JP3383326B2 - 防振装置 - Google Patents
防振装置Info
- Publication number
- JP3383326B2 JP3383326B2 JP20389392A JP20389392A JP3383326B2 JP 3383326 B2 JP3383326 B2 JP 3383326B2 JP 20389392 A JP20389392 A JP 20389392A JP 20389392 A JP20389392 A JP 20389392A JP 3383326 B2 JP3383326 B2 JP 3383326B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid chamber
- passage
- vibration
- sub
- diaphragm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F13/00—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
- F16F13/04—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
- F16F13/26—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
- F16F13/28—Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions specially adapted for units of the bushing type
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
- Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のエンジンマウン
ト等に用いられ、振動発生部からの振動を減衰吸収する
防振装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車のエンジンにはエンジンと車体と
の間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、
この防振装置によってエンジンの振動が車体に伝達され
るのを阻止するようになっている。 【0003】この種の防振装置として、シェイク振動
(例えば、周波数15Hz未満の振動)を吸収する第1
の制限通路、第1の制限通路よりも通過抵抗が小さくさ
れ低い周波数帯域のアイドル振動(例えば、周波数15
〜30Hzの振動)を吸収するための第2の制限通路、
及び第2の制限通路よりも通過抵抗が小さくされ高い周
波数帯域のこもり音(例えば、60〜200Hzの振
動)を吸収する第3の制限通路が設けられた防振装置が
知られている。 【0004】この防振装置では、制御手段によって制御
される開閉部材が設けられ、この開閉部材は、振動発生
部によって発生する振動周波数に応じて、第2の制限通
路を閉止し第3の制限通路を開放する第1の状態、第3
の制限通路を閉止し第2の制限通路を開放する第2の状
態、第2の制限通路及び第3の制限通路を閉止する第3
の状態となるように制御手段によって制御される。 【0005】上記防振装置では、振動発生部によって低
い周波数帯域のアイドル振動が発生している場合には、
開閉部材が第2の状態とされる。この状態では、液体が
第2の制限通路を通して主液室と副液室とを行き来す
る。したがって、振動発生部によって発した振動は、液
体が第2の制限通路内で液柱共振することにより吸収さ
れる。 【0006】一方、振動発生部によって高い周波数帯域
の振動が発生した場合には、開閉部材が第1の状態とさ
れる。この状態では、液体が第3の制限通路を通して主
液室と副液室とを行き来する。したがって、振動発生部
によって発した振動は、液体が第3の制限通路内で液柱
共振することにより吸収される。 【0007】また、振動発生部によってシェイク振動が
発生した場合には、開閉部材が第3の状態とされる。こ
の状態では、液体が第1の制限通路を通して主液室と副
液室とを行き来する。したがって、振動発生部によって
発した振動は、液体が第1の制限通路を通過する際の抵
抗及び液柱共振により吸収される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車のエ
ンジンにおいて、例えばこもり音とシェイク振動が交互
に繰り返して発生するような場合、制御手段は、車速や
エンジンの回転数等に基づいて、高周波振動であるか、
低周波のうちの比較的周波数帯域の振動であるかを車速
やエンジンの回転数が変化される如に算出し、開閉部材
を第1の状態及び第3の状態に制御しなけらばならず、
開閉部材の制御が煩雑となるという不具合がある。 【0009】また、こもり音とシェイク振動とが短い周
期で繰り返し発生するような場合、この周期に同期させ
て確実に開閉部材を駆動することは困難である。 【0010】本発明は上記事実を考慮し、開閉部材の駆
動を煩雑にすることなく、異なった周波数帯域の振動を
有効に吸収できる防振装置を得ることにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明に係る防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される外筒
と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される内筒
と、前記外筒と内筒との間に設けられ振動発生時に変形
する弾性体と、前記弾性体を隔壁の少なくとも一部と
し、拡縮可能な主液室と、前記主液室と隔離された第1
の副液室と、前記主液室及び第1の副液室と隔離された
第2の副液室と、前記第1の副液室における隔壁の一部
を形成し前記第1の副液室を拡縮可能とする第1のダイ
ヤフラムと、前記第2の副液室における隔壁の一部を形
成し前記第2の副液室を拡縮可能とする第2のダイアフ
ラムと、前記主液室と前記第1の副液室とを各々連通す
る第1の制限通路と、前記第1の副液室又は前記第2の
副液室と、前記主液室とを各々連通すると共に前記第1
の制限通路よりも液体の通過抵抗の小さい第2の制限通
路と、前記主液室と前記第2の副液室とを各々連通する
と共に、前記第2の制限通路よりも液体の通過抵抗の小
さい第3の制限通路と、前記外筒内に挿入され、該外筒
の内周側に密閉された液室空間を形成する第1の中間ブ
ロックと、前記外筒内に挿入され、前記第1の中間ブロ
ックと共に前記液室空間を前記主液室、前記第1の副液
室及び第2の副液室に区画し、かつ前記第2の制限通路
と前記第3の制限通路との合流部が形成された第2の中
間ブロックと、前記合流部内に挿入され、前記第2の制
