JP2002239492A - 廃棄物の埋立方法 - Google Patents

廃棄物の埋立方法

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JP2002239492A
JP2002239492A JP2001045413A JP2001045413A JP2002239492A JP 2002239492 A JP2002239492 A JP 2002239492A JP 2001045413 A JP2001045413 A JP 2001045413A JP 2001045413 A JP2001045413 A JP 2001045413A JP 2002239492 A JP2002239492 A JP 2002239492A
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waste
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roof frame
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Toshiaki Kita
利明 喜多
Shigeo Kotake
茂夫 小竹
Minako Kojima
美奈子 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然降雨による過度な汚染水の発生を防止す
ること、および処分用地内の廃棄物の分解を促進できる
ようにした廃棄物の埋立方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物処分場用地を複数の仕切り堰12
で区画し、その区画された一部であって、埋立作業位置
に移動式の屋根架15を配置し、埋立完了後に前記屋
根架15を次の埋立作業位置に移設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の埋立方法
に関し、特に山間地などの自然地形を利用して構築され
た大規模な廃棄物処分場における廃棄物の埋立方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】不定形の谷部に廃棄物処分場を構築し、
順次埋立て施工を行うにあたって、従来より次の問題点
が指摘されていた。処分場直上の自然降雨が全て処分場
内に入り込み、廃棄物に触れることで汚染水が多量に発
生することになり、また、処分場底部の遮水工が不完全
な時には地下水汚染の原因ともなる。多量の汚染水を処
理するために大規模な処理設備や、長期にわたる水処理
のため、設備費および維持費などに多大な費用を割かな
ければならなかった。また、多量の処理水を河川に放流
するため、周辺住民が不安感などをもつ原因となってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の不具合を解決す
るためには、処分場内を全て屋根架講などで覆ってしま
うことが考えられるが、山間地などの自然地形を利用し
て構築された大規模処分場においては、設備が極めて大
がかりとなり、実際には実現不可能である。
【0004】なお、自然降雨による処分場内への配水を
全て絶ってしまった場合には、分解性微生物の増殖およ
びこれに伴う廃棄物の分解が停滞し、自然への還元が遅
れる結果ともなるため、適度な配水も必要である。
【0005】本発明は、以上の課題を解決するものであ
って、その目的は、自然降雨による過度な汚染水の発生
を防止すること、および処分用地内の廃棄物の分解を促
進できるようにした廃棄物の埋立方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明方法は、廃棄物処分場用地を所定高さを有す
る複数の隔壁でX−Y方向に区画し、その区画された一
部の埋立作業位置にX−Y方向に移設可能な屋根架講を
配置し、当該屋根架構が配置された区画への廃棄物埋立
完了後、前記屋根架講を次の埋立作業位置に移設するこ
とを特徴とするものである。従って、以上の構成によれ
ば、大規模な埋立用地であっても、埋立位置のみに屋根
架講を配置すれば良いため、屋根掛けの費用を安価にす
ることができる。そして、埋立現場では降雨による大量
の水の滲出がないため、大規模な水処理設備を必要とせ
ず、また処理費用も安価である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、区画埋立
