JP3363102B2 - 回転体接続装置 - Google Patents

回転体接続装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体接続装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転側部材と固定側部材との間を
電気的に接続するためには、両部材に接触接点をそれぞ
れ設けて、回転側部材の回転に伴って、回転側部材の接
点を固定側部材の接点上を接触摺動させるものがある
が、防水対策や接触不良の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、回転側部材と
固定側部材との間を電線で直接接続すると、回転側部材
の回転に伴って電線が捩れるために、回転側部材の回転
数を多くとれない。
【0004】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、回転数が多くなっても電線が捩れな
いようにできる回転体接続装置を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1は、外輪部材と内輪部材との間に
少なくとも1個の中間輪部材が回転可能に遊嵌されると
共に、テープ電線の外端部が外輪部材に固定され、内端
部が内輪部材に固定されて、中間部が中間輪部材に固定
されて、外輪部材と中間輪部材との間、及び中間輪部材
と内輪部材との間のテープ電線部はそれぞれループ状に
たわまされ、外輪部材と内輪部材の少なくとも一方を回
転させたときに、ループ状にたわまされたテープ電線部
が外輪部材と中間部材と内輪部材との間で接線方向に引
っ張られて展張するようにしたことを特徴とする回転体
接続装置を提供するものである。
【0006】請求項1によれば、外輪部材にテープ電線
の外端部を固定し、内輪部材にテープ電線の内端部を固
定し、中間輪部材にテープ電線の中間部を固定して、各
部材の間のテープ電線をそれぞれループ状にたわませる
ことにより、中立位置から外輪部材と内輪部材の少なく
とも一方をいずれかの方向に回転させたときに、ループ
状にたわまされたテープ電線部が外輪部材と中間部材と
内輪部材との間で接線方向に引っ張られて展張するよう
になる。
【0007】これにより、各部材の間でループ状にたわ
まされた各テープ電線部が接線方向に引っ張られて展張
する全長分だけ外輪部材又は内輪部材を回転させること
ができる。
【0008】本発明の請求項2は、外輪部材と内輪部材
との間に少なくとも1個の中間輪部材が回転可能に遊嵌
されると共に、カール電線の外端部が外輪部材に固定さ
れ、内端部が内輪部材に固定され、中間部が中間輪部材
に固定されて、外輪部材と内輪部材の少なくとも一方を
回転させたときに、各部材の間のカール電線部が外輪部
材と中間部材と内輪部材との間で接線方向に引っ張られ
て延びるようにしたことを特徴とする回転体接続装置を
提供するものである。
【0009】請求項2によれば、外輪部材にカール電線
の外端部を固定し、内輪部材にカール電線の内端部を固
定し、中間輪部材にカール電線の中間部を固定すること
により、中立位置から外輪部材と内輪部材の少なくとも
一方をいずれかの方向に回転させたときに、カール電線
部が外輪部材と中間部材と内輪部材との間で接線方向に
引っ張られて延びるようになる。
【0010】これにより、各部材の間でカール電線部が
接線方向に引っ張られて延びる全長分だけ外輪部材又は
内輪部材を回転させることができる。
【0011】請求項3のように、上記テープ電線又はカ
ール電線は、外輪部材と中間輪部材と内輪部材とに、円
周上等角度間隔で複数本が設けられている構成とすれ
ば、この本数だけ回路数を増加させることができる。
【0012】請求項4のように、上記テープ電線又はカ
ール電線には、1本毎に複数本の導体が設けられている
構成とすれば、この本数だけ回路数を増加させることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0014】図1〜図3は第1実施形態の回転体接続装
置である。図1に示すように、大径リング状の外輪部材
1を設けると共に、この外輪部材1の中心位置に配置さ
れる小径リング状の内輪部材2を設ける。そして、この