限通路及び第3の制限通路を開閉可能な開閉部材と、前
記振動発生部によるシェイク振動及びこもり音の発生時
に、前記開閉部材を前記第2の制限通路を閉止し前記第
3の制限通路を開放する第1の状態とし、前記振動発生
部によるアイドル振動の発生時に、前記開閉部材を前記
第3の制限通路を閉止し前記第2の制限通路を開放する
第2の状態とする駆動手段と、を有し、前記第2のダイ
ヤフラムの液圧に対する剛性を第1のダイアフラムの液
圧に対する剛性よりも高くして、シェイク振動発生時に
おける前記第2のダイアフラムの変形量を前記第1のダ
イアフラムの変形量よりも小さくしたことを特徴として
いる。 【0012】 【作用】本発明に係る防振装置では、主液室、第1の副
液室及び第2の副液室が設けられ、主液室と第1の副液
室とが第1の制限通路によって連通されている。また、
第1の副液室又は第2の副液室と、主液室とが第2の制
限通路によって連通されており、主液室と第2の副液室
とが第3の制限通路によって連通されている。 【0013】振動発生部によって低周波のうちの比較的
高い周波数帯域の振動であるアイドル振動が発生する
と、駆動手段によって開閉部材が第2の状態、すなわ
ち、第3の制限通路を閉止し、第2の制限通路を開放す
る状態にされる。この状態では、第1の制限通路は目詰
まり状態とされるが、液体は第1の制限通路よりも通過
抵抗の小さい第2の制限通路を通して主液室と第1又は
第2の副液室とを行き来し、低周波のうちの比較的高い
周波数帯域の振動は、液体が第2の制限通路内で液柱共
振することにより吸収される。 【0014】振動発生部によって高周波振動であるこも
り音が発生すると、駆動手段によって開閉部材が第1の
状態、すなわち、第2の制限通路を閉止し、第3の制限
通路を開放する状態にされる。この状態では、第1の制
限通路は目詰まり状態とされるが、液体は第1の制限通
路よりも通過抵抗の小さい第3の制限通路を通して主液
室と第2の副液室とを行き来するようになり、第2の副
液室は、第1のダイヤフラムよりも液圧に対して高剛性
の第2のダイヤムラムが変形することにより拡縮され
る。これにより、高周波振動は、液体が第3の制限通路
内で液柱共振することにより吸収される。 【0015】また、振動発生部によって低周波のうちの
比較的低い周波数帯域の振動であるシェイク振動が発生
すると、開閉部材は第1の状態が維持されたままとされ
る。この場合、第2のダイヤフラムは、第1のダイヤフ
ラムよりも液圧に対して高剛性とされ、第2のダイアフ
ラムの変形量が第1のダイアフラムの変形量よりも十分
小さくなるので、第2のダイヤフラムの変形による第2
の副液室の拡縮は抑えられ、液体は、第3の制限通路よ
りも通過抵抗の大きい第1の制限通路を通して主液室と
第1の副液室との間を行き来し、シェイク振動は、液体
が第1の制限通路を通過する際の抵抗及び液柱共振によ
り吸収される。この場合において、振動発生部によっ
て、再びこもり音が発生した場合には、開閉部材は、依
然として第1の状態に維持され、上記の如く、こもり音
は、液体が第3の制限通路内で液柱共振することにより
吸収される。 【0016】すなわち、本発明に係る防振装置では、振
動発生部によって高周波振動であるこもり音と、低周波
のうちの比較的低い周波数帯域の振動であるシェイク振
動とが交互に発生しても開閉部材を第1の状態に保持し
た状態でこもり音及びシェイク振動を吸収できる。した
がって、こもり音とシェイク振動が交互に発生するよう
な場合であっても開閉部材をその都度駆動する必要がな
いので、開閉部材の制御が煩雑になることはない。 【0017】 【実施例】以下に本発明の第1実施例に係る防振装置を
図1乃至図3にしたがって説明する。 【0018】図3に示す如く、防振装置10は図示しな
い振動受部としての車体への取付用とされる取付フレー
ム11の環状部分11Aに外筒16が挿入された状態で
取付けられている。防振装置10は、円筒形状の内筒1
2を備えており、内筒12と平行軸的に円筒形状の外筒
16が配設されている。本実施例では内筒12は振動発
生部としての図示しないエンジンに連結されている。 【0019】外筒16の内側には薄肉ゴム層13が加硫
接着されている。この薄肉ゴム層13の一部は外筒16
の内周面から離れた第1のダイヤフラム22とされてい
る。また、外筒16内には中間ブロック17、18が挿
入されている。 【0020】図1に示す如く、中間ブロック18は外筒
16の軸方向から見て略半円形のブロック形状とされて
いる。この中間ブロック18の外周面は薄肉ゴム層13
の内周面へ密着している。図3に示す如く、中間ブロッ
ク17は軸方向両端部にフランジ部17Aが形成されて
外周面が薄肉ゴム層13へ密着されている。これによ
り、外筒16の内周側には密閉された空間(液室空間)
が形成される。また中間ブロック17における一対のフ
ランジ部17A間には中間ブロック18が嵌入されてい
る。図1に示す如く、この中間ブロック17は中間ブロ
ック18に面した中央部に切欠部17Bが形成され、内
筒12が貫通している。この内筒12には、中間ブロッ
ク17との間に本体ゴム14が掛け渡されている。これ
によって内筒12は外筒16と相対移動可能となってい
る。 【0021】本体ゴム14は中間ブロック18の頂面と
加硫接着されているが、中間部の一部に、中間ブロック
18との間に主液室28を形成する切欠部14Aが形成
されている。また中間ブロック17のフランジ部17A
間に、内周面が中間ブロック17によって外周面が薄肉
ゴム層13及び第1のダイヤフラム22によって区画さ
れた第1の副液室30が形成されている。これらの主液
室28、第1の副液室30には、水、オイル等の液体が
充填されている。 【0022】中間ブロック18には主液室28に面し、
かつ外筒16の半径方向に円孔44が形成されている。
また、中間ブロック18には、円孔44の半径方向外方
へ向けて通路32及び通路36が設けられている。通路
32は一端が円孔44を形成する側面と連通され、他端
が中間ブロック18の外周面に形成された通路33と連
通されている。通路33は第1の副液室30と連通され
ている。 【0023】通路36は一端が円孔44を形成する側面
と連通され、他端が中間ブロック18の外周面で開口し
ており、この開口18Aは、図1及び図2に示す如く、
外筒16の周壁に貫通形成された円孔16A、及び取付
フレーム11における環状部11Aの周壁に円孔16A
と同軸的に貫通形成された円孔11Bに薄肉ゴム層13
を介して対向している。図1に示す如く、薄肉ゴム層1
3は、外筒16の貫通孔16Aと対向する部位が厚肉と
され第2のダイヤフラム24とされている。この第2の
ダイヤフラム24は通路36の開口18Aを閉止してい
る。第2のダイヤフラム24は、第1のダイヤフラム2
2よりも液圧に対して高剛性とされている。 【0024】通路36は、長手方向(液体の通過方向)