後の廃棄物表面に、ある程度透水性のある遮水材で覆う
ことにより、廃棄物に表面に降注ぐ雨水の浸透調整を行
った上で、余剰水を強制排出することを特徴とする。従
って、以上の構成によれば、廃棄物内部が適度な水分に
保たれることで、分解性微生物の増殖およびこれに伴う
廃棄物の分解が促進され、埋立完了後は、早期に自然還
元できる。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明は、前記埋
立作業は、処分用地の底部から高さ方向に複数層に分け
て行われ、下層の埋立が完了する毎に前記屋根架構を上
方に盛り替えることを特徴とする。従って、以上の構成
によれば、一度に埋立てする場合に比べて、大きな土圧
が隔壁に作用しないため、隔壁の厚みを薄くできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜
図4は本発明方法の実施形態を示すもので、図1は平面
図、図2は図1のA−A線における正断面図、図3は同
B−B線における側断面図、図4は同B−B線における
埋立進捗後の側断面図である。
【0010】同図において、廃棄物処分場1は、例え
ば、山間などのV字形に切立った大規模な地形を利用
し、この地形における地山Eの上部および下部を大型擁
壁2で仕切り、その内部を処分場1として造成したもの
で、図2に示すように、深さ方向に向けて略逆台形状断
面であって、境界部3を設けて複数段(本実施の形態で
は二段)に整形掘削し、底部から一層目4(下層)を先
ず第一次埋立用地とし、その上部の二層目5を二次埋立
用地として利用できるようにしている。
【0011】また、処分場1の周囲および境界部2に沿
って排水用の側溝6を配置し、さらには処分場1の周囲
に廃棄物搬送用の道路7を周回状に造成している。処分
場1の底部中心には勾配方向に向けて多目的底部排水ト
ンネル8が造成されている。この排水トンネル8は自然
地下水の下流側への放流と、前記側溝6に流入する雨水
などを集水して排水するもので、各側溝5にパイプ9を
介して連通している。
【0012】排水トンネル7の上面は底版コンクリート
10で覆われ、その周囲には、所定高さを有するコンク
リート擁壁11を形成するとともに、必要な遮水工によ
り斜面を覆うことで、処分場1の内外を水密に遮断して
いる。
【0013】なお、図示を省略するが、処分場1の内底
面には、滲出水を集排水するための多孔管などが配置さ
れ、この多孔管は処分場1の下流側に設けた水処理設備
などに連通している。
【0014】さらに、処分場1内はその勾配方向に直交
する横方向に複数の隔壁、すなわち仕切り堰12が造成
され、各仕切り堰12によって仕切られた区画毎に廃棄
物Xを埋立投棄できるようにしている。また、底版コン
クリート9上には勾配方向に沿って、所定高さの区画堤
14が立上げた状態に造成され、投棄された廃棄物Xの
地滑りなどによる移動を防止し、土圧などを均等に振分
けている。
【0015】前記仕切り堰12は、図3に示すように、
第一層目4が完全に埋め尽されるまでは、第一層目4ま
での高さに構築される下部12aと、第二層目5の埋立
が開始される前に図4に示すように、下部12aに連続
して上部12bが継足される構造となっており、これに
よって仕切り堰12の壁厚を薄くしている。
【0016】以上の構成において、処分場施設の構築
後、一層目4の埋立を行うにあたり、埋立現場は各仕切
り堰12で区画された内部のうち、上り勾配に沿って下
流側区画から順に行われる。この埋立現場では、埋立に
先立って移動式屋根架講15が仕切り堰12間を跨ぐよ
うにして架設され、この屋根架講15の内部を埋立位置
としている。
【0017】屋根架講15は、仕切り堰12間に設置さ
れる屋根支持壁15aと支持壁15a上に屋根掛けされ
た蒲鉾型の屋根部15bとからなるもので、仕切り堰1
2に沿って横移動或いは横移設可能となっている。ま
た、両支持壁15aの高さは各仕切り堰12の段差に応
じて調整可能となっている。
【0018】そして、屋根架講15の内部でダンプトラ
ックなどによる廃棄物Xの搬入および投棄とバックホウ
などによる敷き均し、覆土および整地作業が交互になさ
れることになる。覆土に用いられる土砂は粒土分布など
が管理され、敷き均し整地時に適度な締固め度合に管理
されることにより、透水係数が管理調整されたものが用
いられ、これによって埋立内部に適度な水分および空気
