JP4273382B2 - プラズマ処理装置と薄膜形成方法 - Google Patents

プラズマ処理装置と薄膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマ処理によって、フィルム基板に非晶質シリコンや微結晶シリコンゲルマニウム等の薄膜を形成して薄膜光電変換素子や薄膜トランジスタなどの薄膜半導体の形成を行なうためのプラズマ処理装置と、この装置による薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、環境保護の立場から、クリーンなエネルギーの研究開発が進められている。中でも、太陽電池はその資源(太陽光)が無限であること、無公害であることから注目を集めている。
【0003】
同一基板上に形成された複数の太陽電池素子が、直列接続されてなる太陽電池(光電変換装置)の代表例は、薄膜太陽電池である。
【0004】
上記薄膜太陽電池用の薄膜半導体としては、製造コストの観点から、特にシリコン系の非単結晶薄膜であるアモルファスシリコン(a-Si)が使用され、プラズマ放電によって薄膜形成がなされる。前記アモルファスシリコン(a-Si)やアモルファスシリコンゲルマニウム(a-SiGe)等の合金膜を、プラズマ放電によって形成した薄膜半導体デバイスは、単結晶シリコンデバイスと比較して、大面積に、低温で、安価に作成できることから、電力用の大面積薄膜太陽電池以外に、ディスプレイ用の薄膜トランジスタ(TFT)等への適用も期待されている。
【0005】
上記プラズマ放電によって形成する薄膜は、一般に、例えば下記のような装置により形成される。図7は、a-Si 薄膜太陽電池をプラズマ放電によって形成する場合の成膜室の概略構造の一例を示し、特開平8−250431号公報に記載された構造の一例を示す。図7(a)、(b)はそれぞれ、成膜室の開放時および封止時の概略断面図を示す。
【0006】
図7(a)に示すように、断続的に搬送されてくる可撓性基板10の上下に函状の下部成膜部室壁体34と上部成膜部室壁体35とを対向配置し、成膜室の封止時には、下部成膜部室と上部成膜部室からなる独立した処理空間を構成するようになっている。この例においては、下部成膜部室は電源40に接続された高周波電極(もしくは直流高圧電極)31を備え、上部成膜部室は、ヒータ33を内蔵した接地電極32を備える。
【0007】
成膜時には、図7(b)に示すように、上部成膜部室壁体35が下降し、接地電極32が基板10を抑えて下部成膜部室壁体34の開口側端面に取付けられたシール部材50に接触させる。これにより、下部成膜部室壁体34と基板10とから、排気管36に連通する気密に密閉された成膜空間60を形成する。上記のような成膜室において、高周波電極(もしくは直流高圧電極)31へ電圧を印加することにより、プラズマを成膜空間60に発生させ、図示しない導入管から導入された原料ガスを分解して基板10上に膜を形成することができる。
【0008】
薄膜形成用の原料ガスとしては、半導体薄膜の種類によって異なるが、概ね、下記のような公知のガスまたはその一部混合ガスが、半導体ガスとして使用される。即ち、シラン系(SiH4 , Si26など),ゲルマン系(GeH4 など),ハイドロカーボン系(CH4 , C22 など)とシラン系ガスを混合したもの、あるいはこれらのガスを水素や希ガスで希釈したガス、PH3,B26 などのドーピングガスあるいはこれらのガスを水素や希ガスで希釈したガス等である。
【0009】
ところで、従来の一般的な薄膜半導体の形成方法においては、通常200Pa以下のガス圧、即ち、大気圧より減圧した状態の下で、原料となるガスをグロー放電で分解して堆積する、所謂、減圧プラズマCVD法が用いられる。
【0010】
これに対して、最近では、放電ギャップを数百μmとし、非減圧下(大気圧もしくはゲージ圧で数百Pa)で放電して、膜堆積を行う方法が着目され、研究が行われている。
【0011】
この非減圧のプラズマ処理法の利点としては、概ね下記が考えられる。即ち、大気圧を含む高い動作ガス圧で膜堆積が可能であるため、装置の仕様が高真空仕様である必要がなくなり、例えば,バルブや配管機材,真空ポンプなども高価な高真空用のものを使用する必要がない。また、大気圧近傍で動作させる場合には装置容器そのものの強度に対する要求を、真空対応の装置に比べて緩和することができ、装置全体の低コスト化が図れる。
【0012】
