JP4451946B2 - プラズマcvd装置およびシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置およびシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマCVD装置およびこのプラズマCVD装置を用いて非晶質または結晶質シリコン系薄膜光電変換層を成膜する工程を含むシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において、「結晶質」と「微結晶」の用語は、部分的に非晶質状態を含むものをも意昧するものとする。
【0003】
【従来の技術】
薄膜光電変換装置の代表的なものとして非晶質シリコン系太陽電池が知られている。この太陽電池に用いられる非晶質光電変換材料は、通常200℃前後の低い成膜温度の下でプラズマCVD法によって形成できるため、基板としてガラス、ステンレス、有機フィルム等の安価なものを使用できる。その結果、非晶質光電変換材料は、低コストの光電変換装置を製造するのための有力材料として期待されている。また、非晶質シリコンは可視光領域での吸収係数が大きいため、500nm以下の薄い膜厚の非晶質シリコンからなる光電変換層を有する太陽電池において15mA/cm2以上の短絡電流が実現されている。
【0004】
しかしながら、非晶質シリコン系材料は長期間の光照射を受けると、Stebler-Wronsky効果により光電変換特性が低下するなどの問題を抱えており、さらにその有効感度波長領域が800nm程度に制限されている。したがって、非晶質シリコン系材料を用いた光電変換装置においては、その信頼性や高性能化には限界が見られ、基板選択の自由度や低コストプロセスを利用し得るという本来の利点が十分には生かされていない。
【0005】
このようなことから、近年、例えば多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これらの開発は、安価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質シリコン薄膜を形成することによって光電変換装置の低コスト化と高性能化を両立させるという試みであり、太陽電池だけでなく光センサ等の様々な光電変換装置への応用が期待されている。
【0006】
結晶質シリコン薄膜の形成方法としては、例えばCVD法やスパッタリング法にて基板上に直接堆積させるか、同様のプロセスで一旦非晶質膜を堆積させた後に熱アニールやレーザアニールを行なうことによって結晶化を図るなどの方法が知られている。いずれの方法においても前述した安価な基板を用いるためには成膜時の温度を550℃以下にする必要がある。
【0007】
前記各成膜プロセスの中でも、プラズマCVD法によって直接結晶質シリコン薄膜を堆積させる手法は、プロセスの低温化や薄膜の大面積化が最も容易であり、しかも比較的簡便なプロセスで高品質な結晶質薄膜が得られるものと期待されている。
【0008】
ところで、プラズマCVD法に用いられる装置としては従来より図7および図8に示す構造のものが知られている。図7中の矩形状の反応容器1は、対向する両側壁に排気部材である排気管2,2がそれぞれ連結されている。前記排気管2,2は、それら他端が図示しない真空ポンプ等に連結されている。基板を出し入れするための図示しないバルブは、前記反応容器1の対向する側壁に設けられている。矩形状の第1電極3は、前記反応容器1内に支持軸4により支持されて配置されている。前記第1電極3上部には、載置されるべき基板を加熱するための図示しないヒータが内蔵されている。前記第1電極3は、例えばグランドに接続されている。矩形中空状の第2電極5は、前記反応容器1内に前記第1電極3の上面と対向するように配置され、上面に前記反応容器1を貫通してその内部に延出されたガス供給管6が連結されている。この第2電極5は、図8に示すように前記第1電極3と対向する前面にガス吹き出し板7を有する。このガス吹き出し板7には、記第1電極3と対向する底面側に開口した複数の拡口穴8とこれら穴8の背面の前記ガス吹き出し板7部分に開口して連通されたその穴8より径の小さいガス導入穴9とからなるガス吹き出し穴10が設けられている。例えば高周波電源(図示せず)は、前記第2電極5に接続されている。
【0009】
このような構成のCVD装置において、図示しないバルブを通して基板11を反応容器1内の第1電極3上に載置し、その第1電極3に内蔵した図示しないヒータの発熱により前記基板11を所望温度に加熱する。反応ガス(例えばシラン系ガスと水素を含む反応ガス)をガス供給管6を通して中空状の第2電極5内に導入し、その底部に配置されたガス吹き出し板7の複数のガス吹き出し穴10から反応ガスを第1電極3上の基板11に向けて吹き出す。同時に、図示しない真空ポンプのような排気装置を駆動して前記反応容器1内のガスを排気管2,2を通して排気して前記反応容器1内を所定の真空度に保持する。
【0010】
