JP2004263728A - ボールねじ装置 - Google Patents

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昌弘 井上
Norio Usuki
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Abstract

【課題】ボール群を閉ループ内で転動循環させるために、リターンチューブや循環こまといった特別な部材を設けたボールねじ装置では、部品点数が増加し、あるいは場合によっては製造コストが高くなることが考えられる。
【解決手段】二条のねじ溝31,32の個々を独立した閉ループとしてボール群4を転動循環させるよう構成したことで、従来に比べて部品点数を減らし、製造コストを低減し得るとともに、ねじ溝31,32が荷重を負担しない領域であるボール循環溝33,34で接続されていても、ボール循環溝33,34どうしをねじ溝方向にずらすことで、ナット部材2およびねじ軸3の周方向で荷重を負担しない領域を減らし、あるいはなくすことができ、ボールねじ装置1の負荷負担能力の低下を抑えることができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじ装置では、ねじ軸とナット部材とが伸縮動作した場合であっても、それらに形成した各ねじ溝を転動するボール群の抜出しを防止する必要がある。このため、ねじ軸のねじ溝とナット部材のねじ溝とで形成するボール通路の両端を連通連結して閉ループとし、ボール群を閉ループ内で転動循環させる技術がある。
【0003】
このように、ボール群を閉ループ内で転動循環させるために、リターンチューブ(例えば、特許文献1参照)や、循環こま(例えば、特許文献2参照)を用いる。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−253146号
【特許文献2】
特開2000−18360号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のボールねじ装置では、ボール群を閉ループ内で転動循環させるために、リターンチューブや、循環こまといった特別な部材を設けている。
【0006】
このため、部品点数が増加し、あるいは場合によっては製造コストが高くなることが考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のボールねじ装置は、ねじ軸と、このねじ軸に同心に配置されるナット部材とが、軸心周りに相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられ、前記ナット部材の内周面に連続した一条のねじ溝が形成され、前記ねじ軸の外周面に、ねじ軸一周に満たない周方向長さを有する複数条のねじ溝が軸方向に離隔して形成され、前記各ねじ溝は、ボール転動方向における上流と下流とを連続するよう前記ねじ軸に形成されたボール循環溝で接続され、前記ボール循環溝どうしは、その軸方向投影領域を互いに周方向でずらして配置されている。
【0008】
上記構成のボールねじ装置では、ねじ軸とナット部材とが軸心周りに相対回転する動作に伴なって下流側のボールがナット部材のねじ山を乗越えるようボール循環溝に沿って内径側に沈みこみ上流側へ戻されるようにしている。
【0009】
上記構成のように、ねじ軸そのものにボール循環溝を形成してねじ溝を閉ループとし、これによりボールを循環させることで、リターンチューブや循環こまといった特別な部材を設ける場合に比べて部品点数を減らし、製造コストを低減することができる。
【0010】
また、各ボール循環溝は各ねじ溝の下流のボールを内径側へ沈みこませることでナット部材のねじ山を乗り越えさせて上流へ戻すものであるため、ボール循環溝が存在する領域は荷重を負担しない領域となる。しかし、ボール循環溝どうしを互いにねじ溝方向でずらす、すなわち軸方向投影領域を互いに周方向でずらして配置した構成とすることにより、ずらした分だけ荷重を負担しない領域が減ることになり、ボールねじ装置全体としての荷重支持剛性が向上する。
【0011】
