JP3375885B2 - 鉄骨柱を正しい姿勢に修正する方法及び固定ジグ - Google Patents

鉄骨柱を正しい姿勢に修正する方法及び固定ジグ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄骨柱を正しい姿勢
修正する固定ジグに関する。さらに詳しくは、複数の
エレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部
に有する既設の鉄骨柱に、前記エレクションピースに対
応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する
新設の鉄骨柱を接合すべきとき、前記既設の鉄骨柱の上
側に降ろされる前記新設の鉄骨柱を正しい姿勢に修正す
る固定ジグとに関する。
【0002】
【従来の技術】既設の鉄骨柱の上側に新たな鉄骨柱、す
なわち新設の鉄骨柱を接合すべきとき、既設の鉄骨柱の
上方の端部に複数のエレクションピースを周方向に間隔
をおいて取り付けると共に、新設の鉄骨柱の下方の端部
に前記エレクションピースに対応する複数のエレクショ
ンピースを取り付け、既設及び新設の鉄骨柱の対応して
位置するエレクションピースに専用ジグを係わらせて新
設の鉄骨柱を正しい姿勢に修正している(特開平7−2
6731号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記修正方法は、エレ
クションピースを鉄骨柱の隅部に取り付け、この隅部を
はさんで直交する鉄骨柱の2つの側面を利用するもので
あるため、鉄骨柱の隅部に大きなアール部分があった
り、鉄骨柱の断面が多角形であったりすると、専用ジグ
の使用が不可能となるか、不可能ではないとしても専用
ジグが大型化するなどの問題がある。
【0004】専用ジグの使用の可不可とは別に、鉄骨柱
の隅部は冷間成形時に硬度が上昇して伸び能力や靱性が
低下しているため、エレクションピースを隅部から可能
な限り離すことが好ましいとの見解もある。
【0005】本発明は、鉄骨柱の断面形状の影響を受け
ることがなく、エレクションピースを鉄骨柱の隅部から
離すことを可能とする、鉄骨柱を正しい姿勢に修正する
ジグを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて
上方の端部に有する既設の鉄骨柱に、前記エレクション
ピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端
部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき、前記既設の
鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱を正しい姿勢
に修正するものである。まず、前記既設の鉄骨柱の各エ
レクションピースが水平方向のすきまをおいて入る第1
のスリット部と、前記新設の鉄骨柱の各エレクションピ
ースが水平方向のすきまをおいて入る第2のスリット部
とからなり、前記第2のスリット部の水平方向の幅が前
記第1のスリット部の水平方向の幅より大きいスリット
を有する固定ジグであって少なくとも1本のボルトを前
記各スリット部に対して水平方向へ進退可能に取り付け
た固定ジグを、前記第1のスリット部に前記既設の鉄骨
柱のエレクションピースを差し込むと共に、前記第2の
スリット部に前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを
差し込んで所定位置に配置する。その後、新設の鉄骨柱
を水平方向へ移動して新設の鉄骨柱の水平方向のずれを
直した後、前記スリット内に配置した荷重支持装置によ
って新設の鉄骨柱を鉛直にするか、又は前記スリット内
に配置した荷重支持装置によって新設の鉄骨柱を鉛直に
した後、新設の鉄骨柱を水平方向へ移動して新設の鉄骨
柱の水平方向のずれを直す。
【0007】新設の鉄骨柱の水平方向のずれを直すに
は、前記固定ジグの前記第1のスリット部に対して進退
可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと
前記第1のスリット部に差し込まれた鉄骨柱の前記エレ
クションピースとを連結し、その後、前記第2のスリッ
ト部に対して進退可能である前記ボルトのねじ込みによ
り前記第2のスリット部に差し込まれた鉄骨柱の前記エ
レクションピースに水平方向の力を付加し、前記新設の
鉄骨柱を水平方向へ移動する。また、新設の鉄骨柱を鉛
直にするには、前記固定ジグの前記スリット内に配置し
た荷重支持装置を、前記既設の鉄骨柱のエレクションピ
ースと前記新設の鉄骨柱のエレクションピースとに係合
させ、その後、前記荷重支持装置を働かせて支持荷重を
導く。
【0008】固定ジグの第1のスリット部に対して進退
可能である前記ボルトのねじ込みにより固定ジグと前記
第1のスリット部に差し込まれた鉄骨柱のエレクション
ピースとを連結し、第2のスリット部に対して進退可能
である前記ボルトのねじ込みにより前記第2のスリット
部に差し込まれた鉄骨柱のエレクションピースに水平方
向の力を付加すると、新設の鉄骨柱は水平方向へ移動
し、水平方向のずれが直される。さらに、荷重支持装置
を働かせて支持荷重を導き、新設の鉄骨柱のエレクショ
ンピースを持ち上げると、新設の鉄骨柱は鉛直になる。
【0009】固定ジグが端のない環状のものであり、十
分な強度を持たせることが可能であることと、既設及び
新設の鉄骨柱の複数のエレクションピースが周方向に間
隔をおいて取り付けられ、上下に対応しているエレクシ
ョンピースの一方が固定ジグに連結されることから、上
下に対応しているエレクションピースの他方に固定ジグ
のボルトによって荷重を付加するだけで新設の鉄骨柱の
水平方向のずれを直すことができる。新設の鉄骨柱の水
平方向のずれを直し、鉛直にした後、又は新設の鉄骨柱
を鉛直にし、水平方向のずれを直した後、荷重を付加す
るために使用したボルトをねじ込んでエレクションピー
スと連結することにより、新設の鉄骨柱の転倒を防止で
きる。さらに、荷重支持装置を固定ジグのスリット内に
配置して支持荷重を導くことにより、新設の鉄骨柱の鉛
直を保つことができる。
【0010】固定ジグに設けた2つのスリット部のそれ
ぞれに既設の鉄骨柱のエレクションピースと新設の鉄骨
柱のエレクションピースとを差し込み、一方のスリット
部に対して進退可能であるボルトによって固定ジグとエ
レクションピースとを連結し、他方のスリット部に対し
て進退可能であるボルトによって水平方向のずれを直
し、さらに、固定ジグのスリット内に配置した荷重支持
装置によって鉛直を保つため、エレクションピースの取
付け位置とは関係なく新設の鉄骨柱を正しい姿勢に修正
する方法を実施できる。その結果、鉄骨柱の断面形状が
四角形、多角形、円形、楕円形その他の形状であって
も、断面形状の影響を受けない。また、エレクションピ
ースは鉄骨柱の隅部にある必要がなく、隅部間の中央付
近に取り付けることもできる。これにより、隅部に存在
している冷間成形時の機械的特性の影響を排除できる。
【0011】前記第2のスリット部の水平方向の幅が前
記第1のスリット部の水平方向の幅より大きくなるよう
に前記固定ジグのスリットを形成する。好ましくは前記
第1のスリット部の幅が前記既設の鉄骨柱のエレクショ
ンピースの厚さにほぼ等しい。
【0012】荷重を付加するボルトとエレクションピー
スとの間に大きなすきまがあるため、水平方向のずれを
直す範囲を広げることができる。また、最初に連結すべ
きボルトとエレクションピースとの間のすきまが小さい
ため、連結作業性を高めることができる。
【0013】前記第2のスリット部の上側に開けたボル
ト穴に進退可能に取り付けられたボルトを有することが
好ましい。
【0014】前記荷重支持装置はカムアームと、座板
と、シム板と、ねじ部材とを備える。この場合、カムア
ームと座板とシム板とが前記固定ジグの前記スリット内
に差し込まれる。前記カムアームは、作用部と、この作
用部から横方向へ間隔をおいた入力部と、前記作用部及
び前記入力部から横方向、かつ、下方向へ間隔をおいた
支点部とを有する。前記座板は、前記カムアームと前記
新設の鉄骨柱のエレクションピースとの間に配置され、
このエレクションピースと接触するものであり、前記カ
ムアームの作用部と接触する係合部と、この係合部から
横方向へ間隔をおいた、前記カムアームの前記入力部に
対応する部位に設けられ、上下に貫通するねじ穴とを有
する。前記シム板は、前記カムアームと前記既設の鉄骨
柱のエレクションピースとの間に配置され、前記カムア
ームの支点部及びこのエレクションピースと接触する。
そして、前記ねじ部材は、前記座板のねじ穴にねじ込ま
れ、前記カムアームの入力部と接触して前記カムアーム
に支持荷重を入力する。
【0015】ねじ部材を座板のねじ穴にねじ込んでねじ
部材の先端をカムアームの入力部に接触させ、ねじ部材
をさらにねじ込むと、カムアームの作用部には、作用部
から支点部までの距離と入力部から支点部までの距離と
の比、つまりアーム比に従って増力された支持荷重が働
く。この支持荷重が新設の鉄骨柱を支持する。このとき
の反力は、既設の鉄骨柱によって受け止められる。
【0016】荷重支持装置を固定ジグのスリット内にお
いて既設の鉄骨柱のエレクションピースと新設の鉄骨柱
のエレクションピースとの間のすきまに入れ、ねじ部材
をねじ込むだけで新設の鉄骨柱の荷重を支持できるた
め、操作性がよい。また、ねじ部材をねじ込むことによ
って新設の鉄骨柱の押し上げを行い、ねじ部材をねじ戻
すことによって新設の鉄骨柱の引き下げを行うことがで
き、ねじによる微調整が可能である。荷重支持装置が4
つの部品からなるため、安価であり、アーム比を適当に
選定することによって小形化することができる。さら
に、4つの部品のいずれかが破損したとき、その部品を
交換して使用することが可能であり、部品交換性がよ
い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、正面状態の図1と、平
面状態の図2と、斜視状態の図6ないし図8とを参照す
ると、複数のエレクションピース12を周方向に間隔を
おいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱10に、複数の
エレクションピース12に対応する複数のエレクション
ピース14を下方の端部に有する新設の鉄骨柱16を接
合すべきとき、既設の鉄骨柱10の上側に降ろした新設
の鉄骨柱16を正しい姿勢に修正するものである
【0018】エレクションピース12,14は同数を周
方向に間隔をおいて配置するが、図示の実施例では、4
個のエレクションピース12,14を備えており、各エ
レクションピース12,14は、隅部間の中央に位置し
ている。エレクションピース12,14は鋼板を鉄骨柱
に溶接付けしたものである。エレクションピース12,
14は、4個の他、6個、8個、12個のように複数に
定めうる。鉄骨柱が円形又は楕円形の断面形状を有する
場合、エレクションピース12,14は奇数個とするこ
ともできる。
【0019】まず、環状の固定ジグ18を所定位置に配
置する。固定ジグ18は、正面状態の図1及び背面状態
の図3を参照すると、既設の鉄骨柱10の各エレクショ
ンピース12が水平方向のすきまをおいて入る第1のス
リット部20と、新設の鉄骨柱16の各エレクションピ
ース14が水平方向のすきまをおいて入る第2のスリッ
ト部21とを有するスリット22を備える環状のもので
あり、少なくとも1本のボルトを前記各スリット部2
0,21に対して水平方向へ進退可能に取り付ける。環
状の固定ジグ18には十分な強度を持たせることが可能
である。第1のスリット20部と第2のスリット部21
とは、通常、エレクションピースを容易に差し込むこと
ができるように、水平方向にすきまがある状態で形成さ
れているため、このすきまで十分であるが、さらに大き
なすきまとして水平方向のずれを直す範囲を広げること
もできる。
【0020】図示の実施例では、第2のスリット部21
は、第1のスリット部20より水平方向の幅が大きくな
るように形成されている。また、図示の実施例では、第
1のスリット部20の幅寸法がエレクションピース12
の厚さにほぼ等しい。そして、スリット部20の片側に
2つのボルト穴24を開けてあり、2本のボルトがスリ
ット部20に対して水平方向へ進退可能に取り付けられ
る。一方、スリット部21の両側に2つのボルト穴26
を開けてあり、2本のボルトがスリット部21に対して
水平方向へ進退可能に取り付けられる。さらに、スリッ
ト部21の上側に1つのボルト穴28を開けてあり、1
本のボルトがスリット部21に対して進退可能に取り付
けられる。
【0021】固定ジグ18は、例えば50ないし80m
mの厚みの鋼板にスリット22を開けて形成することが
できる。スリット22による強度低下を補うために、2
枚の補強板30をスリット22を覆うように溶接してあ
る。
【0022】前述のように形成した固定ジグ18を、第
1のスリット部20に既設の鉄骨柱10のエレクション
ピース12を差し込むと共に、第2のスリット部21に
新設の鉄骨柱16のエレクションピース14を差し込ん
で所定位置に配置する。
【0023】固定ジグ18を所定位置に配置するには、
図6に示すように、新設の鉄骨柱16を既設の鉄骨柱1
0の上方に導いてその上側に降ろした後、固定ジグ18
のスリット部20にエレクションピース12を差し込む
と共に、スリット部21にエレクションピース14を差
し込んで、つまり固定ジグ18を両方のエレクションピ
ース12,14に向けて移動させて固定ジグ18をエレ
クションピース12,14に嵌めて配置する。このよう
にして、複数の固定ジグ18を上下に対応しているエレ
クションピース12,14の全てに関して所定位置に配
置する。
【0024】固定ジグ18を所定位置に配置する別の手
立ては、図1に示すように、新設の鉄骨柱16のエレク
ションピース14にストッパ32を上向きに取り付けて
おき、固定ジグ18のスリット部21にエレクションピ
ース14を差し込んで固定ジグ18を垂下させると共
に、ストッパ32で落下を防止した状態で新設の鉄骨柱
16を既設の鉄骨柱10の上側に降ろす。次いで、固定
ジグ18のスリット部20に既設の鉄骨柱10のエレク
ションピース12を差し込んで、つまり固定ジグ18を
振り子状に動かして固定ジグ18をエレクションピース
12に嵌めて固定ジグ18を所定位置に配置する。
【0025】固定ジグ18を、第1のスリット部20に
既設の鉄骨柱10のエレクションピース12を差し込む
と共に、第2のスリット部21に新設の鉄骨柱16のエ
レクションピース14を差し込んで所定位置に配置した
後、新設の鉄骨柱16の水平方向のずれを直し、その
後、新設の鉄骨柱16を鉛直にするか、又は新設の鉄骨
柱16を鉛直にした後、新設の鉄骨柱16の水平方向の
ずれを直すが、次には、前者を説明する。
【0026】新設の鉄骨柱16の水平方向のずれを直す
には、第1のスリット部20及び第2のスリット部21
の一方に係わるボルトをねじ込んで固定ジグ18と前記
一方のスリット部に差し込まれた鉄骨柱のエレクション
ピースとを連結する。その後、第1のスリット部20及
び第2のスリット部21の他方に係わるボルトをねじ込
んで他方のスリット部に差し込まれた鉄骨柱のエレクシ
ョンピースに荷重を付加し、新設の鉄骨柱16を水平方
向へ移動する。
【0027】図示の実施例では、第2のスリット部21
が第1のスリット部20より水平方向の幅が大きくなる
ように形成されている。そこで、鉄骨柱16のずれを直
すには、第1のスリット部20に係わるボルト穴24に
ボルト34をねじ込んで固定ジグ18と第1のスリット
部20に差し込まれた既設の鉄骨柱10のエレクション
ピース12とを連結する。その後、第2のスリット部2
1に係わるボルト穴26にボルト36をねじ込んで第2
のスリット部21に差し込まれた新設の鉄骨柱16のエ
レクションピース14に荷重を付加し、新設の鉄骨柱1
6を水平方向へ移動する。すなわち、図1において、固
定ジグ18の右にあるボルト36をねじ込むと、このボ
ルト36がエレクションピース14に突き当たり、固定
ジグ18がエレクションピース14から反力を受ける。
その結果、新設の鉄骨柱16は左に移動する。逆に、図
1において、固定ジグ18の左にあるボルト36をねじ
込むと、このボルト36がエレクションピース14に突
き当たり、固定ジグ18がエレクションピース14から
反力を受ける。その結果、新設の鉄骨柱16は右に移動
する。全ての固定ジグ18について前記した調節を行う
ことにより、新設の鉄骨柱16の水平方向のずれを直す
ことができる。固定ジグ18のボルト穴28にねじ込ま
れたボルト38は、主として鉄骨柱16の転倒防止機能
を果たす。
【0028】鉄骨柱16を鉛直にするには、固定ジグ1
8のスリット22内に荷重支持装置40を配置し、既設
の鉄骨柱10のエレクションピース12と新設の鉄骨柱
16のエレクションピース14とに係合させ、荷重支持
装置40を働かせて支持荷重を導く。固定ジグ18のス
リット22は、スリット部21を下方へ延長してスリッ
ト部20に連ねた形態となっており、荷重支持装置40
は幅の広いスリット部21の延長部分23に配置されて
いる。
【0029】荷重支持装置40は、側面状態の図4及び
図5を参照すると、固定ジグのスリット22内において
既設の鉄骨柱のエレクションピース12と新設の鉄骨柱
のエレクションピース14との間のすきま42に設置さ
れ、新設の鉄骨柱から加わる荷重を支持するものであ
り、カムアーム44と、座板46と、シム板48と、ね
じ部材50とを備える。
【0030】カムアーム44は、作用部52と、この作
用部52から横方向へ間隔をおいた入力部53と、作用