反応容器1内の真空度が安定した状態で、図示しない電源から前記第2電極5に例えば高周波電力を印加する。このような高周波電力の印加により前記ガス吹き出し板7と前記基板11の間にプラズマ12が生成される。プラズマ12が生成されると、その中で反応ガス(シラン系ガス)が分解されてシリコンが前記所望温度(例えば550℃以下)に加熱された前記基板11表面に堆積されてシリコン薄膜が成膜される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のCVD装置において反応ガスをガス供給管6から中空状の第2電極5内に供給し、この第2電極5底部に配置されたガス吹き出し板7のガス吹き出し穴10から第1電極3上の基板11に向けて吹き出して主に前記ガス吹き出し板7と前記基板11の間にプラズマ12を生成する際、前記ガス吹き出し穴10間の平坦なガス吹き出し板7部分の表面にパウダーのような反応ガスの生成物が付着して成長する。成長したパウダーは、成膜中に剥離、落下して前記基板11表面の薄膜に付着する。その結果、薄膜の膜質が劣化したり、そのパウダー付着部での異常成膜により膜厚が不均一になったりする。
【0012】
このような成膜中の薄膜へのパウダーの落下、付着を回避するためには前記第2電極のクリーニングを頻繁に行なう必要がある。
【0013】
したがって、従来のCVD装置を非晶質または多結晶シリコンまたは部分的に非晶質相を含む微結晶シリコンのような薄膜、例えば光電変換装置の製造における非晶質または結晶質シリコン系光電変換層、の形成に適用すると、クリーニング頻度が多くなるため、実効的な稼動時間が短くなって光電変換装置のスループットの向上が困難となり、低コスト化の妨げとなる。
【0014】
本発明は、成膜中の中空状電極のガス吹き出し板へのパウダーのような反応ガスの生成物の付着を抑制することが可能なプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は、シリコン系光電変換層を有する光電変換ユニットを積層する際、前記プラズマCVD装置を用いて高品位のシリコン系光電変換層を成膜して製造工程のスループットの向上および性能改善を達成したシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるプラズマCVD装置は、排気部材を有する反応容器と、
前記反応容器内に配置され、被処理基板を保持する第1電極と、
前記反応容器内に前記第1電極に対向して配置された中空状の第2電極と、
前記第2電極内に反応ガスを供給するためのガス供給手段と、
前記第2電極に電力を印加するための電源と
を具備し、
前記中空状の第2電極は、前記第1電極と対向する面にガス吹き出し板を有し、
前記ガス吹き出し板には、複数のガス吹き出し穴が貫通して形成され、かつ
前記ガス吹き出し板には、前記ガス吹き出し穴の径より大きい開口幅を持つ複数の柱状凹部が前記各ガス吹き出し穴間に位置する前記第1電極と対向する面に開口して設けられることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係わるシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法は、基板上に形成された少なくとも1つの光電変換ユニットを含み、この光電変換ユニットはプラズマCVD法によって順次積層された一導電型半導体層と、シリコン系薄膜光電変換層と、逆導電型半導体層とを含むシリコン系薄膜光電変換装置を製造するに際し、
前記ユニットのうちのいずれかの層は、前述したプラズマCVD装置の反応容器内の第1電極に前記基板を保持するとともに、電源から中空状の第2電極に電力を供給し、かつシラン系ガスと水素ガスを含む反応ガスを前記中空状の第2電極におけるガス吹き出し板のガス吹き出し穴を通して前記第1電極の基板に向けて吹き出し、前記基板と前記第2電極間にプラズマを発生させることにより成膜されることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるプラズマCVD装置を図1〜図3を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係わるプラズマCVD装置を示す概略図、図2は図1のプラズマCVD装置の要部断面図、図3は図2のIII−III矢視図である。
【0021】
矩形状の反応容器21は、対向する両側壁に排気部材である排気管22,22がそれぞれ連結されている。前記排気管22,22は、それら他端が図示しない真空ポンプ等に連結されている。基板を出し入れするための図示しないバルブは、前記反応容器21の対向する側壁に設けられている。
【0022】
矩形状の第1電極23は、前記反応容器21内に支持軸24により支持されて配置されている。前記第1電極23上部には、載置されるべき基板を加熱するための図示しないヒータが内蔵されている。前記第1電極23は、例えばグランドに接続されている。
【0023】
矩形中空状の第2電極25は、前記反応容器21内に前記第1電極23の上面と対向するように配置されている。図示しない高周波電源は、前記第2電極25に接続されている。ガス供給管26は、前記反応容器21を貫通してその内部に延出され、その先端が前記矩形中空状の第2電極25の上面に連結されている。前記第2電極25は、図2および図3に示すように前記第1電極3と対向する前面にガス吹き出し板27が配置された構造を有する。ガスの分散性を向上するために前記ガス吹き出し板27の裏面に更に図示しないガス分散板を数枚設けている。
【0024】
前記ガス吹き出し板27には、前記第1電極23と対向する面側に開口された複数の円柱状拡口穴28とこれら穴28の背面の前記ガス吹き出し板27部分に開口して連通されたその穴28より径の小さいガス導入穴29とからなる第1ガス吹き出し穴30が設けられている。前記拡口穴28より直径の小さい複数の円柱状の第2ガス吹き出し穴31は、前記第1ガス吹き出し穴30の間に前記ガス吹き出し板27部分に開口されている。
