JP3968649B2 - 薄膜形成方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フィルム基板にアモルファスシリコン,多結晶シリコン,微結晶シリコン等の半導体薄膜を形成する薄膜形成方法および装置、特に、真空処理室内に付着する反応生成物を除去するためのクリーニング処理方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空処理室内に設けた高周波電極と接地電極とからなる一対の電極に、電圧を印加することにより放電プラズマを生成し、プラズマCVD処理により、基板表面に薄膜形成を行なう方法はよく知られている。特に、成膜用ガスとして、水素もしくは水素化物を用いることにより、特性のよい薄膜太陽電池が得られる。
【0003】
上記薄膜太陽電池用の薄膜半導体としては、製造コストの観点から、特にシリコン系の非単結晶薄膜であるアモルファスシリコン(a-Si)が使用され、プラズマ放電によって薄膜形成がなされる。前記アモルファスシリコン(a-Si)やアモルファスシリコンゲルマニウム(a-SiGe)等の合金膜を、プラズマ放電によって形成した薄膜半導体デバイスは、単結晶シリコンデバイスと比較して、大面積に、低温で、安価に作成できることから、電力用の大面積薄膜太陽電池以外に、ディスプレイ用の薄膜トランジスタ(TFT)等への適用も期待されている。
【0004】
上記プラズマ放電によって形成する薄膜は、一般に、例えば下記のような装置により形成される。図3は、a-Si 薄膜太陽電池をプラズマ放電によって形成する場合の成膜室の概略構造の一例を示し、特開平8−250431号公報に記載された構造の一例を示す。図3(a)、(b)はそれぞれ、成膜室の開放時および封止時の概略断面図を示す。
【0005】
図3(a)に示すように、断続的に搬送されてくる可撓性基板9の上下に函状の下部成膜部室壁体34と上部成膜部室壁体35とを対向配置し、成膜室の封止時には、下部成膜部室と上部成膜部室からなる独立した処理空間を構成するようになっている。この例においては、下部成膜部室は電源40に接続された高周波電極(もしくは直流高圧電極)31を備え、上部成膜部室は、ヒータ33を内蔵した接地電極32を備える。
【0006】
成膜時には、図3(b)に示すように、上部成膜部室壁体35が下降し、接地電極32が基板9を抑えて下部成膜部室壁体34の開口側端面に取付けられたシール部材50に接触させる。これにより、下部成膜部室壁体34と基板9とから、排気管36に連通する気密に密閉された成膜空間60を形成する。上記のような成膜室において、高周波電極(もしくは直流高圧電極)31へ電圧を印加することにより、プラズマを成膜空間60に発生させ、図示しない導入管から導入された原料ガスを分解して基板9上に膜を形成することができる。
【0007】
薄膜形成用の原料ガスとしては、半導体薄膜の種類によって異なるが、概ね、下記のような公知のガスまたはその一部混合ガスが、半導体ガスとして使用される。即ち、シラン系(SiH4 , Si2H6など),ゲルマン系(GeH4 など),ハイドロカーボン系(CH4 , C2H2 など)とシラン系ガスを混合したもの、あるいはこれらのガスを水素や希ガスで希釈したガス、PH3 ,B2H6 などのドーピングガスあるいはこれらのガスを水素や希ガスで希釈したガス等である。
【0008】
上記図3に示す薄膜形成装置は、対象基板を断続的に搬送して薄膜を形成する量産タイプの装置であるが、バッチ式のプラズマCVDによる薄膜形成装置の一例として、例えば、特開平10−83988号公報の図6に記載された装置を、部番を一部変更して、図4に示す。
【0009】
図4に示すプラズマCVD装置は、前記公報の記載によれば、排気系を備えた処理容器19と、処理容器19内の所定位置に基板20を配置するための基板ホルダー20と、反応性ガスである所定の成膜用ガスを処理容器19内に導入する成膜用ガス導入系23と、導入されたガスにエネルギーを与えてプラズマを発生させる電力供給手段24とから主に構成されている。
【0010】
成膜用ガス導入系23は、基板ホルダー20に対向して配設された円盤状のガス導入ヘッド31によって成膜用ガスを導入するようになっている。ガス導入ヘッド25は内部が中空であり、前面に多数のガス吹き出し孔26を多数有している。そして、成膜用ガスを導入する配管27の先端はガス導入ヘッド25に接続され、ガス吹き出し孔26から成膜用ガスを吹き出させて基板20に向けて導入するようになっている。
【0011】
また、電力供給手段24は、プラズマ発生用エネルギーとして高周波電力を供給するよう構成されており、ガス導入ヘッド25は、高周波の導入部に兼用されている。即ち、ガス導入ヘッド25は導体で形成され、不図示の整合器を介して高周波電源28が接続されている。この結果、ガス導入ヘッド25に所定の高周波が励振され、前方の放電空間に所定の高周波電界が設定される様になっている。