と直交する方向における断面積(以下、通路断面積と呼
ぶ)が通路32の通路断面積よりも小さく形成されてお
り、さらに、通路36は、長手方向寸法が通路32より
も短くされて通過抵抗が通路32よりも大きくされてい
る。本実施例では、通路32は、低周波のうちの比較的
高い周波数帯域の振動(アイドル振動)を吸収できるよ
うな通路断面積に形成されており、通路36は、高周波
の振動(こもり音)を有効に吸収できるような通路断面
積に形成されている。 【0025】通路32と通路36との合流部を構成した
円孔44には、前記ロータ52が挿入されている。この
ロータ52は一部が外筒16を貫通しており、外筒16
の外周に取りつけられるモータ48の駆動力を受けて回
転できるようになっている。モータ48は制御手段46
に接続されている。制御手段46には、車速を検出する
車速センサ43及びエンジンの回転数を検出するエンジ
ン回転数センサ45が接続されている。なお、中間ブロ
ック18には、ロータ52の抜け止め用としての環状座
金21が円孔44の開口部にねじ21Aによってねじ止
めされている。 【0026】前記ロータ52は主液室28に面する先端
部が円筒形状とされており、円筒周面の一部に貫通孔5
4が形成されている。貫通孔54はロータ52の回転位
置によって図1に示す如く通路32のみの連通状態(第
2の状態)、図2に示す如く通路36のみの連通状態
(図1の状態)となるような位置に配置されるようにな
っている。 【0027】また、中間ブロック18には、通路34が
形成されている。通路34の通路断面積は、通路32、
36よりも小さくされており、長手方向(液体の通過方
向)長さは通路32、36の長手方向長さよりも長くさ
れ、通路34の通過抵抗は、通路32、36よりも大き
く設定されている。これにより、通路34は、低周波の
うちの比較的低い周波数帯域の振動(シェイク振動)を
有効に吸収できるようになっている。 【0028】通路34は、その一端部34Aが、中間ブ
ロック18の主液室に対応する面で開口して、主液室2
8と連通しており、他端部34Bを介して第1の副液室
30と連通している。通路34は、一端部34Aから図
1下方へ延出されて、中間ブロック18を貫通し、さら
に延出端が中間ブロック18の外周周縁部に沿って延出
され他端部34Bまで延出されている。 【0029】ロータ52の貫通孔54によって通路36
が連通されロータ52の周壁によって通路32が閉止さ
れた図2の状態では、通路36はロータ52内部を介し
て主液室28と連通する第2の副液室40を構成してお
り、液体が円孔44及び通路36を行き来すると、第2
のダイヤフラム24が変形されて第2の副液室40が拡
縮するようになっている。なお、このときのロータ52
内部は、こもり音を吸収する制限通路としての機能を発
揮する。 【0030】なお第1のダイヤフラム22と外筒16と
の間は空気室とされて必要に応じて外部と連通される。 【0031】以下に第1実施例の作用を説明する。アイ
ドリング時や車速が5キロ程度の場合には、低周波のう
ち比較的高い周波数帯域の振動(アイドル振動)が生じ
る。制御手段46は車速センサ43及びエンジン回転数
センサ45により現在発生している振動がアイドル振動
か否かを判断する。アイドル振動が発生していると判断
された場合には、ロータ52が貫通孔54により通路3
2が連通状態にされかつロータ52の外周面により通路
36が非連通状態となる位置(図1の位置)に至るよう
にモータ48が制御される。この結果、液体は通路32
を通って主液室28と第1の副液室30を行き来し、通
路32内で液柱共振してアイドル振動が吸収される。 【0032】また、車速が上がり例えば時速40〜70
キロで走行されているような場合には、高周波数帯域の
振動(こもり音)が発生する。制御手段46は車速セン
サ43及びエンジン回転数センサ45によりこもり音が
発生しているか否かを判断する。こもり音が発生してい
ると判断された場合には、ロータ52が貫通孔54によ
り通路36が連通状態にされかつロータ52の外周面に
より通路32が非連通状態となる位置(図2の位置)に
至るようにモータ48が制御される。 【0033】この状態では、こもり音が発生しているた
め、通過抵抗の大きい通路34は目詰まり状態にされて
おり、液体は、ロータ52内を介して主液室28と第2
の副液室40との間を行き来するように、すなわち、第
2のダイヤフラム24が変形されて第2の副液室40が
拡縮されるようになる。そのため、液体がロータ52内
で液柱共振してこもり音が吸収される。 【0034】さらに車速が上がり車両が例えば時速70
〜80キロ以上の高速で走行すると、低周波のうちの比
較的低い周波数帯域の振動(シェイク振動)が生じる。
制御手段46は車速センサ43及びエンジン回転数セン
サ45によりシェイク振動か否かを判断する。シェイク
振動が発生していると判断されると、モータ48は駆動
されず、ロータ52は現位置、すなわち、図2の位置に
維持される。この結果、液体は、通路34を通って主液
室28と第1の副液室30を行き来する。この場合、第
2のダイヤフラム24は第1のダイアフラム22よりも
高剛性とされて、シェイク振動発生時における第2のダ
イアフラム24の変形量が第1のダイアフラム22の変
形量よりも十分小さくなることから、第2の副液室40
はほとんど拡縮せず、液体の大部分は、通路34を流
れ、液体が通路34を通過する際の抵抗あるいは液柱共
振でシェイク振動が吸収される。上記実施例では、ロー
タ52の貫通孔54が通路36と対向する位置にある場
合、通路36によって主液室28と第2の副液室40が
連通状態となり、また、この状態において通路34は主
液室28と第1の副液室30とを常に連通状態としてい
るので、ロータ52を駆動することなく、シェイク振動
及びこもり音を吸収できる。さらに、上記実施例では、
車速が変化される等によりシェイク振動及びこもり音が
発生しても、ロータ52を第1の状態及び第3の状態に
制御する必要がないため、ロータ52の制御が煩雑にな
ることはない。 【0035】以下に本発明の第2実施例に係る防振装置
を、その通路36を拡大して示す図4にしたがって説明
する。なお、図中第1実施例と同様の部材は同一の符号
を付して説明を省略する。 【0036】本実施例では、第2のダイヤフラム60が
薄肉ゴム層13と別体となっている。すなわち、第2の
ダイヤフラム60は、中間ブロック18の通路36にお
ける開口18A近傍に形成された嵌入孔62に周縁部6
0Aが嵌入され状態で中間ブロック18と薄肉ゴム層1
3との間に挟持されている。これにより、第2のダイヤ
フラム60は、通路36の開口18Aを閉止している。
また、取付フレーム11の環状部11A、外筒16及び
薄肉ゴム層13の各々には、第2のダイヤフラム60と