【0025】
前記第1ガス吹き出し穴30の拡口穴28は、1〜20mm、好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは4〜5mmの直径を有することが望ましい。
【0026】
前記第2ガス吹き出し穴31は、0.1〜5mm、好ましくは0.3〜2mmの直径を有することが望ましい。
【0027】
次に、前述した図1〜図3に示す構成のプラズマCVD装置の作用を説明する。
【0028】
まず、図示しないバルブを通して基板32を反応容器21内の第1電極23上に載置し、その第1電極23に内蔵した図示しないヒータの発熱により前記基板32を所望温度に加熱する。反応ガス(例えばシラン系ガスと水素を含む反応ガス)をガス供給管26を通して中空状の第2電極25内に導入し、その底部に配置されたガス吹き出し板27の互いに異形の複数の第1ガス吹き出し穴30および複数の第2ガス吹き出し穴31から前記第1電極23上の基板32に向けて吹き出す。同時に、図示しない真空ポンプのような排気装置を駆動して前記反応容器21内のガスを排気管22,22を通して排気して前記反応容器21内を所定の真空度に保持する。
【0029】
反応容器21内の真空度が安定した状態で、図示しない電源から前記第2電極25に例えば高周波電力を印加する。このような高周波電力の印加により前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33が生成される。プラズマ33が生成されると、その中で反応ガス(シラン系ガス)が分解されてシリコンが前記所望温度(例えば550℃以下)に加熱された前記基板32表面に堆積されてシリコン薄膜が成膜される。
【0030】
前述した成膜時において、前記中空状の第2電極25の前記第1電極23と対向するガス吹き出し板27に径の大きな拡口穴28を有する複数の第1ガス吹き出し穴30を開口するとともに、これら第1ガス吹き出し穴30間に位置する前記ガス吹き出し板27部分に前記拡口穴28の径より小さい第2ガス吹き出し穴31を開口することによって、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることができる。このため、反応ガスを前記ガス吹き出し板27に開口された第1、第2のガス吹き出し穴30,31から第1電極23上の基板32に向けて吹き出して主に前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成する際、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることにより、そのガス吹き出し板27の平坦部にパウダーのような反応ガスの生成物が付着して成長するのを抑制することができる。その結果、成膜中に第2電極25のガス吹き出し板27から前記パウダーが剥離、落下して前記基板32表面の薄膜に付着するのを抑制できる。
【0031】
したがって、パウダーの付着に起因する薄膜の膜質劣化、そのパウダー付着部での異常成膜により膜厚の不均一化を防止できる。
【0032】
また、前記第2電極25のガス吹き出し板27へのパウダー付着を抑制できることによって、クリーニングの頻度を減少でき、実効的な稼動時間を長くできるため、生産性を向上できる。
【0033】
さらに、前記中空状の第2電極25の前記第1電極23との対向するガス吹き出し板27に複数の第1、第2のガス吹き出し穴30,31を開口することによって、従来のCVD装置に比べてガスの吹き出し箇所を増加できるため、前記ガス吹き出し板27と前記基板32のガス分布を均一化できる。その結果、前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成することによって、均一な薄膜を前記基板32表面に成膜できる。
【0034】
次に、本発明に係わるプラズマCVD装置の他の形態を図4を参照して説明する。なお、前述した図1〜図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0035】
このプラズマCVD装置は、中空状の第2電極25のガス吹き出し板27における第1電極23と対向する面側から開口された複数の円柱状拡口穴34とこれら穴34の背面の前記ガス吹き出し板27部分に開口して連通したその穴34より径の小さいガス導入穴35とからなるガス吹き出し穴36を設け、さらに前記ガス吹き出し穴36の間の前記ガス吹き出し板27の前記第1電極23と対向する面から開口された前記拡口穴34より径の小さい複数の円柱状凹部(未貫通穴)37を設けた構造を有する。
【0036】
前記ガス吹き出し穴36の拡口穴34は、1〜20mm、好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは4〜5mmの直径を有することが望ましい。
【0037】
前記円柱状凹部37は、0.1〜5mm、好ましくは0.3〜2mmの直径を有することが望ましい。
【0038】
