JP3364286B2 - 臨海における廃棄物処分方法及び廃棄物処分場 - Google Patents
臨海における廃棄物処分方法及び廃棄物処分場Info
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Description
廃棄物処分場に関し、特に、臨海における廃棄物処分方
法及び廃棄物処分場に関する。
排出される焼却灰等を処分する方法として、山間部の谷
間に廃棄物処分場を構築し廃棄物を投棄する方法が挙げ
られる。ところで、この山間部を利用した廃棄物処分場
にあっては、土地収用の問題や、地形的・地理的な制約
を受けて大容量の造成場所の確保が難しいという問題が
あった。
廃棄物処分場を構築し、この廃棄物処分場に廃棄物を処
分する方法が考えられる。この方法によれば海上を広く
利用できるため廃棄物処分場の造成場所の確保が容易で
ある。
た臨海に設けられた廃棄物処分場に廃棄物を投棄する方
法では、廃棄物から溶出する汚水が仕切壁間から浸出し
たり、或いは海底地盤を浸透する等して、仕切壁を構築
するだけで処分場内外を完全に遮断することが困難であ
り、投棄された廃棄物から溶出する汚水が廃棄物処分場
外へ滲出して周囲の海域を汚染する惧れがあった。
棄物から発生する悪臭により周囲の環境に悪影響を及ぼ
すなどの問題が懸念される。
のであってその目的は、廃棄物処分場を所定海域に造成
するとともに、廃棄物から溶出する汚水が周囲の海域を
汚染することを防止する廃棄物の処分方法を提供するこ
とにある。
って廃棄物を投棄する廃棄物処分場の上部を有効利用す
るとともに、投棄された廃棄物が与える悪影響を防止で
きる廃棄物処分場を提供することにある。
するため成されたものであり、その要旨は、海底から不
透水層に達する改良地盤を設けるとともに、該改良地盤
の上部に位置する海底にマウンドを設け、このマウンド
を貫通しかつ前記改良地盤に貫入する仕切壁を海面上ま
で立設してなる閉鎖水域を所定海域に画成し、この閉鎖
水域の内部に廃棄物を投棄するとともに、該閉鎖水域内
の汚水位を当該閉鎖水域外の海水位より低く保つように
したものである。
水層に達して設けられる改良地盤と、該改良地盤の上部
海底に設けられるマウンドと、このマウンドを貫通しか
つ前記改良地盤に貫入して海面上まで立設される仕切壁
と、この仕切壁によって画成された閉鎖水域に縦横マト
リックス状の配列で海底地盤に打設された構造杭と、こ
の構造杭と前記仕切壁とによって支持され前記閉鎖水域
の上部開口を覆う床版と、該閉鎖水域内の汚水位を当該
閉鎖水域外の海水位より低く保つために該閉鎖水域内の
汚水を該閉鎖水域外に浄化して排水する排水手段とから
構成されるものである。この発明においては、前記閉鎖
水域内の汚水位を当該閉鎖水域外の海水位より一定水位
だけ低く保つための給排水手段を備えることが好まし
い。
汚水位を周囲の海水位よりも低く保つことにより、閉鎖
水域外の水圧に対し内部の水圧が常時低く保たれるの
で、海底から不透水層に達する改良地盤を設けるととも
に、該改良地盤の上部に位置する海底にマウンドを設
け、このマウンドを貫通しかつ前記改良地盤に貫入する
仕切壁を海面上まで立設して閉鎖水域を画成することに
より、閉鎖水域の内外における水位差による地盤の崩壊
および水の浸透を抑えるとともに、仕切壁の構造を簡単
にすることができながら、仕切壁の安定を保つことと相
俟って、閉鎖水域内部に投棄された廃棄物から溶出した
汚水は外部に滲出することがない。また、海底から不透
水層に達する改良地盤がある程度の遮水機能を有するの
で、不透水層が海底下の深いところにある場合であって
も、閉鎖水域を画成する仕切壁を不透水層まで貫入させ
ることなく改良地盤に貫入させればよく、仕切壁を不透
水層に到達させる場合よりも工費が安くなる。また、改
良地盤は目詰まり効果が期待されるので、将来的には仕
切壁と同等の不透水区画になり、この場合、排水設備を
減らすこともできる。
ように、閉鎖水域外の水圧に対し内部の水圧が常時低く
保たれるので、仕切壁がマウンドを貫通し改良地盤に貫
入していて、水の浸透を抑えるとともに仕切壁の安定を
保つことと相俟って、汚水の滲出を防止することができ
るとともに、汚水を浄化する手段を備えているため汚水
を閉鎖水域外に排水しても周囲の環境を汚染することが
ない。さらには、閉鎖水域の上部開口を床板で覆ってい
るため閉鎖水域に廃棄物を投棄しつつ床版の上部を有効
に利用できるとともに、廃棄物が周囲の環境に与える悪
影響を防止することができる。そして、上記の廃棄物処
分場を構成する床板は、閉鎖水域に縦横マトリックス状
の配列で海底地盤に打設された構造杭と仕切壁とによっ
て支持されているため、床板を高強度に構成することが
でき、閉鎖水域にゴミを投入するのに用いられる車等が
その上を走行しても強度的な問題はなく大規模な処分場
を造成することができる。また、処分場が満杯になった
場合には、床が構造杭で支持されているのでその上に大
規模な建築物を建設することも可能であり、そのために
閉鎖水域内の圧力を増加させる虞もない。 本発明におい
て、給排水手段を備えて水位差を一定に保つようにすれ
ば、閉鎖水域外への水の滲み出しの防止が図れるほか、
水圧差による仕切壁への負荷の軽減を図ることができ仕
切壁の安全性を向上させることができる。
細に説明する。
廃棄物を処分する概念図を示すものである。
域Aを画成し、この閉鎖水域Aの内部に廃棄物を投棄す
る。このとき、閉鎖水域A内の汚水位WL1を閉鎖水域
A外の海水位WLよりも低く保つことにより、閉鎖水域
A外の水圧に対し内部の水圧が常時低く保たれるので、
内部に投棄された廃棄物から溶出した汚水は閉鎖水域A
外部に滲出することがない。
は、廃棄物処分場10の構築予定海域に閉鎖水域Aを画
成するため海底地盤Eから海水面上に立設される仕切壁
1と、この仕切壁1により画成された閉鎖水域Aの上部
開口を覆うための床版2と、閉鎖水域A内の汚水を排水
する排水手段である排水ポンプ3と排水処理施設7とか
ら概略構成されている。
等を詰めて水密性を確保する一般的な二重矢板構造を成
しており、閉鎖水域の外郭に沿って設けられた改良地盤
4を貫通して打設されているとともにマウンド5により
支持されている。
ンクリート板等を構造杭6によって下方より支持して構
築される。この床版2を廃棄物の投棄に先立って構築す
ることにより、閉鎖水域Aが廃棄物で埋め立てられるの
を待つことなく、床版2の構築後直ちにその上部を人工
地盤として先行利用できる。
施例では、床版2の上部に設けられた排水手段である排
水ポンプ3により閉鎖水域A周囲の海水位WLよりも所
定水位差をもって低く保つようにされている。ここで、
所定水位差とは閉鎖水域A内の汚水が外部へ滲出するの
を防止するのに十分な水圧差を生じさせる程度のもので
あるとともに、仕切壁1が外部からの水圧により転倒若
しくは海底地盤Eに対する滑動を防止できる程度に、仕
切壁1を閉鎖水域A内の水圧によって対抗支持し得る水
位を維持した水位差である。
鎖水域A外に排出する排水手段であり、排水ポンプ3に
より排水される汚水を浄化するための排水処理施設7を
備えている。また、床版2上には閉鎖水域A内に給水す
る給水ポンプ8が設置されており、これらの設備によっ
て、閉鎖水域A内外の海水位の変動に追従して適宜排水
・給水を行い閉鎖水域A内の水位WL1と閉鎖水域外の
水位WLとの水位差を一定に保つ。そして、排水ポンプ
3によって排水される汚水は排水処理施設7によって浄
化されるため周囲の環境を汚染することがない。
10の構築手順を説明する。まず、得ようとする廃棄物
処分場10の構築予定箇所の外郭に沿って海底地盤E内
を不透水層E1 に至る深度まで地盤改良を施し、この改
良地盤4上にマウンド5を造成し、次いでこのマウンド
5および改良地盤4を貫通して仕切壁1を打設し閉鎖水
域Aを画成する。改良地盤4を造成するのは閉鎖水域A
の内外における水位差による地盤Eの崩壊および水の浸
透を最少限に抑さえるためであり、またマウンド5を造
成するのは仕切壁1の構造を簡単にするために行われ
る。
に、船舶あるいは流木などの衝突による外力に対し内部
の密閉性が守られる剛性杭構造としてもよい。
杭等の構造杭6を縦横マトリックス状の配列で海底地盤
E内に打設する。各構造杭6は、床版2に対する支持強
度を確保するものであり、このために海底地盤Eの下部
の不透水層E1 を貫通する深さであって、支持強度を確
保するのに十分な間隔で配列される。なお、該当する打
設深度までに不透水層E1 が存在しない場合はこの部位
を予め地盤改良を施し人工的不透水層を造成しておくこ
ともできる。
版2を配置して蓋をすれば、床版2を人工地盤とする廃
棄物処分場10を完成する。
のための種々の付帯施設が設けられる。この付帯施設は
図示しない運搬船からの受入ヤード、投棄ピット、内部
におけるコンベアなどの運搬設備、監理棟、また必要に
応じて排気浄化設備等廃棄物処理のための各種必要施設
等である。
び給水ポンプ8の設置にあたっては、以下の計測結果に
基づいてその仕様が決定される。
汚水位WL1 は周囲の海水位WLとほぼ同等であるが、
排水ポンプ3によって内部の汚水を排水することによっ
て汚位WL1 を周囲の海水位WL水位より低く保たれ
る。例えばほぼ一ケ月程度この状態で放置しつつ内部の
水位変動を計測し、この計測結果に応じて水位差を一定
に保つための排水ポンプ3、排水処理施設7及び給水ポ
ンプ8の仕様が決定され、これに応じて、それぞれの施
設の動力を補正するとともに設備の容量を越える場合に
は新たな設備が設置されることになる。
廃棄物処分場10の閉鎖水域Aを廃棄物投棄のための処
分場として稼動させることができ、順次廃棄物が閉鎖水
域A内部に投棄され埋め立てられる。この処理容積は海
底地盤Eの表面から床版2の内側にまでの高さと仕切壁
1によって構成される内部面積との積であり、大規模廃
棄物処分場10であるならばその造成面積と海底までの
深さに応じて、使用年限を十分に確保でき、また廃棄物
の散乱も防止できる。
水ポンプ3及び給水ポンプ8を駆動することにより閉鎖
水域Aの外部の水圧に対し、内部の水圧が常時低く保た
れるので、閉鎖水域A内部に投棄される廃棄物から溶出
した汚水は外部に滲出することなく、また排水される汚
水は排水処理設備7を通じて重金属イオンその他の有害
物質を除去された状態で外部に排水されるため、海中汚
染も防止することができる。
流れは常時内部側に向かうため、周辺土層は将来的に細
かい土粒子により目詰りを起こし、周囲がより完全な不
透水層になり、遮蔽が完全に行われることも期待でき
る。
おける人工地盤として用いられるので、前述の廃棄物処
理のための付帯施設の他にコンテナヤードや、当該廃棄
物処分場が海底トンネル、橋等を通じて陸上と接続して
いる場合はトラックターミナル等の敷地として有効利用
できる。
に、この発明にかかる廃棄物処分方法では、閉鎖水域内
の汚水位を周囲の海水位よりも低く保つことにより、閉
鎖水域外部の水圧に対し、内部の水圧が常時低く保たれ
るので、海底から不透水層に達する改良地盤を設けると
ともに、該改良地盤の上部に位置する海底にマウンドを
設け、このマウンドを貫通しかつ前記改良地盤に貫入す
る仕切壁を海面上まで立設して閉鎖水域を画成すること
により、閉鎖水域の内外における水位差による地盤の崩
壊および水の浸透を抑えるとともに、仕切壁の構造を簡
単にすることができながら、仕切壁の安定を保つことと
相俟って、閉鎖水域内部に投棄する廃棄物から溶出した
汚水は外部に滲出することがない。また、海底から不透
水層に達する改良地盤がある程度の遮水機能を有するの
で、不透水層が海底下の深いところにある場合であって
も、閉鎖水域を画成する仕切壁を不透水層まで貫入させ
ることなく改良地盤に貫入させればよく、仕切壁を不透
水層に到達させる場合よりも工費が安くなる。また、改
良地盤は目詰まり効果が期待されるので、将来的には仕
切壁と同等の不透水区画になり、この場合、排水設備を
減らすこともできる。
前記したように、閉鎖水域外の水圧に対し内部の水圧が
常時低く保たれるので、仕切壁がマウンドを貫通し改良
地盤に貫入しているので、水の浸透を抑えるとともに仕
切壁の安定を保つことと相俟って、汚水の滲出を防止す
ることができるとともに、汚水を浄化する手段を備えて
いるため汚水を閉鎖水域外部に排水する場合であっても
周囲の環境を汚染することがない。さらには、仕切壁に
よって画成される水域の上部開口を床版で覆っているた
め閉鎖水域に廃棄物を投棄しつつ床版の上部を有効に利
用できるとともに、廃棄物が周囲の環境に与える悪影響
を防止することができる。そして、上記の廃棄物処分場
を構成する床板は、閉鎖水域に縦横マトリックス状の配
列で海底地盤に打設された構造杭と仕切壁とによって支
持されているため、床板を高強度に構成することがで
き、閉鎖水域にゴミを投入するのに用いられる車等がそ
の上を走行しても強度的な問題はなく大規模な処分場を
造成することができる。また、処分場が満杯になった場
合には、床が構造杭で支持されているのでその上に大規
模な建築物を建設することも可能であり、そのために閉
鎖水域内の圧力を増加させる虞もない。 本発明におい
て、給排水手段を備えて水位差を一定に保つようにすれ
ば、閉鎖水域外への水の滲み出しの防止が図れるほか、
水圧差による仕切壁への負荷の軽減を図ることができ仕
切壁の安全性を向上させることができる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 海底から不透水層に達する改良地盤を設
けるとともに、該改良地盤の上部に位置する海底にマウ
ンドを設け、このマウンドを貫通しかつ前記改良地盤に
貫入する仕切壁を海面上まで立設してなる閉鎖水域を所
定海域に画成し、この閉鎖水域の内部に廃棄物を投棄す
るとともに、該閉鎖水域内の汚水位を当該閉鎖水域外の
海水位より低く保つようにしたことを特徴とする臨海に
おける廃棄物の処分方法。 - 【請求項2】 海底から不透水層に達して設けられる改
良地盤と、該改良地盤の上部海底に設けられるマウンド
と、このマウンドを貫通しかつ前記改良地盤に貫入して
海面上まで立設される仕切壁と、この仕切壁によって画
成された閉鎖水域に縦横マトリックス状の配列で海底地
盤に打設された構造杭と、この構造杭と前記仕切壁とに
よって支持され前記閉鎖水域の上部開口を覆う床版と、
該閉鎖水域内の汚水位を当該閉鎖水域外の海水位より低
く保つために該閉鎖水域内の汚水を該閉鎖水域外に浄化
して排水する排水手段とを備えたことを特徴とする臨海
における廃棄物処分場。 - 【請求項3】 前記閉鎖水域内の汚水位を当該閉鎖水域
外の海水位より一定水位だけ低く保つための給排水手段
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の臨海におけ
る廃棄物処分場。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23830393A JP3364286B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 臨海における廃棄物処分方法及び廃棄物処分場 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23830393A JP3364286B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 臨海における廃棄物処分方法及び廃棄物処分場 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0788454A JPH0788454A (ja) | 1995-04-04 |
JP3364286B2 true JP3364286B2 (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=17028204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23830393A Expired - Lifetime JP3364286B2 (ja) | 1993-09-24 | 1993-09-24 | 臨海における廃棄物処分方法及び廃棄物処分場 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3364286B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012011351A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | Japan Environmental Sanitation Center | 水面廃棄物処分場の安定化促進システム |
JP6078711B2 (ja) * | 2011-11-02 | 2017-02-15 | うつろ株式会社 | 「水域の空(utsuro)」内に設置した廃棄物の底泥深層置換処理法 |
JP7074655B2 (ja) * | 2018-12-17 | 2022-05-24 | 鹿島建設株式会社 | 傾斜地での土留壁の構築方法、及び、傾斜地での廃棄物処分場の構築方法 |
-
1993
- 1993-09-24 JP JP23830393A patent/JP3364286B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0788454A (ja) | 1995-04-04 |
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