内輪部材2と外輪部材1との間には、2個の中間輪部材
3,4をそれぞれ一体の隙間を隔てて回転可能に遊嵌す
る。外輪部材1、内輪部材2及び各中間輪部材3,4は
絶縁体である。
【0015】一方、所定長さの3本のテープ電線5(A
〜C)を設け、この各テープ電線5(A〜C)の外端部
5aは外輪部材1に固定し、内端部5bは内輪部材2に
固定して、中間部5c,5dを中間輪部材3,4にそれ
ぞれ固定して、外輪部材1と中間輪部材3との間、中間
輪部材3と中間輪部材4との間、及び中間輪部材4と内
輪部材1との間のテープテープ電線部5e,5f,5g
はそれぞれ所定長さでループ状にたわませる。
【0016】上記3本のテープ電線5(A〜C)は、円
周上等角度間隔(120度)で設けられている。なお、
テープ電線5(A〜C)は3本に限られるものではな
く、1本、2本、又は4本以上であっても良い。2本の
場合には円周上180度間隔で設け、4本の場合には円
周上90度度間隔で設ければ良い。
【0017】また、上記3本のテープ電線5(A〜C)
は、1本毎に複数本、本例では3本の導体5h,5i,
5jが設けられている。したがって、3本のテープ電線
5(A〜C)に対して各3本の導体5h,5i,5jが
設けられていることから、合計9回路となる。
【0018】図2に示すように、各テープ電線5(A〜
C)の外端部5aは、導体5h〜5jをそれぞれ露出さ
せて、外輪部材1の内外貫通穴から各導体5h〜5jを
それぞれ外部に引き出して、外輪部材1の外部で半田付
けaして固定することにより、これに外部電線を接続で
きるようにする。なお、各テープ電線5(A〜C)の内
端部5bも同様にして内輪部材2の外部で半田付けして
固定すれば良い。
【0019】また、各テープ電線5(A〜C)の中間部
5c,5dは、導体を露出させることなく、各中間輪部
材3,4の貫通穴を内外に貫通させて、貫通部分を貫通
穴に接着剤等でそれぞれ固定にすれば良い。
【0020】上記のように回転体接続装置を構成すれ
ば、図3(a)に示した中立位置から外輪部材1を右方
向Rに回転させると、この外輪部材1の右方向Rの回転
に伴って、まず、外側のループ状テープ電線部5eが中
間輪部材3との間で接線方向に引っ張られて展張し、こ
の展張したループ状テープ電線部5eに引っ張られて中
間輪部材3が右方向Rに回転し、この中間輪部材3の右
方向Rの回転に伴って、つぎに、中間のループ状テープ
電線部5fが中間輪部材4との間で接線方向に引っ張ら
れて展張し、この展張したループ状テープ電線部5fに
引っ張られて中間輪部材4が右方向Rに回転し、この中
間輪部材4の右方向Rの回転に伴って、最後に、内側の
ループ状テープ電線部5gが内輪部材2との間で接線方
向に引っ張られて展張するようになる(図3(b)の状
態)。
【0021】逆に、図3(a)に示した中立位置から外
輪部材1を左方向Lに回転させると、この外輪部材1の
左方向Lの回転に伴って、まず、外側のループ状テープ
電線5eが中間輪部材3との間で接線方向に引っ張られ
て展張し、この展張したループ状テープ電線部5eに引
っ張られて中間輪部材3が左方向Lに回転し、この中間
輪部材3の左方向Lの回転に伴って、つぎに、中間のル
ープ状テープ電線部5fが中間輪部材4との間で接線方
向に引っ張られて展張し、この展張したループ状テープ
電線部5fに引っ張られて中間輪部材4が左方向Lに回
転し、この中間輪部材4の左方向Lの回転に伴って、最
後に、内側のループ状テープ電線部5gが内輪部材2と
の間で接線方向に引っ張られて展張するようになる(図
3(c)の状態)。
【0022】本例では、内輪部材2に対して外輪部材1
が左右方向L,Rにほぼ1回転半づつ、合計3回転で回
転できるように、各中間輪部材3,4の個数と各ループ
状テープ電線部5e〜5gの長さを設定しているが、各
中間輪部材3,4の個数と各ループ状テープ電線部5e
〜5gの長さを適当に設定すれば、3回転以下、若しく
は3回転以上の回転も可能である。
【0023】上記のように、外輪部材1、各中間輪部材
3,4、内輪部材2の間でループ状にたわまされた各テ
ープ電線部5e〜5gが接線方向に引っ張られて展張す
る全長分だけ外輪部材1を回転させることができるの
で、テープ電線5(A〜C)を捩ることなく外輪部材1
の回転数を多くできるようになる。
