JP2000252216A - プラズマcvd装置およびシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置およびシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法

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JP2000252216A
JP2000252216A JP11050591A JP5059199A JP2000252216A JP 2000252216 A JP2000252216 A JP 2000252216A JP 11050591 A JP11050591 A JP 11050591A JP 5059199 A JP5059199 A JP 5059199A JP 2000252216 A JP2000252216 A JP 2000252216A
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electrode
film
silicon
substrate
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English (en)
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Keiji Okamoto
圭史 岡本
Kenji Yamamoto
憲治 山本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな面積の被処理基板に膜厚および膜質が
均一な薄膜、特に結晶質シリコン薄膜を成膜することが
可能なプラズマCVD装置を提供する。 【解決手段】 排気部材を有する反応容器と、前記反応
容器内に配置され、被処理基板が保持される第1電極
と、前記反応容器内に前記第1電極に対向して配置さ
れ、前記第1電極との対向面が前記基板の面積より小さ
く、かつその面に多数の反応ガスの吹き出し穴が開口さ
れた中空状の第2電極と、前記第2電極内に反応ガスを
導入するためのガス導入手段と、前記反応容器内に前記
第2電極の外周面に近接して位置するように配置され、
前記第1、第2の電極間に生成されるプラズマを閉じ込
めるためのシールド部材と、前記反応容器内に前記シー
ルド部材の外周面に所望の隙間をあけて位置するように
配置された排気ガイド部材と、前記シールド部材と前記
ガイド部材とで形成される空間のガスを排気するための
排気手段とを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD装
置およびこのプラズマCVD装置を用いて結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換層を成膜する工程を含むシリコン系薄
膜光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】なお、本明細書において、「結晶質」と
「微結晶」の用語は、部分的に非晶質状態を含むものを
も意昧するものとする。
【0003】
【従来の技術】薄膜光電変換装置の代表的なものとして
非晶質シリコン系太陽電池が知られている。この太陽電
池に用いられる非晶質光電変換材料は、通常200℃前
後の低い成膜温度の下でプラズマCVD法によって形成
できるため、基板としてガラス、ステンレス、有機フィ
ルム等の安価なものを使用できる。その結果、非晶質光
電変換材料は、低コストの光電変換装置を製造するのた
めの有力材料として期待されている。また、非晶質シリ
コンは可視光領域での吸収係数が大きいため、500n
m以下の薄い膜厚の非晶質シリコンからなる光電変換層
を有する太陽電池において15mA/cm2以上の短絡
電流が実現されている。
【0004】しかしながら、非晶質シリコン系材料は長
期間の光照射を受けると、Stebler-Wronsky効果により
光電変換特性が低下するなどの問題を抱えており、さら
にその有効感度波長領域が800nm程度までである。
したがって、非晶質シリコン系材料を用いた光電変換装
置においては、その信頼性や高性能化には限界が見ら
れ、基板選択の自由度や低コストプロセスを利用し得る
という本来の利点が十分には生かされていない。
【0005】このようなことから、近年、例えば多結晶
シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを含
む薄膜を利用した光電変換装置の開発が精力的に行なわ
れている。これらの開発は、安価な基板上に低温プロセ
スで良質の結晶質シリコン薄膜を形成することによって
光電変換装置の低コスト化と高性能化を両立させるとい
う試みであり、太陽電池だけでなく光センサ等のさまざ
まな光電変換装置への応用が期待されている。
【0006】結晶質シリコン薄膜の形成方法としては、
例えばCVD法やスパッタリング法にて基板上に直接堆
積させるか、同様のプロセスで一旦非晶質膜を堆積させ
た後に熱アニールやレーザアニールを行なうことによっ
て結晶化を図るなどの方法が知られている。いずれの方
法においても前述した安価な基板を用いるためには成膜
時の温度を550℃以下にする必要がある。
【0007】ところで、前記各成膜プロセスの中でも、
プラズマCVD法によって直接結晶質シリコン薄膜を堆
積させる手法は、プロセスの低温化や薄膜の大面積化が