対向する位置に同軸的に空気抜用の空気孔11C、16
B、13Aが形成されている。 【0037】本実施例の作用は第1実施例と基本的に同
様である。すなわち、低周波のうち比較的高い周波数帯
域の振動(アイドル振動)が生じた場合には、液体が通
路32(図1参照)内で液柱共振してアイドル振動が吸
収される。また、高周波数帯域の振動(こもり音)が発
生した場合には、通路34は目詰まり状態にされ、中間
ブロック18の円孔44(図1参照)、通路36及び第
2のダイヤフラム60とによって主液室28と連通され
た第2の副液室40が形成される。したがって、液体
が、ロータ52内を介して主液室28と第2の副液室4
0との間を行き来することにより第2のダイヤフラム6
0が変形されて第2の副液室40が拡縮されるようにな
り、液体がロータ52内で液柱共振して高周波数帯域の
振動が吸収される。 【0038】この状態でシェイク振動及びこもり音が交
互に生じても、ロータ52は駆動されることなく、液体
は、シェイク振動及びこもり音の各々に対応して通路3
4、ロータ52内の各々で液柱共振して、シェイク振動
及びこもり音が吸収される。 【0039】 【発明の効果】本発明に係る防振装置は、上記の如く構
成したので、開閉部材の駆動を煩雑にすることなく、し
かも、確実に異なった周波数帯域の振動を有効に吸収で
きるという優れた効果を有する。
ト等に用いられ、振動発生部からの振動を減衰吸収する
防振装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車のエンジンにはエンジンと車体と
の間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、
この防振装置によってエンジンの振動が車体に伝達され
るのを阻止するようになっている。 【0003】この種の防振装置として、シェイク振動
(例えば、周波数15Hz未満の振動)を吸収する第1
の制限通路、第1の制限通路よりも通過抵抗が小さくさ
れ低い周波数帯域のアイドル振動(例えば、周波数15
〜30Hzの振動)を吸収するための第2の制限通路、
及び第2の制限通路よりも通過抵抗が小さくされ高い周
波数帯域のこもり音(例えば、60〜200Hzの振
動)を吸収する第3の制限通路が設けられた防振装置が
知られている。 【0004】この防振装置では、制御手段によって制御
される開閉部材が設けられ、この開閉部材は、振動発生
部によって発生する振動周波数に応じて、第2の制限通
路を閉止し第3の制限通路を開放する第1の状態、第3
の制限通路を閉止し第2の制限通路を開放する第2の状
態、第2の制限通路及び第3の制限通路を閉止する第3
の状態となるように制御手段によって制御される。 【0005】上記防振装置では、振動発生部によって低
い周波数帯域のアイドル振動が発生している場合には、
開閉部材が第2の状態とされる。この状態では、液体が
第2の制限通路を通して主液室と副液室とを行き来す
る。したがって、振動発生部によって発した振動は、液
体が第2の制限通路内で液柱共振することにより吸収さ
れる。 【0006】一方、振動発生部によって高い周波数帯域
の振動が発生した場合には、開閉部材が第1の状態とさ
れる。この状態では、液体が第3の制限通路を通して主
液室と副液室とを行き来する。したがって、振動発生部
によって発した振動は、液体が第3の制限通路内で液柱
共振することにより吸収される。 【0007】また、振動発生部によってシェイク振動が
発生した場合には、開閉部材が第3の状態とされる。こ
の状態では、液体が第1の制限通路を通して主液室と副
液室とを行き来する。したがって、振動発生部によって
発した振動は、液体が第1の制限通路を通過する際の抵
抗及び液柱共振により吸収される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車のエ
ンジンにおいて、例えばこもり音とシェイク振動が交互
に繰り返して発生するような場合、制御手段は、車速や
エンジンの回転数等に基づいて、高周波振動であるか、
低周波のうちの比較的周波数帯域の振動であるかを車速
やエンジンの回転数が変化される如に算出し、開閉部材
を第1の状態及び第3の状態に制御しなけらばならず、
開閉部材の制御が煩雑となるという不具合がある。 【0009】また、こもり音とシェイク振動とが短い周
期で繰り返し発生するような場合、この周期に同期させ
て確実に開閉部材を駆動することは困難である。 【0010】本発明は上記事実を考慮し、開閉部材の駆
動を煩雑にすることなく、異なった周波数帯域の振動を
有効に吸収できる防振装置を得ることにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明に係る防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される外筒
と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される内筒
と、前記外筒と内筒との間に設けられ振動発生時に変形
する弾性体と、前記弾性体を隔壁の少なくとも一部と
し、拡縮可能な主液室と、前記主液室と隔離された第1
の副液室と、前記主液室及び第1の副液室と隔離された
第2の副液室と、前記第1の副液室における隔壁の一部
を形成し前記第1の副液室を拡縮可能とする第1のダイ
ヤフラムと、前記第2の副液室における隔壁の一部を形
成し前記第2の副液室を拡縮可能とする第2のダイアフ
ラムと、前記主液室と前記第1の副液室とを各々連通す
る第1の制限通路と、前記第1の副液室又は前記第2の
副液室と、前記主液室とを各々連通すると共に前記第1
の制限通路よりも液体の通過抵抗の小さい第2の制限通
路と、前記主液室と前記第2の副液室とを各々連通する
と共に、前記第2の制限通路よりも液体の通過抵抗の小
さい第3の制限通路と、前記外筒内に挿入され、該外筒
の内周側に密閉された液室空間を形成する第1の中間ブ
ロックと、前記外筒内に挿入され、前記第1の中間ブロ
ックと共に前記液室空間を前記主液室、前記第1の副液
室及び第2の副液室に区画し、かつ前記第2の制限通路
と前記第3の制限通路との合流部が形成された第2の中
間ブロックと、前記合流部内に挿入され、前記第2の制
限通路及び第3の制限通路を開閉可能な開閉部材と、前
記振動発生部によるシェイク振動及びこもり音の発生時
に、前記開閉部材を前記第2の制限通路を閉止し前記第
3の制限通路を開放する第1の状態とし、前記振動発生
部によるアイドル振動の発生時に、前記開閉部材を前記
第3の制限通路を閉止し前記第2の制限通路を開放する
第2の状態とする駆動手段と、を有し、前記第2のダイ
ヤフラムの液圧に対する剛性を第1のダイアフラムの液
圧に対する剛性よりも高くして、シェイク振動発生時に
おける前記第2のダイアフラムの変形量を前記第1のダ