前記ボールねじ装置において、前記ボール循環溝どうしは、その軸方向投影領域に重なりがないよう互いに周方向でずらして配置されている。
【0012】
このように、ボール循環溝どうしを、軸方向投影領域での重なりの領域をもたないよう、互いにねじ溝方向にずらして配置した構成によれば、荷重を負担しない領域がなくなり、ボールねじ装置全体としての荷重支持剛性がいっそう向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るボールねじ装置を、図面に基づいて説明する。図1はボールねじ装置の全体縦断面図、図2は図1の状態からナット部材を軸方向一方へ移動させた状態を示す全体縦断面図、図3はボールねじ装置の分解斜視図、図4はボール循環経路を拡大した一部破断断面図、図5はボール循環経路の要部拡大側面図、図6はボール循環経路の要部拡大正面断面図、図7はボール循環経路全体の線形図である。
【0014】
図1に示すように、この実施の形態に係るボールねじ装置1は、筒状のナット部材2と、筒状のねじ軸3と、ナット部材2およびねじ軸3の対向面間に配置される二列のボール群4と、これらボール群4を構成するボール4aを円周方向等配位置に保持する保持器リング5と、ナット部材2に回転一体に外嵌する金属製のブラケット8と、このブラケット8に外嵌する樹脂製の歯車9とを備えている。
【0015】
ナット部材2の内周面に、その一方軸端から他方軸端まで所定のリード角を有する連続した、螺旋状の一条のねじ溝21が形成されている。
【0016】
ねじ軸3は、ナット部材2の径方向内方位置でかつナット部材2と同心に配置され、ナット部材2の軸方向長さよりも短い長さに形成されている。ねじ軸3の内周面の軸方向途中に、径方向内方に突出する環状の補強部3aが形成されている。ねじ軸3は、図示しないケースなどの固定部分に対して非回転かつ軸方向不動に取り付けられる。ねじ軸3に対してナット部材2が回転可能かつ軸方向移動可能に設けられる。
【0017】
ねじ軸3の外周面軸方向途中部位に、軸方向に離隔する二条の独立したねじ溝31,32が形成されている。それぞれのねじ溝31,32は、ナット部材2の内周面に形成したねじ溝21と等しいリード角を有し、それぞれねじ軸3一周に満たない周方向長さに形成されている。ねじ溝21およびねじ溝31,32の断面形状は、ゴシックアーク形状に形成されている。なお、ゴシックアーク形状でなく半円形状とすることもできる。
【0018】
図2に示すように、ナット部材2とねじ軸3とは、最大に引離された最大伸長状態で軸方向所定長さの重合領域が確保されており、ねじ溝31,32は、この重合領域に配置されている。
【0019】
図3〜図5に示すように、ボール軌道の上流・下流、すなわちねじ溝31,32の上流・下流どうしは、ボール循環溝33,34を介して連通連結され、それぞれ別個に閉ループとされている。
【0020】
ナット部材2に形成したねじ溝21、およびねじ軸3に形成したねじ溝31,32間に前記二列のボール群4が介装され、ナット部材2が軸心周りに回転することで、ナット部材2とねじ軸3との対向面間で各ボール群4がそれぞれ独立して循環される。
【0021】
すなわちボール循環溝33,34は、ねじ溝31,32の下流側のボール4aを順次内径側へ沈みこませ、ナット部材2のねじ山(ランド部ともいう)22を乗越えさせて上流側へ戻すことで、各列のボール群4のボール4aを、それぞれ独立して転動循環させる機能を有する。このため、ボール循環溝33,34は、ねじ溝31,32からねじ軸3の内径側に沈みこむよう湾曲し、かつ側面視して蛇行した形状になっている。
【0022】
以下に、各ボール循環溝33,34の形状について、転動するボール4aの中心軌跡Cに基づいて説明する。また各ボール循環溝33,34どうしの形状は同一なので、一方のボール循環溝33の形状の説明をもって、他方のボール循環溝34の形状の説明を代用する。
【0023】
ねじ溝31とボール循環溝33との関係条件として、ボール4aの出入りを円滑にする必要がある。この点に着目した場合、ボール循環溝33の周方向での長さ、すなわち図6に示すボール循環溝33の占有角度θ1をできるだけ大きくすれば実現できることは明らかである。
【0024】
しかし、ボール循環溝33は、ボール4aを内径側へ沈みこませることでねじ溝31を転動する下流のボール4aを上流へ戻すものであるため、ボール循環溝33を転動するボール4aは、スラスト荷重やラジアル荷重を受けることができない。
【0025】
このため、ボール循環溝33の周方向での長さ、換言すれば占有角度θ1はできるだけ小さい方が望ましく、これによって荷重負担領域を可及的に大きくできる。このような点を考慮してボール循環溝33の形状は決定される。
【0026】
図5に示す傾き角αは、ねじ軸3の側面視において、軸方向Dとボール循環溝33を転動するボール4aの中心軌跡Cとの交叉角度を示す。この傾き角αは40°〜60°に設定している。
【0027】
傾き角αを大きくする(例えば、60°を超える値)ほど、ボール循環溝33のボール4a移動方向の長さが長くなる。このことは即ち、占有角度θ1が大きくなることを意味する。傾き角αが大きい場合、ボール4aに働く転がり抵抗が小さくなるため、ボール4aの動作円滑性は向上する。しかしボール循環溝33の長さが長くなるほどスラスト荷重やラジアル荷重を負担する負荷容量が小さくなる。
【0028】
逆に、傾き角αを小さくする(例えば、45°未満の値)ほどボール4a転動方向の長さが短くなり、占有角度θ1が小さくなって、負荷容量は、上記傾き角αが大きい場合に比べて高くなる。しかしボール4aに働く転がり抵抗が大きくなって、ボール4aの動作円滑性は低下する。
【0029】
上記したように、傾き角αを大きくとれば、ボール4aの動作円滑性は向上するが、占有角度θ1が大きくなって負荷容量が低くなることを考慮し、傾き角αを可及的に小さくするよう上記範囲内(40°〜60°)に規定することで、占有角度θ1を可及的に小さくし、負荷容量を高めるようにする。
【0030】
ところで、ねじ溝31とボール循環溝33とは、ボール4aを円滑に転動させるために、緩やかに連接する必要がある。このために、図5に示すように、側面視してねじ溝31とボール循環溝33との連接する部分を転動するボール4aの中心軌跡Cが、ボール4aの直径rに対して1.8倍以上の曲率半径Rを有する曲線とする。
【0031】
このようにすることにより、ボール4aがボール循環溝33に入るときや、ボール循環溝33から出るときの方向転換過程において、ボール4aに働く転がり抵抗を可及的に小さくすることができる。そのため、ボール4aが蛇行して転がる動作が滑らかになって、耐摩耗が向上する(摩耗量が少なくなる)。
【0032】
図6に示すように、正面視してボール循環溝33は、ボール4aの転動方向の中間領域を径方向で沈みこむよう湾曲した形状(凹曲形状)に形成されており、かつボール4aの転動方向の両端側領域で径方向外方に膨らむよう湾曲した形状(凸曲形状)に形成されている。ボール循環溝33のボール転動方向両端領域を転動するボール4aの中心軌跡Cと、ねじ溝31を転動するボール4aの中心軌跡Cとは、所定の角度βをもって交叉する。
【0033】
この角度βは、ねじ溝31を転動するボール4aの中心軌跡Cである大円弧R1と、ボール循環溝33の端部分を転動するボール4aの中心軌跡Cである小円弧R2との交点Kにおいて、大円弧R1側からの第一接線Yと、小円弧R2側からの第二接線Zとの交叉角度である。角度βは、0°よりも大きく30°以下好ましくは20°以下に設定されている。大円弧R1の曲率中心P1から交点Kを通る直線G上に、小円弧R2の曲率中心P2を配置すれば、交叉角度βは0°となる。
【0034】
交叉角度βを所定角度範囲に設定すれば、ねじ溝31とボール循環溝33との間をボール4aが出入りする過程におけるボール4aの径方向での変位量を小さくすることができ、従ってボール4aの出入りが円滑になる。なお、交叉角度βを30°よりも大きく設定した場合、ねじ溝31とボール4aの径方向での変位量が大きくなりすぎるため、好ましくない。
【0035】
占有角度θ1を有するボール循環溝33はボール4aが荷重を負担できない領域であり、この領域を可及的に小さくすることにより、負荷容量を可及的に高めるようにした上で、ボール循環溝33を転動するボール4aに働く転がり抵抗を可及的に小さくすることにより、ボール4aの転がり状態を滑らかにするようにしている。上記のことは、他方のボール循環溝34についても同様である。
【0036】
ところで上述のように、占有角度θ1を有するボール循環溝33,34は荷重を負担できない領域である。そして本発明の実施形態におけるボールねじ装置1の二条のねじ溝31,32それぞれは、ボール循環溝33,34によって下流側,上流側を接続されて閉ループとなる。従って、ボール循環溝33,34どうしを、周方向(ねじ溝方向)で重ならないよう互いにずらして配置することで、荷重を負担できない領域がなくなる。周方向で重ならないとは、換言すればボール循環溝33,34どうしは、軸方向に投影した領域どうしに重なり部分がないよう互いに周方向でずらして配置されている、ということである。
【0037】
ここで、ボール循環溝33,34どうしの関係の詳細を下記に示す。図4および図5の側面図で示すように、一方のボール循環溝33において、紙面上方の交点Kをボール循環溝33の始点K1とし、紙面下方の交点Kをボール循環溝33の終点K2とする。他方のボール循環溝34において、紙面上方の交点Kをボール循環溝34の始点K3とし、紙面下方の交点Kをボール循環溝34の終点K4とする。
【0038】
この場合、一方のボール循環溝33における終点K2と他方のボール循環溝34の始点K3とは、周方向にゼロを超える距離を有した所定間隔B分だけ離隔されている。換言すれば、一方のボール循環溝33と他方のボール循環溝34とは、周方向で遠のく方向に位置ずれされている。
【0039】
なお、ボール循環溝33の始点K1から終点K2までの軌道長さと、ボール循環溝34の始点K3から終点K4までの軌道長さとは、等しく形成されている。
【0040】
図7で示す正面視、この場合軸方向に投影した場合でみると、ボール循環溝33,34の占有角度θ1間に、所定間隔Bに相当する角θ2を有する領域が存在する。この領域は、ねじ溝31,32どうしが重なる荷重負担可能領域となる。
【0041】
さらに一方のボール循環溝33と他方のねじ溝32とは、軸方向に投影した占有角度θ1の領域で重なり、他方のボール循環溝34と一方のねじ溝31とは、軸方向に投影した占有角度θ1の領域で重なる。そして占有角度θ1の領域は、何れかのねじ溝31,32の一部に相当する領域であるため、荷重負担可能領域である。このためボールねじ装置1の周方向で荷重を負担しない領域が、ボールねじ装置1の周方向でなくなる。
【0042】
前記保持器リング5は、ボール4aどうしを溝方向で干渉させないようにするものである。この保持器リング5は薄肉の円筒部材からなり、その円周方向複数ヶ所に、軸方向に沿う長孔形状のボールポケット51が形成されている。これらボールポケット51に、ボール4aがそれぞれ二個ずつ収納されている。
【0043】
ねじ軸3の自由端側に縮径部35が、保持器リング5の一端に径方向内向きのフランジ52がそれぞれ形成され、ねじ軸3の縮径部35に対して保持器リング5のフランジ52が嵌込まれ、ねじ軸3の縮径部35に形成された周溝に止め輪10が係合されている。この構成により、保持器リング5は、ねじ軸3に対して軸方向でほぼ不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転可能な状態で取付けられている。
【0044】
止め輪10は、ねじ軸3の縮径部35とねじ溝21の形成部分との境にできる段壁面36から離れた位置に取り付けられている。これら止め輪10と段壁面36との間に対して保持器リング5のフランジ52が軸方向に若干の遊びを持つ状態で配置されている。この構成により、保持器リング5が、ねじ軸3に対して軸方向ほぼ不動で、相対回転が許容される状態になる。
【0045】
ブラケット8は外筒部81と内筒部83とを有して断面略コ字形に形成されている。ブラケット8の内筒部83に、図示しない転がり軸受が組付けられる。ブラケット8は、前記転がり軸受を介してねじ軸3の中心孔に挿通される支軸に回転自在に支持される。
【0046】
