JP3374509B2 - ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造 - Google Patents
ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造Info
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- ball
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- ball screw
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B24—GRINDING; POLISHING
- B24B—MACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
- B24B19/00—Single-purpose machines or devices for particular grinding operations not covered by any other main group
- B24B19/02—Single-purpose machines or devices for particular grinding operations not covered by any other main group for grinding grooves, e.g. on shafts, in casings, in tubes, homokinetic joint elements
- B24B19/022—Single-purpose machines or devices for particular grinding operations not covered by any other main group for grinding grooves, e.g. on shafts, in casings, in tubes, homokinetic joint elements for helicoidal grooves
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H25/00—Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms
- F16H25/18—Gearings comprising primarily only cams, cam-followers and screw-and-nut mechanisms for conveying or interconverting oscillating or reciprocating motions
- F16H25/20—Screw mechanisms
- F16H25/22—Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members
- F16H25/2204—Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls
- F16H25/2214—Screw mechanisms with balls, rollers, or similar members between the co-operating parts; Elements essential to the use of such members with balls with elements for guiding the circulating balls
-
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- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T74/00—Machine element or mechanism
- Y10T74/19—Gearing
- Y10T74/19642—Directly cooperating gears
- Y10T74/19698—Spiral
- Y10T74/19702—Screw and nut
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- Y10T74/19767—Return path geometry
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、ボール循環チューブ
式ボールねじ及びボール循環こま式ボールねじにおける
ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造の改良
に関する。 【０００２】 【従来の技術】ボールねじ装置には、ボールが循環する
経路が内設されている。その循環経路の構造としては、
ボール循環チューブ又はボール循環こまをボールねじナ
ットの胴部に配設したものと、ボール循環用彎曲路をボ
ールねじナットの前後両端に配設したものが知られてい
る。ボール循環チューブ又はボール循環こまを用いた循
環経路（サーキット）はナット毎に一ないし数系列設け
られるが、複数系列のサーキットを有する場合、一のサ
ーキットとこれに隣接する他のサーキットとの間に、ボ
ールの循環しないすなわちボールの通過しない溝部分
（サーキット外溝という）が存在する。 【０００３】例えば図５ないし図７は、ボール循環チュ
ーブ式ボールねじのナットの場合を示したもので、第１
のサーキットＳ１と第２のサーキットＳ２間にサーキッ
ト外溝Ｓout が存在することになる。このようなボール
循環チューブ式ボールねじナット２を組み立てる場合
は、循環チューブ３を取り外した状態のボールねじナッ
ト２にねじ軸１を通し、ナット胴部のボール循環穴４か
らボールＢを順に挿入して、ボールねじナット２の内周
面のねじ溝２ａとこれに対向したねじ軸１の外周面のね
じ溝１ａとで形成されるボール通路にボールＢを充填し
ていく。そして、ボール循環穴４まで一杯にボールＢが
充填されたら、予めボールＢを別途に充填してあるＵ形
の循環チューブ３の両脚部をそれぞれボール循環穴４に
差し込み、そのボール循環穴４を留め具でナット胴部に
固定して組み立てを完了する。 【０００４】ボール循環系列が二系列ある場合、第１の
サーキットＳ１内のねじ溝Ｓ１in（サーキット内溝とい
う）と第２のサーキットＳ２内のねじ溝Ｓ２inとの間に
あるサーキット外溝Ｓout には、本来ボールＢは存在し
ないのであるが、上記のボール充填作業中に誤って挿入
されてしまうと、循環チューブ３の末端のタング部３ａ
が破損するなどして、ボールねじの機能が損なわれるお
それがある。 【０００５】従来は、このようなサーキット外溝Ｓout
へのボールの誤挿入（サーキット外ボールＢout ）を防
止する構造として、図８に示すようなデフレクタ５を図
９，図１０に示すようにボールねじナット２のサーキッ
ト外溝Ｓout に装着することが行われている。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デフレ
クタ５を用いた従来のボールねじナットのサーキット外
ボール防止構造は、図８のような複雑な形状の鉄製デフ
レクタ５をわざわざ製作して装着しなければならず、材
料の点でも、また製作工数や組み立て工数、部品点数の
上でもコストアップを招くという問題点がある。 【０００７】そこでこの発明は、このような従来の問題
点に着目してなされたものであり、デフレクタを用いず
にサーキット外ボールを完全に防止できるボールねじナ
ットのサーキット外ボール防止構造を提供することを目
的としている。 【０００８】 【課題を解決するための手段】この発明のボールねじナ
ットのサーキット外ボール防止構造は、内周面にボール
循環用の複数系列のサーキットを有するボールねじナッ
トにおいて、サーキット外溝の斜径寸法を、サーキット
内溝の斜径寸法より小さくしたことを特徴とするもので
ある。 【０００９】 【作用】この発明によれば、ボールねじナットのサーキ
ット外溝にサーキット外ボールが誤挿入された場合は、
サーキット外溝の通路が狭いのでボールねじナット２が
ロックされてしまい、ねじ軸とボールねじナットとを相
対回転させることができなくなるので、サーキット外ボ
ールの存否が簡単に確認できる。 【００１０】 【実施例】以下に、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。図１は、前記図１０に対応させて表した一実
施例の縦断面図、図２はそのII矢視で示す要部断面図
（但し、循環チューブは省略）である。なお、従来と同
一または相当部分には同一の符号を付している。 【００１１】この実施例のボールねじナットの場合、ボ
ールねじナット２の第１のサーキット内溝Ｓ１inと第２
のサーキット内溝Ｓ２inとの間のサーキット外溝Ｓout
の斜径寸法Ｄout は、各サーキット内溝Ｓ１in，Ｓ２in
における斜径寸法Ｄinよりαだけ小さく形成されてい
る。すなわち、 Ｄout ＝Ｄin−α である。 【００１２】上記の斜径寸法（Ｄout ，Ｄin等）は、不
図示の測定器の鋼球（測定子）をボールねじナット２の
ねじ溝２ａに沿って移動させたときの（１ピッチ以内
の）最大値をそれぞれ算出して採用している。このよう
なサーキット外溝Ｓout の加工方法を図３，図４により