イアフラムの変形量よりも小さくしたことを特徴として
いる。 【0012】 【作用】本発明に係る防振装置では、主液室、第1の副
液室及び第2の副液室が設けられ、主液室と第1の副液
室とが第1の制限通路によって連通されている。また、
第1の副液室又は第2の副液室と、主液室とが第2の制
限通路によって連通されており、主液室と第2の副液室
とが第3の制限通路によって連通されている。 【0013】振動発生部によって低周波のうちの比較的
高い周波数帯域の振動であるアイドル振動が発生する
と、駆動手段によって開閉部材が第2の状態、すなわ
ち、第3の制限通路を閉止し、第2の制限通路を開放す
る状態にされる。この状態では、第1の制限通路は目詰
まり状態とされるが、液体は第1の制限通路よりも通過
抵抗の小さい第2の制限通路を通して主液室と第1又は
第2の副液室とを行き来し、低周波のうちの比較的高い
周波数帯域の振動は、液体が第2の制限通路内で液柱共
振することにより吸収される。 【0014】振動発生部によって高周波振動であるこも
り音が発生すると、駆動手段によって開閉部材が第1の
状態、すなわち、第2の制限通路を閉止し、第3の制限
通路を開放する状態にされる。この状態では、第1の制
限通路は目詰まり状態とされるが、液体は第1の制限通
路よりも通過抵抗の小さい第3の制限通路を通して主液
室と第2の副液室とを行き来するようになり、第2の副
液室は、第1のダイヤフラムよりも液圧に対して高剛性
の第2のダイヤムラムが変形することにより拡縮され
る。これにより、高周波振動は、液体が第3の制限通路
内で液柱共振することにより吸収される。 【0015】また、振動発生部によって低周波のうちの
比較的低い周波数帯域の振動であるシェイク振動が発生
すると、開閉部材は第1の状態が維持されたままとされ
る。この場合、第2のダイヤフラムは、第1のダイヤフ
ラムよりも液圧に対して高剛性とされ、第2のダイアフ
ラムの変形量が第1のダイアフラムの変形量よりも十分
小さくなるので、第2のダイヤフラムの変形による第2
の副液室の拡縮は抑えられ、液体は、第3の制限通路よ
りも通過抵抗の大きい第1の制限通路を通して主液室と
第1の副液室との間を行き来し、シェイク振動は、液体
が第1の制限通路を通過する際の抵抗及び液柱共振によ
り吸収される。この場合において、振動発生部によっ
て、再びこもり音が発生した場合には、開閉部材は、依
然として第1の状態に維持され、上記の如く、こもり音
は、液体が第3の制限通路内で液柱共振することにより
吸収される。 【0016】すなわち、本発明に係る防振装置では、振
動発生部によって高周波振動であるこもり音と、低周波
のうちの比較的低い周波数帯域の振動であるシェイク振
動とが交互に発生しても開閉部材を第1の状態に保持し
た状態でこもり音及びシェイク振動を吸収できる。した
がって、こもり音とシェイク振動が交互に発生するよう
な場合であっても開閉部材をその都度駆動する必要がな
いので、開閉部材の制御が煩雑になることはない。 【0017】 【実施例】以下に本発明の第1実施例に係る防振装置を
図1乃至図3にしたがって説明する。 【0018】図3に示す如く、防振装置10は図示しな
い振動受部としての車体への取付用とされる取付フレー
ム11の環状部分11Aに外筒16が挿入された状態で
取付けられている。防振装置10は、円筒形状の内筒1
2を備えており、内筒12と平行軸的に円筒形状の外筒
16が配設されている。本実施例では内筒12は振動発
生部としての図示しないエンジンに連結されている。 【0019】外筒16の内側には薄肉ゴム層13が加硫
接着されている。この薄肉ゴム層13の一部は外筒16
の内周面から離れた第1のダイヤフラム22とされてい
る。また、外筒16内には中間ブロック17、18が挿
入されている。 【0020】図1に示す如く、中間ブロック18は外筒
16の軸方向から見て略半円形のブロック形状とされて
いる。この中間ブロック18の外周面は薄肉ゴム層13
の内周面へ密着している。図3に示す如く、中間ブロッ
ク17は軸方向両端部にフランジ部17Aが形成されて
外周面が薄肉ゴム層13へ密着されている。これによ
り、外筒16の内周側には密閉された空間(液室空間)
が形成される。また中間ブロック17における一対のフ
ランジ部17A間には中間ブロック18が嵌入されてい
る。図1に示す如く、この中間ブロック17は中間ブロ
ック18に面した中央部に切欠部17Bが形成され、内
筒12が貫通している。この内筒12には、中間ブロッ
ク17との間に本体ゴム14が掛け渡されている。これ
によって内筒12は外筒16と相対移動可能となってい
る。 【0021】本体ゴム14は中間ブロック18の頂面と
加硫接着されているが、中間部の一部に、中間ブロック
18との間に主液室28を形成する切欠部14Aが形成
されている。また中間ブロック17のフランジ部17A
間に、内周面が中間ブロック17によって外周面が薄肉
ゴム層13及び第1のダイヤフラム22によって区画さ
れた第1の副液室30が形成されている。これらの主液
室28、第1の副液室30には、水、オイル等の液体が
充填されている。 【0022】中間ブロック18には主液室28に面し、
かつ外筒16の半径方向に円孔44が形成されている。
また、中間ブロック18には、円孔44の半径方向外方
へ向けて通路32及び通路36が設けられている。通路
32は一端が円孔44を形成する側面と連通され、他端
が中間ブロック18の外周面に形成された通路33と連
通されている。通路33は第1の副液室30と連通され
ている。 【0023】通路36は一端が円孔44を形成する側面
と連通され、他端が中間ブロック18の外周面で開口し
ており、この開口18Aは、図1及び図2に示す如く、
外筒16の周壁に貫通形成された円孔16A、及び取付
フレーム11における環状部11Aの周壁に円孔16A
と同軸的に貫通形成された円孔11Bに薄肉ゴム層13
を介して対向している。図1に示す如く、薄肉ゴム層1
3は、外筒16の貫通孔16Aと対向する部位が厚肉と
され第2のダイヤフラム24とされている。この第2の
ダイヤフラム24は通路36の開口18Aを閉止してい
る。第2のダイヤフラム24は、第1のダイヤフラム2
2よりも液圧に対して高剛性とされている。 【0024】通路36は、長手方向(液体の通過方向)
と直交する方向における断面積(以下、通路断面積と呼
ぶ)が通路32の通路断面積よりも小さく形成されてお
り、さらに、通路36は、長手方向寸法が通路32より
も短くされて通過抵抗が通路32よりも大きくされてい
る。本実施例では、通路32は、低周波のうちの比較的
高い周波数帯域の振動(アイドル振動)を吸収できるよ
うな通路断面積に形成されており、通路36は、高周波
の振動(こもり音)を有効に吸収できるような通路断面
積に形成されている。 【0025】通路32と通路36との合流部を構成した