最も容易であり、しかも比較的簡便なプロセスで高品質
な結晶質薄膜が得られるものと期待されている。
【0008】プラズマCVD法は、一般に排気管および
反応ガスの導入管を有する反応容器内に第1、第2の電
極を互いに対向して配置した構造のプラズマCVD装置
が用いられる。このようなCVD装置において、前記電
極のいずれか一方に成膜される基板を保持し、前記導入
管から所定の反応ガス(例えばシラン系ガスを含むガ
ス)を反応容器内に導入すると共に前記排気管を通して
排気して反応容器内を所定の真空度にした後、前記電極
間に所望の電力を供給してそれら電極間にプラズマを発
生させて前記反応ガスを分解することにより前記基板上
に所定の膜(例えばシリコン薄膜)を成膜する。
【0009】プラズマCVDの手法により多結晶シリコ
ン薄膜を形成する場合、結晶質を含む高品質シリコン薄
膜を予め基板上に形成した後、前記薄膜をシード層また
は結晶化制御層としてその上にプラズマCVD法により
成膜をすることによって、比較的低温で良質の多結晶シ
リコン薄膜を形成することが可能になる。
【0010】一方、プラズマCVD法において反応容器
に水素でシラン系原料ガスを10倍以上希釈した反応ガ
スを導入すると共に、反応容器内圧力を10mTorr
〜1Torrの範囲に設定して成膜することによって、
微結晶シリコン薄膜が得られることはよく知られてお
り、200℃前後の温度でも容易に微結晶化されたシリ
コン薄膜を形成できる。
【0011】例えば、Appl, Phys, Lett., Vol. 65, 19
94, p.860には微結晶シリコンのpin接合からなる光
電変換ユニットを含む光電変換装置が開示されている。
この光電変換ユニットは、プラズマCVD法により順次
積層されたp型半導体層、光電変換層であるi型半導体
層およびn型半導俸層からなり、これらの半導体層のす
べてが微結晶シリコンである。しかしながら、高品質の
結晶質シリコン膜、さらには高性能のシリコン系薄膜光
電変換装置を得るためには、従来の製法や条件の下では
その成膜速度が0.6μm/hrに満たないほど遅く、
非晶質シリコン膜の場合と同程度かもしくはそれ以下で
あるという問題があった。
【0012】特開平4−137725号公報の比較例に
は、低温プラズマCVD法で比較的高い5Torrの圧
力条件の下でシリコン膜を形成することが記載されてい
る。このシリコン膜は、ガラス等の基板上に直接堆積さ
せたものであり、その膜の品質は低くて光電変換装置へ
応用できるものではない。また、一般にプラズマCVD
法の圧力条件を高くすれば、プラズマ反応容器内にパウ
ダー状の生成物やダストなどが大量に発生する。このた
め、堆積中の膜表面にそれらのダスト等が飛来して堆積
膜中に取り込まれる危険性が高く、膜中のピンホールの
発生原因となる。この膜質の劣化を低減するためには、
反応容器内のクリーニングを頻繁に行なわなければなら
なくなる。特に、550℃以下のような低温条件で反応
容器圧力を高くして成膜する場合には、これらの問題が
顕著となる。しかも、太陽電池のような光電変換装置の
製造においては、大面積の薄膜を堆積させる必要がある
ので、製品歩留りの低下や成膜装置維持管理ための労力
およびコストの増大という問題を招く。
【0013】プラズマCVD法において、基板への成膜
速度を上げるためには反応容器に導入する反応ガスの流
量を増大させる必要がある。特に、基板の面積が大きく
なるほど、未反応ガスの排出が問題になる。すなわち、
未反応ガスは基板の周辺から排出されるため、基板の中
央部と周辺部とではそのガスの組成比が異なるため、膜
厚、膜質が均一な薄膜を基板全体に成膜することが困難
になる。このような薄膜における膜厚、膜質のばらつき
は、反応容器の圧力が低く、電極間距離を大きくするこ
とが可能な条件下では比較的少ないものの、反応容器の
圧力が高くなるに伴なってそれらの変動が増大する。
【0014】したがって、薄膜光電変換装置に組み込ま
れる光電変換層をプラズマCVD法を用いて製造する場
合には、前述したように従来から通常は1Torr以下
の圧力条件が用いられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上、プラズマCVD
法による従来の成膜技術を、シリコンのような薄膜、例
えば光電変換装置の製造における比較的大きな面積の基
板上の結晶質シリコン系光電変換層の形成に適用する場
合には、未反応ガスに起因する基板の中央部と周辺部と
のガスの組成比の相異により膜厚および膜質が均一な薄
膜形成が困難であった。
【0016】また、前述した従来のプラズマCVD法に
よる低温で良質の結晶質シリコン系薄膜の成膜技術で
は、その成膜速度は非晶質シリコン膜の場合と同程度も
しくはそれ以下(例えば0.6μm/hr程度)にしか
ならない。これは、結晶質シリコンの吸収係数の関係か
ら太陽光を十分に吸収させるためには結晶質シリコン薄
膜光電変換層の厚さを少なくとも数μmから数十μmに
する必要があることを考慮すれば、非晶質シリコン光電
変換層の何倍から何10倍もの成膜時間を要することに
なり、光電変換装置の製造工程のスループットの向上が
困難となって低コスト化の妨げとなる。
【0017】本発明は、大きな面積の被処理基板に膜厚
および膜質が均一な薄膜、特に結晶質シリコン薄膜を成
膜することが可能なプラズマCVD装置を提供すること
を目的とする。
【0018】本発明は、大きな面積の基板上に結晶質シ
