g8を形成したプリント配線板が得られる効果がある。
以下、本発明のプリント配線板の製造方法の実施例について説明する。
<実施例1>
ここでは、図1により、熱架橋絶縁樹脂1e1の表面に形成する銅の第二の導体層1g8のパターンの形成方法を詳細に説明する。まず感光性絶縁樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR−90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110℃、30分撹拌してアルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を調製した。更に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3 重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスを作製した。
(工程1a)以下説明する工程番号は、図1の副番号に対応する。すなわち、この工程では、図1(1a)のように、銅の第一の導体層1a2上に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約25μm厚のBステージ(半硬化)状の感光性絶縁樹脂層1a1を形成した。次に、この感光性絶縁樹脂層1a1表面に、JIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRa=0.03μmのPETフィルム1a3を貼り合わせて、片側銅箔付き感光性絶縁樹脂の積層体1aを製造した。
(工程1b)この積層体1aの感光性絶縁樹脂層1a1の面に、φ200μmのビアホール1b2のパターンが描画された第1のフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm2で露光して、光架橋させた。次いで、PETフィルム1a3を剥がした後、光性絶縁樹脂層1a1の面を約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像、水洗し、約200μmφのビアホール1b2を形成した光架橋絶縁樹脂構造体1b1を得、90℃の熱風オーブンで充分乾燥させビアホール有り絶縁樹脂基板1bを得た。
(工程1c)次に、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bを電磁石定盤1c4上に設置し、ビアホール1b2を位置合わせマークとして、所望する第二の導体層1g8のネガパターンを有するメタルマスク1c5を位置合わせする。位置が決まったら、電磁石定盤に通電し、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bにメタルマスク1c5を固定する。
(工程1d)次いで、二流体スプレー装置により、メタルマスク1c5を介してビアホール有り絶縁樹脂基板1bの樹脂面に、パラジウム分散コロイド溶液(和光純薬工業(株)製)を圧縮空気でミスト状にスプレーし触媒1d6を形成した。80℃、10min程度で仮乾燥した後、電磁石定盤の通電を止め、メタルマスク1c5を外した。
(工程1e)次に、このビアホール有り絶縁樹脂基板1bを無電解クロムめっき液に浸漬し、0.5μm厚のクロムパターンによるシード金属層1e7を形成した。次に、このビアホール有り絶縁樹脂基板1bを約180℃で60分間ポストベークし、光架橋絶縁樹脂構造体1b1を熱架橋させ、完全架橋した熱架橋絶縁樹脂1e1を形成した熱架橋絶縁樹脂基板1eを得た。
(工程1f)次いで、熱架橋絶縁樹脂基板1eを100g/Lの希塩酸に浸漬し、触媒1d6を除去した。
(工程1g)次に、この熱架橋絶縁樹脂1e1上のシード金属層1e7に約30分電解銅めっき処理を行って、約12μm厚の銅の第二の導体層1g8のパターンを形成した。また、電解銅めっき浴は、0.1mol/dm3のCu2+−EDTA浴を用いた。
(工程1h)
次に、その第一の導体層1a2の面にエッチングレジストパターンを形成し、銅の第一の導体層1a2をエッチングすることで銅のパターンを形成する。
以上の工程で、本発明のプリント配線板に用いられる第二の導体層1g8のパターンが得られた。この第二の導体層1g8のパターンを半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、JIS−C6481に基づき1cm幅の第二の導体層1g8のピールテストパターンを作製し、ピール強度を90度剥離試験によって測定したところ約0.82kgf/cmであった。また、剥離した銅箔表面のJIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaは0.07μmであり、表面粗さRaは1μm以下であった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向櫛形電極パターンを用い層間の導体層間の絶縁を試験し、印加電圧5V、120℃、85%、200時間経過の絶縁抵抗値が100MΩであ