このような図4に示す構成によれば、成膜時において前記中空状の第2電極25の前記第1電極23と対向するガス吹き出し板27に従来のCVD装置と同様な径の大きな拡口穴34を有する複数のガス吹き出し穴36を開口するとともに、これらガス吹き出し穴36間に位置する前記ガス吹き出し板27部分に前記拡口穴34の径より小さい円柱状凹部37を開口することによって、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることができる。このため、反応ガスを前記ガス吹き出し板27に開口されたガス吹き出し穴36から第1電極23上の基板32に向けて吹き出して主に前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成する際、小さい円柱状穴37の内部のプラズマをエッチングモードにすることにより現状の放電条件を殆ど変更することなく,前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることにより、そのガス吹き出し板27の平坦部にパウダーのような反応ガスの生成物が付着して成長するのを抑制することができる。その結果、成膜中に第2電極25のガス吹き出し板27から前記パウダーが剥離、落下して前記基板32表面の薄膜に付着するのを抑制できるため、パウダーの付着に起因する薄膜の膜質劣化、そのパウダー付着部での異常成膜により膜厚の不均一化を防止できる。
【0039】
また、前記第2電極25のガス吹き出し板27へのパウダー付着を抑制できることによって、クリーニングの頻度を減少でき、実効的な稼動時間を長くできるため、生産性を向上できる。
【0040】
次に、本発明に係わるプラズマCVD装置のさらに他の形態を図5を参照して説明する。なお、前述した図1〜図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0041】
このプラズマCVD装置は、中空状の第2電極25のガス吹き出し板27にガス吹き出し穴38を貫通して設け、さらに前記ガス吹き出し穴38の間の前記ガス吹き出し板27の前記ガス吹き出し穴38より径の大きな複数の円柱状凹部(未貫通穴)39を設けた構造を有する。
【0042】
このような図5に示す構成によれば、成膜時において前記中空状の第2電極25の前記第1電極23と対向するガス吹き出し板27に複数のガス吹き出し穴38を開口するとともに、これらガス吹き出し穴38間に位置する前記ガス吹き出し板27部分に前記ガス吹き出し穴38の径より大きい円柱状凹部39を開口することによって、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることができる。このため、反応ガスを前記ガス吹き出し板27に開口されたガス吹き出し穴36から第1電極23上の基板32に向けて吹き出して主に前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成する際、大きい円柱状穴39の内部のプラズマをエッチングモードにすることによって、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることにより、そのガス吹き出し板27の平坦部にパウダーのような反応ガスの生成物が付着して成長するのを抑制することができる。その結果、成膜中に第2電極25のガス吹き出し板27から前記パウダーが剥離、落下して前記基板32表面の薄膜に付着するのを抑制できるため、パウダーの付着に起因する薄膜の膜質劣化、そのパウダー付着部での異常成膜により膜厚の不均一化を防止できる。
【0043】
また、前記第2電極25のガス吹き出し板27へのパウダー付着を抑制できることによって、クリーニングの頻度を減少でき、実効的な稼動時間を長くできるため、生産性を向上できる。
【0044】
なお、本発明に係わるCVD装置において前記ガス吹き出し板に設けるガス吹き出し穴および凹部は円柱状に限らず、三角柱状、四角柱状、六角柱状等の任意形状にしてもよい。
【0045】
次に、本発明に係わるシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を図6を参照して説明する。
【0046】
図6は、本発明の1つの実施形態により製造されるシリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す斜視図である。
【0047】
(第1工程)
まず、基板101上に裏面電極110を形成する。
【0048】
前記基板101としては、例えばステンレス等の金属、有機フィルム、または低融点の安価なガラス等を用いることができる。
【0049】
前記裏面電極110は、例えばTi,Cr,Al,Ag,Au,CuおよびPtから選択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合金からなる層を含む金属薄膜102およびITO,SnO2,およびZnOから選択された少なくとも1つ以上の酸化物からなる層を合む透明導電性薄膜103をこの順序で積層することにより形成される。ただし、金属薄膜102または透明導電性薄膜103のみで裏面電極110を構成してもよい。これらの薄膜102,103は、例えば蒸着法やスパッタリング法によって形成される。
【0050】
(第2工程)
次いで、前記裏面電極110上にプラズマCVD法によって一導電型半導体層104、結晶質シリコン系薄膜光電変換層105および逆導電型半導体層106を順次積層することにより光電変換ユニット111を形成する。この光電変換ユニット111は、1ユニットに限らず、複数のユニットを前記裏面電極に形成してもよい。