さらに、大気圧以上で動作させる場合には、ガスが高密度であるため、所定のガス供給源からガスをある一定時間流してやることにより、ポンプがなくとも必要な純度のガス雰囲気が確保できるなど、製造プロセスが簡略化できる利点もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のような非減圧のプラズマ処理を行なう場合には、下記のような解決すべき課題がある。
【0014】
まず、前述のように、例えばシランのような原料ガスを希釈ガスと共に放電させるために、プラズマ放電によって発生するラジカル種が選択できない、即ち、高品質の膜を形成するための最適なラジカル種が選択できない問題がある。
【0015】
また、非減圧のプラズマ処理においては、プラズマ処理の対象となる基板(以下、基体という。)が放電により加熱される度合いが、ガス密度が高いので、減圧下の処理に比較してより高く、電極や基体の温度上昇を抑制するための制御が難しい問題がある。
【0016】
さらに、放電に接する電極や壁面に、気相反応によって発生するシリコン系微粒子等の反応生成物のパウダーや膜が付着し、この反応生成物が製膜上に剥離・落下して製膜の品質を悪くする問題がある。
【0017】
この問題は、減圧プラズマCVD法でも発生する問題であって、種々の対策が提案されているが、非減圧の場合にはガス密度が高いので、この問題はより重大である。
【0018】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本発明の課題は、電極等への反応生成物のパウダーや膜の付着と、電極や基体の異常温度上昇を防止し、高品質の膜を形成することが可能な非減圧のプラズマ処理装置と、同装置による薄膜形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、この発明のプラズマ処理装置においては、放電によりプラズマを生成する領域においては、製膜前駆体となるようなラジカルを発生させずに、水素を主体とした放電により原子状水素を発生させ、この原子状水素を効率よく製膜領域に輸送し、この製膜領域において、製膜用の原料ガス分子と反応させて製膜前駆体を生成し、膜堆積を行うことが可能なものとする。
【0020】
前記基本的技術思想を実施可能とするために、請求項1の発明においては、高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とからなる一対の電極を有し、電圧を印加することにより、非減圧下で放電プラズマを生成し、プラズマ処理により基体表面に薄膜形成を行なうプラズマ処理装置であって、装置本体容器内部を前記接地電極により、第1の空間と第2の空間とに分離し、前記第1の空間には、前記接地電極に対向して高周波電極(もしくは直流高圧電極)を設けて放電領域を形成し、前記第2の空間には、前記接地電極に対向して加熱手段を有する前記基体の載置板を設けてなり、さらに、前記第1の空間および第2の空間にはそれぞれ異なるガスを供給するガス供給口を備え、前記第2の空間にはガス排出口を備え、かつ前記接地電極には複数個のガス流通孔を備えてなり、前記第1の空間に供給するガスは、水素または水素を希ガスで希釈した放電用ガスとし、前記第2の空間に供給するガスは、シラン系,ゲルマン系ガス等の半導体ガスとし、
前記第1の空間における高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とは所定の間隔(D1)を有して略平行に配設し、また、前記第2の空間における基体と接地電極とは所定の間隔(D2)を有して略平行に配設してなり、さらに、前記第2の空間用のガスが、前記基体と接地電極との空隙を基体と略平行に流れるように、ガス供給口とガス排出口とを設けてなるものとする。
【0021】
上記構成によれば、放電空間と製膜前駆体となるラジカルの生成空間とを分離し、高品質の製膜を実現するためのラジカル種の生成を行うことができる。また、放電による直接的な基体の加熱を避けることができるので、電極や基体の異常温度上昇を防止することができる。さらに、放電領域にはシランなどの製膜前駆体を発生するガスを用いないようにすることで、放電に接する電極や壁面に膜やパウダーが付着するのを防ぐことができる。
【0022】
また、上記のように、水素または水素を希ガスで希釈した熱伝導率の高いガスを流しながら放電させるため、非減圧状態の放電で問題となる電極や基体温度の過上昇を防ぐことができる。さらに放電領域にはシランなどの製膜前駆体を発生するガスがないので、放電に接する電極や壁面に膜やパウダーが付着するのを防ぐことができる。
