JP3353514B2 - プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理方法及び半導体装置の作製方法

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JP3353514B2 JP33192594A JP33192594A JP3353514B2 JP 3353514 B2 JP3353514 B2 JP 3353514B2 JP 33192594 A JP33192594 A JP 33192594A JP 33192594 A JP33192594 A JP 33192594A JP 3353514 B2 JP3353514 B2 JP 3353514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ処理装置、並
びにかかるプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法
及び半導体装置の作製方法に関する。より具体的には、
本発明は、プラズマ発生領域と被処理物処理領域とを分
離するリモートプラズマ法の実施に適したプラズマ処理
装置に関し、より詳しくは、プラズマCVD法やプラズ
マエッチング法、アッシング(灰化)法等において、大
面積の被処理物(例えば、ウエハや各種基板)を短時間
で良好に処理できるプラズマ処理装置、並びにかかるプ
ラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法及び半導体装
置の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、アクティブマトリックス型の液
晶ディスプレイ装置においては、そのスイッチング素子
は、絶縁ゲート型トランジスタ(MISトランジスタ)
から成るTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジ
スタ)によって構成されている。そして、大面積のMI
S型半導体装置を低温プロセスで作製するための検討が
盛んに行われている。この場合、基板として、一般に、
硼珪酸ガラスあるいはプラスチック等の低融点材料若し
くは耐熱性の低い材料が使用されている。従って、TF
Tの作製、より具体的には、例えばゲート絶縁膜の形成
を、例えば600゜C以下の低温で行う必要がある。然
るに、600゜C以下のプロセス温度では、例えば熱酸
化といった従来のゲート絶縁膜形成方法を用いることが
できない。それ故、現在、様々なゲート絶縁膜形成技術
が検討されている。その中でも、ゲート絶縁膜形成方法
として、ゲート絶縁膜の成膜における基板温度を600
゜C以下とし得るプラズマCVD(化学的気相成長)法
が提案されている。このプラズマCVD法によるゲート
絶縁膜形成方法は、大面積且つ均一な絶縁膜の成膜が容
易であるという点で有望である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従前の
知見によれば、プラズマCVD法による絶縁膜の形成に
おいては、低温成膜ができる利点はあるものの、プラズ
マによる絶縁膜の損傷によって、目的とする優れた特性
を有するMISトランジスタの作製が困難であるという
問題がある。即ち、例えばnチャネル型MISトランジ
スタにおいては、動作がデプレション型となる。また、
pチャネル型MISトランジスタにおいては、所定の負
の電圧をゲート電極に印加してもトランジスタがオンし
ないという閾値電圧Vthの増大化現象が生じる。その結
果、nチャネル型及びpチャネル型トランジスタを用い
た回路の集積化が困難となっている。
【0004】このような現象は、ゲート絶縁膜の成膜時
等におけるプラズマ照射によって発生するゲート絶縁膜
中の格子欠陥に起因した正電荷によって生じると考えら
れている。即ち、この正電荷は、例えば例えばSiO2
から成るゲート絶縁膜中のSiのダングリングボンド
(未結合手)、即ち酸素空孔等の欠陥によって発生する
と考えられている。そして、この正電荷がゲート絶縁膜
と半導体(例えばSi)との界面近傍に存在すると、フ
ラットバンド電圧の負方向へのシフト(移動)がもたら
される。その結果、上述したnチャネル型MISトラン
ジスタのデプレション型化、pチャネル型MISトラン
ジスタの閾値電圧Vthの増大化が生じると考えられてい
る。また、強度のプラズマを照射した場合、上述のゲー
ト絶縁膜のプラズマ損傷と同時に、不純物がゲート絶縁
膜へ混入するという現象も起こり得る。この不純物が、
例えばナトリウムのような可動性且つイオン性の不純物
である場合、フラットバンド電圧のシフトの発生のみな
らず、MISトランジスタの素子特性の安定性が大きく
損なわれる。
【0005】フラットバンド電圧のシフトは通常数ボル
トである。従って、MISトランジスタの動作電圧が比
較的高い場合(例えば±20V程度である場合)、4V
程度のフラットバンド電圧のシフトは許容できる。しか
しながら、昨今ますます要求が高まっている低電圧駆
動、例えばCMOS回路の5V駆動を考えた場合には、
このような大きなフラットバンド電圧のシフトは許容す
ることができない。
【0006】従って、これらの問題を解決するには、絶
縁膜/半導体界面におけるプラズマ損傷の発生を極力低
減しなければならない。そのため、ゲート絶縁膜を形成
すべき基体(半導体基板等)を直接プラズマに晒さない
ような構造を有するプラズマCVD装置の開発が活発に
行われている。例えば本出願人によって提案された平行
平板型リモートプラズマ装置はその一例である(特開平
5−21393号公報参照)。
【0007】ところが、この公開公報に開示された平行
平板型リモートプラズマ装置を用いた場合であっても、
基体に対するプラズマ中の荷電粒子の遮蔽が完全になさ
れるわけではない。そのため、作製されたMISトラン
ジスタの素子特性に特性劣化や特性ばらつきが認められ
る。即ち、ゲート絶縁膜中に正電荷が発生し、これがフ
ラットバンド電圧のシフトをもたらし、MISトランジ
スタの素子特性を損なっている。
【0008】半導体装置の製造工程においては、各種材
料をプラズマエッチングしたり、フォトリソグラフィ技
術において用いられるフォトレジストを除去するために
フォトレジストのプラズマによるアッシング(灰化)を
行っている。これらの場合においても、被処理物や基体
にプラズマ損傷が発生し、被処理物や基体の品質、特性
の劣化、あるいは又、最終製品である半導体装置の特性
劣化を招いている。
【0009】従って、本発明の第1の目的は、プラズマ
の遮蔽をより効率よく行うことができ、プラズマ損傷の
発生を一層効果的に抑制できるプラズマ処理装置を提供
することにある。更に、本発明の第2の目的は、プラズ
マの遮蔽をより効率よく行うことができ、基体に対する
プラズマ損傷の発生を一層効果的に抑制でき、高品位の
プラズマ処理を行い得るプラズマ処理方法を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、プラズマの遮蔽をよ
り効率よく行うことができ、基体に対するプラズマ損傷
の発生を一層効果的に抑制でき、優れた特性を有する半
導体装置を作製し得る半導体装置の作製方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の第1の態様に係るプラズマ処理装置
は、プラズマを生成するプラズマ生成室と、プラズマ処
理すべき被処理物を配置するプラズマ処理室とを備えた
プラズマ処理装置であって、プラズマ生成室とプラズマ
処理室との間に少なくとも1枚のプラズマ分離用のメッ
シュプレートが配設されており、該メッシュプレートに
は複数の開口部が設けられており、該開口部の径はプラ
ズマのデバイ長の2倍以下であることを特徴とする。
【0011】開口部の径の下限値は、メッシュプレート
における開口部の形成技術に依存する。開口部を例えば
パンチング加工で形成する場合、開口部の径の下限値は
0.1mm程度である。一方、開口部を例えばエッチン
グ加工で形成する場合、開口部の径の下限値は0.01
mm程度である。
【0012】本発明の第1の態様に係るプラズマ処理装
置においては、プラズマ生成室とプラズマ処理室との間
に2枚以上のプラズマ分離用のメッシュプレートが配設
されており、各メッシュプレートに設けられた開口部の
径は、当該メッシュプレートで仕切られた2つの空間の
内、プラズマ生成室に近い側の空間におけるプラズマの
デバイ長の2倍以下である態様を含めることができる。
【0013】更には、プラズマ生成室における電子密度
をne、電子温度をTeとしたとき、プラズマ生成室に隣
接したメッシュプレートに設けられた開口部の径を、
(kTeε0/ne21/2の2倍以下(但し、kはボル