【0051】
前記一導電型半導体層104、結晶質シリコン系薄膜光電変換層105および逆導電型半導体層106について、以下に詳述する。
【0052】
1)一導電型半導体層104
この一導電型半導体層104は、例えば導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型シリコン層、またはボロンが0.01原子%以上ドーブされたp型シリコン層などを用いることができる。ただし、一導電型半導体層104に関するこれらの条件は限定的なものではなく、不純物原子としては例えばp型シリコン層においてはアルミニウム等でもよく、またシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなどの合金材料を用いてもよい。
【0053】
一導電型シリコシ系薄膜104は、多結晶、微結晶、または非晶質のいずれでもよく、その膜厚は1〜100nmより好ましくは2〜30nmにすることが望ましい。
【0054】
2)結晶質シリコン系薄膜光電変換層105
この結晶質シリコン系薄膜光電変換層105は、例えば前述した図1〜図3に示すプラズマCVD装置を用い、その反応容器21内の第1電極23に予め一導電型の半導体層104が成膜された前記基板101(32)を保持するとともに、電源から中空状の第2電極25に電力を供給し、かつシラン系ガスと水素ガスを含む反応ガスをガス供給管6を通して前記中空状の第2電極25内に供給し、この第2電極25の底部に配置されたガス吹き出し板27に開口した互いに異形の複数の第1、第2のガス吹き出し穴30,31から前記第1電極23上の基板32に向けて吹き込み、前記基板32と前記第2電極25間にプラズマを発生させることにより成膜される。
【0055】
前記成膜工程において、前記第1電極23に内蔵したヒータによる基板のシリコン堆積部の温度はガラス等の安価な基板の使用を可能にする550℃以下とすることが好ましい。
【0056】
前記成膜工程において、前記反応容器21内の圧力を5Torr以上の高い圧力にすることが好ましい。このような条件に設定することにより、前記基板32表面に成膜される結晶質シリコン薄膜へのイオンダメージを低減することが可能になる。その結果、成膜速度を速めるために高周波パワーを高く(例えばプラズマ放電電力密度が100mW/cm2以上)したり、ガス流量を増加させても、成膜中の薄膜表面へのイオンダメージを低減して結晶質シリコン系薄膜光電変換層を高速度で成膜することが可能になる。また、高圧力にすることによって、結晶粒界や粒内の欠陥が水素でパッシベーションされ易くなるため、それらに起因する結晶質シリコン系薄膜への欠陥密度を減少させることが可能になる。より好ましい前記反応容器21内の圧力は5〜20Torrである。
【0057】
前記成膜工程において、前記第1電極23とこの電極23に近接する前記第2電極25のガス吹き出し板27との間の距離は1.5cm以下にすることが好ましい。このように前記第1電極23と前記第2電極25のガス吹き出し板27間の距離を1.5cm以下と短くすることにより、前記反応容器21内の圧力を5Torr以上にしても前述したように前記第1電極23の基板32と第2電極25の間にプラズマ33を安定して生成できる。
【0058】
前記シラン系ガスとしては、例えばモノシラン、ジシラン等が好ましいが、これらに加えて四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、ジクロルシラン等のハロゲン化ケイ素ガスを用いてもよい。このようなシラン系ガスに加えて希ガス等の不活性ガス、好ましくはヘリウム、ネオン、アルゴン等を用いもよい。
【0059】
前記成膜工程において、前記反応容器21内に導入される全反応ガス(シラン系ガスと水素ガスを含む)に含まれるシラン系ガスに対する水素ガスの流量比は100倍以上にすることが好ましい。このように全反応ガスに含まれるシラン系ガスに対する水素ガスの流量比を100倍以上にすることによって、活性化された水素のエッチング作用等によって、低品位で剥離し易い結晶質シリコンが反応場である膜堆積部以外に領域に堆積されのを防ぐことが可能になる。
【0060】
前記成膜工程において、プラズマ放電電力密度を100mW/cm2以上にすることが好ましい。
【0061】
このような図1〜図3に示すプラズマCVD装置を用いて、シラン系ガスと水素ガスを含む反応ガスをガス供給管26を通して中空状の第2電極25に供給し、その底部に配置されたガス吹き出し板27の互いに異形の複数の第1、第2のガス吹き出し穴30,31から前記第1電極23上の基板32に向けて吹き出すと共に、前記第2電極25に例えば高周波電力を印加することによって、前述したように前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることができる。このため、反応ガスを前記ガス吹き出し板27に開口された第1、第2のガス吹き出し穴30,31から第1電極23上の基板32に向けて吹き出すと共に、前記第2電極25に例えば高周波電力を印加して主に前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成する際、前記ガス吹き出し板27の平坦な面積を実効的に減少させることにより、そのガス吹き出し板27の平坦部にパウダーのような反応ガスの生成物が付着して成長するのを抑制することができる。その結果、成膜中に第2電極25のガス吹き出し板27から前記パウダーが剥離、落下して前記第1電極23上に載置した基板32(101)の一導電型半導体の薄膜に付着するのを抑制できる。したがって、パウダーの付着に起因する結晶質シリコン系薄膜光電変換層の膜質劣化、そのパウダー付着部での異常成膜による結晶質シリコン系薄膜光電変換層の膜厚の不均一化を防止できる。