【0024】なお、上記実施形態では、外輪部材1のみ
を回転させるようにしたが、内輪部材2のみを回転させ
ても同様の回転数を得ることができ、また、外輪部材1
と内輪部材2とを相互に回転させるようにしても良い。
【0025】図4及び図5は第2実施形態の回転体接続
装置である。図4に示すように、大径リング状の外輪部
材1を設けると共に、この外輪部材1の中心位置に配置
される小径リング状の内輪部材2を設ける。そして、こ
の内輪部材2と外輪部材1との間には、1個の中間輪部
材3をそれぞれ一体の隙間を隔てて回転可能に遊嵌す
る。外輪部材1、内輪部材2及び中間輪部材3は絶縁体
である。
【0026】一方、所定長さの6本のカール電線(カー
ルコード)6(A〜F)を設け、この各カール電線6
(A〜F)の外端部6aは外輪部材1に固定し、内端部
6bは内輪部材2に固定して、中間部6cを中間輪部材
3に固定して、外輪部材1と中間輪部材3との間、中間
輪部材3と内輪部材1との間のカール電線部6d,6e
はそれぞれ引っ張り力を加えていない自由長さ状態とす
る。
【0027】上記6本のカール電線6(A〜F)は、円
周上等角度間隔(60度)で設けられている。なお、カ
ール電線6(A〜F)は6本に限られるものではなく、
1〜5本、又は7本以上であっても良い。
【0028】また、上記6本のカール電線6(A〜F)
は、1本毎に1本の導体が設けられているものでも良い
が、複数本、例えば、2本の導体が設けられているもの
を用いることができる。このようにすれば、6本のカー
ル電線6(A〜F)に対して各2本の導体が設けられて
いることになるから、合計12回路となる。
【0029】上記各カール電線6(A〜F)の外端部6
a、内端部6b及び中間部6cの外輪部材1、内輪部材
2、及び中間輪部材3への各固定構造は、第1実施形態
と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0030】上記のように回転体接続装置を構成すれ
ば、図5(a)に示した中立位置から内輪部材2を左方
向Lに回転させると、図5(b)に示すように、この内
輪部材2の左方向Lの回転に伴って、内側のカール電線
部6eが中間輪部材3との間で接線方向に引っ張られて
延びながら中間輪部材3を左方向Lに回転させ、この中
間輪部材3の左方向Lの回転に伴って、外側のカール電
線部6dが外輪部材1との間で接線方向に引っ張られて
延びるようになる(図5(c)の状態)。
【0031】なお、図5(a)に示した中立位置から内
輪部材2を右方向に回転させた場合も同様である。
【0032】本例では、外輪部材1に対して内輪部材が
左右方向L,Rにほぼ120度づつ、合計2/3回転で
回転できるように、中間輪部材3の個数と各カール電線
6(A〜F)の長さを設定しているが、中間輪部材3の
個数と各カール電線6(A〜F)の長さを適当に設定す
れば、1回転以上の回転も可能である。
【0033】上記のように、外輪部材1、中間輪部材
3、内輪部材2の間でカール電線6(A〜F)が接線方
向に引っ張られて延びる全長分だけ内輪部材2を回転さ
せることができるので、カール電線6(A〜F)を捩る
ことなく内輪部材2の回転数を多くできるようになる。
【0034】なお、上記実施形態では、内輪部材2のみ
を回転させるようにしたが、外輪部材1のみを回転させ
ても同様の回転数を得ることができ、また、外輪部材1
と内輪部材2とを相互に回転させるようにしても良い。
【0035】本発明は、回転体接続装置として各種回転
体機器に利用できるが、例えば固定側の車体の電気機器
と、回転側のハンドルの電気機器(クラクション等)と
を接続するのに最適に使用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の請求項1の回転体接続装置は、外輪部材にテープ電
線の外端部を固定し、内輪部材にテープ電線の内端部を
固定し、中間輪部材にテープ電線の中間部を固定して、
各部材の間のテープ電線をそれぞれループ状にたわませ
ることにより、中立位置から外輪部材と内輪部材の少な
くとも一方をいずれかの方向に回転させたときに、ルー
プ状にたわまされたテープ電線が外輪部材と中間部材と
内輪部材との間で接線方向に引っ張られて展張するよう
になるから、各部材の間でループ状にたわまされた各テ
ープ電線が接線方向に引っ張られて展張する全長分だけ