ツマン定数、ε0は真空の誘電率、eは電子の電荷)と
する態様を含めることができる。
【0014】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係るプラズマ処理装置は、プラズマを生
成するプラズマ生成室と、プラズマ処理すべき被処理物
を配置するプラズマ処理室とを備えたプラズマ処理装置
であって、生成室とプラズマ処理室との間に少なくとも
1枚のプラズマ分離用のメッシュプレートが配設されて
おり、該メッシュプレートには複数の開口部が設けられ
ており、該メッシュプレートに0ボルト<V0≦30ボ
ルト、好ましくは10ボルト≦V0≦30ボルト、より
好ましくは10ボルト≦V0≦20ボルトの電圧V0を印
加し得ることを特徴とする。メッシュプレートに印加す
る電圧V0が0ボルト<V0≦30ボルトの範囲から逸脱
すると、メッシュプレート近傍のプラズマ空間電位と被
処理物の表面電位との間の電位差によってプラズマ中の
荷電粒子がこれらの間で加速されそして被処理物に衝突
する。その結果、被処理物にプラズマ損傷が発生してし
まう。
【0015】本発明の第2の態様に係るプラズマ処理装
置においては、プラズマ処理室に配置されたプラズマ処
理すべき被処理物の表面電位と、該被処理物に隣接する
メッシュプレート近傍のプラズマ空間電位とが略同一と
なるように、該被処理物に隣接した該メッシュプレート
に印加する電圧V0を制御する態様を含めることができ
る。
【0016】更には、プラズマ生成室とプラズマ処理室
との間に2枚以上のプラズマ分離用のメッシュプレート
が配設されており、各メッシュプレートに印加する電圧
0を略同一にする態様を含めることができる。
【0017】尚、本発明の第2の態様に係るプラズマ処
理装置におけるメッシュプレートに設けられた開口部に
対して、本発明の第1の態様に係るプラズマ処理装置の
特徴である開口部の径の規定を適用することもできる。
【0018】メッシュプレートを多数枚プラスマ処理装
置に装着することは、プラズマ遮蔽の効果が増す方向に
なる。プラズマ処理装置において薄膜を成膜する場合、
成膜速度は、基本的には気相中で生成された電気的に中
性なプリカーサーSiO*(反応前駆体)が被処理物(基
体)の表面に堆積する速度に依存する。従って、メッシ
ュプレートによって荷電粒子を遮蔽しても、メッシュプ
レートを配設していない場合と比較して、成膜速度はあ
まり変わることはない。しかしながら、あまり多数のメ
ッシュプレートを装着すると、メッシュプレート上への
膜堆積が顕著となり、被処理物(基体)表面上での成膜
速度が低下する要因となるので、注意が必要である。ま
た、メッシュプレートの枚数の上限はプラズマ処理装置
を排気する際のコンダクタンスの低下によっても制限さ
れる場合がある。それ故、本質的には上限は無いが、実
用上は最高10枚で十分である。
【0019】メッシュプレートの開口部の平面形状は、
円形や多角形、楕円等、任意の形状とすることができ
る。開口部の平面形状が円形の場合、開口部の径はかか
る円の直径であり、開口部の平面形状が多角形の場合、
開口部の径はかかる多角形の内接円の直径を意味する。
開口部の平面形状が楕円の場合、開口部の径はかかる楕
円の長軸の長さを意味する。また、開口部の平面形状が
任意の形状の場合、かかる形状を横切る直線と、かかる
形状の交わる2つの交点間の距離の内、最も長い距離を
開口部の径とする。開口部は、矩形、正三角形や正六角
形の頂点上等、任意のパターンに配列することができ
る。メッシュプレート単位面積当りの開口部の個数は、
メッシュプレートの全領域で一定としてもよいし、例え
ば、メッシュプレートの中央部では個数を多くし、周辺
部では個数を少なくしてもよいし、場合によっては周辺
部に開口部を設けなくともよい。各開口部の大きさは一
定であっても異なっていてもよい。開口部の軸線方向の
断面形状は、矩形や台形等、任意の形状とすることがで
きる。メッシュプレートは、例えばステンレススチール
板等にパンチングやエッチング等の穴開け加工を施すこ
とによって、あるいは又、エキスパンドメタルを加工す
ることによって、作製することができる。メッシュプレ
ート全体の平面形状は、プラズマ処理装置の形状に依存
して適宜決定すればよいが、円形が最も好ましい。
【0020】また、本発明の第1及び第2の態様に係る
プラズマ処理装置においては、プラズマ生成室及びプラ
ズマ処理室にガス排気部が設けられていることが好まし
い。プラズマ生成室とプラズマ処理室との間に2枚以上
のプラズマ分離用のメッシュプレートを配設する場合に
は、メッシュプレートとメッシュプレートとの間にガス
排気部を設ける態様が、プラズマ処理装置を短時間で排
気するために、一層好ましい。尚、本発明のプラズマ処
理装置においては、プラズマ処理装置のメッシュプレー
ト取付部は電気絶縁材料から成り、メッシュプレート取
付部はプラズマ処理装置の外壁の一部を構成しているこ
とが好ましい。
【0021】本発明のプラズマ処理装置として、例え
ば、膜形成を目的としたリモートプラズマCVD装置又
はスパッタ装置、エッチングを目的としたラジカルビー
ムエッチング装置、あるいは又、フォトレジストの灰化
を目的としたアッシング装置を挙げることができる。
【0022】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係るプラズマ処理方法は、上記の本発明
のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に配置さ
れた基体上に薄膜を成膜することを特徴とする。
【0023】更に、上記の第2の目的を達成するための
本発明の第2の態様に係るプラズマ処理方法は、上記の
本発明のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に
配置された基体上に形成された薄膜をエッチングするこ
とを特徴とする。
【0024】あるいは又、上記の第2の目的を達成する
ための本発明の第3の態様に係るプラズマ処理方法は、
上記の本発明のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処
理室に配置された基体上に形成されたフォトレジストを
灰化することを特徴とする。
【0025】上記の第3の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係る半導体装置の作製方法は、半導体装
置が絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、上記の
本発明のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に
配置された基体上に絶縁膜を成膜することを特徴とす
る。
【0026】本発明の第1の態様に係る半導体装置の作
製方法においては、絶縁膜は、SiO2膜、SiN膜、
SiON膜、あるいはこれらの膜の積層構造から成るこ
とが好ましい。また、基体は、単結晶半導体材料、アモ
ルファス半導体材料又は多結晶半導体材料から成ること
が好ましい。あるいは又、基体を、レーザでの加熱によ
って多結晶化された多結晶シリコン層から構成すること
ができる。
【0027】上記の第3の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係る半導体装置の作製方法は、半導体装
置が太陽電池であり、上記の本発明のプラズマ処理装置
を用いて、プラズマ処理室に配置された基体上に保護用
絶縁膜を成膜することを特徴とする。
【0028】
【作用】一般に、プラズマ中の荷電粒子は、反対符号の
荷電粒子に囲まれ、中心の電荷による電界は遮蔽される
ようになる。この遮蔽距離をデバイ長λDと呼ぶ。プラ
ズマ中に金属片や基体等(以下、試料と呼ぶ)を入れる
と、試料の周りにイオンシースが生じる。このイオンシ
ースにかかる電圧によって、イオンは試料側に引き込ま
れる。そして、プラズマ中の試料の電荷によって形成さ
れる電界が遮蔽され、イオンシースの外側ではプラズマ
はほぼ一定電位を保つようになる。このような領域を空
間電荷領域と呼び、この領域の電位をプラズマ空間電位
と呼ぶ。
【0029】ところで、このシースの厚みはデバイ長λ
D程度となる。ここで、デバイ長λDは、電子密度を
e、電子温度をTeとしたとき、以下の式で表すことが
できる。 λD=(kTeε0/ne21/2 (1) ≒69(Te/ne1/2 但し、kはボルツマン定数、ε0は真空の誘電率、eは
電子の電荷であり、単位はMKS系である。
【0030】上式からも明らかなように、デバイ長λD
はプラズマの状態によって変化する。プラズマ処理装置
にも依存するが、通常のRFグロー放電による、比較的
デバイ長λDが短いArプラズマの場合、供給RF電力
が10Wの条件下では、電子温度Te及び電子密度n
eは、それぞれ2eV、109cm-3程度である。従っ
て、デバイ長λDは0.33mm程度となる。
【0031】本発明の第1の態様に係るプラズマ処理装
置においては、メッシュプレートに設けられた開口部の
径をプラズマのデバイ長の2倍以下とする。例えば上述
の条件においては、開口部の径を0.66mm以下とす
る。
【0032】開口部の径がデバイ長の2倍を越える場
合、開口部の中心部は空間電荷領域となる。そしてこの
領域は、例えばプラズマ生成室内の放電領域における空
間電荷領域のプラズマパラメータ(電子密度neや電子
温度Te)に等しくなる。その結果、メッシュプレート
の存在によって当然プラズマ密度は低下するものの、プ
ラズマ中の電荷粒子である電子や正負イオン等は被処理
物(基体)が配置されたプラズマ処理室に開口部を介し
て漏洩し、プラズマ処理室におけるプラズマ密度が高く
なる。そして、プラズマ処理室において、プラズマ放電
が起こり易くなる。即ち、プラズマ生成室の高密度プラ
ズマがメッシュプレートの開口部を介してプラズマ処理
室に漏洩し、被処理物(基体)がプラズマ損傷を受ける
原因となる。
【0033】一方、メッシュプレートに設けられた開口
部の径をプラズマのデバイ長の2倍以下とすることによ
って、メッシュプレートの開口部の中心部には空間電荷
領域が存在し得なくなる。即ち、メッシュプレートの開
口部全体がシース領域となっており、開口部には電界が
加わっているので、プラズマ中の荷電粒子はメッシュプ
レートに捕獲されてしまい、プラズマ処理室におけるプ
ラズマ密度が大きく低下する。言い換えれば、プラズマ
中の荷電粒子をメッシュプレートによって効果的に遮蔽
することができ、被処理物(基体)に対するプラズマ損
傷を大きく低減することができる。
【0034】通常、被処理物は、プラズマ処理室内に配
設された被処理物載置部に載置されている。被処理物載
置部を或る一定電位に保ったとしても、被処理物の表面
は、プラズマ処理中のプラズマ損傷等に起因して必ずし
もこの一定電位に制御されるとは限らない。例えば、プ
ラズマ処理装置がプラズマCVD装置のような薄膜形成
装置であり、例えばSiO2膜を成膜する場合、プラズ
マ損傷の発生によって、SiO2膜中に酸素欠損を有す
るような欠陥が生じ、これが正電荷を発生し得る。そし
て、この正電荷によって、被処理物載置部がたとえ接地
されていたとしても、被処理物の表面電位は正になる。
【0035】本発明の第2の態様に係るプラズマ処理装
置においては、メッシュプレートに印加する電圧V
0を、0<V0≦30ボルトに制御することで、メッシュ
プレート近傍のプラズマ空間電位を被処理物の表面電位
に出来るだけ近づける。その結果、メッシュプレート近
傍のプラズマ空間電位と被処理物の表面電位との間の電
位差によってプラズマ中の荷電粒子がこれらの間で加速
されそして被処理物に衝突することを、効果的に防ぐこ
とができる。それ故、被処理物にプラズマ損傷が発生す
ることを効果的に防止することができる。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。尚、実施例のプラズマ処理装置において
は、金属製のメッシュプレートによって、プラズマ処理
装置の内部をプラズマ生成室とプラズマ処理室に分離す
る。そして、このようなプラズマ処理装置を用いて、プ
ラズマ損傷の発生を抑制しつつ、基体である半導体基板
上に半導体素子(例えばMISトランジスタ)を作製す
るために薄膜を成膜したり、薄膜をプラズマエッチング
したり、あるいは、半導体素子作製工程にて用いられる
フォトレジストのアッシング(灰化)を行う。尚、半導
体基板には、その全体が半導体によって構成されるバル
ク形構成による基板はもとより、例えば絶縁性若しくは
半絶縁性基板上に単結晶半導体層、多結晶半導体層、非
晶質半導体層が形成された構成による基板をも包含され
る。
【0037】尚、実施例1〜実施例3は、本発明の第1
の態様に係るプラズマ処理装置(具体的には、膜形成を
目的とした平行平板型のリモートプラズマCVD装置)
に関し、実施例4及び実施例5は、本発明の第2の態様
に係るプラズマ処理装置(具体的には、膜形成を目的と
した平行平板型のリモートプラズマCVD装置)に関す
る。また、実施例6〜実施例8は、本発明の第1の態様
に係るプラズマ処理装置を用いた、本発明の第1の態様
に係るプラズマ処理方法あるいは本発明の第1及び第2
の態様に係る半導体装置の作製方法に関する。更には、
実施例9は、本発明の第2の態様に係るプラズマ処理装
置を用いた、本発明の第1の態様に係るプラズマ処理方
法に関する。
【0038】(実施例1)実施例1は、本発明の第1の
態様に係るプラズマ処理装置である。実施例1における
プラズマ処理装置は、膜形成を目的とした平行平板型の
リモートプラズマCVD装置である。その概略の構造を
図1に示す。実施例1のプラズマ処理装置は、基本的に
はプラズマ生成室10とプラズマ処理室20を備えてい
る。
【0039】プラズマ生成室10は、円板形の金属製の
外壁部材11と円筒形の金属製の外壁部材12とから構
成されている。即ち、プラズマ処理装置は、金属製の外
壁部材11,12,21によって外気と隔離されてい
る。プラズマ生成室10には、バルブ18付きのガス排
気部17が設けられており、図示しない排気ポンプによ
りプラズマ生成室10内のガスを排気し、プラズマ生成
室10内を真空引きする。プラズマ生成室10へのプラ
ズマ発生用ガスの導入は、外壁部材11に設けられたバ
ルブ16付きガス導入部15から行う。SiO2を成膜
する場合、O2ガス及びHeガスをガス導入部15から
プラズマ生成室10内に導入する。プラズマを生成させ
るために、外壁部材11に取り付けられた電力導入端子
13を経て上部電極14にRF電力(13.56MH
z)が供給される。
【0040】プラズマ処理室20は、円筒形の金属製の
外壁部材21から構成されている。プラズマ処理室20
には、ガス導入部22、バルブ26付きのガス排気部2
5、バルブ28付きのガス排気部27が備えられてい
る。ガス導入部22から導入されたガスは、リング状の
ガス拡散器23に設けられた多数の小孔からプラズマ処
理室20の内部に均一に拡散される。そしてプラズマ処
理室20に備えられたガス排気部27から、図示しない
排気ポンプによって排気される。一方、プラズマ生成室
10内に導入されたプラズマ発生用のガスは図1の下方
に流れ、プラズマ処理室20のガス排気部27から排気
される。プラズマ処理室20の底部には、加熱用ヒータ
ー(図示せず)を備えそして電気的に接地された被処理
物載置部24が配設されている。この被処理物載置部2
4上にプラズマ処理すべき被処理物(例えばウエハ)5
0を載置する。
【0041】プラズマ生成室10とプラズマ処理室20
とは、円筒形の金属製の外壁部材12で結ばれている。
外壁部材12の一部分は、プラズマ処理室20の外壁部
材21を介してプラズマ処理室20の内部に収納されて
おり、プラズマ処理室20内の外壁部材12の端部はガ
ス拡散器23の上方に位置する。
【0042】外壁部材12にはメッシュプレート40が
配設されている。メッシュプレート40は、絶縁材(図
示せず)を介して支持部材44によって外壁部材12に
取り付けられている。尚、外壁部材12の構造や組立方
法、メッシュプレートの取付け方法は適宜変更すること
ができる。
【0043】メッシュプレート40は、プラズマ生成室
10とプラズマ処理室20とを空間的に分離する。メッ
シュプレート40は金属板から成り、その平面形状は、
図1に示した実施例1のプラズマ処理装置の場合には円
板状である。この円板状のメッシュプレートには、円形
の複数の開口部43が開けられている。プラズマは、プ
ラズマ生成室10内で、上部電極14とメッシュプレー
ト40との間で発生する。
【0044】実施例1におけるメッシュプレートには、
0.5mm径の開口部43(平面形状は円形)が、一辺
1.0mmの正三角形の頂点上に多数配置されている。
メッシュプレート40は接地されている。プラズマ生成
室10で生成したプラズマの、式(1)で表わされるデ
バイ長λDは0.33mm程度である。従って、開口部
43の径(直径)は、プラズマ生成室10で生成したプ
ラズマのデバイ長λDの2倍以下である。
【0045】実施例1において、プラズマ生成室10に
導入されたガスは、メッシュプレート40に設けられた
開口部43を通り抜けてプラズマ処理室20に流入す
る。開口部43の径をデバイ長λDの2倍以下とするこ
とによって、効果的にプラズマ中の荷電粒子を遮蔽する
ことができ、被処理物50に対して電気的に中性の励起
された原子種若しくは分子種が主に照射される。その結
果、被処理物50(基体)に対するプラズマ損傷を大幅
に低減することができる。
【0046】一例として、アルゴンガスを用いたリモー
トプラズマ法において、実施例1のプラズマ処理装置の
メッシュプレート40直下の電子密度と、電力導入端子
13を経て上部電極14に供給された13.56MHz
のRF電力(以下、供給RFF電力と呼ぶ)との関係を
図2に示す。アルゴンガスの流量を30sccm、圧力
を40Pa(300ミリトル)とした。プラズマ診断法
は、例えば、AppiledPhysics Letters 65 (2), 1994, p
162 Sano, et al., に示されたラングミュアプローブ解
析を応用した手法に基づいている。
【0047】図2において、曲線(a)は、メッシュプ
レートに設けられた直径2.0mmの円形形状の開口部
が一辺4.0mmの正三角形の頂点に配置されている場
合の電子密度を示す。また、曲線(b)は、メッシュプ
レートに設けられた直径1.0mmの円形形状の開口部
が一辺2.0mmの正三角形の頂点に配置されている場
合の電子密度を示す。更に、曲線(c)は実施例1の場
合、即ち、メッシュプレートに設けられた直径0.5m
mの円形形状の開口部が一辺1.0mmの正三角形の頂
点に配置されている場合の電子密度を示す。尚、直径
2.0mm及び1.0mmの開口部においては、開口部
の径はデバイ長の2倍を越えている。各メッシュプレー
トの開口率は、全て22.7%で等しい。
【0048】図2から明らかなように、メッシュプレー
トの開口率が等しいにも拘わらず、電子密度が大きく異
なっている。曲線(b)と曲線(c)を比較すると、電
子密度は2桁以上も異なっていることが判る。実施例1
による曲線(c)の電子密度が低い理由は、前述したよ
うに、メッシュプレートに設けられた開口部の径がデバ
イ長の2倍以下であり、プラズマ中の荷電粒子がメッシ
ュプレートによって効果的に遮蔽されているからであ
る。
【0049】(実施例2)実施例2は、実施例1の変形
である。実施例2が実施例1と相違する点は、メッシュ
プレートの数にある。実施例1においてはメッシュプレ
ートを1枚とした。一方、実施例2においてはメッシュ
プレートを3枚とした。実施例2のプラズマ処理装置の
概要を図3に模式的に示す。
【0050】実施例2においては、外壁部材12にメッ
シュプレート40,41,42が配設されている。尚、
外壁部材12の端部にメッシュプレート42が配設され
ている。各メッシュプレート40,41,42は、絶縁
材(図示せず)を介して支持部材44によって外壁部材
12に取り付けられている。各メッシュプレート40,
41,42は接地されている。尚、外壁部材12の構造
や組立方法、メッシュプレートの取付け方法は適宜変更
することができる。こうして、外壁部材12とメッシュ
プレート40,41によってプラズマ分離室30が形成
され、外壁部材12とメッシュプレート41,42によ
ってプラズマ分離室31が形成される。尚、実施例2に
おいては、外壁部材12とメッシュプレート40,4
1,42との間には隙間45が形成されている。即ち、
外壁部材12の内径は、メッシュプレート40,41,
42の外径よりも大きい。
【0051】外壁部材12にはバルブ35付きガス排気
部34が設けられている。即ち、メッシュプレート40
とメッシュプレート41との間のプラズマ分離室30に
はガス排気部34が設けられている。尚、メッシュプレ
ート41とメッシュプレート42との間にガス排気部を
設けてもよい。あるいは又、各プラズマ分離室にガス排
気部を設けてもよい。プラズマ分離室は、図示しない排
気ポンプにより排気され、真空引きされる。
【0052】メッシュプレート40,41,42は、プ
ラズマ生成室10とプラズマ処理室20とを空間的に分
離する。メッシュプレート40,41,42は、例えば
同一サイズの金属板であり、その平面形状は、図3に示
した実施例2のプラズマ処理装置の場合には円板状であ
る。この円板状のメッシュプレート40,41,42に
は、円形の複数の開口部43が開けられている。実施例
2におけるメッシュプレート40,41,42には、実
施例1と同様に、0.5mm径の開口部43(平面形状
は円形)が、一辺1.0mmの正三角形の頂点上に多数
設けられている。
【0053】即ち、プラズマ生成室10における電子密
度をne、電子温度をTeとしたとき、プラズマ生成室1
0に隣接したメッシュプレート40に設けられた開口部
43の径rは、r≦2(kTeε0/ne21/2を満足
している。
【0054】尚、メッシュプレート40,41,42の
それぞれにおける開口部43の径は同一でなくともよ
い。例えば、メッシュプレート41に設けられた開口部
43の径を、メッシュプレート40に設けられた開口部
43の径より大きくしてもよい。その理由は、メッシュ
プレートで仕切られた2つの空間の内、プラズマ生成室
10に遠い側の空間におけるプラズマの電子密度は、プ
ラズマ生成室10に近い側の空間におけるプラズマの電
子密度よりも、例えば10-2オーダーで小さくなり、そ
の結果、デバイ長λDの値が大きくなるからである。同
様の理由で、メッシュプレート42に設けられた開口部
43の径を、メッシュプレート41に設けられた開口部
43の径より大きくしてもよい。但し、複数のメッシュ
プレートの内、少なくとも1枚のメッシュプレートにお
いて、かかるメッシュプレートに設けられた開口部の径
の大きさを、かかるメッシュプレートで仕切られた2つ
の空間の内、プラズマ生成室10に近い側の空間におけ
るプラズマのデバイ長の2倍以下とする必要がある。
【0055】実施例2においては、プラズマ生成室10
に導入されたガスは、メッシュプレート40,41,4
2に設けられた開口部43、及び外壁部材12と各メッ
シュプレート40,41,42との間に設けられた狭い
隙間45を通り抜けてプラズマ処理室20に流入する。
このような構造にすることで、プラズマ処理室20内に
ガス拡散器23から導入されたガスが、図3の上方に逆
拡散してプラズマ生成室10まで到達することを困難に
している。
【0056】(実施例3)実施例3も、実施例1の変形
である。実施例3が実施例1と相違する点は、メッシュ
プレートの数、及びメッシュプレートの構造にある。実
施例3においてはメッシュプレートを2枚とした。実施
例3のプラズマ処理装置の概要を図4に模式的に示す。
【0057】実施例3のプラズマ処理装置には、2つの
メッシュプレート40A,41Aが配設されている。メ
ッシュプレート40Aの構造は、実施例1にて説明した
メッシュプレート40と同じ構造である。一方、メッシ
ュプレート41Aは、ガス拡散器としての機能も有して
いる。即ち、メッシュプレート41Aは、中空円盤構造
を有し、上板41B及び下板41Cには開口部43が設
けられている。また、メッシュプレート41Aの中空部
41Dにはガス導入部22が接続されており、メッシュ
プレート41Aの中空部41Dに導入されたガスは下板
41Cに設けられた開口部43からプラズマ処理室20
の内部に均一に拡散される。しかも、プラズマ生成室1
0に導入されたガスは、メッシュプレート40A、41
Aに設けられた開口部43を通り抜けてプラズマ処理室
20に流入する。メッシュプレート40A及び41A
は、接地されている。メッシュプレート40A,41A
には、0.5mm径の開口部43(平面形状は円形)
が、一辺1.0mmの正三角形の頂点上に多数設けられ
ている。開口部43の径は、プラズマ生成室10で生成
したプラズマのデバイ長λDの2倍以下である。
【0058】(実施例4) 実施例4は、本発明の第2の態様に係るプラズマ処理装
置に関する。実施例4におけるプラズマ処理装置は、平
行平板型のプラズマCVD装置である。その概略の構造
を図5に示す。実施例4のプラズマ処理装置が実施例1
と相違する点は、メッシュプレート40に電圧(V0
を印加するために可変直流電源46を備えている点にあ
る。その他の構成は実施例1にて説明したプラズマ処理
装置と同じであり、詳細な説明は省略する。尚、メッシ
ュプレート40に印加する電圧V0を、0ボルト<V0
30ボルトの範囲で制御する。メッシュプレート40に
設けられた開口部43の径は、プラズマ生成室10で生
成したプラズマのデバイ長λDの2倍を越えてもよい
が、デバイ長の2倍以下とすることが好ましい。
【0059】一例として、アルゴンガスを用いたリモー
トプラズマ法において、実施例4のプラズマ処理装置の
メッシュプレート40直下におけるプラズマ空間電位
(プラズマポテンシャル)と、メッシュプレート40に
印加した電圧(V0)との関係を図6の(A)に示す。
電力導入端子13を経て上部電極14に供給されたRF
電力(13.56MHz)を10W、アルゴンガス流量
を30sccm、アルゴンガス圧力を40Pa(300
ミリトル)とした。図6の(A)から、プラズマ空間電
位(プラズマポテンシャル)は、メッシュプレートに印
加される電圧(V0)の変化に対して、ほぼ直線的に変
化していることが判る。尚、供給RF電力を5W〜20
Wまで変化させたが同様の傾向が認められた。
【0060】また、メッシュプレート40直下の電子密
度と、電力導入端子13を経て上部電極14に供給され
たRF電力(13.56MHz)の関係を図6の(B)
に示す。アルゴンガス流量を30sccm、アルゴンガ
ス圧力を67Pa(500ミリトル)とした。図6の
(B)から、電子密度は供給RF電力に比例して増加し
ていることが判る。尚、メッシュプレートに印加される
電圧を−20ボルトから+20ボルトまで変化させたが
同様の傾向が認められた。
【0061】(実施例5)実施例5は、実施例4で説明
したプラズマ処理装置の変形である。図7に示す実施例
5のプラズマ処理装置には、実施例4のプラズマ処理装
置と異なり、2つのメッシュプレート40A,41Aが
配設されている。メッシュプレート40Aの構造は、実
施例4にて説明したメッシュプレート40と同じ構造で
ある。一方、メッシュプレート41Aは、実施例3で説
明したメッシュプレート41Aと同じ構造を有する。メ
ッシュプレート40A及び41Aには、可変直流電源4
6A,47Aから直流が供給される。
【0062】(実施例6)実施例6は、プラズマ処理室
に配置された基体上に薄膜を成膜するプラズマ処理方法
に関する。実施例6においては、薄膜はSiO2膜から
成るゲート絶縁膜とした。また、基体は、単結晶半導体
材料、具体的にはシリコン半導体基板から成る。
【0063】実施例6においては、本発明の第1の態様
に係るプラズマ処理装置を用いた。即ち、実施例6にお
いては、プラズマ生成室10とプラズマ処理室20の間
に、メッシュプレート40A,41Aが配設された実施
例3にて説明した構造を有する平行平板型のプラズマC
VD装置から成るプラズマ処理装置を用いた。メッシュ
プレート40A,41Aに設けられた開口部43の径
は、プラズマ生成室10で生成したプラズマのデバイ長
λDの2倍以下である。尚、メッシュプレート40A,
41Aは接地されている。
【0064】これによって、プラズマ生成室10で発生
したプラズマ中の電子あるいは正負イオンの荷電粒子が
メッシュプレート40A、41Aを介してプラズマ処理
室20に漏洩することを効果的に抑制することができ
る。その結果、被処理物載置部24に載置された基体で
あるシリコン半導体基板に、中性ラジカル、即ち、電気
的に中性の励起原子種若しくは励起分子種が主に照射さ
れる。従って、基体(例えばシリコン半導体基板)の表
面あるいはその上に形成される絶縁膜(例えばSiO2
から成るゲート絶縁膜)が荷電粒子によって損傷を受け
ることを効果的に防止できる。尚、プラズマ処理装置
は、実施例3にて説明したプラズマ処理装置に限定され
るものではない。
【0065】図2及び図6の(B)に示したように、供
給RF電力が増加するに伴い、プラズマ中の電子密度が
増加するので、シリコン半導体基板から成る基体へのプ
ラズマ損傷の発生を抑制するためには、供給RF電力
を、放電を維持できる範囲において出来る限り低くする
ことが望ましい。尚、以下の各実施例においても同様で
ある。
【0066】このようなプラズマ処理装置を用いて、ゲ
ート絶縁膜を基体であるシリコン半導体基板上に形成す
る。実施例6においては、具体的には、基体として、ボ
ロンBが1015atoms/cm3ドープされたp型のシリコ
ン単結晶基板を用いた。そして、その一主面上に、基板
温度を270゜Cとして、図4に示した平行平板型のプ
ラズマCVD装置から成るプラズマ処理装置を用いて、
SiO2から成り厚さ100nmのゲート絶縁膜を成膜
した。そのために、ガス導入部15から酸素O2ガス及
びHeガスをプラズマ生成室10に供給し、一方、ガス
導入部22からモノシランSiH4ガス及びHeガスを
プラズマ処理室20に供給した。
【0067】次いで、ゲート絶縁膜の上にアルミニウム
の蒸着膜から成るゲート電極を形成して、MISキャパ
シタ(MISダイオード)を作製した。そして、その電
気容量−電圧(C−V)特性を測定した。測定結果を図
8の(A)に示す。
【0068】また、プラズマ損傷の発生低減を、半導体
装置の特性面から確認するために、比較例1として、直
径1.0mmの円形形状の開口部が一辺2.0mmの正
三角形の頂点に多数配置されているメッシュプレートを
用いて、実施例6と同様の方法・条件でMISキャパシ
タ(MISダイオード)を作製した。そして、その電気
容量−電圧(C−V)特性を測定した。比較例1の測定
結果を図8の(B)に示す。尚、開口部の径が1.0m
mの場合、かかる開口部の径は、プラズマ生成室10で
生成したプラズマのデバイ長λDの2倍を越えている。
【0069】図8から明らかなように、実施例6(開口
部の径が0.5mm)の場合、フラットバンド電圧は−
0.89Vであり、比較例1(開口部の径が1.0m
m)の場合、フラットバンド電圧は−2.16Vであっ
た。即ち、比較例1の場合と比較して、実施例6の場合
の方がフラットバンド電圧のシフトが少ない。このこと
は、プラズマ損傷によって生成されるゲート絶縁膜中の
正電荷は、実施例6の場合の方が少ないことを意味して
いる。また、ミッドギャップにおける界面準位密度は、
実施例6及び比較例1の場合、それぞれ、2.3×10
10cm-2eV-1及び7.1×1011cm-2eV-1であっ
た。実施例6の場合、界面準位密度が小さいことから、
ゲート絶縁膜に対するプラズマ損傷が少ないことが判
る。
【0070】メッシュプレートに設けられた開口部の径
をデバイ長の2倍以下にすることによるプラズマ遮蔽効
果は、上述のMISキャパシタ(MISダイオード)の
みに当てはまるものではなく、TFTを始めとするMI
Sトランジスタ作製に適用される効果であることはいう
までもない。
【0071】(実施例7)実施例7も、プラズマ処理室
に配置された基体上に薄膜を成膜するプラズマ処理方法
に関する。更に、実施例7は、本発明の第1の態様に係
る半導体装置の作製方法に関する。即ち、実施例7は、
半導体装置が絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(具体
的にはTFT)であり、プラズマ処理室に配置された基
体上に絶縁膜を成膜する半導体装置の作製方法に関す
る。実施例7においては、絶縁膜はSiO2膜から成る
ゲート絶縁膜とした。また、基体は、レーザでの加熱に
よって多結晶化された多結晶シリコン層から成る。
【0072】実施例7においても、本発明の第1の態様
に係るプラズマ処理装置を用いた。即ち、実施例3で説
明した構造を有する平行平板型のプラズマCVD装置か
ら成るプラズマ処理装置を用いたが、かかるプラズマ処
理装置に限定されるものではない。以下、図9及び図1
0の工程図を参照して、実施例7のプラズマ処理方法あ
るいは半導体装置の作製方法を説明する。尚、実施例7
においては、メッシュプレート40A,41Aに電圧を
印加していない。また、メッシュプレート40A,41
Aには、0.5mm径の開口部43(平面形状は円形)
が、一辺1.0mmの正三角形の頂点上に多数設けられ
ている。
【0073】[工程−700]先ず、ガラス基板100
上にB(ボロン)ドープの水素含有アモルファスシリコ
ン(a−Si:H,B)若しくはP(りん)ドープの水
素含有のアモルファスシリコン(a−Si:H,P)か
ら成る第1の半導体層101をプラズマCVD法によっ
て成膜した。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチ
ング技術によって第1の半導体層101をパターニング
して、ソース・ドレイン領域形成予定領域上に第1の半
導体層101を残した(図9の(A)参照)。
【0074】[工程−710]その後、第1の半導体層
101の上及び露出したガラス基板100の上に、例え
ばノンドープの水素含有のアモルファスシリコン(a−
Si:H)から成る第2の半導体層102をCVD法で
成膜する(図9の(B)参照)。
【0075】[工程−720]そして、第2の半導体層
102にエキシマレーザ光を照射するエキシマレーザア
ニール法によって、第2の半導体層102を多結晶化す
る。これと同時に、第1の半導体層101から第2の半
導体層102へ不純物が熱拡散し、第1の半導体層10
1とその上の第2の半導体層102によってソース・ド
レイン領域103が形成される。尚、ソース・ドレイン
領域の間の第2の半導体層102はチャネル形成領域1
04に相当する(図9の(C)参照)。第2の半導体層
102は、レーザでの加熱によって多結晶化された多結
晶シリコン層となり、基体に相当する。
【0076】[工程−730]次に、図4に示したプラ
ズマ処理室20内の被処理物載置部24に基体を載置し