説明する。この加工は、ボールねじナット２の製造工程
におけるナットねじ溝２ａの研削工程において行われ
る。 【００１３】すなわち、研削盤１０の主軸１１のチャッ
ク１２に、被加工物であるボールねじナット２を直接ま
たは取付治具を介して取り付ける。予めナットねじ溝２
ａの形状寸法に合わせて成形された研削砥石１３を、高
周波スピンドル１４にクイル１５を介して装着して、こ
れをボールねじナット２内に挿入し所定のリードで送り
つつナットねじ溝２ａを研削加工する。その際、サーキ
ット外の範囲２０を研削する間のみは、研削砥石１３を
逃がしてサーキット外溝Ｓout の斜径寸法Ｄout をマイ
ナスさせるものである。 【００１４】具体的には、図２に示すように、ワークで
あるボールねじナット２の中心線ＣＬw より研削サイド
に偏心しているサーキット内溝Ｓ１in及びＳ２inの研削
時の砥石中心線Ｃinに対して、サーキット外の範囲２０
での砥石中心線Ｃout をｔだけ内側へ逃がす。これによ
り、斜径寸法Ｄout とＤinとの関係を上式Ｄout ＝Ｄin
−αで示されるものとする。 【００１５】上記のサーキット外溝Ｓout の逃がし加工
における位相合わせは、以下のように行う。図４におい
て、Ｐ0 は定位置（加工原点）、Ｐ1 はアプローチ位
置、Ｐ2 は初めのサーキット外逃がし位置、Ｐ3 は次の
サーキット外逃がし位置（すなわちサーキットが３系列
以上ある場合）、Ｌはアプローチ量、Ｓｔはアプローチ
位置Ｐ 1 以降の砥石１３のストローク長である。 【００１６】はじめ砥石１３を定位置Ｐ0 からアプロー
チ量Ｌだけ送り、アプローチ位置Ｐ 1 に達してからｎリ
ード目までは砥石１３の中心線をサーキット内溝研削時
砥石中心線Ｃinに合わせて初めのサーキット内溝Ｓinの
研削加工を行う。そして、ｎリード目の初めのサーキッ
ト外逃がし位置Ｐ2 に達した時、砥石１３をｔだけ（例
えば１５０μｍ）逃がしてその中心線をサーキット外の
範囲２０（ｎリード目を基準にワーク回転角度でその前
後±β°の範囲、βは例えば９°とする）においては、
砥石１３の中心線をサーキット外溝研削時砥石中心線Ｃ
out に一致させ、斜径寸法Ｄout を斜径寸法Ｄinに対し
てα分（この場合１５２μｍ）マイナスさせる。このｎ
リード目でのサーキット外逃がし位置Ｐ2 の位相設定
は、被加工ワーク（ボールねじナット２）の諸元に応じ
て前記Ｌアプローチ量Ｌを調整（これは例えば、ＮＣの
マクロ変数入力）することにより行う。 【００１７】続くｎ’リードは、砥石１３の中心線をサ
ーキット内溝研削時砥石中心線Ｃinに合わせて次のサー
キット内溝Ｓinの研削加工を行う。そして、ｎ’リード
目のサーキット外逃がし位置Ｐ3 においては、再びワー
ク回転角±β°の範囲で砥石１３の中心線をサーキット
外溝研削時砥石中心線Ｃout に一致させて砥石１３を逃
がし位置に保持する。 【００１８】上記のｎ，ｎ’，β，Ｌの各設定値は、被
加工ワーク（ボールねじナット２）の諸元変更ごとに変
更する。このようにして加工したボールねじナット２に
ボールＢを充填して組み立てる際に、ボールねじナット
２のサーキット外溝Ｓout にサーキット外ボールＢout
が誤挿入された場合は、サーキット外溝Ｓout の通路が
サーキット内溝Ｓinの通路より狭くなり、ボールねじナ
ット２がロックされてねじ軸１とボールねじナット２と
を相対回転させることができなくなるので、サーキット
外ボールＢout の存否が簡単に確認できる。したがっ
て、サーキット外ボールＢout の存在を見落としままボ
ールねじ装置を使用して、その結果循環チューブ３の末
端のタング部３ａが破損するなどの事故は未然に防止で
きる。 【００１９】しかも、従来のようにデフレクタ５をわざ
わざ製作して装着する必要はなく、材料の点でも、組み
立て工数、部品点数の上でもコストアップを招くという
ことがないし、製作工数に関しても砥石を部分的に逃が
すだけであるから特に増加するということはない。な
お、上記実施例は、サーキット内溝Ｓinが２系列，３系
列の場合を説明したがそれ以上の系列を有するものにも
同様に適用可能である。 【００２０】また、上記実施例では、循環チューブ方式
のボールねじナットについて説明したが、これに限ら
ず、循環こま方式のボールねじナットについても適用す
ることができる。 【００２１】 【発明の効果】以上説明したように、この発明のボール
ねじナットのサーキット外ボール防止構造にあっては、
内周面にボール循環用の複数系列のサーキットを有する
ボールねじナットにおけるサーキット外溝の斜径寸法
を、サーキット内溝の斜径寸法より小さくしたため、デ
フレクタを用いずにサーキット外ボールを完全に防止で
き、その結果、材料，製作工数，組み立て工数，部品点