を含ませることによって内部における分解菌を発育さ
せ、廃棄物Xの分解を促進する。
【0019】屋根架講15で囲われた内部が全て埋め尽
され、整地が完了すると、屋根架講15を図2の矢印に
示すように、区画内の別の場所に横に平行移動させ、こ
の直下で新たな埋立作業がなされる。
【0020】この作業と平行して埋立終了位置の地表面
は、遮水シートまたはアスファルト等の遮水材16で覆
われる。この遮水材16は、全面遮水ではなく適度な透
水係数を持ったシートまたはアスファルトを選択するこ
とが望ましい。つまり、自然降雨による過大な水分が表
面に供給された場合には、その余剰水は遮水材16の表
面を溢流し勾配に沿って系外に流出させることによっ
て、埋立内部を適度な湿潤度合に保持し、廃棄物の分解
促進を図っている。
【0021】このようにして一区画全てが廃棄物Xで埋
立てられると、屋根架講15を次の区画にクローラクレ
ーンなどで吊上げ、水平方向に隣接する他の区画位置に
盛り替える。また、仕切り堰12の上縁に沿って走行レ
ールを配設するとともに、屋根架構15の下部に該走行
レール上を走行可能な車輪を設けるか、走行レール上を
摺接するスライド板を設けることにより、車輪の駆動又
はウインチ等を用いて引っ張ることにより盛り替えるこ
ともできる。また、これと平行して埋立て済の場所で
は、遮水材16で全面覆われる作業が、区画毎に繰返さ
れる。
【0022】図3は一層目4が全て埋立てられた状態を
示すものであり、埋立完了段階で各区画の下流には仕切
り堰12に沿って前記側溝6に連通する側溝17が造成
され、多量の降雨があると遮水材16の表面雨水を溢流
させ、溢流した雨水をこの側溝17或は両側の側溝6を
通じて前記排水トンネル8側に放流する。
【0023】二層目5の埋立作業を行う前に、図4に示
すように、仕切り堰12の上部12bを下部12bに継
足し施工する。この施工は、一区画の埋立を完了する毎
に漸次行っても良いし、全ての区画の一層目4の完了後
に一括して行っても良い。前者の場合には、埋立作業を
連続して行えるため投棄用地の連続確保に好適である。
これに対して後者の場合には、工事が集中するため、施
工性が良い上に、埋立休止期間を取れるため、埋立地の
養生にも好適である。従って、その得失に応じて施工方
法を選択すればよい。
【0024】その後、前記と同様に、クローラクレーン
などを用いて吊上げることにより、屋根架講15を埋立
位置となる区画に盛り替え配設し、前記一層目4と同様
の埋立作業を繰返せば、全ての埋立作業が完了すること
になる。
【0025】図4は、一括施工の場合であって、最上流
区画に屋根架講15を配置して二層目5の埋立てを再開
しているが、前述のごとく、漸次施工であっても良い
し、下流側区画から順に埋立を行っても良い。施工にあ
たっては、屋根架講15の内部において一層目4の表面
を覆っている遮水材16が遮水シートである場合は、こ
れを一端撤去した後、埋立作業を行い、完了後、同遮水
シートを転用することもできるし、遮水材16はある程
度透水性があることから、残置したままその上部に埋立
を行い、新たな遮水材材を埋立て済の面に敷設すること
も出来る。
【0026】なお、以上の実施形態では、埋立を深さ方
向に二段階に分けて行っているが、それ以上の複数段に
分割して行うことも可能である。また、実施形態では1
つの屋根架講15を各区各毎に移設しながら埋立を行っ
たが、廃棄物Xの搬入量が多い場合には、複数の屋根架
講とし、各区画毎に屋根架講15の位置で投棄および埋
立作業を行うようにもできる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明による廃棄物の埋立方法によれば、大規模な廃棄物処
分場であっても、屋根架講の設置位置で埋立て作業を行
うことにより、自然降雨による過度な汚染水の発生を防
止出来る。また、処分用地内の廃棄物の分解を促進で
き、埋立後の廃棄物の自然還元を早期に行える利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した廃棄物処分場の平面図であ
る。
【図2】図1のA−A線における正断面図である。
【図3】図1のB−B線における側断面図である。
【図4】図1のB−B線における埋立進捗状態を示す側