り、且つその絶縁抵抗変化率が10%以内であり問題ないことが確認された。
このように、本実施例の製造方法により、表面粗さRaが1μm以下のロープロファイルの第二の導体層1g8を、ピール強度が0.8kgf/cm以上の十分なピール強度を持つように形成できる効果がある知見を得た。この効果は、感光性絶縁樹脂の光架橋処理を行い、その次にめっきによりシード金属層1e7を形成し、その次に熱架橋処理を行い、その次にめっきにより第二の導体層1g8のパターンを形成することにより得られた。すなわち、光架橋処理と熱架橋処理との二段階の架橋処理を行える感光性絶縁樹脂層を用いることで得られた効果と考える。このように、第二の導体層1g8の界面の密着強度を、真空工程を用いない低コストな製造方法で形成することができる効果がある。
<実施例2>
図2に実施例2の製造工程の流れ図を示し、多層配線基板の製造方法を説明する。まず実施例1と同様にしてアルカリ現像型感光性絶縁樹脂溶液を調製した。感光性絶縁樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR−90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110℃、30分撹拌してアルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を調製した。更に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスを作製した。
(工程2a)図1(1a)と同様に、第一の導体層1a2上に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約25μm厚のBステージ状の感光性絶縁樹脂層1a1を形成した。この感光性絶縁樹脂層1a1の表面に、JIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaが0.03μmのPETフィルム1a3を貼り合わせた積層体1aを得た。
(工程2b)この積層体1aの銅の第一の導体層1a2の面に、PVAによるネガ型のフォトレジスト液(重クロム酸カリウムを感光剤としたPVA(ポリビニルアルコール)水溶液)をロールコートし、フォトレジスト膜を形成した。次に、このフォトレジスト膜に第一の導体層1a2のパターンが描画された第2のフォトマスクを位置合わせして密着させる、更に、感光性絶縁樹脂層1a1の面に、所望するビアホール1b2のパターンが描画された第1のフォトマスクを位置を合わせて密着させた。こうして二枚のフォトマスクで積層体1aを挟んだ。次に、500mJ/cm2の露光量の超高圧水銀灯により積層体1aの両面を一括露光して、フォトレジスト膜を光架橋させるとともに、感光性絶縁樹脂層1a1の所望する部分を光架橋させた。
次に、積層体1aを約5%有機アミン系アルカリ水溶液で現像し、水洗することで、第一の導体層1a2の面にフォトレジスト膜のパターンを形成し、積層体1aの反対面には、図1(1b)と同様に、約200μmφのビアホール1b2を形成した光架橋絶縁樹脂構造体1b1を形成した。次に、90℃の熱風オーブンで充分乾燥させ、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bを得た。
(工程2c)次に、フォトレジスト膜を保護するため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)をビアホール有り絶縁樹脂基板1bのフォトレジスト膜上に貼った。
(工程2d)次に、図1(1c)と同様に、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bを電磁石
定盤1c4上に設置し、ビアホール1b2を位置合わせマークとして、所望する第二の導体層1g8のネガパターンを有するメタルマスク1c5を位置合わせした。次に、電磁石定盤1c4に通電し、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bにメタルマスク1c5を固定した。次に、図1(1d)と同様に、二流体スプレー装置により、メタルマスク1c5を介してビアホール有り絶縁樹脂基板1bの光架橋絶縁樹脂構造体1b1に、パラジウム分散コロイド溶液(和光純薬工業(株)製)を圧縮空気でミスト状にスプレーさせた。次に、80℃、10min程度で仮乾燥した。次に、電磁石定盤1c4の通電を止めメタルマスク1c5を外した。
(工程2e)次に、図1(1e)と同様に、無電解クロムめっき液に浸漬し、光架橋絶縁樹脂構造体1b1に0.5μm厚のクロムによるシード金属層1e7のパターンを形成した。
(工程2f)次に、フォトレジスト膜を保護していたポリプロピレンフィルムを剥離した。次に、ビアホール有り絶縁樹脂基板1bを約180℃で60分間ポストベークし光架橋絶縁樹脂構造体1b1を熱架橋することで、完全架橋した熱架橋絶縁樹脂1e1を形成した熱架橋絶縁樹脂基板1eを得た。
(工程2g)次に、熱架橋絶縁樹脂基板1eに塩化第二鉄液(50℃、密度1.450g/cm3)をスプレーして第一の導体層1a2をエッチングし、次いで80℃の10%水酸化カリウム剥膜液でフォトレジスト膜を剥膜し、銅のパターンを形成した。この銅のパターンは、第二の導体層1g8を電解めっきで形成するための電極とするため、第一の導体層1a2のエッチングを途中で止めて第一の導体層1a2の全面に接続する薄い導体膜を残した。
(工程2h)次に、熱架橋絶縁樹脂基板1eの第一の導体層1a2を次工程の電解銅めっきから保護するため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)を第一の導体層1a2上に貼った。
(工程2i)次に、図1(1f)と同様に、熱架橋絶縁樹脂基板1eを100g/Lの希塩酸に浸漬し、触媒1d6を除去した。次に、図1(1g)と同様に、熱架橋絶縁樹脂基板1eに約30分電解銅めっきを行って、約12μm厚の銅で第二の導体層1g8のパターンを形成した。この電解銅めっき浴には、0.1mol/dm3のCu2+−EDTA浴を用いた。
(工程2j)次に、第一の導体層1a2上のポリプロピレンフィルムを剥離した。次に、第1の導体層1a2全面に残留していた薄い導体膜をクイックエッチングで除去し、第一の導体層1a2のパターンを分離した熱架橋絶縁樹脂基板1eを得た。
こうして形成した第二の導体層1g8を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、JIS−C6481に基づき1cm幅の第二の導体層1g8のピールテストパターンを作製し、第二の導体層1g8のピール強度を90度剥離試験によって測定したところ約0.82kgf/cmであった。剥離した第二の導体層1g8の表面、すなわち銅箔表面、のJIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaは0.07μmであり、表面粗さRaが1μm以下であった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向櫛形電極パターンを用い層間のパターンについて絶縁を試験し、印加電圧5V、120℃、85%、200時間経過の絶縁抵抗値が100MΩであり、その絶縁抵抗変化率が10%以内であり問題ないことが確認された。
(工程2k)次に、この熱架橋絶縁樹脂基板1eの表裏両面に、感光性ソルダーレジストインク(PFR−800 FLX201Y;太陽インキ製造製)をスクリーン印刷し、90℃でプリベークしてソルダーレジスト層を形成した。次に、ソルダーレジスト層の開
口部に露出する外部接続端子部のパターンを有する第3のフォトマスクと第4のフォトマスクを、それぞれのソルダーレジスト層に位置を合わせて密着させ両面に露光した。次に、30℃の有機アルカリ現像液で現像することで外部接続端子部を露出させた光架橋したソルダーレジストパターンを形成した。
(工程2l)次に、外部接続端子部に所定の膜厚で電解ニッケルめっき、電解金めっきを行った。電解ニッケルめっき浴、電解金めっき浴などは、一般的に良く知られているもので構わない。
以上の工程により、第一の導体層1a2のパターンはサブトラクティブ工法で製造し、第二の導体層1g8のパターンはアディティブ工法で製造したプリント配線板を得た。
本発明は、このように、感光性絶縁樹脂の光架橋処理を行い、その次にめっきによりシード金属層1e7を形成し、その次に熱架橋処理を行い、その次にめっきにより第二の導体層1g8のパターンを形成することにより、表面粗さRaが1μm以下のロープロファイルの第二の導体層1g8にピール強度が0.8kgf/cm以上の十分なピール強度を持たせることができる効果がある。そのため、本発明は、これらの実施例に限らず、この効果を利用して、以下の製造方法を実施することも可能である。
すなわち、絶縁基板上に第一の導体層1a2のパターンを形成し、その第一の導体層1a2上に感光性絶縁樹脂を塗布しBステージ状の感光性絶縁樹脂層1a1を形成する。次に、この感光性絶縁樹脂層1a1の表面に表面粗さRaが0.03μmのPETフィルム1a3を貼り合わせる。次に、感光性絶縁樹脂層1a1を露光して光架橋させる。次に、PETフィルム1a3を剥がした後、現像し、第1の導体層に達するビアホールを形成した光架橋絶縁樹脂構造体1b1を形成する。次に、光架橋絶縁樹脂構造体1b1の全面にパラジウム分散コロイド溶液をスプレーコートすることで触媒1d6を形成する。次に、触媒1d6面の全面に、0.5μm厚の無電解銅めっき層のシード金属層1e7を形成する。次に、約180℃で60分間ポストベークし、光架橋絶縁樹脂構造体1b1を熱架橋させる。次に、そのシード金属層1e7面上に電解銅めっき処理を行って、約12μm厚の銅の第二の導体層1g8を形成する。次に、その第二の導体層1g8の面にエッチングレジストパターンを形成し、それにより第二の導体層1g8をエッチングすることで第二の導体層1g8のパターンを形成するプリント配線板の製造方法も可能である。