数を低減してコストダウンできるという効果を奏する。
式ボールねじ及びボール循環こま式ボールねじにおける
ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造の改良
に関する。 【０００２】 【従来の技術】ボールねじ装置には、ボールが循環する
経路が内設されている。その循環経路の構造としては、
ボール循環チューブ又はボール循環こまをボールねじナ
ットの胴部に配設したものと、ボール循環用彎曲路をボ
ールねじナットの前後両端に配設したものが知られてい
る。ボール循環チューブ又はボール循環こまを用いた循
環経路（サーキット）はナット毎に一ないし数系列設け
られるが、複数系列のサーキットを有する場合、一のサ
ーキットとこれに隣接する他のサーキットとの間に、ボ
ールの循環しないすなわちボールの通過しない溝部分
（サーキット外溝という）が存在する。 【０００３】例えば図５ないし図７は、ボール循環チュ
ーブ式ボールねじのナットの場合を示したもので、第１
のサーキットＳ１と第２のサーキットＳ２間にサーキッ
ト外溝Ｓout が存在することになる。このようなボール
循環チューブ式ボールねじナット２を組み立てる場合
は、循環チューブ３を取り外した状態のボールねじナッ
ト２にねじ軸１を通し、ナット胴部のボール循環穴４か
らボールＢを順に挿入して、ボールねじナット２の内周
面のねじ溝２ａとこれに対向したねじ軸１の外周面のね
じ溝１ａとで形成されるボール通路にボールＢを充填し
ていく。そして、ボール循環穴４まで一杯にボールＢが
充填されたら、予めボールＢを別途に充填してあるＵ形
の循環チューブ３の両脚部をそれぞれボール循環穴４に
差し込み、そのボール循環穴４を留め具でナット胴部に
固定して組み立てを完了する。 【０００４】ボール循環系列が二系列ある場合、第１の
サーキットＳ１内のねじ溝Ｓ１in（サーキット内溝とい
う）と第２のサーキットＳ２内のねじ溝Ｓ２inとの間に
あるサーキット外溝Ｓout には、本来ボールＢは存在し
ないのであるが、上記のボール充填作業中に誤って挿入
されてしまうと、循環チューブ３の末端のタング部３ａ
が破損するなどして、ボールねじの機能が損なわれるお
それがある。 【０００５】従来は、このようなサーキット外溝Ｓout
へのボールの誤挿入（サーキット外ボールＢout ）を防
止する構造として、図８に示すようなデフレクタ５を図
９，図１０に示すようにボールねじナット２のサーキッ
ト外溝Ｓout に装着することが行われている。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デフレ
クタ５を用いた従来のボールねじナットのサーキット外
ボール防止構造は、図８のような複雑な形状の鉄製デフ
レクタ５をわざわざ製作して装着しなければならず、材
料の点でも、また製作工数や組み立て工数、部品点数の
上でもコストアップを招くという問題点がある。 【０００７】そこでこの発明は、このような従来の問題
点に着目してなされたものであり、デフレクタを用いず
にサーキット外ボールを完全に防止できるボールねじナ
ットのサーキット外ボール防止構造を提供することを目
的としている。 【０００８】 【課題を解決するための手段】この発明のボールねじナ
ットのサーキット外ボール防止構造は、内周面にボール
循環用の複数系列のサーキットを有するボールねじナッ
トにおいて、サーキット外溝の斜径寸法を、サーキット
内溝の斜径寸法より小さくしたことを特徴とするもので
ある。 【０００９】 【作用】この発明によれば、ボールねじナットのサーキ
ット外溝にサーキット外ボールが誤挿入された場合は、
サーキット外溝の通路が狭いのでボールねじナット２が
ロックされてしまい、ねじ軸とボールねじナットとを相
対回転させることができなくなるので、サーキット外ボ
ールの存否が簡単に確認できる。 【００１０】 【実施例】以下に、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。図１は、前記図１０に対応させて表した一実
施例の縦断面図、図２はそのII矢視で示す要部断面図
（但し、循環チューブは省略）である。なお、従来と同
一または相当部分には同一の符号を付している。 【００１１】この実施例のボールねじナットの場合、ボ
ールねじナット２の第１のサーキット内溝Ｓ１inと第２
のサーキット内溝Ｓ２inとの間のサーキット外溝Ｓout
の斜径寸法Ｄout は、各サーキット内溝Ｓ１in，Ｓ２in
における斜径寸法Ｄinよりαだけ小さく形成されてい
る。すなわち、 Ｄout ＝Ｄin−α である。 【００１２】上記の斜径寸法（Ｄout ，Ｄin等）は、不
図示の測定器の鋼球（測定子）をボールねじナット２の
ねじ溝２ａに沿って移動させたときの（１ピッチ以内