【0012】
図4ののプラズマCVD装置では、成膜用ガス導入系23によって所定の成膜用ガスを所定の流量で処理容器19内に導入した後、高周波電源28を動作させて高周波電界を設定する。この高周波電界によって成膜用ガスに気体放電が生じてプラズマ化し、プラズマによって生ずる所定の反応を利用して基板20の表面に所定の薄膜が作成される。
【0013】
なお、前記特開平10−83988号公報には、上記プラズマCVDによる成膜の他に、基板の前処理と成膜に、熱触媒体を用いる方法が開示されている。熱触媒体の使用は、使用方法が異なるものの本願発明と関連するので、この点については後述する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のようなプラズマCVDにより成膜する場合には、下記のような解決すべき課題がある。
【0015】
放電に接する電極や壁面、特に高周波電極面に、気相反応によって発生するシリコン系微粒子等の反応生成物のパウダーや膜が付着し、この反応生成物が成膜上に剥離・落下して成膜の品質を悪くする問題がある。
【0016】
そのため、真空処理室を大気開放して、弗硝酸などで洗浄して付着物を取り除く、もしくはフロン系ガス等のエッチングガスを導入して上記膜や付着物を取り除く等のクリーニング処理が必要であった。
【0017】
ところが、真空処理室を大気開放すると、残留したガスを十分に取り除くために時間がかかるため、メンテナンス時間が長くなり、製造効率が低減してしまう問題がある。また、クリーニング処理のためにフロン系などのエッチングガスを導入する場合、残留した不純物が製造する薄膜中に含まれ、薄膜の特性が低下する問題がある。さらに、エッチングガスを導入する場合、原料ガス以外にエッチングガス用の排ガス処理装置を設ける必要があった。上記のように、従来のクリーニング処理においては、製造効率の低減、膜の特性の低下、コスト増加をもたらす問題があった。
【0018】
堆積物を取り除く方法として、水素ガスを導入し、成膜に用いる一対の電極に高周波を印加してエッチングを行う方法も考えられるが、この場合には、エッチングレートが低いため、やはり製造効率が低下する問題があった。
【0019】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本発明の課題は、製造プロセスを中断することなく短時間で電極等への反応生成物の付着物を除去し、製造効率の向上と高品質の膜の形成が可能な薄膜形成方法と装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、この発明においては、真空処理室内に設けた高周波電極と接地電極とからなる一対の電極に、電圧を印加することにより放電プラズマを生成し、プラズマCVD処理により、基板表面に薄膜形成を行なう方法であって、所定時間薄膜形成を行なった後、前記真空処理室内の少なくとも高周波電極上に付着した反応生成物を除去するためのクリーニング処理を行なう薄膜形成方法において、
前記クリーニング処理は、前記真空処理室内に水素ガスを導入し、加熱された熱触媒体との接触分解反応により、前記水素ガスの活性種を生成し、この活性種により、前記堆積物を除去する工程を含み、前記薄膜形成時には、前記熱触媒体を放電プラズマ生成領域外にスタンバイさせ、前記クリーニング処理時には、前記熱触媒体を前記放電プラズマ生成領域に移動させて、前記水素ガスとの接触分解反応を行わせることとする(請求項1の発明)。
【0021】
エッチング処理ガスとして、従来のように、フロン系ガス等の水素以外のガスを用いると薄膜の特性が低下し、排ガスの処理設備が必要になるが、前記請求項1の発明のように、加熱した熱触媒体を用いると、エッチングガスとして水素を用いても速いエッチングレートが得られるため、薄膜の製造プロセスを大きく中断することなしに反応生成付着物を取り除く事ができ、薄膜の製造効率を向上することができる。
【0022】
なお、前述のように、熱触媒体を用いて成膜することは、前記特開平10−83988号公報に記載されている。本公報には、「処理容器内に配置された基板の近傍に設けられた熱触媒体の表面付近を通過するようにして、水素ガス等の表面処理用ガスを表面処理用ガス導入系によって導入する。表面処理用ガスは熱触媒体による接触分解反応等によって活性種を生成し、この活性種が基板に到達することで自然酸化膜の除去等の表面処理が行われる。その後、成膜用ガス導入系によって成膜用ガスを導入して熱触媒体の表面付近を通過させるようにして基板に供給し、触媒CVD法によって半導体表面上に所定の絶縁膜を作成する。」旨、記載されている。