断面図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処分場 4 一層目 5 二層目 12 仕切り堰(隔壁) 12a 仕切り堰下部 12b 仕切り堰上部 15 屋根架講 16 遮水シート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月5日(2001.3.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 廃棄物の埋立方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の埋立方法
に関し、特に山間地などの自然地形を利用して構築され
た大規模な廃棄物処分場における廃棄物の埋立方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】不定形の谷部に廃棄物処分場を構築し、
順次埋立て施工を行うにあたって、従来より次の問題点
が指摘されていた。処分場直上の自然降雨が全て処分場
内に入り込み、廃棄物に触れることで汚染水が多量に発
生することになり、また、処分場底部の遮水工が不完全
な時には地下水汚染の原因ともなる。多量の汚染水を処
理するために大規模な処理設備や、長期にわたる水処理
のため、設備費および維持費などに多大な費用を割かな
ければならなかった。また、多量の処理水を河川に放流
するため、周辺住民が不安感などをもつ原因となってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の不具合を解決す
るためには、処分場内を全て屋根架などで覆ってしま
うことが考えられるが、山間地などの自然地形を利用し
て構築された大規模処分場においては、設備が極めて大
がかりとなり、実際には実現不可能である。
【0004】なお、自然降雨による処分場内への配水を
全て絶ってしまった場合には、分解性微生物の増殖およ
びこれに伴う廃棄物の分解が停滞し、自然への還元が遅
れる結果ともなるため、適度な配水も必要である。
【0005】本発明は、以上の課題を解決するものであ
って、その目的は、自然降雨による過度な汚染水の発生
を防止すること、および処分用地内の廃棄物の分解を促
進できるようにした廃棄物の埋立方法を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明方法は、廃棄物処分場用地を所定高さを有す
る複数の隔壁でX−Y方向に区画し、その区画された一
部の埋立作業位置にX−Y方向に移設可能な屋根架
配置し、当該屋根架構が配置された区画への廃棄物埋立
完了後、前記屋根架を次の埋立作業位置に移設するこ
とを特徴とするものである。従って、以上の構成によれ
ば、大規模な埋立用地であっても、埋立位置のみに屋根
を配置すれば良いため、屋根掛けの費用を安価にす
ることができる。そして、埋立現場では降雨による大量
の水の滲出がないため、大規模な水処理設備を必要とせ
ず、また処理費用も安価である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、区画埋立
後の廃棄物表面に、ある程度透水性のある遮水材で覆う
ことにより、廃棄物に表面に降注ぐ雨水の浸透調整を行
った上で、余剰水を強制排出することを特徴とする。従
って、以上の構成によれば、廃棄物内部が適度な水分に
保たれることで、分解性微生物の増殖およびこれに伴う
廃棄物の分解が促進され、埋立完了後は、早期に自然還
元できる。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明は、前記埋
立作業は、処分用地の底部から高さ方向に複数層に分け
て行われ、下層の埋立が完了する毎に前記屋根架構を上
方に盛り替えることを特徴とする。従って、以上の構成
によれば、一度に埋立てする場合に比べて、大きな土圧
が隔壁に作用しないため、隔壁の厚みを薄くできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜
図4は本発明方法の実施形態を示すもので、図1は平面
図、図2は図1のA−A線における正断面図、図3は同
B−B線における側断面図、図4は同B−B線における
埋立進捗後の側断面図である。
【0010】同図において、廃棄物処分場1は、例え
ば、山間などのV字形に切立った大規模な地形を利用
し、この地形における地山Eの上部および下部を大型擁
壁2で仕切り、その内部を処分場1として造成したもの
で、図2に示すように、深さ方向に向けて略逆台形状断
面であって、境界部3を設けて複数段(本実施の形態で