【0062】
また、前記第2電極25のガス吹き出し板27へのパウダー付着を抑制できることによって、クリーニングの頻度を減少でき、実効的な稼動時間を長くできるため、シリコン系薄膜光電変換装置の生産性を向上できる。
【0063】
さらに、前記中空状の第2電極25の前記第1電極23との対向するガス吹き出し板27に複数の第1、第2のガス吹き出し穴30,31を開口することによって、従来のCVD装置に比べてガスの吹き出し箇所を増加できるため、前記ガス吹き出し板27と前記基板32のガス分布を均一化できる。その結果、前記ガス吹き出し板27と前記基板32の間にプラズマ33を生成することによって、基板32(101)の一導電型半導体の表面全体に均一な膜厚を有する高品位の結晶質シリコン系薄膜光電変換層を成膜することができる。
【0064】
なお、プラズマCVD装置は図1〜図3に示す構造に限らず、前述した図4または図5に示すプラズマCVD装置を用いても成膜中に第2電極25のガス吹き出し板27から前記パウダーが剥離、落下して前記第1電極23上に載置した基板32(101)の一導電型半導体の薄膜に付着するのを抑制して、パウダーの付着に起因する結晶質シリコン系薄膜光電変換層の膜質劣化、そのパウダー付着部での異常成膜による結晶質シリコン系薄膜光電変換層の膜厚の不均一化を防止できる。
【0065】
また、前述したように反応容器内の圧力を5Torr以上の高い圧力にする条件の下で高周波パワーを増大したり、反応ガスの流量を増加させて成膜速度を向上するによって、膜成長初期における結晶核生成時間を短くできるために相対的に核発生密度を減少でき、大粒径で強く結晶配向した結晶粒を有する結晶質シリコン系薄膜を形成することが可能になる。
【0066】
具体的には、結晶質シリコン系薄膜光電変換層105はその中に含まれる結晶粒の多くが一導電型半導体層(下地層)104から上方に柱状に延びて成長される。これらの多くの結晶粒は膜面に平行に(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折で求めた(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比は2/5以下、より好ましくは1/10以下であることが望ましい。
【0067】
さらに、前記成膜工程において前記基板のシリコン堆積部(一導電型半導体層)の温度を100〜400℃に設定することにより、0.1原子%以上で20原子%以下の水素を含む多結晶シリコンまたは体積結晶化分率80%以上の微結晶シリコンからなる結晶質シリコン系薄膜光電変換層を形成することが可能になる。
【0068】
なお、結晶質シリコン系薄膜光電変換層は0.5〜10μmの厚さを有することが好ましい。
【0069】
また、下地層である一導電型層104の表面形状が実質的に平面である場合でも、光電変換層105の形成後のその表面にはその膜厚よりも約1桁ほど小さい間隔の微細な凹凸を有する表面テクスチャ構造が形成される。
【0070】
3)逆導電型半導体層106
この逆導電型半導体層106としては、例えば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型シリコン薄膜、またはリンが0.01原子%以上ドープされたn型シリコン薄膜などが用いられ得る。ただし、逆導電型半導体層106についてのこれらの条件は限定的なものではない。不純物原子としては、例えばp型シリコンにおいてはアルミニウム等でもよく、またシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等の合金材料の膜を用いてもよい。この逆導電極シリコン系薄膜106は、多結晶、微結晶または非晶質のいずれでもよく、その膜厚は3〜100nmの範囲内に設定され、より好ましくは5〜50nmの範囲内に設定される。
【0071】
(第3工程)
次いで、前記光電変換ユニット111上に透明導電性酸化膜107、櫛形状の金属電極108を順次形成することにより図6に示す構造の光電変換装置を製造する。
【0072】
前記透明導電性酸化膜107は、例えばITO,SnO2,ZnO等から選択された少なくとも1以上の層から形成される。
【0073】
前記櫛形状の金属電極108(グリッド電極)は、例えばAl,Ag,Au,Cu,Pt等から選択された少なくとも1以上の金属またはこれらの合金の層をパターニングすることにより形成される。これらの金属もしくは合金の層は、例えばスパッタリング法または蒸着法によって成膜される。
【0074】
このような方法で製造された図6に示す光電変換装置において、光109は前記透明導電性酸化膜107に入射されて光電変換がなされ、前記裏面電極110の例えば金属薄膜102および前記金属電極108の端子間から出力される。
【0075】
なお、図6ではシリコン系薄膜光電変換装置の1つを例示しているだけであって、本発明は図6に示すシリコン結晶質光電変換層を含む少なくとも1つの結晶系薄膜光電変換ユニットに加えて、周知の方法で形成される非晶質光電変換層を含む少なくとももう1つの非晶質系薄膜光電変換ユニットをも含むタンデム型光電変換装置、または1つ以上の非晶質系薄膜光電変換ユニットを有する光電変換装置にも適用することが可能である。