リコン系光電変換層を有する光電変換ユニットを積層す
る際、前記プラズマCVD装置を用いて低温プロセスに
より均一厚さで高品位の結晶質シリコン系光電変換層を
高速度で成膜して製造工程のスループットの向上および
性能改善を達成したシリコン系薄膜光電変換装置の製造
方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるプラズマ
CVD装置は、排気部材を有する反応容器と、前記反応
容器内に配置され、被処理基板が保持される第1電極
と、前記反応容器内に前記第1電極に対向して配置さ
れ、前記第1電極との対向面が前記基板の面積より小さ
く、かつその面に多数の反応ガスの吹き出し穴が開口さ
れた中空状の第2電極と、前記第2電極内に反応ガスを
導入するためのガス導入手段と、前記反応容器内に前記
第2電極の外周面に近接して位置するように配置され、
前記第1、第2の電極間に生成されるプラズマを閉じ込
めるためのシールド部材と、前記反応容器内に前記シー
ルド部材の外周面に所望の隙間をあけて位置するように
配置された隔壁と、前記シールド部材と前記隔壁とで形
成される空間のガスを排気するための排気手段とを具備
し、前記第1、第2の電極および前記基板から選ばれる
少なくとも1つは、プラズマ成膜中に移動自在であるこ
とを特徴とするものである。
【0020】本発明に係わるシリコン系薄膜光電変換装
置の製造方法は、基板上に形成された少なくとも1つの
光電変換ユニットを含み、この光電変換ユニットはプラ
ズマCVD法によって順次積層された一導電型半導体層
と、結晶質シリコン系薄膜光電変換層と、逆導電型半導
体層とを含むシリコン系薄膜光電変換装置を製造するに
際し、前記ユニットのうちの前記光電変換層は、前述し
たプラズマCVD装置を用い、その反応容器内の第1電
極に前記基板を保持するとともに、そのプラズマ生成条
件を第1、第2の電極間およびシールド部材で区画され
たプラズマ閉じ込め領域の圧力が5Torr以上、第
1、第2の電極間の距離が2.0cm以下、反応ガスは
主成分としてシラン系ガスと水素ガスを含み、前記反応
容器内に導入される全反応ガスに含まれるシラン系ガス
に対する水素ガスの流量比が30倍以上、プラズマ放電
電力密度が30mW/cm2以上、に設定し、前記第1
電極または前記基板と前記第2電極とを相対的に移動さ
せることにより成膜されることを特徴とするものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるプラズマC
VD装置を図1および図2を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明に係わるプラズマCVD装
置を示す概略図、図2は図1のプラズマCVD装置の要
部断面図である。
【0023】矩形状の反応容器1は、その上部中央にア
ルゴン、窒素等の不活性ガスの供給管2が連結され、か
つ対向する両側壁に排気部材である排気管3,3がそれ
ぞれ連結されている。前記排気管3,3は、それら他端
が図示しない真空ポンプ等に連結されている。基板を出
し入れするための図示しないバルブは、前記反応容器1
の対向する側壁に設けられている。矩形状の第1電極4
は、前記反応容器1内の底部に配置されている。前記電
極4上部には、載置される基板を加熱するためのヒータ
ブロック5が設けられている。前記第1電極4は、例え
ばグランドに接続されている。前記基板より小さい面積
を持つ第2電極6は、前記反応容器1内に前記第1電極
4に対向するとともに、前記反応容器1の上部付近にX
軸方向に設けられたレール7に沿って移動自在に配置さ
れている。この第2電極6は、図示しない電源、例えば
高周波電源に接続され、周波数が150MHz以下でR
F帯からVHF帯までの高周波電力を印加される。
【0024】前記第2電極6は、図2に示すように前記
第1電極4との対向面8が前記基板の面積より小さく、
かつその面8に多数の反応ガスの吹き出し穴9が開口さ
れた中空矩形状をなす。反応ガスの導入手段である円筒
状のガス導入管10は、前記第2電極6の上部に連結さ
れている。
【0025】下面が開放された矩形筐体11とこの筐体
11上部に一体的に結合された円筒体12とからなるシ
ールド部材13は、前記反応容器1内に前記第2電極6
および前記導入管10の外周面に近接して位置するよう
に配置され、前記第1、第2の電極4,6間に生成され
るプラズマを閉じ込める役目をなす。前記シールド部材
13の矩形筐体11の下端は、前記第2電極6の下面よ
り下方(前記第1電極4側)に延出している。前記シー
ルド部材13は、例えば前記第1電極4と等電位のグラ
ンドに接続されている。
【0026】下面が開放された矩形筐体14とこの筐体
14上部に一体的に結合された円筒体15とからなる排
気ガイド部材16は、前記反応容器1内に前記シールド
部材13の外周面に所望の隙間をあけて位置するように
配置されている。前記ガイド部材16は、例えば前記第
1電極4と等電位のグランドに接続されている。図示し
ない排気手段は、前記シールド部材13と前記ガイド部
材16とで形成される空間(流路)に連通され、前記第
1、第2電極4,6間の反応ガスを前記流路を通して排
気する役目をなす。
【0027】次に、前述した図1,図2に示す構成のプ
ラズマCVD装置の作用を説明する。
【0028】まず、図示しないバルブを通して基板17
を反応容器1内の第1電極4のヒータブロック5上に載
置し、前記ヒータブロック5の発熱により前記基板17
を所望温度に加熱する。不活性ガス供給管2から例えば
アルゴンを前記反応容器1内に供給すると共に、真空ポ
ンプのような排気装置を駆動して前記反応容器1内のガ
スを排気管3,3を通して排気し、前記反応容器1内を
所定の真空度に保持する。
【0029】反応容器1内の真空度が安定した状態で、
反応ガス(例えばシラン系ガスと水素の混合ガス)を導
入管10を通して中空状の第2電極6内に導入し、その
下面8の多数のガス吹き出し口9から反応ガスを第1電
極4上の基板17に向けて吹き出すと同時に、図示しな
い排気手段を作動して前記第1電極4、第2電極6およ
びシールド部材13で区画された領域(プラズマ閉じ込
め領域)18に吹き出された反応ガスを図2の矢印に示
すように前記シールド部材13と前記ガイド部材16と
で形成される流路を通して排気する。この時、前記反応
容器1内の圧力を前記プラズマ閉じ込め領域18の圧力
と同等か、もしくはそれより高くすることによって、前
記プラズマ閉じ込め領域18の反応ガスが前記反応容器
1内に漏れるのを防ぐことが可能になる。
【0030】前記プラズマ閉じ込め領域18の真空度が
安定した状態で、図示しない電源から前記第2電極6に
例えば高周波電力を印加すると、前記プラズマ閉じ込め
領域18にプラズマ19が生成されるとともに、プラズ
マ19は前記第1電極4と等電位(グランド)に接続さ
れた前記領域18の区画部材であるシールド部材13に
より前記領域18に閉じ込める。プラズマ19が生成さ
れると、その中で反応ガス(シラン系ガス)が分解され
てシリコンが前記所望温度(例えば550℃以下)に加
熱された基板17表面に堆積される。つまり、前記第2
電極の6の面積にほぼ等しい小空間に対応する前記基板
17領域の表面にシリコンが成膜される。
【0031】前記第2電極6の面積にほぼ等しい小空間
に対応する前記基板17領域に成膜されたシリコン薄膜
が所定の厚さに達したら、前記第2電極4をシールド部
材13およびガイド部材16と一緒にレール7に沿って
図1に示す矢印方向に間欠的に移動させ、その移動箇所
で前述したのと同様なシリコンの成膜を行う操作を順次
繰り返すことによって前記大きな面積の基板17表面全
体にシリコン薄膜を成膜する。
【0032】なお、前述した成膜工程において第2電極
4をシールド部材13およびガイド部材16と一緒に連
続的に移動させてもよい。
【0033】したがって、本発明に係わるプラズマCV
D装置によれば比較的大きな面積の基板17表面にシリ
コンのような薄膜を成膜する際、前記第2電極6の面積
にほぼ等しい小空間にプラズマ19を閉じ込め、この小
空間に対応する前記基板17領域に薄膜を成膜すること
によって、従来のように基板の面積より大きな第1、第
2の電極間でプラズマを生成して基板全体に薄膜を形成
するプラズマCVD装置のような未反応ガスに起因する
基板の中央部と周辺部とでガスの組成比の変動を回避で
きる。その結果、前記第2電極6が配置された小空間に
対応する前記基板17領域に薄膜を成膜する操作を順次
繰り返すことによって、基板17全体に均一厚さの薄膜
を形成することができる。
【0034】また、前記シールド部材13の矩形筐体1
1の下端を前記第2電極6の下面より下方(前記第1電
極4側)に延出することによって、未反応ガスが前記シ
ールド部材13と前記ガイド部材16とで形成される空
間(流路)を通して排気される際、前記第2電極6の側
面とグランド(前記第1電極4と等電位)に接続される
前記ガイド部材16との間での副次的なプラズマの発生
を防止できる。その結果、前記流路に低品位で剥離し易
いシリコン等の薄膜が堆積され、この薄膜からのシリコ
ン等の飛来により前記基板表面に付着するのを防止でき
るため、高品位の薄膜を成膜できる。
【0035】このような副次的なプラズマの発生を防止
する手段としては、前述したように前記シールド部材1
3の矩形筐体11の下端を前記第2電極6の下面より下
方に延出させる構造の他に、例えば前記ガイド部材を石
英ガラスのような絶縁材料から作ることによっても達成
できる。
【0036】なお、本発明に係わるCVD装置におい
て、前記第2電極6はレール7に沿ってX軸方向のみに
移動させる構成にしたが、これに限定されない。例えば
前記レール自体の移動によりY軸方向にも移動自在な構
成にしても、Y軸方向に設けられたレール7に沿って移
動自在な構成にしてもよい。また、前記第2電極6を固
定し、前記第1電極4に載置される基板を搬送機構によ
りX軸、Y軸またはXY軸の方向に移動させてもよい。
【0037】次に、本発明に係わるシリコン系薄膜光電
変換装置の製造方法を図3を参照して説明する。
【0038】図3は、本発明の1つの実施形態により製
造されるシリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す斜
視図である。
【0039】(第1工程)まず、基板101上に裏面電
極110を形成する。
【0040】前記基板101としては、例えばステンレ
ス等の金属、有機フィルム、セラミックまたは低融点の
安価なガラス等を用いることができる。
【0041】前記裏面電極110は、例えばTi,C
r,Al,Ag,Au,CuおよびPtから選択された
少なくとも1以上の金属またはこれらの合金からなる層
を含む金属薄膜102およびITO,SnO2,および
ZnOから選択された少なくとも1つ以上の酸化物から
なる層を合む透明導電性薄膜103をこの順序で積層す