円孔44には、前記ロータ52が挿入されている。この
ロータ52は一部が外筒16を貫通しており、外筒16
の外周に取りつけられるモータ48の駆動力を受けて回
転できるようになっている。モータ48は制御手段46
に接続されている。制御手段46には、車速を検出する
車速センサ43及びエンジンの回転数を検出するエンジ
ン回転数センサ45が接続されている。なお、中間ブロ
ック18には、ロータ52の抜け止め用としての環状座
金21が円孔44の開口部にねじ21Aによってねじ止
めされている。 【0026】前記ロータ52は主液室28に面する先端
部が円筒形状とされており、円筒周面の一部に貫通孔5
4が形成されている。貫通孔54はロータ52の回転位
置によって図1に示す如く通路32のみの連通状態(第
2の状態)、図2に示す如く通路36のみの連通状態
(図1の状態)となるような位置に配置されるようにな
っている。 【0027】また、中間ブロック18には、通路34が
形成されている。通路34の通路断面積は、通路32、
36よりも小さくされており、長手方向(液体の通過方
向)長さは通路32、36の長手方向長さよりも長くさ
れ、通路34の通過抵抗は、通路32、36よりも大き
く設定されている。これにより、通路34は、低周波の
うちの比較的低い周波数帯域の振動(シェイク振動)を
有効に吸収できるようになっている。 【0028】通路34は、その一端部34Aが、中間ブ
ロック18の主液室に対応する面で開口して、主液室2
8と連通しており、他端部34Bを介して第1の副液室
30と連通している。通路34は、一端部34Aから図
1下方へ延出されて、中間ブロック18を貫通し、さら
に延出端が中間ブロック18の外周周縁部に沿って延出
され他端部34Bまで延出されている。 【0029】ロータ52の貫通孔54によって通路36
が連通されロータ52の周壁によって通路32が閉止さ
れた図2の状態では、通路36はロータ52内部を介し
て主液室28と連通する第2の副液室40を構成してお
り、液体が円孔44及び通路36を行き来すると、第2
のダイヤフラム24が変形されて第2の副液室40が拡
縮するようになっている。なお、このときのロータ52
内部は、こもり音を吸収する制限通路としての機能を発
揮する。 【0030】なお第1のダイヤフラム22と外筒16と
の間は空気室とされて必要に応じて外部と連通される。 【0031】以下に第1実施例の作用を説明する。アイ
ドリング時や車速が5キロ程度の場合には、低周波のう
ち比較的高い周波数帯域の振動(アイドル振動)が生じ
る。制御手段46は車速センサ43及びエンジン回転数
センサ45により現在発生している振動がアイドル振動
か否かを判断する。アイドル振動が発生していると判断
された場合には、ロータ52が貫通孔54により通路3
2が連通状態にされかつロータ52の外周面により通路
36が非連通状態となる位置(図1の位置)に至るよう
にモータ48が制御される。この結果、液体は通路32
を通って主液室28と第1の副液室30を行き来し、通
路32内で液柱共振してアイドル振動が吸収される。 【0032】また、車速が上がり例えば時速40〜70
キロで走行されているような場合には、高周波数帯域の
振動(こもり音)が発生する。制御手段46は車速セン
サ43及びエンジン回転数センサ45によりこもり音が
発生しているか否かを判断する。こもり音が発生してい
ると判断された場合には、ロータ52が貫通孔54によ
り通路36が連通状態にされかつロータ52の外周面に
より通路32が非連通状態となる位置(図2の位置)に
至るようにモータ48が制御される。 【0033】この状態では、こもり音が発生しているた
め、通過抵抗の大きい通路34は目詰まり状態にされて
おり、液体は、ロータ52内を介して主液室28と第2
の副液室40との間を行き来するように、すなわち、第
2のダイヤフラム24が変形されて第2の副液室40が
拡縮されるようになる。そのため、液体がロータ52内
で液柱共振してこもり音が吸収される。 【0034】さらに車速が上がり車両が例えば時速70
〜80キロ以上の高速で走行すると、低周波のうちの比
較的低い周波数帯域の振動(シェイク振動)が生じる。
制御手段46は車速センサ43及びエンジン回転数セン
サ45によりシェイク振動か否かを判断する。シェイク
振動が発生していると判断されると、モータ48は駆動
されず、ロータ52は現位置、すなわち、図2の位置に
維持される。この結果、液体は、通路34を通って主液
室28と第1の副液室30を行き来する。この場合、第
2のダイヤフラム24は第1のダイアフラム22よりも
高剛性とされて、シェイク振動発生時における第2のダ
イアフラム24の変形量が第1のダイアフラム22の変
形量よりも十分小さくなることから、第2の副液室40
はほとんど拡縮せず、液体の大部分は、通路34を流
れ、液体が通路34を通過する際の抵抗あるいは液柱共
振でシェイク振動が吸収される。上記実施例では、ロー
タ52の貫通孔54が通路36と対向する位置にある場
合、通路36によって主液室28と第2の副液室40が
連通状態となり、また、この状態において通路34は主
液室28と第1の副液室30とを常に連通状態としてい
るので、ロータ52を駆動することなく、シェイク振動
及びこもり音を吸収できる。さらに、上記実施例では、
車速が変化される等によりシェイク振動及びこもり音が
発生しても、ロータ52を第1の状態及び第3の状態に
制御する必要がないため、ロータ52の制御が煩雑にな
ることはない。 【0035】以下に本発明の第2実施例に係る防振装置
を、その通路36を拡大して示す図4にしたがって説明
する。なお、図中第1実施例と同様の部材は同一の符号
を付して説明を省略する。 【0036】本実施例では、第2のダイヤフラム60が
薄肉ゴム層13と別体となっている。すなわち、第2の
ダイヤフラム60は、中間ブロック18の通路36にお
ける開口18A近傍に形成された嵌入孔62に周縁部6
0Aが嵌入され状態で中間ブロック18と薄肉ゴム層1
3との間に挟持されている。これにより、第2のダイヤ
フラム60は、通路36の開口18Aを閉止している。
また、取付フレーム11の環状部11A、外筒16及び
薄肉ゴム層13の各々には、第2のダイヤフラム60と
対向する位置に同軸的に空気抜用の空気孔11C、16
B、13Aが形成されている。 【0037】本実施例の作用は第1実施例と基本的に同
様である。すなわち、低周波のうち比較的高い周波数帯
域の振動(アイドル振動)が生じた場合には、液体が通
路32(図1参照)内で液柱共振してアイドル振動が吸
収される。また、高周波数帯域の振動(こもり音)が発
生した場合には、通路34は目詰まり状態にされ、中間
ブロック18の円孔44(図1参照)、通路36及び第
2のダイヤフラム60とによって主液室28と連通され
た第2の副液室40が形成される。したがって、液体