は二段)に整形掘削し、底部から一層目4(下層)を先
ず第一次埋立用地とし、その上部の二層目5を二次埋立
用地として利用できるようにしている。
【0011】また、処分場1の周囲および境界部2に沿
って排水用の側溝6を配置し、さらには処分場1の周囲
に廃棄物搬送用の道路7を周回状に造成している。処分
場1の底部中心には勾配方向に向けて多目的底部排水ト
ンネル8が造成されている。この排水トンネル8は自然
地下水の下流側への放流と、前記側溝6に流入する雨水
などを集水して排水するもので、各側溝5にパイプ9を
介して連通している。
【0012】排水トンネル7の上面は底版コンクリート
10で覆われ、その周囲には、所定高さを有するコンク
リート擁壁11を形成するとともに、必要な遮水工によ
り斜面を覆うことで、処分場1の内外を水密に遮断して
いる。
【0013】なお、図示を省略するが、処分場1の内底
面には、滲出水を集排水するための多孔管などが配置さ
れ、この多孔管は処分場1の下流側に設けた水処理設備
などに連通している。
【0014】さらに、処分場1内はその勾配方向に直交
する横方向に複数の隔壁、すなわち仕切り堰12が造成
され、各仕切り堰12によって仕切られた区画毎に廃棄
物Xを埋立投棄できるようにしている。また、底版コン
クリート9上には勾配方向に沿って、所定高さの区画堤
14が立上げた状態に造成され、投棄された廃棄物Xの
地滑りなどによる移動を防止し、土圧などを均等に振分
けている。
【0015】前記仕切り堰12は、図3に示すように、
第一層目4が完全に埋め尽されるまでは、第一層目4ま
での高さに構築される下部12aと、第二層目5の埋立
が開始される前に図4に示すように、下部12aに連続
して上部12bが継足される構造となっており、これに
よって仕切り堰12の壁厚を薄くしている。
【0016】以上の構成において、処分場施設の構築
後、一層目4の埋立を行うにあたり、埋立現場は各仕切
り堰12で区画された内部のうち、上り勾配に沿って下
流側区画から順に行われる。この埋立現場では、埋立に
先立って移動式屋根架15が仕切り堰12間を跨ぐよ
うにして架設され、この屋根架15の内部を埋立位置
としている。
【0017】屋根架15は、仕切り堰12間に設置さ
れる屋根支持壁15aと支持壁15a上に屋根掛けされ
た蒲鉾型の屋根部15bとからなるもので、仕切り堰1
2に沿って横移動或いは横移設可能となっている。ま
た、両支持壁15aの高さは各仕切り堰12の段差に応
じて調整可能となっている。
【0018】そして、屋根架15の内部でダンプトラ
ックなどによる廃棄物Xの搬入および投棄とバックホウ
などによる敷き均し、覆土および整地作業が交互になさ
れることになる。覆土に用いられる土砂は粒土分布など
が管理され、敷き均し整地時に適度な締固め度合に管理
されることにより、透水係数が管理調整されたものが用
いられ、これによって埋立内部に適度な水分および空気
を含ませることによって内部における分解菌を発育さ
せ、廃棄物Xの分解を促進する。
【0019】屋根架15で囲われた内部が全て埋め尽
され、整地が完了すると、屋根架15を図2の矢印に
示すように、区画内の別の場所に横に平行移動させ、こ
の直下で新たな埋立作業がなされる。
【0020】この作業と平行して埋立終了位置の地表面
は、遮水シートまたはアスファルト等の遮水材16で覆
われる。この遮水材16は、全面遮水ではなく適度な透
水係数を持ったシートまたはアスファルトを選択するこ
とが望ましい。つまり、自然降雨による過大な水分が表
面に供給された場合には、その余剰水は遮水材16の表
面を溢流し勾配に沿って系外に流出させることによっ
て、埋立内部を適度な湿潤度合に保持し、廃棄物の分解
促進を図っている。
【0021】このようにして一区画全てが廃棄物Xで埋
立てられると、屋根架15を次の区画にクローラクレ
ーンなどで吊上げ、水平方向に隣接する他の区画位置に
盛り替える。また、仕切り堰12の上縁に沿って走行レ
ールを配設するとともに、屋根架構15の下部に該走行
レール上を走行可能な車輪を設けるか、走行レール上を
摺接するスライド板を設けることにより、車輪の駆動又
はウインチ等を用いて引っ張ることにより盛り替えるこ
ともできる。また、これと平行して埋立て済の場所で
は、遮水材16で全面覆われる作業が、区画毎に繰返さ
れる。
【0022】図3は一層目4が全て埋立てられた状態を
示すものであり、埋立完了段階で各区画の下流には仕切
り堰12に沿って前記側溝6に連通する側溝17が造成