ることにより形成される。ただし、金属薄膜102また
は透明導電性薄膜103のみで裏面電極110を構成し
てもよい。これらの薄膜102,103は、例えば蒸着
法やスパッタリング法によって形成される。
【0042】(第2工程)次いで、前記裏面電極110
上にプラズマCVD法によって一導電型半導体層10
4、結晶質シリコン系薄膜光電変換層105および逆導
電型半導体層106を順次積層することにより光電変換
ユニット111を形成する。この光電変換ユニット11
1は、1ユニットに限らず、複数のユニットを前記裏面
電極に形成してもよい。
【0043】前記一導電型半導体層104、結晶質シリ
コン系薄膜光電変換層105および逆導電型半導体層1
06について、以下に詳述する。
【0044】1)一導電型半導体層104 この一導電型半導体層104は、例えば導電型決定不純
物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn
型シリコン層、またはボロンが0.01原子%以上ドー
ブされたp型シリコン層などを用いることができる。た
だし、一導電型半導体層104に関するこれらの条件は
限定的なものではなく、不純物原子としては例えばp型
シリコン層においてはアルミニウム等でもよく、またシ
リコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなどの合金材
料を用いてもよい。
【0045】一導電型シリコン系薄膜104は、多結
晶、微結晶、または非晶質のいずれでもよく、その膜厚
は1〜100nmより好ましくは2〜30nmにするこ
とが望ましい。
【0046】2)結晶質シリコン系薄膜光電変換層10
5 この結晶質シリコン系薄膜光電変換層105は、前述し
た図1および図2に示すプラズマCVD装置を用い、そ
の反応容器1内の第1電極4に予め一導電型の半導体層
104が成膜された前記基板101を保持するととも
に、プラズマ生成条件を第1、第2の電極4,6間およ
びシールド部材13で区画されたプラズマ閉じ込め領域
の圧力を5Torr以上;第1、第2の電極4,6間の
距離を2.0cm以下、好ましくは1.5cm以下;反
応ガスは主成分としてシラン系ガスと水素ガスを含み、
前記反応容器内に導入される全反応ガスに含まれるシラ
ン系ガスに対する水素ガスの流量比が30倍以上、より
好ましくは50倍以上;プラズマ放電電力密度が30m
W/cm2以上、より好ましくは50mW/cm2以上;
とし、例えば前記第1電極4をシールド部材13および
ガイド部材16と一緒に間欠的もしくは連続的に移動さ
せることにより成膜する。
【0047】前記成膜工程において、前記第1、第2の
電極4,6間およびシールド部材13で区画された閉じ
込め領域18の圧力を5Torr以上の高い圧力にする
ことにより、前記基板表面に成膜される結晶質シリコン
薄膜へのイオンダメージを低減することが可能になる。
その結果、成膜速度を速めるために高周波パワーを高く
(例えばプラズマ放電電力密度を30mW/cm2
上、より好ましくは50mW/cm2以上)したり、ガ
ス流量を増加させても、成膜中の薄膜表面へのイオンダ
メージを低減して結晶質シリコン系薄膜光電変換層を高
速度で成膜することが可能になる。また、高圧力にする
ことによって、結晶粒界や粒内の欠陥が水素でパッシベ
ーションされ易くなるため、それらに起因する結晶質シ
リコン系薄膜への欠陥密度を減少させることが可能にな
る。
【0048】前記成膜工程において、前記第1、第2の
電極4,6間の距離を2.0cm以下と短くすることに
より、前記プラズマ閉じ込め領域18の圧力を5Tor
r以上にしてもその領域18に均一なプラズマを安定的
に生成することが可能になる。より好ましい第1、第2
の電極4,6間の距離は、表面が平坦な通常の電極の場
合、1.0〜1.5cmであるが、ガスの吹き出し口が
ノズルのような逆円錐台形状の形態ではさらに広くする
ことが可能である。
【0049】前記成膜工程において、ヒータブロックに
よる基板のシリコン堆積部の温度はガラス等の安価な基
板の使用を可能にする550℃以下とすることが好まし
い。
【0050】前記成膜工程において、全反応ガスに含ま
れるシラン系ガスに対する水素ガスの流量比が50倍以
上にすることによって、活性化された水素のエッチング
作用等によって、低品位で剥離し易い結晶質シリコンが
反応場である膜堆積部以外に領域に堆積されのを防ぐこ
とが可能になる。シラン系ガスに対する水素ガスの流量
比は、通常の平行平板のRF電極の場合、100倍以上
にすることが好ましいが、前記第2電極のガスの吹き出
し口がノズルのような逆円錐台形状の形態では水素の分
解効率が向上されるため、30倍以上にすることが望ま
しい。また、電極に印加する電力がRF以外のVHFを
用いたり、ECR等の水素ラジカルを供給する手段を他
に有する場合にはさらいに少ない流量比にすることが可
能である。
【0051】前記シラン系ガスとしては、例えばモノシ
ラン、ジシラン等が好ましいが、これらに加えて四フッ
化ケイ素、四塩化ケイ素、ジクロルシラン等のハロゲン
化ケイ素ガスを用いてもよい。このようなシラン系ガス
に加えて希ガス等の不活性ガス、好ましくはヘリウム、
ネオン、アルゴン等を用いもよい。
【0052】前述した図1および図2に示すプラズマC
VD装置を用いて、前記条件の下で例えば前記第1電極
4をシールド部材13およびガイド部材16と一緒に間
欠的もしくは連続的に移動させることによって、前記第