が、ロータ52内を介して主液室28と第2の副液室4
0との間を行き来することにより第2のダイヤフラム6
0が変形されて第2の副液室40が拡縮されるようにな
り、液体がロータ52内で液柱共振して高周波数帯域の
振動が吸収される。 【0038】この状態でシェイク振動及びこもり音が交
互に生じても、ロータ52は駆動されることなく、液体
は、シェイク振動及びこもり音の各々に対応して通路3
4、ロータ52内の各々で液柱共振して、シェイク振動
及びこもり音が吸収される。 【0039】 【発明の効果】本発明に係る防振装置は、上記の如く構
成したので、開閉部材の駆動を煩雑にすることなく、し
かも、確実に異なった周波数帯域の振動を有効に吸収で
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の断面図で
ある。 【図2】図1の作動図である。 【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置の分解斜視
図である。 【図4】本発明の第2実施例に係る防振装置の断面図で
ある。 【符号の説明】 10 防振装置 12 内筒 14 本体ゴム(弾性体) 16 外筒17 中間ブロック(第1の中間ブロック) 18 中間ブロック(第2の中間ブロック) 22 第1のダイヤフラム 24 第2のダイヤフラム 28 主液室 30 第1の副液室 32 通路(第2の制限通路) 34 通路(第1の制限通路) 36 通路(第3の制限通路) 40 第2の副液室44 円孔(合流部) 46 制御手段 48 モータ(駆動手段) 52 ロータ(開閉部材)
ある。 【図2】図1の作動図である。 【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置の分解斜視
図である。 【図4】本発明の第2実施例に係る防振装置の断面図で
ある。 【符号の説明】 10 防振装置 12 内筒 14 本体ゴム(弾性体) 16 外筒17 中間ブロック(第1の中間ブロック) 18 中間ブロック(第2の中間ブロック) 22 第1のダイヤフラム 24 第2のダイヤフラム 28 主液室 30 第1の副液室 32 通路(第2の制限通路) 34 通路(第1の制限通路) 36 通路(第3の制限通路) 40 第2の副液室44 円孔(合流部) 46 制御手段 48 モータ(駆動手段) 52 ロータ(開閉部材)
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16F 13/26
B60K 5/12
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
れる外筒と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される内筒と、 前記外筒と内筒との間に設けられ振動発生時に変形する
弾性体と、 前記弾性体を隔壁の少なくとも一部とし、拡縮可能な主
液室と、 前記主液室と隔離された第1の副液室と、 前記主液室及び第1の副液室と隔離された第2の副液室
と、 前記第1の副液室における隔壁の一部を形成し前記第1
の副液室を拡縮可能とする第1のダイヤフラムと、 前記第2の副液室における隔壁の一部を形成し前記第2
の副液室を拡縮可能とする第2のダイアフラムと、 前記主液室と前記第1の副液室とを各々連通する第1の
制限通路と、 前記第1の副液室又は前記第2の副液室と、前記主液室
とを各々連通すると共に前記第1の制限通路よりも液体
の通過抵抗の小さい第2の制限通路と、 前記主液室と前記第2の副液室とを各々連通すると共
に、前記第2の制限通路よりも液体の通過抵抗の小さい
第3の制限通路と、前記外筒内に挿入され、該外筒の内周側に密閉された液
室空間を形成する第1の中間ブロックと、 前記外筒内に挿入され、前記第1の中間ブロックと共に
前記液室空間を前記主液室、前記第1の副液室及び第2
の副液室に区画し、かつ前記第2の制限通路と前記第3
の制限通路との合流部が形成された第2の中間ブロック
と、 前記合流部内に挿入され、前記第2の制限通路及び第3
の制限通路を開閉可能な開閉部材と、 前記振動発生部によるシェイク振動及びこもり音の発生
時に、前記開閉部材を前記第2の制限通路を閉止し前記
第3の制限通路を開放する第1の状態とし、前記振動発
生部によるアイドル振動の発生時に、前記開閉部材を前
記第3の制限通路を閉止し前記第2の制限通路を開放す
る第2の状態とする駆動手段と、を有し、 前記第2のダイヤフラムの液圧に対する剛性を第1のダ
イアフラムの液圧に対する剛性よりも高くして、シェイ
ク振動発生時における前記第2のダイアフラムの変形量
を前記第1のダイアフラムの変形量よりも小さくしたこ
とを特徴とする防振装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20389392A JP3383326B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 防振装置 |
US08/095,539 US5310169A (en) | 1992-07-30 | 1993-07-26 | Vibration isolating apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20389392A JP3383326B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 防振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0650379A JPH0650379A (ja) | 1994-02-22 |
JP3383326B2 true JP3383326B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=16481466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20389392A Expired - Fee Related JP3383326B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 防振装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5310169A (ja) |
JP (1) | JP3383326B2 (ja) |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3300449B2 (ja) * | 1993-02-15 | 2002-07-08 | 日産自動車株式会社 | 防振装置 |
JP3016060B2 (ja) * | 1993-04-28 | 2000-03-06 | 本田技研工業株式会社 | 防振マウント装置 |