【0023】
即ち、本公報に記載の方法は、基板の前処理と成膜とに、熱触媒体を用いる方法であって、上記請求項1の発明のように、クリーニング処理に熱触媒体を用い、成膜はプラズマCVD処理により行なう方法とは異なる。成膜を触媒CVD法によって形成する方法は、プラズマCVDに比較して、高品質な膜は得られない。
【0024】
また、前記請求項1の発明の実施態様として、下記請求項2ないし3の発明が好ましい。即ち、請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記熱触媒体は、タングステン,酸化トリウムを含有するタングステン,モリブデン,白金,パラジウム,バナジウム,シリコン,アルミナ,金属を付着したセラミックス,及び炭化ケイ素からなる群から選択された少なくとも一種の材料によって形成してなることとする(請求項2の発明)。
【0025】
さらに、請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記熱触媒体の加熱は、熱触媒体自体の電気抵抗加熱とする(請求項3の発明)。
【0026】
また、上記発明の装置の発明としては、下記請求項4ないし6の発明が好適である。即ち、請求項1に記載の薄膜形成方法を実施するための装置であって、排気ラインを有する真空処理室と、この真空処理室内の所定位置に基板を配設するための基板ホルダーと、高周波電極と接地電極とからなる一対の電極と、所定の成膜用ガスおよび水素ガスを前記真空処理室内に導入するガス導入手段と、高周波電圧印加手段とを備えた薄膜形成装置において、前記クリーニング処理時の水素ガス活性種生成用の熱触媒体と、この熱触媒体を、クリーニング処理時には放電プラズマ生成領域に移動させ、薄膜形成時には放電プラズマ生成領域外の所定位置に移動するために、前記真空処理室の側壁に設けた真空導入器とを備えたものとする(請求項4の発明)。
【0027】
さらに、熱触媒体への反応生成物の付着防止の観点から、前記請求項4に記載の薄膜形成装置において、前記真空導入器は、薄膜形成時に前記熱触媒体を収納するために、前記真空処理室の側壁から突出し、かつ真空処理室に連通する熱触媒体収納部を備え、この収納部と真空処理室との間には、前記反応生成物の熱触媒体への付着防止用のシャッターを備えたものとする(請求項5の発明)。
【0028】
また、バッチ式の処理装置であれば、エッチング処理時には真空処理内に基板を設置しない、もしくはダミーの基板を設置する事が可能であるが、特に同一の基板を連続的に搬送して薄膜を製造する装置では、基板の耐熱性が低い場合には、触媒体加熱時に熱輻射で基板が過熱される可能性がある。このような場合、下記請求項6の発明によれば、熱触媒体、基板間に遮熱板を設置することで温度の上昇を抑えることができる。
【0029】
即ち、前記請求項4または5に記載の処理装置において、前記基板を断続的または連続的に搬送するための搬送装置を備え、かつ前記熱触媒体は、クリーニング処理時に、搬送された基板と高周波電極との間の放電プラズマ生成領域に移動させるように構成し、さらに、前記熱触媒体と搬送された基板との間に熱遮蔽板を備え、この熱遮蔽板は、前記熱触媒体と連動して移動可能な構成としたものとする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に述べる。本発明に係る薄膜形成装置は、真空処理室内の所定位置に基板を配設するための基板ホルダーと、高周波電極と接地電極とからなる一対の電極と、所定の成膜用ガスおよび水素ガスを前記真空処理室内に導入するガス導入手段と、高周波電圧印加手段と、クリーニング処理時に水素ガス活性種を生成するための熱触媒体とを備える。
【0031】
上記一対の電極を用いて薄膜を製造する際には、高周波によって原料ガスが分解されてできた反応生成物が分布する反応領域内に熱触媒体が存在すると、膜が付着し、シラン系のガスの場合にはシリサイド化して熱触媒体が劣化する問題がある。そのため、熱触媒体は上記反応領域の外部に設置する。
【0032】
前記熱触媒体はコイル状、メッシュ状に形成してよく、複数個、複数枚配置してよい。また加熱エッチング処理時には、ガス流に沿って設置するとより効果がある。熱触媒体はタングステン、酸化トリウムを含有するタングステン、モリブテン、白金、パラジウム、バナジウム、シリコン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料によって、形成することができる。
【0033】
この熱触媒体は、例えば抵抗線として加熱できるが、温度が低いと活性化してガスを分解することができない。また融点以下の温度にする必要がある。そのため、例えばタングステンの場合には1600℃〜1700℃に加熱して活性化する。