の）最大値をそれぞれ算出して採用している。このよう
なサーキット外溝Ｓout の加工方法を図３，図４により
説明する。この加工は、ボールねじナット２の製造工程
におけるナットねじ溝２ａの研削工程において行われ
る。 【００１３】すなわち、研削盤１０の主軸１１のチャッ
ク１２に、被加工物であるボールねじナット２を直接ま
たは取付治具を介して取り付ける。予めナットねじ溝２
ａの形状寸法に合わせて成形された研削砥石１３を、高
周波スピンドル１４にクイル１５を介して装着して、こ
れをボールねじナット２内に挿入し所定のリードで送り
つつナットねじ溝２ａを研削加工する。その際、サーキ
ット外の範囲２０を研削する間のみは、研削砥石１３を
逃がしてサーキット外溝Ｓout の斜径寸法Ｄout をマイ
ナスさせるものである。 【００１４】具体的には、図２に示すように、ワークで
あるボールねじナット２の中心線ＣＬw より研削サイド
に偏心しているサーキット内溝Ｓ１in及びＳ２inの研削
時の砥石中心線Ｃinに対して、サーキット外の範囲２０
での砥石中心線Ｃout をｔだけ内側へ逃がす。これによ
り、斜径寸法Ｄout とＤinとの関係を上式Ｄout ＝Ｄin
−αで示されるものとする。 【００１５】上記のサーキット外溝Ｓout の逃がし加工
における位相合わせは、以下のように行う。図４におい
て、Ｐ0 は定位置（加工原点）、Ｐ1 はアプローチ位
置、Ｐ2 は初めのサーキット外逃がし位置、Ｐ3 は次の
サーキット外逃がし位置（すなわちサーキットが３系列
以上ある場合）、Ｌはアプローチ量、Ｓｔはアプローチ
位置Ｐ 1 以降の砥石１３のストローク長である。 【００１６】はじめ砥石１３を定位置Ｐ0 からアプロー
チ量Ｌだけ送り、アプローチ位置Ｐ 1 に達してからｎリ
ード目までは砥石１３の中心線をサーキット内溝研削時
砥石中心線Ｃinに合わせて初めのサーキット内溝Ｓinの
研削加工を行う。そして、ｎリード目の初めのサーキッ
ト外逃がし位置Ｐ2 に達した時、砥石１３をｔだけ（例
えば１５０μｍ）逃がしてその中心線をサーキット外の
範囲２０（ｎリード目を基準にワーク回転角度でその前
後±β°の範囲、βは例えば９°とする）においては、
砥石１３の中心線をサーキット外溝研削時砥石中心線Ｃ
out に一致させ、斜径寸法Ｄout を斜径寸法Ｄinに対し
てα分（この場合１５２μｍ）マイナスさせる。このｎ
リード目でのサーキット外逃がし位置Ｐ2 の位相設定
は、被加工ワーク（ボールねじナット２）の諸元に応じ
て前記Ｌアプローチ量Ｌを調整（これは例えば、ＮＣの
マクロ変数入力）することにより行う。 【００１７】続くｎ’リードは、砥石１３の中心線をサ
ーキット内溝研削時砥石中心線Ｃinに合わせて次のサー
キット内溝Ｓinの研削加工を行う。そして、ｎ’リード
目のサーキット外逃がし位置Ｐ3 においては、再びワー
ク回転角±β°の範囲で砥石１３の中心線をサーキット
外溝研削時砥石中心線Ｃout に一致させて砥石１３を逃
がし位置に保持する。 【００１８】上記のｎ，ｎ’，β，Ｌの各設定値は、被
加工ワーク（ボールねじナット２）の諸元変更ごとに変
更する。このようにして加工したボールねじナット２に
ボールＢを充填して組み立てる際に、ボールねじナット
２のサーキット外溝Ｓout にサーキット外ボールＢout
が誤挿入された場合は、サーキット外溝Ｓout の通路が
サーキット内溝Ｓinの通路より狭くなり、ボールねじナ
ット２がロックされてねじ軸１とボールねじナット２と
を相対回転させることができなくなるので、サーキット
外ボールＢout の存否が簡単に確認できる。したがっ
て、サーキット外ボールＢout の存在を見落としままボ
ールねじ装置を使用して、その結果循環チューブ３の末
端のタング部３ａが破損するなどの事故は未然に防止で
きる。 【００１９】しかも、従来のようにデフレクタ５をわざ
わざ製作して装着する必要はなく、材料の点でも、組み
立て工数、部品点数の上でもコストアップを招くという
ことがないし、製作工数に関しても砥石を部分的に逃が
すだけであるから特に増加するということはない。な
お、上記実施例は、サーキット内溝Ｓinが２系列，３系
列の場合を説明したがそれ以上の系列を有するものにも
同様に適用可能である。 【００２０】また、上記実施例では、循環チューブ方式
のボールねじナットについて説明したが、これに限ら
ず、循環こま方式のボールねじナットについても適用す
ることができる。 【００２１】 【発明の効果】以上説明したように、この発明のボール
ねじナットのサーキット外ボール防止構造にあっては、
内周面にボール循環用の複数系列のサーキットを有する
ボールねじナットにおけるサーキット外溝の斜径寸法
を、サーキット内溝の斜径寸法より小さくしたため、デ