1電極4上に載置した基板17(101)の一導電型半
導体の表面全体に均一厚さで均質な高品位の結晶質シリ
コン系薄膜光電変換層を1μm/h以上の堆積速度で成
膜することができる。ただし、反応ガスの利用効率等を
考慮して、これより低速度で成膜することを許容する。
【0053】すなわち、反応容器内に大きな面積を持つ
基板が載置される第1電極を配置すると共に、この第2
電極と対向し、その対向面に多数のガス吹き出し口が開
口された中空状の第2電極を配置した構造の従来のプラ
ズマCVD装置において、前記電極間にプラズマを生成
する際、前記反応容器内の圧力を5Torr以上の高い
圧力にすると、前記基板表面に成膜される結晶質シリコ
ン薄膜へのイオンダメージを低減できるため、前述した
ように結晶質シリコン薄膜を高速度で成膜することが可
能になる。しかしながら、反応容器内の圧力を5Tor
r以上の高い圧力にすると、前記電極間に生成されるプ
ラズマが不均一で不安定になる。
【0054】このようなことから前記電極間の距離を
1.5cm以下と短くすることにより、前記電極間に安
定した均一なプラズマを生成することが可能になる。し
かしながら、電極間距離を短くすると、前記中空状の第
2電極の中心部と周辺部ではガス組成が異なり、前記基
板表面に成膜される結晶質シリコン薄膜の場所的な不均
一性に与える影響が無視できなくなる。特に、大きな面
積の基板の成膜に対応するように前記第2電極の面積を
大きくすればするほどその影響がより一層顕著になる。
【0055】具体的には、シラン系ガスと水素を含む反
応ガスを前記第2電極の吹き出し口を通してプラズマが
生成される第1、第2の電極間に吹き出して結晶質シリ
コン薄膜を基板表面全体に堆積させる間、反応ガスの流
れの中でシラン系ガスはその膜堆積の原料ガスとして消
費されていく。しかしながら、反応ガス中の水素はその
膜中に取込まれたとしても少量であってほとんど消費さ
れないため、電極間からその外側の反応容器内へ排気さ
れることになる。したがって、前記第2電極のガス吹出
し口から吹き出された反応ガスはその電極の中央部から
周辺部に向かって流れる場合、そのガス流の下流側であ
る電極周辺部では、反応ガスに含まれる水素の比率が高
くなる。また、第2電極の中央部から吹出きれた水素は
その電極周辺部に至るまでにプラズマに長く晒されるの
でラジカルなどの活性種になっている割合が高くなり、
電極周辺部では反応しやすい水素の比率がさらに上がる
ことになる。このような状況の下では、形成された結晶
質シリコン薄膜の中央部と周辺部とにおいて膜厚や膜質
等の特性差が大きくなり、基板面積が大きいほどその特
性差が顕著になる。
【0056】このようなことから、前述した図1および
図2に示す本発明のプラズマCVD装置のように第2電
極6の面積にほぼ等しい小空間にプラズマ19を閉じ込
め、この小空間に対応する基板17領域に結晶質シリコ
ン薄膜を成膜することによって、第2電極6の中央部と
周辺部での前述した水素量の差に起因する膜厚や膜質の
変動等の特性差が生じるのを回避できる。その結果、前
記第2電極6が配置された小空間に対応する前記基板1
7(101)領域に薄膜を成膜する操作を順次繰り返す
ことによって、成膜速度を例えば1μm/h以上に向上
できる反応圧力等の条件の下で基板17(101)の一
導電型半導体層全体に均一厚さで均質な結晶質シリコン
系薄膜光電変換層を形成することができる。
【0057】また、反応容器内の圧力を5Torr以上
の高い圧力にすると、一般的に反応容器の内面に低品位
で剥離し易い結晶質シリコン薄膜が堆積され、この薄膜
からのシリコン等の飛来により前記基板表面にシリコン
のパーティクルが付着して成膜された結晶質シリコン薄
膜の結晶性等を劣化させる恐れがある。
【0058】このような副次的反応に対し、前述した図
1および図2に示す本発明のプラズマCVD装置は第2
電極の6の面積にほぼ等しい小空間にプラズマ19を閉
じ込め、この小空間で主にシラン系ガスおよび水素を含
む反応ガスの分解を行うため、従来のように反応容器の
内面全体に低品位で剥離し易い結晶質シリコン薄膜が堆
積されるのを回避できる。その結果、パーティクル等の
汚染を防止した高品位の結晶質シリコン系薄膜光電変換
層を成膜することができる。
【0059】したがって、従来のプラズマCVDに比べ
て高い堆積速度(例えば1μm/h以上)で高品質の結
晶質シリコン系薄膜光電変換層105を一導電型半導体
層104上に成膜できる。
【0060】事実、反応容器内に大きな面積を持つ基板
(例えば15cm×20cm)が載置される第1電極を
配置すると共に、この第2電極と対向し、その対向面に
多数のガス吹き出し口が開口された中空状の第2電極を
配置した構造の従来のプラズマCVD装置と、前述した
図1および図2に示す本発明のプラズマCVD装置を用
いて、前述したプラズマ条件(従来例では反応容器内の
圧力を5Torrに設定)にて結晶質薄膜を成膜し、そ
れらの薄膜性状を観察した。
【0061】その結果、本発明のプラズマCVD装置を
用いた場合には、基板の一導電型半導体層に中央部と周
辺部での膜厚差が6%以内で、全体的に高品位の結晶質
シリコン薄膜を1μm/h以上の速度で成膜できた。こ
れに対し、従来のプラズマCVD装置を用いた場合に
は、成膜速度がほほ同等であるものの、基板の一導電型
半導体層に成膜された結晶質シリコン薄膜は中央部と周
辺部での膜厚差が13%程度と極めて大きくなった。ま