【0023】
さらに、ガス供給口とガス排出口とを上記のように設けることにより、ガスの流れが合理的に構成できる。
【0024】
また、前記請求項1に記載の処理装置において、前記接地電極におけるガス流通孔は、複数個の円形状の孔とし、この孔を前記基体に対向して略均等に分布させてなるものとすること(請求項の発明)により、均一に製膜できる。
【0025】
さらにまた、前記請求項1または2に記載の処理装置において、前記基体の搬送装置を備え、基体を搬送しながら前記プラズマ処理を行なう構成とするものとすること(請求項の発明)により、量産性の向上が図れる。
【0026】
また、請求項の発明のように構成しても、前記と同様に均一に製膜ができかつ量産性の向上が図れる。即ち、請求項に記載の処理装置において、前記接地電極におけるガス流通孔は、複数個のスリット状の長孔とし、この長孔の長手方向を基体の搬送方向と直角として前記基体に対向して前記長孔を略均等に分布させてなるものとする(請求項の発明)。
【0027】
さらに、請求項またはに記載の処理装置において、前記基体表面のガスの流れ方向と基体の搬送方向とを同一とし、前記接地電極におけるガス流通孔は、流通口出口ガスの流通方向が基体の搬送方向に向くように傾斜させて設けること(請求項の発明)により、基体の搬送速度が、基体表面のガスの流れ速度に加算され、ガス速度の重畳効果により、効率よくガスを流すことができる。
【0028】
さらにまた、膜質を向上させるために、所謂、公知のホローカソード放電を実現可能とする観点から、詳細は後述するが、下記請求項の発明が好ましい。即ち、請求項またはに記載の処理装置において、前記第1の空間における高周波電極(もしくは直流高圧電極)を、前記接地電極におけるガス流通孔としての円形状の孔またはスリット状の長孔と対応する複数の分割された電極となし、この電極には放電電流調整用の直列抵抗を接続してなるものとする。
【0029】
次に、上記プラズマ処理装置により薄膜形成する方法としては、下記請求項ないしの発明が好適である。即ち、請求項1に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、前記第1の空間に前記放電用ガスを供給して、非減圧下でのプラズマ放電により原子状水素を発生させ、この原子状水素を前記接地電極に設けた複数個のガス流通孔から前記第2の空間に導入して、この第2の空間に供給された前記半導体ガス分子と反応させて、前記第2の空間に配設された基体表面に薄膜を形成する(請求項の発明)。この薄膜形成方法により、前述のように、電極等への反応生成物のパウダーや膜の付着と、電極や基体の異常温度上昇を防止し、高品質の膜を形成することができる。
【0030】
また、請求項1に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、前記高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極との間隔(D1)と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とする(請求項の発明)。これにより、安定したグロー放電が得られる。
【0031】
さらに、請求項に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、前記接地電極におけるガス流通孔が円形状の孔の場合、孔の直径を接地電極の厚さの半分以下とし、かつ前記直径と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とし、前記接地電極におけるガス流通孔がスリット状の長孔の場合、その幅を接地電極の厚さの半分以下とし、かつ前記幅と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とする(請求項の発明)。これにより、接地電極のガス流通孔の孔の中に、局所的にプラズマが閉じ込められて、所謂、ホローカソード放電が起こり、高品質の膜が効率よく得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施の形態について以下に述べる。
【0033】
図1ないし図6は、本発明の実施例に関わる概略構成図であり、図1,2および6は、装置の全体構成に関わるそれぞれ異なる実施例を示し、図3ないし5は、接地電極におけるガス流通孔のそれぞれ異なる実施例を示す。