フレクタを用いずにサーキット外ボールを完全に防止で
き、その結果、材料，製作工数，組み立て工数，部品点
数を低減してコストダウンできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例の要部の横断面図である。
【図２】図１のII矢視で示す要部の断面図である。
【図３】この発明を実施するための加工方法の説明図で
ある。 【図４】同じく加工方法の説明図である。 【図５】従来のサーキットが２系列あるボールねじナッ
トのボール循環路を説明する模式図である。 【図６】図５のVI−VI線矢視で示すボールねじナットの
断面図である。 【図７】図６のVII −VII 線矢視で示すボールねじナッ
トの断面図である。 【図８】従来のデフレクタの正面図である。 【図９】デフレクタを用いた従来のサーキット外ボール
防止構造を示す断面図である。 【図１０】図９のX −X 線矢視で示すボールねじナット
の断面図である。 【符号の説明】 ２ ボールねじナット ２ａ ナットねじ溝 ３ 循環チューブ Ｓ サーキット Ｓin サーキット内溝 Ｓout サーキット外溝 Ｄin 斜径寸法（サーキット内溝の） Ｄout 斜径寸法（サーキット外溝の）
ある。 【図４】同じく加工方法の説明図である。 【図５】従来のサーキットが２系列あるボールねじナッ
トのボール循環路を説明する模式図である。 【図６】図５のVI−VI線矢視で示すボールねじナットの
断面図である。 【図７】図６のVII −VII 線矢視で示すボールねじナッ
トの断面図である。 【図８】従来のデフレクタの正面図である。 【図９】デフレクタを用いた従来のサーキット外ボール
防止構造を示す断面図である。 【図１０】図９のX −X 線矢視で示すボールねじナット
の断面図である。 【符号の説明】 ２ ボールねじナット ２ａ ナットねじ溝 ３ 循環チューブ Ｓ サーキット Ｓin サーキット内溝 Ｓout サーキット外溝 Ｄin 斜径寸法（サーキット内溝の） Ｄout 斜径寸法（サーキット外溝の）
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平１−261551（ＪＰ，Ａ)
特開 昭59−29867（ＪＰ，Ａ)
特開 昭63−135640（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−174205（ＪＰ，Ａ)
実公 昭52−32075（ＪＰ，Ｙ１)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F16H 25/20 - 25/24
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 内周面にボール循環用の複数系列のサー
キットを有するボールねじナットにおいて、サーキット
外溝の斜径寸法を、サーキット内溝の斜径寸法より小さ
くしたことを特徴とするボールねじナットのサーキット
外ボール防止構造。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04430694A JP3374509B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造 |
| US08/404,443 US5586469A (en) | 1994-03-15 | 1995-03-15 | Out-of-circuit ball preventing structure for ball screw nut |
| DE19509265A DE19509265C2 (de) | 1994-03-15 | 1995-03-15 | Kugelspindelmutter sowie Verfahren zu ihrer Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04430694A JP3374509B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | ボールねじナットのサーキット外ボール防止構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07253146A JPH07253146A (ja) | 1995-10-03 |
| JP3374509B2 true JP3374509B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=12687815
Family Applications (1)
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