歯車9に、図示しないモータなどの回転動力源が減速歯車を介して噛合されるもので、ブラケット8の外筒部81の外周面に樹脂を射出成型することで、ブラケット8に一体成形される。外筒部81の内周面にナット部材2が嵌入されている。外筒部81の内周面にセレーション82が形成されている。このセレーション82とナット部材2の嵌入方向奥側の外周面に形成されたセレーション23とが嵌合され、これにより、ブラケット8とナット部材2とが回転一体に組付けられている。
【0047】
次に、上述したボールねじ装置1の動作を説明する。まず、図示しないモータを駆動することにより歯車9を回転させるとブラケット8およびナット部材2がともに軸心周りに回転する。
【0048】
この際、ナット部材2が回転しながらねじ軸3によってガイドされてその軸方向一方へ向けて直線的に移動させられる。これによって、例えば図1に示すような縮んだ状態から図2に示す伸張した状態になる。上記モータを逆回転方向に駆動すると、ナット部材2が前述と逆向きに回転しながら軸方向他方へ向けて移動させられる。これによって、例えば図2に示す伸張した状態から図1に示す縮んだ状態になる。このように、ナット部材2を軸方向に往復移動させることにより、ナット部材2とねじ軸3とが軸方向で重合する範囲が大小変化する。
【0049】
ナット部材2とねじ軸3とが軸方向で重合する範囲が大小変化する際、各列ボール群4においてねじ溝31,32の下流側のボール4aは、各ボール循環溝33,34に向けて移動する。そして、ねじ軸3の内径側に沈みこむように順次供給され、ナット部材2のねじ山22を乗り越えて各ねじ溝31,32の上流側へ戻されるようにして、それぞれ独立して循環する。
【0050】
本発明の実施の形態では、ねじ軸3において軸方向で隣り合う二条のねじ溝31,32の個々を独立した閉ループとして、この閉ループ内でボール群4を転動循環させるよう構成しており、循環こまを用いずに、ねじ軸3にボール循環溝33,34を設けた構成とすることで、従来例に比べて部品点数を減らすことができる。
【0051】
さらに、ナット部材2に循環こま取付用の貫通孔を形成する手間や循環こまの組付けの手間を省くことができるなど、製造コストを低減し得る。しかも、従来例のように循環こまのボール循環溝とねじ溝との位置合わせが不要であるから、その万一の位置ずれなどによる品質低下を回避できるようになる。
【0052】
そして、ボール循環溝33,34の占有角度θ1間の所定間隔Bに相当する角θ2分の領域、一方のボール循環溝33と他方のねじ溝32との軸方向に投影した占有角度θ1の領域、他方のボール循環溝34と一方のねじ溝31との軸方向に投影した占有角度θ1の領域は荷重負担可能領域である。
【0053】
従って、上記構成のボール循環溝33を有していても、ナット部材2およびねじ軸3の周方向で荷重負担できないな領域を有しないため、ボールねじ装置1の負荷負担能力の低下を抑えることができる。
【0054】
さらに、ナット部材2およびねじ軸3の軸方向寸法を短くしたうえで外径寸法を大きく設定することにより、円周上においてボール循環溝33,34が存在する領域の角度θ1範囲が小さくすることができ、ボール循環溝33,34内に位置するボール4aの数が少なくなるので、より確実に荷重負担能力の低下を抑制できる。
【0055】
なお、ねじ軸3においてボール循環溝33,34により個別に閉ループとしたそれぞれのねじ溝31,32内で、ボール群4(ボール4a)が保持器リング5にガイドされながら転動循環する。このため、ナット部材2の螺旋運動が円滑にガイドされるとともに、ナット部材2が所定の移動ストローク範囲を往復移動する過程において、ボール4aが抜け出す現象を確実に防止できるようになる。
【0056】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、ねじ軸3に二本のねじ溝31,32を形成した場合を説明したが、ねじ溝は、ボールねじ装置1の軸方向長さに応じて三本あるいはそれ以上の本数設ける場合もある。この場合それぞれのねじ溝に形成するボール循環溝を、軸方向での重なり部分がないよう周方向でずらすようにする。このようにすることで、ボールねじ装置1を周方向全域に亙って荷重支持可能領域とすることができ、荷重負担能力の低下を抑制できる。
【0057】
さらに上記実施の形態では、一方のボール循環溝33における終点K2と他方のボール循環溝34の始点K3とを、周方向にゼロを超える距離を有した所定間隔B分だけ離隔して配置することで、荷重を負担しない領域をなくするようにした。