【0034】
図1に示す装置は、第1の実施例を示す概略構成図で、装置本体容器5の内部を接地電極3により、第1の空間1と第2の空間2とに分離し、前記第1の空間1には、接地電極3に対向して高周波電極(もしくは直流高圧電極)4を設けて放電領域を形成し、前記第2の空間2には、接地電極3に対向して加熱手段としてのヒータ9を有する基体の載置板13を設けた構成としている。また、第1の空間1および第2の空間2にはそれぞれ異なるガスを供給するガス供給口6および7を設け、第2の空間2にはガス排出口8を設けている。さらに、接地電極3は、複数個のガス流通孔12を備える。
【0035】
上記構成において、プラズマ処理の対象となる基体11は、前記ヒータ9によって温度制御可能な載置板13の上に載置される。第1の空間1におけるガス供給口6からガスを供給し、前記電極3および4間に直流,乃至は交流電源15から電力を供給し、グロー放電を発生させる。放電により生成されたラジカルやイオンなどの活性種は、接地電極3に開けられたガス流通孔12を通して、第2の空間2に供給され、ガス供給口7から供給される原料ガスと反応し、基体11への膜堆積を行い、ガス排気口8から排気される。
【0036】
シリコン系やシリコンに炭素,ゲルマニウムを混ぜた薄膜を基体11の上に堆積させるためには、水素,あるいは水素をHeやArなどの希ガスで希釈したものをガス供給口6から供給し、放電により原子状水素(水素ラジカル)やイオンなどの活性種を発生させ、ガス流通孔12を通して第2の空間2に供給する。第2の空間2ではガス供給口7からシラン系(SiH4, Si26など)ガスや,ゲルマン系(GeH4など)ガス,ハイドロカーボン系(CH4, C22など)ガスとシラン系ガスを混合したもの,あるいはこれらのガスをH2や希ガスで希釈したガスを導入し、ガス流通孔12を通して供給される活性種と第2の空間2で反応させる。その結果生成される製膜前駆体が基体に堆積し、膜が形成される。
【0037】
接地電極3に設けられるガス流通孔12の孔形状は、図3に示すような円形状の孔21だけでなく、よりガスの透過率を上げたメッシュ状、あるいは図4に示すような複数個のスリット状の長孔22などを用いることができる。スリット状の長孔を用いる場合には、スリットの長手方向と直角な方向に基体と接地電極の相対的な位置を変化させながら製膜を行うことにより、大きな基体の上に均一な膜堆積を行うことが容易にできる。具体的には、接地電極,あるいは基体を置いた載置板を往復運動させたり、また、量産処理の場合には一般に、基体を搬送しながら製膜を行う。
【0038】
さらに、ガス流通孔は、ガス流通孔を基体の製膜面に対して直角に開けるのではなく、図5に示すように、基体表面を流れるガスの下流方向に向くようにガス流通孔を傾斜させた傾斜孔23とすることにより、基体表面のガス流速を大きくすることができ、効率よくガスを流すことが可能となる。
【0039】
図2は、図1とは異なる装置の実施例を示し、前述のように、基体43を搬送しながら製膜を行うために、巻出しロール41と巻取りロール42を含む搬送装置を備えるものである。その他の構成は、図1の装置と同等であるので、説明を省略する。
【0040】
図1および図2に示すプラズマ処理装置においては、共に、第1の空間1における高周波電極(もしくは直流高圧電極)4と接地電極3とは所定の間隔(D1)を有して略平行に配設され、また、第2の空間2における基体11または43と接地電極3とは所定の間隔(D2)を有して略平行に配設され、さらに、第2の空間用のガスが、基体と接地電極との空隙を基体と略平行に流れるように、ガス供給口7とガス排出口8とを設けている。
【0041】
上記構成において、製膜処理に当たっては、放電領域にガス供給口7から供給される原料ガスが流入するのを防ぐために、放電領域におけるガス圧を数百Pa(ゲージ圧)にして、拡散によるガス侵入を抑えると共に、第1の空間1から第2の空間2ヘガスが一方向に流れるように、各ガス供給口からのガス供給量を調整する。この場合、非減圧条件下で電極間に安定なグロー放電を立てるためには、ガス圧pと電極間隔D1の積を、100(Pa・cm)以下に保つ必要がある。
【0042】
図6は、図1及び図2とはさらに異なる実施例を示し、前述のように、第1の空間1における高周波電極(もしくは直流高圧電極)を、接地電極3におけるガス流通孔12としての円形状の孔またはスリット状の長孔と対応する複数の分割電極52となし、この分割電極52には放電電流調整用の直列抵抗53を接続してなるものである。