【0076】
以上述べた本発明によれば、シリコン系薄膜光電変換装置の一連の製造工程のうちで、スループットを向上させる結晶質シリコン系光電変換層をプラズマCVD装置により成膜する際、その第2電極のガス吹き出し板へのパウダー付着を抑制してクリーニング頻度を低減しつつ、前記ガス吹き出し板のパウダーが剥離、落下して前記結晶質シリコン系光電変換層の下地層に付着するのを抑制してその光電変換層の膜質劣化、異常成長を防止できるため、シリコン系薄膜光電変換装置の高性能化と低コスト化に大きく貢献することができる。
【0077】
【実施例】
以下、本発明に係わる好ましい実施例を参考例と対比して詳細に説明する。
【0078】
(参考例1)
前述した図6の実施の形態に類似して、参考例1としての結晶質シリコン薄膜太陽電池を製造した。
【0079】
まず、長さ126mm、幅126mm、厚さ1.1mmの寸法のガラス基板101上に裏面電極110として、厚さ300nmのAg膜102と厚さ100nmのZnO膜103のそれぞれがスパッタリング法によって順次形成した。裏面電極110上に厚さ10nmでリンドープされたn型微結晶シリコン層104、厚さ3μmでノンドープの多結晶シリコン薄膜光電変換層105、および厚さ10nmでボロンドープされたp型微結晶シリコン層106をそれぞれプラズマCVD法により成膜し、nip光電変換ユニット111を形成した。光電変換ユニット111上に前面電極107として、厚さ80nmの透明導電性ITO膜をスパッタリング法にて堆積し、その上に電流取出のための櫛形Ag電極108を蒸着法およびパターニング技術により形成した。
【0080】
前記n型微結晶シリコン層104は、RFプラズマCVD法によって堆積した。このときに用いられた反応ガスの流量は、シランが5.0sccm、水素が200sccm、ホスフィンが0.05sccmであった。また、反応容器内の圧力は1Torrにし、RFパワー密度を30mW/cm2に設定した。
【0081】
前記光電変換層105は、400℃の基板温度と5Torrの反応容器内圧力の下にプラズマCVD法により形成した。このとき用いられた第2電極は第1電極との対向面に直径0.5mmの拡口穴を有するガス吹き出し穴が1cmの間隔でガス吹き出し板に設けられ、基板を保持する第1電極との距離を1.5cmに設定した。前記第2電極のガス吹き出し穴から吹出された反応ガスにおいて、シラン/水素の流量比を1/120とし、放電パワーを120mW/cm2に設定した。
【0082】
このような条件の下において、光電変換層105の成膜速度は1.4μm/hであった。得られた光電変換層105において、X線回折の(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比は1/10であり、水素含有量は1.6原子%であった。
【0083】
前記p型微結晶シリコン層106のプラズマCVDにおいては、反応ガスの流量をシランが1.0sccm、水素が500sccm、ジボランが0.01sccmとした。また、反応容器内の圧力を1Torrにし、RFパワー密度を150mW/cm2に設定した。
【0084】
このようにして得られた参考例1の太陽電池において、図6に示す入射光109としてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射したときの出力特性を調べた。その結果、開放端電圧が0.520V、短絡電流密度が27.4mA/cm2、曲線因子が75.1%、変換効率が10.7%であった。
【0085】
また、前記プラズマCVD装置により前述したのと同様な条件の下で光電変換層105を連続して成膜し、150時間経過(約210μmの成膜に相当)後に成膜した光電変換層105を有する太陽電池について、入射光109としてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射したときの出力特性を調べた。その結果、開放端電圧が0.411V、短絡電流密度が20.3mA/cm2、曲線因子が52.3%、変換効率が5.3%であった。このように従来のプラズマCVD装置を連続的に稼動して成膜された光電変換層105を有する太陽電池において、前記出力特性が低下するのはその装置の上部側に配置した中空状の第2電極におけるガス吹き出し板に反応ガスの生成物であるパウダーが付着し、このパウダーが剥離、落下して下部側の第1電極上の基板の下地層(n型微結晶シリコン層104)に付着し、この下地層に成膜される光電変換層105の膜質等を劣化させたためである。
【0086】
(実施例1)
光電変換層105のプラズマCVD装置として以下に説明するもの用いた以外、参考例1と同じ条件の下で太陽電池を製造した。
【0087】
すなわち、実施例1においては前述した図1〜図3に示す構造のプラズマCVD装置を用い、第1電極3と対向する前面にガス吹き出し板27を有する中空状の第2電極25が配置され、このガス吹き出し板27上に直径0.5mmの拡口穴28を有する第1ガス吹き出し穴30を1cmの間隔で開口するとともに、これら第1ガス吹き出し穴30間に図3に示すように直径1の円柱状第2ガス吹き出し穴31を開口した構造を有する。
【0088】
このようプラズマCVDにおいて、光電変換層105の成膜速度は3.0μm/hであった。