【0058】
しかし、これに限定されるものではなく、図8に示すように、一方のボール循環溝33と他方のボール循環溝34との軸方向投影領域が一部重なるように、ボール循環溝33の始点K1,終点K2、ボール循環溝34の始点K3,終点K4を決めてもよい。
【0059】
この場合、ボール循環溝33,34どうしが重なる範囲は荷重を負担しない領域となるが、その領域から外れた領域ではねじ溝31,32の何れか一部に相当する領域となるので、荷重を負担できる領域を有することになる。このため荷重を負担しない領域を、ボール循環溝33,34どうしを溝方向で全く重ねた場合に比べて減らすことができる。
【0060】
上記実施の形態では、一方のボール循環溝33と他方のボール循環溝34とは、周方向で遠のく方向にずらして配置した。しかしこれに限定されるものではなく、図示しないが、一方のボール循環溝33と他方のボール循環溝34とは、周方向で近付く方向にずらして配置することも考えられる。このようにしてボール循環溝33,34どうしを近づける場合は、ボール循環溝33,34どうしが干渉しあわない範囲で行うことは勿論である。
【0061】
そして、ボール循環溝33,34どうしを近づけるようして周方向でずらした場合であっても、ボール循環溝33,34どうしを軸方向投影領域で全て重なるように配置した場合に比べて荷重を負担しない領域が減り、ボールねじ装置1全体として荷重支持剛性をあげることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のボールねじ装置では、リターンチューブや、循環こまといった特別な部材を設ける場合に比べて部品点数を減らし、製造コストを低減することができる。
【0063】
また、ボール循環溝どうしを、互いにねじ溝方向にずらして配置した構成とすることにより、荷重支持剛性をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すボールねじ装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】同じく図1の状態からナット部材を軸方向一方へ移動させた状態を示す縦断面図である。
【図3】同じくボールねじ装置の分解斜視図である。
【図4】同じくボール循環経路を示す一部拡大断面図である。
【図5】同じくボール循環経路を示す要部拡大側面図である。
【図6】同じくボール循環経路を示す要部拡大正面図である。
【図7】同じくボール循環経路の線形図である。
【図8】他の実施の形態を示すボール循環経路を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ボールねじ装置
2 ナット部材
3 ねじ軸
4 ボール群
4a ボール
21 ねじ溝
31,32 ねじ溝
33,34 ボール循環溝

Claims (2)

  1. ねじ軸と、このねじ軸に同心に配置されるナット部材とが、軸心周りに相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられ、前記ナット部材の内周面に連続した一条のねじ溝が形成され、前記ねじ軸の外周面に、ねじ軸一周に満たない周方向長さを有する複数条のねじ溝が軸方向に離隔して形成され、前記各ねじ溝は、ボール転動方向における上流と下流とを連続するよう前記ねじ軸に形成されたボール循環溝で接続され、前記ねじ軸とナット部材とが軸心周りに相対回転する動作に伴なって下流側のボールがナット部材のねじ山を乗越えるようボール循環溝に沿って内径側に沈みこみ上流側へ戻されるようにしたボールねじ装置であって、
    前記ボール循環溝どうしは、その軸方向投影領域を互いに周方向でずらして配置されている、ことを特徴とするボールねじ装置。
  2. 請求項1記載のボールねじ装置において、
    前記ボール循環溝どうしは、その軸方向投影領域に重なりがないよう互いに周方向でずらして配置されている、ことを特徴とするボールねじ装置。
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