(具体的にはガラス基板100を載置し)、SiO2
ら成るゲート絶縁膜105を基体上に成膜する。チャネ
ル形成領域104上のSiO2から成るゲート絶縁膜1
05の厚さを0.2μmとした(図10の(A)参
照)。
【0077】[工程−740]その後、ソース・ドレイ
ン領域103の上方のゲート絶縁膜105に対して、フ
ォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって開口
部を形成し、次いで、開口部内を含むゲート絶縁膜10
5上に、例えばアルミニウム系合金から成る金属配線材
料を例えばスパッタ法や真空蒸着法にて成膜し、かかる
金属配線材料をフォトリソグラフィ技術及びエッチング
技術によってパターニングする。併せて、チャネル形成
領域104の上方の金属配線材料をパターニングする。
これによって、ソース・ドレイン電極106及びゲート
電極107を形成することができる(図10の(B)参
照)。こうしてTFTを完成させた。
【0078】ゲート幅(W)=10μm、ゲート長
(L)=10μmのpチャネル型TFTの、ドレイン電
圧(VD)=−1Vにおけるドレイン電流(ID)−ゲー
ト電圧(VG)特性を評価した。その結果を図11の
(A)に示す。
【0079】また、比較例2として、直径1.0mmの
円形形状の開口部が一辺2.0mmの正三角形の頂点に
多数配置されているメッシュプレートを用いて、実施例
7と同様の同様の方法・条件でpチャネル型TFTを作
製した。そして、そのドレイン電流(ID)−ゲート電
圧(VG)特性を評価した。比較例2の測定結果を図1
1の(B)に示す。尚、実施例7(開口部の径が0.5
mm)の場合、かかる開口部の径は、プラズマ生成室1
0で生成したプラズマのデバイ長λDの2倍以下であ
る。一方、比較例2(開口部の径が1.0mm)の場
合、かかる開口部の径はデバイ長の2倍を越えている。
【0080】図11から明らかなように、実施例7にお
いては、オフ電圧、即ちフラットバンド電圧のマイナス
方向のシフトが−0.9Vであるのに対して、比較例2
においては、フラットバンド電圧のマイナス方向のシフ
トが−2.0Vとなった。即ち、開口部の径がデバイ長
の2倍を越えている場合の方が、フラットバンド電圧の
マイナス方向のシフトが大きい。
【0081】また、サブスレッショールドスイング値
(サブスレッショールド係数)は、実施例7の場合、
0.125V/decadeであるのに対し、比較例2の場
合、0.23V/decadeとなっている。即ち、開口部の
径がデバイ長の2倍以下である方が、トランジスタの立
ち上がり特性が優れていることを示している。
【0082】更に、オン電流についても、実施例7の場
合、19.23μA(VG=−5V)であるのに対し、
比較例2の場合4.76μA(VG=−7Vとした)と
なっており、開口部の径がデバイ長の2倍以下の方がオ
ン電流が大きい。
【0083】電界効果移動度は、実施例7及び比較例2
のそれぞれにおいて、400cm2/Vs及び88cm2
/Vsであり、これらの結果からも、開口部の径がデバ
イ長の2倍以下である方が、プラズマ損傷の発生が少な
く、ゲート絶縁膜/基体の界面特性が優れていることが
判る。
【0084】また、TFTに適用される本発明のプラズ
マ処理方法あるいは半導体装置の作製方法は、上述の作
製工程、又は上述の素子構造にのみ適用されるものでは
ない。
【0085】(実施例8)実施例8も、プラズマ処理室
に配置された基体上に薄膜を成膜するプラズマ処理方法
に関する。更に、実施例8は、本発明の第2の態様に係
る半導体装置の作製方法に関する。即ち、実施例8は、
半導体装置が太陽電池であり、プラズマ処理室に配置さ
れた基体上に保護用絶縁膜を成膜する半導体装置の作製
方法に関する。基体は、例えばガラス基板上に形成され
た、単結晶半導体材料層、アモルファス半導体材料層又
は多結晶半導体材料層から構成すればよい。保護用絶縁
膜は、SiO2膜、SiN膜、SiON膜、あるいはこ
れらの膜の積層構造から構成することができる。
【0086】実施例8においても、本発明の第1の態様
に係るプラズマ処理装置を用いた。即ち、実施例3で説
明した構造を有する平行平板型のプラズマCVD装置か
ら成るプラズマ処理装置を用いたが、かかるプラズマ処
理装置に限定されるものではない。尚、実施例8におい
ては、メッシュプレート40A,41Aに電圧を印加し
ていない。また、メッシュプレート40A,41Aに
は、0.5mm径の開口部43(平面形状は円形)が、
一辺1.0mmの正三角形の頂点上に多数設けられてい
る。
【0087】図12に、実施例8の半導体装置である太
陽電池の模式的な一部断面図を示す。実施例8において
は、例えばガラス基板200上に下部電極201を形成
した後、この上にn型のアモルファスシリコンから成る
第1の半導体層202、ノンドープ即ち真性のアモルフ
ァスシリコンから成る第2の半導体層203、p型のア
モルファスシリコンから成る第3の半導体層204を、
順次、例えば本発明の第1の態様に係るプラズマ処理方
法に基づいたプラズマCVD法によって成膜する。その
後、第3の半導体層203の上に、例えばITO(In
とSnの複合酸化膜)から成る透明電極205を被着形
成する。その後、各層をパターニングする。
【0088】次いで、全面に、本発明の第2の態様に係
る半導体装置の作製方法に基づき、例えばSiO2、S
iNあるいはSiONから成る表面の保護用絶縁膜20
6を形成する。このように、本発明の第2の態様に係る
半導体装置の作製方法を適用することにより、半導体層
に損傷を与えることなく、高エネルギー変換効率の太陽
電池を作製することができる。
【0089】(実施例9)実施例9も、プラズマ処理室
に配置された基体上に薄膜を成膜するプラズマ処理方法
に関する。実施例9においては、薄膜はSiO2膜から
成るゲート絶縁膜とした。また、基体は、単結晶半導体
材料、具体的にはシリコン半導体基板から成る。
【0090】実施例9が実施例6と相違する点は、実施
例9においては、本発明の第2の態様に係るプラズマ処
理装置を用いた点にある。即ち、実施例9においては、
実施例5にて説明した構造を有する平行平板型のプラズ
マCVD装置から成るプラズマ処理装置を用いた。尚、
メッシュプレート40A,41Aには可変直流電源46
A,47Aから直流が供給される。メッシュプレート4
0A,41Aに電圧を印加することによって、メッシュ
プレート40A,41A近傍のプラズマ空間電位と基体
の表面電位との間の電位差を0に近づけ、プラズマ中の
荷電粒子がこれらの間で加速されそして基体あるいは成
膜されつつある薄膜や絶縁膜等に衝突することを効果的
に防ぐ。そして、被処理物載置部24に載置された基体
には、中性ラジカル、即ち、電気的に中性の励起原子種
若しくは励起分子種が主に照射される。従って、基体
(例えばシリコン半導体基板)の表面あるいはその上に
形成される薄膜や絶縁膜(例えばSiO2から成るゲー
ト絶縁膜)が荷電粒子によって損傷を受けることを効果
的に防止できる。尚、プラズマ処理装置は、実施例5に
て説明したプラズマ処理装置に限定されるものではな
い。
【0091】実施例9においては、実施例6と同様に、
ゲート絶縁膜を基体であるシリコン半導体基板上に形成
する。実施例9においては、具体的には、基体として、
ボロンBが1015atoms/cm3ドープされたp型のシリ
コン単結晶基板を用いた。そして、その一主面上に、基
板温度を270゜Cとして、図7に示した平行平板型の
プラズマCVD装置から成るプラズマ処理装置を用い
て、SiO2から成り厚さ0.1μmのゲート絶縁膜を
成膜した。次いで、ゲート絶縁膜の上にアルミニウムの
蒸着膜から成るゲート電極を形成して、MISキャパシ
タ(MISダイオード)を作製した。
【0092】メッシュプレート40A,41Aに印加さ
れる電圧(V0)を変化させて、各種のMISキャパシ
タ(MISダイオード)を作製した。尚、メッシュプレ
ート40A,41Aには同一の電圧(V0)を印加し
た。そして、作製したMISキャパシタ(MISダイオ
ード)の高周波1MHzにおける電気容量−電圧特性
(C−V特性)を測定することにより、ゲート絶縁膜と
ゲート電極の界面の評価を行った。
【0093】測定結果を図13に示す。図13の(A)
は、メッシュプレート40A,41Aに印加した電圧
(V0)が+15Vのときのものであり、図13の
(B)はV0が−45Vのときのものである。図13か
ら明らかなように、V0が+15Vの場合、フラットバ
ンド電圧は−0.89Vとなり、V0が−45Vの場
合、フラットバンド電圧は−4.44Vであった。即
ち、V0が+15Vの場合の方が、フラットバンド電圧
シフトが少ない。言い換えれば、プラズマ損傷による、
ゲート絶縁膜中の正電荷の生成が少ない。ゲート絶縁膜
の電荷密度は、V0が+15Vのとき、5×109cm-2
であり、V0が−45Vのとき、1.82×1012cm
-2であった。
【0094】一方、ミッドギャップの界面準位密度は、
0が−45Vのとき、1.2×1012cm-2eV-1、V
0が+15Vのとき、4.3×1010cm-2eV-1であ
った。これより、メッシュプレートに+15Vの電圧V
0を印加することによって、界面準位密度低減の効果が
得られる。言い換えれば、例えばトランジスタにおいて
は、サブスレッショールドスイング値(サブスレッショ
ールド係数)が小さく、トランジスタの立ち上がり特性
が優れている。
【0095】図14に、ゲート絶縁膜の電荷密度と、メ
ッシュプレートに印加した電圧V0の関係を示す。ここ
では、メッシュプレート40A,41Aに等しい電圧V
0を印加した。図14から明らかなように、V0が+15
Vにおいてゲート絶縁膜の電荷密度に最小点がある。こ
の条件下で、メッシュプレート40A,41A近傍のプ
ラズマ空間電位と基体の表面電位との間の電位差が略0
(即ち、略同一)となり、その結果、ゲート絶縁膜のプ
ラズマ損傷の発生が抑制され、ゲート絶縁膜の電荷密度
が低く抑えられていると考えられる。メッシュプレート
40A,41A近傍のプラズマ空間電位と基体の表面電
位との間の電位差が0から離れるに従い、ゲート絶縁膜
の電荷密度の値は高くなり、またそのばらつきも大きく
なる。図14から、メッシュプレートに印加する電圧V
0は、0ボルト<V0≦30ボルト、好ましくは10ボル
ト≦V0≦30ボルト、より好ましくは10ボルト≦V0
≦20ボルトであることが判る。一般的には、ゲート絶
縁膜の電荷密度を評価すれば、かかる電荷によって基体
表面から外側に向かって形成される電場の強度を求める
ことができる。これによって、メッシュプレートと基体
との間の距離に応じたこの間の電位差を求めることがで
きる。従って、メッシュプレートに印加すべき電圧は、
かかる電位差を打ち消すことができるような電圧とすれ
ばよい。
【0096】尚、メッシュプレート40A,41Aに異
なる電圧を印加してもよいが、それぞれに印加する電圧
の差が大きくなると、メッシュプレート40Aとメッシ
ュプレート41Aとの間で荷電粒子が大きく加速される
虞があるので、メッシュプレート40A,41Aに印加
する電圧は出来る限り同じ電圧であることが好ましい。
【0097】このメッシュプレートへの印加電圧V0
制御によるプラズマ損傷発生の低減は、上述のMISキ
ャパシタ(MISダイオード)のみに当てはまるもので
はなく、TFTを始めとするMISトランジスタ作製に
適用される効果であることはいうまでもない。例えば、
本発明の第2の態様に係るプラズマ処理装置を用いる点
を除き、実施例7と同様の工程でTFTを作製すること
ができ、あるいは又、実施例8と同様の工程で太陽電池
を作製することができる。
【0098】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。プラズマの放電の方式は、DC、RF、VHF、マ
イクロ波、ECR(電子サイクロトロン)プラズマ、ヘ
リコン波のいずれの方式であってもよい。
【0099】実施例においては、プラズマ処理装置とし
て、専ら、膜形成を目的としたリモートプラズマCVD
装置を説明し、プラズマ処理方法として、プラズマ処理
室に配置された基体上に薄膜をプラズマCVD法で成膜
する方法を説明した。しかしながら、プラズマ処理方法
として、RF又はDCプラズマを用いたスパッタ法を挙
げることができ、プラズマ処理装置として、かかるスパ
ッタ法に適した、二極スパッタ装置、多極スパッタ装
置、マグネトロンスパッタ装置等から成るDCスパッタ
装置若しくはRFスパッタ装置を挙げることができる。
この場合においては、ターゲットと基体との間に本発明
の特徴であるメッシュプレートを配設することにより、
基体におけるプラズマ損傷の発生を抑制することができ
る。
【0100】また、半導体装置を作製するためのエッチ
ング工程において、エッチャントが中性ラジカルである
ような場合ならば、ラジカルビームエッチング装置から
成る本発明のプラズマ処理装置を用いることにより、荷
電粒子(イオン又は電子)による基体への損傷発生を抑
制しながらドライエッチングを行うことができる。この
場合、エッチングガス(エッチャント)として、S
6、SiCl4、CF4、NF3を例示することができ
る。
【0101】更には、半導体装置の作製等の各種の分野
におけるフォトリソグラフィ工程において、フォトレジ
ストを灰化(アッシング)する場合にも、本発明のプラ
ズマ処理装置を用いることにより、基体に対するプラズ
マ損傷の発生を抑制しながら、レジストの灰化(アッシ
ング)を行うことができる。この場合、一般に酸素ガス
の無声放電を行い酸素ラジカルの一種であるオゾンO3
を発生させる。更には、オゾンの寿命を延ばすために例
えば波長254nmの紫外線水銀ランプを照射しながら
レジストの灰化を行う方法がしばしば採られているが、
例えばプラズマ処理室の側壁に紫外線水銀ランプを配設
することにより、効率よく紫外線を酸素ラジカルに照射
することができる。
【0102】プラズマ放電させるガス種については、特
に制限はない。上述した、SiO2から成る絶縁膜の形
成のためのソースガスであるSiの原料ガスとして、モ
ノシランSiH4ガスの他にも、ジシランSi26ガス
や高次シランガスを用いることができる。また、酸化性
のガスとして、酸素ガスの他に、N2O等の酸化窒素ガ
スを用いることができる。
【0103】絶縁膜あるいは薄膜はSiO2に限られ
ず、SiN、SiONの単層膜あるいはこれらの積層構
造とすることができる。尚、窒化膜(SiN)あるいは
酸化窒化膜(SiON)を成膜する場合には上述したガ
スに加え、例えばアンモニアガスを用いる。
【0104】本発明のプラズマ処理方法あるいは半導体
装置の作製方法は、実施例にて説明したMIS型構造を
有する半導体装置を作製する場合に限られるものではな
く、他の各種半導体装置の作製に適用することができ
る。また、基体は、シリコンに限られるものではなく、
Ge、SiGe固溶体、あるいはSi−Ge系超格子等
の積層薄膜構造を有する場合、更には、これらの単結晶
材料、非晶質材料、多結晶材料等を挙げることができ
る。また、絶縁膜として、ゲート絶縁膜の他、層間絶縁
膜や平坦化絶縁膜を挙げることができる。
【0105】例えば図15に模式的な一部断面図を示す
ように、図10の(B)で示したTFTに対して、例え
ば本発明の第1の態様に係るプラズマ処理方法あるいは
第1の態様に係る半導体装置の作製方法を適用して、S
iN又はSiONから成る層間絶縁膜110を全面に形
成する。次いで、層間絶縁膜110に開口部を形成し、
その後、開口部内を含む層間絶縁膜110上に、例えば
アルミニウム系合金から成る金属配線材料を例えばスパ
ッタ法や真空蒸着法にて成膜し、かかる金属配線材料を
フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によってパ
ターニングする。これによって、上層配線111を形成
することができる。更に、その上に、例えば本発明の第
1の態様に係るプラズマ処理方法あるいは第1の態様に
係る半導体装置の作製方法を適用して、SiO2やSi
NあるいはSiONから成る表面保護用若しくは平坦化
用の絶縁膜112を形成する。このようにして、プラズ
マ損傷の発生を低減させることができ、優れた素子特性
を有する半導体装置を作製することができる。
【0106】本発明のプラズマ処理装置は、各種のドー
ピングを実行するためのプラズマドーピング装置にも適
用することができる。
【0107】
【発明の効果】本発明の第1の態様に係るプラズマ処理
装置、あるいは係るプラズマ処理装置を用いたプラズマ
処理方法若しくは半導体装置の作製方法においては、径
がデバイ長の2倍以下の開口部を有するメッシュプレー
トを配設することによって、プラズマの遮蔽、即ち、プ
ラズマ中の電子又は正負イオンといった荷電粒子の遮蔽
を効果的に行うことができる。本発明の第2の態様に係
るプラズマ処理装置、あるいは係るプラズマ処理装置を
用いたプラズマ処理方法若しくは半導体装置の作製方法
においては、メッシュプレートに印加する電圧を適切に
制御することによって、基体の表面あるいは成膜中の薄
膜等に入射するプラズマ中の荷電粒子の運動エネルギー
を低減することができる。これらの効果によって、プラ
ズマ損傷により、例えば、絶縁膜/基体の界面及びその
近傍において欠陥が生成することを効果的に抑制するこ
とができる。
【0108】その結果、例えばゲート絶縁膜を形成した
場合、MISトランジスタの素子特性が向上する。即
ち、ゲート絶縁膜中の正電荷の生成が低減し、フラット