部52及び入力部53から横方向、かつ、下方向へ間隔
をおいた、エレクションピース12と接触する支点部5
4とを有する。入力部53は作用部52の横方向にある
が、これは真横の他、入力部53が作用部52より上に
あっても、逆に下にあってもよい。これに対して、支点
部54は作用部52及び入力部53の横方向で下方向に
位置させ、作用部52と、入力部53と、支点部54と
によっててこを形成するようにする。
【0031】図示の実施例では、カムアーム44は構造
用炭素鋼を研削し、焼ならしして次のような形状に作っ
てある。図5に示すように、カムアーム44の作用部5
2は上に向けて凸となった円筒面55を有し、カムアー
ム44の支点部54は下に向けて凸となった円筒面56
を有する。円筒面55及び円筒面56は、それぞれ半径
1、R2の円弧を紙面に垂直な一定の幅にわたって連ね
て形成したものである。半径R1、R2は、同じ大きさで
あってもよく、また異なる大きさであってもよい。例え
ば、カムアーム44の呼び長さL1を120-150mmに定める
とき、円筒面55,56の中心間距離L2を10-30mmに定
め、半径R1、R2を20-40mmに定めることができる。ま
た、カムアーム44の紙面に垂直な幅を30-50mmに定め
ることができる。作用部52の円筒面55は、後述する
ように、座板の係合部と面接触するものであるため、中
心角度αが大体100-120°となるようにその範囲を定め
ることが好ましい。これに対して、支点部54の円筒面
56は、シム板48と線接触し、てこの支点としての機
能を果たせばよく、中心角度は数度とすることができ
る。カムアーム44の上側では、円筒面55に傾斜面5
7を接続し、さらに傾斜面57に水平面58を接続して
ある。一方、カムアーム44の下側では、円筒面56に
2つの傾斜面59,60を接続し、傾斜面59を円筒面
55の延長部分に接続し、傾斜面60を垂直面61に接
続してある。
【0032】座板46は、カムアーム44と新設の鉄骨
柱のエレクションピース14との間に配置され、エレク
ションピース14と一部で接触するものであり、カムア
ーム44の作用部52と接触する係合部64と、この係
合部64から横方向へ間隔をおいた、カムアーム44の
入力部53に対応する部位に設けられ、上下に貫通する
ねじ穴65とを有する。図示の実施例では、座板46は
構造用炭素鋼を研削して作られており、座板46の係合
部64は上に向けて凹となった円筒面を有する。この円
筒面はカムアーム44の作用部52の円筒面と適合し、
ぴったりかみ合う。座板46のエレクションピース14
と接触する部分は、低摩擦係数の表面とすることが好ま
しい。例えば、表面の仕上げ精度を上げたり、ナイロン
のような樹脂板をはめたりすることによって低摩擦係数
とする。
【0033】シム板48は、カムアーム44と既設のエ
レクションピース12との間に配置され、カムアーム4
4の支点部54及びエレクションピース12と接触す
る。シム板48は、図示のように、カムアーム44の支
点部54と接触する面49が傾斜面となるように形成す
る。これによって、カムアーム44とエレクションピー
ス12との間のすきまの大きさが変わってもシム板48
を差し込んで、支点部54及びエレクションピース12
と接触させることができる。エレクションピース12の
上に直接カムアーム44を載せることも可能である。こ
の場合にはシム板48を省くことができる。
【0034】ねじ部材50は、座板46のねじ穴65に
ねじ込まれ、カムアーム44の入力部53と接触してカ
ムアーム44に支持荷重を入力するもので、図示の実施
例では、六角穴付きボルトである。ねじ部材50の先端
又はカムアーム44の入力部53の表面は低摩擦係数で
あることが好ましい。例えば、ねじ部材50の先端を球
面にしたり、入力部53にナイロンのような樹脂板を貼
り付けたりして低摩擦係数とする。
【0035】荷重支持装置40を使用して新設の鉄骨柱
16を鉛直にすべきとき、図7に示すように、クレーン
から垂下している吊り金具70を新設の鉄骨柱16から
外して行うことができる。まず、カムアーム44と座板
46とを固定ジグ18のスリット22内でエレクション
ピース12,14間のすきまに入れ、その後、シム板4
8を差し込むようにすれば、シム板48による調整に手
間をとらない。ねじ部材50の六角穴に工具72を差し
込んでねじ部材50をねじ込むと、カムアーム44の入
力部53が下方へ押し出され、カムアーム44の作用部