た、結晶質シリコン薄膜は、中央部と周辺部で膜質が変
化し、かつパーティクルに起因する欠陥等も観察され
た。
【0062】また、前述した成膜速度の向上によって、
膜成長初期における結晶核生成時間が短いために相対的
に核発生密度が減少し、大粒径で強く結晶配向した結晶
粒を有する結晶質シリコン系薄膜を形成することが可能
になる。
【0063】具体的には、結晶質シリコン系薄膜光電変
換層105はその中に含まれる結晶粒の多くが一導電型
半導体層(下地層)104から上方に柱状に延びて成長
される。これらの多くの結晶粒は膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折で求めた
(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
強度比は1/5以下、より好ましくは1/10以下であ
ることが望ましい。
【0064】さらに、前記成膜工程において前記基板の
シリコン堆積部(一導電型半導体層)の温度を100〜
400℃に設定することにより、0.1原子%以上で2
0原子%以下の水素を含む多結晶シリコンまたは体積結
晶化分率80%以上の微結晶シリコンからなる0.5〜
10μmの厚さの結晶質シリコン系薄膜光電変換層を形
成することが可能になる。
【0065】なお、下地層である1導電型層104の表
面形状が実質的に平面である場合でも、光電変換層10
5の形成後のその表面にはその膜厚よりも約1桁ほど小
さい間隔の微細な凹凸を有する表面テクスチャ構造が形
成される。
【0066】3)逆導電型半導体層106 この逆導電型半導体層106としては、例えば導電型決
定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープ
されたp型シリコン薄膜、またはリンが0.01原子%
以上ドープされたn型シリコン薄膜などが用いられ得
る。ただし、逆導電型半導体層106についてのこれら
の条件は限定的なものではない。不純物原子としては、
例えばp型シリコンにおいてはアルミニウム等でもよ
く、またシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等
の合金材料の膜を用いてもよい。この逆導電極シリコン
系薄膜106は、多結晶、微結晶または非晶質のいずれ
でもよく、その膜厚は3〜100nmの範囲内に設定さ
れ、より好ましくは5〜50nmの範囲内に設定され
る。
【0067】(第3工程)次いで、前記光電変換ユニッ
ト111上に透明導電性酸化膜107、櫛形状の金属電
極108を順次形成することにより図3に示す構造の光
電変換装置を製造する。
【0068】前記透明導電性酸化膜107は、例えばI
TO,SnO2,ZnO等から選択された少なくとも1
以上の層から形成される。
【0069】前記櫛形状の金属電極108(グリッド電
極)は、例えばAl,Ag,Au,Cu,Pt等から選
択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合金の
層をパターニングすることにより形成される。これらの
金属もしくは合金の層は、例えばスパッタリング法また
は蒸着法によって成膜される。
【0070】なお、図3ではシリコン系薄膜光電変換装
置の1つを例示しているだけであって、本発明は図3に
示す結晶質光電変換層を含む少なくとも1つの結晶系薄
膜光電変換ユニットに加えて、周知の方法で形成される
非晶質光電変換層を含む少なくとももう1つの非晶質系
薄膜光電変換ユニットをも合むタンデム型光電変換装置
にも適用することが可能である。
【0071】以上述べた本発明によれば、大きな面積を
もつ基板を有するシリコン系薄膜光電変換装置の一連の
製造工程のうちで、スループットの向上に大きく寄与す
る結晶質シリコン系光電変換層を高品質かつ均一厚さ
で、しかも高速度で成膜することできるため、シリコン
系薄膜光電変換装置の高性能化と低コスト化に大きく貢
献することができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、大
きな面積の被処理基板に膜厚および膜質が均一な薄膜、
特に結晶質シリコン薄膜を成膜することができ、大面積
の基板を有する太陽電池の光電変換装置、液晶表示装置
等の薄膜形成に有効に適用することが可能なプラズマC
VD装置を提供できる。
【0073】本発明は、大きな面積の基板上に結晶質シ
リコン系光電変換層を有する光電変換ユニットを積層す
る際、前記プラズマCVD装置を用いて低温プロセスに
より膜厚および膜質が均一な高品位の結晶質シリコン系
光電変換層を高速度で成膜して製造工程のスループット
の向上および性能改善を達成したシリコン系薄膜光電変
換装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるプラズマCVD装置を示す概略
図。
【図2】図1のプラズマCVD装置の要部断面図。
【図3】本発明の1つの実施の形態により製造されるシ
リコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
1…反応容器、 4…第1電極、 5…ヒータブロック、 6…第2電極、 9…吹き出し穴、 13…シールド部材、 16…排気ガイド部材、 17,101…基板、 18…プラズマ閉じ込め領域、 19…プラズマ、 102…Ag等の薄膜、 103…ZnO等の薄膜、 104…一導電型半導体層、 105…結晶質シリコン系光電変換層、 106…逆導電型半導体層、 107…ITO等の透明導電膜、 110…裏面電極、 111…結晶質シリコン系光電変換ユニット。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA06 AA17 BA29 BA30 BB01 BB03 BB04 BB05 BB12 CA02 CA05 CA06 CA07 EA06 EA11 FA03 GA04 HA04 JA03 JA09 JA10 JA16 KA12 KA14 KA17 LA16 5F045 AA08 AB03 AC01 AD05 AD06 AD07 AE21 AE23 AE25 BB01 CA13 5F051 AA03 AA04 AA05 BA12 CA15 CA35 CA36 CA37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気部材を有する反応容器と、 前記反応容器内に配置され、被処理基板が保持される第
    1電極と、 前記反応容器内に前記第1電極に対向して配置され、前
    記第1電極との対向面が前記基板の面積より小さく、か
    つその面に多数の反応ガスの吹き出し穴が開口された中
    空状の第2電極と、 前記第2電極内に反応ガスを導入するためのガス導入手
    段と、 前記反応容器内に前記第2電極の外周面に近接して位置
    するように配置され、前記第1、第2の電極間に生成さ
    れるプラズマを閉じ込めるためのシールド部材と、 前記反応容器内に前記シールド部材の外周面に所望の隙
    間をあけて位置するように配置された排気ガイド部材
    と、 前記シールド部材と前記ガイド部材とで形成される空間
    のガスを排気するための排気手段とを具備し、 前記第1、第2の電極および前記基板から選ばれるいず
    れか1つの部材は、プラズマ成膜中に移動されることを
    特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された少なくとも1つの光
    電変換ユニットを含み、この光電変換ユニットはプラズ
    マCVD法によって順次積層された一導電型半導体層
    と、結晶質シリコン系薄膜光電変換層と、逆導電型半導
    体層とを含むシリコン系薄膜光電変換装置を製造するに
    際し、 前記ユニットのうちの前記光電変換層は、請求項1記載
    のプラズマCVD装置を用い、その反応容器内の第1電
    極に前記基板を保持するとともに、そのプラズマ生成条
    件を第1、第2の電極間およびシールド部材で区画され
    たプラズマ閉じ込め領域の圧力が5Torr以上、 第1、第2の電極間の距離が2.0cm以下、 反応ガスは主成分としてシラン系ガスと水素ガスを含
    み、前記反応容器内に導入される全反応ガスに含まれる
    シラン系ガスに対する水素ガスの流量比が30倍以上、 プラズマ放電電力密度が30mW/cm2以上、に設定
    し、前記第1電極または前記基板と前記第2電極とを相
    対的に移動させることにより成膜されることを特徴とす
    るシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成膜工程において、前記基板のシリ
    コン堆積部の温度を100〜400℃に設定することに
    より、0.1原子%以上で20原子%以下の水素を含む
    多結晶シリコンまたは体積結晶化分率80%以上の微結
    晶シリコンからなる0.5〜10μmの厚さの光電変換
    層膜を形成することを特徴とする請求項2記載のシリコ
    ン系薄膜光電変換装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光電変換層は、その表面に平行に
    (110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折にお
    ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
    クの強度比が1/5以下であることを特徴とする請求項
    2または3記載のシリコン系薄膜光電変換装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記光電変換ユニットに加えて少なくと
    も1つの非晶質シリコン系光電変換ユニットを積層する
    ことによってタンデム型構造にすることを特徴とする請
    求項2ないし4いずれか記載のシリコン系薄膜光電変換
    装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008249304A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Koyo Thermo System Kk 連続熱処理装置
JP2009120859A (ja) * 2004-12-28 2009-06-04 Asm Genitech Inc 原子層蒸着装置
US7741144B2 (en) 2007-11-02 2010-06-22 Applied Materials, Inc. Plasma treatment between deposition processes

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