あるいは、以上の工程で、熱架橋処理の後にシード金属層1e7の上にめっきレジストパターンを形成し、シード金属層1e7を電極にして、めっきレジストパターンから露出したパターンに第二の導体層1g8を形成し、めっきレジストパターンを剥離した後にシード金属層1e7をクイックエッチングで除去することでプリント配線板を製造することも可能である。これらの製造方法により、第二の導体層1g8のパターンを、表面粗さRaが1μm以下のロープロファイルに形成して高周波特性に優れた特性を得られる効果が得られるとともに、ピール強度が0.8kgf/cm以上の十分なピール強度を持つ第二の導体層1g8を形成できる効果が得られる。
<比較例1>
以下では、図3と図4により、比較例として、一般的に良く使われるセミアディティブ工法により銅の第二の導体層3h9のパターンを形成するプリント配線板の製造方法を説明する。先ず、感光性絶縁樹脂材料として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR−90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110℃、30分撹拌してアルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を調製した。
次に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニス原料を50重量部(固形分)、脂環式
エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)30重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3重量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスを作製した。
(工程3a)以下説明する工程番号は、図3および図4の副番号に対応する。すなわち、この工程では、図3(3a)のように、銅の第一の導体層3a2上に、前記アルカリ現像型感光性絶縁樹脂ワニスをスリットコーターにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約25μm厚のBステージ状の感光性絶縁樹脂層3a1を形成した。次に、この感光性絶縁樹脂層3a1の表面に、表面粗さRaが0.03μmのPETフィルム3a3を貼り合わせた積層体3aを製造した。
(工程3b)次に、この積層体3aの感光性絶縁樹脂層3a1の面に、所望するビアホール3b2のパターンが描画された第1のフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯により500mJ/cm2で露光して、光架橋させた。次に、PETフィルム3a3を剥がした後、感光性絶縁樹脂層3a1の面を約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像、水洗し、約200μmのビアホール3b2を形成した光架橋絶縁樹脂構造体3b1を形成し、90℃の熱風オーブンで充分乾燥させた。次に、光架橋絶縁樹脂構造体を完全架橋させるため、実施例1及び実施例2と同じ条件(約180℃、60分のポストベーク)により熱硬化させ、ビアホール3b2を有する熱架橋絶縁樹脂3b1を形成した。これにより、熱架橋絶縁樹脂基板3bを得た。
(工程3c)次に、熱架橋絶縁樹脂基板3bを塩化パラジウム、塩化すず溶液からなるキャタリスト浴に浸漬し、パラジウム−すずコロイドを熱架橋絶縁樹脂3b1の表面に担持させた。次に、アクセラレーター浴において、スズを除去すると同時に、パラジウムの触媒3c4を、熱架橋絶縁樹脂3b1の表面に固着させた。
(工程3d)次に、この熱架橋絶縁樹脂基板3bを無電解銅めっき浴に約10分浸漬して、熱架橋絶縁樹脂3b1の表面に、ビアホール3b1で第一の導体層3a2と電気接続する、約0.5μm厚の無電解銅めっき膜によるシード金属層3d5を形成した。ここで用いる無電解銅めっき浴は、ホルムアルデヒドを還元剤とする0.02mol/dm3のCu2+−EDTA浴を用いた。
(工程3e)ここで、100g/Lの希塩酸にて触媒3c4を除去した後、無電解銅めっき膜のシード金属層3d5の表面に、ロールコートにより、東京応化工業製PMER等のネガ型のアルカリ溶解型フォトレジスト3e6を形成し、90℃でプレベークした。
(工程3f)次に、所望する第二の導体層3h9のパターンを有する第5のフォトマスク3f7をアルカリ溶解型フォトレジスト3e6の面に位置合わせして密着させ、200mJ/cm2で紫外線3f8を露光した。
(工程3g)次に、アルカリ溶解型フォトレジスト3e6を有機アルカリ水溶液で現像することで第二の導体層3h9のめっきレジストパターン3g6を形成した。
(工程3h)さらに、電解銅めっきが第一の導体層3a2の表面に析出させないようにするため、ロールラミネーターを用いて、粘着材つきポリプロピレンフィルム(ヒタレックスL−3320;日立化成製)を第一の導体層3a2の表面上に貼った。次に、この片側銅箔付き樹脂基板を電解銅めっき浴に浸漬し、電解銅めっき用対向電極3h10から銅イオンを供給する電解銅めっき処理を約30分行って、めっきレジストパターン3g6から露出したシード金属層3d5に、約12μm厚の銅の第二の導体層3h9のパターンを形成した。ここで用いる電解銅めっき浴は、0.1mol/dm3のCu2+−EDTA浴