【0043】
上記装置の場合、放電ガスとガス流通孔12の大きさを適当な条件にして放電させると、陰極暗部や負グロー部がガス流通孔の中に閉じ込められる,所謂ホローカソード放電が起こる。接地電極3に対向する陽極を分割して設置し、各々に接続されている直列抵抗53を調整することにより、各放電間の電流のバランスを制御することができる。
【0044】
数百Pa(ゲージ圧)の高ガス圧条件下でホローカソード放電を実現するためには、円形のガス流通孔の場合はその直径をdとし、スリット状のガス流通孔の場合はスリツトの短い方の幅をdとすると、電極の厚さを2d以上とし、かつこのdとガス圧との積を100(Pa・cm)以下に保つことにより、安定なホローカソード放電が実現できる。
【0045】
【発明の効果】
前述のように、この発明によれば、高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とからなる一対の電極を有し、電圧を印加することにより、非減圧下で放電プラズマを生成し、プラズマ処理により基体表面に薄膜形成を行なうプラズマ処理装置であって、装置本体容器内部を前記接地電極により、第1の空間と第2の空間とに分離し、前記第1の空間には、前記接地電極に対向して高周波電極(もしくは直流高圧電極)を設けて放電領域を形成し、前記第2の空間には、前記接地電極に対向して加熱手段を有する前記基体の載置板を設けてなり、さらに、前記第1の空間および第2の空間にはそれぞれ異なるガスを供給するガス供給口を備え、前記第2の空間にはガス排出口を備え、かつ前記接地電極には複数個のガス流通孔を備えてなり、前記第1の空間に供給するガスは、水素または水素を希ガスで希釈した放電用ガスとし、前記第2の空間に供給するガスは、シラン系,ゲルマン系ガス等の半導体ガスとし、前記第1の空間における高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とは所定の間隔(D1)を有して略平行に配設し、また、前記第2の空間における基体と接地電極とは所定の間隔(D2)を有して略平行に配設してなり、さらに、前記第2の空間用のガスが、前記基体と接地電極との空隙を基体と略平行に流れるように、ガス供給口とガス排出口とを設けてなるものとし、
上記装置によって、前記第1の空間に水素等の放電用ガスを供給して、非減圧下でのプラズマ放電により原子状水素を発生させ、この原子状水素を前記接地電極に設けた複数個のガス流通孔から前記第2の空間に導入して、この第2の空間に供給された半導体ガス分子と反応させて、前記第2の空間に配設された基体表面に薄膜を形成することにより、電極等への反応生成物のパウダーや膜の付着と、電極や基体の異常温度上昇を防止し、高品質の膜を形成することが可能な非減圧のプラズマ処理装置と、同装置による薄膜形成方法が実現できる。非減圧プラズマ処理の課題を解決したこの発明の実施により、従来の減圧プラズマ処理に比較して、装置全体の低コスト化と製造プロセスの簡略化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のプラズマ処理装置の実施例の概略構成図
【図2】 図1とは異なるこの発明のプラズマ処理装置の実施例の概略構成図
【図3】 この発明に関わる接地電極におけるガス流通孔の一例を示す図
【図4】 図3とは異なるガス流通孔の一例を示す図
【図5】 図3とはさらに異なるガス流通孔の一例を示す図
【図6】 図1とはさらに異なるこの発明のプラズマ処理装置の実施例の概略構成図
【図7】 従来のプラズマ放電による成膜装置の一例を示す図
【符号の説明】
1:第1の空間、2:第2の空間、3:接地電極、4:高周波電極(もしくは直流高圧電極)、5:装置本体容器、6,7:ガス供給口、8:ガス排出口、9:加熱手段、11,43:基体、12:ガス流通孔、13:基体の載置板、15:電源、21:円形状の孔、22:スリット状の長孔、23:傾斜孔、41:巻出しロール、43:巻取りロール、52:分割電極、53:直列抵抗。

Claims (9)

  1. 高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とからなる一対の電極を有し、電圧を印加することにより、非減圧下で放電プラズマを生成し、プラズマ処理により基体表面に薄膜形成を行なうプラズマ処理装置であって、