【0089】
得られた光電変換層105において、X線回折の(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比は1/10であり、水素含有量は1.3原子%であった。
【0090】
この実施例1の太陽電池において、図6に示す入射光109としてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射したときの出力特性を調べた。その結果、開放端電圧が0.519V、短絡電流密度が27.2mA/cm2、曲線因子が74.8%、変換効率が10.5%であった。
【0091】
また、前記プラズマCVD装置により前述したのと同様な条件の下で光電変換層105を連続して成膜し、80時間経過(約240μmの成膜に相当)後に成膜した光電変換層105を有する太陽電池について、入射光109としてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射したときの出力特性を調べた。その結果、開放端電圧が0.520V、短絡電流密度が27.0mA/cm2、曲線因子が74.4%、変換効率が10.4%であった。この結果から、連続成膜後の光電変換層105を有する太陽電池においても初期に成膜された光電変換層105を有する太陽電池とほぼ同様な出力特性を示すことがわかる。
【0092】
なお、図1〜図3に示す構造のプラズマCVD装置の代わりに図4または図5に示す構造のプラズマCVD装置を用いても実施例1とほぼ同様な結果が得られた。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、成膜中に第2電極のガス吹き出し板へのパウダー付着を抑制してクリーニング頻度を低減しつつ、前記ガス吹き出し板のパウダーが剥離、落下して第1電極の基板または成膜途中の薄膜に付着するのを抑制して薄膜の膜質劣化、異常成長を防止できるため、太陽電池の光電変換装置、液晶表示装置等の膜形成に有効に適用することが可能なプラズマCVD装置を提供できる。
【0094】
本発明は、安価な基板上にシリコン系光電変換層を有する光電変換ユニットを積層する際、前記プラズマCVD装置を用いて高品位のシリコン系光電変換層を成膜して製造工程のスループットの向上および性能改善を達成したシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるプラズマCVD装置を示す概略図。
【図2】図1のプラズマCVD装置の要部断面図。
【図3】図2のIII−III矢視図。
【図4】本発明に係わる別のプラズマCVD装置の要部断面図。
【図5】本発明に係わるさらに別のプラズマCVD装置の要部断面図。
【図6】本発明の1つの実施の形態により製造されるシリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す斜視図。
【図7】従来のプラズマCVD装置を示す概略図。
【図8】図7のプラズマCVD装置の要部断面図。
【符号の説明】
21…反応容器、
22…排気管、
23…第1電極、
25…第2電極、
27…ガス吹き出し板、
30,31、36,38…ガス吹き出し穴、
32…基板、
33…プラズマ、
37,39…凹部、
102…Ag等の薄膜、
103…ZnO等の薄膜
104…一導電型半導体層、
105…結晶質シリコン系光電変換層、
106…逆導電型半導体層、
107…ITO等の透明導電膜、
110…裏面電極、
111…結晶質シリコン系光電変換ユニット。

Claims (2)

  1. 排気部材を有する反応容器と、
    前記反応容器内に配置され、被処理基板を保持する第1電極と、
    前記反応容器内に前記第1電極に対向して配置された中空状の第2電極と、
    前記第2電極内に反応ガスを供給するためのガス供給手段と、
    前記第2電極に電力を印加するための電源と
    を具備し、
    前記中空状の第2電極は、前記第1電極と対向する面にガス吹き出し板を有し、
    前記ガス吹き出し板には、複数のガス吹き出し穴が貫通して形成され、かつ
    前記ガス吹き出し板には、前記ガス吹き出し穴の径より大きい開口幅を持つ複数の柱状凹部が前記各ガス吹き出し穴間に位置する前記第1電極と対向する面に開口して設けられることを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. 基板上に形成された少なくとも1つの光電変換ユニットを含み、この光電変換ユニットはプラズマCVD法によって順次積層された一導電型半導体層と、シリコン系薄膜光電変換層と、逆導電型半導体層とを含むシリコン系薄膜光電変換装置を製造するに際し、
    前記ユニットのうちのいずれかの層は、請求項1記載のプラズマCVD装置の反応容器内の第1電極に前記基板を保持するとともに、電源から中空状の第2電極に電力を供給し、かつシラン系ガスと水素ガスを含む反応ガスを前記中空状の第2電極におけるガス吹き出し板のガス吹き出し穴を通して前記第1電極の基板に向けて吹き出し、前記基板と前記第2電極間にプラズマを発生させることにより成膜されることを特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置の製造方法。
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