【0034】
また連続して搬送する基板を用いる等、用いる基板によるが、基板が真空処理室内にある場合には、基板の温度をその融点、もしくは軟化点以下、例えばポリイミド系のフィルムでは室温〜300℃程度にする必要がある。エッチングを行う必要があるのは主に高周波を印加する電極であるが、基板は前記電極の近くに設置される必要があるため、熱触媒体を加熱すると輻射熱で基板の温度が上昇してしまう。そのため、熱触媒体と基板との間に遮熱板を設けて基板の温度上昇を防ぐことが必要である。
【0035】
【実施例】
図面に基づき、本発明の実施例について以下に述べる。
【0036】
図1ないし図2は、本発明の実施例に関わる模式的概略構成図であり、図1は主としてバッチ式の実施例を示し、図2は基板断続搬送または連続搬送の場合の実施例を示す。
【0037】
(実施例1)
図1に示す装置は、請求項5に係る本発明の薄膜形成装置の模式的概略構成図であり、真空処理室1の内部に原料ガス、例えば、シランガス、水素ガス、ドーピングガスとしてジボラン、フォスフィン等を導入するガス導入配管2及びガスの排気ライン3を有する。そして、図示しない基板を加熱ヒーターを備える接地電極4で加熱し、高周波電極5を用いて高周波電圧を印加してガスを分解し、膜の製造を行う。また、熱触媒体6は、例えばタングステンのフィラメントからなり、成膜時には、真空導入器7の中へ収納され、外部から操作できるシャッター8により反応生成物の付着を防いでいる。
【0038】
図1において、例えば、原料ガスの流量は、シランガスを15sccm、水素ガスを500sccmとし、圧力はコンダクタンスバルブを用いて266Pa(2.0torr)に保った。なお、流量の単位sccmは、standard cc/min(標準状態換算の流量cm3/min)を示す。さらに高周波電極5に13.56MHzで20mW/cm2のパワー密度の高周波を投入し、微結晶のi層の製膜を行った。
【0039】
エッチング時には、真空導入器7を用いて高周波電極5の直上に熱触媒体6を移動し、ガス導入配管2からは水素ガスのみを導入し、高周波電極5及び接地電極4に付着した付着物をエッチングした。水素ガスの流量を500sccm、圧力を1.33Pa(10mTorr)、熱触媒体の温度を1800℃として、付着物のエッチングを行った。
【0040】
この装置では成膜を15時間行い、30分程度のクリーニング及び冷却プロセスを行った。このサイクルを2週間程度行ったが、反応生成物の剥離・付着による太陽電池の出力低下は見られなかった。
【0041】
(比較例)
実施例1と同じ条件で成膜を行った。ただし、反応生成物の剥離・付着による特性低下が見られたため、3日間(72時間)の成膜後に、大気開放しかつ弗硝酸洗浄を行なう従来方法によるクリーニング処理を行なった。クリーニング時間としては、装置の立上り時間を含めて12時間程度を要した。
【0042】
(比較例2)
実施例1と同じ条件で成膜を行った。エッチングガスとしてCF4を用いて、エッチングによるクリーニング処理を行なった。この結果、エッチングレートは増加するものの、残留ガスの排気のため、40分程度のクリーニング時間を要した。
【0043】
表1は、本願発明の効果を確認した実験結果を示し、クリーニング時間と成膜時間との比率に関して、前記実施例1と比較例1および2とを比較した結果と、実施例1により成膜した太陽電池の変換効率を1とした場合の平均の変換効率について、同様に比較した結果を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から、比較例2は比較例1と比べると製造効率が向上しているものの、実施例1の方が、さらに向上していることが判る。また、変換効率の平均値は、比較例1及び2は、実施例1に比べて若干低下し、実施例の効果が確認された。
【0046】
(実施例2)
図2は請求項6に係わる本発明の薄膜形成装置の模式的概略構成図を示す。この装置は、基本的には、図3に示したような装置に、前記実施例1の本願発明に関わる構成を適用したものであり、連続した基板9上に成膜を行う装置で、高周波電極11及び対向した接地電極10を有する。また、基板9と高周波電極11間には、熱触媒体12を設け、さらに基板への熱伝達を防ぐために、熱遮蔽板13を設けて、この熱遮蔽板13は、前記熱触媒体12と連動して移動可能な構成としている。この熱遮蔽板13が無い場合には、基板温度が350℃近くまで上昇していたのに対し、熱遮蔽板13を設けることにより、基板温度は100℃以下となった。そのため、耐熱性の低い樹脂製の基板を用いることができるようになった。
【0047】
【発明の効果】
前述のように、この発明によれば、排気ラインを有する真空処理室と、この真空処理室内の所定位置に基板を配設するための基板ホルダーと、高周波電極と接地電極とからなる一対の電極と、所定の成膜用ガスおよび水素ガスを前記真空処理室内に導入するガス導入手段と、高周波電圧印加手段とを備えた薄膜形成装置において、クリーニング処理時の水素ガス活性種生成用の熱触媒体を設け、さらに、この熱触媒体を、クリーニング処理時には放電プラズマ生成領域に移動させ、薄膜形成時には放電プラズマ生成領域外の所定位置に移動するために、前記真空処理室の側壁に設けた真空導入器を備えたものとし、
上記装置によって、前記クリーニング処理は、前記真空処理室内に水素ガスを導入し、加熱された熱触媒体との接触分解反応により、前記水素ガスの活性種を生成し、この活性種により、反応生成物の堆積物を除去することとしたので、
製造プロセスを中断することなく短時間で電極等への反応生成物の付着物を除去し、製造効率の向上と高品質の膜の形成が可能な薄膜形成方法と装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の薄膜形成装置の実施例の模式的概略構成図
【図2】 図1とは異なるこの発明の薄膜形成装置の実施例の模式的概略構成図
【図3】 従来のプラズマ放電による成膜装置の一例を示す図
【図4】 図3とは異なる従来のプラズマ放電による成膜装置の一例を示す図
【符号の説明】
1:真空処理室、2:ガス導入配管、3:排気ライン、4,10:接地電極、5,11:高周波電極、6,12:熱触媒体、7:真空導入器、8:シャッター、9:基板、13:熱遮蔽板。
Claims (6)
- 真空処理室内に設けた高周波電極と接地電極とからなる一対の電極に、電圧を印加することにより放電プラズマを生成し、プラズマCVD処理により、基板表面に薄膜形成を行なう方法であって、所定時間薄膜形成を行なった後、前記真空処理室内の少なくとも高周波電極上に付着した反応生成物を除去するためのクリーニング処理を行なう薄膜形成方法において、
前記クリーニング処理は、前記真空処理室内に水素ガスを導入し、加熱された熱触媒体との接触分解反応により、前記水素ガスの活性種を生成し、この活性種により、前記堆積物を除去する工程を含み、前記薄膜形成時には、前記熱触媒体を放電プラズマ生成領域外にスタンバイさせ、前記クリーニング処理時には、前記熱触媒体を前記放電プラズマ生成領域に移動させて、前記水素ガスとの接触分解反応を行わせることを特徴とする薄膜形成方法。 - 請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記熱触媒体は、タングステン,酸化トリウムを含有するタングステン,モリブデン,白金,パラジウム,バナジウム,シリコン,アルミナ,金属を付着したセラミックス,及び炭化ケイ素からなる群から選択された少なくとも一種の材料によって形成してなることを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項1に記載の薄膜形成方法において、前記熱触媒体の加熱は、熱触媒体自体の電気抵抗加熱とすることを特徴とする薄膜形成方法。
- 請求項1に記載の薄膜形成方法を実施するための装置であって、排気ラインを有する真空処理室と、この真空処理室内の所定位置に基板を配設するための基板ホルダーと、高周波電極と接地電極とからなる一対の電極と、所定の成膜用ガスおよび水素ガスを前記真空処理室内に導入するガス導入手段と、高周波電圧印加手段とを備えた薄膜形成装置において、
前記クリーニング処理時の水素ガス活性種生成用の熱触媒体と、この熱触媒体を、クリーニング処理時には放電プラズマ生成領域に移動させ、薄膜形成時には放電プラズマ生成領域外の所定位置に移動するために、前記真空処理室の側壁に設けた真空導入器とを備えたことを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項4に記載の薄膜形成装置において、前記真空導入器は、薄膜形成時に前記熱触媒体を収納するために、前記真空処理室の側壁から突出し、かつ真空処理室に連通する熱触媒体収納部を備え、この収納部と真空処理室との間には、前記反応生成物の熱触媒体への付着防止用のシャッターを備えたことを特徴とする薄膜形成装置。
- 請求項4または5に記載の処理装置において、前記基板を断続的または連続的に搬送するための搬送装置を備え、かつ前記熱触媒体は、クリーニング処理時に、搬送された基板と高周波電極との間の放電プラズマ生成領域に移動させるように構成し、さらに、前記熱触媒体と搬送された基板との間に熱遮蔽板を備え、この熱遮蔽板は、前記熱触媒体と連動して移動可能な構成としたことを特徴とする薄膜形成装置。
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