    装置本体容器内部を前記接地電極により、第1の空間と第2の空間とに分離し、前記第1の空間には、前記接地電極に対向して高周波電極(もしくは直流高圧電極)を設けて放電領域を形成し、前記第2の空間には、前記接地電極に対向して加熱手段を有する前記基体の載置板を設けてなり、
    さらに、前記第1の空間および第2の空間にはそれぞれ異なるガスを供給するガス供給口を備え、前記第2の空間にはガス排出口を備え、かつ前記接地電極には複数個のガス流通孔を備えてなり、
    前記第1の空間に供給するガスは、水素または水素を希ガスで希釈した放電用ガスとし、前記第2の空間に供給するガスは、シラン系,ゲルマン系ガス等の半導体ガスとし、
    前記第1の空間における高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極とは所定の間隔(D1)を有して略平行に配設し、また、前記第2の空間における基体と接地電極とは所定の間隔(D2)を有して略平行に配設してなり、さらに、前記第2の空間用のガスが、前記基体と接地電極との空隙を基体と略平行に流れるように、ガス供給口とガス排出口とを設けてなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載の処理装置において、前記接地電極におけるガス流通孔は、複数個の円形状の孔とし、この孔を前記基体に対向して略均等に分布させてなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の処理装置において、前記基体の搬送装置を備え、基体を搬送しながら前記プラズマ処理を行なう構成とすることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項に記載の処理装置において、前記接地電極におけるガス流通孔は、複数個のスリット状の長孔とし、この長孔の長手方向を基体の搬送方向と直角として前記基体に対向して前記長孔を略均等に分布させてなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項またはに記載の処理装置において、前記基体表面のガスの流れ方向と基体の搬送方向とを同一とし、前記接地電極におけるガス流通孔は、流通口出口ガスの流通方向が基体の搬送方向に向くように傾斜させて設けることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項またはに記載の処理装置において、前記第1の空間における高周波電極(もしくは直流高圧電極)を、前記接地電極におけるガス流通孔としての円形状の孔またはスリット状の長孔と対応する複数の分割された電極となし、この電極には放電電流調整用の直列抵抗を接続してなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 請求項1に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、前記第1の空間に前記放電用ガスを供給して、非減圧下でのプラズマ放電により原子状水素を発生させ、この原子状水素を前記接地電極に設けた複数個のガス流通孔から前記第2の空間に導入して、この第2の空間に供給された前記半導体ガス分子と反応させて、前記第2の空間に配設された基体表面に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 請求項1に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、前記高周波電極(もしくは直流高圧電極)と接地電極との間隔(D1)と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とすることを特徴とする薄膜形成方法。
  9. 請求項に記載のプラズマ処理装置によって基体表面に薄膜形成を行なう方法であって、
    前記接地電極におけるガス流通孔が円形状の孔の場合、孔の直径を接地電極の厚さの半分以下とし、かつ前記直径と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とし、
    前記接地電極におけるガス流通孔がスリット状の長孔の場合、その幅を接地電極の厚さの半分以下とし、かつ前記幅と放電ガス圧力との積を100(Pa・cm)以下とすることを特徴とする薄膜形成方法。
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