バンド電圧を0Vに近づけることができることから、n
チャネル型MISトランジスタにおけるデプレション型
への移行を回避しエンハンスメント型とすることがで
き、あるいは又、pチャネル型MISトランジスタにお
いては閾値電圧Vthの増大化を回避できる。従って、M
ISトランジスタの確実な動作が可能になり、両導電型
チャネルのMISトランジスタによる低電圧駆動のCM
OS等の集積回路化を容易に行うことができる。
【0109】また、本発明の第1あるいは第2の態様に
係るプラズマ処理装置、あるいは又、これらのプラズマ
処理装置を用いたプラズマ処理方法は、薄膜形成のみな
らず、プラズマエッチング、レジストのアッシングに対
しても適用でき、薄膜形成と同様に、それぞれのプロセ
スにおいてプラズマ損傷を素子や基体に与えることな
い。それ故、例えば、フラットバンド電圧のシフト等を
効果的に抑制することができる。
【0110】また、同一の基体(例えば半導体基板)に
おける素子特性のばらつきを小さくできることから、回
路の集積化が容易となる。更には、MISトランジスタ
においては、例えば半導体と絶縁膜の界面特性の向上、
即ち、サブスレッショールドスイング値を下げ、オン電
流を増大させ、オフ電圧を低下させ、閾値電圧Vthを低
下させることができ、集積回路の高速動作化が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のプラズマ処理装置の構造を示す模式
である。
【図2】実施例1のプラズマ処理装置における、電子密
度とRF電力の関係を示す図である。
【図3】実施例2のプラズマ処理装置の構造を示す模式
である。
【図4】実施例3のプラズマ処理装置の構造を示す模式
である。
【図5】実施例4のプラズマ処理装置の構造を示す模式
である。
【図6】実施例4のプラズマ処理装置における、プラズ
マ空間電位とメッシュプレートに印加した電圧との関
係、及び電子密度とRF電力の関係を示す図である。
【図7】実施例5のプラズマ処理装置の構造を示す模式
である。
【図8】実施例6及び比較例1における電気容量−電圧
(C−V)特性測定結果を示す図である。
【図9】実施例7の半導体装置の作製方法の各工程を説
明するための工程図である。
【図10】図9に引き続き、実施例7の半導体装置の作
製方法の各工程を説明するための工程図である。
【図11】実施例7及び比較例2におけるドレイン電流
(ID)−ゲート電圧(VG)特性結果を示す図である。
【図12】実施例8の半導体装置である太陽電池の模式
的な一部断面図である。
【図13】実施例9における電気容量−電圧(C−V)
特性測定結果を示す図である。
【図14】実施例9における、ゲート絶縁膜の電荷密度
とメッシュプレートに印加した電圧V0の関係を示す図
である。
【図15】本発明の半導体装置の作製方法を適用した、
多層配線構造を有するMISトランジスタの模式的な一
部断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−71516(JP,A) 特開 昭56−76242(JP,A) 特開 平6−33270(JP,A) 特開 平6−224154(JP,A) 特開 平4−225226(JP,A) 特開 平5−21393(JP,A) 特開 平3−96279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/509 C23F 4/00 H01L 21/205

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを生成するプラズマ生成室と、プ
    ラズマ処理すべき被処理物を配置するプラズマ処理室と
    を備えたプラズマ処理装置であって、 プラズマ生成室とプラズマ処理室との間には少なくとも
    1枚のプラズマ分離用のメッシュプレートが配設されて
    おり、 該メッシュプレートには複数の開口部が設けられてお
    り、 プラズマ処理室に配置されたプラズマ処理すべき被処理
    物の表面電位と、該被処理物に隣接するメッシュプレー
    ト近傍のプラズマ空間電位とが略同一となるように、該
    被処理物に隣接した該メッシュプレートに0ボルト<V
    0≦30ボルトの電圧V0を印加することができ、 プラズマ生成室における電子密度をn e 、電子温度をT e
    としたとき、プラズマ生成室に隣接したメッシュプレー
    トに設けられた開口部は2(kT e ε 0 /n e 2 1/2
    2倍以下(但し、kはボルツマン定数、ε 0 は真空の誘
    電率、eは電子の電荷)である ことを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  2. 【請求項2】プラズマ生成室とプラズマ処理室との間に
    2枚以上のプラズマ分離用のメッシュプレートが配設さ
    れており、各メッシュプレートに印加する電圧V0を略
    同一にすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    処理装置。
  3. 【請求項3】 プラズマ生成室とプラズマ処理室との間に
    2枚以上のプラズマ分離用のメッシュプレートが配設さ
    れており、各メッシュプレートに設けられた開口部の径
    は、当該メッシュプレートで仕切られた2つの空間の
    内、プラズマ生成室に近い側の空間におけるプラズマの
    デバイ長の2倍以下であることを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 プラズマ処理装置は、膜形成を目的とした
    リモートプラズマCVD装置又はスパッタ装置であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 プラズマ処理装置は、エッチングを目的と
    したラジカルビームエッチング装置であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラ
    ズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 プラズマ処理装置は、フォトレジストの灰
    化を目的としたアッシング装置であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ
    処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に配置
    された基体上に薄膜を成膜することを特徴とするプラズ
    マ処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に配置
    された基体上に形成された薄膜をエッチングすることを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に配置
    された基体上に形成されたフォトレジストを灰化するこ
    とを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】 半導体装置は絶縁ゲート型電界効果トラ
    ンジスタであり、請求項1乃至請求項3のいずれか1項
    に記載のプラズマ処理装置を用いて、プラズマ処理室に
    配置された基体上に絶縁膜を成膜することを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 絶縁膜は、SiO2膜、SiN膜、Si
    ON膜、あるいはこれらの膜の積層構造から成ることを
    特徴とする請求項10に記載の半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 基体は、単結晶半導体材料、アモルファ
    ス半導体材料又は多結晶半導体材料から成ることを特徴
    とする請求項10又は請求項11に記載の半導体装置の
    作製方法。
  13. 【請求項13】 基体は、レーザでの加熱によって多結晶
    化された多結晶シリコン層から成ることを特徴とする
    求項12に記載の半導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】 半導体装置は太陽電池であり、請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置
    を用いて、プラズマ処理室に配置された基体上に保護用
    絶縁膜を成膜することを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
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