52は支点部54を中心として回転し、上方へ移動す
る。これによって新設の鉄骨柱16のエレクションピー
ス14に支持荷重を及ぼすため、図8の誇張した仮想線
のように傾斜していた鉄骨柱16を鉛直に近づけること
ができる。全ての荷重装置によってこのような調整をし
て鉄骨柱16を鉛直にする。カムアーム44の作用部5
2の移動に伴い、作用部52の円筒面と座板46の係合
部64の円筒面とがかみ合っているため、座板46は水
平方向へ移動する。鉄骨柱16の荷重は、ねじ部材50
と座板46のねじ穴65との摩擦によって受け止められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄骨柱を正しい姿勢に修正する方法を示す正面
図で、既設の鉄骨柱及び新設の鉄骨柱の所定位置に固定
ジグと荷重支持装置とを配置した状態を示している。
【図2】図1の平面図である。
【図3】固定ジグの背面図である。
【図4】荷重支持装置の側面図である
【図5】荷重支持装置に使用したカムアームの拡大側面
図である。
【図6】新設の鉄骨柱を既設の鉄骨柱の上方に導いた状
態を示す斜視図である。
【図7】新設の鉄骨柱を既設の鉄骨柱の上側に降ろし、
固定ジグを両鉄骨柱のエレクションピースに配置した状
態を示す斜視図である。
【図8】荷重支持装置によって新設の鉄骨柱を鉛直にす
る状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 既設の鉄骨柱 12,14 エレクションピース 16 新設の鉄骨柱 18 固定ジグ 20,21 スリット部 22 スリット 24,26,28 ボルト穴 34,36,38 ボルト 40 荷重支持装置 44 カムアーム 46 座板 48 シム板 50 ねじ部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/18 E04B 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエレクションピースを周方向に間
    隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に、前記エ
    レクションピースに対応する複数のエレクションピース
    を下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき、
    前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱を
    正しい姿勢に修正するのに使用する環状の固定ジグであ
    って、 前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが水平方向の
    すきまをおいて入る第1のスリット部と、前記新設の鉄
    骨柱の各エレクションピースが水平方向のすきまをおい
    て入る第2のスリット部とからなり、前記第2のスリッ
    ト部の水平方向の幅が前記第1のスリット部の水平方向
    の幅より大きいスリットを有し、また、前記各スリット
    部に対して水平方向へ進退可能に取り付けられた少なく
    とも1本のボルトと、前記スリット内に配置される荷重
    支持装置とを有し、 前記荷重支持装置が、 作用部と、この作用部から横方向へ間隔をおいた入力部
    と、前記作用部及び前記入力部から横方向、かつ、下方
    向へ間隔をおいた支点部とを有するカムアームと、 このカムアームと前記新設の鉄骨柱のエレクションピー
    スとの間に配置され、このエレクションピースと接触す
    る係合部と、この係合部から横方向へ間隔をおいた、前
    記カムアームの前記入力部に対応する部位に設けられ、
    上下に貫通するねじ穴とを有する座板と、 前記カムアームと前記既設の鉄骨柱のエレクションピー
    スとの間に配置され、前記カムアームの支点部及びこの
    エレクションピースと接触するシム板と、 前記座板のねじ穴にねじ込まれ、前記カムアームの入力
    部と接触して前記カムアームに支持荷重を入力するねじ
    部材とを備える、固定ジグ。
  2. 【請求項2】 前記第2のスリット部の上側に開けたボ
    ルト穴に進退可能に取り付けられたボルトを有する、請
    求項1に記載の固定ジグ。
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