外輪部材又は内輪部材を回転させることができるので、
テープ電線を捩ることなく外輪部材又は内輪部材の回転
数を多くできるようになる。
【0037】本発明の請求項2は、外輪部材にカール電
線の外端部を固定し、内輪部材にカール電線の内端部を
固定し、中間輪部材にカール電線の中間部を固定するこ
とにより、中立位置から外輪部材と内輪部材の少なくと
も一方をいずれかの方向に回転させたときに、カール電
線が外輪部材と中間部材と内輪部材との間で接線方向に
引っ張られて延びるようになるから、各部材の間でカー
ル電線が接線方向に引っ張られて延びる全長分だけ外輪
部材又は内輪部材を回転させることができるので、カー
ル電線を捩ることなく外輪部材又は内輪部材の回転数を
多くできるようになる。
【0038】請求項3のように、テープ電線又はカール
電線は、外輪部材と中間輪部材と内輪部材とに、円周上
等角度間隔で複数本が設けられている構成とすれば、こ
の本数だけ回路数を増加させることができる。
【0039】請求項4のように、テープ電線又はカール
電線には、1本毎に複数本の導体が設けられている構成
とすれば、この本数だけ回路数を増加させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態の回転体接続装置
の斜視図である。
【図2】 テープ電線の外端部の固定構造の断面図であ
る。
【図3】 回転体接続装置であり、(a)は中立位置の
平面図、(b)は最大右回転時の平面図、(c)は最大
左回転時の平面図である。
【図4】 第2実施形態の回転体接続装置の斜視図であ
る。
【図5】 回転接続装置であり、(a)は中立位置の平
面図、(b)は左回転途中の平面図、(c)は最大左回
転時の平面図である。
【符号の説明】
1 外輪部材 2 内輪部材 3,4 中間輪部材 5(A〜C) テープ電線 5a 外端部 5b 内端部 5c,5d 中間部 5e〜5g ループ状テープ電線部 5h〜5j 導体 6(A〜F) カール電線 6a 外端部 6b 内端部 6c 中間部 6e,6f カール電線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−231550(JP,A) 特開 平7−177641(JP,A) 特開 平5−207632(JP,A) 特開 平5−184041(JP,A) 特開 平5−168134(JP,A) 特開 平5−56543(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪部材と内輪部材との間に少なくとも
    1個の中間輪部材が回転可能に遊嵌されると共に、テー
    プ電線の外端部が外輪部材に固定され、内端部が内輪部
    材に固定されて、中間部が中間輪部材に固定されて、外
    輪部材と中間輪部材との間、及び中間輪部材と内輪部材
    との間のテープ電線部はそれぞれループ状にたわまさ
    れ、外輪部材と内輪部材の少なくとも一方を回転させた
    ときに、ループ状にたわまされたテープ電線部が外輪部
    材と中間部材と内輪部材との間で接線方向に引っ張られ
    て展張するようにしたことを特徴とする回転体接続装
    置。
  2. 【請求項2】 外輪部材と内輪部材との間に少なくとも
    1個の中間輪部材が回転可能に遊嵌されると共に、カー
    ル電線の外端部が外輪部材に固定され、内端部が内輪部
    材に固定され、中間部が中間輪部材に固定されて、外輪
    部材と内輪部材の少なくとも一方を回転させたときに、
    各部材の間のカール電線部が外輪部材と中間部材と内輪
    部材との間で接線方向に引っ張られて延びるようにした
    ことを特徴とする回転体接続装置。
  3. 【請求項3】 上記テープ電線又はカール電線は、外輪
    部材と中間輪部材と内輪部材とに、円周上等角度間隔で
    複数本が設けられている請求項1又は請求項2に記載の
    回転体接続装置。
  4. 【請求項4】 上記テープ電線又はカール電線には、1
    本毎に複数本の導体が設けられている請求項1〜請求項
    3のいずれかに記載の回転体接続装置。
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