を用いた。
(工程3i)次に、80℃の10%水酸化ナトリウム剥膜液でめっきレジストパターン3g6を溶解し剥膜した。
(工程3j)次に、剥膜したアルカリ溶解型フォトレジスト3e6跡から露出した部分の無電解銅めっき膜のシード金属層3d5をフラッシュエッチングし、第二の導体層3h9のパターンを電気接続していたシード金属層3d5を除去した。
ここでJIS−C6481に基づき1cm幅のピールテストパターンを別途作製し、第二の導体層3h9のピール強度を90度剥離試験によって測定したところ、約0.38kgf/cmであり、簡単に剥離した。剥離した第二の導体層3h9の銅箔表面のJIS−B0601−1994で規定される方法で測定した表面粗さRaは0.07μmと実施例1および2と同じであったが、このようにピール強度が弱い問題があった。実施例1および実施例2とこの比較例1を比べると、実施例1と実施例2は、熱架橋する前にシード金属層1e7を形成することにより、十分なピール強度が得られる効果が得られたことがわかる。なお、比較例1で用いたセミアディティブ工法は、高価なアルカリ溶解型フォトレジスト3e6を必要とする工程であり、不要なシード金属層3d5をエッチングして除去するフラッシュエッチング工程が必要であり、工程数がかなり多くなってしまう問題があった。そのため、比較例1は、収率の低下、材料費が嵩むなど、プリント配線板の製造コストが高い問題もあった。
本発明の第二の導体層の構成及びその製造工程図である。 本発明の実施例2のプリント配線板の製造工程の流れ図である。 比較例の第二の導体層の構成及びその製造工程図である。 比較例の第二の導体層の構成及びその製造工程図である。
符号の説明
1a、3a・・・積層体
1a1、3a1・・・感光性絶縁樹脂層
1a2、3a2・・・第一の導体層
1a3、3a3・・・PETフィルム
1b・・・ビアホール有り絶縁樹脂基板
1b1・・・光架橋絶縁樹脂構造体
1b2、3b2・・・ビアホール
1c4・・・電磁石定盤
1c5・・・メタルマスク
1d6、3c4・・・触媒
1e、3b・・・熱架橋絶縁樹脂基板
1e1、3b1・・・熱架橋絶縁樹脂
1e7、3d5・・・シード金属層
1g8、3h9・・・第二の導体層
3f7・・・フォトマスク
3f8・・・紫外線
3e6・・・アルカリ溶解型フォトレジスト
3g6・・・めっきレジストパターン
3h10・・・電解銅めっき用対向電極

Claims (6)

  1. 少なくとも第1の導体層と、第2の導体層と、硬化した感光性絶縁樹脂から成る絶縁層を備えたプリント配線板の製造方法であって、前記第1の導体層の一方の面に半硬化の感光性絶縁樹脂層を備えた積層体を製造する第1の工程と、前記感光性絶縁樹脂層に所定のパターンを露光・現像し前記第1の導体層に達するビアホールを形成した光架橋絶縁樹脂構造体を形成する第2の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体の表面に触媒分散溶液の膜を形成する第3の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体上に無電解めっきを施しシード金属層を形成する第4の工程と、前記光架橋絶縁樹脂構造体を加熱硬化させる第5の工程と、前記シード金属層上に電解めっきを施し前記第2の導体層を形成する第6の工程と、前記第1の導体層をエッチングし配線パターンを形成する第7の工程を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記第3の工程が、前記光架橋絶縁樹脂構造体の面に、前記ビアホールに接続する前記第2の導体層のネガパターンのメタルマスクを密着させ、前記メタルマスクから露出した前記光架橋絶縁樹脂構造体の表面に触媒分散コロイド溶液の膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 前記第5の工程が、前記光架橋絶縁樹脂構造体を160℃以上で200℃以下で加熱硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 前記触媒分散溶液の粘度は60cP以上、100cP以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 前記触媒分散溶液はパラジウムを含む触媒分散コロイド溶液であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 少なくとも、第1の導体層と、第2の導体層と、硬化した感光性絶縁樹脂からなる絶縁層を備えたプリント配線板であって、前記第2の導体層は前記絶縁層上に金属めっきによって形成され、前記絶縁層から剥離した第2の導体層の表面粗さが1μm以下であり、前記絶縁層から前記第2の導体層を剥離する際のJIS−C6481に基くピール強度が0.8kgf/cm以上であることを特徴とするプリント配線板。

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