され、多量の降雨があると遮水材16の表面雨水を溢流
させ、溢流した雨水をこの側溝17或は両側の側溝6を
通じて前記排水トンネル8側に放流する。
【0023】二層目5の埋立作業を行う前に、図4に示
すように、仕切り堰12の上部12bを下部12bに継
足し施工する。この施工は、一区画の埋立を完了する毎
に漸次行っても良いし、全ての区画の一層目4の完了後
に一括して行っても良い。前者の場合には、埋立作業を
連続して行えるため投棄用地の連続確保に好適である。
これに対して後者の場合には、工事が集中するため、施
工性が良い上に、埋立休止期間を取れるため、埋立地の
養生にも好適である。従って、その得失に応じて施工方
法を選択すればよい。
【0024】その後、前記と同様に、クローラクレーン
などを用いて吊上げることにより、屋根架15を埋立
位置となる区画に盛り替え配設し、前記一層目4と同様
の埋立作業を繰返せば、全ての埋立作業が完了すること
になる。
【0025】図4は、一括施工の場合であって、最上流
区画に屋根架15を配置して二層目5の埋立てを再開
しているが、前述のごとく、漸次施工であっても良い
し、下流側区画から順に埋立を行っても良い。施工にあ
たっては、屋根架15の内部において一層目4の表面
を覆っている遮水材16が遮水シートである場合は、こ
れを一端撤去した後、埋立作業を行い、完了後、同遮水
シートを転用することもできるし、遮水材16はある程
度透水性があることから、残置したままその上部に埋立
を行い、新たな遮水材材を埋立て済の面に敷設すること
も出来る。
【0026】なお、以上の実施形態では、埋立を深さ方
向に二段階に分けて行っているが、それ以上の複数段に
分割して行うことも可能である。また、実施形態では1
つの屋根架15を各区各毎に移設しながら埋立を行っ
たが、廃棄物Xの搬入量が多い場合には、複数の屋根架
とし、各区画毎に屋根架15の位置で投棄および埋
立作業を行うようにもできる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明による廃棄物の埋立方法によれば、大規模な廃棄物処
分場であっても、屋根架の設置位置で埋立て作業を行
うことにより、自然降雨による過度な汚染水の発生を防
止出来る。また、処分用地内の廃棄物の分解を促進で
き、埋立後の廃棄物の自然還元を早期に行える利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した廃棄物処分場の平面図であ
る。
【図2】図1のA−A線における正断面図である。
【図3】図1のB−B線における側断面図である。
【図4】図1のB−B線における埋立進捗状態を示す側
断面図である。
【符号の説明】 1 廃棄物処分場 4 一層目 5 二層目 12 仕切り堰(隔壁) 12a 仕切り堰下部 12b 仕切り堰上部 15 屋根架 16 遮水シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 美奈子 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 Fターム(参考) 4D004 AA46 BB03 BB04 DA02 DA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処分場用地を所定高さを有する複
    数の隔壁でX−Y方向に区画し、その区画された一部の
    埋立作業位置にX−Y方向に移設可能な屋根架講を配置
    し、当該屋根架構が配置された区画への廃棄物埋立完了
    後、前記屋根架講を次の埋立作業位置に移設することを
    特徴とする廃棄物の埋立方法。
  2. 【請求項2】 区画埋立後の廃棄物表面に、ある程度透
    水性のある遮水材で覆うことにより、廃棄物に表面に降
    注ぐ雨水の浸透調整を行った上で、余剰水を強制排出す
    ることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の埋立方
    法。
  3. 【請求項3】 前記埋立作業は、処分用地の底部から高
    さ方向に複数層に分けて行われ、下層の埋立が完了する
    毎に前記屋根架構を上方に盛り替えることを特徴とする
    請求項1または2いずれかの項に記載の廃棄物の埋立方
    法。
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