JPH06337034A (ja) * | 1993-05-26 | 1994-12-06 | Honda Motor Co Ltd | 液封式防振装置 |
JP3281487B2 (ja) * | 1994-07-28 | 2002-05-13 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式筒型マウント装置 |
JP3038138B2 (ja) * | 1995-07-07 | 2000-05-08 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式エンジンマウント |
JP4137201B2 (ja) * | 1997-10-08 | 2008-08-20 | 株式会社ブリヂストン | 防振装置 |
DE19956277A1 (de) * | 1999-11-23 | 2001-06-13 | Btr Avs Technical Ct Gmbh | Hydraulisch dämpfende Pendelstütze |
US6536751B2 (en) * | 2000-02-10 | 2003-03-25 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Vibration absorber |
DE10035026A1 (de) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Daimler Chrysler Ag | Hydraulisch dämpfendes Elastomerlager |
GB2376731A (en) * | 2001-06-22 | 2002-12-24 | Triten Internat Ltd | Abrasion resistant tile for lining ductwork |
GB2376730A (en) * | 2001-06-22 | 2002-12-24 | Triten Internat Ltd | Abrasion resistant tiles for lining ductwork |
JP3580279B2 (ja) | 2001-10-18 | 2004-10-20 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式筒型防振装置 |
US20040135300A1 (en) * | 2003-01-14 | 2004-07-15 | Delphi Technologies Inc. | Controllable decoupler |
US20100148413A1 (en) * | 2008-12-12 | 2010-06-17 | Gm Global Technology Operations, Inc. | Three-state switchable hydraulic mount |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05584Y2 (ja) * | 1988-10-11 | 1993-01-08 | ||
JP2884799B2 (ja) * | 1991-02-04 | 1999-04-19 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式マウント装置 |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP20389392A patent/JP3383326B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-07-26 US US08/095,539 patent/US5310169A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5310169A (en) | 1994-05-10 |
JPH0650379A (ja) | 1994-02-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3383326B2 (ja) | 防振装置 | |
US4657227A (en) | Two-chamber engine mount with hydraulic damping | |
JPH0330736B2 (ja) | ||
EP0178652B1 (en) | Liquid-filled type vibration damping structure | |
JP3300449B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3423757B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3040831B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3040830B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3051514B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3533243B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3040836B2 (ja) | 防振装置 | |
JPH07190133A (ja) | 防振装置 | |
JP3469350B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3633207B2 (ja) | 流体封入式防振装置 | |
KR100559631B1 (ko) | 유체 봉입식 엔진 마운트 | |
JPH0425636A (ja) | 防振装置及び防振方法 | |
JP2968923B2 (ja) | 防振装置 | |
JPH04231749A (ja) | 防振装置 | |
JP3040840B2 (ja) | 防振装置 | |
JP3574179B2 (ja) | エンジンマウント | |
JPH07197980A (ja) | 防振装置 | |
JPH04248034A (ja) | 防振装置 | |
JP3641024B2 (ja) | 防振装置 | |
JPH0565936A (ja) | 防振装置 | |
JPH04266640A (ja) | 防振装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071220 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |